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Appeindix 1:この資料は案件の無力化した2015年10月2日以降に、関係者#142309-3によって管理局に提出された、日記と見られる計30冊の大学ノートです。関係者#142309-3によると、この大学ノートは生前の関係者#142309-1より譲渡されたもので、最近になって中身を確認するまで、その異常性に気付かなかったとのことです。
大学ノートは市販の一般品で、それ自体に異常性はありません。大学ノートの表紙には番号と記録期間が記されています。中には関係者#142309-1の筆跡で“ナオヒコ”と名付けられた生物の観察記録のようなものが書かれていますが、この記録にある生態と一致する生物は現在に至るまで発見されていません。
以下は、1と番号が振られたノートの最初の部分です。:
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2003年2月11日 晴れて今日、ナオヒコを家に迎えた。[関係者#142309-1の友人の名前。故人]に薦められたときは腹立たしくなったものだが。少しずつ会って、今ではナオヒコのいない人生を考えられなくなっている。
[関係者#142309-2の名前]が亡くなった寂しさが消えるわけではないが、しかし、ナオヒコがいないと腐っていただろう。
2003年2月12日 餌を変えて様子見。環境が変わった為だろう、ナオヒコは前の家にいた時より食欲がなくなっている。明日[関係者#142309-1の友人の名前]から青菜を貰う予定。
2003年2月14日 昨日から少しずつ元気になっているような気がする。医者でないから予断は禁物だが。だが[関係者#142309-1の友人の名前]の野菜が効いたのだろう。うちでも育てるべきか悩む。
昨日整理をしたので、今日ちょっとの間部屋に出してやる。ナオヒコは小さいので、踏まないか緊張。
片づけだのもしないといけない。いつ私もぽっくりいくかしらん。
2003年2月15日 昨日放した為か、ナオヒコややゴキゲン。片づけに気合が入る。
片づけの途中、昔の写真が出てくる。[関係者#142309-2の名前]がたくさん写っていた。
懐かしさを感じた。と同時に、ナオヒコの餌をどうするか不安になる。貝殻なぞ。
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ノート中の“ナオヒコ”について、調査が行われる予定です。
残りのノートの内容については順次アーカイブ化が進められています。
| タグ: | 【書いてみた】 【Subject Notesの1ページ、あるいは似た何か】 |
Subject ID:
#142309
Subject Name:
侵入したくなる家
Registration Date:
2015-02-05
Precaution Level:
Level 2(2015-10-02以前)→Level 0(2015-10-02以降)
Handling Instructions:
建築物#142309内の固定電話からの緊急通報は管理局に直通し、自動的に録音が保存されます。当該の緊急通報を受け取った担当者は現地に向かい、侵入者の確保及びヒアリングを行ってください。侵入を試みた彼/彼女に、他人の敷地に無断で侵入することが違法である旨を説明すれば、彼/彼女に励起された建築物#142309内への侵入欲求が消失することが分かっています。
[2015-10-02 Update]
上記の取扱方は廃止されました。建築物#142309は解体は終了し、建築物#142309の廃材及び跡地、その他資産について、異常性は見出されませんでした。関係者#142309-3より引取以来のあったその他資産については、通常の配送ルートを用い順次返却してください。案件#142309は既に無力化されており、これ以上の保全は必要ありません。
Subject Details:
案件#142309はジョウト地方ヨシノシティ北部の宅地にある建築物(建築物#142309)と、それに掛かる一連の案件です。
建築物#142309は1969年に建てられた庭付き・平屋の一戸建です。同年に男性(前保有者。関係者#142309-1)が購入し、関係者#142309-1とその妻(関係者#142309-2)、息子(現保有者。関係者#142309-3)が居住していました。関係者#142309-3の独立、関係者#142309-1と-2の死亡により、現在は空き家となっています。建築物#142309は2LDKのごく一般的な住居で、内部は老年夫婦の生活環境としてごく普通のものとなっています。調査の結果、内部に携帯獣や携帯獣が隠れうる空間異常は存在せず、後述する事象#142309を発生させる他に特異な点はありません。
事象#142309は「建築物#142309の内部に未知のポケモンが存在する」と確信する認識異常(段階1)から始まる一連の事象です。被誘引者#142309は未知の携帯獣について一切の先入見を持っておらず、未知の携帯獣について質問すると「未知だから未知なんだ」という旨の回答が得られます。建築物#142309が認識異常をもたらす対象者(被誘引者#142309)については、半径6km圏内(圏内にポケモンセンター有)に立ち入った旅のトレーナーが最多ですが、そうでない者も少数含まれます。認識異常は距離に反比例して少なくなり、ヨシノシティ外での発生は確認されていません。
段階1に陥った被誘引者#142309は次に「建築物#142309の内部にいる未知のポケモンを捕獲したい」という耐え難い欲求に襲われます(段階2)。この欲求に反抗することは極めて困難で、被誘引者#142309は建築物#142309を何らかの方法で見つけ出し、敷地内への侵入を試みます(段階3)。段階3で建築物#142309内への侵入に成功しても、被誘引者#142309が未知の携帯獣を発見することはありません。段階3と前後して、建築物#142309内の固定電話から警察へ関係者#142309-1の声で「家に押し入ろうとしている不審人物がいる」旨の緊急通報が入ります(段階4)。警察官もしくは局員が被誘引者#142309を確保し、建築物に押し入るのは法律的に問題であると指摘すると、段階2で発生した欲求が消失し、事象#142309は終了します。この際、未知の携帯獣が建物内で見つかっていないと指摘しても、被誘引者#142309が「未知だから分からないんだ」「未知だから見つけたら分かる」と繰り返すのみで事象#142309が終了しないので留意してください。
事象#142309のいかなる段階においても、事象#142309を中断する試みは成功していません。段階1-3にある被誘引者#142309を確保する試みは、被誘引者#142309によって全て突破されます。また、建築物#142309内の固定電話の撤去/別機器に変更/また電話回線の閉鎖を行っても、段階4の緊急通報をストップすることはできません。現状では、段階4の緊急通報に応じて被誘引者#142309を確保することが最良と判断されています。
建築物#142309の前保有者である関係者#142309-1、その妻である関係者#142309-2は事象#142309の最初の通報以前に死亡が確認されており、電話の声の主については調査中となっています。また、関係者#142309-1と-2はトレーナー免許を取得しておらず、携帯獣の所持履歴がないことも判明しました。関係者#142309-3はトレーナー免許を所持していますが、携帯獣の所持履歴はありません。にも関わらず、建築物#142309について何故このような認識異常が起こされるのかは分かっていません。
[2015-03-12 Update]
建築物#142309の解体工事が開始されました。関係者#142309-3はかねてより建築物#142309の解体を計画していましたが、当局はこの件について関知していませんでした。関係者#142309-3と案件#142309の保全及び原因究明について、話し合いの場を持ちましたが芳しい成果は得られませんでした。建築物#142309の解体は止められない状況です。
[2015-06-18 Update]
建築物#142309の解体が終了しました。解体後の廃材及び跡地、その他資産についてはヨシノシティ支部に収容され、異常性についての試験が行われます。
[2015-10-02 Update]
解体後の廃材及び跡地、その他資産についての試験が終了しました。この試験結果と事象#142309の発生が長期間観測されなかった事実を鑑み、裁定委員会に案件#142309の無力化を提言し、受理されました。
Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。
[2016-01-02 Update]
本案件には、1件の付帯資料があります。適切なセキュリティクリアランスを持つ局員のみが、付帯資料を参照できます。
(この報告書は正規のものではないかもしれません)
| タグ: | 【一粒万倍日】 【感想】 【さぼっててすみませんでした!】 |
皆様、大変長らくお待たせいたしました。
溜めに溜め込んだ感想でございます。
企画主なのに思い切り放置かましてすみませんでした!!!(土下座
来年以降につきましては、宣伝はしないけど、投稿されたものにはなるべく感想書くよーって感じです。
今までとあんまり変わりませんね!すみません!
感想はかなり前に書いたものと今日になって書いたものが混在しているのでなんだかちぐはぐなとこがあるかもです。
あとわりと投げっぱなしな感想も多いです。
重ね重ねすみません。
・少女の旅・2 - WKさん
続きキター♪───O(≧∇≦)O────♪
おおおお、彼女が引きこもってた理由編ですね!やった!
ああああああまだ幼かった彼女には酷な出来事でしたね…。
なんて軽々しい言葉で表せるようなものではないでしょう…。
こんな経験をしてもわ旅をしようと決意した彼女の強さには頭が下がります。
前のを読み返すと、余計にそう思いますね。
色々と吹っ切れたんでしょうか。
> 視界の片隅で、ちらちらと星のような光が見えた。
> 腕の中の塊が、熱さと重さを増した。
>
> ぼろ雑巾が、飛び出した。
>
> 沢山の金色の星が、向こうに向かって流星のように飛んでいく。大きいのも小さいのも、沢山。
ここの表現がまるで目に見えるようですごく好きです。
生死の境で本人たちそれどころではないのはわかっているんですけど、場違いなほど綺麗だなあって。
なんかこう、他の感想に比べるとテンション低いように思うかもしれないですけど、めっちゃ続き待ってますからね!
お願いします!!!
・鋼の翼 - きとらさん
最近きとらさんのうまい話を読んでは、うめえ(ムシャア うめえ(ムシャア ってやっている気分です(
本人以外意味不明ですみません。
最初、スクロールバーの長さを見て、おおう…となったんですが、読み始めてみればさほど長さは気にならずあっという間に読めました。
カップリング要素がたとえなくとも面白いです。
もちろん、最後のヒンバスであるとか石集めしてるところとか、公式キャラであるからこその面白さもあるんですけどね。
なんて書くと、じゃあオリジナルでなんて話になりそうですが、やっぱりこれはダイゴさんとミクリだから面白いんだろうなあとひしひしと感じました。
というか、カップリングなしでも面白い土台の上に公式キャラ同士のあれやこれやがあってさらに面白さが引き立っていると思うんですよね。
あーちなみにBLは基本苦手なんですがミクダイは割と平気です(
なぜでしょうね(
・代理処真夜中屋(仮) - GPSさん
いやあ、もう、読んでてやられた!と思いました。
室内の様子が詳しく書かれている冒頭読んで、ああ、これが私に足りないものか…と切に思いました。
具体的な描写って苦手なのですよね…苦手とか言ってないで書けやオラって話なんですけどね!(涙
あと私がいつか書きたいなと思って温めていた話とキャラとかネタが被ってて涙涙涙…な、泣いてなんかないんだから!!!
シリーズ化ですとお!いいぞもっとやれ!(
って書いてたんですけど、続ききてますね…(白目
どう解決するのか気になるところで終わってたので、嬉しいです。
こ、この涙はうれし泣きなんだから!(
・ディアマイフォロワー - ピッチさん
ポケッターってポケッターって…これですか?!
http://masapoke.sakura.ne.jp/lesson2/wforum.cgi?no=3283&reno= ..... de=msgview
最初、タグにWKさんの名前あって、??だったんですけど、これのことだったのですね…。ええ、だからと言って何もないです(
ジム戦するわけでもコンテストに出るわけでもないそれを「地方巡り」と呼ぶそのセンスが素晴らしいですね。
うまくその状態を言い表していて。
実際、成功する人なんてごく少数で、主人公のような人がいっぱいいるんでしょうねえ。
たいていは、本気じゃなかったなんて嘯いて日常に戻っていくのでしょうけど。
でも、そうやって戻ることも、一生懸命トレーナー業に励むでもない中途半端な人がきっといるんだなあ、ってこの話を読んでしみじみ思いました。
彼が旅をやめない理由ってなんなのさ!と気になるので続きを所望いたします!
待ってます!!!
・義足、ワイン、薔薇の花 - NOAHさん
やっぱりこういう、福祉関係の話は珍しいので、それだけで、おっと思いますね。
ポケセン見てるとなんだか万能にも思えますけど、実際にポケモンがいる世界を思い描くと、四肢の欠損を抱えた子たちはざらな気がしてきます。
あれだけ派手なバトルしたりしますし。
オーダーメイドの義足となると、細かい測定とかしないといけなかったりと大変そうです。
でも体に合ったものが一番なんですよねえ。
ちゃんとしたものを身に着けたらどう変わっていくのか、考えると楽しみです。
・負の味 - WKさん
WKさんは短くまとめるのがお上手ですよねえ…はふう。
というかこれだけでちゃんと完結しているような…。
これは何か長編の一部かなんかなのでしょうか。
もっと書いていいのよ?(
負の感情を抱きすぎてもはや人間ではない何かに変貌してしまた彼女の末路を想像するとぞっとしますね。
そこまでいくともう救いようがない…。
手の施しようがないのは明らかで放置するしかないんですけど、なんというか、それに対して平然としている様が怖いというか恐ろしいというか。
ああ、なんて表現したらいいんでしょうね。
・鯔の皮の賛美歌(仮) - No.017さん
www放置気味の時なのにありがとうございますw
海首の話と合わせて読むと楽しさ倍増ですね!(誰向け
移動時間が具体的で、現実感があります。
ふわっとさせがちなわたしは反省しきりです。
> 続くかもしれない
つ、続けましょうよ!!!
ああ、でもお忙しいですもんねえ…。
気長にお待ちしています。
・永遠の話 - 音色
うにゃあああああなんすかこれ!!!
素晴らしい!!!
心躍る設定!!うましうまし!!!
こういうどこか気取った感じの口調大好物です。
XY未プレイなもので細かいとこよくは知らないんですけど、ギルガルドがかっこいいのはわかりました(
悲しい結末へ向かうのか、それともそんなの笑い飛ばす強さがあるのか…。
って、
> 続くかどうかは知らない
続けましょうよおおおおおおおおお!!!(じたばた
・シンデレラ・ガールはくじけない(仮) - 586
しょっぱなからハイテンションすぎるwww
ずっとツイッターでナツミちゃんの珍道中…じゃなくて道中を読んでて楽しみにしてたんですけど予想をはるかに上回るハイテンションでななしさんびっくりしてますよ。
どうして超地味っ娘だった彼女がハイテンションキャラになったんでしょう…(困惑
いくらイメチェンするにしても変わりすぎやん…(´・ω・`)
地味っ娘メンタルこそ偽りだったのね…(いいえ
ハルカちゃんがナツミちゃんにした質問の真意とは…これ伏線です?
ちなみに名前被りについては…お二人って気が合うんですね!(
・箱入り娘の一人旅(出会い編 ・ミシロにて。 - αkuroさん
まとめてになりますー。
続きの投稿ありがとうございます〜。
エレンちゃんそれにしても方向音痴すぎやしません…?
大丈夫かなと読者も心配になるレベル…。
あれ、前も書きましたっけ?
そんでもって、エレン、ポケモンをもらうの巻。と思ったけどそれにしてはちょっともらうシーンあっさりですね…。
まあこれから旅立つぞー!ってことで。
これ、ユウトくんがエレンちゃんのお世話係になる、とか…?いやいやそんなまさか。
先行き不安な彼女ですが、一体どんな旅路になることやら…。
・ポケモン福祉養護施設『葛の葉』の日常 - NOAH
おおお、いいですねこの設定。
養護施設か…。色々と妄想が膨らみますね!(
卵の頃とはいえ、危ない目に遭ったのにチルットのこの図太さ…w
反対に自分のことは脇に置いてまで心配するザングースが愛おしいです。
何を思ってザングースは卵を助けたのか…今もって心配しているところを見るとそれなりの理由がありそうですね。
盲聴バグオング…盲聴って言葉の響きだけでなんだか悲しい感じですね。
助けてあげたいですね。
ところで車椅子のリラさんというのも気になりますね。
その辺のエピソードは別の機会ですかね…。
そちらも楽しみにしてますね(キラキラ
是非とも完成した暁には投稿お願いします!!!
> まだまだお休みが必要でしたら焦らずゆっくり休んでくださいね。砂糖水さんの体調が良くなりますように。
優しさが!半月遅れで届いた優しさが!痛い!(
元気なくせにさぼっててすみませんでした!
お気遣いありがとうございました!
焦らずが焦げ(こげ)的な何かに見えたとかそんなことはないですよ?(
感想書き漏れありましたらご連絡お願いします!!!
******
最後に、皆さんへお伝えしたいことがあります。
もっと…感想書こう?
いろんな物語であれだけ語られているように、言葉にしないと伝わらないのです。
拍手数いっぱいもらうより、たった一個の感想のほうが心に響きますよ。
管理人の鳩さんもツイッターでこういっています。
https://twitter.com/pijyon/status/462307107224559616
なんか、面白かった同人誌の作者さんにツイッターリプライで感想送ったら「感想でモチベ上がったので続編出しちゃいました」って言われたのでみんなどんどん感想送れ。感想送ると続編が出来るらしいぞ!!!!
同人誌かどうかに関わらず、だと思います。
感想もらって嬉しくない人は…あんまりいないと思います。
感想の返信に困るから〜ていうわたしみたいな人種もいますが、嬉しくないわけじゃないですよw
だから、どうか感想を…。
みんなは続き読みたくないんですか!!!
わたしは読みたいぞ!!!!!!!
まあさぼりまくってたわたしが書いても説得力ゼロですけどね!!!
あと、書き手の皆様へ。
完結しないことを恐れないでください。
続きは読みたいけど、無理して書いてほしいわけじゃないんです。
読みたいけど!読みたいけど!!!!
でも、追い詰めたいわけではないのです。
ご自分のペースで書いてください。
わたしも感想書くの頑張るから…。
ていうか謝罪のほうが先でしたね()
突然こんな企画をぶち上げたくせに、途中から思い切り放置してすみませんでした!!!!
身の丈に合わないことをするものではないなあと反省しました。
でも、予想以上にみんな書きかけ作品溜めこんでいるんですねえ…。
こんなに来るとは思ってなかったです。
だからって感想書くのをさぼる言い訳にはなりませんが…。
ええ、ほんっとにすみませんでした。
放置かましてる間にも投稿していただきありがとうございました。
冒頭にも書きましたが、宣伝はしないけど、書きかけ小説はいつでも受付中ですぞ!
そんなわけで。
本年は大変お世話になりました。
ご迷惑もおかけしました。
来年もこんな感じだと思いますが、改善へ向けて努力していく所存なので、何卒よろしくお願いします。
ななし
| タグ: | 【リレー小説】 【1月10日】 【描いてもいいのよ】 【参加して欲しいのよ】 【カオスにしてもいいのよ】 【参加して欲しいのよ】 【参加して欲しいのよ】 【終わりが見えないのよ】 【勧誘しちゃうぞ★】 【ちくわだいみょうじん】 |
1月10日 参加者(敬称略):(砂糖水, 門森 ぬる, (°○。。(`◇´)。。○°), 音色, αkuro, 流月)
※全員分写したつもりですが、お名前が抜けている方がおられましたらお知らせ下さい。その他にも何かお気付きになりましたら修正して下さって構いません。(筆記者・砂糖水)
前回の続きです。
みんな参加していいのよ。
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こ、これで疑いが晴れる……。見知らぬ青年ぐっじょぶ。が、女将さんは無言。お、おいなにか言ってくれよ。許すとか許すとか許すとか! まああれか、従業員の俺ならともかく仮にも客だから文句言いにくいのか。「と、とりあえずこの女性をさがしてみますか」助け舟を出してくれたのは青年だった。青年ぐっじょぶ。まじぐっじょぶ。
しばらく無言の時間が続く。おかみさんはぎゅっと目をつぶって眉間にしわを寄せていたが、はぁとため息を一つついた。
「お客様の提案とありましたら無下にするわけにもいきませんね」
相変わらずこめかみに浮かんでいる血管は消えないけれど、一先ずここでドヤされるという事態は免れたようだ。こっそり俺も息をつくとぎょろっと睨まれた。サーセンっ!
「あの〜何かありました?」
そんな空気を読まずに若い声が響く。こ、この声はもしかして。その場の全員がそちらの方に目をやると、デデンネのトレーナーが顔を出した。
「どうしたんです?皆さん怖い顔をして」
「こちらのデデンネ、お客様のポケモンでしょうか?」
「えぇ。この人からペロッパフを借りていたので、代わりに貸してたの。それで頭の上に乗せてあげたらいつもみたいにすぐどっかいったの。ふふっ」
「ポケモンの貸し借り……でございますか」
「えぇ」
「そうなのかい?」
「あ、はい。掃除してる時に会いまして、ペロッパフ貸してって言われてそれで代わりに……」
「デデンネが額縁を割ったのはおまえが借りている時なのかい?」
「まぁ……」
まずい。これは借りた者の責任ということにならないか? どうする俺。青年の方をちらりと見ると、男と一緒に手持ちであろうバケッチャをつついている。可愛い、じゃなくて。
「ぱふ!」
一触即発の空気の中、ペロッパフの声が響いた。
奴はいつの間にか女将さんの足元に居て、見たことのないキリッとした顔をしている。
「ぱふ、ぱふぱふぱふー。ぱふーぱぱぱふ、ぱっふぃー!」
「な、なんだい。何か言いたいことでもあるのかい」
女将さんがペロッパフを抱き上げると、青年がペロッパフに近付いて、ちょんちょんとつつき始めた。
「こいつ、「アニキは悪くねえ。悪いのは有無を言わさずアタイを連れてったこのアマとその大福だ」って言ってます」
ぱふ、とペロッパフが頷いた。口悪っ。
しかし、口が悪くてもきちんと俺を擁護してくれるのはありがたい。
ごめんな、いつも勝手に逃げるアホポケモンって思って。トレーナーのことをきちんと思いやれるいいポケモンだったんだな、お前。やっぱりトレーナーの育て方がいいからだろうか。流石俺。
それに便乗して、そうなんですと言ってしまいそうになるがぐっと我慢。口は災いの元。たしかに勝手に貸してきた女の子に文句と暴れてくれやがったデデンネに一発制裁をかましたいが、俺が借りている間に問題を起こしたというのも事実なのである。女将の判断をじっと待つしかない。
ちくわだいみょうじん
誰だ今の。なんか今俺の意識の中に謎のフレーズが挟まれたような気がする。あぁ更に女将の皴が中央に寄った。これはもしかしてヤバいパターンか。俺の職場からサヨナラバイバイしなきゃならないのか。
「お客様、大変申し訳ないのですがそちらのデデンネが当旅館の備品を傷つけたという情報が入っております」
絞り出すような女将の声が女性の方へ放たれる。しかしその間、お客様のポケモンはうちの店員が預かっておりましたのでとかなんとか女将が言いかけたのを遮ったのは。
「え! 本当ですか! ごめんなさい、私、良かれと思って……」
まずいその言い方だと全面的に俺に非があるようにしか聞こえない。このお姉さん全力で俺の職場生命を絶つ気だ。デデンネもウソ泣きしてこっそり俺の方を見てドヤ顔すんじゃねぇ。くそ握りつぶしたい。
女将はこちらをぎっとにらむ。やばいやばいまじやばい。
「まったくあんたってやつは次から次へとそうどうばっかり起こして……! ああお客様、うちの従業員がご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。ほら、あんたも頭を下げる」
無理やり頭をつかまれぐいっと下げられる。ちきしょう、悪いのはあの大福、もといデデンネなのに……。
◆ ◆ ◆
「まったく……今回はあんたのポケモンじゃないから大目に見るけど、もっと慎重に行動しなさい!」
「はい……すみません」
女将さんと俺しかいない事務室で説教を終えると、女将さんは仕事があるからと去っていった。
「ぱむーう」
俺は足元で頬(らしき場所)を膨らませているペロッパフを抱き上げた。
「ありがとうな、ペロッパフ」
「ぱふ……」
ペロッパフは納得いかないといった声でぶすっとしていた。
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入室者が減少した為、一旦終了となります。皆様お疲れ様でした!
次回は1月11日の21時頃開始を予定しています。
飛び入り参加も歓迎しております。1文からでも参加出来ますので、興味のある方は是非是非奮ってご参加下さい。
注意!この作品は戦争が起きたポケモン世界でのお話になっています。直接的な描写はないんですが、エログロの範囲に入ります。読む場合は気をつけて読みましょう
ねえダイゴさん。
もう会えなくなってどれくらい経ちますか。
行ってくるよって言ったのにどうして帰ってきてくれないんですか?
いつも疲れて帰ってくるダイゴさんが甘えるかのように求めてきたのは何も一日じゃなかった。不穏な世の中の動きを知っていて、私に心配かけまいとしようとして……でも知ってましたよ。ダイゴさんが何をしようとして、どうしようとしていたのか。毎日一緒にいて気づかないはずがないです。
こんなことになることを防ごうとしてくれたんですね。あの日もそれを悟られないように必死で笑って行ってきますって……私はもうそこにいませんが、帰ってくるの待っているんですよ。ここからでもずっと待ってるんですよ。
だってダイゴさんがいなくなってから数日後、わけのわからない言葉を話す人たちが攻め込んできました。私もポケモントレーナーだから街の人たちを守るために戦ったんです。けれど容赦なかった。勝つというより殺し合いでした。私のポケモンたちが目の前で殺されていきました。生物兵器ってこういうことを言うんですね。
街の人も殺されました。使えそうな人を除いて。首に鉄の鎖をかけられて、手は重たい金属の輪をはめられました。とても重く、逃げられるようなものではありません。むしろ逃げたらその場で殺されました。血まみれになった子供を蹴り飛ばし、残った人たちはこうしてつれてこられました。
ねえダイゴさん。私ね、今はこの人たちの慰み者ですよ。
毎日吐き気がするほど汚れていきます。この人たちが何を言っているかわかりませんけど、きっと罵倒して嘲笑してるんだと思います。目がそんな感じです。
やっと今日もそれが終わって体を洗い流しても、心の中にまで入ってきた気持ち悪さは消えません。
ダイゴさんどうして帰ってきてくれないんですか? ダイゴさんどうして来てくれないんですか?
それとも、もうこんな汚れた私は嫌ですか? 会いたくもないですか? どう思っていてもダイゴさんに会いたいです。こんなことをされるために私は生きてきたんじゃない。私は生きてダイゴさんにもう一度会いたいです。
ダイゴさん
たすけてください
もうこれしか手がない。みんなを助けるにはこれしかない。チャンピオンがなんだというのだろう。戦争に負けたらそんな地位、何の意味もないのに。
ポケモンたちと引き離されてかなり経つ。みんな無事だろうか。元チャンピオンの手持ちだからうまく転用されて、無事に生き延びてほしい。
戦争が始まる雰囲気は前からあった。それはポケモンリーグからもデボンからも感じ取っていた。呼び出されるのは確実だ。しかし望むところだった。僕が出ることでハルカちゃんたちを戦火から遠ざけられるなら。
結果はごらんの有様だ。奇襲を受けて一緒に出た他のトレーナーは全滅してしまった。異国の兵士たちは僕を捕らえて、その後は思い出したくもない拷問だった。それよりリンチに近い。それでも生きていられたのは僕があっちでも有名だったのだろう。そりゃそうか、ポケモンリーグでも経済でも有名なのはそうそういない。利用価値があると生かされてきた。
そしてオヤジは僕を取り替えそうとしたみたいだけど、無理だったみたいだね。でもそんなことしなくていい。僕のために他の人間が危ない目に合う必要なんてない。
ほとんど服の役割をしていない布を身に着けた。すると兵士たちが僕の手を後ろでしばり、ひざをつかせた。強引に僕の髪を引っ張る。顔を上げさせたかったようだ。僕が見えたのはカメラだった。そんなに大きなものではない。僕をリンチするところを撮影しようというのか。それでデボンを脅迫するのか。
違うな。デボンに送りつけるのは確実だが、取引の失敗を意味するものなのだから……
ハルカちゃんは無事だろうか。ようやく手に入れた宝物。飾っておけない宝物。僕が帰ってこない間、寂しくないのかな。僕のことは早く忘れて、もっといい人見つけてほしいな。それで幸せになって、戦争の被害が及ばないところでその人とずっと
頭が霞がかったみたい。薄い布を身につけてやっと洗面台にたどり着いた。私はこんなに色白かったっけ? 違うよお腹も痛い。痛すぎてもう立ってられない。こんな痛み初めてで、床に倒れて叫んだ。異常だと思ったのかみんなが私のまわりに集まってくる。
痛いよ、痛い……お腹が痛い。内側から締め付けられるように痛い。目をあけると視界がまわる。こみ上げる強い吐き気とお腹の痛みで暴れた。何をどうしたら楽になるのかわからない。もう一度だけ目をあけると、私の身につけているものが真っ赤に染まっていた。どうして? なんで? わたしの血? お腹から出てきてるの? どうして、なんでこんな血がどこから?
声も遠くなる。私の体を揺り動かす振動に答えるのもできなくなる。息をするのも苦しい。いやだダイゴさん怖い。ダイゴさん怖いよ! ダイゴさん助けて。ダイゴさんに会うまで死にたくない死ねないよ。帰ってくるまで絶対に死ねない!
あ、よかった。お腹いたいのもだんだん治ってきた。息も楽になってきた。
「あっ」
そうか。目を開けたらダイゴさんがいた。ダイゴさんが助けてくれたんだ。会いたかったんだよダイゴさん。いつまでも待たせて。いない間にすごく大変なことが起きて。
「うん。待たせてごめんね。よくがんばったね」
「ごめんじゃないですよぉ! ずっと、ずっと心配で、心配で!」
ダイゴさんに抱きついた。暖かく迎えてくれる胸に飛び込み、泣きながらたくさん話そうとした。つらかったこと、苦しかったこと。でもダイゴさんに会えたらそんなもの全部どうでもよくなった。
「会いたかった……ダイゴさんに会いたかったんです」
「僕もハルカちゃんにずっと会いたかったから探したんだ」
ダイゴさんの唇に触れた。すると強く抱き返してくれる。やっと帰ってきてくれたね、ダイゴさん
先生! 怖がればいいのか笑えばいいのかわかりません!
> 部屋の灯りを消し、代わりにランプラーをちゃぶ台の上に浮かべる。その青紫の弱い灯りは独身向けの狭い部屋でさえ隅々まで照らすには至らず、しかし「こわい話」をするにはふさわしい雰囲気を作り出した。
怖い話をしながら生気を吸い取られる気がしてならない!
ん? もしかしたら寄ってきたよくないものを消してくれるのだろうか?
いや、今回の話の内容だと霊も寄って来ずに逃げるかwww
とりあえずA、Cの話とBの話の間の温度差が半端ないですね。
いやどれも怖いんですが。怖いんですがw
なぜか笑いが止まらないwww
とりあえず、腐海の森と化していたであろうCの炊飯器に幸あれ。
少し間をおいてマサポケに来てみたら【納涼】の文字が見えてアイスティー吹いた。
これは素晴らしい納涼小説。
最初遺跡をズイの遺跡だと思ってて、お姉さんのことをしばらくアルファベット型のあいつらだと思い込んでいた残念な奴はこちらです(
>――ポケモン、好き? ポケモンになってみたいって、思う?
ここで「ん?」となって
>「いいの、あのぬいぐるみはリカちゃんにあげる。だって私はもう、大切なものを取り換えて貰ったんだもの。今あるものだけで十分幸せよ」
ここでぞわっときて
> 私は今、すごく幸せよ。あなたは、どう?
>
> 小さく呟いて、少女は薄い笑みを浮かべるのでした。
ここでぞぞぞぞーっ。
ひぃー、こわい! とても素晴らしい! 素晴らしく涼しい!
「トリック」は「とり憑く」とかけてるのかと思ったら技の方でしたか!
魂入れ替えとはなるほどです。怖いです。大好物です(
> まだまだ長い夏の夜、もっとたくさんの「ぞわっと話」が読めますようにと願いを込めて。
堪能させていただきましたフヒヒ。
本当にありがとうございますー!
| タグ: | 【2012夏・納涼短編集】 【デスマス】 【ミイラ取りがミイラに】 |
あなた、好きなポケモンっている?
私はそうね、やっぱりパートナーでもあるし、プリンかな? まあるくてふんわりして、抱きしめるとふかふかなの。
もしたくさんのプリンに囲まれたりしたら、ふわふわ柔らかできっとすごく気持ちいい! 想像するだけで幸せ!
彼が好きなのはゴーストポケモン。その中でも、特にデスマスが好きだった。
最初はちょっと不気味だな、って思ってたけど、見てみると案外かわいい顔してて、ゴーストタイプも思ったほど怖くないんだな、と思った。
「当時の人たちは、死後の復活の準備としてミイラを作っていたんだ」
彼はよくそんな話をした。彼は古代文明とかそんな感じのものが好きだった。
私たちが出会ったのも、たまたま行った博物館でやっていた、古代文明展みたいな会場だった。
「えー、でも、生き返ったとしても、あんなかっさかさの身体じゃ嫌じゃないかな?」
「あはは。こっちの世界で、ってわけじゃないんだよ。ここで言う「復活」っていうのは、「死後の世界の楽園に復活する」っていう意味なんだ」
「死後の世界に復活???」
「その文明に出てくるとある神様は、先代の太陽神から地上の統治を任されたんだけど、その弟が権力を手に入れるために、兄であり新しい王であるその神様を殺してばらばらにしてしまうんだ」
「ふんふん」
「神様の妻はその死体を集めて復活の儀式を行った。神様は生き返ったけれども、集めたパーツが足りなくて、また死んでしまう。そしてその神様は、死後の世界を統治するようになった」
「ほうほう」
「この宗教の基本となる考え方は、死と再生だ。例えば、この宗教は基本的には太陽信仰なんだけど。太陽は日の出とともに産まれて人々の住む地上の世界を船に乗って旅し、日の入りと共に死んで死後の世界である地下を船に乗って旅し、翌朝また産まれる、というサイクルをたどっていると考えていたんだ。死と再生を永遠に繰り返すわけだね」
「はー」
「人間は死んだら審判にかけられる。生前に正しい行いをした人は神様と融合して、死後の世界にある永遠の楽園で、第二の人生を歩めるんだ」
それはいいんだけど、と私は彼の周りをふよふよと飛び回るデスマスを目で追った。
「それとミイラとどういう関係があるの?」
「死後の楽園に行ったあとも、魂はこちらの世界へ定期的に戻ってこなければならない。そのために、肉体が残っていなければならないんだ。肉体が失われると、魂はあの世から戻ってこられなくなる」
「お盆に迎え火たくようなもの?」
「……う、うーん、どうなんだろ……似たようなものなのかな……? うん、まあ、そういう感覚でいいんじゃないかな? 多分」
どうかな? と彼は傍らのデスマスに尋ねた。さあ? と言うようにデスマスは首をひねった。
彼の家には、何十匹ものデスマスがいた。
みんな金色の仮面を持っているんだけど、よくよく見てみると、その子たちはそれぞれ顔が違った。
「個性があって面白いだろ」
彼は言った。
大人。子供。男。女。黄金の仮面には、色々な顔が映って見えた。
「最近は没個性な顔の子が多いけど、やっぱりこういう子たちの方が僕は好きだな」
磨き布で仮面を拭いてあげながら、彼はそう言って笑った。
彼の家は大きなお屋敷だった。
地下室は危ないから入ってはいけないよと言われていたけど、そもそも広すぎて地下室の階段がどこにあるのかもわからなかった。
その日。
彼の家に行ったけど、彼はいなくて、デスマスもいなかった。
屋敷をうろついていると、床のタイルが不自然にずれているところがあった。
外してみると、地下へと続く階段が現れた。
私は鼻をつまんだ。何とも言えない異臭。
地下はひんやりとしていて、空気がとても乾燥していた。
顔がパリパリになりそう、と思いながら奥に進むと、少し広い部屋に出た。
床に散らばった白い粉と乾燥した草。
壁に飛び散る赤茶色の染み。
麻布にくるまれた「何か」の山。
何、これ。
胃の辺りからすっぱいものがこみ上げてきて、私は慌てて口を押さえた。
「――その昔、ミイラは薬として使われていたんだ」
背中の方から声がした。
私はびっくりしてとびのいた。
数え切れない金色の仮面と、手にナイフを持った男の人が立っていた。
「埋葬されているミイラの周りには、死後の世界で生活するための副葬品が山ほどあってね。それを狙って、ほとんど全ての墓に墓荒らしが入ったんだ」
「ミイラ本体もほとんどが持ち去られ、粉々にされて、薬としてかなりの数が消費されてしまった」
「それじゃあ、死者の魂はどうなるんだろう」
「この世に戻ってくるためには、身体が残っていなければならない。でも、その身体は失われてしまった」
「戻ってきた魂が、行き場を失ってしまったんだ」
「デスマスというポケモンが発見されたのは、その頃のことなんだ」
「知ってる? デスマスが持ってる仮面はね、生前の自分の顔なんだ」
「だけどデスマスもポケモンだからね。デスマス同士の間で卵が出来て、そこから増えることの方が今は圧倒的に多いんだよ」
「そういう子たちは、何とも言えない無個性な顔をしてるんだ。「生前」がないから当然だね」
「でも、やっぱりさ。個性がある顔の方が楽しいだろ?」
「だけどなかなかいないんだよ。ミイラなんてもう作ってないから、当然かもね」
「だから、考えたんだ」
「いないなら、自分で作ってしまえばいいや、って」
「何、怖いことなんか何もないよ。むしろラッキーだと思えばいい」
「だって君は、これから永遠の楽園に行くんだから」
「こっちに戻ってきたらもう身体はないと思うけど、心配しなくてもいいよ」
「ボールに入れちゃえば、衣食住、何の問題もなくなるんだから」
「大丈夫。僕がずっと、大事に育ててあげるからね」
白い刃がきらりと光る。
私は慌てて逃げる。私が立っていた場所に、ナイフが振り下ろされる。
パニックになりながら、私は腰からボールを取った。
「プリンちゃんっ!」
ぽん、とボールが割れて、ピンク色の風船が飛び出す。プリンは大きく息を吸い込んだ。
私は両耳をしっかりと塞いだ。
「『ハイパーボイス』っ!!」
耳を塞いでいても鼓膜が破れそうになる、高周波の爆音。
彼も思わず耳を塞いだ。彼の周りを漂うデスマスも一瞬たじろく。
ゴーストタイプにダメージがないことは百も承知。だけど、ほんの一瞬だけでもひるめばいい。
私はすぐに踵を返して、全速力で地上へ走った。
そして二度と、彼の屋敷には近づかなかった。
彼と出会って、何回目かの夏が過ぎた。
通りがかった博物館では、古代文明の特別展をやっているようだった。
でも私は、もう一生入ることはできないと思う。
この町では、今年に入ってもう5人、行方不明者が出たらしい。
(2012.8.6)
小学校の図書館にあった、たかしよいちの考古学漫画が読みたい今日この頃
某月某日。
女性が男性に愛でとろけたショコラを送り、愛の言葉を囁き合う、そんな日。
女性は恋の行方に一喜一憂、男性は貰ったチョコレートの数に一喜一憂、いや、チョコレートを貰えるかどうかに一喜一憂している。
お菓子屋ならずとも、店という店にチョコレートが並び、町は数日前から独特の甘い匂いに包まれる。
数年前までそんな日だったはずなのだが、いつの間にやら友チョコとか逆チョコとか自チョコとかが出てきてなんかよく分からなくなった。しかし、町が嗅覚的な意味で甘い匂いに包まれているのは変わらない。
目の前の彼女も、非常に甘い匂いをさせていた。確か、事務の仕事をやっている子だったか。
「はい、どうぞ。エルフーンちゃん」
そう言って、腕に抱えた甘い包みのひとつを、足元のフワモコで可愛いと巷で人気の草羊に渡した。
「ココロモリくんにも」
彼女は机の上で丸くなっていたハート鼻の蝙蝠にもチョコレートを渡すと、今は持ち主が留守の机の上にも包みを置いて、部屋を出て行った。
「……僕の分は?」
ひとりチョコレートを貰えなかったキランは、彼女が去っていった方向を見つめて僻みたっぷりに呟いた。
エルフーンはそんな彼の様子は気にせず、貰ったばかりの包み紙を短い手でビリビリと引き裂いている。ココロモリはチョコレートの包みを足で押さえながら、キランの方を気にしていた。
「食べていいよ」
その言葉に安心したようで、ココロモリは風技と念力で器用に包み紙を切ると、箱を開けた。
キランは上司の机に目をやった。そして、見なければ良かったと後悔した。彼女の机の周囲は甘い有様になっている。
机にはまるでチョコレートしかないように見えた。もしかしたら、机もチョコレートかもしれない。隣り合った机や足元の床にまで、彼女の机に乗らなかったり、崩れたり落とされたりしたチョコレートが積み上がって、甘ったるい山を形成していた。今にも蟻が集ってきそうだ。
朝、キランが出勤していない時間帯からチョコ責めに遭い続けて、昼休みでこれだ。夜には家の一軒ぐらい建つだろう。今はチョコ攻勢から逃亡を図っているが、彼女、帰ってきたら胸焼けで倒れるんじゃなかろうか。
視線を感じてそちらを見ると、トリュフチョコを咥えたココロモリと目が合った。
くい、と顎をしゃくるようにしたココロモリに、キランは手を差し出す。噛み跡の付いたチョコが手の中に転がった。
「……ありがと、ノクティス」
心優しいココロモリは気弱そうに笑うと、エルフーンと貰ったチョコレートを交換する作業に入った。
つきそうになったため息を堪えた。自チョコならぬ自ポケチョコって何だよ。いや、いいんだ。自分を気遣ってチョコレートをくれるポケモンなんて最高じゃないか。うん、そう思うことにしよう。きっとそうなんだ。そうに違いない。
「……はあ」
堪えていたため息が出た。
ハート型チョコはそんなに美味しいのか。せめて向こう向いて食べてくれよ。
という指示をポケモンたちに出すのは空しかったので、キランの方が部屋を出ることにした。廊下に出ると空気が清浄に感じられた。あの部屋はよっぽど甘かったのだ。三回深呼吸して肺の中の空気を入れ替えると、気分がずいぶん良くなった。別に大量のチョコを貰うことが幸せではないと気付いたからではなく
。そして、息抜きついでにご不浄に行って用を足していると、真上の換気扇からエルフーンが出現した。
「そんな所から出るなよ」
換気扇から頭上に落下してアフロみたいになったエルフーンを離しながら文句を言う。しかし、エルフーンはキランの言葉も耳に入らない様子で、短い手足を振り回して酷く慌てている。顔はいつもと同じだが。
「分かった。分かったからズボンの裾引っ張らないで」
キランがそう言うと、エルフーンはひとまず安心したようで、握っていたズボンを離した。そして、キランたちの居室の方向へ走り出す。
しかし、エルフーンは背負った綿に風を受けて、少し走っては舞い上がり、少し進んではまたフワフワ……。
真面目に移動して欲しいが、こいつが本気で移動すると、白い綿だけ残って本人が行方不明になるので、それはそれで面倒である。
仕方ないので、エルフーンを両手に抱えてダッシュした。
見たままを言うと、蟻が集っていた。アイアントが。
部屋の壁を破壊して、鉄蟻の行列がチョコレートの山から外まで続いている。色とりどりの包みを鋼鉄の顎でガキッと挟み、回れ右して壁の穴から外へ這っていく。行列の先頭に出た次の鉄蟻がまたガキッとチョコレートを咥えて回れ右、そのスペースにまた次の鉄蟻が進み出て。
ココロモリが困ったように天井付近を旋回していた。キランも困った。
チョコレートが無くなれば彼らはお帰りしてくださるだろうが、それまで壁は半壊、吹き曝しのままというわけにもいくまい。
それ以前にライモンシティにアイアントはいないのだから、飼い主を見つけてポケモン管理義務違反で注意しに行かなければならない。仕事が増えた。それと、いつの間にか白い綿を残して姿を消したエルフーンも後で探さなければ。
「ああもう」とぼやきながらボールを手に取ったキランを押し退けて、ひとりの女の子が現れた。
先程やって来た事務職の女の子だ。
オコリザルも吃驚なぐらい目を血走らせ、ドン! と部屋の床を踏みしめて仁王立ちになると、ボールを取り出して手の血管が浮き出る程強く握り締めた。触れたら火傷しそうな程、怒っている。
「アンタたち……私がレンリ先輩に渡したチョコレートに汚い顎で触るなあ! 始末なさい、クイタラン!」
ひび割れた声でそう叫んだ彼女が繰り出したのは、縞模様のアリクイ、クイタラン。アイアントの天敵とされるポケモンで、
「ああっ、クイタラン!」
アイアントのストーンエッジで倒されるのはご愛敬である。
アイアントは人に教えられないとストーンエッジを覚えないから、彼らは人飼いであることが確定したわけだが、嬉しくも何ともない。厄介だと再認識させられただけだ。ついでみたいにココロモリも撃ち落とされてしまったし。
そう、後、厄介と言えば、この子も。
「何よ! 他のはいいけど、私のだけでも返しなさい!」
彼女は倒れたクイタランを戻すと、懲りもせずに鉄蟻の群れに向かって行く。無謀だ。
食料の運搬を邪魔されたアイアントたちが、彼女に不気味な鉄顎を振りかざした。
一斉に鋼色の蟻たちが下顎を傾ける様は、見ていて恐ろしい。事務職の女の子もそれは感じたようで、アイアントたちのはるか手前で足を止めた。
シャン、とアイアントたちの顎が同時に鳴る。そして、同時に顎を開いた。次には攻撃が来る。が、その時キランはこいつら息ぴったりだなと全くバトルに関係ないことを考えていた。それから、つい癖でペンドラーのボールを選んでいて、室内でどでかいムカデは出せないと気付き、ならばとドリュウズのボールを探して非常時に限って必要な物は見つからない、つまり詰みだ。
と思ったその時、
「ウィリデ、コットンガード」
いつの間にか戻って来た草羊が、綿の大玉となってアイアントたちの前に立ちはだかった。
先陣を切っていった鉄蟻の顎の脅威をモコモコの綿が吸収する。アイアントの攻撃に思わず立ち竦んだ彼女がホッとした様子でキランを見た。しかし、指示したのはキランではない。
黒髪に紅色のメッシュを入れた女性がキランを押し退けて現れた。キランの上司であり、チョコレートを売る程貰っていた当人、レンリである。
「ウィリデに引っ張られたんで慌てて来たんだが、こりゃ酷いな」
そう述べながら左手で事務の子の肩を掴んで部屋の外に出し、右手でモンスターボールを掴むと、彼女のポケモンを呼び出した。大きな紅色の花を頭に乗せたドレディア。
「ウィリデ、身代わり」
彼女は当たり前のようにキランのポケモンに指示を出すと、続けてパンツスーツをパン、と払った。
それを合図に、ドレディアがわざとリズムの狂ったダンスを披露する。それを見たアイアントたちは、次々と何かに感染したかのようにおかしな行動に移った。アイアント同士で頭をぶつけあったり、チョコレートの包みを粉々に砕いたり。
混乱したアイアントたちを花びらの舞で部屋の外に追い出すと、レンリはいつも肩に乗せているバチュルを使って大穴を蜘蛛の糸で覆わせた。
網の隙間から鉄蟻の恨めしそうな顔。しかし、バチュルの巣は電気が通っているから、いくらアイアントと言えども簡単には突破できないだろう。レベルも違うし。
ほっとするのも束の間、
「これ、修理するの大変そうだな」
上司のひと言で、キランは現実に引き戻された。
穴から吹き込む風が、冷たい。
通りすがりのローブシンに頼んで壁の穴を塞いでもらった。アイアントの持ち主も探してしょっぴいた。それが終わった時には日付が変わっていた。
「疲れた」という間も惜しく、上司は貰ったチョコレートの分類作業に入っていた。ただ単に部屋の隅にチョコを投げてるだけに見えるが。ホワイトデーにお返しをする気はなさそうだ。そう思って見ているキランの目の前で、上司が「あった」と声を上げた。嬉しそうだが、歓声と言うには大人しい声で。
「アイアントに持って行かれたかと思った」
そう言って、彼女は小さな箱を持ち上げた。飾り気のない白い箱が、彼女の白い手の中に包まれていた。そういう風に扱うのは、一体誰からの贈り物だろう。投げ打つ程にチョコを貰う彼女に選ばれるのは――それは、幸運に思えた。
彼女から選ばれる可能性があるのなら、じゃあ何か渡せば良かったと思って、その直後にその考えが嫌になった。上司の姿を視界に入れないよう、キランはそっぽを向いた。その肩が叩かれた。
キランの手に、白い箱が押し付けられた。白い手から。
引っ込められた白い手を追って、キランは肩越しに彼女を見上げた。目が合うと、彼女は髪をかき上げながらも目を伏せて、
「ほら、こういう日だから」
静かに言った。
戻ってきたエルフーンと顔を見合わせて、キランは箱を開ける。紙を一枚敷いた上に、ちょこんと丸いチョコレートが乗っていた。もう一度上司の方を窺うが、彼女はもうキランに背を向けて自分のチョコの山に取り掛かっている。
キランも彼女に背を向けた。慎重に箱の中から甘い塊をつまみ出す。手の平に転がすと、ココアパウダーがチョコを中心に散らばった。小さなトリュフチョコは体温で溶けて消えてしまいそうで、そうなる前にとキランはチョコレートを飲み込んだ。
甘さだけで出来た塊が舌の上で溶け
舌に激痛が走った。
反射的に口を手で覆い、出すのはまずいと思い切って飲み込んだ。すると喉が痛い。辛さが喉の中を上って鼻に回って涙腺も刺激して涙が出てきた。
口を開けて息をした。新鮮な風が当たると、少しだけマシになる。でもまだヒリヒリと、痛い。涙を堪えて上司の顔を見たら、いつもの悪ぎつねみたいな笑みを浮かべている。彼女はそういう人だということを忘れていた。
「ひっかかったな」
そう言って、風のように去って行く。
大量のチョコレートと一緒に部屋に取り残されたキランは、口の中のヒリヒリが収まるのを待つことにした。手持ち無沙汰なので、貰った箱を捨てる前に畳もうかと指先を動かす。底に敷いた紙を引っ張り出す。と、その下にまだもう一枚紙が入っていることに気が付いた。二つ折りになっていたそれを開いたキランは、やれやれとため息をつく。
『いつもありがとう』
そして、唐辛子爆弾を仕掛けた彼女と、これを書いた彼女と、どっちが本当なのかと思い悩む羽目になるのだ。
あそこをくぐり抜ければNがいる。ゲーチスが何か言っていたけれど、関係ない。わたしはただ、Nに言いたいことがあるだけ。
心臓が暴れまわり呼吸が乱れる。パートナーの入っているモンスターボールを握りしめて、わたしは覚悟を決めた。
行こう、Nのもとへ。
Nが、ゼクロムを呼んだ。呼びかけにこたえて、玉座の向こうから黒い竜が現れる。黒い竜は力を誇示するように吠え、電気のエネルギーを撒き散らす。圧倒的な力。あれが、伝説の竜。
体が震える。勝てるだろうか。違う、何をしてでも止めるって決めたんだ。
大きく息を吸う。若草色の目を見据えて、わたしは告げる。
*
N。わたしはきっと英雄なんかじゃない。だってそうでしょう? ゼクロムが現れても、ライトストーンは反応しなかった。
わたしは、あなたに言いたいことがあって来たの。わたしには求めるべき真実なんて分からないよ。この世界のことをほとんど知らないもの。
あなたは多分戸惑っているよね。わたしがこんなに喋るところを見たことがないだろうし。ベルもチェレンも、今のわたしを見たら驚くだろうね。でも、わたしにだって言いたいことがたくさんあるんだ。
聞いて、N。
わたしには分からなかった。なんでわたしが英雄なのか。どうしてNはわたしにこだわるのか。これは、今でも分からないよ。
あなたは何度も接触してきては、一方的に喋り、勝負を仕掛けてきた。電気石の洞穴では、勝手にわたしをニュートラルだと決めつけた。たしかに理想も、真実も知らなかったけど。それに、わたしの意思なんかお構いなしにわたしを選んだなんて言う。竜螺旋の塔でもそう! わたしにライトストーンを探せと言った。
なんで! どうしてわたしなの!
あなただけじゃない。みんな、みんなそう。わたしにやれと言う。わたしの気持ちなんて知ろうともせずに、英雄になることを強制した。流されるままのわたしも悪かったよ。でもさ、だんだん、言えなくなった。言える雰囲気じゃなかった。
みんなわたしに期待して……押しつけて。わたしは、まだこどもなのに。大人たちも、アデクさんくらいしかあなたに挑もうとはしなかった。そのアデクさんだって、わたしにライトストーンを持てと言った。正直怖かった。なのに、受け取れって。押し付ける形になってすまない? だったらやめてほしかった。でも、受け取る以外の選択肢なんてなかった。
あはは、こどもだよねえ。わたしもみんなに負けず劣らず自分勝手だよねえ。でも、もうやめるわけにはいかなかった。わたしだって、ポケモンのいない世界は嫌だったから。わたしがやるしかないって、言い聞かせてた。
ねえ、N。わたしね、あなたの考えには少し共感しているの。傷つくポケモンがいるのはやっぱりいい気はしないよ。たとえば、ずっと一緒にいるこの子たちが誰かに傷つけられるのは、嫌。でもさ、方法が間違っていると思う。たしかに、ポケモンと人間を引き離せば、人間に傷つけられるポケモンはいなくなるよ。でもその代わり、新しい悲しみが生まれると思う。
N。あなたは言ったよね? わたしたちみたいな人ばかりだったら、ポケモンの解放なんてしなくていいって。あなたは迷っているんじゃない?
あなたの部屋を見せてもらったよ。ずっとあの部屋の中で過ごしていたんだってね。
あの部屋を見て、ずっと迷っていたけど分かったんだ。言ったでしょう? 自分がどうして英雄なのか分からないって。ここに来るまであなたと戦うことに踏ん切りがつかなかった。英雄であるだけの、理由なんてなかった。でもこの城に入って、あなたの部屋を見て、あなたの過去を聞いて、自分がどうしたいか分かった。
あのね、N。あなたの見ていた世界はすごく狭くて小さいよ。
わたしも似たようなものだけど。わたしだってカノコタウンから外に出たことがなかったから。
ねえ、あなたは「外」で何を見た?
わたしはポケモンをもらって、外に出ていろんな経験をした。トレーナーとはポケモンバトルをしたし、ポケモンを交換することもあった。ミュージカルに参加したこともあった。人の仕事を手伝っているポケモン、ううん一緒に働いてた。みんな、楽しそうに笑ってた。ポケモンの言葉は分からないけど、見ていてそう感じた。
たくさんの人たちと、ポケモンたち。お互いがお互いを思いやっていた。
N、あなただって見たでしょう?
うん、そう。あなたがあの部屋で見てきたことも本当のことだよ。実際、人間に苦しめられているポケモンもいる。でも、ね。わたしが見たのはたいていプラズマ団のせいだったよ。ムンナの煙が必要だからって、蹴ったりして煙を出させようとしていたことがあったんだ。あの時はすごくびっくりした。この人たちはポケモンを大切に思ってないんだって、口先だけだったんだなって思った。あなたとはずいぶん違っていた。思えば、あれがあったからわたしはここにいるのかもしれない。
それから、ポケモンを解放するんだと言って、ポケモンと人を引き離していたよね。でもポケモンたちは、大切な人と引き離されてつらそうだった。ベルがムンナをプラズマ団に奪われたとき、ベルもムンナも、両方とも悲しんでた。やっぱりそういうのを見ると、こんなのは違うって思ったんだ。
ポケモンと人が出会って、たしかに悲しみが生まれたと思う。でも、それ以上に喜びが生まれたんじゃないかな。あなたは今ある喜びを、幸せを、すべて悲しみに変えるの?
それがあなたの『理想』なの? 目指すべきなのは、今ある幸せを壊すことなんかじゃなくて、悲しみを減らすことなんじゃないの?
わたしはこの子たちと出会えてすごく嬉しかった。喧嘩することもあったけど、一緒にいられて幸せだったよ。
ねえ、N。あなたはポケモンと一緒にいて幸せじゃなかったの? 幸せだったはずだよね?
それはあなたもわたしも、そして他の大勢の人も一緒なんじゃないの? あなたはきっとそれを見てきたはず。
なのに、あなたは自分が見てきたものを否定するの?
あなたがしようとしていることは、今まで見てきたことを否定してまでやるべきことなの?
わたしたちが見たのは、『真実』じゃないの?
*
そこまで言ったとき、バッグがもぞもぞと動いた。はっとして、バッグを開ける。
ライトストーン、が――――。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
超今さらですが書いてみました。
書く書く言ってから大分たったのでわたしが言ったこと自体、皆様忘れてると思いますw
ぶっちゃけプレー中は、電気石の洞穴あたりから完全に置いてきぼりされてたので、こんなことは考えてないですw
これを書くためにプレー動画見てみたんですが、ゼクロム登場からレシラム登場までほとんど間がなく、思わずずっこけました。
もうね、明らかにゼクロム現れたから出てきただけだろ状態。
実際にプレーしてたときはあんまり気にならなかったんですけど。
というわけで、こんな感じのことがあったんじゃないかなあという妄想でした。
今更過ぎてごめんなさい!
【書いてみたのよ】【今さらでごめんなさい】
ガサ、ガサ。
子供はおろか、背の低い大人ならすっぽりと隠れてしまうような草むら.
その湿った中を掻き分けて進む一人の男がいた。
彼が背負っている革色のリュックはリズムよく踊る。
空にはどんよりとした雲が浮かび、今にでも大きな雨粒を落としてやろうと言っているかのようである。
男は、煙たい匂いが鼻の奥を刺激するのを感じた。
お香か。
男は、思う。
匂いの風上を頼り、草むらを抜けると、その元はあった。
高く聳える塔。
タワーオブヘブン。
イッシュ地方最大の、ポケモン用の墓地だ。
各地のポケモンの御霊がこの塔で供養されている。
塔の頂上には大きな鐘があり、それを鳴らすことでポケモンたちが安らかに眠ることが出来るといわれている。
内部の各フロアごとに墓石があり、お参りへ来る人が毎日いる。
しかし、天気があまりよくないからか、あたりに人の気配はなさそうだ。
男はキョロキョロとあたりを見回すが、薄暗い影の中の草木しか視界には入らない。
男は、この塔に鐘を鳴らしにきた。
ただ、鳴らしたいと思っただけだ。
それ以外に理由なんてない。
漠然とした理由で来た男は塔を眺めた。
見上げ、霞の向こうにある頂上が透けて見えるかのようにじっと見つめる。
その先の、なんとも形容しがたい魅力を感じる。
男は、すっかり心を奪われていた。
「あの」
という透き通った声が聞こえるまでは。
その刹那、男は体を震わした。
何者なんだろう?
声の主に意識を向けた。
「はい?」
男は振り向いて、その姿を瞳に焼き付ける。
少女が、いた。
ぴゅう、と吹いた風に栗色の髪はさらりとなびく。
栗色のワンピースを着た少女は男をじっと見つめていた。
「おにいさん、塔にのぼるの?」
透き通って、消えてしまいそうなその声は、どこか悲しげだと男は思った。
「そうだね、今から塔の頂上に行くんだ」
ふぅん、と少女は言った。
「あのさ、あたしも、ついて行っていいかな?」
「君もかい?」
「うん」
少女はうなずいた。
「一人で行くの、こわいから」
塔の中は昼間だというのに薄暗い。
壁にかけられた蝋燭の灯はぼんやりと光、墓石を、床を橙に染めている。
中には人はいないようだ。
だが、何かが見つめている。
そんな感覚に襲われた。
「おにいさん、きをつけて。このあたりはヒトモシがすんでいるの」
「そういえば、そんなことを聞いたことがあるよ」
この塔にはヒトモシが生息している。
彼らは人の魂を好んでいるため、下手な行動をすると命取りになりかねない。
そんな話を昔聞いた覚えがあった。
「あの蝋燭もヒトモシよ」
「えっ?」
男は壁の蝋燭を見つめた。
ゆらゆらと炎が燃えている。
蝋がにやりと笑った。
「!?」
男は正体の顔を見たと同時に、腕を引っ張られる感覚に襲われた。
右腕をつかんでいたのは、少女だった。
「はやく行きましょう。こわいでしょ」
少女は足早に歩き始めた。
男は崩しかけた体勢を整え、付いていく。
「危なかった……。しかし、よく知ってるね。ここ何回か来たことあるのかい?」
男の質問に症状はビクッと体を震わした。
もしかして、聴いちゃいけなかったかな。と男が考えていると、
「……うん、何回か」
消え入るような声が答えた。
「一人で来たら危ないから、だれかいないかさがしていたの。そしたら、あなたが来たからたすかった」
少女の手はひんやりとしていた。
塔の薄暗さがそのまま体に出ているかのように。
少女に引きつられて、螺旋階段までたどり着いた。
一段踏み出すごとに、こつん、こつん、と音を響かた。
ヒトモシの灯に映し出されたひとつの影は、鐘へと近づいていく。
長い長い階段の先を超えると鐘があると期待した男は墓が並ぶフロアが続いたことに肩を落とした。
「まだまだ先よ」
少女の発した言葉に重なって、
「……ぼう……」
という声が聞こえた気がした。
「なんだ?」
と男は振り返ったが、人がいる様子は無い。
「ヒトモシのしわざよ。はやくしなきゃせいめいりょくをすい取られるわ」
少女は声の方向に目もくれず、次の階段に向かっていた。
「おにいさん、いそぐわよ」
少女は、駆け出した。
おおっと、と男は声を漏らした。
駆ける少女に引っ張られながら、次の階段へと向かっていく。
彼女の冷え切った手につかまれながら。
幾段もの階段を上り、規則的に並ぶ墓石を目にし、進んだ。
そして、最後の階段にたどり着いた。
「もうすこしで頂上よ」
「ああ、そうかい」
最後の階段の先から光が屋内に差し込んでいる。
一歩、一歩階段を踏みしめる。
外気は少女の手のようにひんやりとしてきていた。
間違いなく、頂上が近いんだ。
男は思った。
「君のおかげでヒトモシに襲われることもなかった」
「そうね……ありがとう」
少女はぽつりとつぶやいた。
階段を踏みしめるごとに、体の重みが男を苦しめた。
ずっと歩き続けたからだろう、男は痛みを堪える。
視界は次第に明るくなっていく。
そして、最後の一段を踏んだ。
頂上は、ぼんやりと霞がかっていた。
その中にうっすらと大きな鐘が見えた。
「これが、頂上か…」
男は鐘へと歩み始めた。
一歩足を踏み出すたびに重くのしかかる感覚を堪える。
そして、鐘の前に立った。
鐘から垂れた紐を手に取り、引っ張った。
ごおおん、ごおおん。
鈍い音がん響き渡った。
遠く、深くまで。
男の心の奥底にまで染み込む。
重い体から何かが離れていくような、そんな感覚に包み込まれた。
目的を達成してすっきりした男が鐘に背を向けると、少女が立っていた。
「もう、かえるの?」
「ああ、やりたいことは終わったしね」
少女は拳を握った。
「……つまんない」
少女は、拳を振り上げた。
「つまんないつまんないつまんないつまんない! もっとあそぼうよ!」
「お、おい……落ち着け!」
少女は体を震わせて睨み付けた。
「あそびたいんだよ? この子たちもあそびたいんだよ?」
刹那、男の肩に重みを感じた。
視線を右肩に向けると、いた。
白い体に、赤いともし火。
ヒトモシだ。
「なっ……」
男は、意気揚々としたヒトモシの姿を見て、頭にぐるぐると何かがめぐり始めた。
「なっ、なんで……ヒトモシがいるんだ……?」
渦の中から拾い上げた言葉を発した。
「あそびたいんだよ? ミ……ンナ、アソビタ……インダ……ヨ?」
少女の顔は、ゆがみ始めていた。
口は左頬の位置まで伸び、鼻は斜めに、目は右頬に傾いている。
口から、目から、鼻から、緑色の液体が流れ始めた。
男は、息を呑んだ。
瞬きをすると、歪んだ少女は消えた。
そこに、一匹のポケモンがふわふわと浮かんでいた。
灰色の体に大きな頭。お腹の4つのボタン。
オーベムである。
「あ、あぁ……」
そこに、少女などいなかったんだ。
最初から幻影だったんだ。
男は、体中の力が抜けきってしまった。
ぺたり、とつめたい地面に尻をついた。
肩のヒトモシはぴょこん、と降りた。
……遊びたいんだよ?
「……やめてくれ……頼む……」
男の体はすっかり冷え切っていた。
次第に近づいてくるオーベムが大きく、そして恐怖に感じられた。
……なんで、遊んでくれないの……?
「やめろ……やめるんだ……この化物……!」
ぴたっと、オーベムの動きが止まった。
……化、物……?
体をぶるっと震わせた。
……ボクって、化物なの……?
悲しそうな瞳で男を見つめた。
潤んだ瞳の奥には何か、淋しげな感覚があるように見えた。
……そうだよね、怖いよね。
オーベムはがっくりとうな垂れた様子だった。
さっきの一言が重くのしかかったらしい。
……ボク、ただ遊びたいだけだったんだ……
「オーベム……」
男は膝をついた。
「酷いこと言っちまってごめんな」
男はオーベムの頭をなでた。
オーベムは驚いた様子で男を見つめる。
潤んだ瞳に男の顔が映りこんだ。
……許してくれるの?
「こっちこそ酷いこと言ったしな。お前はただ遊びたかっただけなんだろう」
オーベムはコクリと頷いた。
「そうだな、ちょっとだけ遊んでもいいぞ?」
……え? 本当に?
オーベムは目を丸くした。
男はああ、と言った。
オーベムは踊るように喜んだ。
……やった、ありがとう!
その姿を見ながら、男はにっこりと笑った。
後ろから、ヒトモシがぴょこんと肩に乗った。
そして、にやりと笑った。
「次のニュースです。フキヨセシティ郊外のタワーオブヘブンそばで男性の遺体が発見されました。
遺体は死後数週間が経過したものと思われ、警察が身元の確認を行っています。
近辺には革色のバッグがあり――」
――――――――――――――――――
お久しぶりです。名前のとおりのものです。
最近ご無沙汰だったので、リハビリがてら。
ところで、書いていくうちにオーベムが可愛く見えてきたんです。
あのくりっくりとしたおめめ。なにこれ可愛い。
もっと怖いってイメージだったんですが、気づいたら抱きしめたくなってました。
そんなノリで無理やり乗り切りました。
【好きにしていいのよ】【オーベム抱きしめてもいいのよ】
回答8:
色違いのゾロアークなら、この前借金を返しにきた。
子供手当が出たからやっと返せるー!ルーピー・ポッポ大統領万歳とかいいながら団子も食ってたな。
回答9:
私の友達が青いブラッキーを持ってました。
普通のブラッキーとは違って、夜に見ると青く光って綺麗でしたが、迫力はやっぱり黄色い方がよかったと思います。
回答10:
(この発言は当局によりスナイプされました)
回答11:
この前、ラブカスを釣ろうとしたら、変な色のホエルコつり上げちゃったよ。一瞬目がおかしくなったのかとおもった。
回答12:
色違いのゾロアークがこの前お店にきました。
先輩と親しいようだから、試作品を食べてもらったら全部まずいって言われた;;
それから口直しに賞味期限が近いやつを食われたけど、小さい子がいるっていうから包んであげたら喜んで宣伝してくれた。いいやつだったよ
回答13:
>12
貴方なにをいってるんですか?ゾロアークが喋るわけないじゃないですか。半年ロムってろ
回答14:
>12
お前ポケモンかよwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwwいいやつwwwwwまじwwwwwwwwステマwww
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知恵袋に寄せられた相談:
5日程前、エンジュシティの南の方で良い雰囲気なゾロアークのカップルを見かけたんですが、何と片方が色違いだったんです!
色違いなんて初めて見たので物凄く印象に残っています。そこでふと気になったのでお聞きします。皆さんが見た色違いのポケモンを教えて下さい!
回答1:
私も4ヶ月程前にヤドンの井戸の辺りで色違いのゾロアークを見掛けました。ロコンと一緒に歩いてました。
ロコンが鬣を触りたそうに見てました。実際少し触ったりしてました。微笑ましかったです。
回答2:
先月の下旬にキキョウシティの西の方で同じく色違いのゾロアークを見ましたね。
確かコジョンドと手を繋いで歩いていたと思います。紫色の鬣が綺麗でした。
回答3:
クチバシティに色違いのゾロアークと通常色のキュウコンの夫婦がいました。可愛いロコンの子供もいてとても幸せそうでした。
ゾロアークがキュウコンに一途なのが凄く伝わって来たっす。あれこそ夫の鑑っすね。
あと、質問者さんのゾロアーク達は絶対カップルじゃないです。決して良い雰囲気でもないです。
回答4:
うちのイーブイが色違いです! 銀色でもっふもふで超かわいいです!
この子タマゴから生まれたんですが最初見た時汚れてるのかと思って洗いそうになりました(笑)
進化させるか悩んでますがそれは別の話ですね。
回答5:
いつだったかは忘れましたがウバメの森で色違いのゾロアークを見た事があります。
キュウコンの尻尾を枕にして気持ち良さそうに寝てました。羨ましかったです。……羨ましかったです。
あの時からいつかキュウコンを手に入れて同じ事をするのが私の夢になりました。羨ましかったです。
回答6:
ゾロアーク大杉ワロタwwwwwwまあ俺が見たのもゾロアークなんだがwww
確か2ヶ月位前にヨシノシティの北辺りで普通のゾロアークと一緒に鬣を梳かし合ってたな。ゾロアークたんカワユス。
まぁ何が言いたいかって言うと、リア獣末永く爆発しろ。
回答7:
僕もこの間ラジオ塔の入り口付近でゾロアを抱いてる色違いのゾロアークを見掛けました。
ゾロアは普通の色でしたが非常に可愛かったです。
それにしてもゾロアークの目撃情報多いですね。同じ個体だったりして(笑)
回答15:
去年の冬頃だったかな、どこだったかは忘れたけど私も色違いのゾロアークを見かけました。
確かフォッコと焚き火囲んでたと思います。言うまでもなく可愛かったです。両方共。
それで確かゾロアークが振り向いた拍子に火が鬣に燃え移っちゃって2匹共焦ってたっけ。あれは笑った。
――――――――――――――――
どっかの誰かに似てますねぇ、フヒュヒ。本人じゃないと良いですねぇ、ニヤニヤ。
という訳で某ゾロアークをお借りしたかも知れませんしお借りしてないかも知れません。どっちでしょうねぇ、ニタニタ。
知恵袋のスレは既にありますが、これは毛色が違うので別で立てました。
とりあえずキュウコンの尻尾を枕にしたいです。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【回答してもいいのよ】
【浮気してもい……浮気はだめなのよ】
【回答3はベストアンサーにはならないのよ】
【尻尾を枕にしたいのよ】
3/24追記: 回答15を追加しました
携帯をいじっていたらテキストフォルダからプロットらしきものが飛び出てきましたので、折角だからこっそりあげることにしました。後書きのページにも色々書きましたが、こちらも良かったぜひ(ドキドキ)
【以下、携帯のメモ帳からそのまま抜粋】
ポケモンストーリーコンテスト案を出していこうページ1
★タイトルは?
こちら鏡屋メタモンでありんす。
★主人公は?
メタモン。
殆どのポケモンを知っており、その知識を活かして、その者が知りたい姿を見せる鏡屋というモノを始める。昔、お礼にもらったというキセルをいつも身につけている。一人称はわらわっち。その辺の説明も入れておく。
★どんな話?
イーブイの進化の悩みから可能性の広さを説く【未来編】
ルージュラの恋の悩みから、今というものと向き合う【現在編】
トレーナーが捨てた卵から変えられない過去を説く【過去編】
★流れは?
最初はメタモンの紹介で1000文字以内。
後は未来編、現在編、過去編の順番で各3000文字以内。
★それぞれの性格
・メタモン
古風な喋り方が特徴的。甘いモノに目がない。冷静にモノを見る。
・イーブイ
好奇心旺盛なイーブイで、メタモンに将来のことを相談しに来る。
・ルージュラ
恋に生きているポケモンで、もっと美しくなりたいと思っている。
進化することはできないかとメタモンに相談しに来る。
・トレーナー
卵を孵して、個体値が低いと見るや、そのポケモンを捨てる人。
間違えて高個体値のポケモンを捨ててしまう。
――――
ポケモンストーリーコンテストの案を出していこう。ページ2
★一人称は?
・メタモン…わらわっち
・イーブイ…ボク
・ルージュラ…わたくし
・トレーナー…俺様
★実は。
イーブイは実はトレーナーに捨てられていたポケモン。
後にエーフィに拾われ、育っていく。
話の終わりはイーブイがエーフィに進化して、メタモンが「願わくば、この子のように強く生きて欲しいでありんす」と呟いて終わり。
★セリフ。
・わらわっちはあくまでお主の見たい姿を写したにすぎん。
・未来を決めるのは最終的にお主なんじゃ。
決めて、その先を進んだら、戻ることはできん。
だから自分に責任を持つのじゃ。
それが今というやつでありんす。
・鏡はあくまで表面を映しているだけでありんす。
中身までは映せん。
どんなに姿を変えようともわらわっちはわらわっち。
お主はお主なんじゃ。
中身を変えること……それも進化の一つじゃないかのう?
・知っておるか?
捨てられたポケモンはな、成長すると、やがて捨てられた意味をというものを知って、捨てた人間に復讐するのだそうじゃ。
【このプロットらしきものに関する補足説明】
・現在編にて初期案はルージュラでありましたが、進化しないポケモンにするはずだったのに、ルージュラはムチュールから進化していたことを忘れていました。
ポケスコに提出後、それに気がつき、急いで他の進化しないポケモンを検索。
唇が気に入ったのでマッギョに決定。
・このプロットらしきものを打ち出したのは第二回ポケスコの募集が始まったときで、このプロット(?)を打ち出す前にこの案は薄らと浮かんでいました。
要するに温めていたのであります。
ちなみに、そのときに浮かんだタイトルは『メタモンが語る!』
・ページが二つに分かれているのはメモ帳が500文字までしか入らなかったからです(汗)
このような感じでわらわっちストーリーが生まれたわけですが、実際に物語を書いてみると、オムニバス形式で四つのお話を書かなければいけなかった上に、それぞれの字数目標を破ったりしてしまいましたから、全体で軽く10000字オーバーが起こって調整が大変でした。(汗)
それでは失礼しました。
「ライモンシティ行き、間もなく発車します。駆け込み乗車はおやめください」
帰りのバトルサブウェイが動き出す。ここから帰る人たちはいろんな事情を抱え込んでいた。途中で負けたもの、区切りをつけて帰るだけのもの。ただこの時間は人が少ないのか、広い車両に一人だ。
途中の駅で買い込んだキャンディを一口。そして真っ暗な窓の外を見る。
夜のように真っ暗だ。ここは地下鉄、景色なんて見えない。時々、反対方面に向かうサブウェイが見えた。それ以外は何の変わりもない、ただの暗闇である。
「パスを拝見します」
車掌の言葉に顔をあげる。首からぶら下げていたスーパーシングルトレインの許可証を見せた。
「あれ、さっきのサブウェイマスターの……サガリさん!」
「僕はクダリ!」
名前を間違えられて一気にフォーマルな表情から、プライベートな子供っぽい表情へと変わる。
「クダリさんですか、すいません」
シングルトレインにいたノボリと良く似た人だ。親戚なのかもしれないが、性格がだいぶ違う。
「クダリさんもバトルサブウェイ好きでこの仕事してるんですか?」
「ノボリと一緒にしないでよ!僕はバトルが好きなの!」
同じじゃないか。そう思っても言葉には出せなかった。苦笑いでやり過ごし、荷物から残ったキャンディをクダリに渡す。
「お疲れ様です。青リンゴ味ですよ。よければどうぞ」
サブウェイの窓は相変わらずの暗闇だ。ダイヤが違うのか、他のサブウェイともすれ違わない。
「お仕事は?」
「君で終わり。……さっきから外ばかり見て、何が面白いの?」
クダリがつまらなそうに言う。確かにそうかもしれない。彼にとって見慣れた暗闇。
「クダリさん。誰かが私に言ったんですよ。電車って人生に似てるって」
「なにそのいきなり哲学。僕に解るよう説明してよ」
「受け売りなんで上手く解釈できないんですが、電車は乗り遅れたら二度と乗れない。人生も、チャンスの電車に乗り遅れたら二度と乗れない」
クダリはとてもつまらなそうだった。相づちの声からしてもう話を聞いてる態度ではない。
「クダリさん、私、過去に一人、すれ違ったままの人がいます」
「その人は、ポケモンを人間から解放するといった信念で突き進みました。私は違うといって対決したままいなくなりました。その他にも私には友達がいます。二人とも、途中迷ったりしてましたが今では自分の道をいってます」
「その時、私は何をしていたんでしょうか。みんなより人生の特急に乗った気分で、二人に勝った気でいたんです。二人とも、普通列車に乗って、乗り換えで迷っても自分の行き先を見つけたのに私は乗り換え駅でどの電車にのっていいか解らないんです」
「で?」
今まで黙ってたクダリが口を開く。
「で、って、私が今思ってることですよ」
「何を迷ってるか知らないけど、乗り換え駅なら来た電車に乗ればいいじゃん」
クダリが飴を嚼んだ。
「これだから子供は嫌いだ。迷ってる自分がかっこいいとか思ってるんだもん。乗り換え駅にいて迷ってるっていう自覚あるなら最初に来た電車に乗ればいいだけじゃん。君つかれる」
クダリが立ち上がる。座ってる時とは違って、その背丈は大きい。クダリを目で追うと、窓の外に灯りが見える。
「もうライモンシティに着くよ。それじゃ」
「あ、クダリさん!」
「何?」
「また勝負してくださいね」
「君が勝ち抜ければね。……直接申し込むんだから腕には自身あるんだろ」
クダリは車両のドアに手をかけた。そしてもう一度振り返る。
「君、名前は?」
「私ですか?私はトウコです」
「ふーん、そう。じゃ」
そのままクダリは白いコートと共に消えて行く。トウコはその方向に頭を下げた。
ーーーーーーーーーー
バトルサブウェイの帰り。今まで辿ってきた道は何だったのか。見えない窓を見て主人公は何を思うのか。
幼なじみはそれぞれ目標をみつけたのに、主人公だけぽーんと放り投げられたようで、エンディング後はもしかしたら
クダリにはまだ会ったことないけど下りだからクダリさんにした。
【好きにしていいのよ】【最近サブマスが気になるのよ】
メッセージありがとうございます!
ポケモン嫌いは結構好きな題材でした。
「私」側からの一方的な視点の話であったのに、タブンネの気持ちを汲んでもらえてとても嬉しいです。
他者と暮らすにはある程度の知識が必要ということですね。
親は自分が世話するんだから「私」は知らなくていいと思ったのか、両親もあまり知識がないか。
どちらにせよ些細なズレでこんなになってしまったのです。
それは現実の人間関係でもそうなんじゃないかなあと思います。
切ないっていう感想もらえて嬉しいっす!
ありがとうございました!
【タブンネの半分は優しさでできています】
久しぶりにマサポケを覗いたら、なんとまあ「ポケモン嫌い」を書いてくださっていた……! ありがとうございます!
なんだかもう……切ないなあ。
タブンネに対する誤解で嫌悪を募らせる“私”と、嫌われながらも“私”と家族を気遣うタブンネの姿が……うわああああ orz
愛玩用として可愛がられていたが為に、父親の変調に気付いてもどうしようもなくて。母親までもが同じ変調を抱えてしまって……それもどうしようもなくて。見守り続けることしか出来なかった上に、“私”からは殺されそうになるほど憎まれて……うおおおおお orz
でも、“私”が悪いのかといえばそうじゃないんだろうなあ、と。情操教育の為に子供に生き物を与える、というのは割と聞く話ですが、子供が全て生き物に興味を持つかと言えばそんなことは無いわけで。当然興味を持てない子だっているし、そんな子からしたら突然現れた「家族の一員」なんて煩わしいだけなんでしょうね。
ただ、もし両親が“私”とタブンネを引き合わせる時にきちんとした説明をしていたら。もし“私”が自分でタブンネの事を調べようとしていたら。
誰が悪い、という訳でなく、無知故に起こった思い込みによる悲劇だと思うと……悲しいなあこれ……。
> 「タブンネってポケモン知ってる? 倒すとたくさん経験値をくれる、優しいポケモンよね!」
相手を瀕死に追い込まないと経験地が貰えないという事を考えると、この一言はなかなかキッツイですね……。願わくば、いつか彼女に真実を知る日が訪れますように……。
面白かった、という表現はそぐわないかもしれませんが、この作品を読めて良かったと心より思います。読了後も残る切なさが半端ないです。
書いてくださったことにお礼を申し上げます。本当にありがとうございました!
【げしげししていいのよ……だと……? とんでもねえ!!】
私が物心ついたときから、そいつはいた。ピンク色のタブンネというポケモンだった。
私の情操教育に、と大人しいポケモンを知り合いからもらってきたという。そのタブンネは両親の願いにそぐわず、私に触覚のような耳を押し当ててはどっかへ行くようなやつで、私も特にタブンネを好きじゃなかった。気に入らない時には叩いたりした。その度に両親はタブンネをいじめるんじゃないと怒っていた。私はますますそれが面白くないので、タブンネの耳を引っ張って遊んでいた。小さなタブンネは私のおもちゃだったと思う。
そのタブンネが最も懐いているのが父親だった。毎日触覚を背中に押し当てては父親のまわりで何かやっている。父親を取られた感覚もあって、私は本当にタブンネが好きじゃなかった。父親と遊んでる時に、ちらっとこっちを見てくるのも不快だった。
私の誕生日、こたつでケーキを食べていると、いつも一番に父親のところへ行くのに、触覚を押し当てただけで私の隣に来た。お祝いしてるよと両親は言ったが、私はタブンネにケーキを取られると思った。だから耳の触覚を引っ張った。タブンネはいつものような高い声で鳴いた。母親が私を叩く。タブンネがかわいそうだと。私はかわいそうじゃないのか。タブンネは母親のところに行った。何度も父親を振り返った。
次の日もタブンネは父親に近づこうとしなかった。肩が凝り過ぎて痛いと言えばタブンネはいつもならさする。けれどお気に入りのソファーに座ってても、父親が来るとこたつの下に潜る。ついに嫌われたんじゃないと母親は笑っていたが、正直タブンネがいなくてすっきりした。
数日後、父親は死んだ。心筋梗塞。心臓の血管が詰まる病気だといった。
原因なんて解り切っている。タブンネがやったんだ。ポケモンだから、人を病気にすることなんてできる。あんなに懐いていたタブンネがぱたっと懐かなくなった。そのあたりから具合が悪くなったんだ。
母親に訴えてもタブンネはそんなポケモンじゃないとしか言わない。絶対に嘘だ。タブンネはそんなことをするポケモンだ。誰も信じない。
タブンネは父親がいなくなると、私によってきて耳の触覚で触って来た。あれに触られたら殺される。いつも以上にタブンネを叩いた。しばらくタブンネは遠巻きに私を見て、それからまた近寄ってくる。叩かれることが解っててそれでもタブンネは近づいて来た。気持ちが悪かった。
私に近づかなくなったタブンネは、母に近づいた。けど私の姿を見るとそこで止まる。私が怖いらしい。
そうして母と私とタブンネは一緒に暮らしていた。タブンネの姿を見るだけでもむかついてくるが、母親はかわいがっている。私の背が大きくなり、タブンネを見下ろす形になって、ますますタブンネは私に近づいて来なくなった。
私は遠くの大学に進学することになり、実家に母と悪魔のタブンネを一緒にしておくわけにはいかないといった。けど母親は相変わらずタブンネはそんなポケモンではないとしか言わない。タブンネはじっとこちらを見ている。その青い目が小さな頃の思い出と重なってむかついた。あいつさえいなければ父親は死なずに済んだのに。
タブンネのことで母親とモメたのもあって、その日は早く寝た。
朝早く起きると、タブンネは耳の触覚で母親の背中を触っている。またあいつやっている。またあの時と同じことをやっている。今度は両手を添えて、背中をさするように触ってる。けがらわしい。
タブンネの耳を引っ張ると、いつもと違って散々抵抗する。短い手を振り回して私をつかみにかかる。突然の反抗に戸惑った。母親もタブンネを怒らすんじゃないとしか言わない。タブンネは母親の方しか見てない。
数日後、母親が倒れた。父親と同じ心筋梗塞だった。
もう間違いない。タブンネは二人も殺した。葬儀の間、ずっと私の隣から離れなかった演技も全てお見通しだ。お前のせいだ。お前がうちにいるから二人とも死んだ。私の両親を返せ。
私の後にくっついて、何のつもりだタブンネ。もうお前を庇う人間はいない。私は台所から包丁を取り出した。タブンネの目がおびえる。
一歩前に出た。タブンネが一歩下がる。命乞いのつもりか、涙を浮かべてる。ポケモンって泣けるんだ。人の親を殺しておいて、自分は命乞いするんだ。
包丁を振りかざした。タブンネは一目散に逃げ出した。閉まっていた玄関を開けて、後ろを振り返らずに去っていった。
悪魔はいなくなった。しかしあのタブンネを逃がしたのは私の気がおさまらない。
「タブンネってポケモン知ってる? 倒すとたくさん経験値をくれる、優しいポケモンよね!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
他力本願スレより、ラクダさんの「ポケモン嫌い」から頂きました。
ブラックの図鑑を初めて見て、タブンネって脈で体調を知るんだーって思って、そういえば漢方も脈から診断するはず、そして癒しの波動ってかなりレベル高くないと覚えないんだなー。
そんなタブンネの妄想から始まり、「無知は虐待へつながる」という言葉をもらい、げしげしにいたりました。
ずっと前にDV的なものを書きたいと言ってたのがついに投稿できるよ!
私はゲーム中に出てくるNPCをいじるのが好きみたいです。
【好きにしていいのよ】【げしげししていいのよ】【げしりかえすから】
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