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  •   [No.3898] 「冬を探して」改稿スレッド /応募時原文 投稿者:No.017   投稿日:2016/03/17(Thu) 00:04:54     114clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:鳥居の向こう】 【冬を探して
    「冬を探して」改稿スレッド /応募時原文 (画像サイズ: 400×535 47kB)

    こちらは「冬を探して」の改稿スレッドです。
    見ているみなさんも何かアイディアがあったらどうぞ。



    【応募時の原文】
     一面に広がるは、白。
     少年は目の前の光景に言葉もなく立ち尽くす。かじかむ手足のことなど忘れ、ただ純白の雪に見入る。降り続く雪は止むことを知らないように次から次へと地上に舞い降りる。
     遠い遠い北の果て、一年中雪の止まない土地。キッサキシティ。
    「これが……」
     少年が息を吐く度に白い靄が現れる。それに気づくこともなく少年は呟く。
    「これが、雪……」
     思い出すのはくすんだ色で覆われ、どこもかしこもじゃりじゃりとした故郷。雪に似ていると教えられたものと、雪はあまりにも違っていた。踏み締める感触も、舞い降りる様子も。
     白の景色に似合わない浅黒い肌を持つ少年は、大きなくしゃみをすると我に返った。体が酷く冷えきっていた。彼にとっては生まれて初めて感じる強烈な寒さだった。手も足も、かじかむという言葉を越えて、痛い。感覚は麻痺しているのに、じんじんと鈍い痛みがあった。これでもかというほど、防寒対策をしてきたはずだった。けれど、それを嘲笑うかのように、寒さが彼の体を蝕む。
     空を仰ぐ。鉛色の雲が重く空を覆っていた。振り返れば港は忙しく働く人々ばかりで、彼のようなよそ者の姿は見えなかった。彼はナギサシティから来たフェリーを降りて、雪に意識を取られ足を止めたのだ。同じフェリーに乗っていた客たちはとうにバス停へ向かったようだった。
     町外れの港から中心街へは直通のバスが出ている。決して歩いて行けない距離ではない。だがここキッサキシティでは、どこもかしこも雪が積もり、歩くのは少々難儀だ。それゆえ、大抵の観光客は素直にバスを利用する。
     彼が最寄のバス停にたどり着いた時には、バスはとうに行ってしまっていた挙句、次のバスが来るまでかなりの時間が空いていた。そもそも本数自体が少ない。
     彼は少し考えた後、雪の積もる道を歩いて行く。フェリー乗り場でおとなしく次のバスを待つという手もあった。少々建物は古びてはいたが、暖房が効いていたし、バスを待つには十分である。けれど、そうはせずに歩くことにした。寒さを除けば、これも悪くないと彼は思う。歩いている間に雪を思う存分見れるだろうし、体も温まるだろうと。

     どこまでも続く道に、体はくたびれ目は白いばかりの光景にちかちかとしてきた。人が生活している気配を感じられるような場所に辿り着くまでに、彼はくたくたに疲れてしまった。距離自体はたいしたことないと彼は思う。けれど雪道というのは乾いた道と違い、歩くだけで酷く疲労した。
     はあとため息をつくと、白い息が目の前に現れる。歩いたおかげでたしかに体は温まったが、手足の先は冷え切ったままだったし、露出している顔も冷えすぎて痛い。息を吸うと冷たい空気が気管を通り熱を奪っていくし、何より鼻が痛かった。
     時折車が通り過ぎていくのを見て、やっと人の生活圏に入ったのだなと実感した。いくらか人通りがあるのか歩道には足跡がいくつも残っていた。決して、先程までと比べて歩きやすいということはない。むしろでこぼことして歩きにくくさえある。しかし立ち止まったところでポケモンセンターには近づかない。鈍痛を訴える足を引きずり、黙々と歩く。
     そんな時、ふと目に飛び込んできたのは薄紅色。まばたきをしてよくよく見れば、薄紅色のコートを纏った一人の少女が、ぽつねんとバス停に立っている。年はいくつだろうと彼は考えた。自分が旅立った年齢よりはいくつか上、そして今の自分よりも幾分年若いように思った。十二、三くらいだろうかと見当をつける。少女もまた、彼に気づいてこちらを見る。
     彼を見つめるその瞳は、船の上で見た深い海の青を思い出させた。生まれて初めて北の海を見た彼は、そのあまりの暗い色に驚いたものだった。それによく似ていると彼は思った。
     そして、雪のように白い肌に目がいく。この地特有のものだろうか。彼の故郷では見たこともないくらいの白さだ。
    「何かご用ですか」
     少女が不審者を見るような目で見ていることに、声をかけられて気づく。つい、無躾にもまじまじと見てしまった。たじろぎながら彼はどうにか返答する。
    「その、フェリーで来たんだけど、バスが行ってしまって。ポケモンセンターまで歩いていくところ」
     その答えに少女はああなるほどと呟く。
    「ポケモンセンターの場所はわかりますか?」
    「うーん、とりあえず市街地に出ればなんとかなるだろうとしか考えてなかったな……」
     少女は寸の間考え、
    「じゃあ案内しましょうか」
     と申し出てくれた。彼が迷惑だろうからと断りかけるが、
    「わたしもバスが来るまで時間かかるんです。ここでじっとしていても寒いだけだし」
     それならと彼は少女の申し出を受けた。

     少女はコハルと名乗った。
    「春生まれだけどコハル」
     コハルは悪戯っ子のような笑みを浮かべる。彼は一瞬、考え込むと、コハルに合わせるように名乗る。
    「俺はリョースケ。暑い日生まれだけどリョースケ。名前くらいは涼しく、って」
    「そんなに暑かったんですか」
    「生粋のホウエン人がそう思うくらいには」
     二人で笑い合う。
     と、リョースケのズボンをくいくいと誰かが引っ張る。その時にようやく気がついたのだが、コハルの傍らにはあまり背の高くないポケモンが付き従っていた。コハルの陰に隠れて見えなかったようだ。
    「この子はユキちゃんです」
     頭や顔と思われる部分は白いのだが、腹の辺りから下は茶色で、手先やしっぽなどは緑色である。この寒さにも関わらず、平気そうな顔をしているようだから、氷タイプだろうと予想はついた。だが、手先などを見ると草タイプのようにも見えた。まさか、本当に草タイプだろうかと尋ねると、草・氷タイプのポケモンだと答えが返ってきた。ユキカブリというポケモンらしい。ユキカブリだからユキちゃんというのだろう。少々安直すぎないかと思ったがそれはおくびにも出さない。
    「へえええ、そんなポケモンがいるんだ!」
     素直に驚きを表すると、ユキカブリも興味津々といった様子でリョースケを見つめ返す。リョースケはユキカブリと視線を合わせるようにしゃがみ込む。
    「よろしくな」
     軽く手を出せば、リョースケの手と顔を交互に見、おずおずと手を握り返してきた。
    「シンオウには変わったポケモンがいるんだなあ」
     リョースケはよっこらしょと立ち上がる。
    「そうですか? わたしから見たらきっとホウエンのポケモンも変わっていると思う気がしますよ」
    「それじゃあそれはお互い様ということで」
     その言葉を契機に二人と一匹は歩き出す。

    「雪が見たくて」
     キッサキシティに来た理由を問われたリョースケはそう答えた。
    「どうしても雪が見たくなったから、考えなしにホウエンからシンオウ行きの船に乗ったんだ。だけど、着いたナギサシティは全然雪がなくて。シンオウならどこでも一年中雪が降るものだと思っていたよ。でもそうじゃないんだね」
    「ここくらいですよ」
     ふふふとコハルは笑う。二人が喋る度に、白い息が踊る。
    「でもわたしも、ホウエンは一年中半袖で過ごせるイメージがあります」
    「さすがに長袖着るくらいには寒くなるよ。でもこんなには寒くないし、雪もあんまり降らない」
    「雪、降るんですか」
     コハルは目を見開く。予想通りの反応に、リョースケは笑いを噛み殺す。
    「年に何回かはね。でも積もらないから、こんなにたくさんの雪を見たのは初めてだ」
     だから、船から降りて雪に夢中になっていてバスを逃したのだと言うと、子供みたいとコハルは笑う。
    「まあね。でもイメージ通りに一年中雪の降るところがあるなんて驚いたよ」
    「ああそれは冬の神様が……」
     しまった、とコハルが慌てた様子で口を押さえる。
    「冬の神様?」
    「なんでもないんです」
     コハルはぶんぶんと、首を横に振る。言いたくないことなのだろうと、リョースケは話題を変えることにした。
    「そういえばコハルちゃんはどうしてあそこにいたの?」
     そう問えば、祖母の見舞いに行った帰りだという。具合はどうなのかと尋ねれば、年齢が年齢だけにあまりよくないとコハルは答えた。
    「なんとかして、元気になってほしいんですけどね……」
     俯いてしまったコハルに、リョースケは内心焦る。話題の選択を間違ったと。どうにかしてまた別の話をするべきだと必死に考える。コハルのいやに白い肌を見て、これだとリョースケは言葉を紡ぐ。
    「ね、ねえ。キッサキシティの人は、みんなコハルちゃんみたいに肌が白いの?」
     コハルは顔を上げて、ぱちくりとしてリョースケを見た。リョースケは日焼けして黒くなった肌に視線が突き刺さるような感覚がした。
    「……そうですね、あんまり晴れないですから」
     そう言ってコハルは空を見上げる。どうやら話題を逸らせたとリョースケは安堵する。そうしてリョースケも空を見上げるが、コハルに会う前に見た空と変わらず、鉛色の雲が広がっていた。
    「一年中、こうなの? 信じられないな。今時ならホウエンは毎日のように晴れているのに」
     そう言ってリョースケは、馬鹿みたいに明るい空と海を思い出す。明るい海はリョースケを慰めてくれることが多かったけれど、今度ばかりはそうもいかなかった。なんだってあんなに、悩みなんかないとでもいうような色をしているんだと思ったのを思い出した。むしろ、あの明るさが逆に憂鬱で仕方なかった。だからシンオウに来た時、暗い色をした海を見てほっとしたのだ。
    「夏はそれなりに晴れますけど、それ以外はだいたいこうですね」
     コハルの声がして、リョースケは我に返った。明るい海も暗い海も遠ざかって、ただただ白い現実に立ち戻る。
    「じゃあさすがに夏は雪も降らないんだ」
    「いえ、天気が悪ければ夏でも降りますよ」
     信じられないといった目でリョースケはコハルを見た。ホウエンは下手をすれば雪が降らない年すらあるというのに。
    「私達にとっては普通ですよ」
     コハルは平然と言い放つ。
     四月にもなれば、半袖でないと動いた時暑くてしょうがないのが、リョースケにとっての普通だ。場所が変われば普通と思っていることも変わる。
     そう伝えると今度はコハルが信じられないといった目をする。それを見たリョースケは苦笑した。
    「だから、ナギサシティに着いた時、寒くて寒くて。一応冬服着てたんだけどなあ」
    「どうりでずいぶん厚着をしている人だと思いました」
     リョースケの格好はたしかに、コハルと比較するとかなりの厚着だ。これでもかというほど重ね着をしているせいで着膨れしている。ズボンも一枚ではなく、上からもう一枚重ねているのだ。見るからにシンオウの人間ではないのがわかる。
     対するコハルはコートに厚手ズボン、ブーツと暖かそうな格好をしてはいるが、あまり重ね着をしているようには見えない。マフラーすらしていないのだ。
    「お店に行ってホウエン出身だ、って言ったら考えられる限りの防寒装備してくれたんだよ。おかげで財布が軽くなった」
     などと軽口を叩く。とは言え、こうやって厚着をしていてもかなり寒いとリョースケは愚痴る。
     実際、寒さは確実にリョースケの体から熱を奪っていた。相変わらず、手足は冷え切って鈍痛を訴えている。呼吸する度に冷え切った空気が通るから、鼻は冷えすぎて尋常ではないくらい痛い。冷たいを通り越すと痛みになるのだなとリョースケは思い知る。
    「ほんとに寒がりなんですね、リョースケさん。ここらへんの人は、真冬でもそんな格好しませんよ」
     まあそうだろうね、とリョースケは肩を竦める。反対に、とリョースケは言う。
    「反対に暑さには強いよ。特に、俺みたいに屋外ばかりにいるような連中は」
     それにそういう連中はだいたい自分のように真っ黒に日焼けしているのだ、と続けた。肌の白い人間ばかりいるキッサキでは、さぞ肌の黒い自分は浮くだろうとリョースケは思った。
    「日焼けですか……ここだと無縁の言葉です」
     その言葉に、リョースケは笑いをこらえる。
    「あっちの人が聞いたら卒倒するかもしれないな。女の人は必死に日焼け止め塗って日焼けしないようにしているからさ」
    「日焼け止めですか? 使ったことありませんね」
     その言葉にリョースケはとうとう噴き出した。

     そんな風に雑談を重ねるうち、ようやく目的のポケモンセンターにたどり着いた。やっとこの寒い地獄から解放される、とリョースケは心の底からほっとした。そしてふと、
    「ねえコハルちゃん。ここまで案内してもらったお礼に、飲み物でもおごりたいんだけど、どう?」
     リョースケはそう切り出した。
    「えっ、そんな。いいですよ、たいしたことないですから」
     遠慮するコハルにリョースケは苦笑して続ける。
    「俺、全然シンオウのこともキッサキシティのことも調べないで来たからさ。ついでに教えてもらえたらなあって。だから、その講義代も込みで飲み物一杯は……やっぱり安いかな?」
     そういうことならとコハルは笑って了承した。

     リョースケはコハルの分も飲み物を買うと、すでに席についていたコハルの向かい側に座った。ポケモンセンターまでコハルと一緒について来たユキカブリは姿を消していた。
    「ユキちゃんの分は本当にいらないの?」
    「こういうところって、暖房を観光客の人に合わせてるんです。だから、ユキちゃんにはこの中、暑すぎて。いつもポケモンセンターの中ではボールに入ってもらうことにしているんです」
     言われてみれば、ポケモンセンター内はかなり暖房が効き、リョースケでさえも暖かいと感じるほどだ。中に入った瞬間、リョースケは生き返るような気分になったのを思い出す。
    「なるほどね」
     コハルを見れば、コートだけでなくさらに上着を脱いでいる。キッサキに住んでいるコハルですらそうなのだ。氷タイプのユキカブリにとって、ここは快適な場所とは言い難い。
    「それでさ」
     リョースケは本題に入ろうとする。
    「はい、なんですか」
     にこりとコハルは応じた。
    「冬の神様って、何?」
     コハルの笑みが凍る。
    「なんかさっきちょっと言いかけてたから、気になっちゃって。キッサキシティでは有名な話なのかなー、って」
     違った? とリョースケが尋ねれば、コハルは首を振る。リョースケはその意味を取りかねる。話したくないということなのか、それとも有名ではないということなのか。
    「言いたくないことだったら、ごめんね」
    「いえ……」
     コハルはうつむいて、それきり何も言わない。リョースケは内心、失敗したどうしよう女の子を傷つけるとか最悪だ、と自己嫌悪する。
     やがて、おずおずとコハルが顔を上げる。北の海の青を宿した瞳が、まっすぐにリョースケを見つめる。
    「大した話じゃないんです。でも、聞いてくれますか」
     リョースケはぶんぶんと首を縦に振り、精一杯了承の意志を伝える。
    「キッサキシティに一年中雪が降るのは、冬の神様がいるからなんです。でももう、知っている人はあんまりいないんですけどね」
     そう前置きしてコハルはリョースケに伝承を教えてくれた。

     冬の神はその名の通り、訪れた土地を冬にする。北から南へ、各地を冬にするため飛び回る。ところが、冬が終わったとき冬の神には居場所がない。なぜなら、冬の神がいる限り、冬は終わらないからだ。
     困り果てた冬の神に、北の果てに住むキッサキの民が言った。
    「この土地の民は皆、寒さにも雪にも慣れています。どうか我らの土地へおいでください」
     冬の神は居場所を与えた彼らに深く感謝し、キッサキの民にこう告げた。
    「私はお前たちから大地の恵みを奪うだろう。しかし、代わりに冬がお前たちを守るだろう」
     それ以来、キッサキは雪の止まない土地になったという。

    「へー、そんな話が」
     特段、変わった話でもなければ悪い話でもない。ならばなぜコハルは話すのを躊躇ったのだろうか。
    「でも、なんでコハルちゃんはこの話をしたくなかったの?」
     コハルの瞳がその心を映してか、揺れる。
    「みんな……忘れてしまったから」
    「どうして?」
    「他にもっと有名なものがあるんです。キッサキ神殿とかエイチ湖とか」
     キッサキ神殿には巨人が封印されているという。大陸を引っ張って移動させるほどの力を持った巨人。そしてまた、大昔には神々と戦ったという。
     エイチ湖にはシンオウ神話で心を司る三神の一柱、知識を与えるユクシーがいると言われているらしい。時折、体を抜け出した魂なのか、透明なユクシーの姿が目撃されるという。
     キッサキシティを訪れる観光客はこのどちらか、あるいは両方、でなければスキー場へ行くのがほとんどだそうだ。冬の神は、目に見えてわかりやすいシンボルがある訳でもその姿が度々目撃される訳でもない。だから今では地元の人間ですら話題に出さなくなってしまったらしい。老人ならば知っているかもしれないが、若い世代であればほとんど知らない、興味もない状態だという。そうなってしまえば、冬の神などと口に出しても笑われるか無関心に聞き流されるかだろう。
    「悲しいね」
     コハルの話を聞いて一言、リョースケは言った。コハルは苦いものでも食べたかのように、顔を歪ませる。それでも、とコハルはふっと表情を戻して告げる。
    「私、きっと冬の神様はいるって信じています」
     彼女の目はまっすぐで、言葉だけでなく心から信じているのだとわかった。
    「理由を聞いてもいいかな。あ、疑っている訳じゃないよ」
     慌てて言い訳するように付け足す。リョースケの様子に、コハルはほんの少しだけ表情を和らげた。
    「おばあちゃんが、見たって」
    「冬の神様を?」
     こくり、とコハルが頷く。
    「それはそれは美しい、氷の翼を持った鳥だったそうです。そして、まるで歌っているような美しい声が響き渡ったって」
     なるほどね、とリョースケは呟き、考えた。恐らくは入院しているという祖母のことだろう。きっとコハルはその祖母のことを慕っているのだ。
    「その冬の神様ってどこにいるって言われているの? あと、コハルちゃんのおばあさんはどこで見たの?」
    「北です。北の方は開発が進んでなくて、たくさん山があるんです」
     ホウエンの山といえばエントツ山であるが、ここは雪の降るキッサキシティである。リョースケはぼんやりと雪山を思い浮かべる。険しいのだろうか。
    「山といっても、そんな高い山じゃないんです。小さい山がたくさんあって、あとは森が」
     小さい山ということは、例えば子供でも登れるくらいだろうか。しかしここは年中雪の降る土地だ。
    「うーん、雪がなければそこまで難しくないだろうけど、ここ雪がすごいからね……」
     雪道を歩くだけでも乾いた道を歩く以上に疲労するのだ。小さいとは言え雪山を登るのは、どれだけ大変なことになるかは容易に想像できた。
    「そうなんです。それに野生のポケモンもたくさんいるから危ないんです」
    「まさか一人で行こうとか考えたりしてないよね?」
    「まさか。ユキちゃんは戦えないし、行きませんよ。それに、行くならとっくに行ってますよ」
     それもそうかと話を打ち切った。

     翌日も時間があるというコハルに、キッサキシティ内の案内をしてもらう約束を取り付けた。
     連絡先の交換のためにポケナビを見せると、コハルは物珍しそうにしていた。シンオウにはないのかと尋ねると、ポケッチというものならあると答えが返ってきた。
     アプリをダウンロードすることで様々な機能を持たせることができるらしいが、ポケナビとは違い、電話などはできないそうだ。彼女はポケモントレーナーではないので、ポケッチではなく携帯電話を持っていた。
     アドレスを交換した後、ふと思いついて荷物から木箱を取り出した。故郷の土産物としてもよく知られる品を、今日と明日のお礼だと言って彼女に渡した。やはりと言うべきか遠慮されたが、自分はもう使わないのだと説明して、半ば押し付けるように渡す。彼女には申し訳ないが、彼にとっては一種の区切りをつけるためにも手放しておきたかったのだ。ポケモンセンター内では使わない方がいいと伝え、その日は別れた。

     翌日。約束した時間の十分ほど前に、リョースケのもとへコハルからメールが届いた。
    『急用ができてしまって、今日は案内できそうにありません。ごめんなさい』
     たったそれだけ書かれていた。あんまりだとリョースケは思った。昨日直接断れなかったからこうやって断ったのだろうかとか、断るにしてもあまりにも稚拙な言い訳であるとか、そんなに嫌だったのだろうかとか。リョースケはポケモンセンターのソファで一人うなだれた。
     ポケモンセンターには人が多い。リョースケが顔を上げ、ぼんやりとしている間にも次々にポケモンを連れた人間が目の前を通り過ぎていく。
     ああそういえばここにはジムがあるのだと、コハルに聞いたことを思い出す。挑戦しないのかと尋ねられ、返答に詰まったことまで思い出した。挑戦できる訳がなかった。連れて来ているのは炎タイプのポケモン一匹だけだなんて、誰が言えよう。たしかにタイプ的には有利かもしれないが。曖昧に笑って挑戦はしないと言ったあの時、コハルは臆病者と思っただろうか。
    「やめた」
     考えるのはやめにしよう。考えたところで、鬱々とするだけだ。じっとしているとまた泥沼の思考に囚われそうな気がして、リョースケは立ち上がった。行く当てなどなかったが、雪の中を歩くだけでも気分転換にはなるだろう。

     ポケモンセンターの自動ドアをくぐると、外は相変わらず極寒の地だった。寒い。せっかく温まったリョースケの体から一気に熱が奪い取られる。呼吸する度冷たい空気が体内に侵入して、体の中から冷えた。
     じっとしていては体が冷えるばかりだと、リョースケはとりあえず歩き出した。どこへ行こうかとぼんやり考える。昨日コハルに聞いたキッサキ神殿にでも行こうか、それともユクシーがいるという湖か、はたまた滑ったこともしないのにスキー場へ行こうか。どれもしっくり来なかった。そもそもリョースケは雪を見に来ただけであり、それ以外にやりたいことも行きたいところもなかった。
     当たり前のように降り続ける雪に、リョースケは幼い頃の記憶を重ねる。
     いつだって当たり前のように、灰が降り続いていた。どこもかしこも灰で覆われてくすんだ色をしていて、靴底はいつもじゃりじゃりとした感触がした。灰が侵入しないように注意しても、建物の中だろうがどうしたってじゃりじゃりとした感触からは逃げられなかった。手も足も、皮膚全体が、口の中でさえも灰の存在を感じ続けていた。
     それが当たり前だと思っていたけれど、故郷を出るとそんな感触とは無縁だった。じゃりじゃりしない地面、床。走り回っても灰は舞い上がらず、咳込むこともない。洗濯しても異物感の取れなかった衣服は、いつの間にかそんなものがあったことすら忘れ、当然のような顔をして滑らかさだけがそこにあった。
     けれど、人は信じないかもしれないが、リョースケは決して故郷が嫌いではなかった。灰から逃げることのできないそこはいつも異物感が付き纏ったが、それを当たり前のものとして育ったリョースケにとっては必ずしも嫌なものではなかったのだ。
     だが、リョースケは逃げてきた。

     ふと、今自分はどこにいるのだろうとリョースケは疑問に思う。つい考え込んでしまって、行き先についてはまるで考えないままただ歩いてしまった。自分はどこへ向かっている?
     案内板を見つけたので現在地を確かめると、どうやらポケモンセンターの北にいるようだった。
     なぜ北に向かっているのだろう。そういえば、コハルは今頃何をしているのだろうか。
     コハルの薄紅色のコートを思い浮かべた瞬間、急がなくてはと焦燥感に駆られる。なぜ。
     ありえない、そんな馬鹿なと思う。けれど、コハルが一人で北に向かったのではないかと、そんな考えが浮かんで消えない。昨日彼女が行かないと言ったのを聞いた。行くはずがない。なのに、足は止まらない。昨日渡したあれを使うなら、不可能ではないかもしれない、などと思いついてしまったら、もう足は止まらなかった。
     だが、杞憂かもしれない。だからリョースケは、コハルがいなかったらいなかったでいいのだ、と思うことにした。どうせ行く当てなどないのだから。だから、自分一人が勝手に慌てているだけなのだ。
     まさか、まさか、ね。そう思いながら道を急いだ。

     一面に広がるは、白。
     その中にぽつねんと浮かぶ薄紅色に目を奪われる。
     市街地にだけかろうじて作られた道。その北の端にコハルは一人で立っていた。正確には一人と一匹だ。けれど、リョースケの目に映るのはコハルの姿だけだ。
    「どうして……」
     息を切らせリョースケは尋ねた。一応は整備された道であろうと、雪が降り積もってしまえば歩きづらいのは変わらなかった。平素とはあまりにも勝手の違う雪道を、それでもリョースケは可能な限り急いだのだ。
    「リョースケさんなら来てくれると思ってた」
     コハルはリョースケの問いには答えず、微笑む。
    「私の話をちゃんと聞いてくれたのはリョースケさんだけでしたよ。だから、リョースケさんとなら行ける気がするんです」
     コハルの真っ直ぐな目が、リョースケを射抜く。リョースケは棒立ちのまま動けない。
    「俺は……」
     リョースケの顔が歪む。
     違うんだ、とリョースケは呟く。
    「俺はそんな人間じゃないんだ」
     コハルの話を聞いたのは、彼女が思うような理由ではない。決してリョースケが優しいからでもコハルが真剣だったからでもない。
    「逃げてきたんだ。何も考えたくなくて、ただの思いつきでここに来ただけで。君の話を聞いたのだって、一人だと考えたくないことを考えてしまうからなんだ」
     だから、コハルが思うような人間ではないのだと。そうしてリョースケは俯く。顔を上げられない。
    「じゃあ、どうしてここに来てくれたんですか」
     コハルの声が降る。リョースケはそれに答えられない。
    「いいんです。リョースケさんが来てくれなくても、一人で行くつもりだったから」
     その声は意外にも明るい。コハルにはリョースケを責めるつもりはないのだろう。けれど、リョースケにとっては責めてくれた方が何倍もよかった気がした。だが、実際に責められたら、やはりリョースケは同じように落ち込むのだろう。
    「俺は……」
     リョースケは口ごもる。コハルを止める資格も、一緒に行く勇気も、リョースケは持ち合わていなかった。リョースケは結局何も言えずに、コハルがユキカブリと共に山へ向かうのを、ただ呆然と眺めていた。

     このままでいいのだろうか。現実から目を背けて、両親から、故郷から、結果から逃げて、挙句年下の少女からも逃げるのか。なぜ、自分はここへ、こんな街の外れまで来た? コハルを止めるため? 本当に?
     本当は、共に行くつもりだったのではないだろうか。いや、と彼は否定する。だとしても、自分には追いかける資格なんてないじゃないか。けれど、リョースケは思い出す。コハルの後ろ姿を。あんなにも小さな背中を、自分は放っておくのか? 戦う術を持たないと自ら告げた彼女のことを、見て見ぬふりをするのか?
     諦めるために、雪の降るこの土地に来たはずだった。けれどリョースケは、この地で出会った少女を見捨てることなどできなかった。諦めようとした彼の目には、諦めずにもがく彼女がひどく眩しくて、うらやましくて。おこがましいと言われるかもしれないけれど、彼女を手伝いたかった。だからリョースケはがむしゃらにコハルを追いかけた。
     真っ白な雪に点々と残された足跡を目印にリョースケは進んだ。進む先に澄んだ鈴の音が聞こえて、リョースケは進む方向が間違っていないと安堵しながらひたすら歩いた。必死に斜面を上り、点在する木々の間から薄紅色のコートが見えて、リョースケはコハルに呼びかける。
    「コハルちゃん……!」
     名前を呼ばれたコハルが振り向いた。
    「リョースケ、さん」
     またもや息を切らせて現れたリョースケに、コハルは信じられないものを見たように目を見開く。
    「ねえ……コハルちゃん。俺も連れて行ってくれない?」
     白い息を吐き出しながら、リョースケは精一杯の笑顔を作ってコハルに向ける。
    「なんで……」
     コハルは顔を歪める。泣きそうだ、とリョースケは思った。嫌がられたとは微塵も思わなかった。コハルはぎゅうと薄紅色のコートの端を掴む。黒い鈴がりりん、と鳴った。
    「俺も冬の神様が見たいから、じゃ駄目?」
     とリョースケが尋ねれば、コハルは顔を背ける。
    「勝手にしてください」
     とだけコハルは答えを返した。だから、勝手にすると言って、リョースケは笑った。そっぽを向いたコハルが、それでも受け入れてくれたのだとリョースケは知っていた。

    「黒い鈴、役に立ったみたいでよかった」
    「そうですね、おかげで今のところ野生のポケモンには会ってないですし」
     リョースケがコハルに渡したのは黒い鈴。ハジツゲタウンで火山灰を溶かして作られるガラス製品であり、土産物として販売されている。様々な色の鈴があり、黒い鈴の場合は鳴らすとポケモンが近寄りにくくなる効果がある。それ以外の色をした鈴の場合も、それぞれポケモンに対して影響を及ぼす。そのため単なる土産物としてだけでなく、ポケモントレーナーもよく購入している。同じ効果を持つビードロというものもあるが、現在は鈴の方が主流だ。
     リョースケもまた、例に漏れず持っていた。とは言え、ハジツゲ出身のトレーナーは大概持たされるものである。未熟なトレーナーには必要なものだと子を思う親は考えるのだ。
    「でも、本当によかったんですか? 私なんかがもらって」
    「うん。昨日も言ったけど、もう使わないんだ」
     初心者トレーナー必携の黒い鈴をリョースケはコハルに渡した。それはつまり、
    「トレーナー、やめるから」
     深い青の瞳が、リョースケを見つめる。
    「どうしてなのか聞いてもいいですか」
    「いいよ。それに多分、誰かに聞いてほしかった気がするから」
     リョースケは語る。

     彼がポケモントレーナーとして旅に出たのは十才の時だ。リョースケがパートナーとして望んだのは、所謂初心者用のポケモンではなかった。
    「小さい頃、テレビで見てからずっと、旅をするならあのポケモンって決めてたんだ。親には無理を言っちゃったなあ……」
     リョースケは遠くを見つめる。けれど見えるのはただただ白に塗り潰された光景。もしくは肌を顕わにした木々くらいだ。
    「そうそう、サクラっていうんだ。あとでコハルちゃんも会ってくれるかな? まあ、野生のポケモンが飛び出してきたらすぐに会うことになるけど」
     コハルはもちろんと了承して、楽しみだと告げる。
     そうやって、意気揚々と旅立ったリョースケだった。しかしありふれた話だった。リョースケにはそこまでの才能はなかった。誰もが夢見るリーグチャンピオンになど手が届く訳もなく。それどころか、ジムバッジを集めるのさえままならなかった。
    「本当に……よくある話なんだ。自分でも、わかってるんだ」
     リョースケは苦い苦い笑みを浮かべる。
    「才能の差って本当に残酷だよ。どんなに自分では努力したつもりでも、才能のある人には敵わないんだ」
     己よりも後から旅立った者に抜かされ、年下の人間に負けて。それでも努力すればきっと。そう信じて、毎日毎日特訓に明け暮れた。そうして足掻いて足掻いて、旅立ってから五年が経ったある日。久しぶりに帰省したリョースケに、両親は告げたのだ。
    「一年前に、ポケモントレーナーなんてやめて、学校へ行けって、言われた」

    「リョースケ、そこに座りなさい」
     父親がそう言った時にはもう、リョースケはわかっていた。父親の真正面に座ったリョースケは、知らず知らず拳を強く握りしめていた。
    「お前もわかっているだろう? このまま続けたところで、時間を無駄にするだけだ。今ならまだ間に合う。勉強して学校へ行きなさい」
     わかっていた。知っていた。わかっていたけれど、突き付けられる現在の衝撃が弱まることなどない。
    「無試験とはいかないが、トレーナーをリタイアした子供達が行く学校があるんだ」
     リョースケはただ黙って父親の話すことを聞いていた。頭の中が真っ白で、言葉は出て来なかった。
     ポケモントレーナーを目指して挫折する子供達は数多くいる。それゆえ、救済制度が存在するのだ。中学に行かなかった子供達に中学レベル、下手をすれば小学校レベルから勉強を教えてくれる学校が作られた。本人次第ではあるが、小学校レベルからスタートして四、五年もあれば卒業できる。
     そういった父親の説明の大半はリョースケの頭に入らなかった。諦められなかった。諦めたくなかった。まだ自分にだって才能はあるのだと、信じたくて。

    「リョースケさん?」
     不意に掛けられた声にリョースケははっとして、苦々しい思い出から我に返った。突然黙ってしまったリョースケを心配そうに見つめる青い瞳。リョースケはその目から逃れるように視線を落とす。足元には真っ白な雪が冷え冷えとあるだけだった。
     リョースケは日に焼けて浅黒くなった顔を歪め、話を続ける。
    「そんなに急に、諦められなかった」
     だからリョースケは、両親に掛け合った。あと一年で残りあと五つのバッジを集めてみせる、と。
    「正直、自分でも無謀だってわかってた。どんなに才能のある人でも不可能だってことくらい、わかってた。でも、頑張れば少しくらいは手が届くんじゃないかって、思ったんだ。たとえ八つ目までは無理でも、五つ目、六つ目まで手に入れたら認めてもらえるかもしれないって、思ったから。だから、死に物狂いで頑張って、四つ目は手に入れられたんだ。だから、いけるかもしれないって思った」
     けれど、当たり前だが現実は厳しい。
    「でもさ、やっぱり無理だった」
     その後はどんなにトレーニングを重ねようが、決して届かなかった。次のジムではジムリーダーにすらたどり着けなかった。
    「は、はは……わかってたんだ。自分に才能がないってことくらい。わかって、たんだ」
    「リョースケさん……」
    「で、時間切れ」
     あっさりと言い放ったリョースケの表情は言葉とは裏腹に、酷く複雑だった。
    「今思うと、この一年はただ心の整理をするための時間だったんだと思う」
     トレーナーをやめる。言葉にすればたったそれだけのことを受け入れるのに随分時間がかかってしまった。リョースケは自嘲する。
    「雪を見たら、諦めるつもりで来たんだ。まだ自由に動けるうちに、やりたいことやって、ちゃんと諦められるように」
     なのに、とリョースケは手袋をした手で顔を覆う。
    「諦めたく、ないなあ……」
     コハルは何も言わない。雪が音もなく降り続ける。足を止めたのを不思議に思ったのか、ユキカブリがリョースケのズボンを引っ張る。リョースケはぽんぽんとユキカブリの頭を軽く撫で、ごめんごめんなんでもないよ、と謝る。
    「コハルちゃんもごめんね、こんな話をしちゃって」
     リョースケは手をだらりと下ろし、無理矢理作った笑顔をコハルに向ける。
    「もう、諦めるって決めたんだ。未練たらたらだけどね」
     そう言ってリョースケは話を打ち切った。そして、さあ行こうとリョースケはコハルを促す。二人と一匹は止めてしまっていた足を動かし始めた。



    「コハルちゃんはどうして冬の神様を探すの?」
     長い沈黙のあとリョースケは言った。先程喋りすぎてしまったのをごまかすように。
    「おばあちゃんを元気づけたいんです」
     詳しく聞いてもいいかと、リョースケが尋ねるとコハルは頷いて言葉を続けた。
    「おばあちゃんが元気ないというのは昨日話しましたよね? でも、冬の神様の話をするときだけは少し元気になるから。だから、実際に会ってその話をしたいんです」
     ただ話を聞くだけではなく、実際に会った者同士として話がしたいのだと。もう誰も信じてはいない冬の神だけれど、自分は信じているのだと、ただ機嫌を取るために信じたふりをしているのではないと、そう言いたくて。
    「あわよくば、何か会えた証拠でも持ち帰れたらいいんですけどね。例えば羽とか。そしたら口先だけじゃないってわかってもらえるし、きっとおばあちゃん喜んでくれると思うんです」
     絶対にほしい訳ではないけれど、とコハルは呟く。会うだけでなく羽までほしいなんて言ったら、罰が当たりそうだと彼女は笑った。
    「それに、私が会いたいんです。おばあちゃんのことがなくても、私は会いたい」
     足を止めたコハルをリョースケは見る。深い青がリョースケを見つめ返してきた。
    「どうして?」
     さっきから聞いてばかりだとリョースケは思う。
    「私、キッサキが好きです。みんな雪ばかりで嫌だ、出て行きたいって言うけど、私は好きなんです」
     コハルは笑う。コハルは笑っているはずなのに、酷く寂しそうに見えた。
    「冬の神様は、キッサキを守ってくれているんです」
     リョースケは黙って続きを促した。
    「キッサキは一年中雪に覆われています。だから外からの文化は中々入って来なかった。誰にも入って来れなかった」
     コハルは目を伏せる。
    「キッサキは最後まで独立を保っていました。本州の人達は入って来れなかったから。でも、やっぱり人がやって来て。色んなものが踏みにじられた」
     ろくに学校に行っていなかったリョースケにはよくわからない話だった。けれど口を挟まない方がいいような気がして、リョースケは何も言わないことにした。
     つかの間、コハルは黙る。沈黙を埋めるように雪がちらつく。
    「たくさんのものが失われました。多分、私も知らないたくさんのものが。言葉も、今とは違ったのに、みんな使えなくなっている」
     リョースケはやはり何を言ったらいいかわからなくて、ただ黙っているしかない。
    「そうしてみんな、大切なことも大切なものも、忘れて、わからなくなって」
     コハルの言葉はまるで独り言のようで。リョースケの存在を忘れてしまったかのようだった。
    「ああ私、悔しいのかもしれない。誰も彼も、忘れてしまって、私ばっかり必死で」
     知っていますか、とコハルはリョースケに問う。突然のことに戸惑うリョースケに構うことなくコハルは言葉を継いでいく。
    「キッサキに一年中雪が降る理由を、みんなこう思っているんです。キッサキ神殿にいる巨人を封じ込めるためだって」
     リョースケは、昨日コハルに聞いた話を思い出す。観光地にもなっているというキッサキ神殿。巨人がどうの、という話はたしかに聞いた。
    「たしかにそういう話もあるんです。今はキッサキ神殿にたくさん人が集まるし、観光でお金稼がないと、キッサキはやっていけないし。だから、そっちばっかり有名になるのは仕方ないんです。でも、私は」
    「冬の神様の方がいい?」
     コハルの言葉を代わりに引き継ぐ。彼女は軽く頷き、肯定の意を示す。
    「はい。私はそうだと思いたい」
     曖昧にコハルは笑う。
    「私は、やっぱり冬の神様がいるって信じたいんです。おばあちゃんが教えてくれたことが、本当だって」
     しばらく押し黙ったコハルはぽつりと呟く。
    「その声、歌うように美しく、凍てつく羽を持ち、その目閉ざされたのち、全てのものは頭(こうべ)を垂れる」
    「それは?」
    「冬の神様の伝承にある一節です。ふと思い出しちゃって」
     そうしてコハルは聞き逃してしまいそうなほど小さな声で呟いた。もう誰も覚えていないけど。

     一面に広がるは、白。
     空は飽きることがないようで、白い欠片が降り続いている。吐く息も白。太陽もないのにリョースケの目はちかちかした。
     どれだけ歩いたか、感覚も麻痺してわからなくなった頃。ぽっかりと開けたところに二人と一匹は出た。足は重く、持ち上げるのにも難儀するほど歩いたリョースケは、ほうと息をついた。
    「どこにいるんだろうね」
     ぽつりとこぼす。まだ先なのか、どこまで行けばいいのだろうと先を見る。雪に覆われた山肌が少しだけ遠くに見えた。なぜだか広場のようになっているそこには、木があまり生えていなかった。
    「……もう、戻りましょう」
     リョースケは傍らの少女を見遣る。本当にいいのと尋ねればコハルは首を縦に振った。
    「わかってたんです……どうせ私には見つけられないって。私の前に、冬の神様は現れてくれないって」
     それはまるで、先程のリョースケのようだった。だから、という訳ではないが、リョースケは何故と尋ねた。
    「きっともう、冬の神様は人間なんて嫌いなんです。忘れてしまった人間の前なんかに、現れてくれるはずなんてなかったんです」
     だから、もう戻りましょうとコハルは繰り返す。もう、いいんですと。
    「コハルちゃんがいいなら。わかった、戻ろう」
     コハルがそう言うなら仕方ない。そうして踵を返したときだった。
    「ユキちゃん?」
     それまで大人しくコハルに付き従っていたユキカブリが、怯えるように彼女にしがみついたのだった。コハルが足を止めたので、リョースケも歩みを止める。一体なんだと疑問に思った時だった。ぴん、と空気が張り詰める。
     高く澄んだ音が聞こえた。まるで美しい歌声のような。雪が降り積もっているせいか、音はあまり響かない。びゅう、と強く風が吹いて、はっとして二人は振り向いた。
     氷の鳥がいた。冴え冴えとした美しい羽に覆われた鳥は、リョースケ達をじっと見ていた。
     時が止まったかのように、誰も動かない、動けない。
    「あ、あ……」
     コハルがわずかに声を発するが、言葉にならない。
     動いたのは氷の鳥だった。それを見たリョースケは、反射的にかじかんだ手を動かしていた。
    「サクラ、かえんほうしゃ!」
     炎を纏ったポケモンが現れたと同時、リョースケは叫んだ。途端、冷気と熱気がぶつかり合い、蒸気と強風でリョースケは思わず目を閉じる。風がおさまり、前を見れば炎を纏った一角獣、ギャロップがいた。ギャロップは主人に視線をやるでもなく、氷の鳥を真っ直ぐに見ていた。
     対する氷の鳥は少しも慌てた様子もなく、ただ悠然とその場に留まっていた。
     これは神と言われるほどの力を持つことからくる余裕だろうかとリョースケは思った。しかしリョースケはこの考えを振り払う。今は考えているときではない。氷の鳥はどうやらこちらに敵意があるようだ、と判断する。不意打ちに近い形で何らかの技、おそらくは「ふぶき」を放ってきたのだ。コハルのユキカブリは当てにならない。戦えるのはギャロップだけだ。
    「サクラ、もう一度だ!」
     いきなりボールから出されたにもかかわらず、ギャロップはなんら躊躇うことなく口内に炎を溜め、それを放出する。氷の鳥は、目を閉じて攻撃するような様子を見せない。リョースケはわずかに違和感を覚えつつ、それを振り払う。炎タイプと氷タイプなのだ、タイプはこちらが優勢。このまま押せばいい。
    「もう一度、かえん……」
     リョースケが指示を繰り返そうとした時だった。氷の鳥が目を見開いたかと思うと、空気がぴしりと音を立てた。どう、とギャロップが雪の中に倒れ込む。
    「な……」
     リョースケは呆気に取られる。何が起きたのかわからなかった。ギャロップの炎は消えていないところを見るに、まだ息はあるだろう。けれど、これ以上の戦いは無理なのは明らかだった。このままではまずいとリョースケは思いながら、ギャロップから目が離せない。
     せめてコハルだけでも逃がさなくてはと、横に立つ彼女を見る。コハルは真っ直ぐ氷の鳥を見ていた。何を思っているか、リョースケにはわからない。喜び? それとも恐怖? とにかく守らなくてはと、リョースケはコハルの前に立とうとした。
     けれど、それまでコハルにしがみついていたユキカブリが、何か声を発しながら前へ出た。説得でもしようとしているのだろうかとリョースケは思う。同時に無茶だ、とも。しかし意外にも氷の鳥はユキカブリの声に耳を傾けているようだった。ユキカブリはこの土地のポケモンだからだろうか。ギャロップのような異分子とは違うのか。
     今のうちに逃げた方がいいのか、ともリョースケは思ったが、下手に動いて氷の鳥を刺激するのは良くないのではと考えると動けなかった。コハルも動く気がないようなので余計に逃げるのは難しかった。
     と、甲高い声が真正面から聞こえた。歌うような美しい声、というのは本当だったなどとリョースケは思う。次の瞬間、前から雪混じりの強い風が吹いて、視界は白で覆いつくされた。そこでリョースケの意識は途絶えた。

    「……さん、リョー……さん、リョースケさん」
     左頬にざらりと生暖かい感触を感じてリョースケは目覚めた。
    「サクラ?」
     声に反応してか、ギャロップは舐めるのをやめ、鼻先をリョースケの顔にぐっと押し付ける。リョースケはその馬面を優しく撫でた。ふと右を向けばやけに肌の白い少女の顔が見えた。
    「リョースケさん、大丈夫ですか」
    「コハルちゃん……」
     ギャロップを軽く押しやり、リョースケは上半身を起こす。まだぼんやりとする頭を軽く振る。
    「あー……ここは……」
     辺りを見回しても、どこもかしこも雪で真っ白でどこなのかわからない。どうやらコハルもわからないようだった。
    「まあ無事だったからいいか。ポケナビあるし方角わかれば多分帰れるよ」
     コハルは見るからにほっとした様子だった。
     それにしても、とリョースケは言う。
    「あー負けた負けた。完璧に負けた」
     せっかく起こした上体を、また雪の上に投げ出す。見上げても鈍色の雲があるだけの空。
     戸惑っている様子のコハルを置き去りにリョースケは言う。
    「完膚なきまでに負けたなサクラ。ごめんな、俺弱くて」
     あーくそとリョースケは仰向けのままひとりごちる。
    「やっぱり圧倒的だなー、敵わないや」
     清々しい顔をしてリョースケは笑う。
    「これですっぱり諦められるよ」
     あの、とコハルが遠慮がちに声をかける。
    「ん? ああごめん。何?」
    「大丈夫、ですか」
    「けがはないよ。頭を打ったわけでもない。ただ、そうだな、やっと現実を受け入れただけ」
     そう言って起き上がるリョースケだったが、首元に違和感を覚えてマフラーに手を突っ込む。
    「これって……」
     出てきたのはまるで氷のように透き通った羽。コハルも驚いたのか目を見開いている。
     氷の鳥、否、冬の神が落とした羽。太陽でもあれば光に透かして見るのに、などとリョースケは考え、無造作にコハルへ差し出す。
    「はい、コハルちゃん」
     目を白黒させ、コハルは差し出された羽を受け取る。
    「いいんですか」
    「何が?」
    「だって……」
    「いいんだよ、俺が持ってても仕方ないし。おばあちゃんに見せてあげなよ」
     そう言えば、コハルはやっと笑ってありがとうございますと礼を言う。
    「リョースケさんのおかげで、冬の神様に会えました。本当に、ありがとうございました」
     深々と頭を下げるコハルに、リョースケは慌ててやめてほしいと告げる。
    「お礼を言うのはこっちの方だよ。やっと、自分の弱さを認められた。ありがとう。これでようやく前に進める」
     さあ帰ろうとリョースケはコハルに手を差し出した。


      [No.3607] ここにシビルドンがいっぱおるじゃろ? 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2015/02/19(Thu) 01:11:02     107clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:シビルドン

    全部わしのじゃ。

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      [No.3302] 18歳以下お断り! 投稿者:きとら   投稿日:2014/06/23(Mon) 01:04:30     196clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:ホムラ】 【ウヒョヒョ】 【リメイクなにがあった】 【なにがおきた】 【けっきょく】 【かくのは】 【ダイハル】 【なんだね

    「よし、アクア団を止めることが出来たな!」
     マグマ団のリーダーが去っていったアクア団を見送った。幹部のホムラも団員の無事を一通り確認すると、さっと身構える。視界には入ってないが油断ならない相手だ。気が抜けない。
    「ホムラっ!!!」
     ホムラの真後ろから背中に張り付いて来たもの。それは人間である。ただしまだ子供である。正体など確認しなくても解りきっていた。
     アクア団との抗争に巻き込まれた旅のポケモントレーナー。名前をハルカという。赤いバンダナが猫の耳みたいだから、ホムラは猫と呼んでる。
     アクア団に絡まれてるところをホムラが助けた。のはいいが、それ以降こんな感じだ。
    「ねーねー、アクア団いなくなったよ!マグマ団の仕事終わりでしょ!?ねーねー!ねーえーねーえーーーー!!!」
     耳元で大声で叫ぶ猫は迷惑そのもの。ホムラも耳を塞いで無視。しかし背中から離れないハルカはホムラに話しかけ続ける。ホムラがリーダーのマツブサに報告する時も、同じく幹部のカガリに話しかける時も騒いでる後ろの生物。
    「うるせえ猫!!!!黙ってろ!!」
     ホムラが我慢しきれず、ついに怒鳴る。大抵の子供はそれで黙るし、離れていく。うざいのがいなくなってせいせいしたとホムラは前を向いた瞬間、首がぎゅっとしまった。まだ背中の生物は張り付いている!
    「きゃーっ!!ホムラ大好きいぃいいい!!!」
     子供のパワーを侮ってはいけなかった。



     カガリも事情をわかってるのにおせっかいなやつで、一度くらい遊んであげれば、とアドバイスしてきた。ハルカはカガリに完全同意。マツブサもそれに同意。ホムラの味方はいなかった。
     というわけでホムラはなぜかハルカと遊んでる。コンテストが見たいというからカイナシティのハイパーランク会場にやってきた。人ごみにまぎれて帰ろうと思っていたが、ハルカはホムラの手をがっしり握って放さない。一体、マグマ団の幹部という肩書きである身であるのに、何が悲しくてポケモントレーナーに混じってコンテストを見てなければならないのか。
     つまらなそうにホムラがコンテストを見てると、さらに隣に熱気がやってきた。ハルカが腕を組んでるのだ。逃げられないようにしているのもあるが、ホムラと目が合うととても楽しそう。
    「はぁ……」
     ため息しか出て来ない。会場の警備の人間には「妹さんの手を離さないようにしてください」と言われた。こんな妹がいたら追い出すか自分が行方をくらます方がマシだ。
     おそらくハルカはアクア団が悪くてマグマ団が助けてくれるいい奴だと思い込んでる。確かにマグマ団の主張が正しいが、やってることは法律すれすれのことばかり。そんな人間に何を間違ってこんなに懐いているのだか。
    「ホムラあのね!」
     コンテストが終わってカイナシティに出た瞬間、さらに腕を絡ませて近づいている。いきなり腕をほどいたと思ったら、ホムラの目の前にハルカが猫のように立つ。
    「なんだよ」
    「これってデートだよね」
    「猫の散歩はデートと言わん」
     ハルカが頬を膨らませる。これで離れていけばホムラも苦労しない。今にも背中を虎視眈々と狙ってるハルカ。
     着信を知らせるアラームが鳴った。ホムラの顔色が変わる。
    「猫、予定が変わった。お前先に帰れっても、帰れないだろうな」
    「なんで?」
     ホムラが指した方向をハルカが見る。反射的にハルカがホムラに抱きついた。
    「こんなところでアクア団に囲まれてるとはなあ。暴れんなよ」
     多勢に無勢だ。ホムラはハルカを脇に抱える。そして自分のグラエナに後ろを任せると、カイナシティの人ごみに逃げ込む。アクア団が追え!と叫んでいる。ここで捕まるわけにはいかない。アクア団がよからぬことを企んでるのは解っている。
     マグマ団の誰かには連絡したので、誰かが応援に来てくれるはずだ。それまで居場所を固定せず、カイナシティの人の多いところを移動する。ポケモンセンターに逃げ込んでハルカだけ置いて行く選択肢もあったが、目の前にアクア団がいたので慌てて引き返す。
     計算違いだ。まさかこんな街中でアクア団の集団に鉢合わせて、しかも喧嘩まで売られるとは。別のルートでグラエナが戻って来た。後をつけられてない。教えた覚えはないのに、優秀なグラエナだ。頭を撫でてやるとボールに戻す。
    「ホムラ? カイナシティに現れたアクア団は数が増えてるみたい。応援に行くより迎えに行くからアジトに戻って来て」
     カガリの声で通信が入る。思わずホムラは聞き返した。
    「はぁ?今こっちはお前らの策略のせいで猫一匹連れてんだぞ。俺にどれだけ走れって言うんだ」
    「あら、そこまで言うならカイナシティ周辺のアクア団をマップに表示してあげましょうか? これはホムラが逃げた方が妥当だと思うけど」
    「……いや、いい。どうしても一言いいたかっただけだ。それに何だか目の前が真っ青だしな」
     人ごみの向こうに見える範囲ではアクア団の青いバンダナばかりだ。ハルカを抱える腕がそろそろ限界だ。かといってあんな犯罪者集団のど真ん中に置いて行くわけにもいかない。ハルカが心配そうな顔でホムラの顔を見上げている。怖がってる。あの時と同じ顔だ。
    「撒け」
     もう一つのボールを投げた。空高くクロバットが飛び上がったと思うと、四方に黒い煙をまき散らす。もっている煙玉からの煙幕は止まらない。ホムラは煙の中を走る。
     子供とはいえ人間を抱えているのだからそれだけ息が切れる。自然と人の気配がない方向へと走っていた。灯台に着いた。誰一人の気配もしない。物陰に到着すると、ホムラは座り込む。肩で息をして、喋る気にもなれない。ハルカが何も言わずに膝の上に乗って来た。
    「……はい」
     ハルカはおいしい水をホムラに差し出した。無言で受け取ると、浴びるように飲む。口からあふれた水が、服やコンクリートを濡らした。
    「ホムラかっこよかったよ」
    「そうか」
    「……私はホムラが好き」
    「そうか」
    「……でも、もっと頼っていいよ。初めてあった時みたいに、もう私弱くないもん」
    「そうはいかねえだろ」
     ハルカの頭を軽く二回叩いた。もう立ち上がる気力もないが、庇うことくらいは出来るはずだ。日を遮る影を見上げて睨みつける。
    「マグマ団幹部のホムラ様もガキの保護者かぁ?落ちぶれたな」
     でかいのはアクア団幹部のウシオだ。こいつが来てるとなると、ことは難航する。トップのアオギリも嫌だが、こいつも十分嫌だ。ホムラの体格より大きく、直接殴り合えばこちらの命が無さそうだ。
    「そのガキを渡せ」
     威圧感のある声。腹の底から縮むような思い。もうこれ以上動けないホムラは最後の虚勢に出る。
    「はぁ? 貴様そういう趣味だったのかよロリコン」
    「正確にはそのガキの持ってるものだ。デボンから預かってるものを……」
    「も、もう渡しちゃったもん!だから持ってないんだからね!」
     ホムラの影からハルカが叫んだ。ウシオは顔色一つ変えなかった。むしろ背後から感じるオーラが余計に増えたようだ。無意識なのかハルカがホムラを掴む手が強くなる。
    「嘘ついてるんじゃねえだろうなあ。ガキ一匹はかせるのは簡単なんだぜ」
    「ウシオ、お前はこんな小せえガキに、威勢はってむなしくねえのかよ」
    「ガキだからって容赦はしねえ。アクア団の目的の為にはな。ついでにお前もここでつぶせる。一石二鳥だろ」
     いきなりホムラはハルカの頭を掴むと、地面に押し付けた。そしてその上を自分の体で庇う。ウシオの髪を切り、ホムラの背中を風の刃が通り過ぎた。
    「あーら、お兄さん。相手が違うんじゃない?」
     大型二輪のエンジン音を響かせてカガリがボールをかざす。クロバットが収納された。そしてホムラに対して合図を出す。
    「轢かれたくなかったら、そこを退くことね。さすがに鉄のかたまり相手に踏ん張れるほど丈夫じゃないでしょウシオ!」
     カガリが容赦なくウシオへ向かって来る。ウシオも避けるしかない。そして減速する鉄の塊にホムラは飛び乗った。停車したのは一瞬。バランスを崩すことなく、カガリはそのまま加速する。このまま逃がしてなるものかと、ウシオはモンスタボールを投げた。
    「追え」
     ゴルバットが追いかける。カガリはミラーに映るゴルバットを確実に捉えていた。舌打ちするとさらにアクセルをまわす。
    「すっ飛ばすよ。保護者のつもりなら最後までその子捕まえてな!」
     道路をほとんど無視してカガリは走る。偶然なのか、信号すら危ないと判断したのか、全てがタイミングよく青に変わる。何度か角を曲がり、カイナシティの端まで来るとゴルバットの影は見当たらなくなっていた。
     エンジンを切り、端に止める。しらない誰かのものらしく、鍵がついていたのでそのまま借りていたのだそうだ。都合よくあることに感謝する。
    「しかしこれからアジトに逃げるっていうのに」
     ホムラの背中に張り付いてるハルカを見た。
    「ごめんなさい」
     小さな声でハルカが言う。しかしホムラから降りようとしない。ウシオが怖かったのか、カガリの乱暴な運転が怖かったのか、ホムラをしっかりと掴んで離さない。
    「状況が状況だから仕方ないわよね。放り出すわけにもいかないし。ねえ、保護者さん?」
    「俺は保護者でもないし飼い主でもない」
     ホムラの反論は無視される。カガリはすでに歩き出していた。その時にやっとハルカがホムラの背中から降りて来る。そしてホムラの手を掴んだ。子供じゃないと言っていても、中身は子供そのものだった。
    「どこへ行くの?」
    「アジトだよ。アクア団から一時的に避難するにはそれしかねえ」
     部外者を入れることでマツブサに何かしら言われることは目に見えている。しかしカガリの言うように、状況が状況だったのだ。小さな子供をデカい体で脅かすようなやつの前において行くわけにはいかない。


     仮眠室とは名ばかりの倉庫にハルカを置いて、マツブサに報告しにいく。するとすでに入っていたカガリと揃ったところで怒りの言葉が聞ける。内容は部外者を連れて来たことではない。休暇中、しかも街中でアクア団に囲まれ、なおかつ逃げるしかなかったことだ。ガミガミと怒鳴ることはしないが、その言葉は怒りに満ちている。
     最近のマグマ団はアクア団に遅れをとっているとか、妖しげな研究をしているとか。とにかくアクア団の存在が最近横暴になってきたとマツブサは付け加える。
    「ところでホムラ。お前の愛人はいつまでここに置いておく気だ?」
     マツブサの言葉が何のことか解らず、ホムラは沈黙する。
    「あい、じん……あいつか!? 冗談きついです。俺は18才以下お断りだ!」
     カガリが吹き出す。顔をそらし、笑いをこらえている。ホムラの全力で拒否する姿は、今までに見たことなかった。
    「とにかく!アクア団から逃がしたんだし、帰ってもらいますから!」
     ムキになって去っていくホムラは、みんなのいい見せ物になっている。誰もがマツブサの愛人発言を真に受けていないのに。いつの間に二号さん作ったんですかとすれ違いざまに言ってきた部下の頬をつねった。
    「お!れ!は!子供に!興味ない!」
     マグマ団ならそんなの誰でも知っている。それなのに必死で否定するホムラが面白い。部下の頬を放し、無言で仮眠室へ向かうと、そこは楽しそうに団員と喋ってるハルカがいた。チョコレートやクッキーをもらえて大変ご満悦そうだが、その姿はさらに猫に見えた。
     ドアを開けたまま立っているホムラの姿を確認すると、ハルカは貰ったものを嬉しそうに持ってかけてきた。これもらったのーと自慢するハルカをはいはいよかったなと適当にあしらった。
    「で、お前らなんで餌付けしてんだよ。俺の味方はいねえのか!」
     団員に向かっていったが、彼らはしれっとした顔で言った。
    「えっ、ホムラさんの愛人っていうからちゃんと接待したんですけど」
    「違うわ!!!どこが!愛人だ!!ほら猫いくぞ」
     ハルカの手を握ってホムラは引きずっていく。いつまでも部外者をマグマ団のアジトに置いておくわけにはいかないのだ。ハルカはホムラから手を握ってもらえてとても嬉しそうだが。
    「あら、愛人つれていい御身分ね幹部のホムラさん?」
     入り口方向からカガリがやってくる。出会い頭に先制攻撃をされてホムラは何も言えなくなった。どんなにアクア団に突っ込んでいく怖い者知らずのホムラでも、カガリには勝てない。
    「でも残念だけど、外のデートに行かない方がいいわよ」
    「なん……まさか」
     カガリから全てを聞くまでもなく、状況はだいたいわかった。外にアクア団らしき人物がいるのだろう。それも出て行かない方がいいと判断したくらいの人数が。前からここがアジトだと張られていたようだ。すると今回の襲撃はアジトを特定するためのものだったか。ついでにハルカが預かってる何かを奪おうという、アクア団なら使いそうな手だ。
     このタイミングでそんなことになるなんて最悪だ。ハルカを見れば、さっきまで機嫌がよさそうだったのに、心配そうにホムラを見上げている。

    「いいか!仕事の邪魔したら速攻でたたき出すからな!」
     ホムラが使ってる情報処理の四畳半ばかりの空間の隅にある毛布の上でハルカはじっとしていた。つけっぱなしのパソコンをホムラが動かし、スリープモードから戻った。たくさんの文献をスキャンしたり文章化したものでいっぱいだ。必要なファイルを起動して、編集を加える。
    「わー、なにこれポケモン!?」
     いつの間にホムラの背中に張り付き、パソコンの画面を見つめていた。
    「邪魔だ退け」
    「やだー」
     何言っても無駄か、とホムラは黙って作業の続きを始めた。耳元が多少うるさいが、反応がないと解ったのかハルカもそのうち大人しくなった。
     アクア団が目を付けている古代のポケモンはカイオーガといい、大雨を降らせた逸話がいくつも残っている。そしてその力で海を広げた。そんな大雨に困った人たちを救ったのがグラードンと言われるポケモンだ。
     資料を反復していると、いつの間にハルカはホムラの膝の上に座っていた。本当に猫のようにするりと抜けて来る。前世はニャースでその癖が残っているんじゃないか。存在を無視することを諦めた。
    「ねえねえこれなに?」
    「カイオーガ。ホウエンの昔話によーく出て来る海を作ったポケモンだよ」
    「こっちは?」
    「グラードン。ホウエンの昔話によーく出て来るカイオーガの大雨から救ってくれたポケモン」
    「……この人」
    「これはウシオ、ポケモンじゃねえ。んなの知ってんだろ」
     アクア団の幹部だ。リーダーのアオギリのお気に入りその1。この体格でトレーナーだからまだ渡り合えてるものの、リアルファイトに持ち込まれたら勝てる見込みはない。アオギリの命令ならなんでもこなす。ハルカみたいな子供を力でねじ伏せることだってする。
     ホムラがハルカに会ったのもそんな現場だった。アクア団が海の博物館に盗みに入ったと聞いて、カイナシティに行ったのだ。もう解散した後だったのか、海の博物館にはほとんどいなかった。しかし少し離れたところで悲鳴が聞こえた。嫌だと言う声が、水を飲んでいるような声だった。誰かが海に落ちたのかと行けば、ウシオがハルカの頭を掴み、海に押し付けていた。どこへやった!?言わねえのか!と溺れる寸前で引き上げ、恐怖を叩き込んでいた。隣にいたカガリを息を合わせ、クロバットがウシオに飛び掛かり、その隙にホムラは海に飛び込んだ。むせているハルカを抱き上げ、もう大丈夫だからなと優しくしてやったのが全ての間違いだったとホムラは反省する。
    「わたしもう弱くないもん。アクア団なんて怖くない」
    「グラエナに勝ってから言え。毎回、お前のワカシャモ食われかけてんぞ」
    「むぅ……」
     強くするという訓練もしてやったこともある。が、ホムラの言う通りの結果に終わった。一番強いんだよと出して来たがその通りである。これじゃあ……とホムラは頭を抱えた。
     ハルカの相手をして、走り回って、アジトについてもハルカの相手をして。なんてついてない日なんだろうとホムラはぼーっとする頭で思った。対するハルカはホムラの膝の上でさっきのクッキーを食べている。こんなに興味ないと突き放しているのに自分の都合で寄って来る。まさに見た目と同じく猫なのだ。
     疲労を回復しようとしたのか、眠気を感じた。しかしハルカが邪魔で寝る事もできない。そのままの姿勢で眠さしか感じなくなった。ホムラが操作しないパソコンは再びスリープに戻る。ちらちらとホムラを見ていたハルカは、腕の間からそっと出ると、部屋の隅にあった毛布をホムラの肩にかけた。自分にも何か欲しいなとハルカは探す。ハンガーにかかった幹部用のマグマ団の制服を見つけた。ホムラがアクア団と戦う時にいつも身に付けている丈の長い赤いフード。ハルカはそれを取ると、それに包まった。大好きなホムラに守られているようだった。
     それから何時間かして、ホムラが起きた。少し寝てたな、と体を動かすと毛布がぱさりと落ちた。寝息に気付けばハルカが自分のマグマ団の制服に包まっていた。子供はさっぱりわからんなと落ちた毛布をハルカにかけてやる。パソコンの電源を落とすと自らも横になって眠りについた。


     朝になり、ハルカが目を覚ますとそこにいるはずのホムラはいなかった。代わりに自分に毛布がかけてあることに気付く。どこに行ってしまったのか探そうと立ち上がる。
    「起きてたか。飯くったら帰れよ」
     皿に乗ったパンとジャムを持ってホムラが来た。
    「美味いか?そのモモンジャム、カガリが作ったんだぜ」
    「うん。美味しい」
    「ついでにパンもカガリ作。あいつ何でも出来るとかあり得ん」
    「……何でも出来る人、すごいね」
    「強いしな」
     それから無言でホムラはパンを食べていた。ハルカはぺろっと平らげた。
    「絶対に今度はホムラのグラエナに勝つから!」
    「はいはい。がんばってください」
    「やくそく!それまでホムラに付きまとうから!」
    「なんでストーカー宣言なんだ。それに俺に付きまとってたらお前の大嫌いなウシオにも会うぞ」
     ウシオの名前を出した途端、ハルカの顔色が変わった。
    「でも……ホムラがいれば大丈夫だもん」
    「いつでもお前かばって戦えるわけじゃねえんだから、お前は逃げるが勝ちっつー言葉も覚えろ」
     食べ終えたハルカをアジトの入り口までつれていく。もう付近にはアクア団は見えない。
    「じゃあな。変なことに巻き込まれんなよ」
    「でもここにきたらまたホムラに会えるよね?」
    「部外者立ち入り禁止です。じゃあな」
     折りたたみ自転車を広げ、さっそうと去っていく姿は普通のトレーナーにしか見えなかった。
    「ホムラに会いたくてアクア団を探してるなんていじらしいじゃない」
     後ろにはカガリが立っていた。すでにマグマ団の制服を着て、数名の部下も一緒だ。
    「それでも俺は興味ない……あ、もしかしてカガリちゃんやきもちやっとやい……」
     ホムラの言葉は見事に無視された。


     昔話によく出て来る。そう聞いていた。その本物を目の前にしたのは中でも数人しかいないと思う。ハルカは目覚めたカイオーガを前に言葉が出なかった。低い声でうなるカイオーガは、そこにいる全員を恨んでいるかのように見えた。大きな波と共に海に潜ったかと思えば、カイオーガはどこかへと消えた。
    「最後まで邪魔してくれたな」
     アオギリがハルカを睨みつけた。どんなに強くなったと思っても、ウシオを乗り越えてアオギリにたどり着いても、あの時の恐怖が蘇り、体をすくめた。なんで誰も助けてくれないのか。後ずさりするが、どこにも逃げ場などない。
    「カイオーガの行方は後で追うとして、貴様にはたっぷり礼をしないといけないみたいだな!」
     アオギリの拳が風を切った。それだけでバランスを崩し、ハルカは後ろに手をついた。何かが視界に入る。顔をあげると殺気立ったアオギリが立っていた。殺される。生還の望みは薄く、ハルカは体をまるめて防御するしかできなかった。
    「おいおい、アクア団のおっさんってのはどうしてこうなのかね」
     獣の息づかいが聞こえた。大丈夫、と言うようにグラエナがハルカの頬をなめる。このグラエナはきっと、ハルカがずっと願ってた人のもの。グラエナをぎゅっと抱きしめた。
    「アオギリ、本当にやるとはな……地上が凄いことになってる」
     アクア団に負けない数のマグマ団がそこにいた。遅いよ、遅いよとハルカはグラエナを抱きしめながらつぶやいた。いつものグラエナの匂いは、ホムラがいつも連れていて、ワカシャモを何回か食べかけていたグラエナそのもの。頭に重さを感じて、ハルカは見上げた。
    「ガキのくせによくここまできたな」
     部下をほめるかのような顔だった。いつもアクア団と戦った後に部下を労る優しい顔。緊張感から解き放されて、嬉しいのと安心したのと、たくさんの感情でハルカは抱きついた。
    「ほむ、ホムラぁっ!」
     他の団員より少し長いマントはフードを被っていてもよくわかった。こんなところでも少しも変わらなかった。離れろとホムラは言ったが、うんともすんとも言わず、ハルカはいつもより力を込めてホムラに抱きついていた。
    「それこそ我らの理想……」
    「目を覚ませアオギリ。お前が一体何をやっているのか」
     アクア団とマグマ団のボス同士がにらみ合う。緊張感が高まり、今にも爆発しそうだ。それを先に解いたのはアオギリの方だった。地上にいるアクア団たちがアオギリに連絡を入れた。それと同時に鳴るマツブサのポケナビ。
    「なに、勢いが強すぎる?」
    「このままだと沈む、か」
     この洞窟に流れ込む海水もカイオーガを見る前より増えてきている気がする。ここから出ようと元来た道を引き返した。


     外は酷かった。前も見えない程の雨と、まだ昼間だというのに夜のような暗い空、耳を裂くような雷。カイオーガのいた海底洞窟の上は、浅瀬で波が弾けている深さだったのに、今では膝まで浸かっている。それがどういうことを示すのか誰も言わなくても解っていた。
    「こんなはずでは……」
     アオギリの視線は定まってなかった。稲妻に照らされた顔は先ほどまでの殺気が嘘のようだ。
    「現状を嘆くのはこの事態を収めてからにする。ホムラ!カガリ!」
    「はい!」
    「解ってますって!」
     マツブサの命令は簡単なものだった。幹部二人はいつものように部下へと指示し、自分たちも行動に出る。それを強く手を引いて妨害するものがあった。
    「どこいくの?」
    「仕方ねえだろ、誰も死なねーためにはやらなきゃいけねえんだよ」
    「危ないよ、ダメだよ!!」
    「お前こそ、こんなところいないでどこか高いところに避難してろ。わかったな?」
    「やだ!ホムラと一緒にいる!やだ!!わたしは!!よわくなんかない!」
     ホムラの手を離そうとしない。目を赤くして、雷に負けない大声でハルカはホムラを強く握る。振りほどこうとするほどホムラは子供に冷たくなかった。けれどこのままでは部下だけ行かせてしまうことになる。
    「知ってるよ。お前は強いよ。けどな、誰かがやらなきゃみんな死ぬんだよ」
     ハルカの目線に合わせてしゃがむ。あれだけグラエナが食おうと狙ってたワカシャモだってバシャーモになっただろ。そいつらと一緒にここまで来れたお前は絶対に弱くない。ここから先は俺たちがケリをつけることだ。お前はもう充分がんばったんだ。これから強くなるお前たちがここで死ぬことない。安全なところに避難しろ。
     ホムラはハルカの頭を優しくなでた。そして立ち上がるとハルカに背を向けて走り出した。波が高くてそうそう走れないが、ポケモンたちの力を借りてこの事態から身を守る術を知らない人やポケモンたちを助けなければいけない。雷鳴にまぎれて名前を呼ぶ声がした気がしたが、ホムラは一度も振り返ることはしなかった。少し空を見上げるとこんなときに空を飛んでいるものが見えた。
    「カガリ、少し出遅れたがいくぜ」
     ポケナビで作業開始の連絡を入れる。豪雨と雷で音声が聞き取りづらい。
    「そう思ったら人の二倍は働くことね」
    「まぁそう冷たくするなよ、俺たちの仲じゃねえか。それに……もうこうして会話すんのも最期かもしれねえんだし、それくらい……」
    「ホムラは父親のいない子供にするつもりなのかしら」
    「ウヒョ!?待って、もう一度言って、聞き取れなかったんだけどもう一度言って!?」
    「言ってほしかったら必ず生きて戻ることね」
     一方的に切られ、どういうことか状況を整理する間もなかった。これだからカガリは解りにくい。どんなにマグマ団たちからハルカが可愛がられようが愛人扱いされようが平気だったのだから、てっきり愛などもうないものだと思っていた。それでも時間の空いた夜には誘ってきたし、そういう扱いされてたのかと思っていた。解ってたならもっと早く言ってほしかったとか、任務があるから言えなかったんだろうなとか、終わったらもう労るしかねえとか。
    「ま、とりあえず死ぬなよお前らも」
     部下たちの気合いの入った声がした。移動のためのポケモンで空に舞い上がる。雷に注意して海面すれすれを飛べといった。部下が全員飛んだのを見て、ホムラも飛ぶ。ちゃんと逃げただろうかと不安になり、姿を探した。
     あいつは大丈夫だ。ちゃんと頼れる大人がいる。ちゃんと守ってくれそうなやつがいるんだ。……じゃあな、生きてたらまた会おうぜ。



     あれから、彼の姿は見なかった。あれだけ私に絡んできたアクア団もぱったりと見なくなった。
     人の縁は不思議なもので、出会ったり別れたりした。その中で、最も不思議な出会い方をして、別れ方をして、そして再び出会った人と結婚した。どこか子供っぽくてつかみ所がなくて、ダイゴさんはそんな人だった。
     時々、ダイゴさんにもホムラのことを話すことがある。というよりウシオとかアクア団の恐怖が私も知らない間にトラウマになっているらしく、そういう時にホムラの話をしていれば自然と怖くなくなっていたから。そんな時、ダイゴさんはいつも抱きしめて頭を撫でてくれた。そういうのも知っててダイゴさんは私を選んでくれたんだ。

     まだ子供ながらモンスターボールを携えた女の子は両親に向かって手を振った。トレーナーの第一歩を見送る父と母。よくある光景だ。けれど母親は本当は旅立ってほしくなかった。同じ年頃の時に酷い大人にからまれたことや苦労したことも含めて。
    「血は争えないね」
     ポケモンが好きでトレーナーになりたいという気持ちを否定することはできなかった。いつかの自分がそうであったように。
     少女は譲り受けたアチャモと一緒。タマゴの時からの知り合いだ。きっと楽しいことが待ってるはずだ。
     嬉しくて走り出す。どこからみても新米トレーナーは、金を巻き上げるにはちょうどよかった。
    「ねえお嬢ちゃん、勝負しない?」
    「俺たち勝ったら全額おいていこうか」
     にやにやと見て来る集団に、本能でやばいと思うが囲まれている。アチャモだって戦闘経験がそんなにあるわけではない。震える手でモンスターボールを投げた。
    「そんなガキから取り上げる金なんてタカが知れてんだろ」
     グラエナが集団にぶつかってきた。思わぬ乱入に集団はどよめく。歯茎をむき出しにしてうなるグラエナはとてもじゃないが敵わなそうだ。そのトレーナーはグラエナを手足のように使ってくる。不利だと悟ったやつから逃げ出し、最終的に誰もいなくなっていた。
    「あ、ありがとうございます」
    「もう大丈夫だ。俺もあーいうのに絡まれて強くなったんでねウヒョヒョ」
     帰るぞ、とグラエナに声をかけた。大人の男性トレーナーに、御礼を言うのが精一杯、なんてことにはなりたくなかった。
    「待って!あのね、お兄さん待って!」
     猫のように華麗な跳躍でグラエナのトレーナーに抱きつく。突然のことでトレーナーはそのまま前に倒れた。
    「あ、あのっ!名前教えて!!それと……」
    「なっ、離れてくれエネコ人間!」
     目をキラキラさせて背中に張り付いてくる子供を引きはがすのは大変だ。かかった時間は永遠の格闘に思えた。


      [No.3005] どうかまた 投稿者:砂糖水   投稿日:2013/08/02(Fri) 20:14:01     48clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     目が覚めたら、きっと。

     ここはどこだろう? ふと目覚ました僕は、見慣れない場所にいた。いつものように、あの人と一緒に寝たはずだったのに。あの人の腕の中は暖かくて、気持ちよくて、ふわふわとした気分で眠っただけだったのに。ここ最近は息をするのもつらかったけど、あの時はそんなことも気にならなかった。
     そういえば。今は全く苦しくない。もしかして、病気が治ったんだろうか。そしたら、あの人とまた一緒に外へ行きたい。あの人と一緒に太陽の下、どこまでも、どこまでも歩いて行きたい。ねえ、あの人はどこ?
     ああ、あんなところにいた。あの人が僕の方へ歩いて来る。そっか、迎えに来てくれたんだね。ごめんね、勝手に迷子になっちゃって。もうどこへも行かないから。
     ああ、ああ、なのにどうしてあの人は泣いているんだろう。僕が動けなくなってしまった時みたいに。僕が眠ってしまう時みたいに。ねえ、僕の病気、治ったみたいなんだ。だから、もう泣かないで。
     ねえ、ここは変な場所だね。石がいっぱい並んでいるんだ。なんだか不気味だ。だから、お家へ帰ろう。また、一緒に遊ぼう。
     なのにあの人は、僕なんか見えていないみたいに、僕の隣にある石の前にひざまずく。どうして。あの人は僕が好きだった赤い花を石の前に置く。ねえどうして、泣いているの。
     あの人は石の前で長いこと動かなかったけれど、また来るからと言って、のろのろと歩き出した。
     行かないで! 行かないで!
     ねえ、どうして連れていってはくれないの。がんばるから。力がないならもっとがんばるから。どうかまた、傍にいさせて。お願い。
     手を伸ばしても、あの人には届かない。あの人は僕を見ない。あの人は前に見た時よりもずいぶん痩せてしまった。
     どうして、どうして。置いていかないで。
     追いかけようとした。なのに、足は動かない。どうして。ああ、ああ、行ってしまう。あの人が行ってしまう。僕を置いて、行ってしまう。どうか、どうか。置いていかないで。
     あの人の背中が遠ざかって、小さくなって、とうとう見えなくなってしまった。ああ……。
     涙が出ている、とは分かるのに、頬を伝う感触がない。熱も何も感じられない。そのくせ、寒くて寒くて仕方なかった。あの人がいないからだ、きっと。

    「君は、死んだんだよ」
     顔を上げるとそこにいたのは、お腹に大きな口のあるポケモン、ヨノワールだった。
    「死んでしまったから、もう一緒にはいられない」
     ――嫌だ。そんなの、嫌だ。あの人と一緒にいられないだなんて、そんなの、そんなの。
     だけど、本当は分かっていた。僕が死んでいることくらい。でも認めたくなかった。また、あの人の傍にいたかった。
     俯いて、また涙をこぼす僕に、ヨノワールはこう告げた。
    「もし君に、覚悟があるのなら。もう一度、会える。一緒にいられる方法が、ある」
     ――お願い!
    「君は君じゃなくなる。それでも?」
     ――それでもいい!
     僕がそう言うと、ヨノワールは大きな手で僕を掴んで、お腹の口にぽいと放り込んだ。

     ――ここは……?
     気がつくと真っ暗な場所にいた。隣には僕を飲み込んだはずのヨノワールがいた。真っ暗なのにお互いの姿はちゃんと見えるだなんて変な感じ。
    「この先に、我が主がいらっしゃる。もし君に覚悟があるなら行って来ればいい」
     ――一緒に来てはくれないの?
    「君の覚悟はそれだけしかないの?」
     不安になって言った言葉をあっさりと返される。僕はぐっと言葉につまりながらもヨノワールに告げる。
     ――……行く。
     そう言うと、ヨノワールはほんのちょっぴり笑ったように見えた。
    「君の覚悟が、認められますように」

     暗闇の中をたったひとりで進む。どちらが前なのか後ろなのかも、上も下もわからないまま、それでも進む。全ては、あの人の傍にいるため。
     そうして、たどり着いた、んだと思う。そこにいたのは、大きな大きな、冥界の王様。王様だと、思った。だってこんなにも恐ろしい。大きな体を飾る赤と金が暗闇の中で眩しいほど鮮やかで。真っ暗な空間を泳いでいた。赤い目がぎょろり、と僕を見る。僕は動けない。
     王様は僕をじっと見たまま、口を開く。
    「哀れな獣の子よ」
     低い低い声が響く。あるのかないのかよくわからない体が震えた気がした。逃げ出してしまいたい。でもそれすらできない。
     願いは、ただ一つ。そのためなら、どんなに怖くても逃げちゃ駄目だ。僕は覚悟を決める。
    「死して尚、生を望むか」
     ――だって、あの人の傍にいたいんです。
    「お前は名も姿も、捨てることになる」
     ――それでも、一緒にいたいんです。
    「姿を変えてしまえば、きっと人の子はお前だと気がつかない。それでもお前はいいと言うのか」
     ――また、傍にいられるのなら。
    「もう、お前の名が呼ばれることはないだろう。お前であってお前でない名を呼ぶだろう。それでも?」
     ――それが僕の名前なら。あの人がくれる名前なら。あの人が呼んでくれるのなら。
    「お前は名や姿だけでなく、記憶をも失うだろう。全てを忘れても共にありたいと?」
     ――もちろん。それに、一番大事なことはきっと忘れない。
    「そうまでしても、人の子はお前を選ばないかもしれない」
     ――いいえ。きっと、連れていってくれる。選んでくれる。僕は、信じている。
     少しの間、王様が黙ったから、僕は不安になる。どうしてもどうしても、あの人に会いたい。お願い、どうかどうか。
     そうして王様は僕に告げた。
    「いいだろう。お前に今一度の生を。だがもし人の子がお前を選ばなければ、お前は今度こそ永遠の眠りにつく」

     気がつくと王様はいなくなっていた。これであの人に会える、の?
    「さあ、走って」
     王様の代わりに目の前にいたのはヨノワール。ヨノワールの大きな手が指差す。
    「あの光りを目指して」
     嬉しいと思う暇もないみたい。でも、いいんだ。
     ――ありがとう!
     ヨノワールにお礼を言って走る。
     走って走って走って走って走って走って走って走って走って走って……!
     ――眩しい!


     今日も墓参りに来た。もう、何度目だろうか。大切なものがいなくなった穴は埋まらない。今日はあの子の好きだったお菓子を持って来た。それを供えると、墓石の前でうなだれてしまう。
     ごめん、もっと早く気づいていたら。どうして、調子が悪いことに、それが病気だということに気がつかなかったんだろう。もっと早く、検査してもらっていれば。後悔はつきない。いつまでも泣いていたって、あの子が喜ばないことくらい、分かっていた。それでも、今はただ泣くことしかできない。
     ひとしきり泣いたあと、いつまでもそこにいる訳にもいかないから、立ち上がってのろのろと帰路につく。というのがここ最近のパターンだ。
     けれど、顔を上げたそこにいたのは一匹のヨマワルで。ふよふよと漂うように体に纏わりついてくる。送り火山にはこういうゴーストタイプのポケモンがたくさんいて、たまに人懐っこい個体もいる。何をしているの、と問いかけるように寄って来てはやがて飽きるのかいなくなる。あるいは、お供え物の食べ物に寄って来るだけなのかもしれない。このヨマワルもそうだと思った。
     供えた物が野生のポケモンに食べられるのは、供えた側からしたらやるせない。けれど、死んでしまっているのだからあの子は食べることなんてできない。だから、仕方ない。いつもそう言い聞かせて、自分を納得させている。
     食べるのは少し待って欲しい、せめて気持ちだけでもあの子に届けたいから。そうヨマワルに話しかけて立ち上がる。ああいい加減帰らないといけない。
     じゃあねとヨマワルに告げて歩き出す。けれど、ヨマワルはお菓子になど見向きもせずに後をついて来る。ほかにお菓子なんて持ってないよ、食べたいならそれを食べればいいよ、と指差す。けれど、首…はないので、体ごと斜めにしてヨマワルは不思議そうにこちらを見た。なぜそんなことを言うのだろうか、とでも言うように。その様子に、ずきりと胸が痛む。ああ、あの子もよくこんな仕種をしていた。
     いけない、考えるのはよそう、と頭を振ってヨマワルに構わず帰ることにした。けれど、どこまで行ってもついて来る。とうとう、送り火山の入口までついて来た。
     さあもう戻りなさい、と言ってもまだまだついて来そうだった。どうしたものか、と考え込む。きっと、このままだとずっとついて来るだろう。だったら、いっそ。
    「じゃあ、うちの子になる?」
     と言えば、嬉しそうに擦り寄ってきた。仕方ないなあと、笑う。笑うのは、ずいぶん久しぶりだなと思った。
     ちょうど、一匹分空いてしまったから。行こう、一緒に。


     ――あなたの傍に。



    ――――――――――――

    夏目友人帳15巻読んでマジ泣きした結果がこれ。


      [No.3004] Re: エルフーンとワルビアルについての悩み 投稿者:音色   投稿日:2013/08/02(Fri) 08:59:37     65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


     回答その1

     ワルビアルの上にランチョンマットの様なものを敷いたら如何でしょう?
     アイスが垂れてもたぶん大丈夫だと思いますよ。今度はランチョンマットがべたべたになりそうですが、それは洗濯してください。
     もちろん、ただ敷くだけではワルビアルの邪魔になってしまいますでしょうから、ポケモン用の麦わら帽子なんかをかぶせてから、その上に張り付けるようにつけてしまえば大丈夫だと思います。


     回答その2

     甘い香りワルビアルとかポケモンたくさん出てきそうですね。
     特に虫ポケモンが



    【こんなんでいいのかしら】
    【エルフーンもワルビアルも可愛いじゃないか】


      [No.3003] 境界 投稿者:音色   投稿日:2013/08/02(Fri) 08:41:00     51clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「門とは、空間と空間の境目に置かれるもの。つまり、ここから先は別世界ということを表しているんですね」

     一説によると鳥居は別世界への入口だとも言われている。他にも冷蔵庫やトイレから異世界に飛ばされたなんて話も書籍になっている。
     だからなんだって『境目』にあればいいんじゃないかとも僕は思っているが、初めてその話を聞いたときは気にも留めず、またそんなものかと妙に納得した。

     その話を聞かせてくれたエリートと呼ばれる部類の格好をしているトレーナーは、ここから先に行くバッチを持っていないと苦笑いしていた。
     では何故ここにいるのか。そう問うとこう答えた。

    「僕はね、ここで証を提示し、開いた道を潜り、吸い込まれるように進んでいく人々が閉じる門を見るのが好きなんだ」
     
     それはまるで、新しい世界へ旅立つようじゃないか。何時かボクもその門をくぐる時が来るまでは、眺めていたいなぁと思うんだよ。
     ふぅんそうなの。変わっているなぁとその時は思って、じゃあお先に、とだけ言って私は門の傍らに控える人物にバッチを見せる。
     門番が頷き、激励の言葉をもらって門が開く。黙って進む背中に、あの青年の視線が突き刺さっているのだろうか。
     鈍い音がして背後の扉が閉まる。振り替えても、そこには硬い扉があるだけだった。


     それが、二年前の話。

     直後に起こった事件のおかげで、あの場所へ通じる道は閉ざされた。
     あそこで幾多のトレーナーを通したあの門は、それを見守っていた門番は、そしてあの青年は胸を張ってくぐることができたのだろうか。
     23番道路に新しく設置された近未来的な代わりの場所は、スキャンシステムを採用して潜るべき場所を排除していた。 
     しかしそれはもう野暮というべきものなのだろうか。
     かくしてゲートは役目を終え、今も担っている。


    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    鳥居に出そうとしたけどどの辺が民俗・文化っぽいのかと聞かれたらどこもかすってないので泣く泣くあきらめた。うーん、何とかイッシュの、というかソウリュウっぽいものをだそうとして撃沈。そもそも僕は黒と黒2しか持ってないから近代的なソウリュウしか知らなかった。ホワイトに出てくるソウリュウならいい感じにネタにできたんだろうかね。わからぬ。
    あと短い。2000字すらない。記事に出すにはちょっと長いというね。そして記事っぽくもなかった件。
    上手くできなかった。バッチチェックゲート僕は大好きなんですけどね。そばにいるベテラントレーナーがかっこいい。
    リハビリしてこれとかなんかうん、レベル下がったな。がむばります


      [No.3002] エルフーンとワルビアルについての悩み 投稿者:NOAH   投稿日:2013/08/02(Fri) 06:42:08     135clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:ポケモン知恵袋】 【参加してみたのよ】 【エルフーン】 【ワルビアル


    イッシュ・ヒウンシティ在住の公務員です。
    俺のエルフーンとワルビアルについての悩みです。
    俺とエルフーンは甘いものが好きで、ヒウンアイスを良く買って食べるのですが
    エルフーンはいつもワルビアルの頭の上で食べるんです。

    しかもスプーンをうまく使いきれないのか
    溶けたアイスがワルビアルの頭にいつも零れてしまうんです。

    そのたびにアイスを拭き取ってやるんですが
    最近ワルビアルの頭からアイスのチョコレートの匂いがががが

    そのせいでエルフーンが余計に頭から離れてくれないし
    ワルビアルの頭を洗ってやろうと思ってもじめんタイプだからみずは苦手だから洗えないし―――……。

    アイスを食べないって選択肢はできません。
    厳しい公務の合間の数少ない至福の時間だし
    俺もエルフーンも、相当な甘党なので(笑)

    皆さんの知恵、お待ちしてます。


    【参加してみたのよ】


      [No.2717] Re: マサポケノベラーさんへ77の質問(2012年版)ちょっと修正 投稿者:クーウィ   投稿日:2012/11/12(Mon) 08:52:21     128clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:怪しからん】 【実に怪しからん】 【良いから原稿しろ】 【ムウコンも書け】 【ってか執筆しろ

    > ■あばうと みー■ 

    > ●1.My name is ○○○. まずは名前を教えてください。
    『クーウィ』です。漢字にすると『苦夷』となります。

    > ●2.↑とは言いましたが、実は×××とも名乗ってるんです…… HN複数持ってます?またそのHNは?
    ありまーせん。

    > ●3.年齢・性別・生息地などなど。あなたの正体プリーズ。勿論言える範囲だけでOK。
    30目前のレッドアラート全開中古オヤジ。ジョウトサファリゾーン在住。パート業で飯を食う人畜有害種。

    > ●4.オールジャンルで(※全てにおいて)好きなもの。
    (個人的価値観に照らし合わせて)性格の良いもの。強い意志。無常感。

    > ●5.オールジャンルで嫌いなもの。
    (個人的価値観に照らし合わせて)癪に障るもの。主張・建て前と合致しない御都合主義(ブーメランorz)。無意味・安直なホイホイ要素。

    > ●6.あなたの性格。自覚している長所や短所……
    長所は良くも悪くも頑固で諦めが悪い事。短所は挙げ始めると幾らでも出てきて鬱になるのでもう知らんorz

    > ●7.あなたを一言で表すと? 日本語でも英語でもスワヒリ語でもおっけー。
    ガキ大人。または人畜有害(

    > ●8.あなたの職業は? 真面目に答えてもボケてもいいですよw
    パート業妄想課現実逃避班勤務。立派なスネカジリニートです(撲殺

    > ●9.学校の教科で得意科目と苦手科目を一個づつ上げるとしたら?
    得意は国語。苦手は数学。

    > ●10.持ってる資格とか賞罰。何でもいいから書いてみると……
    書くもんねぇorz

    > ■インターネットライフ■
    > ●11.インターネット歴。いつからだったかなぁ……今何年になるかなぁ……
    多分5年位。ネットに触れたの自体が大学生活後半になってから……。

    > ●12.自分専用のパソコンって持ってます?
    持ってないっす。

    > ●13.ネットで便利だと思うこと。不便だと思うこと。
    便利なのは連絡を付けやすい事、情報に触れ易い事。不便なのは単純で騙され易い自分にとって情報の取捨選択が非常に困難な事。

    > ●14.お気に入りのサイト、教えてくださいw
    此処。

    > ●15.自分のホームページ、pixivアカウント、twitterアカウント等ありますか? 良かったらここでCMタイム。無論ジャンル問わず。
    HPは無い。管理できねぇし。 残りはソ連方式で(

    > ■ポケモンライフ■
    > ●16.ポケモン歴は何年? また、ポケモンにはまった原因って何?
    初年度からずっとなのでポケモンの歴史=ポケモン歴。小坊の頃友人がやってたのを横から見てて、オニドリルとダグトリオに惹かれたのが全ての始まり。

    > ●17.あなたの持っているポケモンソフトを教えて!
    本編がエメラルドダイパ以外全部。ダンジョンは冒険団以外全部。コロシアム系は2とXD。後はポケピンとカードゲームGBシリーズ、ポケナガやポケスク3DSかな? 兄弟の所有でやった事のある奴も含めれば更に多い。

    > ●18.こいつが俺のパーティだ! ゲームでのベストメンバー、教えてください。私はこんなコダワリを持ってパーティを選んでいます。なんてのもあったら。
    現ベストはカイリュー・リオル・ソーナンス・ドーブル・ドンファン・ゾロアーク辺りかな……? 旅パかどうかやルールによっても変わるので何とも。
    ただ対戦チームであらば、どんなルールでもカイリューとリオルは先ず外しません。全ルールこいつら入りで結果出したいなーと(苦笑)

    > ●19.アニメ見てるかー? ポケスペ読んでるかー? ポケモンカードやってるかー?
    アニメはオレンジ諸島辺りから不定期でそれ以後は離れてたけど、最近カイリュー加入したりオープニングにリオル出たりで帰って来た勢(  ポケスペは全巻あるけどまだ読んだのはホウエンの途中まで。カードはやってないけど、やってる方の語りやコレクションを見てると良いなぁって思う(汗)

    > ●20.一番好きなポケモン! どうしても絞りきれなかったら複数回答も可。
    カイリュー。 何? 嫁は渡せないだと……? 宜しいならば戦争だ。敢えて殲滅も辞さない。 ……寧ろ盟友になってくd(殴

    > ●21.一番好きなトレーナー! ゲームでもアニメでもポケスペでも……
    ポケスペのレッドさんとかシンオウのマキシなんかも好きだけど、やっぱイチオシは初代カントー四天王・キクコのばーさん。本編でもポケスペでもツボだったわ(笑) 
    後、ホウエンのアスナやミツル、シンオウのスモモみたいな真っ直ぐで頑張ってるキャラクターを見ると応援したくなる性分です。

    > ●22.一番好きな、技? アイテム? 属性? シリーズ? ……何かある?
    技は『自然の恵み』。アイテムは『なしのつぶて』。属性は『飛行』。シリーズは本編だけどポケダンも捨てがたい……。

    > ●23.21、22、23で答えた中から好きなお題を1つ、全力をあげて語り倒してください。惚気OK。親馬鹿OK。妄想暴走勿論OK。
    ポケダンから創作に入ったのでポケダン好きです。元居た掲示板の皆さんももっともっとお誘いしたかった……orz ポケダンは厨二々々してる作品が多いと言われますが、自分はそう言うのも好きなのでもっと増えて欲しいです!(笑) 恥ずかしがらずに書きましょう! 書いて……! 書くが良い(撲殺

    > ●24.ポケモンファンの聖地、ポケモンセンター。行ったことある?
    東京と大阪に。距離的には大阪が唯一射程内。遠いけどorz 

    > ●25.主人公の名前=ゲーム中でのあなたの名前は?
    『クーウィ』。昔は『ブルー』、続いて『ヘッジ』だった時期も。
    最近はメインロムは『クーウィ』で統一、サブロムは女主人公なら『マナリ』、男なら適当に思い付いたネタを叩っ込む感じ。

    > ●26.あなた自身をポケモンに例えると、何が一番近いですか?
    特性『怠け』のドクロッグ。

    > ●27.突然ですが、あなたはポケモンワールドのトレーナーだとします。名前、出身、手持ち、職業etc……「あなた」の設定を、参加型キャラメイキングの要領で。
    名前・クーウィ 出身・ジョウトサファリゾーン北部 手持ち・メガヤンマ、ストライク、オニドリル、ヘイガニ、コイキング 職業・元昆虫マニアのサファリゾーン付きパート職員

    > ■ポケモン小説書きライフ■
    > ●28.なぜポケモン小説を書こうと思った? きっかけになった作品とかあります?
    切っ掛けはポケダン空にて救助依頼を出す際に訪れた掲示板で、タクティス氏(旧称:ざり蟹氏)の二次創作小説を目にした事。同じ板には音色さんや朱雀さんもいて、依頼が受理されるまでにザッと読んだ後、自分でも暇潰しに書き込んでみたのが運の尽きだった。

    > ●29.連載派? 短編派?
    短編派。連載はネタは尽きぬとも、現状では書き切れるだけの根気も文才も時間も無いorz

    > ●30.公式のキャラクターは小説に出すほう? それともオリトレ派? ポケモンのみ?
    全部あり。……ただ、公式キャラはキャラクター像を壊さないよう気をつけなきゃならないので些か骨。それでも結構原作イメージぶっ壊すような過去捏造はやるけどね←

    > ●31.あなたが今書いている小説。ズバリタイトルは!!
    原稿以外なら、主には『城塞の島』と『鈍色の時代に』の二つ。

    > ●32.↑のあらすじ・特徴的なところ、ウリ等をどうぞ。
    城塞の島:銀波オルカさんのリクエストで執筆開始。時代色の強い作品で、御題はシュバドレの筈だが普通に歴史もの臭い雰囲気に(  
    以下原文より抜粋 
    『焔を上げて崩れ落ちる砦の脇で、汗と埃に塗れつつ、それでもいっかな興奮冷め遣らぬ大勢の兵士達が湧き立つ中、町の中心に聳え立つ建物から、銀色の十字架が引き倒された。縄を掛けられ引いて行かれるその先には、大量の粗朶が積まれていた。それが火に焼べられるのだと言う事を示していた。
     
     千二百九十一年、五月だった。ムルク朝の指導者・ハーシム率いる軍勢が、二か月近くに及ぶ攻城戦の末、東方に於ける西方異教徒最後の拠点である、アクムの町を陥落させた。
     ――本書で語られる物語の、凡そ二百年ほど前の事である。』

    鈍色の時代に:連載板で凍ってる奴(殴  二度の世界大戦を伴う激動の世紀に生を受け、一人の人間に拾われる事によって命を繋いだ、一匹のキュウコンの回想録。
    厳しくも幸せだったロコンの時代と、そこに訪れた非情な結末。最愛のパートナーを救う為、彼女の主人がとった行動から、その遺志を受け継いで己が生き様を決めた、ロコンのその後の足跡を辿る物語。
    『私の名は『森の主(ヒーテル)』  嘗て、『小さいの』と呼ばれたことがあった――』

    > ●33.あなたの小説の中で、あなた自身が一番気に入ってるキャラは? どんな所が気に入ってる?
    気に入ってるってキャラクターは実はあんまりいないかなぁ……? どっちかと言うと、物語にキャラクターが沿うスタイルなので……。
    強いて言えば、赤い月の主人公のザングースは書いてて楽しかったかな。ああ言う表面的に粗野な性格の奴は、地の思考も相まって非情に相性が良い。 後、昔やってた連載の主人公・リオル♀のピリマはそれとは逆の意味で思い入れがあるかも。……性格思考共に書き手とほぼ真逆で、無茶苦茶書き辛かったのでorz 

    > ●34.あなたが今まで書いた小説の中で一番気に入っている話はどの作品? どのエピソード? よかったらその部分、見せて欲しいなぁ……。
    一番気に入ってるのは『竜の舞』だけど、エピソードはまだ納得してないんだよなぁ……(苦笑) どっちかと言うと、覚えてるエピソード自体は打ち切り同然で凍結してる初代連載の方に多い気もする。
    以下は同連載より
    『……また、逃げてしまった。 しかしもう彼は、方角を見失うことは無いだろう。
    明るい表情で応えてくれた、目の前の波紋ポケモン。元は人間であったと言う、悩みや迷いを抱えつつも決して折れる事なく、真っ直ぐ今を見つめて生きようとしている大事なパートナーに、何時か正面から、本当に言いたかった事を告げる。その時まで彼は、自分に出来る事をやりながら、一歩ずつ前に向けて進んで行くと、しっかりと心に決めていたから。

    ――自分は、彼女にオボンの実を渡した。ズバットに一撃を受け、倒れかかっていた彼女の手を取って支えたし、スリープと戦っていた時は、突っ込んで行く彼女に向けて、側面から鳴き声で援護をする事も出来た。一切掲示板を読むことが出来なかった彼女に文字を教えているし、滝壺の洞窟で濁流に飲み込まれた時も、伸ばした手と手の間に生じた間隙を、埋める事が出来た。
    そう。実際に自分には、出来る事があったのだ。これまでも、そしてこれからも――。

    ピリマが自分を支え、守り助けてくれる若木であるならば、双葉である自分はその傍らで一刻も早く成長して若葉となり、隣の若木の根を守るべく、今辛うじて踏み締めているこの大地を、しっかりと固めよう。共に歩んでくれるその相手が、無事この記憶に映らぬ未知の世界に根を下ろし、あるべき場所を見いだせるように。
    微力な自分に、課せられた責任。……無論、自信なんて未だにこれっぽっちも無かったが、少なくともこれだけは言えた。  
    『出来る訳が無い』は、ただの言い訳に過ぎない――。』

    > ●35.オレの小説、何はなくともコレだけは頑張ってるぜ! ってのを最低でも一つ。
    伝えたいテーマの確立と布教(オイ)

    > ●36.逆に、ここんとこ何とかしたいな……これからの課題だ、ってのも一つだけ。
    兎に角遅筆! 後言っただけのもん書けってのorz

    > ●37.小説に出すキャラ(ポケモンも含)の名前、どんな感じでつけます? 例もあげて教えてくれたら嬉しいなぁw
    大体関係しそうな単語引っ張って来て切り張りしてます。若しくは他のとこからネタパクって来たり……。まぁ、大体の場合短編じゃ固有の名前はつけませんけども。

    ・シナド(マニューラ♂ 漫画『カムイ伝』の登場人物より もっと言えば『科戸(しなと)の風』から)
    ・ピリマ(旧連載の主人公 リオル♀ アイヌ語で『囁き』を意味する単語・『ピリマ』より 時空の叫びを始め色々不思議な能力の持ち主だったので アイヌ文化では何かがある時予め神様からそれを告げられる、『カムイ イピリマ(神の耳打ち)』と言う伝承がある)
    ・フィー(チルタリス♀ 語感)

    > ●38.ついでだから小説のタイトルの由来や、副題(あれば)のつけ方も教えてもらおう。
    興が乗ってればカッコつけで付ける事はある(  大体ゲームや何やのそれをパクって付けてますね……。

    > ●39.インスピレーションキタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━!! アイディアが湧いてくるのはどんな時?
    九割仕事中。残りは風呂や便所に入ってる時が殆ど。

    > ●40.あなたの小説主人公は、実はあなた自身の鏡? それともどっちかというと、憧れの姿??
    半々でしょうかね……? どっちかと言うと、思想的なもんを体現してる場合が多いです。ですので、憧れの方が若干強いかな?

    > ●41.小説中にバトル描写って出すほう?
    寧ろこれが一番書いてて楽しいですね(苦笑)

    > ●42.小説の中の性的描写、死ネタ、殺しネタ。あなたの意見を述べてください。
    好みは分かれますが、表現やストーリー上必要ならば躊躇はすべきではないでしょう。……ただ、やっぱり告知はして置くべき。後、評価を受ける場合はリスクを承知しておくことも重要ですね。

    > ●43.小説の中のやおいネタ、百合ネタ。あなたの以下同文。(意味が分からない人はパスOK)
    まぁこの辺は好き好きですので。自分はダメですけど、表現上必要なら覚えなきゃならん局面も出て来るんかねぇ……?(汗)

    > ●44.小説の中のオリジナル地方、オリジナル技、オリジナルポケ。あな以下同文。
    オリポケは余程上手く描写しないと扱えないと思いますが……それでも、描き切れるのなら悪くは無いでしょう。ただ、風当たりが強いのは覚悟しておくべき。
    技はパワーバランスを壊さない程度ならありかと。ポケダンにも連結がありますし、公式にも誓いなんかがあって妄想が膨らみ易いのは間違いないですし(苦笑)
    地方は個人的には全然問題ないと認識してますね。描写し切るのは大変ですが、そもそも公式のマップが切り張りで断片的ですから。

    > ●45.打ち切り……
    ウボワァー!! ……個人的には、凍結してても捨てちゃうと言う事は先ずないですが(苦笑)

    > ●46.アイディアが全然湧かない!!? どうしよう……。スランプと、その脱出法について一通り。
    取りあえず対戦する(  いや、ガチでこれ効くもん。一応対戦屋だし……。後、別のゲームとかに没頭して頭の中リセットしても結構捗る事がある。徹夜や早起きで頭が常と異なる状態に落とし込んでも進む事はあるけど、生活習慣に罅が入る事もあるのであんまりお勧めは出来ないorz

    > ●47.後の展開に繋がる伏線を結構張る方だと思う。
    張り過ぎて世界観が広がりまくったり、そのお話だけでは補完できなくなって分量や話数が増えていく口です(爆) 妄想は止まらない……。

    > ●48.ぶっちゃけた話、やっぱり年齢が高いほど上手い文章が書ける?
    テーマや内容には影響あると思いますが、ぶっちゃけ面白いかどうかは年齢やテクニック殆ど関係ないと思ってますねー。

    > ●49.この人の本が出たら絶対読む! この人の影響を受けている! 好きなプロ作家さん・同人作家さんっています? 愛読書でも可。
    上橋菜穂子、津本陽、熊谷達也辺りは確実に影響受けてると断言出来ます。後、藤沢周平や白石一郎なんかも。ラノベはスレイヤーズぐらいしか読んだ事無いですが、神坂一の影響は受けてるよなぁ(笑)
    同人ではやはり、マサポケの方々の影響が大きいですね。ポケノベさんやツタ本さんの方でもお世話になってます。

    > ●50.同人とかサークルってやってますか? 自分の本って出したい?
    自分でやってる訳じゃないからなぁ……(汗) 鳩さんに負んぶに抱っこなので何とも言えねぇ……。

    > ●51.語彙(ゴイ、使える単語量)ってどうやって増やします?
    本を読む。これ以外ない。

    > ●52.ムラムラと執筆意欲が湧いてくる……のはこんな時!
    出勤直前と深夜PC切った直後(爆) 書かせろ……orz

    > ●53.ポケモン以外の小説、書いたことありますか?
    構想はあっても実際に書いた事は無いですね。

    > ●54.小説を書く者として、一番大事だと思うもの。
    先ずは書き始める事。そして諦めない事。更に何より、自分が描き出したいものに忠実である事。 目標を持つ事は大事ですが、目先の評価や見栄に囚われ過ぎると創作者として腐る事もあるので、小心な方はその辺に注意した方が良いかなと。

    > ●55.他のポケモン小説書きさんの小説で、好きな作品を好きなだけ上げてください。
    好きなだけとか言い出したら死ぬので(ry)
    取りあえず現在『もっと読ませろー』なのは、
    No.017さんの『野の火』
    音色さんの『闇の歯車』
    わたぬけさんの『シュナとアルスの不思議な旅』
    がトップ3でしょうか……。 
    正直好きなとか続きがとか言い出すと、本気でキリがないのでここはこれで収めて置きます……。

    > ●56.他のポケモン小説書きさんの小説登場人物で、好きなキャラっています? 誰ですか?
    わたぬけさんの『シュナとアルスの不思議な旅』のアルス。カイリューですよカイリューしかも強くて格好良くて(以下略)
    スズメさんの短編に出て来るステイやアンリと言ったちびっ子ポケモン達。生き生きし過ぎでもう(以下略)
    No.017さんの『野の火』の白髭。好みどストライク。あの渋さは犯罪。
    きとかげさんのコマンドシリーズの面々。誰が特にと言うより、みんな揃っててこその魅力だと思ってる。
    乃響じゅん。さんとこのライチュウのライ。レッドさんと合わさった時の破壊力は異常。
    リナさんの嘘物語の桃太郎で出て来たオコリザル氏。あれはヤバかった。彼一人であのお話持ってかれたぐらい。白髭とは別の観点からどツボ。
    音色さんの『闇の歯車』で出て来た流牙兄さん。彼自身も良かったけど、妹の流波や後を継いだヒジリとの相乗効果は素晴らしいの一言。

    他にも多々。自分で書く場合はキャラクターあんまり意識しないけど、余所の子は好きです(笑)

    > ●57.密かにライバルだと思っているポケモン小説書きさんはあの人だ! 最低一人は上げてくださいねw
    目標的な意味ではなんと言っても鳩親びんことNo.017氏ですね(笑) 先ず、書いてる方向性が非常に近い(気がする) 作品拝見してても、「あー、こう言うのが書きたいんだよこう言うのがっ……!」ってのが圧倒的に多いし。上手い方は大勢おられるけれども、こう言う感情を持ったのは氏ぐらいしかいない。
    また、同じ板から来たと言うのと自分が書き始めるきっかけになった音色さんは結構意識する事がありますね。書かれるのすごく速いし、せめて置いてかれないようにしたいなぁ的な(汗)
    後、一作品の分量が結構近いきとかげさんには親近感があります。どの作品を拝見しても頭一つ抜けてるような印象ですので、良い刺激になりますね。

    > ●58.そういや今更だけど、ポケモン小説書き歴は○○年です。○○歳からです。
    3年越えましたね。そろそろベテランとまではいかなくとも駆け出しではなくなったんじゃないかなと自負してます。……うん、まだまだケツが青いですね(汗) 分かります。
    書き始めた年齢は伏せますが、大学出てから大分経ってですね。遅蒔きながらの厨二デビューでした(笑)

    > ●59.ポケモン小説書きをやっていて嬉しかった事、辛かった事を一つずつ。
    嬉しかったのは自分の抱いていた考え方や価値観が、読者の方に伝わったり共有して頂いた時ですね。 逆に辛かったのは、ってか辛いのは締めk(此処で終わっている……

    > ●60.何だかんだ言っても、自分の小説に誰よりハマッているのは自分自身だと思う……
    そりゃー我がの信条ですから我がが一番理解出来まっさ!

    > ●61.長く険しい人生。いつまでポケモン小説を書いていようかな……
    書きたいネタが終わるまでですね。今のとこは明確に決まってますが、それが終わってからも何かネタが浮かんでた場合は続くでしょうな(苦笑)

    > ●62.これからポケモン小説を書く方にアドバイスがあれば。
    取りあえず書いてみましょうよ! 恥ずかしがるのは後からで良いんです。一度羞恥心をふっ切って出したなら、改めて恥ずかしいと思いなおす頃にはあなたはもっと上手くなってる筈ですぜ! 後はもう勝手に回ります(笑)

    > ■おぷしょん1〜マサポケについて〜■
    > ●63.いつ頃この『マサラのポケモン図書館』に辿り着きましたか?
    二年前の夏でしたかね……? 前に住んでた板でお世話になっていた方に教えて貰いました。

    > ●64.『ほびぃすてぇしょん』『おきらく ごくらく』『旧・マサポケ』……何の事だか分かります?
    旧称らしいと聞いた事はあるのですが、詳しくは分かりませぬ……。

    > ●65.リアルタイムの親善空間・チャット。行きます? どれくらいの頻度で?
    最近は忙しくて覗けてないですね……orz 制限ないと毎晩でも湧いて出る性質ですが(爆)

    > ●66. 小説コンテスト出た事あります? 出てみたい?
    毎回お世話になっておりまする(平伏) 結構余所でも覗いてみたり書いてみたりしてますね。そう言う催しは大好きですので! 在庫(書きかけやネタ)整理にもなりm(撲殺)

    > ●67. ストーリーコンテスト・ベスト他、マサポケの本って持ってる? マサポケで本を出す事になったら参加したい?
    結構持ってますね。最近のは全部ありますが、昔の奴は残念ながら……orz 一度読んでみたいものです。

    > ●68.鴨志田さんや鈴木ミカルゲさんの事、どう思う?
    はう。

    > ●69.我らがマサポケ管理人、No.017さんに一言贈ってください。
    んぎゃあああああ申し訳ありませぬ!!(白目)

    > ●70.これからマサポケではこれが流行る! これを流行らせたい!
    オフ会なんかがあったら、マルチバトルの楽しさを少しでも広めたいですね〜。勝敗度外視の目隠しバトルは二転三転で楽しいですよー!(笑)

    > ■おぷしょん2〜どうでもいいこととか〜■
    > ●71.学校好きですか?(学生でない方は、好きでしたか?)
    うん、嫌いでした!(笑) まぁはみ出し変人でしたし苛められ役でもあったので正直居心地は悪かったですね……。
    大学まで行くと、嫌味や害意のある嘲笑よりも純粋な好奇の目の方が多くなってきてまだ幾らかは過ごし易くなりましたが、やっぱり放っておいて欲しい側としては心地良い空間じゃなかったです。大学の講義や研究活動は楽しかったのですけどね。

    > ●72.ポケモン以外で好きなジャンル、アニメ・漫画・ゲーム。あります? 何ですか?
    ジャンルは多少ミリタリーによってるかな……?(汗) ゲームもウォーシミュレーションやFPS、フライトシミュレーションなんかをよくやってます。
    漫画はあんまり読みません。手塚治虫や白土三平を少し読んだぐらいかなぁ?
    ゲームは前述の他に、戦略SLG系統を色々と、アクションゲームをちょこちょこと。ソニックシリーズや、格ゲーではスト2やサムライスピリッツシリーズなんかをやってました。パズルは落ちものは苦手でしたが、パズルボブルなんかは得意です。

    > ●73.音楽って聴きます? 好きなアーティストとかジャンルをお一つ。
    アーティストはパッと出て来ないですね……。基本クラシックとゲームBGMしか聴きませんが、民俗音楽(ケルトとか)や行進曲、『パリは燃えているか』の様な情景音楽も結構好きです。

    > ●74.ジブリの名作「となりのトトロ」の主人公って誰だと思います?
    久方さんの答えが秀逸過ぎて(笑) とうもころし以外に思い浮かばなくなっちまったじゃないすかー!!

    > ●75.ここでお約束、あなたの恋愛話v 言えるところまで言ってみよう!
    聞いてもしゃあないでしょ(苦笑) まぁぶっちゃけると、生涯の内で惹かれた異性は3人おります。容姿よりも性格に敬服させられた口で、御一方は御婆ちゃんでした。
    何故か一応告白された事もありましたが……非常に申し訳なかったのですが、自分個人の都合でお断りさせて頂きました。ですので、今後も如何なる理由があろうと、お付き合いさせて頂く事は無いでしょうね。

    > ●76.♪なりたいな ならなくちゃ 絶対なってやる〜…… 将来の夢は? 恥ずかしがらなくていいですよw
    宝くじでもなんでも良いので一発当てて、株や投資も絡めて左団扇で暮らしたいで御座る(撲殺  好きなタイミングで好きなものを書き、ほどほどに仕事すると言う感じの生活サイクルで生きていければそれに過ぎる贅沢は無いっすね(苦笑) ケシカランやつで御免なさい。

    > ●77.さぁ、最後です。……邪魔するものは何も無い。今の想いを込め、好きなことを叫べ!!

    締め切りがぁあああああああああああああaをごぉ!!?


      [No.2429] とおいちほう 投稿者:   《URL》   投稿日:2012/05/20(Sun) 05:21:31     135clap [■この記事に拍手する] [Tweet]



     サザナミタウン。
     夏のリゾートとして有名なこの場所に、防寒具を着込み、双眼鏡を構えて立つ私は、場違いに見えるだろう。それ以前に、今は冬なのだから季節外れだ。
     幸いシーズンオフでもあるから、奇妙な格好をして双眼鏡を海に向ける私に気を止める者は、誰もいない。私は安心して双眼鏡を構え、海を見る。変わらない、鈍色の塊を見つめている。

     不意に潮が吹き上がった。はい、と手を挙げるみたいに。


    「ねえ、このホエルコ、遠い場所から来たんだよ。ホウエン地方だって」
     幼い手の中の赤白のモンスターボールを、少女は高々と上げる。少女の遊び相手に選ばれた少年は、柔和な笑みを浮かべてそれを見る。その笑みと、彼のパートナーのツタージャは、似合っていた。どちらも草の雰囲気がした。

     昔々、といっても十年少し前のことだが、まだ少女だった私は、親がもたらす恩恵を自分のものとして、当たり前のように享受していた。そして、それを当たり前のように周りに見せびらかしていた。私の遊び相手、というより生贄に選ばれた少年は、いつも穏やかに笑って、私の自慢にもならない自慢を聞いていた。
     全く、私は馬鹿だったと思う。もしも過去に行けるのならば、過去の私を殴ってホエルコのボールを取り上げたいものだ。そんな私だったけれど、彼はいつも相手をしてくれていた。この時も、近くの川にホエルコを放って観察するという私の提案に付き合ってくれた。草の匂いのしそうな、あの柔和な笑みを浮かべて。

     河原を歩き、ちょうど良い滝壺を偶然見つけて、そこにホエルコを放つことにした。思えばそれだって、無茶な行軍をしたものだ。河原のすぐ上の道は気まぐれに切れていて、私と彼は何度も河原に降りて進まねばならなかった。道がすっかり低木で覆われていて、小枝を体で折るようにして進むことも度々あった。これでは満足に進めないと、私たちは河原を行くことにした。足に優しくない石ころにふうふう言いながら、川沿いをずっと進んだ。道中で現れた野生のミネズミやクルミルは、彼のツタージャに追い払ってもらっていた。そこまでされていて、滝壺に着いた私はお礼のひと言もなかった。彼がそうして従者みたいに付いて来るのを、当たり前に思っていたのだ。今なら分かる。過去の私は調子に乗ったクソガキで、彼は得難い友であった。そういうことは、いつも失ってから気付くのだ。昔々の人々が、何度も繰り返し言ってきたように。

     私たちは滝壺でホエルコと触れ合った。私はすぐ飽きてしまって、河原に転がっている、一見綺麗そうな石を見繕い始めた。その時の石ころも、持って帰ったのにいつの間にか失くしてしまっていた。
     彼はというと、ずっとホエルコに向きあって、肩にツタージャを乗せたまま、そのゴムみたいな肌をいつまでも触っていた。「お前はどんなところから来たの。ホウエンって暑いところらしいね。こっちは寒かないかい。あっちの海もこっちと同じくしょっぱいのかい」……そんなことを言っていたように思う。
     ツタージャの冷たく赤い大きな目と、彼の草を思わせる目が、ずっとホエルコに注がれていた。人間である彼はともかく、ポケモンであるツタージャがずっとホエルコを見ていたことが、印象に残っている。


     それから年が少し巡ったが、私と彼の関係は変わらなかった。私は相変わらず親の力でポケモンを手に入れては、彼に見せびらかしていた。彼は黙って、ツタージャ一匹を連れて、いつも微笑んでいた。ツタージャしか連れていない彼に、私のポケモンをあげようかと言ったこともある。彼はもちろん穏やかに断った。全くもって愚かな人間の子どもの言うことだが、最後にそれだけは果たしたことになる。
     少し変わったのは、あの夏のこと。

     中等学校の一年目を終えた私は、その日、女友達数人と意味のないことではしゃいでいた。町の中心部に出てカラオケかウィンドウショッピングか、その他その年頃の女の子が考えつきそうなことを計画していた。その行く先の、道の真ん中に彼が立っていた。
    「あ」私は嫌な顔をしたはずだ。中等へ上がって以来、彼と人前で話すのは極力避けていたのだから。クラスメイトに彼と付き合っていると思われるのが嫌だという、子供っぽい理由だった。私は彼を避けた。そして、その内彼と話すこと自体なくなっていた。
    「こんにちは」と彼が言った。その声は低く穏やかで、柔な草が若木になったような、そんな印象を抱かせた。ただ、それは後で感じたことで、その時は……彼が私の知らない間に声変わりしているのが、悲しいような、悲しくないような、そんな衝撃を受けた。
    「少し、いいかい」声変わりした声で、彼が言った。女友達が何かを暗示するように私を見る。「大事な話なんだ」彼の言葉が彼女たちの妄信に拍車をかけた。意味のない音を漏らしつつ、彼女たちは私の肩や腕を叩き、やたらとにやにやしながら彼を避けて道の先へ消えていった。

     後には彼と私だけが残された。
    「何の用なの」つっけんどんに私は言った。彼はいつかと同じ、柔和な草を思わせる笑みを浮かべて言った。
    「旅に出ようかと思ってさ。ほら、夏休みだし」
     旅? と私はオウム返しに聞いた。そう、旅、と彼は返した。
     旅には、本格的なものには中等を出てから行く人が多いのだけれど、その時の彼みたいに、長期休暇を利用して行く人も、結構いる。長期休暇が始まると旅立って、終わる頃戻ってくる、そんな期間限定の旅。
    「いいんじゃない」
     私は何故か安堵して、そう言った。男子はよく行くし、夏休みが終われば帰ってくるし、いいんじゃない。私はそんな風に安心したのだ。
    「そっか」彼はまた柔和な笑みを浮かべて言った。「じゃあ行こうか、ツタージャ」
     不意に草蛇が、彼の背中から生えてくるようににょっきりと顔を出した。涼やかな赤い目が彼を見つめ、ぴうい、と小さな声で鳴いた。
    「皆、行っちゃったね。ごめんね」
     彼は女の子たちが去って行った道の先を眺めていた。そして、私を振り返ると、「君には言っておきたかったんだ」と言った。
    「別にいいよ」言ってから、ぞんざいな返事だと気付いた。
    「別に、今生の別れってわけじゃないんだしさ」
     彼は戸惑ったように目を迷わせて、「それじゃ」と言った。私は「またね」と言った。彼の服の背に手足を引っ掛けたツタージャが、赤い大きな目で私を見た。悠々、といった風格を漂わせるツタージャに、私は何故か、負かされた気がした。

     彼がいない夏休みは、別段寂しくはなかった。友達とは遊びに出るし、宿題もするし、ポケモンの世話もする。ただ、強いて言えば乳歯が抜けた時のような、座りの悪い思いをしていた。
     私は夏休みの大方を、ポケモンを強くすることに費やした。親に貰ったホエルコを中心に、やはり親に貰ったアブソルやマイナンやスバメなど、ポケモンバトルの訓練をした。私は、親に貰ったポケモンもその内飽きて、結局親が世話をしているということが多かったのだけれど、彼に見せたのと同じあのホエルコだけは、自分で面倒を見ていた。
     そうして夏が過ぎた。私は夏休み中にホエルコを進化させようと頑張っていたのだが、それは叶わなかった。学校が始まり、私は教室で彼の席をちらりと見る。始業式には彼は来ていなかった。彼が戻ってきたのは、新学期が始まって二日目になってからだった。少し、日焼けしていた。けれど、ツタージャは変わらずツタージャのままで、私は少しだけホッとした。

    「ごめんごめん、少し遅くなって」
     放課後、私は彼と話をした。学生がよく行くファーストフード店で、私はジュースだけ頼んで席に座った。彼はハンバーガーセットをひとつ頼んでいた。そんなによく食べる方ではなかったのにな、と私はふと思った。
     旅に出て、なんとなく、彼が変わったように感じていた。話し方や行動が、ほんの少しだけ、きびきびしている。多分それは若木が樹皮を固め始めたような、確固たる芯を手に入れたような、そんなものなのだ。
     彼のツタージャはまだ、ツタージャのままだけれど。

     ちょっと道に迷って、と付け足したのは、新学期に遅れた言い訳なのだろう。私に言っても仕方ないのだけれど、と思いながら相槌を打った。
    「旅先では色々あったよ。道に迷って、海に落ちて、ランセ地方まで行っちゃって」
    「ちょっと待って、それ、どこ?」
     彼は頭を振って、よく知らない、と答えた。とにかく、彼はツタージャと共に海に落ちて、ランセ地方まで流れてしまったのだそうだ。
    「右も左も分からないし、本格的に道に迷ってしまって、困ってるところをアオバの国の」
     そこで彼は言葉を切った。私は別なところに引っかかった。
    「国? 地方の中に国があるの? 普通逆じゃない?」
    「ランセ地方ではそうなってるんだよ」
     だとすれば、彼は見当もつかない、よっぽど遠い場所まで行ったのだ。
    「国って呼ばれてるけど、規模は僕らの言うタウンぐらいだよ。そこのブショー……ジムリーダーみたいな人に助けられてね」
     彼が漏らした言葉を気にしつつも、跳ね上がった彼の語尾に注意を取られる。私はストローを口に咥えなながら、「それで?」と先を促した。彼は話した。若木みたいな声で、本当に楽しそうに話した。

     ジムリーダーみたいな人、モトナリさんに助けられ、ずいぶん世話になったこと。そのモトナリさんもツタージャを連れているそうで、モトナリさんと彼はそれで息が合ったらしい。きっとモトナリさんも、彼みたいな草っぽい人だろうな、と私は密かに思った。

     ランセ地方では変わったファッションが流行っているようで、全体的にゆったりしたものが好まれているらしいこと。例えばモトナリさんは、二段構えの不思議な帽子を被っていたらしい。これは説明を聞いてもよく分からなかった。

     ランセ地方でポケモンを育てられるのは、才能ある限られた人だけ。皆がモンスターボールを持ってポケモンを持てる地方じゃないんだね、と私が言うと、そもそもモンスターボール自体ないんだと彼が言った。私は声に出して驚いた。
    「モトナリさんも驚いてたよ」彼は笑った。
     モトナリさんはモンスターボールにいたく興味を示し、出来ればじっくり研究したいとまで言ったそうだ。しかし、彼はツタージャのボールしか持っていなかったので、その件は保留にしたと言った。
    「今度行く時に、ボールをいっぱい持って行くんだ」
     モンスターボールだけじゃなくて、他の種類のもねと彼は嬉しそうに言った。
     その今度がいつなのか、どうやって行くつもりなのか、私は尋ねなかった。

     その夜、私はベッドに寝転んで、電気も消さないまま、ぼうっと天井を眺めていた。家に帰ってから、私はまず地図を調べた。けれどランセ地方という文字は、私の持っている地図のどこにもなかった。探し方が悪かったのかもしれない。地図に載らないような、遠い、遠い場所なのかもしれない。私はホエルコの入ったボールを高く上げた。赤と白の球体の向こうは、どうしても見透かせなかった。そして、思い描いた。
     誰もポケモンをモンスターボールに入れない世界。一部の人だけがポケモンを連れて歩いている。人は皆ゆったりした服を着て、畑を耕したり、山菜を取ったりしている。二段構えの帽子を被ったモトナリさんはそんな国の人の様子を眺めて、傍らのツタージャに話しかける。
     うまく想像できなかった。
    「お前もそんな遠くから来たのかい」
     ボールの中のホエルコに話しかける。返事はない。生まれ育ったところと余りにも勝手の違うところへ来たら、寂しかろうなと私は思う。それとも、余りに遠すぎて、故郷を思うことさえ辞めてしまうだろうか。
     お前は帰りたいかい、ホエルコ。それとも……
     いっそのこと、もっと遠くへ行きたいかい。
     私は心の中でだけ、ホエルコに問いかけた。

     彼の二度目の旅立ちは、中等卒業の時にやってきた。ホエルコはホエルオーに進化して、ツタージャはツタージャのまま、私たちはその日を迎えた。
     彼は、色んなモンスターボールが入った袋を背負っていた。
    「じゃあ、行ってくるよ」
    「うん」
     夏のサザナミ湾から少し南に外れた、ひと気のないビーチで、彼は言った。それから、ホエルオーをしばらく貸してほしいと言った。ランセ地方へは海を渡らねばならない。ランセ地方から帰る時は野生のホエルオーに頼んだが、こちらで同じことは出来ないと言う。きっと、モトナリさんがホエルオーに頼んだのだろう。
    「いいよ」
     快諾して、私はホエルオーのボールを彼の手の中に落とした。
    「でも、ちゃんと返してよ」
    「分かってるよ」彼は枝葉を広げ始めた木の趣きの笑みを浮かべて、言った。
    「まずは一年ほどで戻ってくるつもり。少なくとも、再来年の年明けまでには帰るから、待っててね」
     そう言って、彼はホエルオーに乗って大海を行った。私は彼の姿が見えなくなっても、しばらく水平線に向かって手を振り続けていた。

     後はお察しの通り。年が明け、一年経ち、二年経っても、彼は戻らなかった。

     鈍色の海の中から、不意に玉を撒くような、潮の柱が立ち上がる。何度目だよ、と思いながら私は見ている。もう、今年はこれくらいにしておくか。
     私は荷物をまとめ、冬のサザナミタウンから引き上げることにする。来年はもう、来ないかもしれない。いや、やっぱり来てしまうだろう。
     だって、彼は帰って来なければならないのだから。貸しっぱなしのホエルオーを、返してもらわなければならない。モトナリさんがどれだけモンスターボールを喜んだか、アオバの国の外はどうなっていたのか、話してもらわなければならない。それとも、お前はランセ地方に根を張ってしまったか? あるいは、ランセ地方からさらに、遠い場所まで行ってしまったか?
    「帰って、来おい」
     私のささやかな願いは潮騒に消える。鈍色の海は変わらず、陽の光を物憂げに弾いている。





     ランセ地方ってどこにあるのでしょうか。地方というからには地球上にありそうな、でも遠そうな、簡単には行けなさそうな、そんなふいんき(何故か変換できた)

    【何してもいいのよ】


      [No.2428] 過去作品ですがポケライフ登録します。 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2012/05/19(Sat) 19:31:26     91clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    このように過去作品に【ポケライフ】タグをつけても構いません。
    イラストにしたら面白いものあればぜひ。


      [No.2427] 【ポケライフ】鳩急行のイラコン連動企画のお知らせ 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2012/05/19(Sat) 16:10:55     99clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    えー、この度、きまぐれから、私が過去に運営していたイラストコンテストを期間限定で復活させる運びとなりました。

    ■鳩急行のイラコンSP
    http://pijyon.schoolbus.jp/irakon/

    ●お題
    「ポケモンのいる生活」

    ●お題について
    もしもポケモンがいたら……一緒に何をしたいでしょうか?
    一緒にご飯を食べたり、お昼寝したり、ちょっと街へ出かけるのもいいかもしれませんね。
    街へ行くといろんなお店があります。
    お花屋さんやカフェ、パン屋さん、アイスクリームの屋台……そこではどんなポケモンが手伝っているでしょうか。
    お父さん、お母さんもポケモンを持ってるかもしれません。
    家事を手伝って貰ってるかも。通勤の時、背中に乗せて貰ってるかも。
    ビジネスマン、OLさん、看護婦さん……ゲーム中のトレーナーを見回してもこの世界にはいろんな人がいます。
    彼らはポケモン達とどのように暮らしているのでしょうか?
    あなたの考えるポケモンライフをイラストにしてください。

    ●募集期間
    5月19日(土)〜7月28日(土)


    せっかく、イラストジャンル、小説ジャンル双方にお友達がいるので、
    まことに勝手ながら管理者権限で、小説クラスタも巻き込みたいと思います。
    以下のことをやろうと思います。

    ★イラコン開催期間中、お題をイラコンと同様の「ポケモンのいる生活」とします

    ★参加作品は題名の頭に【ポケライフ】をつけてください

    ★このタグがついた作品には「イラコンでこの絵を描いてもいいのよ」と意志表示したものとみなします





    小説クラスタのみなさんの参加、お待ちしております。


      [No.2426] 夢を集める人 投稿者:紀成   投稿日:2012/05/17(Thu) 19:37:31     106clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    ごくたまに、カフェに野生のポケモンがやってくることがある。
    それは雨の日だったり、よく晴れた暑い日だったり、とても寒い日だったりする。つまり、来る時期や時間帯は定まっていないのだ。
    一体何処から来るのか、ライモンでは見ないポケモンも来たりする。以前冬にバニプッチがやって来た時には、それはもう驚いたものだ。
    バニプッチは主にホドモエ・ネジ山にしか生息していない。餌が少なくなっているのだろうか。だがそんなことを抜きにしても、野生ポケモンを餌付けするわけにはいかなかった。

    「かわいそうだけどね……」

    街中にカフェを構えている以上、生態系はきちんと把握しているつもりだ。遠い地方で人間の食事の味を覚えてしまったポケモンが人里に下りてきて、多大な被害を齎しているという話も後を絶たない。自分がしたことが後に巨大な問題にならないとも限らない。
    だが。

    「何でそんな目で見るのよ!まるでこっちが加害者みたいじゃない!」

    ゴミ(生ではない)を捨てようと裏口のドアを開けた途端、幾つもの目がこちらを見る。なんというか……純粋な子供の目だ。相手を疑うことを知らない、純粋無垢、穢れなき色。ポケモンによって色は様々だが濁っていないことは間違いなかった。
    ユエはうっと言葉を詰まらせる。が、ブンブンと首を横に振る。そして叫ぶ。

    「私はね、貴方達にとっては敵なの!餌が欲しいならどっかの年中餌ばら撒いてる阿呆共の場所にでも行きなさいよ!」
    「ユエさんどうしたんですか」

    ハッとして後ろを向くと従業員の一人が焦った顔でこちらを見ていた。見ればバイトと従業員も怯えている。しまった、と思ったがもう遅い。変なところで剣道部女部長兼主将のスキルを発揮してしまったようだ。

    「ごめんね。野生のポケモン達が餌を集りにくるもんだから……」
    「あー、アレですか。私も何度か見ましたよ。あげてませんけど」
    「本当に?」
    「本当に」

    そんなやり取りが二日ほど続いた、ある夜のこと。既に店は閉め、後片付けをしているところだった。
    裏のドアを叩く音がする。

    「?」

    不審に思ってスタッフルームにある箒を一本取り出す。利き手は左。右手でドアノブをまわして――

    『こんばんわ。夜分遅くにすみません。珈琲一杯いただけませんか』

    子男が立っていた。身長はユエの胸の辺り。刑事コロンボのようなダボダボのコートを着ている。帽子で顔が隠れていてよく見えない。だが怪しい匂いがした。

    「ごめんなさい。もう今日は……」
    『待ってください。ここのカフェを探していたらこんな時間になってしまったのです。お願いです。カントー地方からやって来たのです。一杯だけ』
    「カントー地方!?」

    カントー地方はイッシュから一番遠い地方にあたる。船で四日、飛行機を使っても乗り継ぎの時間を入れて三日はかかる。今まで来たお客で一番遠かったのはシンオウだった。(ちなみに従姉妹はお客には入らない。ホウエンだけど)
    ユエは改めて相手を見た。この季節には会わない厚手のコート。右手には革製の鞄。ステッカーを貼れば旅行鞄として使えるだろう。だがそういう使い方はしていようだ。かなり年季は入っているようだが……

    「分かりました。どうぞお入りください」
    『ありがとうございます!』

    男はカウンター席に座った。視線を感じながらユエはゼクロムをいれる。ブルーマウンテン、キリマンジャロ、モカなどの豆を取り出す。きちんと計らないとこの独特の味は出ない。当たり前だが。
    しばらくして、いい香りがしてきた。特製コーヒー、ゼクロムです、とユエは呟く。男は目を閉じて香りを嗅いだ後、一口含んだ。

    『素晴らしい。今まで飲んだ中で一番のコーヒーです』
    「ありがとうございます」

    ふと、ユエは彼の横に置いてある鞄が気になった。視線に気付いたのか、男が切り出す。

    『気になりますか』
    「……ええ」
    『それでは、閉店時間過ぎに見知らぬ客人をもてなしてくださった貴方に敬意を表して』

    男が鞄を開けた。ユエは息を呑む。中には色とりどりの硝子瓶が入っていた。赤、オレンジ、黄色、緑、青、藍色、紫、白、黒、ピンク、グレー、黄緑、水色、金、銀……まるで何十色ものクレヨンや色鉛筆のようだ。
    呆然とするユエに、男はニヤリと笑って言った。

    『これらが何か、お分かりになりますか?』
    「いえ…… 何かしら」
    『夢ですよ』
    「夢!?」

    夢。『眠っている間に見る物、何か強い望みなどのこと』という辞書のような説明が頭の中で渦巻く。だが夢は実体がない。瓶に入れられるなんて聞いたこともない。
    訝しげなユエに男は構わず説明を続ける。

    『人は夢を見る生き物です。私の仕事は眠っている人間の寝床にお邪魔して、彼らが見ている夢を少しだけ取らせていただくことです』
    「お邪魔って……」
    『流石にセキュリティがきついマンションなどには入れませんが。私には協力してくれる仲間が沢山いるんですよ』

    そこで、男はフウとため息をついた。今までとは違う雰囲気に、ユエは引っかかりを覚えた。

    『しかし、最近は少々仕事が成り立たなくなっておりまして』
    「セキュリティうんぬんってことですか」
    『いえ、それよりもっと悪いことです。私どもが取るのは子供達の夢です。彼らが見る夢はエネルギーが強く、時折素晴らしい質の物が取れることがあるのです。
    しかし最近は…… 彼らが夢自体を見なくなっているのです』

    夢を見ない子供。それはつまり……

    「現実的ってことですか」
    『おっしゃる通りです。将来こんな仕事をしたい、こんなことをやりたい。そういう空想とも言えるべき夢を彼らは見なくなっています。原因はこの世間です。不景気のせいか皆様方ギスギスしていましてねえ。そんな両親を見て育った子供も当然、そういう性格になる方が多い。
    現実を見ろ、もう子供じゃないんだから。……そんな夢を見ている子供に、私は最近よく遭遇するのです』

    男は悲しそうな顔をしていた。ふと思い立って、ユエは聞いた。

    「あの、私の夢ってどんな色なんでしょうか」
    『……マスターさんの夢ですか』
    「何か気になったんです。最近見た気がしても覚えてなくて。
    もしよかったら、引っ張り出してくれませんか」

    男はしばらく驚いた顔をしていたが、なるほどと頷いた。

    『貴方の瞳の色は輝いています。夢を見る子供と同じです。……取らせていただきましょう』


    ユエは眠っていた。意識だけが暗闇の中でふわふわ浮いている。
    男が言うには、ソファ席に横になって自分の手の動きを見ていて欲しい。そうすればすぐに瞼が重くなるということだった。
    本当かしら、と思った途端、瞼が重くなった。そのままスッと意識が落ちていく。落ちていく。落ちていく……

    ザブン、と体が水に包まれる感じがした。瞼の裏に明るい青が広がる。驚いて目を開けると、そこには空と海が広がっていた。
    何と言えばいいのだろうか。下に雲の平原、上には真っ青な空。水は透明、しかし呼吸はできる。
    遥か上空には星達が煌いていた。
    どうにか腕を動かすが、カナヅチでユエは浮かぶことができない。そのままゆっくりと雲の平原の方へ降りていく。雲の切れ間からは、美しいコバルトブルーの海と小さな島が見えた。どうやら向こうが普通の……陸地の島らしい。
    じゃあここは、空の海?
    ユエは以前読んだ漫画を思い出した。


    『はい、いいですよ』

    男の声でハッと目が覚めた。横を見ると男が笑って小瓶を振っている。色はコバルトブルーとエメラルドグリーンが混ざることなく二つになった色。
    マーブル模様のようだ。

    「これが、私の夢?」
    『久々に美しい夢を頂きました』
    「それ何に使うんですか」

    男はユエの夢をそっと鞄に閉まった。入れ替わりに別の小瓶を取り出す。透明な色の夢が入っている瓶だ。

    『世界には、夢を見たくても見られない子供達がいるんです。私は彼らに夢を届ける仕事をしているんですよ』
    「夢を見たい子供達……」
    『この国は本当に裕福なのでしょうか。夢を見れるのに見ない子供達。現実を見ろと諭す大人達。その連鎖が続けば世界は……』

    柱時計が午後十時半を告げた。男が透明の小瓶と小銭をユエに渡す。

    『コーヒー、とても美味しかったです。この小瓶は私からのプレゼントです』
    「……」
    『いつも枕元に置いていてください。それでは、また』

    また男は裏口から出て行った。初夏なのにつめたい風が吹く。その中で、ユエは人ではない者の後姿を見たような気がした。

    「これは、夢かしら……」

    ユエの手の中で、小瓶が輝いていた。

    ――――――――――
    ユエって不思議な話がないなーと思って書いてみた。
    イメージ的にはつるばら村シリーズです。動物達がお客さんの短編集。

    【何をしてもいいのよ】


      [No.2425] 私と『彼女』の22時 投稿者:久方小風夜   投稿日:2012/05/16(Wed) 23:28:22     120clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:|ω・)

     大きな森。
     目の前には古ぼけた小さな祠。

     その上に、『彼女』は座っていた。

    『なるほど……それで過去に戻りたい、と』
    「はい」

     祠の上の『彼女』は、左右の足を組みかえた。
     昼間でも薄暗い森。ましてや今は夜。月明かりもまともに差し込まず、数時間この場所にいて暗闇に慣れた目でも、一寸先はほぼ闇だ。
     そんな中でも、『彼女』の姿ははっきりと見えた。若草のように鮮やかな薄緑の身体から、淡い光を放っている。

     『彼女』(この『彼女』に性別があるのかは不明だが、便宜上そう呼ばせていただく)を見つけるために、どれだけの苦労をしてきただろう。
     書籍を片っ端から漁った。当然インターネットも使い古した。どんな些細な情報も逃さなかった。会えると噂になった方法は片っ端から試した。
     そして今、ようやく『彼女』と出会えた。

    「どうしても、あの時の……若い頃の自分を、止めたいんです」
    『……』
    「私の人生はあの瞬間からめちゃくちゃになってしまった……私が、あの時……」
    『……人を殺してしまったから』

     私は黙ってうなずいた。

     今から15年ほど前のことだ。
     きっかけは……ほんの些細なことだったような気がする。
     ちょっとしたことで友人と口論になり、ついカッとなって刃物を持ち出した。
     そこに見知らぬ中年の男が現れた。けんかを止めに入ったのか、いきなり私たちの間に割り込んできた。
     頭に血がのぼって判断の遅れた私は、うっかりその男を刺してしまった。

     顔も名前も知らない、どこの誰かもわからない人間を、私は殺してしまったのだ。

     その瞬間から、ごくごく一般的だった私の生活はまるっきり変わってしまった。
     住処を変え、名を変え、顔を変え、ありとあらゆるものから逃げ回る日々。
     後悔しない日はなかった。あの時の自分を止めてやりたい、止められれば、と何度思ったことだろう。

     そんな生活の中、『彼女』の噂を聞いた。

     「時」を自由に渡ることができるポケモンがいるらしい。
     出会うことができれば、未来でも過去でも好きな「時」に行けるらしい。
     そしてそのポケモンは、大きな森の守護者でもあるらしい――

     噂を聞いてすぐ、私は『彼女』を探し始めた。
     『彼女』に会えば、過去を変えられる。若かった自分を、止めることができる。
     平々凡々な人生に、戻ることができる。

    「私は過去の自分を止めたい。真っ当な人生を歩みたいんです」
    『…………』
    「お願いします、私を過去に戻してください!」

     私がそういうと、『彼女』は再び足を組みかえ、腕を組んだ。
     そして大きなため息をつくと、言った。





    『ば―――――――――――――――――…………っかじゃないの?』





     それまで静かで落ち着いた雰囲気を醸し出していた彼女の『言葉』に、私は呆気にとられた。
     『彼女』はふっと蔑むように鼻で笑うと、私の背よりも高い祠の上から、水色の瞳で見下ろしてきた。

    『アンタ、本気で過去が変えられると思ってるわけ?』
    「え……」

     あのねぇ、と『彼女』は腕を組みかえて言った。

    『アンタみたいにたかだか数十年しか生きてない、何の力もない単なる一般的な人間には分かんないでしょうけどねぇ、「時の流れ」ってのはこの世界が生まれたその瞬間に、最初から最後までぜーんぶ決まってんのよ。今どこかで小石が蹴られたことも、昔どこかで戦争が起こったことも、今こうやって私とアンタがしゃべってることも、ぜーんぶ「時の流れ」で決められてたことなの。この世界にあるもの全てはそこから抜け出すことはできないし、変えることなんてできやしないのよ。アタシもアンタもね。アンタが過去に人を殺したことも、そいつがアンタに殺されたことも、どう足掻いたって消えやしないのよ「時の流れ」から無くなったりしないの。アタシは確かに時を渡れるけど、それだって全部「時の流れ」の中では決められてることなのよ。過去を変える? 歴史を変える? そんなの出来るわけないじゃないばっかじゃないの? アタシごときにそんな力あるわけないじゃない。どうしても歴史を変えたいなら、世界を最初っからぜーんぶ作りかえることね』

     『彼女』はそう言って、私を見下ろしてまた鼻で笑った。

     まるで出力マックスの放水車で水を浴びせられるような、怒涛のごとき『彼女』の言葉に、私は言葉を返すことが出来なかった。
     『彼女』は氷のような冷たい目線でこちらを見下ろしてくる。
     風が吹いた。木々がざわめきのような音を鳴らす。

    「……わかりました。帰ります」

     『彼女』は森の守護者。
     ざわめくような森の声は、きっと『彼女』の「帰れ」という言葉の代弁。

     そう判断した私は、『彼女』の座る祠に背を向け、歩き出そうとした。


    『――ちょっと待ちなさいよ。誰が「帰っていい」なんて言ったの?』

     『彼女』が声をかけてきた。私は足を止めた。
     ふわり、と『彼女』は空を飛び、私の前で静止した。

    『まだやることが残ってるでしょ。アタシはアンタを過去に送らなきゃ』
    「え、しかし……私の過去は消えないとさっき……」
    『当たり前じゃない。だから、よ』

     『彼女』はそういうと、にっこりと笑った。
     その笑顔を見た瞬間、背筋が一瞬にして凍りついた。

    『アタシはアンタを過去へ送らなきゃならない。だって、「時の流れ」でそう決まっているもの』

     逃げたい。逃げなければ。
     でも、足が動かない。
     つたが絡まって、足が動かない。

    『そうね。一応教えておいてあげるわ。アンタがやらなきゃならないこと』

     『彼女』の目が妖しく光る。
     小さくて短い両腕に、エネルギーがたまっていく。

    『けんかをね、止めてきてほしいのよ』
    「……!?」
    『どうすればいいか、わかるでしょ? だって……』

     『彼女』が手を私の額の前にかざした。
     視界がだんだん、白く染まっていく。


     ああ、そんな、馬鹿な。
     そんなこと、あるわけない。

     顔も知らない中年男性。
     風の噂で、身元が全く分からなかったと聞いた。

     過去の罪から逃げるために、全てを変えてきた私。
     逃げてきた過去が、とうとう私に牙をむいた。


     『今』と『昔』の景色が混ざる。
     暗い森は薄汚い路地に。
     『彼女』の笑顔は、煌く刃に。
     



    『それじゃあ、「世界」のために、死んできてちょうだい』





     私が最期に見た『彼女』の笑顔は、とびきり優しく、美しく、冷たかった。








    ++++++++++

    激しいイライラ+現実逃避=コレ
    良い子ちゃんな『彼女』ばっかりだったからちょっとアレなの書きたくなった、ただそれだけ。
    あとタイトルは適当。



    【好きにするがいいさ】


      [No.2144] 特 定 し た 投稿者:No.017   投稿日:2011/12/24(Sat) 19:14:54     84clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    > ワタクシだけが ポケモンを つかえれば よいのです!」

    特定したwwww
    クリスマスでもこの安定感wwww


      [No.2142] ポケモンニュース 投稿者:あつあつおでん   《URL》   投稿日:2011/12/24(Sat) 16:07:52     124clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    6時になりました、ニュースの時間です。

    今日はクリスマスイブ。各地でお祝いをする中、あるポケモンの需要が増えているそうです。ではVTRをどうぞ。


    『ご覧ください、全国へ次々とキュウコンが送られていきます!』

    クリスマスを1人で過ごす人達が、せめてホワイトクリスマスは防ごうと、日照りの特性を持つキュウコンのレンタルを盛んに行っているのです。トレーナーが受け取らなかったタマゴを孵して販売する業者によりますと、こうした動きは急速に広まっているそうです。クリスマスのみならず、七夕を妨害するためにサーナイトのブラックホールを利用する人もいるとのこと。個人の不満を晴らすためにポケモンを利用することについては賛否両論挙がっていますが、ネットでは「キュウコンもふもふするくらい良いじゃねえか」「んなこと言ったらバトルできねえだろwww」「ワタクシだけが ポケモンを つかえれば よいのです!」と、概ね好意的に受け取っている模様。

    ともかく、クリスマスは楽しみたいもの。皆さんもポケモンと過ごしてみてはどうでしょうか?





    七夕の時もそうでしたが、突発的なネタは足りない部分を補い辛いです。メディアがネットを引用したがるのが解りますよ、楽ですもん。


      [No.2141] 1224 投稿者:紀成   投稿日:2011/12/24(Sat) 11:24:42     97clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    昔々、火の血を継ぐ家に二人の女の子が産まれました
    双子ではありません、二つほど歳の離れた姉妹
    上の子の名前は光江、下の子の名前は光葉といいました

    大きくなるにつれ、二人の違いが嫌でも見えるようになりました
    光江はとても頭が良い子でしたが、性格があまりよくありませんでした
    光葉はとても優しい子でしたが、頭があまりよくありませんでした
    彼女らを取り巻く男は、皆光葉を愛でるようになりました
    光江はそれにとても怒り、嫉妬するようになりました

    大学を出た後、光江は光葉より先に親の決めた相手と結婚しました
    一方光葉は大学で知り合った男と結婚し、そのまま家を出て行きました
    そこで初めて光江は妹に勝ったと思いました 家を捨てた女ほど愚かな物はないと、
    ――その時はそう思いました

    ですがやはり妹には勝てなかったのです

    …………………………

    世間ではクリスマス・イヴ。人々は皆、何処か浮き足立った様子で街を歩く。着飾った街はそんな彼らを優しく見守っているように見える。
    その空間の中で、人には見えない何者かが大量に動き回っていた。揃いの帽子を被り、揃いの鞄を提げ、ビルとビルの間を飛び回る。
    時折、鞄の中から何かを取り出す。それは手紙であったり、小包だったりする。
    『ゲンガーの宅急便』…… 人で知っている物は数少ない、主にポケモンを対象とした宅急便である。
    どんな悪路でも簡単にすり抜けてしまうゲンガー達が荷物を運ぶ。噂では大金持ちのポケモンもリピーターになっているという噂である。
    冷たいビル風が彼らを吹き飛ばそうとする。だが彼らも負けてはいられない。今日は一年のうちで一番の稼ぎ時なのだ。必死で鞄の蓋を押さえ、中の配達品が飛ばないように踏ん張る。


    「今日は……なんだか風がいやに鳴いていますね」
    カフェ・GEK1994の店内。カウンター席に座ってゼクロムを啜っていたミドリがぽつりと言った。その言葉を耳にしたユエが外を見る。
    「そうね。なんだか誰かを呼んでいるみたい」
    「幽霊ですか!?都市伝説にある、事故で子供を亡くした母親が今でも我が子を呼んでいるという――」
    「そんな都市伝説、初めて聞いたわよ」
    オカルト好きの店員が興奮して喋りだした。ユエはふと去年の今頃を思い出していた。マスターは元気かしら。こちらからも何かプレゼントをしたいんだけど、住所が分からない限りは何も出来ないのよね。
    「……」
    ユエのハイネックのセーターには、今朝マスターから届いたプレゼント…… 『不思議の国のアリス』をモチーフにしたブローチがついていた。

    ジャローダは目を細めた。ミドリがいないこの時間帯が、一番彼らに来てもらうのに都合がいい。何しろその存在は、一般人には知られてはいけないのだから。
    『いつも贔屓にしていただき、ありがとうございます』
    『こちらこそ。いつも時間指定が厳しくて、すまない』
    『いえ…… それで、今回はこの二点ですか』
    ゲンガーがジャローダの尾の上に乗せられた二つの小箱を見た。
    『ああ。片方はミナモシティに、もう片方は』
    『分かっております。彼女宛、ですね』

    十二月二十四日が国際的イベントの日だと知っている者は多いが、巷を騒がせている怪人―― ファントムの誕生日だということを知る者は、少ない。
    ジョウト、エンジュシティの外れにある洋館で、彼女はプレゼントに埋もれていた。
    「……何処から伝わったんだか」
    花束、美しくラッピングされた箱の数々。それの一つ一つを彼女は慣れた手つきで空けていく。
    『手伝うか』
    「いや、いい。モルテは少し休んでて」
    モルテの体は疲労していた。宙に浮いていることすら辛そうな顔をしている。ヨノワールの表情なんて普通の人が見ても分からないのだが、彼女には分かった。長い付き合いだからか……
    『しかし、すごい量だな』
    「そうだね」
    話が続かない。モルテは焦った。
    「あそこにいた頃も色々貰ったけど…… 冷たかったな」
    『冷たい?』
    「所詮はあそこの人間ってフィルターをかけられるんだ。何も篭っていない、無機質な何か」
    手を休めて、テーブルの上の花束のうちの一つをとる。時期に合わない明るい黄色。向日葵。
    「一体どこから取って来たのかはしらないけど…… これが一番気に入ったよ」
    『そうか』

    青い空と白い巨大な入道雲。色鮮やかな向日葵たち。そこに、彼女は立っていた。
    笑顔で。

    「もう、残っているのはここだけになっちゃったな」
    花束を抱きしめ、彼女は呟いた。


    ………………………………
    光江は子供を産めない身体だったのです
    焦った彼女の父親は、もう一人の娘に子供ができていることを突き止めました
    そしてその子を自分の孫として家に呼ぶことにしたのです

    光江はその子を養子としましたが、あくまで外側だけ
    内側はその子を憎み、殺したいという気持ちが渦巻いていました
    ですが、その子を殺すことは最期まで出来ませんでした

    彼女は、別の何かに見初められていたのです
    本当に血を継いでいたのは、彼女だったのです


      [No.2137] Re: 自分の単行本を妄想するスレ 投稿者:音色   投稿日:2011/12/22(Thu) 23:26:06     108clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    > そこは是非御自分のでお願い致します(真顔

     そんなわけで少し真面目に自分の奴を妄想してみる。

    ●『ゴ―スを掃除機で吸いこんだ』

    【帯】
     ガスなんだから吸い込めますよね、たぶん。

    【目次】
    ・ゴ―スを掃除機で吸いこんだ
    ・ゴーストにデートに誘われた
    ・ゲンガーがケーキを作ると言いだした
    ・ムウマとショッピングに行ってみた
    ・よるのさかもり(書きおろし)

    【余談(あとがき)】
    【続刊予告】
    ・チョロネコヤマトの特急便
    ・地元だって集まるさ
    ・イッシュゴースト博覧会

     いい加減このゴーストシリーズどうにかしたい。年内に完結させる予定がムウマージで詰まってずるずると・・・。
     目標:31日までにこれ完結。

    【嘘予告】
    ・ゼニカネッ!
    『ある一つの探検隊が世界を救った・・・それから数世代後、金に五月蝿いニャース:ニックとペアを組むことになったゼニガメ:メイル(通称ジェニー)。幼馴染の保安官や未来から来た執行人を交え、彼等の金儲けはどこへ行く!?』
    ※こんな話になるかどうかは未定です。

    ●雑音戯曲集

    【帯】
    ポケモンの世界にひょっとしたらあるかもしれない戯曲集。

    【目次】
    ・煉獄姫(手直し)
    ・疫病神、憑きます(書きおろし)
    ・火喰らい(書きおろし)

    ・余談

     ようするにカクライさんのエピソードですよ。はい。戯曲が書きたい
     
     ・・・ここまで書いといてなんですが、上手いこと妄想ってできねぇぇ・・。


    > 『鞄』シリーズマジ切望……! あれが現在に至るまででの至高のザンハブ小説である事は論を待たねぇしなぁ(苦笑)

     ・・・ちょっと妄想してみるか。

    ●鞄

    【帯】
     思いつきません。スピンオフです。

    【目次】
    ・鞄
    ・空
    ・雨
    ・晴
    ・閃(書きおろし)
     
    ・余談

    【嘘予告】
    ・(タイトル未定)
    『カメラは現実を枠に沿って切り取る。切り取ったからには、そこに何かがある。青年は己が切り取ったモノを求めてあるく』

     鞄に出てくる彼女の正式な本編的な何か。

    【正直、『鞄』はあれ単品で勝負したほうがいいんじゃないかって気はする。うっすいことになりそうだけど】


      [No.2134] Re: 自分の単行本を妄想するスレ 投稿者:風間深織   投稿日:2011/12/21(Wed) 00:14:24     91clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    絵本が描きたいです。

    絵本「へびじゃないもん」
    個人的に今一番絵本にしたい作品。
    ミニリュウはへびでもなめくじでもありません。竜です。

    イラスト集「鏡の彼」「月の光」
    017さんのRainy dayみたいな感じになればいいと思う。「月の光」はもうずいぶん前に書いた「鏡の彼」の続編にあたるお話。

    イラスト集「586さんのキャラを3ミリ程度にまとめてみた、だけだった(仮)」←やりません
    私もイグゼと一緒にめいみちゃんを探しにいきたいんですけどどうしたらいいですか。

    ※イラスト集はすべてマステで貼ります。


    というなんという願望w


      [No.2130] Re: 自分の単行本を妄想するスレ 投稿者:クーウィ   投稿日:2011/12/19(Mon) 04:25:25     118clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    >  自分のじゃなくてもいいですか(殴

    そこは是非御自分のでお願い致します(真顔

    『鞄』シリーズマジ切望……! あれが現在に至るまででの至高のザンハブ小説である事は論を待たねぇしなぁ(苦笑)
    後、風合瀬の宴についてはご迷惑をおかけしております(白目) 本気御免なさい……(汗)




    では、この際折角だから……(


    ★1:『竜の舞』
    多分一番近い奴。……でも、原稿作業ががが(白目


    【帯】

    [ 『オマエ』と呼んでみた。……あの時と同じく、無機質な二人称の中にも、確かな思いを込めて―― ]


    【目次】

    ・雪の降る夜
    ・His Story 〜あるアウトローの軌跡〜
    ・赤い月(完全版) 書き下ろし
    ・差しのべられた手(アウトロー外伝) 書き下ろし
    ・宴の後で(赤い月外伝) 書き下ろし
    ・竜の舞(完全版) 書き下ろし

    ・後書き
    ・嘘予告

    その1 『Panzer Dragonite』

    [ 「パパはもう、帰って来ないんだって……」 国際空域に於いて突如として発生した、航空機撃墜事件。捕虜となり、祖国からも国際社会からも見捨てられたパイロットを救う為立ち上がったのは、幼い息子の涙に触れた、野生のドラゴンポケモン達だった―― タイムリミットは24時間。ミサイルと迎撃システムが支配する灼熱の空に繰り広げられる、超音速(ハイスピード)・バトルアクション!  『好きだからやってるだけさ。 ……だから絶対、裏切らねぇよ』 ]

    その2 『Story of ForgottenWorld』

    [ 気弱な探検家志望のヒトカゲ・ティルスは、嵐の翌日の砂浜で、記憶を無くした一匹のリオルと出会う。自らを人間であると称し、記憶の断片からピリマと名乗った彼女と共に探検隊を結成した事により、彼の運命は大きく変わっていく事となる。 『人間――それは、神話や伝説の世界などに登場し、遥か古代に存在していたといわれている、ポケモンとはまた別種の生物の総称だった――』 ]

    嘘予告は出来ればイラスト入りが良いかなぁと(苦笑  オイ)



    ★2:『○○○○○○○○』(タイトルは都合により明かせません  爆)
    此方は主にトレーナーもの中心でしょうか


    【目次】

    ・風合瀬の宴
    ・Shall We Dance?(完全版)
    ・○○○○○○○○(完全版 タイトル作品) 書き下ろし
    ・クソ親父(完全版)
    ・Next Step 書き下ろし

    ・後書き



    ★3:『鈍色の時代に』
    戦争関連の暗〜い話がメイン(


    【目次】

    ・海獣の鎮魂歌
    ・鈍色の時代に
    ・リトルダンサー(仮)
    ・M・I・A
    ・ゲート・キーパー
    ・邂逅(仮)

    ・後書き



    ★4:タイトル未定 
    多分一冊じゃ収まりきらないと思われ(  やるにしても、焔の島で一旦区切る説濃厚

    【目次】

    ・天狗の子(仮)
    ・船鬼始末
    ・雑卒紀(仮)
    ・焔の島
    ・双子風の伝説

    ・後書き


    ★5:他 シンオウの昔話とか諸々



    ネタは色々あるんです。ネタは(
    ただ書けないだけ。……絵に描いた餅とはまさにこの事だわさ(爆)
    まぁそれに、自信持って出せるぐらいのものを書ける事が大前提なのは言うまでもない。……精進あるのみorz

    後、ザンハブとカイリューのアンソロが拝んで見たいです。特にカイリュー!
    何時か出ると信じてる(笑)


      [No.2124] Re: 自分の単行本を妄想するスレ 投稿者:イケズキ   投稿日:2011/12/17(Sat) 19:57:13     111clap [■この記事に拍手する] [Tweet]



    目次


    “プロフェッショナル”に関わる5つの話

    ・トンカツ定食屋「切り切り亭」
    ・幸せな悪夢
    ・ザ・プロフェッショナル
    ・配達屋のペーゼさん
    ・とある犯罪捜査コンサルタントの話(書きおろし)


    “あの日”に帰る3つの話

    ・廂間―ひあわい―
    ・てく〜いやしん坊ラルトスの話〜
    ・御都合主義(書きおろし)


    “意思”にまつわる4つの話

    ・B's Will〜『B』の意思〜
    ・NOVELTYPE、な一日
    ・テングのウチワ
    ・電車の中(書きおろし)




    こんな感じでいいのかなぁ……。全部一つにしたら長いかな。
    ま、妄想だしいっかw

    個人的に灯夢ちゃんの写真集が……いやなんでもないでs(ドキャドキャバキャバキャグシャグシャ、ゴスゥ!!)


      [No.2123] Re: 自分の単行本を妄想するスレ 投稿者:音色   投稿日:2011/12/17(Sat) 18:57:12     102clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     自分のじゃなくてもいいですか(殴


    ・師匠の作品集(タイトルはやはり師匠につけていただきたいので仮で(苦笑

    目次・・というより入れていただきたい作品

     ・雪の降る夜
     ・風合瀬の宴(続きに期待してるのですがまだですか師匠ー!
     ・あるアウトローの軌跡
     ・船鬼始末
     ・Shall We Dance?
     ・竜の舞


     師匠がこちらで投稿された奴はざっとこんなもんかな・・・?
     【書いてみた】の奴は省かせていただきましたが・・。赤い月はあっちに載るし。

     帯はやっぱり誰か著名な方に書いていただきたい・・!
     俺が書いたらただの師匠へ愛を叫ぶコーナーになりそうだから(爆)


     ついでにもう一冊

     ・あっちの掲示板の、あれ。

     師匠にはこれで分かっていただけるはず。
     むしろこっちだしてください。
     師匠が出さなくても俺が個人でまとめる可能性もありますが(爆)


    ※妄想っつーか願望


      [No.2122] Re: 自分の単行本を妄想するスレ 投稿者:巳佑   投稿日:2011/12/17(Sat) 00:32:59     120clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    ★その1:『巳畑の収穫祭』(仮)

    【帯】

     やっちゃいましたっ☆


    【内容】

     第三回のポスケコで撒いた種が育って短編集ができました。

    【目次】

    ・送贈-SouZou-
    ・あわにのって
    ・あかむらさき
    ・One daybreak One yell!
    ・カボチャンデラ
    ・巳の這いずりながらの後書き

     頑張ってイラストも描きま(以下略)


    【特典】

     未定(コラ 


    【価格】

     テイクフリー(え       
     


    ★その2:『お狐様のもふもふガーデン』(仮)

    【帯】
     買ってくれた奴はもふもふ。
     買ってくれなかった奴は鬼火でもふもふ。 by長老


    【内容】

     ある日、長老と呼ばれているキュウコンに言われた一言。
    「狐が出てくる物語九つ書けー! 書かなきゃ、鬼火でもふもふの刑じゃ♪」
    「いきなりクライマックス!?」
     そんな無茶振りを振られた巳佑の運命は――。


    【目次】

    ・『もふパラ』から見た世界史
    ・語り狐
    ・雨宿りも悪くない。
    ・こなゆ。(ただしポケスコに提出したものから大改稿、とりあえず最後のシーンとか削ります)
    ・ねつき屋(仮)
     
     他四作品の予定。

    「九人から話を集めるのも面白そうじゃのう、ほほほ♪」
    「それ某イラスト集じゃ(欲しかったなぁ……というのはここだけの話) 


    【特典】

     長老があなたをもふもふして狐にしてくれるよ!
     レッツ、もふパラデイズ!


    【価格】
     
    「99円なんてどうじゃ?」
    「まさかの(以下略)」



    ★その3:『狐日和』

    【帯】
     
     鳩尾崩壊注意の高校生活に青年、大ピンチッ!?

    【内容】

     関西弁のロコンさんがひたすら鳩尾を撃つお話です。
     ……おや誰か来たようだ(ドキャバキャグシャ!!)


    【目次】

    『未定』と赤い字で書かれている……。


    【特典】

     灯夢さんのピンナップでいいんじゃ。
     なんなら裏表紙は灯夢さんのセクシーな写真でいっぱいにしてもいいし。
     ……おや誰か来たようだ(ドキャドキャバキャバキャグシャグシャ、ゴスゥ!!)


    【価格】

    『みたらし団子』と赤い字で書かれている……。  




    *全て、あくまでも妄想です。タブンネ。


      [No.2121] Re: 自分の単行本を妄想するスレ 投稿者:久方小風夜   投稿日:2011/12/16(Fri) 12:40:54     125clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    冒険してた奴、ちょっと来い 〜まとめて読む掲示板〜


    目次
    ・【幼馴染は】暇だから幼馴染の女に安価でメールする【マジ化け物】
    ・幼馴染にバトルサブウェイに強制連行されているんだが
    ・【団員】組織を作って世界征服を目指す【募集中】
    ・冒 険 し て た 奴 ち ょ っ と 来 い
     …他、全8話を収録



    舞台はインターネット。
    「改造」から「モンスターボールの使い方」までを手広くカバーする巨大掲示板群。

    今日も好き勝手に罵り合い、慰め合い、笑い合う住人達。
    そんな日常の中、時には笑いあり、涙ありのドラマが生まれることも……?

    話題を集めたスレッドをまとめて書籍化!





    ※タイトルは適当です
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