マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
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  •   [No.2189] Re: はい、こちらお悩み相談室です 投稿者:   《URL》   投稿日:2012/01/09(Mon) 23:21:33     96clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    メジャーデビューキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ !!!!!
    何千万という底抜けに桁外れな金額もキタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ !!!!!
    そして遅れに遅れて済みませんでした(´・ω・`)(感想が

    こういう風にちょい役で出してもらえると、なかなか嬉しいものです(´ω`)


      [No.2188] 龍狩り 投稿者:佐野由宇   投稿日:2012/01/09(Mon) 22:24:02     110clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     それはたった一言で時雨の運命ががらりと変わった。
    「龍狩りだぞ! 皆逃げろ!」
     高台から、見張りがそう言うと、馬に乗った龍狩りがすぐに現れた。
     人々の叫び、地鳴りのようにとどろく、馬の蹄と龍狩りが放った燃え盛る炎。
     時雨(しぐれ)の両親は、時雨をひっぱって走っていた。すると、父が
    「時雨、今すぐ自分の龍を呼んで逃げるんだ」
     時雨は戸惑った。
    「早く! 私たちのことはいいから」
     時雨は、一瞬、戸惑った。自分だけで逃げてもいいのかと。でも、崩れゆく、家々を見ると、頭が真っ白だった。
    「いたぞ!」
     はっとすると、龍狩りの青年たちが目の前にいた。時雨は、両親を見た。両親は、必死に、抵抗をし、時雨を守っていた。時雨は、自分が何を考えたのか、何のためらいもなく、指笛を吹いてしまった。すると、蜻蛉が、やってきた。時雨は、蜻蛉に乗ろうかどうしようかと思ったら、蜻蛉がいきなり、時雨をつかみ、飛んだ。
     龍狩りの矢が飛んできたが、蜻蛉は時雨をつかみながらも、必死に守ってくれた。

     どのくらいまで飛んだのだろう。蜻蛉は、時雨をとある丘に降ろしてくれた。
     時雨は、その丘から焼け野原となった自分の故郷を見つめた。蜻蛉は、哀歌のような歌を歌っているかのように吠えていた。
     時雨は、両親を見捨てたことが悔しくてたまらなかった。龍狩りが憎らしかった。でも、憎んでも仕方がない。
    「行こう、蜻蛉。身を隠してどこか遠くへ行こう」
     蜻蛉は、哀歌のような歌を歌うのを止め、こちらを振り返ると、時雨が乗りやすいように、背を下ろした。
     時雨は、蜻蛉に乗って村が見えなくなるまで、飛び続けた。


     そして時が経ち、時雨は立派な少年へと成長をした。
     村はずれの一角で、時雨は、蜻蛉と共に過ごしていた。
     収入はわずかだが、時雨と蜻蛉は一生懸命に共に助け合いながら、働き続けてきた。あいかわらず、村ののけ者だったが、時雨は、常に、村の人々を助けてきた。
     村の人も、助かっているのか、だんだんと、時雨と打ち解けていたが、あまり、打ち解けてくれない人もまばらにいた。

     ある、桜の季節のことだった。畑仕事をし始めようとしたら、地鳴りのような馬の蹄の音が遠くから聞こえてきた。
     ゼブライカとギャロップという、馬に乗った青年たちが時雨の前へと現れた。
    「おい、おめぇ、龍山のふもとの村の者か?」
     時雨はどきりとした。その村は、かつて時雨が住んでいた村だったからだ。時雨は、ここで嘘をつこうかどうしようか、迷った。
     だが、嘘をつかなければ、自分の命が危ないと感じた時雨は、首を横に振った。
    「そうか。だったら、そのフライゴンはどうしたんだ? ここでは珍しいではないか」
    「あの、この時雨、龍山のふもとの村の者です」
     はっとすると、ラクライが相棒の一人の子どもがいきなり行って来た。
    「こら、嘘つくでねぇ」
     今度は、子どものお母さんなのか、子どもを叩いて現れた。傍らには、ミミロップがいた。
    「だって……」
    「だっても何もない! すみませんね。うちの子、嘘をつくのが好きでね。
     それにしても、あんたら、見かけない顔ね。この何もない村に何の用かね?」
     子どものお母さんが問い詰めると、青年たちは、何だか、絡まれると、めんどうくさそうに思ったのか、それぞれの馬を逆方向に操って去って行ってしまった。
    「あの、ありがとうございます」
     時雨は、そう言うと、子どもを見ると、子どもはむすっとしていた。
    「いいのよ。あなたには助けられてばかりだからね」
     子どものお母さんがそう言うと、ミミロップがキューと鳴いた。
    「さ、帰るわよ」
     子どもの母さんが言うと、子どもは僕をちらと見ると、そっぽを向いて去ってしまった。
    「クー?」
     フライゴンが心配そうにこちらを見ていた。
    「大丈夫だよ」
     時雨は、フライゴンの頭をなでると、フライゴンは嬉しそうに鳴きながら、すり寄って来た。


     とある酒屋、『海鼬(うみいたち)亭』。そこに、一人の青年が酒を少しずつ飲みながら、ドンチャン騒ぎをしている、あほな連中を見ていた。
    「よぉ、あんちゃん。あんたもつきあわねぇか?」
     酒臭いおじさんがそう言うと、青年は、黙って『海鼬亭』を出た。
    「何だよ、つれねぇな」
     遠くでおじさんの声が聞こえたが、青年はそれでも、かまわなかった。

     青年は、遊楽街を出て、龍山を見た。
     この国は、龍狩りという、龍山のふもとの村に住んでいた者を片端から見、殺すというのがあった。
     だから、一匹のドラゴンタイプのポケモンがいれば、疑われ、殺される。嫌な世の中になったものだ。何を考えてそんなことをやるのだろう。
    (……)
     青年は、誰もいないところで一匹のチルタリスを呼ぶと、そのチルタリスに乗り、どこかへと飛び去って行った。
     青年は、ある時雨を探していた。フライゴンの少年を。



     まだ朝靄が立ち込める中、時雨は、お気に入りの林へと向かって行った。
     すると、一匹のチリタリスがいた。そして、その傍らには、見知らぬ青年がいた。蓑傘をかぶり、浅葱色の着物を着ていた。旅人なのか、青年のかっこうはぼろぼろだった。
    「お前は、時雨か?」
     時雨は自分の名前を知っている、この青年に驚くしかなかった。
    「お前は覚えていないだろうが、僕は、お前の従兄弟、秋雨(あきさめ)だ。
     今は、放浪の旅をしているが、この国の昔話を聞かせてなんとか稼いでいる。
     それより、時雨、なぜ龍狩りが始まったのか、知りたくはないか?」
     確かに、それは知りたい。でも、なぜ、秋雨は知っているのだろうか。
    「なぜ知っているような顔をしているな。僕は酒屋を回って情報を得ているんだ。だから、少しだが、知っている。
     さて本題だ。なぜ、龍狩りが始まったのか。それは、二年ほど前だ」


     この国の領主、狭霧には、とてもかわいがっていた息子がいた。その名は川霧(かわぎり)だった。
     川霧は戦いが強く、何よりも大切にしていたのが、龍山のふもとの村から賜ったオノノクスを大切に育て続けていた。
     だが、ある日のことだった。
     突然、オノノクスが苦しみだし、逆鱗を発動してしまった。海霧は、逆鱗に巻き込まれ、死んでしまった。
     疲れ切ったオノノクスの隙を見計らって、捕えた。オノノクスの体を見ると、一本の毒針があった。
     おそらく、刺客がオノノクスに毒針を刺したのだろう。オノノクスは、そのまま放置され、毒に侵されて死んでしまった。
     狭霧は、刺客を捕らえる以前に、こんな危険なポケモンを送った龍山のふもとの村の住民を恨むようになり、龍狩りを執行した。
     そう、龍山のふもとの村の住民を皆殺しにせよと。


     時雨はそれを聞いただけで恐ろしかった。
    「時雨よ、お願いがある。耳を貸してくれ」
     時雨は秋雨に耳を近づけた。そして、驚いた。密かに反乱を起こしている、秋雨の仲間たちと組んでくれという内容だったからだった。


     一方、狭霧がいる、城では、一人の時雨と同じ年頃の少年が、何か反論をしていた。
    「父上、龍狩りを止めてください。みすみす、自滅したいのでしょうか?」
    「雨霧(あまぎり)。何度行っても、むだだ。私は決して龍狩りを止めない」
    「ですが、父上」
    「帰れ」
     雨霧は、その場から去るしか無く、渋々去って行った。


     時雨は、蜻蛉に乗り、秋雨のチルタリスについて行った。ついて行った所は、遊楽街の外れの一角だった。暗い場所で、いかにも怪しく感じた。
     すると、秋雨が隠し扉を開いた。
    「秋雨さん、ここは?」
    「秋雨で良い。ここは、『海鼬亭』という、酒屋の裏手だ」
     扉の向こうには、たくさんの人々がいた。
    「帰ったぞ」
    「秋雨、そいつは?」
    「僕の従兄弟の時雨だ。相棒はフライゴン」
    「じゃあ、目的の奴を探してくれたのか」
     秋雨はうなずいた。時雨は何の事すら良く分からなかった。
    「悪いな、時雨。僕は嘘をついたんだ。僕は実は龍狩りの一員で本当の名は瀬戸。お前の従兄弟は当にいないのに、まんまと罠にはまったの」
     時雨はびくっとした。そうだ。なぜ、自分は、従兄弟がもういないのに、なぜ、罠にはったのだろう。
    (じゃあ、ここは龍狩りの本拠地なのか?)
     時雨は逃げ場がない場所でどうすればいいのか分からなかった。
     周りは、にやにやと笑いながら、こちらを見ていた。
     一か八か。時雨は意味が無いと思っていたが、指笛を吹いた。すると、蜻蛉が天井を突き破って現れた。
     蜻蛉は、尾を思いっきり振り、龍狩りと秋雨と秋雨のチルタリスもろとも吹っ飛ばせ、時雨を必死に守ってくれた。時雨は、その間に、蜻蛉に乗った。蜻蛉は、床を蹴り、力強く、はばたいた。

     突き破られた天井、ほこりが立ち込める中、龍狩りたちは咳払いをしていた。
    「ちっ、逃げられたか。どうしてくれるんだ、秋雨」
    「……」
     秋雨は、黙って『海鼬亭』の裏手を出た。


     日が暮れかける頃、蜻蛉は、どこかへ飛んでいた。
    「蜻蛉、降ろして。寒い」
     蜻蛉は分かってくれたのか、とある、森に降ろしてくれた。
    「誰かいるの?」
     びくっとして後ろを振り返ると、若武者がいた。時雨は、とっさに、蜻蛉をどこかへと追いやった。
    「今のフライゴン?」
    「はい……あの、ここはどこなのでしょうか?」
    「僕の父、狭霧領主の城の森の一角だよ」
     時雨は頭の中が真っ白になった。この若武者の言った言葉が嘘であって欲しかったが、目の前にあるのは、立派な城があった。
     龍狩りたちに自分の顔を見られては、もうここに来たら、命は無いと思った。
    「おい、雨霧。誰かいるのか?」
     野太い声が聞こえた。狭霧だと思うと、心臓が破裂しそうだった。
    「大丈夫、私がなんとか言うから」
     若武者はそうささやくと、森から出た。
    「何をしていたんだ?」
    「私の友が、この僕に仕えたいと言ったけれど、城の表門では入れなかったから、森から入ったと言いました。私の友は今この森にいます」
     若武者はそう、嘘をまくしたてて言うと、
    「……連れて来い」
     と言う、狭霧の答えが帰って来た。

     若武者は、時雨に手を招いてきた。時雨は、頭を下げたまま、森を出た。
    「……面を上げろ」
     ゆっくりと頭を上げると、そこには、狭霧が仁王立ちのまま、こちらを睨みつけていた。傍らには、強そうなリザードンがこちらを見ていた。
    「そなたの名は?」
     時雨は名前に困った。時雨と名乗れば、自分の身分がばれてしまう。
    「父上、ここにいる、私の友の名は久遠です」
     時雨は、突然、若武者が嘘を言ってきたので時雨は驚くしかなかった。
    「そうか。む、そなた、時雨と言う人物に似ておるの」
     狭霧はそう言うと、時雨はどきっとした。
    「そうでしょうか? 人間誰しも似ているからね」
     若武者はそう否定をすると、狭霧は、眉を上げたが、黙って去って行った。
    「君、本当の名は何? 時雨でしょう?」
    「……はい、そうでございます。でも、なぜ僕を助けるのでしょうか?」
    「私は殺生が嫌いでの。だから、そなたを助けた。時雨、私の名を教える。私の名は雨霧。よろしく頼むぞ」
     空は月明かりが照らしていた。そして、その影に、時雨の相棒の蜻蛉がいた。


     次の日。時雨は朝早く起き、仕事にとりかかった。城の廊下の掃除、馬の手入れ。なんでもこなし続けた。
     一通り、仕事を終えると、雨霧がいきなり、見たことの無いものを渡してきた。
    「大福、食べるか? おいしいよ。大丈夫、誰も見ていないから」
     大福と言う、見たことの無い、丸い餅のようなものを見た。雨霧は自分の大福を食べていた。
     時雨は、大福を手にとり、食べ始めた。時雨は大福のおいしさに驚くしかなかった。
    「おいしい」
    「だろ」
     雨霧はにこにこと笑いながら、時雨を見た。
    「ねぇ、友達にならない? 私、友達がこれといっていないから」
    「……身分が違うけれど、良いのでしょうか?」
     雨霧はうなずいた。


     ある、夏の暑い盛り。龍狩りが城に訪れてしまった。
     すると、龍狩りが、時雨に気づいてしまった。
    「おい、こんな所に時雨がいるぞ」
     時雨は自分の名を狭霧の目の前で言われ、冷や汗が止まらなかった。
    「……久遠よ。そなたは本当に久遠と言う名か?」
     時雨はどうしようか迷った。だが、もう嘘はばれてしまった。
    「はい……そうでございます」
     正直に話すと、狭霧は拳をわなわなとふるわせ握りしめた。
    「こやつを今すぐ殺せ!」
    「お止めください、父上!」
     雨霧は、時雨の前に立ちふさがると同時に、龍狩りの刀に斬られてしまった。
    「雨霧!」
     時雨はそう叫びながら、雨霧の元へと行った。
    「父上……兄上を……殺したのは……この男です」
     雨霧はとぎれとぎれにそう言いながら、狭霧の近くにいた側近を指差した。
    「父上……龍狩りを……した……自分の過ちを……お考えください」
     雨霧はそう言い残すと、気を失った。
     狭霧は、時雨を見つめていた。龍狩りは刀を落とし、その場から逃げてしまった。そして、狭霧の側近はがくがくと足を震わせ、その場から動かなかった。
    「はよ、医者を呼べ! そなたの罪は追々、分かるだろう」
     側近ははっとして、尻もちをしてから、床を這うように逃げ去って行った。
     狭霧は、時雨を見、
    「……時雨、私が悪うことをした。許しておくれ」
     狭霧は、突然、時雨の目の前で頭を深々と下げた。
    「そ、そんな領主様。嘘をついた私が悪かったのです」
     時雨も頭を深々と下げた。


     あれから一カ月後。山が紅葉に色づく頃。時雨は、城の表門を出た。
    「本当に旅をするんだな」
     狭霧はそう言うと、時雨はうなずいた。すると、ぞうりをすりながら、雨霧が走って来た。
    「時雨、短かったけれど、そなたと友となれて嬉しかったよ。またここに来てくれないか?」
     雨霧はそう言うと、時雨はうなずくと、雨霧が手を出した。
    「約束の握手だ」
     時雨はまたうなずくと、雨霧の手を握った。
     そして、蜻蛉に乗ると、空高く飛んで行った。


     蜻蛉をいったん止め、紅葉に囲まれた城を見上げた。
    (また、会える日まで)
     時雨はそう思いながら、蜻蛉をまた進めた。
     また同じ過ちが起きないよう、旅をしながら、自分の物語を語り継ぎたい。時雨はそう誓った。

    お題【ドラゴンタイプ】

     ここの掲示板では初めましての方が多いかと思います。初めまして。佐野由宇と言います。

     そして、ここまで読んで下さった皆様、ありがとうございます。

     今回は、お題に挑戦をしてみようかと、龍狩りと言うのを投稿をしました。

    【描いてもいいのよ】


      [No.2187] 黒蜜「俺だけ雄なのは気のせいだよな」 投稿者:きとら   《URL》   投稿日:2012/01/09(Mon) 20:00:05     113clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    池月君のエリス一筋というか、過程一筋なのがよくわかる。
    しかし一筋すぎてからまわりしているのが池月君の不器用さ。もう少し上手く立ち回ろうぜw
    だから7又なんていう疑惑が湧いてくるんですよ。
    メロスもグレますって


    しかも気付いたら池月ファンクラブなるものが!
    キャンピングカーのお姉さんがライバルにされますg
    きっとライバルでs

    しかし「私の狐も!」の発言でこの2匹を拾ってくるあたりさすがみーさんといわざるをえない

    そして黒蜜が中々上手く店をやれてるようでよかったです
    まさかの赤字と借金で、金柑金融にトイチで借りてるんじゃないかと・・・・

    明かされる灯夢ちゃんのみたらし好き!しかしみたらしもいいがあんこもいいぞ
    だんご三兄弟でも今度はあん団子がいいといってるではないか。


    最後に、お年賀を持ってくる池月君でシメるあたり、さすがみーさんとしか思えない。


    【うちの狐をありがとう!】


      [No.2186] ※感想タブンネがBURSTしました 投稿者:きとら   《URL》   投稿日:2012/01/09(Mon) 19:45:58     98clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     書き出しからラティオス。まってラティオス。妹を心配する家族思いなラティオス。もうここから感想タブンネが壊れた。
    ラティオスからの手紙を読んでるのか読んでないのか解らないあたりも、ミーハーで落ち着きの無いむじゃきなラティアスの性格を暗に示しているようで非常に良すぎる。あえて書かないの成功例ですよ本当に。そこから読む方はこのラティアスとラティオスの性格を推し量って、ラティアスが何をしているのかを想像していくのです。
     そもそも誰がどうでこうでという細かい描写を読むのも書くのも好きではないタブンネは、こういった推理しながら読むというものが大好きなのですー!ここからwktkとまらないですー!

    ちょ、カイリューの郵便屋さんって、ミュウツーに出て来t(
    ちょー懐かしいですー!! カイリューがちょー可愛かったの覚えてますー!しかも局長とか!
    上司だったんd
    ドラゴンタイプでまとまってると思いきや、フライゴン! フライゴンってドラゴンタイプではあるけれど、タマゴグループが虫……そこから考えられる3匹の関係は……起業したばかりの小さな会社で初期メンバーとして奮闘する社員のよう。互いにニックネームつけあうあたり、セリフの形からつっけんどんな感じではあるけれど、仲いいんだなと思うですー!普通、体の特徴でニックネームつけるなんて失礼な真似、相当仲良くないと出来ませんので!

    そしてラティオスが救助隊ということがわかってきて、もう頭の中のミュージックが「サンダーバード」に確定。
    どれだといわれると解らん、1号か2号じゃないか?

    ラティアスねながら空を飛ぶ
    特性が浮遊だから出来る離れ技です。きっと、飛行タイプだったら出来ないと思うz
    いや、レックウザなら出来る。レックウザに弟子入りするんだラティアス。
    そして眠いながらもちゃんと行き倒れているポケモンを発見できるラティアス。マジ優しい。こんな妹がいて、ラティオスは幸せだろ
    ってかユキワラシって飴なめてるイメージがあったよ、きっと鬼太郎の見過ぎだね。


    実はここまでフライゴンの性別が中性的すぎて解らん状態なのだが、女子会の辺りで確定。女子だったのかー!
    じゃあラム酒は実際にあるラムとは違って、やっぱりフルーティーの甘いサワー割りだったりするのかしらん
    実際のラムのカクテルも甘いのが多かったようなそうじゃなかったような。
    ラティアスめっちゃうわばみっぽいです!!ラム酒の度数なんて気にせずに、がんがんいけるタイプ。
    きっと、フライゴンはそんなラティアスを何度か介抱したんじゃないだろうか。だからこそのあのセリフが出てくる。
    そしてミーハーどころか移り気すぎるラティアス。それでも飛行タイプ路線は外さない。ラティアスは飛行タイプ萌え。
    フライゴンが冷静すぎてラティアスがきゃぴきゃぴの10代女子高生だよもう。嵐のメンバーにキャーキャーいってる女子高生だよ
    その後、ユキワラシの話をきいて泣き出すあたりも完全に酔っぱらってます、飲み過ぎ注意。というか翌日マーするコース。
    本当、酔っぱらいの相手は嫌ですよねー、最後は何だか解ってないのに飲み続けるくせに。ラティオスに完全同意ですお。
    サクラの花びらは押し花よりも、紙にすいた方が鮮やかですー!   タブンネ。


    ドラゴンタイプに寒いところ厳禁ですー!
    と思いきや、ラティアスが一番影響受けないのね。局長もフライゴンも4倍っていう
    そしてラティアスが一番の特防なのね。だからラティアスなのですー!

    水路が行き交う、でベネチアを連想しまくりました。
    いいですねベネチア。ちなみにベネチアではゴンドラが有名ですが、実は結構陸路や橋があるんです。
    ラティの両親はそんな街で陸上にしか住めないポケモンたちの船をやっていたんではないかという勝手な妄想が始まりました。
    勝手に妄想しながらここから読み進めます。とおいところって、なんとなくダイパのバグの真っ暗世界を思い浮かべました。なんででしょ。
    ラティオスの登場により、ああそういうことかとラティアスより先に解る。子供に本当のことを話すことの難しさがよく現れます。

    で、局長。
    貴方の翼は時空の裂け目を飛べるんですk
    それとも、死後は風になって駆け抜けるのですか
    後者のがいいなあと思います。多分そうだと思います。そうじゃないと多分あえない。

    おいこらラティアス。
    聞き分けのない子供、目を離すとすぐどっかいく子供はハーネスつけてつなげとくぞげしげし


    どうして吹雪の中つっこんでいくの。
    それはラティアスがラティオスの妹で、腕をたためばジェット機なんて目じゃないスピードだからだよ!
    あれ、そうしたらカイリュー局長のが速いね。
    あれ・・・・?

    吊り橋効果による心理的変化は結構持続するというよ!
    がんばるんだラティアス!
    カイリュー局長のくれた形ない手紙と共に!



    もうラティアスかわいいのですー!
    みたときははぁはぁいいながら読んでました。すいません、本当にはあはあはしてません。にやにやしてました。



    リクエストまでの流れ
    自分の使うキャラたちを不幸のずんどこに落としたいから試しに見えないみーさんを突き落としてみようだけどもうすこしいてほしいそしたらみーさんが暗闇を進むというから、すすんでいたらきみはポケモンになっちゃったみーさんはナックラーになった
    いぜんナックラーになっちゃった話をかいたそのときのメンバーがフライゴンアゲハントエネコマリルリラティアスだったっていう話をして、ラティアスは兄萌え設定で兄の仇をうつためにきたんだけどエネコのメロメロで一緒になるっていう流れがあるといったらミーハーラティアスを書いて欲しいとおもったからみーさんにリクエストしたんだ。

    ありがとうございます!!


      [No.2185] 感想をいただきまして…… 投稿者:スウ   投稿日:2012/01/09(Mon) 19:08:11     97clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    イケズキさん、初めまして。ありがとうございます。ボケとツッコミの神髄などほとんど理解せず書き散らしている有様ですが、楽しんでもらえたならよかったです。
    うちの親なんかでいうと、ボケの方が相当強いと思われるので、そういった教訓はしつけられませんでしたねぇ(汗
    ちょっと羨ましいかな。
    これからも少しずつこういったものを書き溜めていこうかと。と、いったところでさっそくミスっぽいのを発見してうなっています。ヒメグマってSSでしか出現しないから、ゴールドくんじゃ不自然ですね。
    でも金銀の主人公ってゴールドっていう名前の方が馴染みあるし、
    ポケスペみたいにバージョンに関係なくポケモンが出現する世界観、ととらえてくだされば、
    この問題は難なく解決できるでありませう。
    ……お見苦しいところ、すみませんでした。
    どうかこれからもよろしくお願いします(多謝


      [No.2184] Re: 相棒 投稿者:イケズキ   投稿日:2012/01/09(Mon) 10:19:57     109clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    なんともツボにはまってしまった、イケズキです。


    すっきりとしたストーリーで、しかもおもしろい! 本物の“オチ”がある!
    幼いころから親に「ボケに対するツッコミは最低限のマナーだ」と、厳しくしつけられてきた自分には、ちょっとした懐かしさを感じる程、完成された噺(あえてこの字を使わせていただきましょう!)に思われましたw


    「笑いとは緊張と緩和」という、某師匠のお言葉を思いだします。
    こんな基本を大切にした漫才を最近見てない気がする……とかちょっと寂しくもなったりw



    本当におもしろかったです。こういう作品大好きです。
    今後もこういう噺書いていただけたら幸いです。
    ありがとうございました。
    ではでは……。


      [No.2183] 週刊狐 投稿者:巳佑   投稿日:2012/01/09(Mon) 04:50:09     146clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     そこはとある森の奥にある一軒の小屋。
     その中の囲炉裏がある部屋に、金色の九尾狐が一匹いた。
     炭火で暖を取りながら、その狐はあくびを一つあげると尻尾の中から何やら取り出した。
     何個かの真っ赤に染まったトゲトゲ形であるマトマの実と、『週刊狐』と載っている一冊の雑誌。
     白銀色のかんざしを髪に挿している一匹のロコンが表紙を飾っており、『特集! みたらしフォックスガール!!』と隣に書かれてある。雑誌の表紙には目玉となるようなネタは大きめに書かれてあるようなものだが、もう一つ、大きめに書かれてあるネタがあった。

    『イケメンアナザーカラーゾロアーク、池月氏! まさかの七又の疑惑!?』

     やれやれといった顔でその九尾狐はマトマの実をかじりながら、その雑誌を開いた。




    【特集! みたらしフォックスガール!!】

    「んーまいっ! やっぱり団子はみたらしにかぎるでー!」 
     みたらし団子を頬張りながら、笑顔でそう語ってくれるのはタマムシシティに住んでいる、白銀のかんざしをその髪に挿したロコンの灯夢(ひむ)氏である。今回の取材前後にもみたらし団子を頬張り続けているほどの大のみたらし団子好きの狐だ。
     なんでも、千歳生きてキュウコンになる為の試練として人間の学校に通っているという事情を持っているらしい。人間の学校ということは、人間の姿に化けて通っていることなのだろうか? だとしたら、折角だから人間の姿も見せてもらうことにした。
    「どうや? とっても可愛いやろ?」
     背は150後半で、赤茶の髪の毛を腰まで垂らしていて、三本のクセッ毛が先端を丸めながら頭から立っており、白銀のかんざしももちろん装備されている。そういえばその白銀のかんざしはどこで手に入れたものなだろうかと、尋ねてみる。
    「これは……って、なんや! ウチのこの姿には感想はないんかい!」
     いや可愛かったが、その白銀のかんざしの方が気になると正直に言った結果、鳩尾(みぞおち)にいいのを一発もらった。狐パンチなんてそんな可愛い名前なんてものじゃない、あれは確かに鉄拳だった。うん、エビワラーも真っ青になるぐらいの威力だった気がする。それにしても、見事なパンチだ。趣味は格闘技なのだろうか。
    「人間の姿で襲われたときの防衛手段として、覚えたんや。これ一発で大抵の奴を落とせるからなー。格闘技? まぁ、興味はあるけど」
     読狐の諸君の中で、Mな方がいたら、彼女のパンチでもオススメしておく。
     さて、どんどんとみたらし団子の串が重なってきて、軽く山ができそうなのだが、灯夢氏がそこまでみたらしに溺愛しているというそこまでの過程をぜひ訊いてみたくなった。
    「昔から和菓子系が好きだったんや。ほんで、故郷で昔、母さんに連れていってもらった茶屋があってな? そこで食わせてもらったみたらし団子がめっちゃうまかったねん。そこからやったからな〜、ウチとみたらし団子の恋は」
     なるほど、みたらしは灯夢氏にとっては思い出の味でもあるということか。
     ちなみに故郷という単語が気になったので、それも尋ねてみた。
    「みたらしお代わりっ!!」
     あまりのみたらしジャンキーぶりに、折角の質問のタイミングが一気になくなった気がする。灯夢氏が何か言ったかと聞き返してきたけど、いえなんでもないです(棒読み)と返しておいた。
     このまま灯夢氏がみたらし団子を食べるのを眺めて終わりかな、後は表紙やその他諸々に使う為に写真撮影をさせていただいて、終わりかなと思っていたが、そういえばまだ訊いてなかったことがあった。
     学校に通っている(変わった試練だと思ったがそこは突っ込まない方がいいだろう)ということなので、学生生活などを伺うことにした。
    「あー。九百九十七歳生きて初めての経験やからな、何もかもが新鮮やで。この前とか体育祭っちゅうもんがあってな、中々楽しかったで? 『にほんばれ』したかいがあったっちゅうもんや。面倒くさいから『あまごい』使わせて体育祭を中止しようとした輩がおったかもしれへんけど、ウチには勝てへんようやったな」
     意気揚々と自慢話を語る灯夢氏。
     とりあえず会話に花が舞い戻った。良かった、まだページの尺が残っていて困っていた……というのは内緒にしておこう。
     このままの勢いで得意な科目とか苦手な科目とかも尋ねてみる。
    「うーん、ウチ意外と英語できるで? 後は国語の漢文とか古文、あ、後は歴史系も得意やで! それと体育もな」
     そりゃあ、九百九十七歳も生きてきたのだから、現場に居合わせたというのもおかしくなさそうだ。
     それにしても英語が得意とは意外だと思った。横文字とか苦手そうなイメージがあったのに。
     まぁ、反対に体育はイメージ通りというか、今、ここで見せてる活発そうなところから連想できる。
    「苦手な科目は数学や。あの数式に、変な絵みたいなもん? あれ苦手やねん」 
     試しに『1+1』を出してみた。
    「それ数学やなくて、算数やろ!」
     見事なツッコミ。
    「っちゅうか、おんどれはウチのことを馬鹿にしてるんかぁー!!??」
     鳩尾(みぞおち)のおまけはいらなかった。
     さて、色々と訊いてきたが、後は普段はどういうところに住んでいて、暮らしているかという、少しプライベートに踏み入った質問もしてみた。
     最初は不機嫌で答えなかった灯夢氏だったが、みたらし団子を上げたら、機嫌を直して答える灯夢氏。
     うん、この狐、ちょろい。
     将来がちょっとだけ心配だ。
    「実はなー。一人暮らしする予定やったんやけど、その部屋が偶然ダブルブッキングしてあってな。今、同じ学校に通ってる人間の野郎と暮らしてるねん」
     ほう、それは気になる情報。
     男と女が一つ屋根の下でやることがすごい気になる。
     人間とポケモンで種族が違う? 
     そう思った人にはシンオウ地方にあるミオ図書館に行って、民族系や昔話の本を漁ることをオススメする。
    「あの野郎は本当にたわけっちゅうか、なんっちゅうか……うん、ともかく嫌いや」
     このロコンにはツンデレというものがあるんだと勝手に期待しておく。
     なおも灯夢氏のグチは続いていく。
    「この前もウチのみたらし団子を勝手に食べるわ、尻尾を踏むわ、水浴びしとるところを覗いたりとか、みたらし団子を勝手に食べられたりとか、食べられたりとか!」
     どうやら灯夢氏の恋人はみたらしで確定のようだ。
     とりあえず、なんとなくだけど、その人間の男にはドンマイと言っておこう。 

     さて、ここまでみたらし団子を頬張りながら取材に答えてくれた灯夢氏。
     なんとかページの尺が足りてきたので、ここいらで最後のセリフを決めてもらうことにした。
     そこで、今後の抱負とか訊いてみる。 
    「今年もみたらし団子を食べ続けるで! それとそろそろアイツに鳩尾決めておきたいで」

     みたらし団子が本当に好きな灯夢氏の、これからの活躍を期待している。
     ……色々な意味で。

    (取材狐:ロコモーション☆田中)




    【イケメンアナザーカラーゾロアーク、池月氏! まさかの七又の疑惑!?】

     我ら狐界きってのアイドル、イケメンアナザーカラーゾロアークの池月さん。
     そのルックスと、皆から慕われているという頼りになる性格に、今もなお人気上昇中の方ですが……最近、妻子がいるのにも関わらず、他にも七又をかけているのではないかというスクープを手に入れました。
     モテる影には浮気ありなのか、そうなのでしょうか。私は池月ファンクラブ幹部の名にかけまして、このスクープを追いかけることにしました。


     
     一匹目:我ら狐界のもふ神である長老(キュウコン)

    「うーむ。そういえば、最近、なんか楽しげにどこかに行こうとしているのを見かけたような気がするのう」
     池月氏といえば長老のお弟子さんでもあります。
     まさか師弟愛とかあったりするのかが気になり、思いきって尋ねてみます。 
    「う〜ん? 何を想像しておるんじゃ、娘よ。やましいことでも想像しているのではないじゃろうなぁ?」
     流石は長老、こちらの考えはお見通しということですか。
     確かにお約束の言葉から借りますと、夜の修行とか修行とか修行とか……いけない、これ完全に長老ペースですよね。
     とりあえず、恥ずかしながらも本当のことを言っておきました。
     長老に隠しごとは通用しませんし。
    「まぁ、ノーコメントで。よろしくのう」
     長老のニヤニヤとした顔がとても印象的で意味深な感じがします。
     とにかく真実は謎の奥に消えてしまったわけですが、もしかしたらという線は消さないでおきます。


     
     二匹目:トレーナーシュカさんの相棒狐、ひばなさん(キュウコン)

    「いけづきさん? あぁ、色違いのゾロアークになら声をかけられたけど……」
     なるほど、声をかけられたのですか。
     もしかしてナンパというものなのですかね、どんな風に声をかけられたのかとても気になります。
    「え、ただ道を訊かれただけだよ? その後はあなたにも、もふ神様のご加護がありますようにって言ってたね」
     どうやらナンパをしていない模様なのですが。
     これは七又なんてデマだったということなのでしょうか。
    「それにしても、あのいけづきさんっていうゾロアーク。すごい目をキラキラさせていたような気がするなー。それと別れるとき、わたしの右手に口をつけてきたよ」
     挨拶代わりのキスはキスとしてカウントしません。
     べ、別に、う、うらやましいなんて思ってませんからね、えぇ、思ってませんとも。悔しいとか妬ましいとか憎いとか……ちょっとそこのカゲボウズ、いきなり出てきて、私になつかないでください。困ります。
     それにしても、それでその池月さんに対して、ひばなさんはなんとも思わなかったですか? 
     こう、胸がドキドキしたとか、苦しくなったとか、チクチクするとか、熱くなったとかありませんでしたか?
    「え、別になかったけど?」
     私だったら鼻血の大量放出で死にそうなのですが。
     

     
     三匹目:トレーナーモモコさんの相棒狐、あかねさん(ロコン)

    「……あのゾロアーク? 道を尋ねられたけど」
     また道を尋ねるパターンですか。 
     なるほど、道を尋ねるところから何気なく入っていって、それから一気に相手をおとすというナンパの高等術(?)をしたのかもしれませんね。
    「……いきなり手を握られた。正直、嫌だった」
     手を握られたなんて、そんな幸せなこと……私だったら狂喜乱舞しているところです。
     他にも池月さんに何かされたりのかとかが気になりますね。
    「……顔が近かった。邪魔だった……道を尋ねられたこと以外は全部忘れた……あ、でも、これは覚えている」
     なんかイライラしているような感じがあかねさんから伝わってくるのは気のせいですか。
     無表情なんですけど、なんか殺気を漂わせているのが、こう本能的に察したといいますか。
    「……別れぎわに右手にキスをしようとしてきたから……『かえんほうしゃ』を放っておいてやった」
     挨拶代わりのキスぐらいはもらってもバチは当たらないと思いますが。
     ……だから、そこのカゲボウズ! 
     私は別にうらやましいとか、憎いとか思ってませんから!
     舌なめずりをするのを止めてください!



     四匹目:キャンピングカーに住んでいるゾロアークさん

    「え? 青いゾロアークですか? あぁ、はい。ここにやってきたことありますよ」
     また道をお尋ねするパターンなのでしょうか。
     私にもそういうシュチエーションが来ればいいのにと思ったのはここだけの話ですよ?
    「いえ、いきなり勧誘されたというか、あ、これどうぞ」
     おぉ、美味しそうなオレン漬けですね。お言葉に甘えていただきます。
     中々、甘酸っぱくてさわやかな味です、もぎゅもぎゅ。
     それにしても勧誘という単語も気になるところですが、何の勧誘をされたのかと尋ねてみます。
    「えぇっと。もふもふパラダイスに連れていきたいとか言われましたね……まぁ、私にはここで待っている人がいたりとかで離れることはできませんが……その、まぁ、機会があればぜひ行ってみたいなぁって思ったりしました」
     なるほど、世界をもふパラにする為に、池月さんは日頃努力していることがうかがえますね。
     私も言われてみたいですね……『今宵、あなたをもふりにきました』なんて言われた日にはもう私、昇天しそうです。
     さて、そんな夢見ごごち(実際に起きてくれないですかね、本当に)はさておき、今回は色々と訊けそうな感じだったので、他にも何か池月さんに何かされなかったのかを尋ねてみます。
    「えっと、とても色男だったんですが……その楽しかったというか、なんというか。」
     なんかオレン漬けがやけに甘酸っぱさを増してきた気がするのですが。
     なるほど、あなたも私たちの同志ということですか、そうですか。
     今日からライバルということで一つよろしくお願いします。



     五匹目:神出鬼没の美イタチ、あんにんどうふさん(コジョンド)

    「ん? 青いゾロアークでアルか? 確かに会ったでアルぜ」
     狐ポケモン以外の方にも手を出すという噂の池月さん。
     確かに、異姓が声をかけたくなるほど美しいコジョンドさんですが、なんかやけにテンションが高そうなお方ですね。
    「いやぁ、あのゾロアーク、新技を編み出したときにちょうどいいところにきたでアルよ」
     新技という単語から思いっきり危険な香りがします。
     けれど、ここは思いきって、どんな技なのかを教えてもらうことにしました。
     なんか胸が高鳴ってきました。
    「よっしゃ、いくでアルぜ、ワタシの波動、うおおおおおお!」
     あれ、なんか想像していたのと違うのですが。
     あんにんどうふさんは右手を胸に当てて、何やら力を溜めています。
     徐々に波動と思われし青いオーラが、キーンという甲高い音と共にあんにんどうふさんの右手に集まっていきます。
    「目指すでアルぜ、いすかんだる! 『はどうだん』からの『はどうほう』発射でアル!!』
     そう叫んだ後、あんにんどうふさんが思いっきり右手を思いっきり前へと振りますと――。

     遠くから地響きを伴う大爆発音が響きました。

    「うむ、戦艦に比べたらまだまだ威力が足らないでアルぜ。もっと精進にしなければでアルよ」
     技って、そっちの技でしたか。
     てっきり異姓を落とす為のテクニックかと思っていた私の胸のトキメキを返してください。
     むしろ寿命が縮んだのですが、どうしてくれるんですか。
     後、数十センチずれていたら、私に直撃してましたよ、これ。
     というか、これ、池月さんにもやったんですよね? すっごい心配なのですが。
    「あぁ、あのゾロアーク、もろ受けだったアルよ」
     本当ですか、それ。
     あの技を受けたらただじゃ済まないような気がするのですが。
    「いやぁ、あのゾロアークやるでアルよ。その後、立ち上がってスマイルしたでアル。ここで死ぬわけにはいかないと言っていたでアルね」
     流石、池月さん、素敵です、かっこいいです、最高です!
     改めて、狐界のトップアイドルの底力を感じさせてもらいました。
    「この技はもっと磨いておくでアルぜ。また受けに来て欲しいでアルよ」
     だが断っときます、はい。

     
     
     六匹目:鳩尾キラーの異名を誇る関西狐、灯夢さん(ロコン) 

    「ん? あぁ、そのゾロアークやったら、声をかけられたときがあるで」
     ふむふむ、ここでもまたナンパですか。
     何かされたことはないかと尋ねてみます。
     そこの隠れているカゲボウズ、変に準備とかしなくていいですから、黙っていてください。
    「まぁ、いつもどおりその尻尾をもふらせてください言うてきたから、鳩尾一発殴っておいたわ☆」
     ニッコリとした笑顔でそう語る灯夢さんがなんか怖いです。
     それにしても、またダメージを負うようなことを。
     池月さんは結構、体を張っているのですね。私たちも見習わなければいけないところかもしれません。
    「あぁ、そういえば、団子屋に行ってくるから、失礼します! とか言うてたな〜」
     ふむふむ、団子屋さんですか。
     また気になるフレーズが飛び出てきましたね。
     そういえば、七又情報の出所の後一つは団子屋なんですが、一応、尋ねておきます。
    「和菓子屋本舗幻想黒狐やで」
     なるほど、ありがとうございます。
     早速行ってみることにします。 
     あぁ、それと今回の特集ページへの出演、ありがとうございました。
     後輩のロコモーション☆田中が迷惑をかけていたら、すいません。



     七匹目:『和菓子屋本舗幻想黒狐』初代店長の狐、クロミツさん(ゾロア)

    「んあ? 青いゾロアーク? ナンパ好きな男? あー、それなら、そんな奴もいたかもしれねぇなぁ」
     確かに、人に化けていたかもしれませんからね、なんせ街の中ですし。
     しかし、我が社の情報網を甘く見てもらっては困ります。
    「団子買うまでの順番待ちのときとかに、やけに女に声をかけていた奴がいたっていう話を店員から聞いたぜ」
     ふむふむ、もしかしたらここをナンパスポットとしていたかもしれませんね。
     なんとか、その店員から聞いたという話の内容をもっと教えてもらうよう頼んでみます。
    「えっと、確か、いつでももふもふできる世界に興味はありませんかー、だった気がするなー。まぁ、灯夢ちゃん一筋な俺には関係ねぇ話だけどな!」
     ここでもしっかりとお仕事をなさる池月さんがかっこよすぎて、私、失神しそうです。
     それで、その後、池月さんはその女性に何かやったりとかしていないとか尋ねてみます。
    「ん? 団子買ったら、もう帰っていったぜ?」
     あれ、進展なし? 
     あ、いや、もしかしたら団子をごちそうさせてから落とすという方法かもしれませんね。
     きっとそうに違いない。流石にこれ以上の情報はここから出そうにないですが、ここからが本番になりそうですね。
     これから、この後の池月さんの足取りをしっかり調べなければ。
     しかし、まずは腹ごしらえをしておかなければ。腹が減っては戦はできませんし!
     とりあえず、注文しておきます。
    「ん? 何にするんだ?」
     みたらし十セットよろしくお願いします。



    【今回の池月氏の七又疑惑に関する結果発表】

     とりあえず、今回の池月さんの七又疑惑に関する結果発表をしますと。以下の通りになります。

    ・長老とは深い深い深い師弟愛があるかもしれない。

    ・ひばなさんにその気はないらしい、ただし池月さんはどうだか不明。
     しかし、アリかナシかと言われたら、ナシの可能性が高い。

    ・あかねさんは全くその気はないらしい、ただしこれも池月さんはどうだか不明のまま。
     しかし、アリかナシかと言われたら、ナシの可能性が圧倒的に高い。

    ・キャンピングカーのゾロアークさんはなんかトキメいている感じ。
     このままうまくいけば池月さんと進展があるかもしれない可能性アリ。

    ・あんにんどうふさんは問題外、強いて言えば、あの技は色々な意味で危険。

    ・灯夢さんは全くその気はないらしい、ただしこれも池月さんはどうだか不明のまま。
     もしかしたら、クロミツさんとのガチバトルは免れない可能性アリ
     
    ・『和菓子屋本舗幻想黒狐団子』で団子を買った後、誰と交際したのかは不明。
     ただいまその件に関しては情報収集中。
     
     以上のようになります。
     ということでますます謎ばかりが深まっていくという今回の結果となりました。
     池月ファンクラブ幹部として、この雑誌の池月さんに関するページは私が担当となっているのですが、ファンとしては池月さんの名前が広がって喜んだり、モテモテな感じが取材を通して分かってちょっとジェラシーを感じたりで、複雑な心境です。
     まぁ、この心境に関しては私に限った話じゃないですけどね。
     奥さんとか特に複雑な心境を持ちそうですし。
     
     さて、今回はここで筆を置かせてもらうことにします。
     また池月さんの特集のときを楽しみにお待ち下さいね。
     池月さんファンクラブ幹部の名にかけて、全身全霊、スクープさせてもらいますから!

     あー、みたらし団子うめぇーです。
     あ、ちょっと、そこのカゲボウズ! 残りの一本を横取りしないでください! 
     というか、まだいたのですか、この子っ。

    (取材狐:佐山雅 きゅう(さざんが きゅう)) 


     
     
     やれやれ、もてるのも大変なものだと思いながら九尾狐がマトマを片手にのんびりと『週刊狐』を読んでいると、玄関の方から声が聞こえた。
     九尾狐がその雑誌を再び尻尾に入れて、玄関の方に向かうと、色違いのゾロアークが何やら包みを持ってそこに立っていた。隣にはそのゾロアークの妻であるキュウコンと息子のロコンがいる。
     なんでもその色違いのゾロアークが言うには、おいしい団子屋さんでみたらし団子を買ったから一緒にお茶をしましょうということで、九尾狐は尻尾を振りながらその親子を招き入れた。
     囲炉裏がある部屋で、山吹色に染まった和風な小皿にみたらし団子を置いて、和菓子に合いそうなせん茶も用意すると、九尾狐達は食べ始める。
     中々いい焼き具合で、タレも申し分ないと、九尾狐の喉がご満悦だと鳴いたときだった。
     
     色違いゾロアークが、隣に座っていた妻の口元についた団子粒をペロっと舐めて取ってあげた。

     色違いのゾロアークは優しく微笑んで、妻は頬を赤くさせながら困ったような笑顔を浮かべる。
     
    「妻一筋なのは分かるが、いやぁ、モテるというのも考えものかもしれんのう。大変じゃよな、池月」
     
     それは心の中で呟きながら、その九尾狐は温かくその夫婦を見守っていた。
     
     この夫婦がずっと幸せでありますようにと。

     そう願いながら。

     
     

    【おまけ】


     タマムシシティの街外れの方にある楓荘というアパートの一室にて。
    「なぁ、お前。どうしたんだ、その団子の山」
    「取材させてやったら、ほうびにもらったんや、やらんで?」
     同居人が驚いている様を楽しむかのように、そのロコンはニカっと笑っていた。  
     


    【書いてみました】
     
    『週刊狐という雑誌で、灯夢ちゃんの特集や、池月さんの七又疑惑特集を書いて欲しい!』という、akuroさんのリクエストを受けまして、今回、書かせてもらいました。灯夢さんの特集もそうですが、まさか池月君の浮気疑惑話を自分が、ここで書くときがやってくるとは想像にもしなかったです。(ドキドキ) 
     えっと、チャットとかで危ないフラグを建てて(今回の物語も少し、怪しい部分がありますが)しまっている自分ですが、やっぱり『もふパラ』の作者として、そして個人として、池月君とエリス夫妻には幸せになってもらいたいなぁと思って、あのような話の結びとなりました。池月君はエリスが一番なんです! と私からも(説得力は保証できませんが)言っておきますね。ただし、フラグ建築士という名前をいただいた以上、またチャットとかで私も危ないフラグを建ててしまうかもしれませんが、そのときはよろしくお願いしますね。(苦笑) まぁ、池月君を強くさせる為のものだと思っていただければ(以下略)
     
     それと、灯夢さんに関してはネタばれにならない程度にああいった感じとなりましたが、いかがだったでしょうか?
     楽しんでいただけたら、幸いです。
     ちなみにロコンが千歳超えるとキュウコンになれるという勝手な設定は、千年の時を経た狐は九つの尾を持った天狐になるという、昔に読んだどこかの書物からきています。 

     改めて、リクエストをくれて、ひばなさんとあかねさんを貸してくれました、akuroさん。
     和菓子屋本舗幻想黒狐、クロミツさん、キャンピングカーのゾロアークさんをお借りしました、きとらさん。
     自分を信じて、池月君を預けてくれた、イケズキさん。
     そして、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました!

     この場でありますが、これからも『もふパラ』をよろしくお願いします。

     それでは失礼しました。

    (追伸:作業中、『池月』君という文字を『流月』さんと空目しまし(以下略))

    【何をしてもいいですよ♪】
    【池月君はエリス一筋なんです♪】    


      [No.2182] 相棒 投稿者:スウ   投稿日:2012/01/09(Mon) 04:21:02     141clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    ※タイトルですが、テレビドラマシリーズとは何の関係もありません。
     またそれらのものを何ら想起させるものでもありません。
     他に良いものを思いつけなかっただけです。
     ただの短編二つです。



     ■ノー進化?

     ゴールドがコガネシティの歩道を歩いていると、ジムリーダーのアカネちゃんとぱったり出くわした。
    「おおー、ゴールドやないか。久しぶりやなー」
    「あれ、アカネちゃん。奇遇ですね」
    「ほんまや。うち、今日は暇なんやけど、ゴールドも暇そうやね」
    「まあね」
    「うち今からコガネデパートに行くとこやねん。今日のくじびきの一等、『からげんき』の技マシンやったやろ? 今日こそ絶対当てたるねん」
    「そっか。今日は金曜だから」
    「ゴールドは今からどっか行くとこなん?」
    「別に行くあてとかはないんですけどね」
     ゴールドは言いながら後ろを振り返る。そこには一匹のヒメグマがいる。
    「ちょっと、こいつのレベルアップのためにあちこち草むらを回ってるところなんです」
    「あー! 『ちょーだい』やないか! こっちも久しぶりやなー」
     アカネは嬉しそうに手を差し出した。ヒメグマは甘えてくる。この前見た時より顔付きが若干たくましくなっているように見うけられた。
     ゴールドは自分のヒメグマに『ちょーだい』というニックネームをつけている。というのも、初めてほしがるの技を使ってみた時「ちょーだいちょーだい、それちょーだい」とせがんでいるように見えたからだ。
    「ちょーだいを本格的に育てることにしたんやな。殊勝なことや」
    「でも野生ポケモンとのバトルじゃ、経験値がたまりにくいですね」
    「そやな。トレーナーとのバトルに比べたら、やっぱり得られる経験は少ないなぁ」
    「まあ、コツコツやっていきますよ。まだトレーナーのポケモンとまともに戦えるような状態でもないので」
    「うん、ええ心掛けや。もうちょっと強うなってきたら、うちもどんどん協力したるで」
    「ありがとうございます」
    「ほなレベルアップ頑張りやー」
     ゴールドは帽子を傾けて、アカネちゃんに軽く頭を下げた。
    「頑張ります。……さて、と。進化まではまだまだかかるぞ」
     そう、ぽつりと呟いて、アカネの前を通り過ぎようとしたゴールドだったが、いきなり後ろから首根っこを掴まれた。
    「ちょっと待てや」
     アカネちゃんの雰囲気が突如としてアウトローなものに変わっていた。
    「アカネちゃん……? どうしたんですか? めっさ怖い顔して……」
    「今、何て言うた?」
    「はぁ?」
    「ちょーだい、進化させるつもりなんやな?」
    「えぇ? ああ、そりゃまあ」
    「何で進化なんかさせるんや?」
    「何でって、強くするためには必要なことだし、こっちにも事情ってもんがあります」
    「事情って、何や?」
    「いや、そんな事」
     アカネちゃんには関係ない、と言おうとして、ゴールドはやめた。アカネちゃんの重圧がそれを許さなかった。
    「どういうことか、話、聞こか」
     アカネちゃんは親分気質がそなわったように、たくましい声で言った。

       ***

    「何でちょーだい進化させなあかんのや?」
     アカネちゃんはもう一度ゴールドに詰め寄った。
    「そりゃあ、強くするためには能力値伸ばさないといけませんからね」
    「それだけのためにか?」
    「もう一つ、あります」
    「それは何や」
    「ポケモン図鑑のページ、うめたいんですよ」
     アカネちゃんは険しく眉をひそめた。
    「ポケモン図鑑のページか。そらけっこうなことや」
    「でしょう? というわけで、この話はおしまい――」
    「やめとき!」
     アカネが突然叫んだので、ゴールドは飛び上がった。
    「そんな、やめとき、って……」
    「なあゴールド、後ろのちょーだい見てみ? こんな可愛いちょーだいには、進化なんて似つかわしくない、やろ……?」
    「いやそうでもないと思いますけどね」
     ゴールドはあっさり答える。
    「こいつ性格がゆうかんなんで、むしろ進化させた方が本来の姿に似合ってるんじゃないですかね」
     ゴールドの声に同調するように、ちょーだいがぶんぶんと腕を振り回し、自らの腕力をアピールする。
    「あかんあかん! そんな事言うて早まったことしたら!」
    「でもそれじゃ図鑑の方は――」
    「それやったら改めて野生のリングマ捕まえ! あんたチャンピオンロードにもシロガネ山にも入れるんやろ?」
    「……そりゃそうですけどね」
    「何か問題でもあるんか?」
    「パソコンのボックスがね、もういっぱいになってきてるんですよ。新しい進化ポケモン捕まえるよりも、なるべく小さいのを進化させてかないとすぐ満杯になってしまいます」
     アカネは少しだけ言葉に詰まった。
    「そら……その気持ちはうちかてわかる。うちのボックスももうすぐいっぱいや。新しいポケモン捕まえられんようになる。でもな――」
     アカネはすうっと息を吸って、一息に吐き出した。
    「一度ごっついリングマさんになったら、もう二度と元に戻されへんねんで!」
    「わかってますって。しかたないです」
    「しかたないですませたらあかん!」
    「無茶言わないでくださいよ」
    「なあゴールド、思い直し。あんた何でそのヒメグマに『ちょーだい』ってニックネームつけたんや?」
     アカネに指摘されて、ゴールドはハッとなった。
     ちょーだいちょーだい、それちょーだい。
     昔、ゴールドはそんなふうに口ずさみながら、ヒメグマのちょーだいとともにジョウトのあちこちを駆け巡ったのだ。
     彼のヒメグマはどんどん彼に懐いていった。他の屈強なポケモンと協力して、ほしがるの技が成功した時には嬉しくて喜びの声をあげたものだ。
     進化とは、進化という行為は、そういった全ての思い出を無かったものにする行為ではないか。進化してしまったら、ちょーだいが、ちょーだいでなくなるのではないか。人によって捉え方はまちまちだ。だから、進化をさせた方が良い、させない方が良い、という選択肢に決定的な解などないのかもしれない。けれど今のゴールドには、アカネちゃんの言わんとしていることの方が、より正しいような気がした。
    「……わかりました。アカネちゃん」
     ゴールドは顔を上げて、ちょーだいの方を見た。ちょーだいもつぶらな瞳でゴールドを見返す。
    「このちょーだいは進化させないで、新しいリングマを捕まえることにします」
    「ええ答えや」
     アカネちゃんは満面の笑みでうなずいた。
     ゴールドもうなずき返した。
    「しかたないですね。じゃあ進化させるのはパソコンに預けてあるブルーの方にします」
    「それもあかん!」


                       おしまい



     ■グレン島にて

     夜明け近くのグレン島は、薄い冷気のヴェールに包まれていた。
     昨夜の放射冷却によって奪われた熱は、今では遥か上空、静まり返った世界のどこかをさまよっている。雲一つない暗影の真下では生まれたばかりの潮風がそよいで、寂しげな地表にまで、その音を伝えてくる。
    「シロナ、もうすぐみたいよ」
     がさごそとテントから這い出してきた影が一つ。
    「ふえぇ? もう……?」
     這い出してきた影はもう一つあった。
     二人は肌寒い薄闇をかいくぐり、海岸線の前に立った。海岸線より向こうには何も見えない。けれども、その裂け目から、朝は昇りつつある。
     旅の途上にあったシロナとナナミはグレン島に立ち寄ることにした。
     過去に火山の噴火で、そのほぼ全てが灰と化してしまったグレン島。シロナとナナミは言葉もなく、ただただそんなグレン島の哀切な声に耳を傾けた。
     日の出の訪れは、思い描いていたよりもずっと早いものだった。いつの間にか、二人の頬は温かく照らされていた。
    「この島は、まだ完全には死んでおりませんよ」
     二人の隣に立つ者があった。
    「あなたは……」
     ナナミの方が先に気付いた。シロナもゆっくりとそちらを向く。
    「どうも、ナナミさん。お久しぶりです。おじい様は元気でいらっしゃいますか」
    「ナナミ、この方は?」
     シロナが聞く。
    「グレンジムのジムリーダー、カツラさんよ。何度か話したことがあるでしょう?」
     ナナミはカツラの方に向き直る。
    「カツラさん、こちらこそお久しぶりです。おじい様はまだまだ元気です」
    「それは何よりです。私もドクターオーキドも、もうそんなに長く生きられる年ではないですからな」
    「そんな事はありません。おじい様も、そしてあなたも元気そうではありませんか」
    「ありがとう。ワシもまたこの島と同じ、死の間際にあるように見えて、その実まだまだ持ちこたえているのかもしれませんね」
    「この場所へはよく来るんですか?」
     シロナが尋ねた。
    「ええ、毎週火曜日と木曜日はいつもここへ足を向けます」
    「私、故郷がシンオウですからカントーの事情はあまりよく知りませんが……当時は大変だったとうかがっています」
    「大変でした」
     カツラは首肯した。
    「この有様を見てみればわかります。全員避難できたのが不思議なくらいでした。これも全て救助を手伝ってくれたポケモン達のおかげでしょう」
    「シロナ、カツラさんは今、グレンジムを復興するために、双子島の洞窟を借りて活動を続けているのよ」
    「洞窟を?」
    「そう、洞窟の内部をジムにしているの」
     シロナは驚く。そんな事は世界で初の試みかもしれない。
    「当時のワシはあまりのショックで倒れそうでした」
    「死者が出なかったとはいえ、グレンの町は無くなってしまいましたからね……」
     ナナミは目を伏せた。
    「その通りです。その頃でさえ、ワシはけっこうな年でした」
     カツラは昔の自分を、慎重にすくい取るように口にする。
    「だんだんよくないことばかりを考えるようになりました。日に日に追いつめられていく自分を遠くから見つめているような、そんな不思議な感覚でした。ワシはこう考えました。どうせ、もう長くはないのだ、と。それならいっそのこと、早々と、この命を終わらせた方がいいのではないか」
     シロナがこくん、と息を飲んだ。
    「でもね、最後の無茶をやらかす前に、もう一度このグレン島を目に焼き付けておこうと思った」
    「カツラさん……」
    「グレン島からの眺めはご覧になられたでしょう? ここから見る夜明けは、何ものにも代えがたい美しさがあった。そして力強かった。ワシは今までの事など忘れて、ただただ朝の日差しに見入っていました。自分は何と狭小で愚かだったのだろうと思い知らされもしました。もう一度、一からやり直すことを決めました。それが、今の活動につながっています」
    「普通、なかなかできる事ではないと思います」
     シロナが感心して言った。
    「そんな事はありません。グレン島にいた他の連中も同じ気持ちだったようです。以前、グレンジムにいた者達も一人ずつ帰ってきてくれています。少しずつ、少しずつですが、再生に向かっているのです。あの頃と同じように、何もかもが――」
     カツラは空を見上げた。風が微小な砂埃を舞い上げていた。その中心で彼はたった一人だったけれども、シロナとナナミは不安を覚えることはなかった。なぜなら、そっと吹き抜けるその一瞬の中で、彼は穏やかに微笑んでいたから。そのサングラスの向こうに光るのは、かすかな希求をひそませた、ひとしずくの朝露なのかもしれなかった。
    「もう、完全に日が昇っちゃったわね」
     ナナミが言った。
    「本当にね」
     シロナが朗らかに調子を合わせた。
     木曜日の朝日は、ますます高度を上げていく。これから再び生まれてくるものたちを、優しく迎え入れるかのように。
    「ところでお二人さん」
     カツラが呼びかける。
    「ワシはね、毎週木曜、この島を訪れるトレーナー達と記念写真を撮ることにしているのだよ」
     シロナとナナミは顔を見合わせた。
    「どうだね? 旅の記念に一枚、ワシと撮っていかんかね?」
     シロナとナナミはにっこりとうなずき合って、その微笑みをカツラに向けた。
    「「いえ、それはお断りいたします」」
    「うおおおーーい!」


                       おしまい



     補足説明すると、
     1、ちょーだいはゲーム中、実際にヒメグマに与えたニックネームです。
     こっちはリングマに進化させましたが(やっぱりボックスの空きとかが、ね)。

     2、カツラの最後の叫びについては(確かこんなだった)
     ゲーム中、実際に聞くことができるので
     試してみると面白いですよ(電話番号交換の後、木曜日のグレン島→写真撮影)。



    【何でもありですよ】


      [No.2181] 日常 〜彼女達の場合〜 投稿者:akuro   投稿日:2012/01/08(Sun) 03:30:18     104clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     「ああもうハクリューマジ美しすぅぅぅ!!」

     カントー地方、マサラタウンの北に広がる草むらで、桃色の帽子を被った少女が突然叫んだ。 周囲に人は見当たらなかったが、近くにいた彼女の手持ちポケモン達は大いに驚いた。

     「ぐおお……だからいちいち叫ぶなよモモコ! 耳が痛いわ!」

     最初に言葉を発したのは耳を押さえて抗議したライチュウ。 これは彼らにとって日常茶飯事とはいえ、さすがに突然叫ばれたら驚かない方がおかしい。

     「だってりゅーがめちゃめちゃ美しいんだもん! らいちもそう思わない!? この美しく青いボディーに輝く綺麗な水晶……」

     モモコと呼ばれた少女は瞳をキラキラと輝かせながら、らいちと言うライチュウにハクリューの良さを熱弁し初めた。

     「また始まった……別になんとも思わねえよ。 こんなナルシスト野郎のどこがいいんだか……」

     その言葉を聞き、モモコの傍らにいたハクリューが、ライチュウの前に進みでた。

     「我はナルシストなどではない、単純に美しいだけだ」
     「それをナルシストって言うんだよ!」
     「なにを言う。 もしやこの美しき我のことが羨ましいのか?」
     「はあ!? おまえ、バカなのか? その思考なんとかしろよ!」
     「我のどこがバカだというのだ。 理解できん!」
     「俺も理解できねーよ!」

     ギャーギャー騒いでいる2匹を、モモコはニコニコと見つめている。 その腕の中にはいつのまにかふわふわなワタッコが居た。

     「モモコ〜止めないの〜?」
     「大丈夫大丈夫! あの2匹はケンカするほど仲がいいってやつだから」
     「そなの? じゃ〜あおば寝る〜」

     モモコの腕の中で、ワタッコのあおばはいつものようにスヤスヤと寝息を立て始めた。

     「おやすみあおば♪ ……うふふ、あおばも可愛いなあ♪」

     眠っているあおばを抱きしめながら、モモコはらいちとりゅーの喧嘩に目を戻した。








     既にバトルに突入している2匹のポケモンを、少し離れた木陰から見守っているポケモンがいた。

     「もう、♂ってどうしてあんなに子供なのかしら……」

     呆れたようにため息をつくシャワーズに、隣に居たロコンが無表情で呟く。

     「……そーいう生き物なんでしょ。 それより相談ってなに」

     彼女……ロコンのあかねは、隣のシャワーズのみずりに「相談がある」と言われ、ここに連れてこられたのだ。

     「そ、そうだった……あのね」
     「前置きはいいから」

     「……実は最近、らいちやりゅーと話すと、緊張してつい思ってることと反対のこと言っちゃうの」
     「で?」
     「……いや、これはなんでなのかなって」
     「ただのツンデレ。 以上」

     そう言うとあかねは木に登り、昼寝する体制に入った。

     「え……あかね、それだけ?」
     「うん」

     みずりは呆然としている。

     「……ツンデレってなに?」
     「自分で調べて」

     「調べるって、どう……」
     「モモコに聞けば? あたしは寝る。 邪魔したら燃やす」

     あかねはキッパリと言い、それっきりみずりが話しかけても返事しなくなった。

     残されたみずりは1人呟く。

     「……いつものこととはいえ、やっぱあかね怖いなあ」



     ーーこれが、彼女達の日常である。


     [なにしてもいいのよ]


      [No.2180] あけまして、ドラゴン! 投稿者:海星   投稿日:2012/01/07(Sat) 12:48:21     108clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     眩しい朝日を浴びて、目が覚めた。
     
     冬の空気は冷たくて嫌いだ。
     
     起き上がる時に改めてそう思う。
     
     「ママ、パパ、おはよう! あけましておめでとう!」
     
     年賀状を並べていたママが振り向いてにっこりした。

     「あらおはよう、チルティーヌちゃん。あけましておめでとう」

     「あれ、パパは?」

     「お爺ちゃんに貰ったお餅を庭で焼いてるわよ」

     ママが説明したらすぐに、パパがお皿に膨れ上がったお餅を乗せて飛んできた。
     
     「おう、おはようチルティーヌ。あけましておめでとう」

     「うん、あけましておめでとうパパ」

     パパは大きな手の平で私を撫でた。

     いつも、パパは砂っぽいにおいがする。

     「今年は辰年だね! パパもママも主役だ!」

     そう言うと、二匹とも嬉しそうにした。

     その時、コンコンとドアが叩かれて、下の方からタツキチの声がする。

     「おーい、チルティーヌ!」

     急いで窓から飛び出てタツキチの前まで飛んでいくと、やっぱり羨ましそうにした。

     「あけましておめでとう、タツキチ」

     「おうよ、チルティーヌ。ところで、お前、年越しの瞬間起きてたか?」

     「ううん、九時までに寝ないとママに叱られちゃうから……」

     すると、タツキチが勝ち誇ったように笑った。

     「俺、父ちゃん一緒に起きてたんだ。それで、年越しの瞬間地球にいなかったんだぜ!」

     「ええっなにそれ! 宇宙旅行にでも行ってたの!? 確かにタツキチのパパは一七時間で地球を一周できるんだよね……」

     「十六時間だ! 父ちゃんは凄げぇんだかんな! っじゃなくて、ジャンプしたんだ」

     誇らしげに胸を反らして見せるタツキチを思い切り冷たい目で見る。

     「なぁんだ……それだけ?」

     タツキチは焦ったように地団駄を踏み、私を指さした。

     「まあこの話はいい! 今年は辰年じゃねぇか、俺の時代が来た!」

     「それを言うなら私もだよ、タツキチ!」

     「ふん、お前ドラゴンじゃないじゃねえか」

     「進化したらママみたいなふわふわのチルタリスになるんだもん! タツキチこそ、ドラゴンなら空くらい飛べなきゃ。タツキチのパパみたいにね」

     にやにやして言ってやると、タツキチは真っ赤になった。

     「う、うるさい! それに、俺は進化しても父ちゃんじゃなくて、母ちゃんみたいなボーマンダになるんだ!」

     「ふうん、そう」

     「なんだよその反応! 母ちゃんだって格好良いんだぜ、超イケてる。お前こそ、お前んとこの父ちゃんみたいには進化しないだろ、それと同じだ!」

     はっとして、私は家を見上げた。

     大きな二又の木の上に我が家はある。

     「そっか……」

     「だろ? お前の父ちゃんも中々格好良い(まあ俺の父ちゃん程じゃないけど)が、チルティーヌがああなったらちょっと気持ち悪いって言うか……」

     「聞き捨てならないかも! うちのパパはめちゃめちゃ凄いんだから! ママと恋に落ちたは良いけど住むところが全然違くて、パパは我慢して砂嵐を諦めたんだから! それに、ママとパパのデュエットは最高で、(まあパパは歌うっていうか羽ばたいてるんだけど)すぐに眠くなっちゃうんだから!」

     呆れたようにタツキチが溜息をついた。

     「眠くなっちゃ駄目じゃねえか……」

     そのとき、家の窓からママが顔を出して私を呼んだ。

     「チルティーヌ、朝ご飯よ! タツキチ君も食べてく? うちは実家がシンオウにあるから、タツキチ君ところのお雑煮とはちょっと違うかも……」

     歌うような軽やかな口調で楽しそうに言うと、ママはタツキチを見つめた。

     だけどタツキチはああっと大きな声を出して驚くと、慌てて走り出す。

     「俺んちも朝飯の時間だ! 今日は正月だし、豪勢なんだ! じゃな!」

     そうしてタツキチは去って行った。
     
     ふんわり飛んで窓から家に入ると、お餅の香ばしい匂いが私を包む。

     「わあ、美味しそう!」

     パパが新聞を畳んで隅に置く。

     ママもお茶を淹れて運んでくると、それぞれの席に置いて、微笑んだ。

     「じゃ、食べようか」

     三匹が席に着き、パパがいただきますを言う。

     うーん、お正月って感じ。

     


     今年の抱負:辰年のうちにチルタリスになりたい!




    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

     改めまして、あけましておめでとうございます。

     なんかふにゃふにゃしてしまいました;

     調べてみたら、流石ドラゴン、数が少ないんですね!

     結局色々出してしまいましたがww

     個人的にはフライゴンが好きです^^

     アニポケのAG時代……憧れのシュウさんが手持ちにしていたからでしょうか……ポッ

     あと、ジラーチの映画にも出ていました! サトシさんを背中に乗せたり……ポッ

     失礼致しましたーっ^^;

     【書いてもいいのよ】
     【描いてもいいのよ】
     【ていうか何をしてもいいのよ】
     【お雑煮もぎゅもぎゅ】


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