マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
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  •   [No.3929] ミミッキュのミミッキュ 投稿者:48095   《URL》   投稿日:2016/07/20(Wed) 05:42:29     55clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     私のミミッキュは、極めている。
     不思議な力を使って自身の被り物をピカチュウに似せているポケモン、ミミッキュ。たいていのミミッキュは子供が手がけた工作のような、言ってしまえば下手な作りの被り物をしているけれど、私のミミッキュは違った。ものすごく、再現度が高いのだ。
     左右の耳はぴんととがっているし、瞳はきらきら、ほおぶくろの赤みや膨らみも、どう見てもピカチュウそのもの。触れたらバチっと火花が散りそうだ。

    「そんなにピカチュウになりたいのかねえ」

     永子がつんつんとつつきながら言う。ミミッキュはあのラクガキっぽい感じがかわいいのに、と本人の目の前であるにも関わらず続ける。私も永子と同じ意見だけれど。

    「完璧主義なんだよ、たぶん」
    「そういうもんかねえ」

     永子のつんつんが嫌になったのか、ミミッキュはピカチュウが嫌がったときに見せるような表情を被り物に浮かべてから、永子の指から離れた。

    「こうも極められると、かえって気味が悪いよ」
    「ミミッキュっていうのは気味が悪いもんでしょ」

     ピカチュウとしても、ミミッキュとしても、この子はよくできているわけである。あまりかわいいとは言えない点だけは、頂けないのだが。

    「気味の悪さの種類が違うと思うんだけどなあ」

     被り物の裾の部分を指でつまんで、ちらりと中をのぞく永子。この行為にも、ミミッキュはわざわざピカチュウの仕草で抗議した。

    「そうだ、あんたミミッキュの真似をしてみてよ」

     不意に永子が大きな声を出す。ミミッキュは驚いて飛び上がってから、ピカチュウのびっくりしたような顔を作った。完璧主義、崩れたり。永子がにやりと笑う。
     永子に向かってぷんぷんと怒るミミッキュ。できないの、と永子がいたずらっぽく言うので、ミミッキュは後ろを向いてしまった。

    「永子、あんまりいじめないの」
    「ごめんごめん」

     とりあえず謝った永子。それでもミミッキュはそっぽを向いたままだ。ごめんってば、と永子が無理やりこちらを向かせると、ミミッキュの被り物はひどい顔をしていた。

    「それ、もしかしてミミッキュの真似のつもりなの」

     訊ねた私にミミッキュはぎこちなく頷いた。ピカチュウとは言えないような、しかしミミッキュのかわいさからも離れた、なんとも微妙な顔である。

    「これからはミミッキュの練習をしようか。うん、そうしようね」

     力なく言う私に、ミミッキュも力なく返事をした。さすがの永子も苦笑いである。


    *****


     48095と申します。活動の場をひろげてみようと、こちらにうかがいました次第です。恐れ多い気持ちでもういっぱいいっぱいです。よろしくお願いいたします。


      [No.3928] 出せなかった夏の終わりに、あるいはそれダム 投稿者:砂糖水   投稿日:2016/07/19(Tue) 22:09:41     116clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:ホワイティ杯】 【それダム】 【それはそれとして世界はダムの底に沈みました】 【君も世界をダムの底に沈めないか?

     ユウくんは十歳です。今日、ようやく十歳になりました。ユウくんはずっとずっとこの日を待ち望んでいました。
     だって、十歳になれば、ポケモンを連れて旅に出ることができます。もう、クラスの半分くらいの子は、とっくに旅立っています。
     ユウくんの誕生日は、八月の終わりなので、決して遅いわけではありません。でも、自分よりも誕生日の早い友達が旅に出て行くのを見ていると、やっぱりずるいと思ってしまうのでした。
     そんなユウくんでしたが、夏になり、誕生日が近づいてくるとにわかに忙しくなりました。
     なぜって、旅をするにはいろいろと準備が必要だからです。旅に必要なもの、例えば、野宿するときに使う寝袋であったり、調理器具であったり、あるいは動きやすくて破れにくい服であったり、そうそう、ポケモントレーナーとしてはモンスターボールやきずぐすりなども忘れてはいけません。
     まあ、とにかくこまごまとしたものが必要ですから、お父さんやお母さんと一緒にリストを作って、あれやこれやを買いに行きました。
     それから、なんと言っても一番大切なのは、最初のパートナーとなるポケモンです! 最近はカタログから好きなポケモンを選ぶことができるので、それはもう、毎日のように、ユウくんはカタログとにらめっこしたものでした。一ヶ月も悩んで、ようやくパートナーとなるポケモンを決めました。明日、受け取りに行って、そのまま出発する予定です。
     本当は、誕生日当日に出発したかったのですが、お父さんお母さんに、誕生日をちゃんとお祝いしたい、と言われたので、渋々でしたが、一日延期したのです。
     まあ、それももう過ぎたことです。そう、とうとう旅に出ることができるのです! なんたって、ユウくんは十歳ですからね!

     ユウくんは今一度、荷物の確認をしました。もう、何度目か忘れてしまうほど繰り返していました。わかっていても、少しも落ち着かないのです。必要なものはみんなあります。大丈夫なはずです。
     ユウくんは興奮して、ちっとも眠くありませんでした。でも、眠らなければ明日まともに動けないでしょう。
     だからユウくんは、期待で否応なしに高鳴る胸を静めてベッドに入りました。
     さあ、明日からはユウくんだけの旅が始まります!

     それはそれとして世界はダムの底に沈みました。



    ――
    イエーイダム〜!

    ホワイティ杯に出そうとしたけど出せなかったやつです。
    残り一、二時間で、頑張ればいけるかな?でもがんばるのしんどいな、でやめました(
    クオリティはお察しっていうか、そもそもまじでネタ思い浮かばなかったんですよおおおおおおおお!
    つらたん!

    ダムが全く脈絡ないですが、まああの、様式美です(
    世界を!ダムに!沈めたいんだ!!!!!!!!!1
    みんなももっと世界をダムに沈めよう?
    ダムはいいぞ(
    ついったーやってない人にはなんのことやらですね、サーセン。

    ホワイティ杯の投票期間が刻一刻と少なくなっていますが、参加作品、全然読めてません(
    い、今から読みますね…みんなの話について行けなくてつらたんなのです。

    ということであなたも世界をダムの底に沈めよう!


      [No.3668] モノクロームのコノテーション 投稿者:久方小風夜   《URL》   投稿日:2015/04/02(Thu) 19:02:04     117clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:#タイトルをもらってどんな話にするか考える】 【通信ケーブル持ってる奴=神】 【そんな時代もありました


     接続先のない通信ケーブルに、時々どうしようもない罪悪感を覚えることがある。


     単3電池を4本搭載した分厚いグレーの本体に、緑色のラベルが貼られたカセットが刺さっている。
     灰色がかった黄緑色の画面の中央に映るのは、16×14ドットの2頭身の少年。
     160×144ドット、およそ4×4.5cmの、4色で構成されたモノクロの液晶の中が、幼いころから僕にとって一番心が安らぐ場所だった。

     まだほんの子供のころに買ってもらったこのソフトと、いとこの兄ちゃんにもらったこの大きくて古い本体は、今もまだ僕の中では現役だ。
     次作の内蔵電池が3年足らずで切れてレポートが書けなくなってしまっても、その次の世界が時を刻むことができなくなってしまっても、初プレイからかれこれ19年経ったこのソフトは恐ろしいことに未だ健在である。
     20年以上使われている液晶画面は、劣化して両端に白線が入ってしまっている。幸い今のところまだプレイにさほど支障はない。液晶は昔のテレビとかで主流だったブラウン管とかと違って、自分が光り輝いているわけじゃない。詳しい構造を省いてざっくり言うと、シャッターのように光を透過させたりさせなかったりすることで濃淡を表現しているわけだ。この本体の液晶画面は反射板が金色だから、光を完全透過している「白」の部分が何とも言えない黄緑色だ。視認性が悪いけど、この色も何となく愛着があって嫌いじゃない。ずっしりとくる大きさと重さも案外気に行っていて、最新機種の軽さがいかにも玩具っぽくて時々少しだけ不安になる。それと、音楽はいわゆるピコピコなのだけれど、この本体は性能の割にかなり音質が良い気がして、僕はいつもイヤホンをしてゲーム内の曲を楽しんでいる。
     まあ、常々使っているわけではない。僕だって新作のゲームはやりたいし、3Dグラフィック・立体サウンド・直感操作は大したものだと思う。ただ、時々無性に、機能性に関しては比べるべくもないこの本体とカートリッジに戻ってきたくなってしまうのだ。


     僕は昔からどうも内向的で、人とコミュニケーションを取るのが絶望的に苦手だった。
     おかげさまで幼稚園から大学卒業するまでほとんど友人らしい人物はおらず、会社でも何となく浮いているというか、避けられているというか、触れてはいけない存在のように思われている節がある。そのこと自体はまあこの20数年の人生ずっとそうだったから今更どうこういうわけではない。
     ただ何となく、僕にとってこの世界は生き辛いな、と思うのである。

     だけど、ほとんど空気みたいだったこの20数年間の中で、ほんの一瞬だけ、僕が輝いていた時期があった。
     それこそ今プレイしているこのゲームが発売された時であり、僕が通信ケーブル(及び変換コネクタ)を持っていたからだった。

     このソフトは、通信ケーブルを介して他人と交換・対戦することが醍醐味だった。CMも通信関係のことばかり言っていた気がする。あんまり覚えてないけど。
     ただ、それまでのソフトでそこまで積極的に通信ケーブルを用いたものがなかったこともあって、持っている人はかなり少なかった。
     そんな中、僕はいとこの兄ちゃんから本体と共に通信ケーブルを受け継いでおり、クラスの中で唯一の通信可能な人間だった。そんなわけで、通信進化や図鑑埋めの協力が僕に一斉に舞い込んできたのだった。交換してもらった子たちは何となく消せなくて、セーブデータを変えてもずっと持ち歩いていた。
     まあ、そんなのもほんの数週間後、クラスのリーダー格が通信ケーブルを入手した(しかも初代は使えない奴を)ため、あっという間に鎮静化して僕は元の空気に戻ったのだけれど。

     結局のところ、世の中は僕が必要なわけじゃなくて、他に適任がいなかったから仕方なく僕を選んだのだ。
     あれ以来僕にお呼びがかかることはなく、僕はひとりでゲームを進めて、ひとりで通信をして、ひとりで図鑑を埋めて、ひとりで満足して、それで終わるようになった。
     まあ、不満があるわけじゃない。本来RPGはひとりでやるもんだし、システム上何かしら問題があるわけでもない。自分のペースで好きなようにプレイ出来るし、そこのところは気楽でいい。
     ただ、同じ人間が操っているキャラクター同士が通信するのを見るたび、他の人たちがわいわい対戦や交換をしているのを見るたび、僕は何となく胸の奥がもやもやとして、何となく罪悪感を感じるのだった。


     ふつ、と突然画面がホワイトアウトし、イヤホンから流れていた音楽が途絶えた。
     電源ランプはしっかり灯っている。そもそも電池はほんの数時間前に入れ替えたばかりだ。一旦電源を切り、カートリッジを取り出して端子に息を吹きかける。本来やってはいけないが既に習慣である。念のため麺棒で拭って本体に刺しなおし、もう一度電源を入れるが、画面は依然灰と金を足した色のまま変わることはなかった。
     ああ、とうとう壊れたか。まあ20年も使ってたらそりゃ壊れるよな。僕はため息をついて電源を切り、本体を机の上に置いた。


     画面の中央に、小さな2頭身の人影が現れた。


     僕は驚いて本体を手に取った。それは紛れもなく、今刺さっているカセットの主人公だ。しかし本体の電源はついていないし、僕は全く操作していない。
     そいつは僕が何のボタンも押していないのに、手前側に向かって足踏みをしていた。背景が白く本人の場所は動かないので一瞬困惑したが、画面下方向に向かって歩いているようだ。
     しばらくの間そいつは辺りをうろうろと動き回り、こちらを見て「!」の吹き出しを頭の上に浮かべた。

    「こんにちは」

     耳元から突然、ノイズ混じりの少年の声が聞こえてきた。僕は驚いて本体を取り落した。ごつっ、という鈍い音が響き慌てて拾い上げたが、机の天板に小さなへこみが出来ただけで画面の中には相変わらず少年が映っていた。
     何だこいつ、という僕の心の声に答えることもなく、そいつはきょろきょろとあたりを見回し(たように見えたが、このソフトに首だけが左右に動くモーションは存在しないので全身が左右を向いていた)、またこっちを向いた。

    「むかしから ずっと きに なっていたんだけど ‥‥ どうして きみの せかいは モノクロなの?」

     何言ってんだこいつ、と僕は思った。
     モノクロなのは、「黒・白・灰色2種」で構成された、その液晶の中にいるお前たちの方だろう、と。

    「だって ぼくの ぼうしと うわぎは あか だし ズボンは あお フシギバナは みどり だし ピカチュウは きいろ」

     少年の両隣に、顔のついた花と、ピッピに似た生物のアイコンが現れる。そいつと変わらない、彩度0の4色。
     だけど僕にはそれが確かに、緑色と黄色に見えた。

     少しだけ間を置いて、ノイズ混じりの声がまた聞こえてきた。

    「ねえ どうして きみの せかいは 『モノクロ』 なの?」

     ふっと、画面の中の少年達の姿が消えた。気がつくと、本体からカートリッジを引き抜いていた。
     カートリッジに貼られた、緑色のラベルが目に入る。僕はそれを裏返して、机の上に置いた。
     僕は何度か深呼吸して、馬鹿馬鹿しい、と自嘲した。夢に決まってる。そうでなけりゃ幻覚と幻聴だ。疲れてるのかな。全く。

     押し入れの引き出しの中をひっくり返し、紫色の半透明のボディをした、先程より幾分コンパクトなカラー液晶のハードを探しだした。これもまた古い機体だが、問題無く動くだろう。
     僕は一瞬ためらいつつ、カートリッジを本体に挿入した。画面内に少年が現れることもなく、電源を入れるとゲームは起動した。
     しかしスタート画面からひとつ進んだところに、「つづきから はじめる」の選択肢は存在していなかった。
     何度かキーを動かすと、画面の中には意味不明の文字列が溢れかえり、それきり全く動かなくなった。



     雲が3割ほどの晴天。風は生温かく、木の上では小鳥がさえずり飛んでいく。公園の砂場にもブランコにも人影はなく、ただただ穏やかな春の日差しが降り注いでいる。
     そんな中で、僕はベンチに座ってただぼうっとしていた。顔のパーツは完全に無表情から動かず、時折肺の底から深いため息が漏れてくる。

     空は澄み、若葉は鮮やかで、そんな麗らかな陽気だというのに、僕の目にはモノクロのような風景しか映らなかった。
     今日に限ったことじゃない。いつもだ。今まで生きてきて、ずっと。
     生きる意味とか目標とか、考えるのも面倒くさい。僕みたいなのはどうせいてもいなくても何の影響もないわけだし。

     この世はとかく生き辛い。少なくとも、僕にとっては。


     何度目かわからないため息をついた時、公園近くの道路に人影が現れた。

    「――あれ? お前確か、小学校の時の……」

     世間は休日だというのにスーツを着たその男は、僕の方へ近寄ってきて、やっぱそうだ久しぶりー元気してたか? と謎のハイテンションを見せてきた。
     人の顔も声も名前も覚えるのが苦手な上、あったのもずいぶん昔のことらしいので、目の前の男が何なのかわからなかったが、彼が小学校何年生の時一緒だった、とか発表会で何々の役をやった、とかいろいろ個人情報を出してきたのでようやく思い当たる人物を脳内から検索できた。それにしてもよく20年以上前のクラスメイトの顔と名前なんか覚えてるなあ。それも僕なんかの。
     元気してる? とか最近どうよ? とか本当に聞きたいのかいまいち不明な質問に適当に相槌を打っていると、彼はふと思い出したように言ってきた。

    「そう言えば、ポケモン流行った時、最初お前だけ通信ケーブル持ってたんだよな。俺、お前に協力してもらってユンゲラー進化させてさぁ……」

     ああ、そうだった。
     この人もあの数週間の間に、僕の前に現れたひとりだった。

     僕の灰色の大きな機体と、彼の赤いコンパクトな機体をケーブルで繋いで。
     黄緑色の画面の中に、僕以外のもうひとりが現れて。
     ケーブルをボールが行き来するのを見て、すごく嬉しそうにしてて。

    「ごめん、あの時もらったキュウコン、昨日カートリッジがバグって消えちゃったんだ」
    「えっ、お前今までずっと持ってたの!? すげーな」


     あの少年の世界に色があって、僕がいるのがモノクロなのは、僕があの一瞬の輝きを、緑色のカートリッジの中に閉じ込めたからだ。
     少なくともあの時僕は、ほんの短い時間だったけど、たくさんの人と繋がって、交換して、力を貸して。

     それがすごく、楽しかったんだ。

     ひとりが嫌いなわけじゃない。群れるのは疲れる。面倒な人間関係に巻き込まれるくらいなら、存在感のない空気のような人生も悪いわけじゃない。
     そういうことじゃない。孤独だとか寂しいとか、そういう次元の問題じゃあない。
     モノクロの世界だって悪いわけじゃない。生きづらくても、嫌いなわけじゃない。


     僕はただ、接続先のない通信ケーブルに、時々どうしようもない罪悪感を覚える。たったそれだけのことだ。


      [No.3401] プラズマ団のアンケート 投稿者:門森 ぬる   投稿日:2014/09/17(Wed) 23:46:53     133clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:プラーズマー!】 【ひ、一粒万倍日!

    .あなたはポケモンが好きですか?
     ・基本的に好き ・好きでも嫌いでもない ・基本的に嫌い ・種類による ・個体による ・その他(       )
    .
     で「種類による」と答えた方にお聞きします。
      あなたの好き嫌いを決める要因は何ですか? 次の中から当てはまる物を全て選んで下さい。
     ・思い入れ ・タイプ ・強さ ・見た目 ・特性 ・生息地 ・生態 ・危険度 ・タマゴグループ ・高さ ・重さ ・その他(       ) ・特に基準はない 
    .
     で「個体による」と答えた方にお聞きします。
      あなたの好き嫌いを決める要因は何ですか? 次の中から当てはまる物を全て選んで下さい。
     ・思い入れ ・性格 ・性別 ・強さ ・特性 その他(          ) ・特に基準はない
    .
    あなたはモンスターボール及びそれに類する機器を利用していますか?
     ・利用している ・利用していない
    .
     で「利用している」と答えた方にお聞きします。
      モンスターボール類を利用している理由は何ですか? 次の中から当てはまる物を全て選んで下さい。
     ・ポケモンを携帯する為 ・ポケモンを従わせる為 ・他人がそのポケモンを捕まえられない様にする為 ・その他(            )
    .
    あなたはポケモンバトルをした事がありますか?
     ・ある ・ない
    .
     で「ある」と答えた方にお聞きします。
      あなたがポケモンに指示を出す時、命令形を使いますか?
     ・いつも使う ・よく使う ・あまり使わない ・一切使わない ・ポケモンに指示を出した事はない
    .
     で「いつも使う」・「よく使う」と答えた方にお聞きします。
      命令形を使う理由は何ですか? 次の中から当てはまる物を全て選んで下さい。
     ・ポケモンはトレーナーの指示に従うべきだから ・指示にかかる時間が短いから ・命令形を使っている人が多いから ・特に理由はない ・その他(         )
    .
    あなたはポケモンバトルをしたいですか?
     ・したい ・したくない ・どちらでもない
    .
     で「したくない」と答えた方にお聞きします。
      あなたがポケモンバトルをしたくない理由は何ですか? 次の中から当てはまる物を全て選んで下さい。
     ・興味がないから ・負けるのが嫌だから ・面倒だから ・ポケモンを傷付けたくないから ・ポケモンを傷付けられたくないから ・ポケモンと関わりたくないから ・その他(        )
    .
    あなたにとってポケモンとは何ですか? 次の中から当てはまる物を全て選んで下さい。
     ・家族 ・恋人 ・自分自身 ・憧れ ・相棒 ・友達 ・仲間 ・ライバル ・敵 ・ペット ・奴隷 ・主人 ・神 ・道具 ・玩具 ・ポケモンはポケモンとしか表せない ・その他(         ) ・分からない
    .
    あなたにとってポケモンがどの様な存在となるのが理想ですか? 次の中から当てはまる物を全て選んで下さい。
     ・家族 ・恋人 ・自分自身 ・相棒 ・友達 ・仲間 ・ライバル ・ペット ・奴隷 ・主人 ・神 ・道具 ・玩具 ・ポケモンはいなくなって欲しい ・その他(         ) ・特に希望はない ・分からない 
    .
    あなたはポケモンを交換した事がありますか?
     ・ある ・ない
    .
     で「ない」と答えた方にお聞きします。
      あなたがポケモン交換をしない理由は何ですか? 次の中から当てはまる物を全て選んで下さい。
     ・交換してまで欲しいポケモンがいないから ・交換に出すポケモンがいないから ・交換する相手がいないから ・今のポケモンと一緒にいたいから ・面倒だから ・その他(          )
    .
    あなたはポケモンの交換を規制するべきだと思いますか?
     ・全て規制するべきだ ・一部を除き規制するべきだ ・条件付きで認めるべきだ ・全て認めるべきだ ・わからない ・特に意見はない
    .
     で「一部を除き規制するべきだ」・「条件付きで認めるべきだ」と答えた方にお聞きします。
      どのような場合に規制すべき、または認めるべきだと思いますか? 思いつく限りお答え下さい。
     ・(                                              )  ・具体的な考えはない
    .
    あなたはポケモンを売買した事がありますか?
     ・ある ・ない
    .
    あなたはポケモンの売買を規制するべきだと思いますか?
     ・全て規制するべきだ ・一部を除き規制するべきだ ・条件付きで認めるべきだ ・全て認めるべきだ ・わからない ・特に意見はない
    .
     で「一部を除き規制するべきだ」・「条件付きで認めるべきだ」と答えた方にお聞きします。
      どのような場合に規制すべき、または認めるべきだと思いますか? 思いつく限りお答え下さい。
     ・(                                              )  ・具体的な考えはない
    .
    あなたはポケモンを譲渡した、または譲渡された事はありますか?
     ・ある ・ない
    .
    あなたはポケモンの譲渡を規制するべきだと思いますか?
     ・全て規制するべきだ ・一部を除き規制するべきだ ・条件付きで認めるべきだ ・全て認めるべきだ ・わからない ・特に意見はない
    .
     で「一部を除き規制するべきだ」・「条件付きで認めるべきだ」と答えた方にお聞きします。
      どのような場合に規制すべき、または認めるべきだと思いますか? 思いつく限りお答え下さい。
     ・(                                              )  ・具体的な考えはない
    .
    次の内、あなたが普段使う表現を全て選んで下さい。
     ・自分のポケモン ・ポケモンを捕まえる ・ポケモンを手に入れる ・ポケモンを持っている ・ポケモンを管理する ・ポケモンを飼う ・どの表現も使わない
    .
    次の内、あなたが普段使う表現を全て選んで下さい。
     ・ポケモンを使う ・使用ポケモン ・手持ちのポケモン ・ポケモンを戻す ・ポケモンを戦わせる ・ポケモンと共に戦う ・どの表現も使わない
    .
    次の内、あなたが普段使う表現を全て選んで下さい。
     ・ポケモンを逃がす ・ポケモンを捨てる ・ポケモンを手放す ・ポケモンと別れる ・どの表現も使わない
    .
    次の内、あなたが普段使う表現を全て選んで下さい。
     ・ポケモンを育てる ・ポケモンを鍛える ・ポケモンを強くする ・どの表現も使わない
    .
    次の内、ポケモンに用いる表現として相応しくないと思う物を全て選んで下さい。
     ・自分のポケモン ・ポケモンを捕まえる ・ポケモンを手に入れる ・ポケモンを持っている ・ポケモンを管理する ・ポケモンを飼う ・どの表現も適当である
    .
    次の内、ポケモンに用いる表現として相応しくないと思う物を全て選んで下さい。
     ・ポケモンを使う ・使用ポケモン ・手持ちのポケモン ・ポケモンを戻す ・ポケモンを戦わせる ・ポケモンと共に戦う ・どの表現も適当である
    .
    次の内、ポケモンに用いる表現として相応しくないと思う物を全て選んで下さい。
     ・ポケモンを逃がす ・ポケモンを捨てる ・ポケモンを手放す ・ポケモンと別れる ・どの表現も適当である
    .
    次の内、ポケモンに用いる表現として相応しくないと思う物を全て選んで下さい。
     ・ポケモンを育てる ・ポケモンを鍛える ・ポケモンを強くする ・どの表現も適当である
    .
    一般に野生のポケモンと人間に捕まえられたポケモンのどちらがより幸せだと思いますか?
     ・野生のポケモンの方が幸せだ ・どちらもあまり変わらない ・人間に捕まえられたポケモンの方が幸せだ ・捕まえられたポケモンによる ・捕まえた人間による ・分からない
    .
    一般にポケモンと人間のどちらが幸せだと思いますか?
     ・ポケモンの方が幸せだ ・どちらもあまり変わらない ・人間の方が幸せだ ・個体による ・分からない
    .
    現在の人間とポケモンの関係は次の内のどれに最も近いと思いますか?
     ・ポケモンが人間の支配下にある ・ポケモンと人間が対等である ・人間がポケモンの支配下にある
    .
     で「ポケモンが人間の支配下にある」と答えた方にお聞きします。
      ポケモンは人間から解放されるべきだと思いますか?
     ・思う ・思わない

    ――――――――――――――――――――――――――――

     お話じゃありませんが良いですかね? 多分良いですよね。あと書き出しでもないですね。でも途中ですし多分良いですよね。と言う訳でプラズマ団がアンケートをしましたとさ。
     もっと設問や選択肢足したいのですが案が出ずに停滞しておりますのでここに。書き途中ですのでいきなり設問に入ってたり番号を振ってなかったりします。
     社会調査にはキャリーオーバー効果なるものがあるらしいですね。それまでの設問が後の設問の回答に影響を与えるというもの。本来はその効果はなるべく小さくするべきなのですが、利用すれば多少は都合の良い様に調査の結果を操作出来るのかなぁと思いまして大きくなりそうな感じにしてみました。


      [No.3136] ボツネタの墓場(鳥居バージョン) 投稿者:白色野菜   投稿日:2013/11/30(Sat) 22:21:27     185clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:鳥居の向こう】 【墓標】 【無許可

    ここは、ボツネタの墓場だよ!

    書き上げたけどコンテストの趣旨とズレた物からプロットだけで心折れたもの。
    アイディアは思い付いたけど………。
    こんな、ネタな話もあるんだよ?
    忘れたりするぐらいならいっそう…っ。
    長すぎたーから、短すぎたー。

    などなどの文章を供養する場所です!
    コンセプトは皆でやれば怖くない!


      [No.2875] きのこのやまおじさんになったきんのたまおじさん 投稿者:あつあつおでん   投稿日:2013/01/31(Thu) 23:35:02     87clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:きんのたま

     昔々、どんな地方にも「きんのたまおじさん」と呼ばれるおじさんがいました。おじさんは通りすがりの少年少女にきんのたまを渡す気前の良さで人々の人気者でした。

     ところがある日、おじさんに災難が舞い降りました。

    「オラッ きんのたま だせっ!」

    「やめたげてよぉ!」

     なんと、マトリョーシカ人形のような格好の人に身ぐるみを剥がされてしまいました。もちろん、おじさんのきんのたまも……。

     裸になってしまったおじさんは、服を着るのも忘れて悲しみました。今までみんなのためになると思ってきんのたまを配っていたのに、逆に襲われてはどうにもなりません。

    「こまったなあ…… そうだ! きんのたまは こうかだから ねらわれたんだ! だったら もっと やすいもの を くばろう! ちょうど いいものが ぶらさがっているしね!」








    「やあやあ わたしは きのこのやま おじさん! きみは トレーナー だね? なら これを あげよう!」

    ブラック2 は かおるキノコ を てにいれた!

    ブラック2 は かおるキノコ を どうぐ ポケットに しまった

    「さらにさらに もう1ほん!」

    ブラック2 は おおきなキノコ を てにいれた!

    ブラック2 は おおきなキノコ を どうぐ ポケットに しまった

    「それは おじさんの きのこのやま! ぜひとも ゆうこうかつよう してくれたまえ! なんたって おじさん の きのこのやま だからね!」




    今晩のツイッターでうっかりきのこの山についてつぶやいたらタイムラインがきのこだらけになったので書いてみました。たまには童話っぽく書くのも良いね。


      [No.2617] 霊鳥の右目(サンプル 途中まで) 投稿者:No.017   投稿日:2012/09/14(Fri) 00:18:28     80clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     少年は手を見る。
     固まりきらない血がまだ光を反射して輝いている。地面にはいくつかの血痕があった。
     その目の前では、ごめんなさい、ごめんなさいと、緑色の獣を腕に抱いた少女が必死に頭を下げている。
    「本当よ。普段はすごくおとなしい子なの」
     彼女はそのように弁明する。たぶんそれは嘘ではないし、彼女は何も悪くないのだろう。
     だが、少女に抱かれたラクライは毛を逆立て、牙をむき、眉間に皺を寄せる。フーッフーッと息を荒くしていた。
    「……気にしないで」
     少年は言った。
     ちらりと緑の獣を見る。獣は再びウウッと唸って毛を逆立てた。やはり見なければよかったと思い、急ぎ目を逸らす。嫌われたものだ。
     獣の瞳に映ったのは恐怖だった。忌むべき者を見た恐怖だ。手を出してはいけなかった。望むと望まないに限らず嫌われる者はいる。世の中にははみ出し者や除け者というものが必ず存在し、忌まれる者がいる。
     自分はどうやらそっち側の存在であるらしいと、この日、少年は理解したのだ。


     海の見える学校の、広い敷地の狭い部屋の中で何人かの男達が会合を開いていた。
     右上に小さな写真を貼った書類、そして写真の人物が書いた論文、考査の結果。それらを照会しながら彼らは品定めを行ってゆく。
    「タニグチ君はいいね。卒業論文もしっかりしているし、うちの研究室で貰いたいのだがね」
    「サカシタはどうだね」
    「彼は考査の結果がねえ」
    「だが体力があるだろ?」
    「それは評価に含まれない」
    「だが、フィールドワークでは重要だろ。よく働くんじゃないのかね、彼は」
    「卒論はどうだった?」
    「及第点といったところですかな」
    「まぁいい。うちで面倒見よう」
     そんな風に彼らは学生達をふるいにかけていった。何人かを通らせ、何人かを落とした。
     しかし、ここまでの過程は彼らの予定の範囲内であり、予想の範疇であった。たった一人、最後の一人だけが彼らの本当の議題だった。
    「さて、最後だが」
    「彼か」
    「ああ」
     教授達は選考書類に目を通す。
    「考査の結果は?」
    「……トップですな」
    「卒業論文は?」
    「発表会、聞いていたでしょう?」
    「考古学専攻はみんな聞いていましたな」
    「私は誰一人、質問しないので焦りましたよ」
    「あの後、学生が一人質問しましたな。いい質問だったが、いかんせん彼の切り返しのほうが上だった」
     彼らはそこまで言ってしばらく黙った。誰も先に進めようとしなかった。
    「欲しいのはおらんのかね」
     一人が沈黙を破ったが、誰一人手を挙げない。
    「能力的には並みの院生以上と思いますがね」
    「取るか取らないかは別の問題だよ」
    「分野的には、フジサキ研だと思うが」
    「学士までと約束しました。皆さんもご存知のはずです」
     その中でも比較的若い男が言う。
    「しかし彼を落とすとなると、他の学生も落ちますよ」
    「だから困っている」
    「ようするに合理的な説明が出来るか否かという事だ」
    「学士は所詮アマチュアだ。だが修士はタマゴとはいえ研究者。この違いは重い」
     結論は出なかった。グダグダと議論が続く。
     否、とっく結論は出ているのだ。議題の人物の受け入れ先など、最初から存在しない。後は誰が面倒な役回りを引き受けるか。結果を通知し、合理的説明をするのか。それだけなのだ。だが誰も関わりたくない。触りたくない。それだけなのだ。
    「休憩にしますかな」
     一人の教授がそう言った時、キイと狭い部屋のドアが開いた。
    「お困りのようですな」
     入ってきたのは一人の男だった。コースでは見ない顔だった。だがまったくの知らない顔、部外者という訳でも無かった。
    「オリベ君、」
     一人が男の名前を口にした。
    「民俗学コースの教授が何の用事かね」
     また違う一人が言った。少し不快そうだった。
     彼らの視線の先にいる乱入者はラフな格好だ。ネクタイは緩いし、履物は漁師の履くギョサンだった。大学教授などそんなものかもしれないが、年配には印象がよくない。だが乱入者は気にする様子もなく、
    「例え話をしましょうか」と、言ったのだった。
    「考古学コースには誰もが認める優秀な学生がいる。どの研究室も欲しがっているが、その学生がコースの変更届けを出したなら、皆諦めるしかありません」
    「…………」
     しばらく皆が黙った。いや、食いついた。だが、腹の底で疑念が沸き起こる。
    「オリベ君、何を企んでいるのかね」
    「何も。私は優秀な学生が欲しいだけです。こっちでも院試がありましたがろくなのがいなくてねぇ。ただ……」
    「ただ?」
    「配慮いただけるのであれば、来月のあの件、譲歩いただきたい」
     目配せしてオリベは言った。
    「来月の……」
    「そう、来月です」
     オリベがにやりと笑う。その言葉の真意に部屋のメンバーも気付いた様子だった。
    「つまり取引をしようというのかね。しかし彼が届けなど出すと思うかね」
    「出させてみせます。万が一の場合、今日の事はお忘れくださって結構」
     あくまでひょうひょうとした態度でオリベは続ける。
    「そうですね。とりあえずは院試の選考を今からでも民俗学・考古学コースの合同だったという事にしましょうか。他のコースも巻き込めるなら尚いい。それで責任者を私にするんです。院試に関する質問は全て私を通す事にしましょう」
     なるほど、と教授陣が目配せし合う。例の件はともかく、面倒事をオリベに転化できるのは彼らにとって都合がいい事は確かだった。
    「……分かった」
     彼らの代表格が返事をした。
    「決まりですね」
     オリベが言った。ずり落ちた眼鏡の位置は直さず、レンズを通さずに、下から覗き込むように教授陣を見据えた。そうして彼は二、三彼らに質問やら手続き的な頼み事をすると、部屋を出ていった。
     冬であったが、この日は比較的暖かかった。日光が差し込む廊下をポケットに手を突っ込んで、すたすたとオリベは歩いていく。時折、学生とすれ違ったが知らない顔だ。互いにこれといった挨拶は交わさなかった。
     とりあえず文書作成からかからなければなるまい、彼はそう考えていた。だが、
    『一体何をしようっての』
     途端に声が聞こえて足を止めた。
    「ん?」
     オリベはとぼけた声を発する。
    『とぼけるな。あんな事言って。私は反対だと伝えたはずだよ』
     声が響く。
    「あのなぁ、俺はいつもお前の言う事ばっか聞く訳じゃないぞ」
     面倒くさそうにオリベは言った。いかにもうるさいといった風に。
    『どうして? いつもはあんなに素直なのに』
    「これはこれ。それはそれ。前にも言ったけどな、お前の意見を聞くも聞かないも選択権は俺にあるの。たまたま聞く割合が多いだけだろ。あくまで選ぶのは俺だからな」
    『私が言って、外れた事があった?』
    「お前が勘がいいのは知ってるよ。だが、これはだめだ」
    『だいたいあんなの無理だ。無理に決まってる。夏休み前に相当怒らせたくせに。あの時は本当に危なかった』
    「怒らせるのはいつもの事だ」
    『一緒にいた女の子を覚えてる? あれ以来学校で見かけない』
    「だから? 大方、別れたんだろ? 男女にはよくある事だ」
    『危険なんだよ。ユウイチロウ』
    「お前はいつもそれだ」
    『ユウイチロウは鈍いから分からないのかもしれないが、』
    「うるさいな。あんまり喋るなよ。ただでさえ独り言が多いって言われてるんだ。文句なら部屋に帰ってからでいいだろ?」
     そこまで言うと声が止んだ。やれやれとオリベはまた歩き出した。ポケットに手を突っ込んで、ぺたぺたとギョサンを鳴らしながら、民俗学教授は歩いていった。
     日差しの差し込む長い廊下、そこにはオリベを除いて人は歩いていなかった。




    単行本へ続く


      [No.2616] 本人の意思 投稿者:フミん   投稿日:2012/09/14(Fri) 00:16:17     123clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「ブースターだ!」

    「いや、シャワーズ!」
     

    家が敷き詰められた住宅街のある一戸建て。まだ幼く元気のある兄妹が、言い争いをしていた。
    喧嘩の理由は単純だった。二人の家に住むイーブイを、どの種類に進化させるかということである。
    二人はまだ年齢が若すぎるため、自分のポケモンを持っていない。両親に何度もお願いして、漸く家に来たのが一匹のイーブイだった。
     
    イーブイという種族は、様々な種類に進化することができる。住んでいる環境によって様々な個体へ姿を変えることができるため、他のポケモンよりも進化の数が圧倒的に多い。例えば、とても寒い地域に住んでいれば凍えて死なないためにグレイシアに進化する傾向があるし、森に囲まれて育ったイーブイはリーフィアに変化することもあると言われている。
    それ故に、人間が故意的に進化を操作することも多い。理由は、様々だが、大方は人間の都合である。そのため、人間が管理しているイーブイは、環境以外の要因で何に進化するか決まってしまうことが殆どだった。
     
    話は戻るが、兄弟は、イーブイを何に進化させるかで揉めているのだ。


    「ブースターは可愛いじゃないか。赤い体にふわふわした体毛、ずっとぎゅーってしていたくなるんだよ」こう

    言うのは、兄の方。

    「シャワーズにすれば、ひんやりして気持ち良いし、一緒にプールで遊べるもん。だからシャワーズが良いの!」

    そう述べるのは、妹の方。
     
    この二人は、いつも意見が食い違っていた。例えば、兄の方は冬が好きだし、妹は夏の方が好みだった。他にも兄は走るのが好きだし、妹は泳ぐのが好きだったりと、常にこの兄妹はぶつかりあっているのである。
    そのため、今回のことも珍しいことではなかった。


    「シャワーズに進化させたら冬はどうするのさ。冷たくて触っていられないぜ?」

    「ブースターなら冬に抱きしめられるもん。お兄ちゃんだって、真夏にブースターをずっとぎゅってしてるの?」

    「ああ、俺だったら真夏でも真冬でもブースターを抱きしめるもんね」

    「そんなことしたら暑さでお兄ちゃんが倒れちゃうよ。だから、シャワーズにしようよ」

    「そんなこと言ったら、冬に無理にシャワーズを抱きしめたら、お前が風邪引いちゃうじゃないか。だから、ブースターにしようぜ」

    「嫌だ! シャワーズ!」

    「俺だって嫌だ! ブースターが良い!」
     
    お互いに眉間にしわを寄せ、睨みあう兄妹。彼らはまだ、譲り合うということができなかった。両親がいると大人しくなるのだが、生憎、この子達の両親は、まだ仕事で帰って来ない。

    イーブイは、そんな兄妹を毎日見ているのに目もくれずソファーの上で昼寝をしていた。
    散々続いた言い争いが終わったと思うと、兄弟はイーブイの目の前に立ち見下ろしている。
    何事かと顔を上げると、先に兄が言う。


    「ブイルは(イーブイの名前である)、ブースターに進化したいよな?」
     
    妹。

    「ブイルはシャワーズに進化したいよね。私のこと大好きだもんね」

    「ブイルはお前のことなんか好きじゃないって。ブイルが好きなのは俺だよな」

    「そうやって、人のことをいじめるような最低な人間をブイルが好きになるわけないじゃない。ねーブイル」

    「あーあ、やだやだ。強引に姿を変えられるのは嫌だってさ。他人のことを思っているように見せかけて、実は自分の都合を突き通そうとしている人って、タチが悪いんだよな」

    「お兄ちゃん。そろそろ怒るよ」

    「やるか」

    「手加減しないよ」
     
    彼らは拳を握り、今にも喧嘩を始めそうになる。怪我をしたら流石に洒落にならないので、ブイルと呼ばれたイーブイは起き上がり、自分の気持ちを堂々と伝えた。


    「僕は、昔からサンダースになりたいと思っているんだ」
     
    胸を張り、しっかりと自己主張をするブイル。
    すると、二人の表情は一変する。

    「何言ってるんだ。サンダースになったら静電気が大変だろう。それに、ふわふわした体毛が少なくなっちゃうじゃないか」これは兄。

    「そうよ。サンダースだと一緒にプールで泳げないよ? だから考え直そうよ」これは妹。

    「だから勝手に決めるなって。ブースターが良いに決まってるだろ」

    「違うの! シャワーズが良いの!」

    「ブースター!」

    「シャワーズ!」
     
    ついには殴りあいの喧嘩を始めてしまう二人。さすがにここまでくると放っておけないので、ブイルはなんとか止めさせる。


    「これ以上喧嘩するなら、何に進化するかお母さんに決めて貰おうかなあ」
     
    さり気なく呟くブイル。
    お母さん、兄妹にとって大切な家族であり、恐れる対象である。
    兄妹は理解していた。お母さんが主導権を握れば、全ての物事は強引に決定してしまうのである。そのため、ブイルが何に進化するかを母親に頼むということは、自分達の意見が通らなくなることがほぼ確実だった。


    「ごめんブイル、俺達が悪かった」

    「お願いブイル、それだけは止めて」
     
    母に決定権が移ることだけは、何としても阻止しなければならない。兄妹の態度は一変した。

    「もう喧嘩しない?」

    「しないしない。絶対にしない」

    「うん。お兄ちゃんと私は仲良しだもん。喧嘩なんてしないよねー」

    「ああ、しないとも」
     
    ぎこちない笑顔で肩を組む兄妹。それならば、とブイルは言う。
    「僕が何に進化するのか、仲良く決めてね」
     
    兄妹は黙って頷いた。とりあえず、今日の兄妹戦争は回避できた訳だ。
    しかし、明日には同じことを繰り返すのだろう。そう思うと、このままイーブイの姿で一生を終えた方が良いのではないかと思うブイルだった。



    ――――――――――

    地味にお久しぶりです。
    夏コミ82に来てくれた方がもしいたら、ありがとうございました。またちょくちょくイベントには参加していると思います。
    9月のチャレンジャーは他のイベントで売り子を頼まれた為、参加を断念しました。鳩さんの新刊はまた今度になりそうです。

    現在、冬コミに向けてワープロ打っています。こういうネタは直ぐ思いつくのですが、遅筆なのが悩みです。


    フミん


    【批評していいのよ】
    【描いてもいいのよ】


      [No.2615] 【ポケライフ】お客さんの来ない日 投稿者:久方小風夜   投稿日:2012/09/13(Thu) 22:59:08     178clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:ポケライフ】 【冥土喫茶】 【何もかも投げ出して喫茶店経営したい】 【|ω・)
    【ポケライフ】お客さんの来ない日 (画像サイズ: 887×682 200kB)

     僕の喫茶店は、通称「冥土喫茶」と呼ばれている。


     別に雰囲気がおどろおどろしいとか、入ったら呪われるとか、ましてや本当にあの世にあるとか、そういうことじゃない。もちろんメイドさんがいるわけでもない。
     赤レンガの壁にアルコールランプの明かりの内装はお客さんたちにも落ち着くって評判だし、庭では奥さんが手入れしている花壇を眺めながらお茶を楽しめる席も用意してある。メニューだって自信がある。コーヒーは自家焙煎だし、甘味も軽食も手作りだ。

     ただちょっと、集まるのだ。ゴーストポケモンが。


     それというのも、僕がこの喫茶店を開いたばっかりの頃だ。
     昔からのささやかな夢で、街の片隅で小さな喫茶店でもやりたいな、って思ってた。
     で、とある町で店舗を借りたものの、喫茶店としてやっていくにはちょっと狭すぎて、しょうがないからもうちょっと広い場所に移ることを夢見ながら数年間、自家焙煎のコーヒー豆を売っていた。
     その頃に後々僕の弟子となる子と会ったんだけど、その時その子が連れていたのがヨマワルだったんだよね。

     しばらくして資金もたまって、長年お付き合いしてた奥さんとも結婚して、晴れて郊外の一軒家に移り住んだわけだ。
     ちょうどその直後、例の弟子が「迷子のヨマワル拾ったんですが育てません?」とか言ってきて。
     まー僕もそれなりにポケモンを育てることには興味を持ってたし? 弟子の様子見てヨマワルかわいいなーとか思ってたし? じゃあせっかくだからってことでもらいうけたわけだ。

     最初は僕と奥さんの2人で喫茶店をやってたんだけど、しばらくして奥さんが妊娠したから、僕ひとりで店をやることになっちゃったんだよね。
     そんなに大きな店じゃないけど、ひとりで注文聞いてコーヒー淹れてお菓子用意して運んで掃除して片付けて、って結構大変なんだよね。自分がまだ慣れてなかったのもあるけど。時期的にもお店を開いてまだそんなに経ってない。常連さんが出来て、お客さんが入るようになって、これからが大事って時だから。

     で、僕は気がついたらヨマワルに「手伝ってくれない?」って聞いてた。ヨマワルの手も借りたいという慣用句はなかったと思うけど、そんな気持ち。
     そしたら意外とあっさり言うこと聞いてくれて、まずは店の掃除を手伝ってくれるようになった。
     教えたら食器を洗ったり、注文されたものを席まで届けたり、注文を取ったり、何かいろいろ出来るようになった。
     しばらくしたらサマヨールに進化して、細かい作業ができるようになって、ケーキをよそったり、ケーキを作ったり、クッキー焼いたり、紅茶を淹れたり、豆を量ったり、豆を挽いたり、コーヒー淹れたり、コーヒー飲んだり、僕のブレンドに文句を言ってきたりした。

     まあ良く働いてくれるもんだから、だんだんお店の評判が広がって、お客さんがたくさん来るようになった。
     で、相方はいつの間にかお客さんたちから「副店長」って呼ばれるようになってた。
     まー確かにそう呼ばれてもしょうがないよね。僕より働いてるような気がしないでもないしね。
     ヨノワールに進化してからというもの、来る人来る人に「店長より副店長の方が威厳ありますよね」とか言われるのが僕としてはちょっと不満だ。


     うん、まあ、ずっと僕と副店長の2人(1人と1匹)体制でお店をやってたんだけど。


     いつの間にか、増えてた。


     いや、僕が新しいポケモン捕まえたとかそういうわけじゃない。
     そもそものきっかけは、副店長が外出した先で、野生のカゲボウズを拾ってきたことだ。
     言葉は話せないし表情も基本ポーカーフェイスだから、身振り手振りで強引に解釈した結果、「何か知らないけどついてきた」……ということらしい。
     まあ別に困るわけじゃないし、暇だったし、せっかくだからとコーヒーを出した。

     そしたら懐かれた。

     いやまあ考えたら野生のポケモンに餌付けするようなものなのかもしれないけど、それを言うならまずは連れて帰ってきた副店長に文句を言ってください。
     ちなみにそのカゲボウズ、進化した今でも常連と化して、よくカウンターに寝転がって新聞読んでます。

     で、それをきっかけに、色んな野生のポケモンがうちに来るようになったんだよね。主にゴーストタイプが。多分副店長が副店長だから。
     勝手に人の店にたむろしてるわけだけど、たまにお店を手伝ってくれることもあるから何とも言えない。
     ゴーストやゲンガーは注文を取りに行ってくれるし、ヤミラミは注文のものを運んでくれる。
     ムウマとムウマージはよくお店の掃除をしてくれる。イトマルやバチュル辺りとは巣の存亡をめぐって仁義なき争いを繰り広げているようだ。
     ユキメノコとその子供のユキワラシは氷が切れた時に用意してくれる。この親子が来るようになってから、夏のメニューにかき氷が増えた。
     ヒトモシの集団は、たまにサイフォンの熱源の代わりになっている。燃料代を節約できるかと思ったら、コーヒーが何だか生気の抜けたような味になったからやめた。
     フワンテはよく、お店に飾る花を摘んでくる。でもこの前店に行ったら花瓶にキマワリが刺さってた。本人(本花?)がまんざらでもない顔だったからそのままにしておいたけど。でも次の日にはいなくなった……と思ったら代わりにチェリムが刺さってた。
     その辺にいっぱいいるカゲボウズやらヨマワルやらゴースやらは……うん、まあ、遊びに来てるんだろうな。気まぐれに手伝ってくれたりするけど、基本的にお客さんにちょっかい出したり、僕にちょっかい出したり、副店長にちょっかい出して追い払われたりしている。
     副店長は副店長で、マイペースかつ確実に仕事をやってくれる。僕はまあ、遊べとせがんでくるちびっこたちを適当にあしらいつつ、適当に仕事をしている。げに頼もしきは副店長だ。全く。


     まあおかげさまで、喫茶店はお客さんたちに「冥土喫茶」とあだ名をつけられ、その筋ではそこそこ有名になっているらしい。
     イーブイやエネコやミミロルみたいな、かわいくて癒されるポケモンと触れ合えるカフェなんかはよく聞くけど、うちはあだ名からして何だか禍々しい気がしてならない。
     話に聞くと、例の弟子の店も僕の店以上にゴーストのたまり場と化しているらしいので、師弟そろってろくでもない店を経営する運命だったようだ。


     さて、と。
     今日は珍しくお客さんが来ないし、ここのところの暑さでだるいし、眠いし、副店長は本読んでるし、相変わらずポケモンたちがいっぱいだし。


     ドアベルが鳴るまで、ちょっと寝かせてもらうとするかね。



    +++++

    「ますたーおきろー」
    「ますたーおきゃくさんきちゃうぞー」
    「どうしたますたー? たいちょうわるいのかー?」
    「どうせ夏バテでしょ。副店長、どうする?」
    「……放っとけ」


    こっそりイラコンに紛れ込ませていただいた1枚。
    塗ろうと思ったところで灰色の色鉛筆が消失していて、別色で無理やり塗った思い出。


      [No.2366] Re: 神の祈り 【前編】 投稿者:くろまめ   投稿日:2012/04/08(Sun) 21:36:11     65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    こちらこそ初めまして、くろまめです。

    ギャグはほとんど勢いで書いてるんですけどね(笑)
    案外考えない方が良いアイディアが浮かんだりしますよ。

    最近の悩みは、会話文と地の文の比率が悪いことです。
    いっそのこと地の文だけにしたいくらいです(笑)

    ご感想ありがとうございました。


      [No.2365] 【宣伝&募集】コンテストを開くので 投稿者:西条流月   投稿日:2012/04/08(Sun) 21:34:49     93clap [■この記事に拍手する] [Tweet]






    タイトルのまんまですが、自分主導でコンテストをやることになったのでその宣伝です


    とりあえず、このサイトに概要は置いてあるのですが主催者が編集をミスって見れなくなることがよくあるので、ここにも書いておきます


    お題「あい」(自由に変換可能)を使って、ポケモン二次創作小説コンテストをやります

    締め切りは6月いっぱい  下限文字数は100文字で上限文字数はなし

    それでお題として、キャッチコピーも使おうと思います

    キャッチコピーというのは本の帯なんかに

    「期待の新鋭、現る」とか
    「まさか、こんな遅くにやってくるやつがいるとはな」とか
    「あの勝負だけが心残りなのよ」
    と言ったような中身が気になるような販促用のフレーズです

    お題のキャッチコピーが似合うような小説を創作してください

    「あい」を主題とするなら、このキャッチコピーは副題といったところでしょうか


    それでこのキャッチコピーなんですが、複数あるうちの一つを採用してくださいというべきところなんでしょうが主催者の頭ではかっこいいフレーズが思い浮かばないので、公募しようかと思います


    数は七つ前後  二桁はいかないように数の調整をいたします

    【分からないことがあったら遠慮せずに聞いてください】


      [No.2364] ハナビラの舞 投稿者:穂風奏   投稿日:2012/04/08(Sun) 14:10:53     102clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    『講評
            タカヤ様
     技の完成度・ポケモンの手入れは、よくできています。ですが、技のオリジナリティーが欠けているために、今回の予選通過はなりませんでした。
     次回からはその点に気をつけてみてください。
                   ポケモンコンテスト運営委員会トキワ支部部長 ミヤ』

    「――だってさ、キレイハナ」
     トキワシティコンテスト会場前公園、そのベンチに腰掛けて今回の講評を読み上げてみる。
     横では共にステージに上がったキレイハナが、しょんぼり落ち込んでいた。
     だいぶ練習し自信をつけて参加したのに、予選すら突破できなかったとなれば当然かもしれない。俺も顔には出してないが内心けっこう凹んでいる。
    「ただ、技を磨くだけじゃダメなんだな」
     美しく魅せるためには、オリジナリティーが必要だとは考えたことがなかった。確かに言われてみれば、グランドチャンピオンを決める大会に出場するようなポケモンたちは、他のひととは一味違う――それでいて綺麗な技を多く使っていた気がする。
     けれど、自分のこととなるといい案が思いつかない。他の人がしないような技、か。
    「でもなー、どうすりゃいいんだろ」
     ごろん、と寝転がって空を見上げる。キレイハナに当たらないように腕を組んで枕にする。
     視界に入るのは、真青な空――と満開の桜の木。花びらが風に煽られてひらひらと空を舞っていた。
    「ん……?」
     一瞬何かが頭をよぎった。
    「花びら……桜……舞う…………。これはいけるか?」
     たった今思いついたことを、隣でいまだに落ち込んでいるキレイハナに提案してみる。
    「なあ、桜の花びらを使って「はなびらのまい」ってできるか?」
     俺の提案にキレイハナはしばらく黙って考え、そして――首をかしげた。
    「まあ、やってみなきゃわかんないか。とりあえず、ほら元気出せよ」
     キレイハナの背中をぽんと叩いて、ベンチから下りるように促す。
     しぶしぶといった感じでキレイハナは地面に下り立ち、「どうすればいいの?」と視線を向けてきた。
    「んー……」
     そういえばキレイハナの「はなびらのまい」は、自身から出すものと周りにあるものを操って技とする――と聞いたことがある。
     ならばとキレイハナを桜の花びらが多く落ちている木の下へ連れて行き、とりあえず試してみる。
    「よし、キレイハナ。はなびらのまい!」
     俺の指示に応えてキレイハナが踊りだす。
     小さい手足を器用に使って舞う。段々と桜の花びらが宙に浮かび始め、キレイハナを中心として回りだす。
    「おお……!」
     いつもの赤い花びらも悪くはないけれど、これは格別だ。
     キレイハナの緑、黄、赤の三色に花の桜色が映え、よりいっそう美しく見える。
     先ほどのコンテストで使ったものと同じ技なのに、全く別もののようだ。
    「春限定ってのもなかなかいいよな」
     桜吹雪の中で舞うキレイハナを見ながらそんなことを思った。

    「よくやったぞ。これなら本番でも使えそうだよな」
     技が終わると、すぐに駆け寄ってキレイハナを抱きかかえた。
     キレイハナもさっきまでとは打って変わって上機嫌だ。
     この調子なら次の大会はいいところまで行けるはず!
    「さてと、あとは桜をどうやって会場まで持ってくかだな。そのまま持ってくってのも芸がないし」
     残るはこの問題だ。俺が桜の花びらを大量に抱えてステージに上がるのは、なんだかつまらない。上手く持ち込む方法はないだろうか。
     と考えていると、キレイハナが広場の方を指した。
     そこでは母親と姉妹が芝生に座り込んで何かをしていた。

    「ねーねー、次は私の!」
    「はいはいユキは何を作ってほしいの?」
    「ミキと同じ髪飾り!」
    「それじゃ、今度自分でも作れるようによく見ててね」
    「はーい!」

     どうやら、落ちている桜を使ってアクセサリーを色々作っているようだった。
    「お前もあれが欲しいのか?」
     うーんと少し考えて、キレイハナはあの家族の方を指してから、次に自分の頭を指した。そして、さっき見せた「はなびらのまい」の動きをして見せる。
     えっと……要するに、
    「花びらを衣装の一部にして、技の時にそれをバラして使う――ってことか?」
     当たりというようにキレイハナが一言鳴くと、足元にあった花びらの山から一すくい持ってきた。
    「そうと決まったらさっそくろう――って言いたいところだが。髪飾りの作り方、俺わかんないんだよな。向こうで一緒に聞いてこようぜ」
     キレイハナを誘って俺は親子の方へ走り出した。

     その後、桜のはなびらのまいを使うキレイハナとタカヤは徐々に注目を浴びて行き、何度か優勝することもできた。
     ただ、キレイハナが技のたびに分解する髪飾りは、毎回タカヤが直しているとか。



    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    こちらでは初めて投稿しました、穂風です
    ポケモンのお話を書くのはポケコン以来なので――半年ぶりでした
    ポケモンだからできるようなほのぼのしたものを、のんびり書いていこうと思います
    【描いてもいいのよ】
    【好きにしていいのよ】


      [No.2363] Re: 神の祈り 【前編】 投稿者:akuro   投稿日:2012/04/08(Sun) 12:01:33     68clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     初めまして、akuroと言う者です。 


     くろまめさんギャグ上手いですねー! 私もギャグ物を書いてるんですが、到底及ばない……尊敬する域に達してます!

     後編も楽しみにしてますね!


      [No.2362] 路傍の石【1】 投稿者:   《URL》   投稿日:2012/04/08(Sun) 01:48:54     243clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    この小説は、きとらさんより寄せられた「586さんの描く『ダイゴさん』像を見てみたい」というリクエストを受けての、586なりのレスポンスです。

    拙い点ばかりですが、少しでもお気に召していただければ幸いです。

    ----------------------------------------------------------------------------------------






    第一印象は、彼はなぜこんなものを集めているのか、という至極単純な疑問だった。

     「これは……石、ですよね?」
     「そう。石だよ。どこにでも落ちていそうな、"路傍の石"さ」

    ありきたりな石ころですよね、と私が二の句を継ごうとしたところに、先手を打って言われてしまった。過去に何度も同じことをされているとはいえ、この鋭さにはいつもヒヤリとする。

    硝子戸を引いて、石を一つ取り出す。ケースから出てみれば印象が変わるかと一瞬期待したが、胸元まで寄せられた石は紛れも無く、これといった特徴の無いただの石だった。

     「その、何か変わったところがあるとか……ですか?」
     「この石がかい? いや、変わったところなんて一つも無いよ」
     「一つも、ですか」
     「ああ。硬さも形も色も重さも、どれを取っても特徴の無い、普通の石だね」

    本人曰く「特徴の無い、普通の石」を、手袋を嵌めた手でもって繁々と眺め回す。その表情がまた童心に返った子供のように楽しげなものだから、首を傾げる回数ばかりが増えてしまう。私を軽くからかっているのか、と思ったが、彼の面持ちを見る限り、私のことは意識の埒外にあるようだった。

    ひとしきり石を眺めて、満足感ある表情のまま一端目を離す。すっ、と流れる水のように、彼の視線が私に向けられた。

     「そうだね。君が今何を考えているか、当ててあげようか?」
     「……」
     「どうして僕がこんな石を持っているんだい、そんなところじゃないかな?」
     「……そうですね。概ね、それで合ってます」

    こくり、こくり。二度に渡って深く頷く。右手に石を載せたまま、彼は話を続ける。

     「僕がこの石を拾った理由、僕がこの石を残した理由、僕がこの石を飾った理由。それは……」
     「それは……?」

    一歩前に出て、彼の言葉に耳を傾けた。

     「この石が、十枚の絵を生み出したからだよ」

    十枚の絵を生み出したから、彼はこの石を今も大切に保管している。投げ掛けられた言葉の順序を整理すると、以上のような形になる。確実に言えるのは、何のことだか訳が分からないということだけだ。

    私が困惑するのを見事に見透かして、彼はようやく本題に入った。

     「いつだったか、少し遠出をしたときに、絵を描いている女の子がいたんだ」
     「スケッチブックを抱えて、ですか?」
     「うーん、そうとも言えるし、そうとも言い切れないね」
     「それって、どういうことなんです?」
     「持っていたのが、スケッチブック……が映し出された、タブレットだったんだ」
     「ああ、今流行の……」
     「そうだね。タブレットにペンをカツカツ走らせて、外で絵を描いてた。あれは、今風でいいと思ったよ」

    彼が出会ったのは、スケッチブック・アプリをインストールしたタブレットを持って外で絵を描いていたという少女、だと言う。紙のスケッチブックを持ち歩く時代はもう終わったのかなどと、要らないことに思考を巡らす。

     「絵を描いていたのは分かりましたが、どうして石が関係するんです?」
     「気になるだろう? 僕も気になったんだ」
     「そ、それは、どういう意味で……?」
     「タブレットに描かれていたのが、今ここにある石だったからね」

    再び、私の前に石が差し出される。彼のエピソードを踏まえて、もう一度石を眺める。何かのきっかけがつかめれば、何か目に留まるものがあれば、そんな期待を込めて送る視線。

    そして二十秒ほど石を眼に映し出して、込めた期待は見事に空振りに終わったことを気付かされた。眼前の石はやはり何も変わらない、ただの石でしかなかった。

     「この石を、タブレットに描いていたんですか」
     「そう。一心不乱にね。すごく楽しそうだったよ」
     「楽しそうに、ですか……」
     「それはそれは、ね。繰り返しペンを走らせて、タブレットの中のキャンバスを作り変えていったんだ」

    彼が遭遇した少女は、この何の変哲も無い石を題材に、楽しそうに絵を描いていたという。俄かには信じられないというか、流れの読めない話だ。一体何が、タブレットの少女をそこまで惹きつけたのか。

     「気になったから、僕は思い切って声を掛けてみたんだ。『どうして石を描いているんだい』ってね」
     「声を掛けたんですか」

    他人にいきなり声を掛けるというのが、いかにも彼らしいと思った。以前にもトレーナーに声を掛けて、その後も何度か合っている内に親しい仲になったとか、そういう話を聞いている。

     「そう。一度気になったら、調べずにはいられない性質だしね」
     「そのことは、私もよく知ってます」
     「ラボを空ける一番の理由は、間違いなくそれだからね」

    石ころを掌の上でコロコロと転がしながら、彼は穏やかに答える。少女に声を掛けたときの情景を思い返しながら、その様を適切に形容できる言葉を探している。過去の出来事を話すときの彼の姿勢は、いつも同じだ。

     「彼女はあなたに、どう答えたんですか?」

    話すべき内容を取りまとめたのか、彼がおもむろに口を開いた。

     「『どうしてって、石を描きたいから』」
     「それが、答えだったんですか?」
     「ああ、はっきり言われたよ。それ以外に理由なんか無い、って顔でね」

    石をタブレットに描いていた少女が、何故石を題材に採ったのか。答えは、石を描きたいから。石を描きたいから、タブレットの上で繰り返しスタイラスペンを走らせている。

    これ以上無い、最大の理由。描きたいから描くという、もっとも容易く理解できる理由だった。

     「楽しそうだったよ。ペンをしきりに走らせて、どんどん石を描いていってさ」
     「そんなに熱中していたんですか」
     「僕も驚くくらいね。一向に止まらないんだよ。ディスプレイの中に、じわじわ石が浮かび上がっていくようだったね」

    彼はそんな少女に興味を持って、もっといろいろな事を知りたくなったんだ、と言った。

    最初の疑問である「何故石を描くのか」は分かった。けれどそれだけでは満足せず、「何故石を描きたくなったのか」、それも聞き出したくなったらしい。

     「石を描きたい理由、それを知りたくなって、僕は続けて質問したんだ」
     「どうして石を描きたくなったのか……そういう質問ですね」
     「うん。そうしたら、彼女は詳しいことを教えてくれたんだ」

    タブレットを操作する真似をして見せながら、彼は少女が教えてくれたという内容を復唱し始めた。

     「彼女はインターネットのイラストコミュニティに、よく絵を投稿しているらしいんだ」
     「ああ、あの……」
     「たぶん、君の考えているところだろうね。そこは絵を投稿できるだけじゃなくて、絵にコメントを付けたりもできるんだ。すごい時代になったね」
     「コミュニケーションの手段として絵がある、ということですね」
     「その通り。彼女はそこで、好きなように絵を描いていた……けれど」

    ふう、と小さく息を吐いて、彼が声のトーンをわずかばかり落とす。

     「世の中には狭量な人がいる。それは、君もよく感じているだろう?」
     「……そうですね。残念ですが、頷かざるを得ません」
     「ああ。彼女もそこで、面倒な人に絡まれたんだ。コメント欄で、一体何を言われたと思う?」

    彼は手にした石を掲げながら、ぽつりと一言呟いた。

     「『あなたのような"路傍の石"が、知った風に絵を描かないでください』」

    ぽつりと、一言呟いた。

     「コメントを寄せたのは、彼女もよく知らない人だった」
     「見ず知らずの人、ですか」
     「そう。調べてみたら、少し前に同じコンテストに絵を投稿していた人だって分かったらしい」

    そのコンテストで、少女は審査員特別賞を貰い、コメントした人は選外に終わったという。その構図が明らかになった時点で、彼女はコメントした人の意図が分かったようだった。

     「有り体に言えば、彼女に嫉妬したらしいんだ」
     「やはり、そうだったんですね」
     「ああ。自分の絵が評価されなくて、彼女の絵が特別な評価をもらったことに、嫉妬したみたいなんだ」

    評価されなかったのは、自らの努力不足に尽きる──すぐにそう帰結できる人間は、それほど多くはない。大抵はそれを認められなくて、外的要因を探してしまう。

    コメント者にとっての外的要因は、少女だった。つまりは、そういうことだ。

     「それで、あんなコメントを寄せた」
     「……」
     「あれっきり一度も顔を見せないから、邪推や推測が山ほど混じってるけどねって、彼女は付け加えたけどね」

    そう話す彼の表情は、なぜかまた、楽しげなものに戻っていた。

     「けど、ここからが面白くてね。彼女はそのコメントを見て、ふっとイマジネーションが浮かんだらしいんだ」
     「イマジネーション?」
     「そう。"路傍の石"という部分に、何か来るものを感じたって言ってたね」
     「よりにもよって、その部分に刺激を受けたんですか」
     「そうだね。いてもたってもいられなくなって、タブレットを持って外へ出た──そうして、僕に出会った」

    掌の石を握り締めて、彼が再び話し始める。

     「僕に出会うまでに、彼女は九枚も絵を描き上げたって言うんだ」
     「まさか、全部石をモチーフにしてですか?」
     「その通り。落ちている石を見つけて、何枚も何枚も、絵を描きつづけたんだって。石にばかり目が行って、"周りが見えなくなる"くらい、熱中してね」
     「……」
     「僕の前で十枚目を描き終えたあと、彼女は、自分が感じたことを僕に教えてくれたんだ」






     「同じ形の石は存在しない」
     「同じ色の石は存在しない」
     「同じ大きさの石は存在しない」
     「同じ重さの石は存在しない」
     「すべての石は違っていて、"ありきたり"な石なんて存在しない」
     「"路傍の石"は、すべてがあふれる個性の塊だ……ってね」






     「絵を描いているうちに、彼女は同じ石が一つとして存在しないことに気づいた」
     「同じ石は、存在しない……」
     「似ているように見えて、手に取ってみるとまったく違う。それが面白くて、どんどん絵にしていった」
     「そうして導き出されたのが、さっきの言葉なんですね」
     「ああ。晴れ晴れとした表情だったよ。新しいものを見た、って感じのね」

    口元に笑みを浮かべて、彼が私に目を向ける。

     「そういえば」
     「どうしました?」
     「君は、僕が石を集める理由を知ってたっけ?」

    不意に話を振られて、思わず答えに窮する。石を集めているということは知っていても、「なぜ」石を集めているのかということは、どうも聞いた記憶が無い。

    詰まったまま時間が流れるに任せていると、割と早々に彼が助け船を出した。

     「僕が石を集める理由は、石が好きだから。けれど、それだけじゃない」
     「それだけではない、と……」
     「そう。もう一つ、理由があるんだ」

    一呼吸置いて、彼が私に"理由"を教えてくれた。

     「石に関わる人、それが好きだからさ」
     「人との関係、ですか」
     「そう。石があって、人がいて、石を軸にして人が関わりあう。それが好きなんだ」

    石を掲げて、彼が言う。

     「人と石は、よく似ている」
     「まったく同じ石が存在しないように、まったく同じ人も存在しない」
     「在る場所で、丸くもなるし鋭利にもなる」
     「他者とのぶつかり合いで、いかようにも形を変えていく」
     「本当に、よく似ていると思うんだ」

    人と石の類似性。生まれ持った個性、環境に左右される姿、他者との接触で変貌していく形。なるほど、言われてみれば似ている気がしてきた。

    彼が何を言いたいのか。その輪郭が、朧げではあるが見えてくる。

     「僕は、珍しい石も好きだ。すごく好きだよ」
     「珍しい石"も"?」
     「そう。珍しい石"も"だよ。だから──」
     「珍しくない石も、また?」
     「その通り。外を歩けば道端に転がっているような"路傍の石"、それも大好きなんだ」

    さっきも言ったけれど、と前置きした上で。

     「この石は、道端に落ちていた石だ」
     「タブレットの少女が絵のモチーフに採った、ですよね?」
     「その通り。彼女が絵に描いた、"路傍の石"だ」

    掌に載せられた小さな石。

     「道端に落ちていたところで、誰も気づくことのないような、ありふれた石」
     「けれどその石は、一人の女の子に、人としての生き方にさえつながるような、大きな示唆を与えた」

    何度見たところで、石がただの石であることに変わりはない。何の変哲もない、ただの路傍の石。

    石がただの石に過ぎなかったからこそ、大きな影響をもたらすことができたのかも知れない。

     「人は皆、路傍の石だ」
     「気付かれなければ意識されることもなく、そして誰かに影響をもたらすこともない」
     「僕も君も、あの少女も同じ。すべては、路傍の石に過ぎない」

    すべての人は、道端に転がる石に過ぎない。

     「それは、実に素晴らしいことだと思うんだ」
     「二つと無い存在が邂逅して、融和して、衝突し合う。そうして、また新しい存在になる」
     「石も人も、ぶつかりあって変わっていく。それが、すごく面白いんだ」

    気にも留めなかったはずの存在が、進む道を変えるほどの存在になり得る。彼は、そこに面白さを見出していた。

     「この石を手元に置いておこうと思ったのは、それを思い返すためさ」
     「人は皆路傍の石、そして、路傍の石は代わりのいない存在。この石は、それを思い出させてくれる」
     「ありふれたものほど、かけがえの無い存在だということをね」

    ようやく、彼が何を言いたいのかがはっきりした。そして、あの石ころを手元に置いていた理由も。

     「その石には、思い出というか、印象的な光景が詰まっているんですね」
     「ああ。あの少女が見出した新しい世界、それがここに詰まっているんだ」
     「分かりました。単なる路傍の石に過ぎないそれを、あなたが大切に持っている理由を」

    タブレットの少女と彼は、ありふれた路傍の石から、実に多くのものを感じ取ったようだった。

    ひとしきり話して満足したのか、彼は石を戸棚に片付けると、椅子からすっと立ち上がった。

     「さて、僕はちょっと出かけてくるよ。明日までには帰るつもりだからね」
     「明日まで出掛けるつもりですか?」
     「何、いつものことじゃないか。面白い石を見つけたら、また土産話を聞かせてあげるよ」

    そう言い残して、彼は颯爽と部屋から立ち去って行った。

    彼はいつもそうだ。石が好きだというのに、去るときは風のように去って行ってしまう。

     「やれやれ……」

    ため息混じりに、時間を確認しようとポケナビに目を向ける。

    すると……

     「……すれ違い?」

    ポケナビの機能の一つである「すれちがい通信」。ポケモンのキャラクター商品に関わるすべての権利を持つ大手ゲーム会社が発売した携帯ゲーム機に搭載され、その後後を追うようにポケナビにも実装された。所有者同士ですれ違うだけで、簡単な自己紹介を送り合うことができる通信機能だ。

    通信に成功すると、右上部に取り付けられた小さなランプが緑色に光る。この部屋に来るまでは消灯していたから、新しいメッセージが届いたようだ。

     「これは……」

    して、そのメッセージの送り主と内容は──






     「けっきょく ぼくが いちばん つよくて すごいんだよね」






    送り主の名前は……今更、言うまでもない。

    すべては路傍の石。悟ったように口にしながらも、心の奥底では、燃え上がる炎のような闘志を滾らせている。

     「星の数ほどある石の中でも、一番でなきゃ気が済まない、か」

    石集めに熱中する子供のようで、その実石から人世訓を見出す大人で、しかし底の底は無垢で幼い子供。

    それがたぶん、"ツワブキダイゴ"という人物の姿なのだろう。

     「……本当に、風変わりな人だ」

    苦笑いとともに、そんな言葉が思わず漏れた。






    ----------------------------------------------------------------------------------------

    ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体名・事件とは、一切関係ありません。

    ※でも、あなたがこの物語を読んで心に感じたもの、残ったものがあれば、それは紛れも無い、ノンフィクションなものです。

    Thanks for reading.

    Written by 586


      [No.2361] 神の祈り 【前編】 投稿者:くろまめ   投稿日:2012/04/07(Sat) 20:55:01     78clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     タンバシティのとある海辺で、セツカは空を仰いでいた。傍らには一匹のアブソル。

    「この天気なら、無事うずまき島に行けそうだね〜」
    「まさか晴れるとは……やっぱり、やめといた方がいいんじゃないか?」
    「何言ってんの。ご飯は熱いうちに頂かないと!」
    「命がけの旅が、お前にとっては飯と同じなのか?」
    「まさに、朝飯前ってことだね」

     一人はしゃぐ主人を尻目に、シルクは項垂れた。確かにこの天気ならば、うずまき島を取り巻く渦も小さくなっているだろう。絶好の機会と言えなくもない。一年のほとんどが曇天に見舞われるうずまき島の周りには、その名の通り、タンバの漁船をも飲み込んでしまう大きく激しい渦が点々と混在し、うまい具合に島の入り口を閉じてしまっているのだ。
     
     本来ならば島に入ることすら出来ないはずだったのだが、運が良いのか悪いのか、その一行を晴天が向かえていた。暖かな光を止めどなく届ける太陽が、シルクには冷ややかに映る。シルクの三日月を描く漆黒の鎌が、黒く光っている。
     ──今回の目的はうずまき島に行き、海の神にあることを伝えることだった。


     不満をおしみなく口にするシルクと地図を広げるセツカを乗せて、一匹のラプラスが海を泳いでいた。
    「へぇ。ポジティブって泳げたんだな」
     まるで初めて知ったかのように、わざとらしく感心した様子を見せるシルク。
    「泳ぐため以外に、このヒレを何に使うんだい?」
    「フカヒレとか?」
    「それはサメだろ」
    「馬鹿か。フカマルだろ」 
    「そうだった」
    「メタ発言はほどほどにな」
    「その発言がメタなんだよ」
     
     
    「てか、ポジティブって名前、由来は何なんだよ?」
     不意にセツカに問いかけたシルク。うん? と、地図から顔をあげてセツカは聞き直す。
    「だから、ポジティブの名前の由来だって」
    「え〜分かんないの? 少しは自分で考えないと、脳細胞増えないよ?」
    「やる気の起きない理由だな」
    「ふふふ。降参かね? それでは正解はっぴょー」
     仰々しく両手を広げたかと思うと、強くパァンと合掌するように打ちならした。
    「まず、ラプラスをラとプラスの二つに分解します」
    「ふむ?」
    「ここで着目するべきは『プラス』です。お二人方もお気づきになりましたか? そう! なんと私はこの『プラス』をプラス思考というキーワードへと発展させ、なおかつ! それを応用し、ポジティブへと変換させたのです! イッツミラクル!」
     あきれ果てて首を振る気も起きず、シルクもポジティブも、ため息をついた。
    「下らねえ……。『ラ』も仲間に入れてやれよ」 
     ん〜、と頭を傾げるセツカ。
    「ポジティ・ラブ?」
    「なんでポジティが好きってことを主張すんだよ。意味分かんねえよ」
    「名前は五文字までだったっけ」
    「そんなことは言ってない」
    「空が青い!」
    「論点をずらすな」

     突っ込むのにも疲れたと、ポジティブの甲羅の棘のようなものにシルクは寄りかかる。あたしの頭はボケてないと、セツカ。
     
    「そういえば」
    「なんだ? また下らない話か?」
    「上がる話だよ。空の話」
    「へえ。そういえばセツカは風景を見るのが好きなんだっけ?」
    「うん。どこで知ったかは忘れたけどね。こういう空の色のことを、天藍っていうんだって」

     青く透き通った、けれどどこか黒ずんだ色もしているような空を、シルクとポジティブが見上げる。
     

    「確かに、それっぽい感じはするな」
    「漢字的にもね」
    「それは誤字なのか!? どうなんだ!?」

     
     シルクの声が、海に響きわたった。


      [No.2360] Re: 黒竜 投稿者:紀成   投稿日:2012/04/07(Sat) 12:44:01     82clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    題名に騙された。題名詐欺とでも名付けようか。
    シリアスな感じかと思ってたらこれだよ!

    そうかーイケメンにしか興味ないのかー 中身もきちんと見た方がいいぞー
    イケメンで性格いいなんて男はリアルにはそうそういないからな!多分!

    レックウザさんいいよね 私も欲しい ミミズくらいの大きさでいいから欲しい


      [No.2359] 黒竜 投稿者:akuro   投稿日:2012/04/06(Fri) 20:55:43     87clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     「おはようこざいます! サクラさんですね? お届け物が届いております! こちらをどうぞ!」

     朝早く、ライモンシティのポケモンセンターにやってきた私を出迎えたのは、1人の配達員だった。 配達員は私に1つのボールを手渡すと、どこかへ行ってしまった。

     「なにかしら、これ……」

     ボールの中を見ると、ただならぬ雰囲気を放つ黒い竜がいた。 図鑑で見てみると、「レックウザ」というポケモンらしい。

     「なにはともあれ、図鑑が埋まったからいいけど……こんな珍しいポケモン、いったい誰が……」

     私は全国図鑑を完成させるという、大きな目標を持っている。 今日もポケモンを登録しようと、人が多いライモンシティへ来たのだ。

     私はレックウザの親を知ろうと、図鑑を操作してポケモン情報のページを開いた。
     と、その時ポケモンセンターのドアが開いたかと思うと、聞き慣れた声が飛び込んできた。

     「サクラ! 聞いて聞いて聞いて聞いてー!」
     「モモカ!?」

     飛び込んで来たのは私の双子の妹、モモカ。 双子なのに似てないってよく言われる。

     「さっきそこで、超絶スーパースペシャルテライケメンに道を聞かれちゃったー!」

     ……こんなミーハーな妹に似たくないんだけどなあ……

     私はモモカを無視して、ポケモン情報のページに目を通した。 その間もモモカはべらべら喋っている。

     「マジでイケメンだったなあ……青い長髪を黒いゴムでまとめてて、超イケメンボイスで「素敵なお嬢さん、迷いの森への道を教えてください」なんて! 別れ際に手の甲にキスまで……キャーキャーキャーキャー!!」

     暴走しまくってるな……フレンドリィショップのお兄さんやジョーイさんが睨んでるよ……気付かないのがモモカなんだけどさ。

     「モモカ……少ないとはいえ人いるんだから、もうちょっと落ち着いてよ」
     「これが落ち着いていられますかお姉さま!」
     「誰がお姉さまよ……ところでモモカ、「ノブナガ」って人、知ってる?」

     私はレックウザの情報が記してあるページをモモカに見せた。

     「ノブナガ!? ランセ地方の!?」
     「ランセ地方?」
     「こことは文化が違うくらい遠い地方で、イケメンがいっぱいいるんだって!」
     「モモカ……モモカの頭にはイケメンのことしか無いの?」
     「無い!!」

     ……断言されても、困るんだけど。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    オチなし。 新キャラが暴走しまくった。

    [好きにしていいのよ]


      [No.2358] Re: 【他力本願】うちのボス【送信してみた】 投稿者:小春   投稿日:2012/04/05(Thu) 19:50:23     89clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    電波はけっして妙なものではなく、妙な受信の仕方をしてしまったのです。


    >  想像以上の奇人変人っぷりでした(注意;褒め言葉です)。
    変人奇人は褒め言葉(キリッ
    マントのひととか、石のひととか、考古学のひととか以下略
    タテカン立てたのは出奔に困ったリーグ関係者、「この顔にピンと来たらリーグへご連絡ください」みたいな文言が添えられているに違いありません。リーグ挑戦者ならつかまえてくれるだろうと(笑

    お読みいただき、ありがとうございました。


      [No.2357] 【書いてみた】ユエとミドリと三ツ星と 投稿者:紀成   投稿日:2012/04/04(Wed) 20:33:10     92clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    ※ポケモンを食べる描写みたいなのがあります









    GEK1994のカウンター席で、ミドリは雑誌を読んでいた。いつもなら文庫本片手にゼクロムを飲んでいる姿が目立つのだが、今日は違った。派手ではないが、文庫本とは違う表紙とサイズが目立つ。
    「ミドリちゃん、それは?」
    気になったユエが聞いてみた。バクフーンが足元でのっそりと起き上がったが、睡魔に耐え切れず再び床に体を預けて眠ってしまった。鼾の音がする。
    「昨日発売されたグルメ雑誌です。全ての地方の有名レストランのおススメメニューを取材してるんです。写真もありますよ」
    そう言ってミドリが見せてくれた一面は、今月のトップを飾る店が載っていた。ホウエン地方、ミナモシティにあるレストラン。新鮮な海鮮を使ったソテーやグリルが有名だという。
    中でも一際目を引いたのが、店の場所だった。その店はミナモでも、その近くの浅瀬にある巨大な岩の中に造られているのだという。行く際には長靴が必要らしく移動は多少不便だが、そのマイナス面が気にならなくなるくらい、そこの食事は美味しいのだという。
    「へー。なかなか素敵ね」
    「お値段もリーズナブルですし」
    「ディナーで十万ちょっと…… まあ、ね」
    流石に庶民のユエには頭を捻る値段だったが、ミドリは楽しそうにメニューの写真を見ていた。そこでふと思いついたように呟く。
    「伝説のポケモンって、食べられるんでしょうか」
    一瞬の沈黙の後、ユエが『んー……』と考える。
    「そうね。伝説の鳥ポケモン、ファイアーやホウオウの生き血を飲むと不老不死になるっていう話なら各地方に伝わってるけど、流石に肉はねえ」
    「チュリネの頭の葉は薬向きですね。苦すぎてサラダには使えませんよ」
    「グルメ向きかしら」
    「カントーでは、カメックスは固すぎてよく煮込まないと食べられないそうですよ。ゼニガメなら柔らかくてそのまま食い千切っていけるそうですが。あと、カメールの尻尾は大きいほどコラーゲンが詰まってるそうです」
    足元のバクフーンがいつの間にか起きていた。ガタガタと震えている。大丈夫よ、とユエは頭を撫でた。
    「戦争中はアーボとか毒抜きして食べたそうです。アーボックになると毒が強すぎて、抜く前に飢え死にするからアーボじゃないといけなかったそうで」
    「ドンファンも一応食べられるんだって。足とかゴムみたいな食感らしいけど」



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    オチなし。この前夕食の時に弟と話したことがそのままネタになってる。
    ポカブとかまんま焼き豚だよね。


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