マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[もどる] [新規投稿] [新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]
  • 以下は新規投稿順のリスト(投稿記事)表示です。
  • 48時間以内の記事は new! で表示されます。
  • 投稿者のメールアドレスがアドレス収集ロボットやウイルスに拾われないよう工夫して表示しています。
  • ソース内に投稿者のリモートホストアドレスが表示されます。

  •   [No.3646] 素敵にこわい 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/21(Sat) 19:25:41     90clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     報告書形式、楽しく読ませていただいております。
     POKKEN verDを読んだ後となっては、なみのり迷惑メール初読時に受けた、「よくわからないけれど無害そうなよくわからない感じ」――という自分の印象をそのまま信じてしまっていいのか疑心暗鬼になっています。掘り出したらまた何か出るんじゃないかな……って。

     ピッピちゃんのティータイムは、遭遇しても自分に実害が及ぶとかそういう感じはないけれど、でも不気味! そう、不気味なんです。出自の謎さもさることながら……“特異な”エピソードだけなら社会派ともとれるのに、少女漫画を流れをぶち割って入ってくる不気味さ。それによって、“何の意図があるのか”はわからないまま、増大した“何らかの意図”だけ感じられる、そんな不気味さ。出自不明のコミックシリーズであるだけなら、あるいは特異なエピソードが入ったコミックシリーズというだけなら、こんな不気味じゃなかったのでしょう。都市伝説らしさにただただ瞠目。

     POKKEN verDは、最初は「なんだか妙ちきりんなエミュレータゲームだぞ」という印象なのが、付帯資料が一気にホラーですね……。ポケモンはデータ生命体、というところをこう持ってきたら完璧なホラー! 親資料を読み返して不安感も二倍! “この演出の意図は不明です”――なんで不明なの? 怖い! とまあこのような調子です。
     とにかく、付帯資料の表紙の「セキュリティクリアランスが〜」という文言と○に囲まれた禁という判子が赤でバンと押されて(このあたりはイメージです)あるのを無視して表紙をペロッと捲ってしまうと、知らなくていい真実を知ってしまった上もう戻れないというこの感じ。憎い演出ですね……。
     そうですよね……データ生命体ならデータから生成しようとする試みは考えうるものなのですよね。データ生命体ならデータ消去で消えますよね。なんていうか、人工的に作ったと公称されるポケモンがポリゴンだけでよかったと思いました。
     あと、色々と用語が出てきているのが読んでて楽しかったのです。


      [No.3645] Re: 素敵なお話 投稿者:WK   投稿日:2015/03/21(Sat) 16:06:12     66clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     コメントありがとうございます!

    > 「彼」の生き様がいいなあと思います。金などいらない、木の実を投げてくれればそれでいい。というのが。
    > ポケモンだって人と同じ仕事をしているという書き出しも好きです。

     弾きたいから弾いている、人の価値観などいらない。でも時々観客が欲しい、みたいな心中なんでしょうね。
     こう考えると、ポケモンって大変ですね。自分では普通のことをしているつもりなのに、それが人の目から見るとびっくりすることだったりして。


    > こういう視点が変われば……みたいなものの見方は世界がグッと深まる気がします(ちょっと大げさかもしれませんが)

     小さい頃に考えていた話に近いです。ポケモンの世界で、ポケモン同士話したり演奏したり料理したり。
     人がやっている『当たり前』のことを、ポケモンにさせてみました。楽しいです。

     高校時代に思いついてから、形にまとめるまで実に三年近くが経過してしまいました。もう少し掘り下げたかった。

     ありがとうございました!


      [No.3644] 素敵なお話 投稿者:焼き肉   《URL》   投稿日:2015/03/21(Sat) 06:31:27     63clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    「彼」の生き様がいいなあと思います。金などいらない、木の実を投げてくれればそれでいい。というのが。
    ポケモンだって人と同じ仕事をしているという書き出しも好きです。
    こういう視点が変われば……みたいなものの見方は世界がグッと深まる気がします(ちょっと大げさかもしれませんが)
    「彼」はまたどこかでピアノを弾いているんでしょうね。


      [No.3643] Re: #90734 「ピッピちゃんのティータイム」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/20(Fri) 20:48:21     90clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    (*'ω'*)<感想ありがとうございます!

    > なみのり迷惑メールの原作にマジでありそう感も好きですが、ピッピちゃんのティータイムが特に好きです。
    > 本当に謎って感じで。というか普通に読みたいです。
    うちも書いてるうちにノってしまって、結構な文量になってしまいました。我ながら気に入ってます。

    > 作者はセレビィとか色んな力借りてわざわざ謎っぽく経年劣化させたり紛れ込ませたりしてる、変わり者無害系知能犯だったりして。とか色々勝手に考えてしまう楽しさがあるなあと思います。
    これは嬉しいお言葉……! 読み手の方にあれこれ想像してもらえるというのは、うちとしてはとても嬉しいことです。うちも他の方が創られたお話から着想を得ることが多々ありますし、こういった形で創作の輪が広がっていけばいいな、と思っています。

    感想頂きありがとうございました! まだいくつかネタがありますので、気力の続く限り投稿していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。


      [No.3642] #115444付帯資料1 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/20(Fri) 20:44:31     96clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Appendix 1:
    局員の提言に基づき、稼働中の「POKKEN ver.D」のプロセスを一時的に停止させ、メモリダンプから何らかの情報が得られないかという実験が行われました。実験時、プレイヤーはルカリオを、コンピュータはカイリキーをそれぞれ操作しているという状況でした。

    エミュレータの機能を用いてゲームを一時停止させ、完全なメモリダンプが取得されました。この時、ダンプの取得は想定されるよりも相当に長い実行時間を要し、最終的に約3.8GBのダンプファイルが生成されました。ダンプファイルの作成中、OS標準のタスクマネージャはエミュレータが占有しているメモリ領域について、異常性の無いゲームを動作させた時と比較しても有意な差異は無いことを一貫して示し続けていました。

    生成されたダンプファイルを一般的なデータ解析の手法で解析したところ、ファイルの約半分に相当する1.85GBが、携帯獣の「ルカリオ」の一般的なデータパターンと89%の精度で一致することが判明しました。続く約1.94GBは、同じく携帯獣の「カイリキー」のデータパターンと92%の精度で一致していました。残りのデータは、ゲームを動作させる為に必要なプログラムやその他のアートアセットで占められています。

    以上から、この「POKKEN ver.D」は何らかの未知の方法により、現代の技術から見ても異常に精度の高い「人工の携帯獣」を短時間で生成する機能を持ち合わせているという仮説が立てられました。プレイ中頻繁に発生する異常な挙動は、システムによって生成された携帯獣がゲームから脱出しようと試み、結果として外部からの制御を受け付けなくなったことによるものと推察されます。現在のところ、この仮説を覆す根拠は見つかっていません。ゲームが携帯獣を生成し戦わせる理由についても、局内で統一的な見解は出されていません。

    ルカリオ・カイリキー共に、データが一般的なパターンと一致しないまたは欠落している箇所は、外見的特徴の情報が格納される領域に集中していました。ゲームプレイ時にディスプレイへ出力されるキャラクターモデルの品質が悪いのは、これら外見的特徴の極度の情報不足に起因するものであり、ゲームが持つレンダリングエンジンの性能とは直接的な関わりを持たないことが分かりました。これについては、開発に当たって携帯獣として正常に動作させることにリソースを割き、携帯獣の外見については実装の優先度が下げられたためと考えられます。

    ゲームプレイ中に生成された携帯獣を一般的な情報工学の技術に基づいて救出する試みは、いずれも失敗に終わっています。生成された携帯獣はゲーム中の戦いで死亡するか、またはゲームがシャットダウンされることで消失するかのいずれかしか選択肢を持ちません。

    管理局の倫理委員会は、生成された携帯獣は事実上死亡するほか無いという結論に基づき、2010-07-11をもってこれ以上のゲームの起動を禁止する裁定を下しました。


      [No.3641] #115444 「POKKEN ver.D」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/20(Fri) 20:43:12     101clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #115444

    Subject Name:
    POKKEN ver.D

    Registration Date:
    2006-08-02

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    これまでの管理局の積極的な工作活動により、インターネットを経由して対象のROMイメージファイルをダウンロードすることは極めて困難、あるいは一般的に見て不可能な状態を作ることに達成しています。現在の本案件は、既にダウンロードされたイメージファイルを可能な限り回収すること、新たなクローンが作成されていないかを監視することの二点が主な活動になっています。

    回収されたファイルは管理局が保持するオリジナルのROMセットと比較し、バージョンに相違が無いかを確認します。相違が見られない場合、対象のイメージは管理局の標準情報破棄手順に則って削除してください。何らかの相違が見られた場合は、対象を新規のROMセットとして登録してください。

    管理局の倫理委員会の裁定に基づき、本案件で回収されたROMイメージはいかなる理由があろうと起動を許可されません。詳細は付帯資料を参照してください。


    Subject Details:
    案件#115444は、株式会社ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)が開発した対戦格闘アクションゲーム「鉄拳2」の異常なROMイメージと、それに付随する一連の案件です。厳密には、正常な「鉄拳2」に大部分のモジュールを依存しつつ、異なるバージョンとして動作させるための「クローン」のROMセットが、本案件にて扱うべき主要なオブジェクトとなります。本来の「鉄拳2」のROMセットは、本案件の取り扱い対象外です。

    出現した正確な時期は不明ですが、著名なアーケードゲームエミュレータである「MAME」が2006年中旬に行ったバージョンアップで、当案件のROMセットが「鉄拳2」のクローンとして新規に追加されていることが確認されました。そのため、当案件で扱うROMセットは概ねこの時期に出現したものと推定されています。ほぼ同時期に、多数存在するROMイメージの配布サイトに対して「pokken2ud.zip」の名称で一斉にファイルがアップロードされた記録が残っていることも、この仮説を補強している一因です。

    このROMセットは「鉄拳2」の一般的なクローンの一つとして、「MAME」バージョン0.107以降及び「MAME」の同バージョン以降を元にした派生のアーケードゲームエミュレータで読み込むことが可能です。読み込んだ場合、画面には通常表示されるタイトルスクリーンではなく、黒い背景にごく簡素なフォントで「POKKEN ver.D」と書かれたタイトルが表示されます。エミュレータでコイン投入に相当する動作を行った後にスタートボタンを押下することで、通常通りゲームが開始されます。

    起動後に一見して気付くのは、本来の「鉄拳2」に登場するキャラクターが選択画面に一人も存在せず、代わりにポリゴンで描かれた携帯獣のアイコンによってスロットがすべて埋められていることです。ここで操作するキャラクターを選択すると、シングルプレイヤーモードがスタートします。

    ゲームの操作体系は正常な「鉄拳2」に準じ、レバー(あるいはレバーに割り当てたキー)でキャラクターを移動させ、ボタンの押下で攻撃や特殊動作を行います。プレイヤーはコンピュータが操作するキャラクターと戦い、最後に登場するボスキャラクターを倒せばゲームクリアとなります。プレイ開始から終了まで、プレイヤー自体には特段の異常は見受けられません。長期に渡る調査により、プレイそのものがプレイヤーに何らかの影響を及ぼすことは無いと結論付けられています。

    ただしこのゲームの構成は、通常想定されるものと著しく乖離しています:


    1.使用可能なキャラクターの変動
    ゲームをリセットするか、ゲームクリアまたはゲームオーバーによってタイトルスクリーンへ戻るかのいずれかの条件を満たす毎に、使用可能なキャラクターが変化します。プレイヤーが選択可能なキャラクターは常に10体ですが、これまでに延べ287種類のキャラクターが選択画面に登場しています。特定のキャラクターを常に選択可能にするための方法も、選択可能なキャラクターが抽出される一定の法則も見つかっていません。また、正確なキャラクターの総数も判明していません。

    2.キャラクター性能・性質の著しい変化
    過去のプレイで選択できたキャラクターが出現した場合、そのキャラクターを次のゲームプレイで再選択しても、ほとんどの場合その性能や性質は大幅に異なっています。変更箇所は外見的特徴やキャラクターボイスといった比較的変更が行われやすい箇所に留まらず、使用可能なムーブセットや攻撃力・移動速度等のパラメータといった通常のゲームであれば変更されることは少ない箇所にまで及んでいます。特にムーブセットの変更は著しく、以前のプレイで使用できたキャラクター固有の技がまったく使用できず、完全に別の技に変更されているというパターンが度々見られます。

    3.登場するキャラクターの全差し替え
    このROMセットは明らかに「鉄拳2」を親としているにも関わらず、登場するキャラクターは一貫して携帯獣のみです。これまでのところ、人間のキャラクターは一切登場していません。当初は本来の「鉄拳2」のキャラクターモデルを携帯獣のものに差し替えたものと思われていましたが、その後の調査でモデリングやモーションも完全にオリジナルの物が使用されていると判明しました。

    母体である「鉄拳2」で使用されていたテクスチャやモーションといった各種アートアセットはゲームプレイに際してまったく使われず、すべて独自のリソースに置き換えられています。これらのリソースをROMイメージから直接抽出する試みは、今のところ成功していません。

    4.ゲームの完成度
    ゲームの動作は極めて不安定です。プレイ中は頻繁な処理落ちやテクスチャの貼り遅れ、サウンドのクリッピングが発生し、負荷が高まるとしばしばハングアップを引き起こします。プレイヤーからの一切の操作を受け付けなくなりゲームが続行不能になることも少なくありませんが、その場合、プレイヤーキャラクターは相手から逃走するような動きを見せるか、もしくは極度に暴力的な動きで相手を倒そうとします。この暴走状態はゲームオーバーまたはゲームクリアまで続きます。

    元となった「鉄拳2」と比べてレンダリングのレベルは数段劣っており、キャラクターは違和感を覚えるレベルのローポリゴンで描写されます。コンピュータのアルゴリズムは作りがおざなりであることが明らかに分かる程度の物で、あくまで動作するというレベルに留まっています。戦略的な動きや複雑な連続攻撃を繰り出すことは困難か、またはそのためのルーチンが組み込まれていません。

    5.その他ゲームプレイ時の特徴
    ・このゲームは「対人戦」の機能を持ちません。クレジットを複数投入しても、対戦プレイには移行できません。
    ・本来時間経過で解放されるキャラクター選択画面のスロットは、規定の条件を満たしても「?」のまま解放されません。
    ・上記に加え、オペレーターコマンドによる強制的な隠しキャラクターの解放も不可能になっています。
    ・ゲームをクリアするかゲームオーバーになるまで、プレイヤーの体力は一度も回復の機会を与えられません。
    ・プレイヤーが敗北した場合、コンティニューはできません。事前にクレジットを投入していた場合も同様です。
    ・対戦相手の携帯獣は多くの場合最初から体力が減少しています。また、しばしば脈絡の無い動きをします。
    ・一部のプレイヤーは、相手の動きを「逃げようとしている」「苦しみもがいている」と表現します。
    ・最終ボスとして登場するのは、最後にクリアを達成した際に使用していた携帯獣です。この法則は一貫しています。
    ・最終ボスとして登場する携帯獣の体力は、前回クリア時のプレイヤー側の残体力と同一値です。
    ・ゲームをクリアした場合、携帯獣を正面から捉えた映像が映し出されます。この演出の意図は不明です。
    ・一部のプレイヤーは、上記エンディングの演出に強い不安感を訴えます。不安感の原因は分かっていません。
    ・スタッフロール及びネームエントリーはありません。ゲームクリア後は直接アトラクトデモへ移行します。

    このROMイメージはエミュレータで動作させることを前提として開発されていると思われます。ROMイメージを適切な手順でフラッシュROMに書き込み、そのフラッシュROMを搭載したSYSTEM11基盤による稼働検証を複数回実施しましたが、いずれも起動中に本案件に対応する4つのフラッシュROMすべてでチェックサムエラーが検出されてシステムが停止するため、未だ完遂できていません。

    以下は最初期に確認された、管理局が「オリジナル」と推定するROMセットの情報です:

    pos1verd.2f 1,048,576byte C4F66A0B
    pos1verd.2k 1,048,576byte ABCB4982
    pos1verd.2j 1,048,576byte 668CA713
    pos1verd.2l 1,048,576byte D936BF60

    ファイル名は、このROMセットが「バージョンD」であることを示唆しています(これはzipアーカイブのネーミングとも一致するものです)。そのため、前身として「バージョンA」から「バージョンC」までが存在した可能性があります。これらのROMセットについては、継続して調査と捜索が続けられています。


    2007-03-24 追記:
    後に管理局が「MAME」開発チームにコンタクトを取り、当案件についてヒアリングを行う機会を設けました。ヒアリングの結果、開発チームはこのクローンセットが「MAME」の対応ROMセットとして追加されていることを一切認識していなかったことが明らかになりました。現在、更新履歴からはこのROMセットについての記述はすべて削除されていますが、ソースコード上に対応するルーチンが存在しないにもかかわらず、依然として「MAME」及び「MAME」派生のエミュレータは該当するROMセットを読み込み、正常にゲームを動作させることができています。

    2010-07-11 追記:
    管理局内部の協議に基づき、研究目的を含むこれ以上のゲームプレイは一切許可しないとの方針が打ち出されました。異議がある局員は、管理局の倫理委員会に対して異議申し立てを行うことができます。


    Supplementary Items:
    本案件には、1件の付帯資料があります。適切なセキュリティクリアランスを持つ局員のみが、付帯資料を参照できます。


      [No.3640] Re: オブジェクト・コンタクト 投稿者:水雲(もつく)   《URL》   投稿日:2015/03/20(Fri) 20:20:00     69clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    >>あいがるさん
     はじめまして、水雲です。コメントありがとうございます。遅れてすみません。
     電脳世界(預かりシステムの中)ってどんな世界なんだろう、という妄想を文章に起こしてみた上記二作でございます。わたしは元々ポケモンを人間くさい感じに書いてしまうきらいがあるのですが、そこに「モノ」も登場させてしまったのですから、異質感満載です。そこに、ひとつの共通の「信念」を固定させることで、キャラを安定化させました。
     お恥ずかしながらわたしはバリバリの文系でして、SFは本を呼んで影響を受けたクチです。リアルでのプログラミングなどはまったく存じ上げないのです。とにかく「それっぽい単語をばんばん出してハッタリきかせまくれば、それっぽい世界になるだろう」と思ってのアクションです。なので、二作とも、あまり意味のない単語が多かったりします。ノリや勢いで作った単語のほうが多いかもですね。
     便利ですよね、預かりシステム。ポケモンも道具も瞬時に引き出せる、現実世界ではまだまだ信じられない高文明な技術。電位の祝福を受けた道具たちの帰る場所にある空気は、きっと暖かなものでしょう。
     それでは、失礼いたします。


      [No.3639] Re: オブジェクト・シンドローム 投稿者:水雲(もつく)   《URL》   投稿日:2015/03/20(Fri) 20:14:02     102clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    >>SBさん
     はじめまして、水雲です。コメントありがとうございます。遅れてすみません。
     そうそう、伊藤計劃さんです。ハーモニーに強くインスパイアされたのがこの作品です。これをそのままポケノベさんのの短編企画にもちこんだのですから、我ながらなかなかの神経だと思います。
     パソコンの預かりシステムやモンスタボールなど、ポケモンの世界って初代から中々技術が高いイメージがあるので、そこにSFを組み込んでみました。ポリゴンやロトムなど、ひねればいくらでもSF風にできると信じています。
     SBさんの感性にマッチしていたようで何よりであります。企画系の作品ですし、文字数や締め切りのこともあり、結構急ピッチで仕上げたものですので、こうしてマサポケさんに投稿するときには「やはり色々と甘いなあ」と自分でも指摘したくなる部分が目立ってきます。これからもこういう色の作品を書くときはもっともっとニッチな部分までこだわってみたいものです。
     それでは、失礼いたします。


      [No.3638] Re: #90734 「ピッピちゃんのティータイム」 投稿者:焼き肉   《URL》   投稿日:2015/03/20(Fri) 19:41:31     77clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    なみのり迷惑メールの原作にマジでありそう感も好きですが、ピッピちゃんのティータイムが特に好きです。
    本当に謎って感じで。というか普通に読みたいです。
    作者はセレビィとか色んな力借りてわざわざ謎っぽく経年劣化させたり紛れ込ませたりしてる、変わり者無害系知能犯だったりして。とか色々勝手に考えてしまう楽しさがあるなあと思います。


      [No.3637] 灰色のピアニスト 投稿者:WK   投稿日:2015/03/19(Thu) 21:06:42     96clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

     ポケモンだって、人と同じ仕事をしている。
     何言ってんだお前、と言われるかもしれない。だけど考えてみて欲しい。格闘タイプのゴーリキー。彼らが引っ越し屋さんや運送業者で働いているのを、一度は見たことがあると思う。
     人からしたら、ポケモンの手を借りているわけだけど、ポケモンからすれば、人と同じ仕事をしているのだ。
     他にも発電所で働いているコイルやエレブー、花屋で働いているフシギバナ、工事現場で働いているワンリキー。職場の人がゲットしたポケモンではあるけれど、彼らは人と同じ仕事をしている。
     休憩時間もあるし、お給料という名のエサもある。
     でもこれらの例は、誰もが考え付く物だ。人の手が入っている。

     私は前に、孤高のピアニストとして生活しているポケモンを見たことがある。

     彼の演奏は素晴らしい。その太い指と短い腕と、ペダルを踏む足がないのを物ともせず、美しいメロディを奏でる。後で知ったけど、ペダルを操るのは自分の技”かげうち”だ。ペダルを壊さないように、絶妙な力加減でペダルを押す。
     その一つの赤い目は、鍵盤を弾く自分の手と、目の前の楽譜を交互に見る。楽譜を捲るのはやはり”かげうち”だ。影を器用に操り、演奏に支障の出ないように素早くページを捲る。
     聞き惚れている観客は、そのうち弾いているのがポケモンだということも忘れてしまう。天才ポケモンピアニスト、という肩書きなどどうでも良くなってくる。ただ、その演奏を一音漏らさず聴きたいという思いに駆られるのだ。
     彼は人の言葉は話せない。しかし、筆談できる程度の言葉は知っている。演奏が終わった後、スタンディングオベーションを受け立ち上がり、一礼をする。傍の机にあったスケッチブックを手に取り、文字を書く。
     その文字は感謝の言葉だったり、次の曲名だったりする。そして静かにそれを置き、再び鍵盤に向かう。
     手がまごつくことは、ない。

     彼にトレーナーは存在しない。かつて、彼にピアノを教えてくれた人間はいても、自分を所持している人間は誰もいない。マネージャーという存在もいない。
     いつもピアノがある場所に現れ、勝手に弾いて帰って行く。それが調律されていなければ、弾かずに帰って行く。ホールに鍵が掛けてあっても、気にすることじゃない。
     彼はゴーストタイプだ。彼の前では、障害物など無いに等しい。
     ホールだけじゃない。放課後の音楽室に現れたこともある。
     それがその学校の七不思議として認定されたのは、そこの生徒なら誰もが知っていることだ。『放課後、誰もいないはずの音楽室からピアノが聞こえて来る』と。
     ちなみにそれを聞いた音楽室の先生曰く、曲目は『幻想即興曲』だったらしい。

     私は、彼と会話したことがある。演奏が終わればそれこそ幻のように消えてしまう彼を追って、どうにか話をすることができた。
     熱心に感想を語る私に、彼は少しだけなら、と私の質問に答えてくれた。
     沢山聞きたいことがあったが、三つに絞って聞かせてもらった。
     一つ。どうしてピアニストとして生活しようと思ったのか。
     二つ。一番好きな曲は何か。
     三つ。誰からピアノを習ったのか。
     彼はその質問に答えてくれた。見せてくれたスケッチブックには、カクカクした文字でびっしりと答えが書いてあった。
     次の文は彼の解答そのままだ。

    『一つ。これは単純にピアノが好きだからだ。いや、音楽が好きなんだ。
     知られていないだけで、演奏できるポケモンは割と多い。私は各地を回って来たが、歌を歌うだけでなく、ドラムやフルート、中にはコントラバスが弾けるポケモンもいた。
     しかし彼らは、その特技を出すと大好きな曲が自由に弾けなくなると考えている。その才能に目を付けた人間によって、金儲けの道具にされることを嫌がっているのだ。
     しかし私は、あえて人前で演奏することを選んだ。観客がいた方が演奏に身が入るからだ。
     ポケモンに金は必要ない。食事さえあればいい。演奏が終わった後、木の実を投げてくれればそれでいい。
     ホールに度々現れるのは、たまには良い場所で弾きたいと思う時があるからだ』

    『二つ。一番好きな曲。これは難しい。ペトリューシュカもいいし、幻想即興曲もいい。しかし弾くのではなく、ただ聴くだけなら夜の女王のアリアがいい。
     一度、これを歌ったムウマ―ジがいた。終わった時には、観客だけでなく演奏者全員がその場に倒れていた。本人はとても楽しそうだったがね』

    『三つ。』

     私が彼が書くのを見つめていたが、ここで筆が止まった。何かを書こうとしては止め、書こうとしては止めを繰り返している。しきりに考え込んでいるようにも見える。
     もしかして、触れてはいけない琴線に触れてしまったのだろうか、と思った矢先、彼が少しずつ書き始めた。

    『習ったのではない。彼女が弾いているのだ』

     最後の質問の意味が、未だに私はよく分かっていない。
     ただ、ピアノを弾いている時の彼の表情は(分かるのかって話だけど)、とても幸せそうだ。ピアノを弾けることが何よりも幸せという顔だ。
     そういえば、この前招待状が来た。今度カロスで行われる、コンサートの招待状だ。ミアレシティの巨大なホールで行われるらしい。
     演奏者は全員、ポケモンだという。マスコミはおろか、一般客さえ立ち入り禁止の、完全なる招待制コンサートらしい。
     ピアニストとして彼が出るという。とても楽しみだ。


    | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 | 32 | 33 | 34 | 35 | 36 | 37 | 38 | 39 | 40 | 41 | 42 | 43 | 44 | 45 | 46 | 47 | 48 | 49 | 50 | 51 | 52 | 53 | 54 | 55 | 56 | 57 | 58 | 59 | 60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68 | 69 | 70 | 71 | 72 | 73 | 74 | 75 | 76 | 77 | 78 | 79 | 80 | 81 | 82 | 83 | 84 | 85 | 86 | 87 | 88 | 89 | 90 | 91 | 92 | 93 | 94 | 95 | 96 | 97 | 98 | 99 | 100 | 101 | 102 | 103 | 104 | 105 | 106 | 107 | 108 | 109 | 110 | 111 | 112 | 113 | 114 | 115 | 116 | 117 | 118 | 119 | 120 | 121 | 122 | 123 | 124 | 125 | 126 | 127 | 128 | 129 | 130 | 131 | 132 | 133 | 134 | 135 | 136 | 137 | 138 | 139 | 140 | 141 | 142 | 143 | 144 | 145 | 146 | 147 | 148 | 149 | 150 | 151 | 152 | 153 | 154 | 155 | 156 | 157 | 158 | 159 | 160 | 161 | 162 | 163 | 164 | 165 | 166 | 167 | 168 | 169 | 170 | 171 | 172 | 173 | 174 | 175 | 176 | 177 | 178 | 179 | 180 | 181 | 182 | 183 | 184 | 185 | 186 | 187 | 188 | 189 | 190 | 191 | 192 | 193 | 194 | 195 | 196 | 197 | 198 | 199 |


    - 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
    処理 記事No 削除キー

    - Web Forum Antispam Version -