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 ガタンゴトン、揃いの吊革揺れる。窓の外に見えるのはチョコレート色の町並み……なんて可愛らしい物ではなく、ただひたすら暗い闇。均等な間隔で現れる白い四角い明りは、電灯だ。さながらフィルムのように見える。
 ということは、この空間はフィルム上に焼き付けられた対象物か。もしこの映像がリアルタイムで幕に投影されていたら、あたしの間抜け面がドアップで見られることだろう。毛穴が見えるか見えないか、くらいに拡大されているかもしれない。
 冗談はさておき、あたしは改めて周りを見渡した。
 抹茶色のふかふかソファ椅子が前方後方の両サイドに連なっている。その上には揃いの吊革が揺れている。時折ガッタン、と一際大きな音と揺れの時に捕まれば、青あざになるのを防いでくれる代物だ。
 椅子の後ろには同じ形の窓ガラス。黒いフィルムを張り付けたような景色が延々と続く。ずっといたら、今が昼なのか夜なのかが分からなくなってくるだろう。
 時計を持っていても、AMなのかPMなのか分かりゃしない。もっとも、私がここに来たのは一時間ほど前。
 空は青く、冬晴れだった。雲一つない、雨の気配は全くしない。湿度はゼロパーセント。振り切れて乾燥注意報が発せられていた。
 感覚が正しければ、まだ午後……すなわち、昼間のはずだ。しかし今は冬。太陽は短距離走者のように素早く西に沈む。月が現れ星が瞬き出す頃までに、ここから脱出できるだろうか。
 
 何の悪戯か、駅前を歩いていたあたしが人ごみに押され、こともあろうに地下鉄の列車に乗り込んでしまった。いつもなら綺麗に避ける所なのに、最後の日でぼんやり考えていたらうっかり避け方のステップを忘れてしまったのだ。
 今日は今年最後の日。バトル狂にはそんなの関係ない。好成績を収めている人も、低成績のまま彷徨っている人も、バトルで締めてバトルで初めたいと思ったらしい。
 おかげでいつも以上の廃人に押され、私はマルチトレインに乗ることになってしまった。違うんです、降ろしてくださいと叫んでも、列車は急には止まれない。そして、乗ったら負けるまで降りられない。
 そして隣のパートナー(赤の他人)の顔を見る限り、負けることは許されないように見えた。
 孵化厳選疲れだろうか。目の下に真っ黒な隈ができている。髪はぱさぱさで全く手入れされていない。爪はギザギザ。おそらく、目標個体が出ないストレスが爪齧りにいったのだろう。見ていてとてもつらい。
 あたしが持っていたポケモンは、バクフーンにキリキザンという、とてもじゃないけど廃人施設には向いていないポケモンばかり。辛うじてキリキザンなら何とか……っていうけど、最近のレート全然見てないから分からない。
 バクフーンは看板息子として活動はしてるけど、売られた喧嘩を買うだけでまともなバトルなんて全然したことがない。キリキザンは元々野良だったため、『戦わなければ生き残れない』という何処かのコピーみたいなそのままの生き方をしてきた。なので、正式なバトルは全く向いていない。
 しかし、隣が隣なので何もしないわけにいかず、もっぱら強そうな技を指示していった。
 そうしたら、何の悪戯か、21車両目まで来てしまった。
 スーパーの名称は付いていないにしても、正直自分が来てもいいのか、という疑問の方が強い。店に来てコーヒーを煽りながら愚痴っていくトレーナーの中には、スーパーどころかノーマルすら勝ち抜けないという人も多い。
 聞きながら、あたしはド素人だから、で会話を締めていたというのに、そのド素人は一回目でノーマルの最終車両まで来てしまった。嘘だと言ってよバーニィ! ……ではないけれど。
「あなた、結構やるじゃない」
「え?」
 20車両目の回復ポイントで、初めて相手が声を掛けて来た。意外と可愛い声だ。
「使うポケモンが全然バトル向きじゃないから、どうしたもんかと思ってたのよ」
「好きで……来たわけじゃないんですけどね」
「どういうこと?」
「人混みに巻かれただけなんです。ここに来ようと思ってたわけじゃなかった」
 怒られるかな、と思ったけど彼女は唖然とした顔の後、それもそれですごいわね、と言って来た。
「ここは強さだけじゃなくて、運も少しは必要なのよ。一撃必殺とか、当たるかどうかは必中技を使わない限り運次第だから」
「あたしは、その運を積み重ねてここまで来ちゃったんですね」
「いや、誇っていいと思うわよ? あたしもおかげでここまで来れたし」
 意外と話せる子のようだ。バトルしかしていないコミュ症の子も時々いるから、カフェのマスターとしてはなかなか辛いんだよね。
 まあいいや。
 あたしは回復したことを確かめると、最終車両へのドアを開けた―――。
 カフェのマスターという立場上、色々な話を聞く機会がある。当然、カフェの目と鼻の先にあるバトル施設……バトルサブウェイのことも聞いていた。
 トレーナーはシングルは三体、ダブルは四体、マルチなら二体選んで乗車する。一車両には同じ数のポケモンを連れたトレーナーがいて、それぞれのバトルを仕掛けて来る。
 勝てば回復と次の車両に進め、負けたらそこでTHE・END……。次の駅で降りて下り電車に乗って戻らなくてはならない。
 勝ち進んで行くうちにポケモンも強くなり、更に特定の番の列車にはボスがいる。
 それがバトルサブウェイの車掌……サブウェイマスターだ。
 ノーマルは21戦目、スーパーは48戦目。シングルなら兄であるノボリ、ダブルなら弟のクダリ、そしてマルチなら二人組んでのバトルとなる。
 勝ち進んで来たトレーナーも、ここでつっかえて戻されるというパターンは多いようだ。挑戦者曰く、彼らは強いだけでなく作戦も高度らしい。そしてマルチの時は流石双子、というようなコンビネーションで攻めてくる。
 うっかりミスをしようものなら、そこから崩されるからたまったものじゃない……そう言っていた。
 鉄道員はよく店に来るけれど、その本人達が来たことはない。あたしは顔を見たことないから分からないけど、一度拝んだ人が常連客としていたから、もしお忍びで来たとしてもすぐに反応で分かるはずだ。
 施設自体はよく雑誌に掲載されてるけど、本人達は取材を拒否するため、顔写真が出回ったことはあまりない。写真も禁止されているから、もし盗撮してネットに載せようものならすぐに特定され、施設に出禁になってしまう、らしい。
 なのであたしも別段見る機会はないだろうな……と思っていた矢先がこれだよ!
 パッと見て頭に浮かんだのは、黒と白の蝋燭だった。細い。頭に火を点けたらそのまま溶けて消えてしまいそうな印象。感情が見えないのも、無機質なそれを思わせるんだと思う。
 もっと生き物で例えろと言われたら、ピエロ。着ぐるみでもいい。とにかく、二人とも何を考えているのか分からない。
 口の形が上向きと下向き。常にム口、常に笑顔。
 はっきり言おう。不気味だ。
「私、サブウェイマスターのノボリと申します」
「僕、クダリ」
「さて、マルチバトル。
 お互いの弱点をカバーし合うのか、はたまた圧倒的な攻撃力を見せるのか、どのように戦われるのか楽しみでございますが……。
 あなた様とパートナーとの息がぴたりと合わない限り勝利するのは難しいでしょう。 
 ではクダリ、何かございましたらどうぞ!」
 追加。ピエロだけでなく、ロボットだ。この長い長い台詞をノンブレスで言えるなんて、この人は往年の名俳優さんかな。
 ノボリさんはひたすら敬語で話す人だ。それに対してクダリさんは、片言で話す。
「ルールを守って安全運転! ダイヤを守ってみなさんスマイル!
 指差し確認、準備オッケー! 目指すは勝利!出発進行!」
 あたしは某戦隊ヒーローを思い出した。変身いたします、白線の内側に下がってお待ちください!
 あたしはバトル描写が苦手だから、とりあえず結果だけ書いておく。
 勝った。一応。
 バクフーンが早々にやられてどうしようかと思ったけど、久々に思い切り暴れられると喜んだらしいキリキザンが、相性も何のその、ダストダスを八つ裂きに(でもないけど)してしまった。
 元はといえばライモンの裏通りを根城にしていたコマタナ族の頭領。狭い空間に閉じ込められ、タイミングが合った時じゃないとバトルできないなんて苦手中の苦手。思い切り体を動かせると聞いて、ボールの中であの腕の刃を研いでいたようだ。
 あたしの指示なんてあって無いような物。気付いた時には勝利していた。
「……お強いですね」
「うん! すっごく強い! でもコンビネーションがない!」
 その通りなので何も言えない。ふと隣を見ると、彼女が頭を抱えていた。
「……ごめんなさい」
「いや、あまりにもそのキリキザンが強かったから」
 参った。車内がすごく気まずい空気に溢れて息が詰まりそう。仕方ないので、あたしはウエストポーチに入れていた名刺ケースから、名刺を一枚出した。
「巻き込んじゃって、ごめんなさい。お詫びに今度来たら好きな物をサービスするわ」
 ライモンシティ駅前、カフェ『GEK1994』。ついでに車掌二人にも渡しておいた。
 急いで戻ると、幸いにもカフェはそこまで混んでいなかった。バイトの子や従業員達に必死で謝罪し、再び仕事に入る。
 ああ、今年最後の日は、とんでもなかった。
 
 ま、たまにはこんな年末があってもいいか。
―――――――――――――――
 最後だし何か書くか、と思ってキーボードを叩いたらこんなことになってた。
 ユエがバトルサブウェイと関わる話は、もう二年以上前から温めてたんだけど、まさかこんな形で実現するとは。
 ちなみに本家本元のネタは、バトルサブウェイから注文受けたユエが品を持ってひたすらマルチトレインを突っ走るネタでした。書きたかったけど長すぎて断念した。
 それは皆さま、良いお年を。
| タグ: | 【一粒万倍日】 【感想】 【さぼっててすみませんでした!】 | 
皆様、大変長らくお待たせいたしました。
溜めに溜め込んだ感想でございます。
企画主なのに思い切り放置かましてすみませんでした!!!(土下座
来年以降につきましては、宣伝はしないけど、投稿されたものにはなるべく感想書くよーって感じです。
今までとあんまり変わりませんね!すみません!
感想はかなり前に書いたものと今日になって書いたものが混在しているのでなんだかちぐはぐなとこがあるかもです。
あとわりと投げっぱなしな感想も多いです。
重ね重ねすみません。
・少女の旅・2 - WKさん 
続きキター♪───O(≧∇≦)O────♪
おおおお、彼女が引きこもってた理由編ですね!やった!
ああああああまだ幼かった彼女には酷な出来事でしたね…。
なんて軽々しい言葉で表せるようなものではないでしょう…。
こんな経験をしてもわ旅をしようと決意した彼女の強さには頭が下がります。
前のを読み返すと、余計にそう思いますね。
色々と吹っ切れたんでしょうか。
>  視界の片隅で、ちらちらと星のような光が見えた。
>  腕の中の塊が、熱さと重さを増した。
>  
>  ぼろ雑巾が、飛び出した。
> 
>  沢山の金色の星が、向こうに向かって流星のように飛んでいく。大きいのも小さいのも、沢山。
ここの表現がまるで目に見えるようですごく好きです。
生死の境で本人たちそれどころではないのはわかっているんですけど、場違いなほど綺麗だなあって。
なんかこう、他の感想に比べるとテンション低いように思うかもしれないですけど、めっちゃ続き待ってますからね!
お願いします!!!
・鋼の翼 - きとらさん
最近きとらさんのうまい話を読んでは、うめえ(ムシャア うめえ(ムシャア ってやっている気分です(
本人以外意味不明ですみません。
最初、スクロールバーの長さを見て、おおう…となったんですが、読み始めてみればさほど長さは気にならずあっという間に読めました。
カップリング要素がたとえなくとも面白いです。
もちろん、最後のヒンバスであるとか石集めしてるところとか、公式キャラであるからこその面白さもあるんですけどね。
なんて書くと、じゃあオリジナルでなんて話になりそうですが、やっぱりこれはダイゴさんとミクリだから面白いんだろうなあとひしひしと感じました。
というか、カップリングなしでも面白い土台の上に公式キャラ同士のあれやこれやがあってさらに面白さが引き立っていると思うんですよね。
あーちなみにBLは基本苦手なんですがミクダイは割と平気です(
なぜでしょうね(
・代理処真夜中屋(仮) - GPSさん
いやあ、もう、読んでてやられた!と思いました。
室内の様子が詳しく書かれている冒頭読んで、ああ、これが私に足りないものか…と切に思いました。
具体的な描写って苦手なのですよね…苦手とか言ってないで書けやオラって話なんですけどね!(涙
あと私がいつか書きたいなと思って温めていた話とキャラとかネタが被ってて涙涙涙…な、泣いてなんかないんだから!!!
シリーズ化ですとお!いいぞもっとやれ!(
って書いてたんですけど、続ききてますね…(白目
どう解決するのか気になるところで終わってたので、嬉しいです。
こ、この涙はうれし泣きなんだから!(
・ディアマイフォロワー - ピッチさん
ポケッターってポケッターって…これですか?!
http://masapoke.sakura.ne.jp/lesson2/wforum.cgi?no=3283&reno= ..... de=msgview
最初、タグにWKさんの名前あって、??だったんですけど、これのことだったのですね…。ええ、だからと言って何もないです(
ジム戦するわけでもコンテストに出るわけでもないそれを「地方巡り」と呼ぶそのセンスが素晴らしいですね。
うまくその状態を言い表していて。
実際、成功する人なんてごく少数で、主人公のような人がいっぱいいるんでしょうねえ。
たいていは、本気じゃなかったなんて嘯いて日常に戻っていくのでしょうけど。
でも、そうやって戻ることも、一生懸命トレーナー業に励むでもない中途半端な人がきっといるんだなあ、ってこの話を読んでしみじみ思いました。
彼が旅をやめない理由ってなんなのさ!と気になるので続きを所望いたします!
待ってます!!!
・義足、ワイン、薔薇の花 - NOAHさん
やっぱりこういう、福祉関係の話は珍しいので、それだけで、おっと思いますね。
ポケセン見てるとなんだか万能にも思えますけど、実際にポケモンがいる世界を思い描くと、四肢の欠損を抱えた子たちはざらな気がしてきます。
あれだけ派手なバトルしたりしますし。
オーダーメイドの義足となると、細かい測定とかしないといけなかったりと大変そうです。
でも体に合ったものが一番なんですよねえ。
ちゃんとしたものを身に着けたらどう変わっていくのか、考えると楽しみです。
・負の味 - WKさん
WKさんは短くまとめるのがお上手ですよねえ…はふう。
というかこれだけでちゃんと完結しているような…。
これは何か長編の一部かなんかなのでしょうか。
もっと書いていいのよ?(
負の感情を抱きすぎてもはや人間ではない何かに変貌してしまた彼女の末路を想像するとぞっとしますね。
そこまでいくともう救いようがない…。
手の施しようがないのは明らかで放置するしかないんですけど、なんというか、それに対して平然としている様が怖いというか恐ろしいというか。
ああ、なんて表現したらいいんでしょうね。
・鯔の皮の賛美歌(仮) - No.017さん
www放置気味の時なのにありがとうございますw
海首の話と合わせて読むと楽しさ倍増ですね!(誰向け
移動時間が具体的で、現実感があります。
ふわっとさせがちなわたしは反省しきりです。
> 続くかもしれない
つ、続けましょうよ!!!
ああ、でもお忙しいですもんねえ…。
気長にお待ちしています。
・永遠の話 - 音色
うにゃあああああなんすかこれ!!!
素晴らしい!!!
心躍る設定!!うましうまし!!!
こういうどこか気取った感じの口調大好物です。
XY未プレイなもので細かいとこよくは知らないんですけど、ギルガルドがかっこいいのはわかりました(
悲しい結末へ向かうのか、それともそんなの笑い飛ばす強さがあるのか…。
って、
> 続くかどうかは知らない
続けましょうよおおおおおおおおお!!!(じたばた
・シンデレラ・ガールはくじけない(仮) - 586
しょっぱなからハイテンションすぎるwww
ずっとツイッターでナツミちゃんの珍道中…じゃなくて道中を読んでて楽しみにしてたんですけど予想をはるかに上回るハイテンションでななしさんびっくりしてますよ。
どうして超地味っ娘だった彼女がハイテンションキャラになったんでしょう…(困惑
いくらイメチェンするにしても変わりすぎやん…(´・ω・`)
地味っ娘メンタルこそ偽りだったのね…(いいえ
ハルカちゃんがナツミちゃんにした質問の真意とは…これ伏線です?
ちなみに名前被りについては…お二人って気が合うんですね!(
・箱入り娘の一人旅(出会い編 ・ミシロにて。 - αkuroさん
まとめてになりますー。
続きの投稿ありがとうございます〜。
エレンちゃんそれにしても方向音痴すぎやしません…?
大丈夫かなと読者も心配になるレベル…。
あれ、前も書きましたっけ?
そんでもって、エレン、ポケモンをもらうの巻。と思ったけどそれにしてはちょっともらうシーンあっさりですね…。
まあこれから旅立つぞー!ってことで。
これ、ユウトくんがエレンちゃんのお世話係になる、とか…?いやいやそんなまさか。
先行き不安な彼女ですが、一体どんな旅路になることやら…。
・ポケモン福祉養護施設『葛の葉』の日常 - NOAH
おおお、いいですねこの設定。
養護施設か…。色々と妄想が膨らみますね!(
卵の頃とはいえ、危ない目に遭ったのにチルットのこの図太さ…w
反対に自分のことは脇に置いてまで心配するザングースが愛おしいです。
何を思ってザングースは卵を助けたのか…今もって心配しているところを見るとそれなりの理由がありそうですね。
盲聴バグオング…盲聴って言葉の響きだけでなんだか悲しい感じですね。
助けてあげたいですね。
ところで車椅子のリラさんというのも気になりますね。
その辺のエピソードは別の機会ですかね…。
そちらも楽しみにしてますね(キラキラ
是非とも完成した暁には投稿お願いします!!!
> まだまだお休みが必要でしたら焦らずゆっくり休んでくださいね。砂糖水さんの体調が良くなりますように。
優しさが!半月遅れで届いた優しさが!痛い!(
元気なくせにさぼっててすみませんでした!
お気遣いありがとうございました!
焦らずが焦げ(こげ)的な何かに見えたとかそんなことはないですよ?(
感想書き漏れありましたらご連絡お願いします!!!
******
最後に、皆さんへお伝えしたいことがあります。
もっと…感想書こう?
いろんな物語であれだけ語られているように、言葉にしないと伝わらないのです。
拍手数いっぱいもらうより、たった一個の感想のほうが心に響きますよ。
管理人の鳩さんもツイッターでこういっています。
https://twitter.com/pijyon/status/462307107224559616
なんか、面白かった同人誌の作者さんにツイッターリプライで感想送ったら「感想でモチベ上がったので続編出しちゃいました」って言われたのでみんなどんどん感想送れ。感想送ると続編が出来るらしいぞ!!!!
同人誌かどうかに関わらず、だと思います。
感想もらって嬉しくない人は…あんまりいないと思います。
感想の返信に困るから〜ていうわたしみたいな人種もいますが、嬉しくないわけじゃないですよw
だから、どうか感想を…。
みんなは続き読みたくないんですか!!!
わたしは読みたいぞ!!!!!!!
まあさぼりまくってたわたしが書いても説得力ゼロですけどね!!!
あと、書き手の皆様へ。
完結しないことを恐れないでください。
続きは読みたいけど、無理して書いてほしいわけじゃないんです。
読みたいけど!読みたいけど!!!!
でも、追い詰めたいわけではないのです。
ご自分のペースで書いてください。
わたしも感想書くの頑張るから…。
ていうか謝罪のほうが先でしたね()
突然こんな企画をぶち上げたくせに、途中から思い切り放置してすみませんでした!!!!
身の丈に合わないことをするものではないなあと反省しました。
でも、予想以上にみんな書きかけ作品溜めこんでいるんですねえ…。
こんなに来るとは思ってなかったです。
だからって感想書くのをさぼる言い訳にはなりませんが…。
ええ、ほんっとにすみませんでした。
放置かましてる間にも投稿していただきありがとうございました。
冒頭にも書きましたが、宣伝はしないけど、書きかけ小説はいつでも受付中ですぞ!
そんなわけで。
本年は大変お世話になりました。
ご迷惑もおかけしました。
来年もこんな感じだと思いますが、改善へ向けて努力していく所存なので、何卒よろしくお願いします。
ななし
※うっすらホラーです。本当うっすらです。
 俺は最近様々なメディアから注目を集めている、株式会社空飛宅急便で働いている。仕事内容としては会社名の通り、運び屋だ。空を飛ぶ、を覚えているポケモンを持ち、力仕事のできる人物なら十中八九社員になれるだろう。俺自身も体育会系だ。時には荷物だけでなく、その人自身を乗せる空飛タクシーなるものも行っている。空飛宅急便のポケモンたちは普段から重い荷物を運んでいるため、いまさら人を乗せるくらいは問題ない。アクロバット飛行、高速飛行などはそれと別料金だが、ライブキャスターで呼べる遊園地として人気が出ている。
 相棒のネイティオ、トルネロスと共に日夜問わず様々な地方を縦横無尽に飛び回る日々が続いていたが、ある日私用のライブキャスターに連絡が入った。ヒワダタウンに住んでいる祖父からだった。倉庫の荷物を片付けたいから手伝いに来て欲しい、とのこと。祖父は腰が悪く祖母より小柄なため、力仕事は孫であり、俺担当の業務だ。185ある身長は伊達じゃない。忙しいんだったらいいんだ、と遠慮を口にする祖父に、俺は笑って快諾した。俺は自他共に認めるおじいちゃんっ子なのだ。最近休みなしで出勤していたため、溜まっていた休みを一週間もらって泊まり込みで手伝いに行くことにした。
「久しぶり、元気だったかい?」
「元気だよ。ほら、こいつもネイティオになったんだ」
「おお、この子はネイティなのかい。大きくなったね」
「小鳥みたいだったもんね」
「もう私と同じくらいあるじゃないか……おや、こっちのポケモンは?」
「こいつはトルネロスっていうんだ。珍しいやつなんだよ」
「へえー。ミヤノはすごいポケモンと友達なんだ」
「じいちゃんのカビゴンには負けるよ」
 俺のアパート総面積2つ分くらいの、厳粛な雰囲気漂う木造の屋敷。木の実がぶら下がる木々の並ぶ庭には、カビゴンがグースカいびきをかきながら眠っていて、モンスターボール型の瓦が敷き詰められた屋根の上ではポッポやオニスズメが遊び回っている。何度来ても身分不相応だと感じてしまう。祖父はネイティオとトルネロスに、見たこともない高級そうなポケモンフーズを差し出すと俺に向き直って、上がりなさいと口元に皺を作り、柔和に笑った。
「それで、ばあちゃんは?」
「老人会でね。カントーに旅行に行っちゃったんだよ」
「カントーのどこ?」
「うーん。たしかタマムシシティに泊まって、それからいろんなところに行くとか言っていたかな」
「バスツアーみたいなものなの?」
「いや、フリープランみたいだけど」
「老人会ってアクティブなんだな……」
 よく仕事やプライベートでタマムシに行くが、一日いると俺でも相当疲れる。精神的にも肉体的にも、だ。祖母は祖父と違って社交的で、タフネスな人だから心配はしなくても大丈夫だろうが。若い頃はトレーナーとして名を馳せていたらしい。祖父・祖母談なので信用に足るかはちょっと微妙だ。
 12畳くらいの広い応接間に足を踏み入れると、テーブルには既にアイスティーが用意されていた。ふかふかソファの脇に荷物を置いてグラスに手を伸ばすと、祖父がそれをひらりと取って代わりについでくれる。いつまで経っても俺は孫のまま、優しくされるがまま。だからたまにはこうして、孝行をしなければならない。透明薄茶色の溶け込んたグラスを受け取り、口をつけた。
「ミヤノ、実は、あのね。――謝らなければいけないことがあるんだ」
「え?」
「……倉庫は、カイリキーが片付けてくれてね。ミヤノを呼んだのは、また別のことなんだけど……」
「なんだ。うん、できることがあるなら何でもいいよ」
「ありがとう。すまないね」
「いえいえ。それで、何をすればいいの?」
「これなんだけど。読んでみて」
 エンテイ・ライコウ・スイクンのレリーフが入ったサイドボードから出てきたのは、ぼろぼろであること以外は何の変哲もないキャンパスノート。ぺらりとページをめくると、そこにはジョウトオカルト研究部なる見るからに怪しい文字が違和感を覚えるくらい堂々と並んでいた。祖父に視線をやる。何だか心なしか顔が青ざめているように見えた。ノートに意識を戻し、もう一枚破れないようにゆっくりページをめくった。
  1月9日(水) 今日の会議で、とある企画を始めることに決定した。
  1月10日(木) 買ってきた白うさぎのぬいぐるみにシロと名をつけた。
  1月11日(金) シロを研究部の入口に置いた。研究員は一日2回話しかけるという制約を設けた。
  1月13日(日) どのくらいかかるだろう。
  1月24日(木) シロに服を縫った。
  2月10日(日) シロを捨てた。回収日は明後日だ。
  2月11日(月) ゴミ捨て場にシロがあった。汚れていた。
  2月12日(火) 朝、散歩がてらゴミ捨て場を見に行く。シロがいない。服だけが落ちている。
「……なにこれ?」
 さらっと読むと、ただの悪趣味な日記だ。オカルト研究部、というくらいだからそれくらいはそういうものだと割り切れる。しかし、何だか薄気味悪い内容だ。ぬいぐるみを可愛がって、捨てる。矛盾した行動だが、俺はどこかでそんな話を聞いたことがあるような気がした。何であったかはよく覚えていない。祖父はいつの間にか、部屋から出て行ってしまっていた。
 一つの行に一文、そして一行空けた書き方が守られているが、2月12日を機に一切の文章がない。この不気味な日記は左側で終わってしまっている。さりげなくぱらぱらとページをめくると、ちょうどノートの縫い目の真ん中のページで止まった。昔のノートはこういう粗いタイプが多い。あったな、と笑っていると、左の一番上の欄に文字が入っているのに気付いた。
  シロが来た。
 ぞっと背中が凍り付いた。どういうことか、俺は理解してしまった。この研究部は、もしかして――。
 ふと、俺の足に何かが触れた。自然的な動作のまま、そちらを見る。エジプシャンブルーの何かが、俺の前に立っている。寒くもないのに、全身に冷気が迸った。見たことがある。ミナモシティの近くで。ゆっくりと頭を上げ、俺はそれが何なのか見ようとした。見てはダメだと思いながらも、なぜか勝手に目線があがる。
「……!」
 キイ、と鳴いた。赤い双眸が俺のそれを掴んで、離さない。唇の代わりについたジッパーのようなものがキチキチと開いて、もわりとそこから出たどす黒い湯気のようなものが息を吸おうとする俺の鼻腔にするすると入り込んでくる。不思議とさっきまで抱いていた焦りや恐れはなくなっていた。ダークブルーのジュペッタ。色違いというやつだろうか。錆び付いた車輪のように鳴いて、俺を視ている。鼻の中がくすぐったい。
「――っくしょん!」
 キイ、と鳴いた。くしゃみの音にびっくりしたのか、ジュペッタはばっと音がするくらい飛び退いた。口から暗い湯気が逃げていく。何だか気持ち悪くて、空気を手で扇いだ。さっきまで重量を持った霧で覆われていたような空気が、柔らかいものに戻る。すると、祖父がこそりと扉を開けて部屋に入ってきた。俺がジュペッタと――多少の距離感はあるが――対しているのを見るなり、微妙で曖昧な笑みを浮かべる。手には、モンスターボール。祖父が出したジュペッタ、と思うと安堵が増す。いつからジュペッタがいたか、と考えを巡らすも答えはない。
「じいちゃん、こいつは?」
「それを読んだろう……こいつはシロだよ」
「……あ、こいつが、」
「ミヤノを驚かすつもりはなかったんだ。ボールから勝手に出てしまって、」
「ああ、いや別に。大丈夫だよ」
「それはよかった。……シロ、固まってるけどどうしたんだい」
「あー、くしゃみしたらびっくりしたみたいで。で、このジュペッタ……どうしたの?」
「ヒロサのポケモンだよ」
 ヒロサ、というのは祖母の名前だ。俺はてっきり祖父がこれに関わったオカルト人間なのだと思っていた。たしかに言われてみれば、祖母の手持ちはゴーストタイプやら毒タイプやら悪タイプやらが主だ。それでもオカルト好き、とまではいかないし、そういう風には見えない。ということは――祖母が研究員だったのか。言われてみれば、とやけに納得していると、祖父は真剣な顔で話を始めた。ジュペッタもその傍に寄り添って、祖父の動きを真似ている。
「実は、研究部のリーダーだった方がついこの前亡くなったんだ」
「……それで、ばあちゃんに……ついてきたってわけ?」
「一番の先輩で、クシロさんというのだったかな。遺言に、ヒロサにそのノートとシロを預けるようにあったんだって」
「……」
「死因は老衰だったから、シロのせいじゃない。シロも、とても悲しんでいたんだ」
「そっか……」
「……ミヤノ、シロと遊んであげてくれないかな」
「え?」
「悪ふざけでポケモンが生んだことは――悪いことだよ。でも、シロは純粋な子だ」
 いろいろな人がいるように、ジュペッタだっていろんなタイプの子がいるんだよ。世界を巡ってきたトレーナーの言葉は、すっと俺の胸で轟いていた靄を溶かした。リーダーだった人も、シロを可愛がっていたのだろう。シロの尾っぽには白いチェックのリボンが蝶々に結ばれていた。シロの紅蓮の瞳には、少しの寂しさとたくさんの愛らしさが詰まっている。元より俺はシロを生み出したことに対して、怒りも悲しみも持っていない。淡白な性格なのだ。だから、シロを嫌うなんてとんでもないと、そう思う。
 ノートを床に置いて、そっと右手を差し出した。
「俺、ミヤノ。よろしくな、シロ」
 あれから、一ヶ月。シロは俺の新しい仕事仲間として、あらゆる地方を飛び回っている。
*
ねここです。
ジュペッタかわいいけど、かわいそうです。シロは今日もアクロバット飛行のチケットを切っています。ちなみに言えば、ミナモシティの近くにいるのはカゲボウズです。
しばらくリアルの方にかまけてて、ストコンベストのUGM改稿くらいしかできていなかった間に、こんな作品が!
……ええ、大変遅くなりましたすみません。
グッドでアルティメットでウルトラなおじさんが、おじいさんになった姿、ニヤニヤしながら読ませていただきましたよ!
まさかこんな未来が待ちうけていようとは!
アルティメットでグッドな未来が彼に、そして世界に訪れるのか、新天地で彼がその糸口を見つけられるのか、続きが気になって仕方ありません。ニヤニヤ。
また、UGM作者としては、三人称文になると、また全然違った趣になるなぁというのが印象的でした。
> 【書いていいのよ】
> 【好きにしていいのよ】
【むしろ続き書いてほしいのよ】
> 【レイニーさん、アルティメットグッドマンお借りしました】
ちなみに超今さらですが、アルティメットグッドマン自体パク…パロディなので、(出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A9%E3%81%8D%E3%81%A9%E3%81%8D ..... A.E3.83.BC)
私が「お借りしました」と言われるのもアレかもです。
しかし、マサポケ的にはおじさんはコピーレフトです。
スケベクチバシさんみたいに広まればいいのよ!
最後になりましたが、素敵な作品、ありがとうございました!
バレンタイン…… 正月気分がすっかり抜け、更に一月が過ぎた頃にやってくる。ちなみに一部の人間には『忘れた頃に』が付くという。関係ないが作者もそうである。だって男子にあげないし。
女子がチョコレートに義理や本気を込めて意中の男子に渡す。と、ここまでは皆さんご存知であろう。だがこんなカップル同士の甘いイベントとしているのは日本だけである。そりゃあ、海外でもカップルが関係することは間違いないが、その中に『お世話になっている人』や『家族』も入るのはおそらく向こうだけであろう。ちなみにイタリアでは男性が女性にバラの花束を贈る日ともされている。
まあどちらにしろ、信頼し合っている人の絆を深めるイベントと見ていいだろう。一部を除けば。
――そう、一部を覗けば。
鼻が溶けそうだ、とバクフーンは思った。ここ数日、街に出ると必ず鼻を押えなくてはいけなくなる。それだけ街に充満する匂いが一致していた。どこの店からも、甘ったるい香りが漂ってくる。それに付け加え、柑橘系の匂い、ベリー系の匂い。そしてブランデー、シャンパン、ワインのアルコール臭。
右の店からはバラの匂いが漂ってくる。花屋だ。凍えてしまわないように中で展示してあるのだろう。こちらから白やオレンジ、赤色が見えた。まだそこまで蕾が開いていないが、この状態のままあげれば家に飾る期間が長くなるだろう。
反対側の店はケーキ屋だった。アップルパイが美味しいことで有名な店だ。目印はフランスはパリにあるエッフェル塔の砂糖細工。だが今日はアップルパイの香りだけでなく、別の甘い匂いが漂ってくる。
チョコレートだ。
チョコレートをたっぷり使ったパイが、カウンターに所狭しと並べられていた。
バクフーンは甘味が嫌いではない。むしろ好きな方だ。だが、こうもギュウギュウ詰めに匂いを嗅がされてはたまったものではない。早いところ散歩から戻って、無糖のゼクロムを……
ライモンシティ、ギアステーション前。お馴染みとなったカフェ『GEK1994』は、世間のバレンタインイベントなど何処吹く風で、いつも通りの営業をしていた。ただ多少メニューに変わりはあるが。
寒さと匂いでへとへとになったバクフーンを、ユエが迎えた。
「お帰り。散歩はどうだった?気分転換に…… 
ならなかったようね」
様子を見てすぐに気がついたらしい。もぞもぞとカウンター下に潜り込むバクフーンに苦笑した後、カウンターに座っていた彼女らにカップを出した。
「はい。バレンタイン限定、ホットチョコレート」
まだほかほかと温かいそれは、寒空の中を歩いて来た学生達にひと時の安堵をもたらした。店内に笑顔という名の花が咲く。
「おいしい!そんなに甘くないし」
「皆はバレンタイン、どうだったの?友チョコとか本命チョコとかあげたの?」
ユエの言葉に、カウンターの花だけが萎れていく。あら、とユエは焦った。聞いてはいけないことを聞いてしまった……気がする。
「んー、友チョコ交換はしたんだけど」
一人の子が、持っていた小さな紙袋の中身をカウンターに出した。可愛くラッピングされたクッキー、ミにチョコレート、キャンディ、ビスケットの数々。流石女の子同士。それぞれのセンスが光っている。
「可愛いじゃない」
「でも、本命渡せなくて……」
「どうして?」
一人がユエをキッと睨んだ。察せ、という意味だろうか。ユエは恋愛に疎い。これ以上ないというくらい疎い。だが場の空気は読める女だった。肩をすくめて、話題を別に持っていく。
「まあ、ね。熱いカップルを見たらチョコレートも溶けるわよ。というわけでチョコが溶けるどころか固くなるくらい冷たい話でもしましょうか?」
「えっ」
「こんちはー」
グレーのスーツを着た女が入って来た。首にマフラーを巻いているだけの姿を見て、学生達が震える。一方ユエは特に気にせずに女に気さくに声をかけた。
「カズミ。久しぶりね」
「取材で近くまで来たから寄ってみたんだ。ほれ、お土産。あとゼクロム頂戴。熱いの」
カズミのお土産は、ココアパウダーがたっぷりかかったティラミスだった。タッパー一つ分あり、ユエ一人じゃとても食べきれない。そこでスプーンを渡して学生達にも手伝ってもらうことになった。
「グッドタイミングのお菓子ね。これ食べて来年は頑張りなさい」
「どういうことですか」
「ティラミスは、元々名前が『Tirami su!』……『私を引っ張りあげて』『私を元気付けて』って意味なの」
ああ、と皆が納得したところでカズミが言った。
「ユエ。さっきこの子らに言おうとしてた話を聞かせてよ。コラムに使えるかもしれない」
「あら、何処から聞いてたの?」
「ちょっと趣味で読唇術勉強してんだ。それで」
一般人がそんなの勉強すんなよ!と思うかもしれないが、カズミはフリーのジャーナリストである。なので表に出せない話を得るためにこれを勉強した、らしいが……
「アンタいつか殺されるわよ。モランの部下みたいに」
「1929年2月14日。よく考えたらまだ一世紀も経ってないんだねえ」
「なんでバレンタインってこう血塗られた歴史が多いんだか」
「ヴァレンティヌスが処刑されたのもその日なんだよね」
二人の会話についていけない学生達が固まっていた。ホットチョコレートは冷めてしまったようだ。
※補足
・1929年2月14日……アメリカ・シカゴで起きたギャング同士の抗争事件。アル・カポネが敵対するバックズ・モランの部下六人とたまたまそこにいた眼鏡屋をガレージの前に立たせて銃殺した。血のバレンタインとも呼ばれている。
・ヴァレンティヌス……ローマ時代、クラウディウス二世によって結婚できないようにされた法律を破り、恋人達を結婚させていた司祭。掴まり、2月14日に処刑された。
――――――――――
世間が甘い雰囲気に包まれてるのでここらで冷ましてあげようかなー……と。
ちなみに私は皆と交換して沢山もらいました(笑
 知恵袋に寄せられた相談:
 父が仕事で出張したっきり中々帰ってきません。手紙は週1で来ますが帰ってくる気配すらありません。ですので色違いのゾロアークを見かけましたら、父かもしれませんので書き込んで頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします。
 ベストアンサーに選ばれた回答:
 こちらの質問 http://masapoke.sakura.ne.jp/lesson2/wforum.cgi?&no=2241& ..... de=msgview に色違いのゾロアークを見かけたとの証言が多々あるので見に行ってみてはいかがでしょうか?
 質問者からのコメント:
 情報ありがとうございます。ちょっと燃やしてきます。
――――――――――――――――――――――――
 細やかなおまけ。質問者はロコンなんでしょうかねぇ? どうなんでしょうねぇ? ウェヒヒ
 きとらさん回答ありがとうございます!
 ついに知恵袋にまで当局が進出してきたか……。早い内に当局をスナイp(この発言は当局にスナイプされました)
 そして回答8はスルーされているのに回答12は指摘されるという。回答12涙目。この質問にも「父親がゾロアークとかwww」みたいな回答とか有りそうです。
 回答ありがとうございました!
【燃やしてもいいのよ】
【回答してもいいのよ】
【このタグは当局にスナイプされました】
【1】
 それはとある街の近くにあります、ちょっとした森の中。
 本格的な森と比べると、一本一本の木の間はそんなに密着しておらず、空からは太陽の光がさんさんと差し込んで地面まで届いています。
 そんな平和そうな森の中で、一つ、違う空気がありました。
 バチバチと火花が跳ねるような音が聞こえてきそうな雰囲気が漂っています。
「今日は、わちが勝たせてもらうわ」
「寝言は寝てから言いやがれ、この野郎。勝つのはこの俺様に決まってるだろ?」
 一匹は白い毛皮に、お腹と目の辺りには赤い星模様、そして赤い爪を持ったポケモン――ザングース。
 もう一匹は漆黒の縦長い体に、剣を連想させる鋭利な尻尾、そして毒々しい赤い牙を持ったポケモン――ハブネーク。
 ザングースとハブネークは産まれながらにしてお互いの種族に敵対本能を持っているポケモンで、この二匹も例外ではありませんでした。今日も今日とて勝負を仕掛けあっています。
 さてさて、殴りあいに、引っかきあってからの噛みあい、その場に響き渡る怒号と痛みによる悲鳴のバトルがこの後に想像されそうですが……ザングースが何やら一本の棒状のモノを出したところから何か違う勝負をするようです。ハブネークは何を出したのかと訝しげにザングースの顔を見やります。
「これはポフィッキーや。知らんかったん? 流行遅れやな」
「そ、そんなこと俺様が知らないわけねぇじゃねぇか! 俺様はただ、それで何の勝負をしようかって訊きてぇんだよ!」
 
 説明しましょう。 
 ポフィッキーとはポフィンを棒状に伸ばしたポケモン版の某Pッキーのことであります。
 なんでも一説によりますと、ルナトーンとソルロックが某Pッキーゲームなんてやったら萌えるよね〜、という謎の意見を元にオボン製菓会社が作り上げた商品でございます。
 味はクセになる甘さのモモン味、爽やかな甘酸っぱさがウリのオレン味、口から火が出るほど辛いけど、そこにしびれるぅ! あこがれるぅ! というマトマ味、他諸々。 
 大きさもそれぞれのポケモンの大きさに合わせて作られており、小型ポケモン用のSサイズ(市販の某Pッキーぐらい)から大型ポケモン用のXLサイズ(市販の某Pッキーの十倍)まで取り揃えてあります。
「これでな、ポフィッキーチキンゲームをやろうと思うねん」
「ポフィッキーチキンゲーム、だと?」
 なんなんだ、何をやろうとしているんだとハブネークがザングースを見やると、ザングースは勝つ自信が大いにあるのか、得意げな顔を浮べながら更に説明を続けます。
「一つの端をわちの口に、もう一つの端をあんさんの口につける。先にポフィッキーから口を離した方が負けや、どや? シンプルなゲームやろ?」
「面白そうなことを考えるじゃねぇか。いいぜ、その勝負買ってやるよ」
 ビビッた方が負けという分かりやすい勝負に乗ったハブネークは勢いよくポフィッキーの一つの端を口に入れました。ザングースももう一つの端に口を入れ、これでお互い準備万端、目線と目線がぶつかりあって火花が飛び散るかのような雰囲気がそこにありました。空から「すばぁ」と鳴くスバメの鳴き声を合図に二匹の勝負が始まりました。
 約四十五センチメートルの間、まずはザングースがプレッシャーをかけようとしてじりじりと一、二歩、前に進みます。どうだと言わんばかりの挑発的なザングースの目付きに反応したハブネークも負けじと身をよじらせ前へと進みます。両者譲らない勝負の下、少しずつお互いの距離が縮まっていきます。まだ行けると踏んだザングースが先に仕掛け、ハブネークにプレッシャーをかけますが、なんのこれしきとハブネークも更に前へ行きます。行き過ぎれば嫌な奴との口づけが、しかし仕掛けなければプレッシャーを与えることはできない、シンプルだけど心理面では奥深いゲームにザングースとハブネークの胸の鼓動は速くなっていきます。 
 気がつけばお互いの距離は残り五センチメートル、一歩間違えれば、キスが待っています。それだけは嫌だが、しかし、その状況の中ですから、うまく仕掛ければ大きなプレッシャーを与えられる距離でもありました。
 さて、どのタイミングで仕掛けようかと、ザングースとハブネークは機会を伺っていました。
 どくん、どくんとお互いの脈が早くなっていき、ハブネークの額から汗が一筋垂れ、ザングースの尻尾は緊張で逆立っています。
 風が一つ吹き抜けます。
 先に仕掛けたのはザングースでした。
 大きく足を振り上げて、一歩前へと動きます。
 実際には前へと言っても、一、二センチ程の小さな動きですが、大きく足を振り上げたのはハブネークに大きなプレッシャーを与える為でした……これで驚いたハブネークが口を離して勝利を得る、というのがザングースの狙いでした。
 しかし、ハブネークは動じませんでした。
 ザングースの目論見は外れた――わけでもなく、この彼女の仕掛けにはハブネークは心臓が飛び出てしまうのではないかと思うほど驚いていました。しかし耐えたのです。ザングースとの勝負にかける本能がなんとかハブネークをポフィッキーから離さなかったのです。
 ギリギリなところで踏み止まったハブネークに対して、ザングースの目が丸くなったのは言うまでもありません。
 これでお互いの距離は残りたったの二、三センチメートルとなり、ここからは我慢の勝負となりそうです。お互いの顔が間近となった今、一歩間違えればキスが待っています。なんとしてでもポフィッキーから相手の口を離さなければとザングース、ハブネークの両者は頭をひねらせます。嫌いな相手の顔が目の前にある中、なんとか勝てる方法を編み出そうというのは中々疲れるものです。どうすればいいのだろうかと考えていく旅にお互いの額から薄っすらと汗が浮かび上がってきます。そのままお互いに何も仕掛けないままただ時ばかりが過ぎていった後――。
 先に動き出したのはハブネークでした。
 そのぎょろっとした大きな赤い瞳をあちこち動かしています。寄り目にしたり、離し目にしてみたり、面白おかしくその芸を見せていきます。どうやらハブネークはザングースを笑わせて彼女の口をポフィッキーから離そうと試みたようですが……残念ながらザングースには効果はイマイチのようでした。やがてハブネークのターンが終わりますと、ザングースはお返しだと言わんばかりに両目に力を込めますと目玉をちょっとばかり飛び出させました。いわゆる目玉が飛び出ちゃったというよくありそうなネタなのですが、ハブネークには効果抜群のようでした。まさか彼女がそんなことできるだなんて想像にもしていなかったと一瞬、どきんと胸が驚きで高らかに鳴りましたが――なんとか耐えました。これもザングースに対するプライドが成せる業なのでしょう。
 その後、二匹は身振り手振りで相手にプレッシャーをかけていきます。
 ハブネークの尾がうねうねと変に動きますと、今度はザングースが左腕を頭の上に、右腕を横腹近くに持って行き、シェーとやってみせます。
 まさに勝負の行方はこの芸対決に委ねられたと言っても過言ではないでしょう。
 しかし、残り二、三センチメートルというのに、顔を動かさないようにしているとはいえ、そこまで動きを入れても大丈夫なのかと思っている方々もいるかもしれません
 これが、不思議なことに残り二、三センチメートルから距離が変わらないのです。
 まさになんとしてでも勝つという意地がそこにある証拠です。
 さて、芸対決はお互い一歩も退かないまま、このまま続いていくのかと思われたおり――。
「おっと、ごっめんよぉー!!」
 突如、ザングースの後ろからマッスグマが現れ、そのまま激突!
 マッスグマは急には止まれないのです。
 ド派手な衝突音が森の中を駆け抜けていくのと同時に、マッスグマもその場を駆け抜けていき、そしてマッスグマに後ろを押された形となったザングースはその勢いのままに一気にハブネークを押し倒してしまって――。
 
 気がつけば、二匹の距離はゼロでした。
 ザングースもハブネークもお互いの唇を重ねたまま、動きません。その目はこの世の信じられない物を見ているかのような形になっており、とてもじゃないですが、イチャコラといったような雰囲気ではありませんでした。お互いに嫌いな奴の唇に自分の唇を乗せたなんて、そんなこと認めない、認めたくない、信じたくない。そういった気持ちが限界まで膨らんだとき、ようやく二匹の唇が離れました。
 それから体の距離も離して、お互いに改めて相手を見ると、なんだか顔の紅潮(こうちょう)が止まりません。このままだと混乱して目がパッチールみたいにぐるぐるんになってもおかしくありませんでした。
「あんさんのどあほおおおお!!」
 先に叫んで気まずい沈黙の間を破ったのはザングースでした。顔を真っ赤にさせているだけではなく、全身の毛まで逆立っています。
「おい、ちょっと待てよ!」
 ハブネークがそう声を上げましたが、ザングースはわき目も振らずにその場から走り去ってしまい、ただ一匹だけ、そこにぽつんと取り残される形になってしまいました。
「……なんだよ、最初にこの勝負にしたのはてめぇじゃねぇか、この野郎」
 そんな愚痴を吐きながらハブネークに一つの風が吹き抜けます。
 しかし、全身ほてりまくった彼の体には全然足りないものでした。
 一方、ハブネークの前から去ったザングースは森を抜けたところにある川まで行きますと、その足を止めました。
 はぁはぁと肩で荒く息をしながら、ザングースはやがて地面に尻もちをつけました。静かな場所だからか、なんだか自分の心臓の高鳴りがよく聞こえています。
 これは全力疾走での疲れからくるドキドキなのか、それともハブネークとキスをしてしまったことからくるドキドキなのかはザングースには分かりませんでした。それほど彼女は混乱していたのです。
 そのまま少し時が経ちますと、ちょっと落ち着いたのか、ザングースはこういうときは水を飲んでもっと落ち着くのが一番だと思いつき、目の前にある川へと顔を近づけさせました。
 そこに映っているのは自分の顔。
 
 それとハブネークとキスしてしまった唇。
 その自分の唇を見た瞬間、ザングースの顔に再び火が上がりました。
 そして、必死で忘れようと、水を飲むのではなく、ひたすら顔を洗い始めました。
 相当、焦っていたのか、ばしゃばしゃ、とにかく水を自分の顔にザングースはぶつけ続けます。
 自分が勝つつもりだった。
 あんなことになるなんて思いもしなかった。
 こうして、何度も水を自分の顔にぶつけていたザングースでしたが、やがてバランスを崩して川の中に落ちてしまいました。
 幸い、川の深さはザングースの胸元辺りで、なおかつ流れも緩やかだったので、なんともありませんでしたが――。
「……顔が熱い」
 
 冬の川は冷たいのに、顔だけはその熱さを保ったままで。
 ザングースは困ったようにそう呟いていました。
【2】
 さて、あのポフィッキー事件から三日後のこと。
 とある街にある一軒の赤い屋根の家。
 その家の一室にあるリビングルームに一人の小柄で亜麻色の髪を持つ女性と、一人の小太りで眼鏡をかけた男性がいました。
 そしてその女性の傍らにはザングースが、そして小太りの男性の傍らにはハブネークがいます。
 実は、このザングースとハブネークはそれぞれのパートナーだったりします。
「さてと、今日は麻呂也(まろや)とちょっと大事な用があるから、二匹はここで留守番して欲しいのよ」
「えっとね、とりあえずポケフーズは机の上に置いておくから、お腹がすいたらそれを食べてな。あんまり食べ過ぎてお腹を壊さないように」
「……麻呂也も太りすぎには注意してね」
「うぐ、気をつけるよ。さてとそろそろ行かないと。まずは会社の方に行かなきゃ。行こう? 亜美」
「お土産ちゃんと買ってくるから、いい子でね?」
 それだけ言い残すと女性――亜美と、男性――麻呂也は一緒に玄関の方へと姿を消していってしまった。やがて留守番を任されたザングースとハブネークの耳には扉の開閉の音、それから鍵が閉まる音が届きます。こうしてテレビやソファー、本棚が置かれてある広々としたリビングルームにはザングースとハブネークの二匹っきりとなりました。
「ちぇ、なんだよ麻呂也のヤツ。俺様をあんなヤツと留守番させるなんてよ、おかしいぜ」
 ソファーの上でとぐろを巻いていたハブネークは、窓際でカーテンの間から庭を見つめているザングースを見ながら愚痴を吐いていました。しかし、ザングースの耳には届いていないのでしょうか、彼女は庭を眺めているばかりで黙ったままです。いつもならここで怒って文句の一つや二つ言ってくるはずのザングースに対してハブネークは調子がちょっとばかし狂いそうになります。こんな変な空気が嫌でハブネークが思わず舌打ちをしたときでした。
 
 ザングースが倒れたのです。
「おい? 何やってんだよ、日向ぼっこか、おい」
 嫌みったらしくそう言いながらハブネークがソファーから降りて、窓際で倒れているザングースに近づき、顔を覗きこむと、彼の顔は困惑の色に変わりました。
 ザングースの顔がなんだか赤く、それに苦しそうな顔で、息もなんだか辛そうにヒューヒューと鳴っていました。流石にこれは日向ぼっこではなくて、風邪だと気がついたハブネークはどうすればいいのだろうかと考えました。今、ここにいるのは自分一匹だけ。一体全体どうすればいいのだろうか。
 そういえばと、ハブネーク主人の麻呂也のことを思い出します。
 麻呂也が風邪を引いたときに何をやっていたことが、もしかしたらここで活用できるかと思ったからです。
『風邪のときはよく寝て、安静にしとかないとなぁ。というわけで、ちょっと早いけどお休みハブネーク』
 そうだ、風邪には睡眠とかといった休養がいい、そしたらここはザングースを起こすわけにはいかない。
 しかし、このままにしておくわけにもいかない、何か他に風邪に効きそうなことはないかとハブネークは思案します。
『寝るときにはやっぱり抱き枕だよね、これで疲れを取るのがやっぱ一番だよ』 
 抱き枕という単語にハブネークは妙案を思いつきます。
 ザングースの横に寝そべり、背中の方をぐいっとザングースに寄せます。
 うまくいくかどうか分かりません。嫌な相手を抱き枕にするなんてこと、ザングースだったら絶対にしたくないはずですし。
 しかし、なんということかザングースはハブネークの体をぐいと抱きしめたのです。
 もふっという感覚がハブネークの中で広がります。
「はぁ……なんで俺様ったらこんなことしてんだよな、本当」
 本来なら嫌いな相手なのだから、風邪を引いていたって放っておいて、ざまぁ見やがれの一つでも言えてもおかしくなかったのに。いいや、これはあれだ。ザングースとの決着が着いていないのだから、ここで彼女ともう争うことができないなんてことになったら自分のプライドが許さないとハブネークは考え直して、こう呟きました。
「別に……てめぇの為じゃねぇんだからな、勘違いするんじゃねぇぞ」
 その顔は若干、赤くになっていたのはハブネーク自身も気がついていませんでした。
 
 そういえば、ザングースと会ってもう何年経っただろう?
 ふとハブネークは昔を思い出します。
 それは今から約三年前のこと。 
 麻呂也のパトーナーになったと同時にハブネークはザングースに出会いました。
 気の強いメスで、変なしゃべり方してんじゃねぇぞとハブネークは最初からザングースに対して敵対心を持っていました。ハブネークの思い切りにらみ付けに、ザングースもお返しとばかりににらみ返してきたことも覚えています。それから毎日、因縁をつけてはザングースと色々なバトルを繰り広げていきました。ちなみに麻呂也も亜美も働き先の会社がポケモン禁制の為、家で放し飼いすることが多く、ハブネークもザングースも様子を見計らって、家からよく抜け出し、そしてあのちょっとした森の中で白黒つける為にバトルを繰り広げていたというわけです。
 かけっこを始めとして、にらめっこに、どちらがかっこいいポーズを決められるかなどなど。
 ハブネークが勝った日もあれば、もちろんザングースが負けた日もあります。
 他人から見たら、よく飽きないなと言われるぐらいですが、二匹にとってはいつでも本気でした。
 だから負けないで欲しかったのです。
 ザングースに勝つのは自分だから。
 風邪なんかに負けるなよとハブネークは自分を抱きしめながら眠っているザングースのに向けて、そう呟きました。
「ほわぁ……わちのだいしゅきなポフィッキー……」
 まさかさっきの呟きで起こしたかと思えば、なんだ寝言かとハブネークがやれやれと思ったときのことでした。
 なんだか背中に刺激が来ます。
「むひゃ、みゅふ、みゃふ……」
 ポフィッキーを食べている夢でも見ているのでしょうか、ザングースがハブネークの背中を噛み始めました。しかし、本気の噛みつきと比べるとソレは弱く、どちらかというと俗に言う甘噛みでした。ザングースの白い鋭い八重歯がハブネークの背中に優しくチクチクと口づけをしていきます。
 満足そうな寝顔でハブネークを甘噛みしていくザングースに対し、ハブネークはあまりのくすぐったさに戸惑っていました。このまま起こさない方がいいのか、しかし、このままだとなんか変な気持ちになりそうだとハブネークは必死に耐えていました。
 意識をずらそう、そうだ、別のことを考えようとハブネークは麻呂也と亜美のことを考えることにしました。そういえばあの二人、仲がいいけど、どういった関係なんだろうかといった感じになんとか背中の刺激を振り払おうとしますが――。
 甘い吐息が温かくてなんだか心地良い、白いもふもふとした毛も心地良い、白い牙がいい感じに背中をチクチクさせてくる、そしてときどき当たる赤い舌は熱くて――。
 
 なんだよ、これ! 無理だろ、これ!
 
 ハブネークはそう叫びたい気持ちでしたが我慢、我慢。
 なんでこんな奴相手に惑わされなきゃいけないんだ、おかしいだろう、一体全体どうしてこうなったんだとハブネークは自身の心に尋ねてみますが、返事はもちろんありませんでした。   
 ハブネークの顔から沸騰でもするのではないかというぐらい赤くなり、心なしか湯気も立っているかようにも見えました。
「みゅふ、むひゅむひゅ、これ、食べて……早く、元気になってぇ、ハブネークと早くバトりたいでぇ、わち……むひゃ、むひゅ、みゅふ」
 ザングースから出たその奇跡的な寝言に、ハブネークはなんとか鼻を鳴らして、こう言いました。
「……早く治しやがれ、この野郎」
 顔は依然と真っ赤のままで。
【3】
 買い物袋を提げた麻呂也と亜美が家に戻ってくると、そこにはリビングルームでハブネークを抱きしめているザングースの姿がありました。もちろんお互い眠っております。
「なんか心配したけど、そうでもなかったみたいかな?」
「だから言ったでしょ? 大丈夫だって」
 二匹の様子を見ながらなおも不安そうな顔を浮べる麻呂也に亜美が家の中の様子を示しました。確かに、なんかしら暴れた形跡があるのなら、テレビが壊れたり、本棚が倒れて本が散乱したり、ソファーが破れて中からエルフーンの綿が飛び出ていたりしてもおかしくありません。しかも二匹隣同士で眠っていますし、どう考えても暴れたような形跡はありません。
「まぁ、要は麻呂也の杞憂に終わっただけって言うやつよね」
「ぐ、なんかカッコがつかないなぁ」
 麻呂也が困った顔を浮べながら頭をポリポリとかきます。
「だってさぁ、本能的に敵対心を持っている二匹だろ? そりゃあ心配の一つや二つするよ。それにしてもなんで、こんなに仲がいいんだろうなぁ」
「さぁね。もしかしたら、私達が見ないところでバトルしてるかもしれないわよ?」
「え、そんな。傷なんてそうそうなかったけどなぁ……」
「馬鹿ね、バトルって言っても殴り合いだけじゃないでしょ」
「うーん、言われてみればそうだけど」
「それにさ、よく言うじゃん」
 買ってきたものの整理が終わり、亜美も眠っているザングースとハブネークのところに行くと微笑みながら言いました。
「ケンカすればするほど仲がいいって。今日の敵は明日の友、明日の友はいつかの恋人ってね♪」
「え、そんな言葉ってあったけ」
 ザングースとハブネークの寝顔はなんだかとても満足そうな顔を浮べていました。
【書いてみました】
 え、2月14日って、2人で1本のチョコ味のポッキーを食べて幸せになろうというバレンタイン オブ ラブポッキーの日では(勝手につくんな) 
 
 ……というわけで、バレンタインの日にチョコ代わりにと今回の甘い物語を投下しようと思ったのですが、間に合わず、一日遅れになってしまいました、無念。(汗)
 ケンカには本気だけど、こういうことにはきっと不器用だよねこの二匹、と思いながらザングースとハブネークを書かせてもらいました。甘い味がしたのなら嬉しい限りです。(ドキドキ)
 ありがとうございました。
【何をしてもいいですよ♪】
【今年は一個(母上から)だけだったぜ。後は自分に買ってあげ(以下略)】
 某月某日。
 女性が男性に愛でとろけたショコラを送り、愛の言葉を囁き合う、そんな日。
 女性は恋の行方に一喜一憂、男性は貰ったチョコレートの数に一喜一憂、いや、チョコレートを貰えるかどうかに一喜一憂している。
 お菓子屋ならずとも、店という店にチョコレートが並び、町は数日前から独特の甘い匂いに包まれる。
 数年前までそんな日だったはずなのだが、いつの間にやら友チョコとか逆チョコとか自チョコとかが出てきてなんかよく分からなくなった。しかし、町が嗅覚的な意味で甘い匂いに包まれているのは変わらない。
 目の前の彼女も、非常に甘い匂いをさせていた。確か、事務の仕事をやっている子だったか。
「はい、どうぞ。エルフーンちゃん」
 そう言って、腕に抱えた甘い包みのひとつを、足元のフワモコで可愛いと巷で人気の草羊に渡した。
「ココロモリくんにも」
 彼女は机の上で丸くなっていたハート鼻の蝙蝠にもチョコレートを渡すと、今は持ち主が留守の机の上にも包みを置いて、部屋を出て行った。
「……僕の分は?」
 ひとりチョコレートを貰えなかったキランは、彼女が去っていった方向を見つめて僻みたっぷりに呟いた。
 エルフーンはそんな彼の様子は気にせず、貰ったばかりの包み紙を短い手でビリビリと引き裂いている。ココロモリはチョコレートの包みを足で押さえながら、キランの方を気にしていた。
「食べていいよ」
 その言葉に安心したようで、ココロモリは風技と念力で器用に包み紙を切ると、箱を開けた。
 キランは上司の机に目をやった。そして、見なければ良かったと後悔した。彼女の机の周囲は甘い有様になっている。
 机にはまるでチョコレートしかないように見えた。もしかしたら、机もチョコレートかもしれない。隣り合った机や足元の床にまで、彼女の机に乗らなかったり、崩れたり落とされたりしたチョコレートが積み上がって、甘ったるい山を形成していた。今にも蟻が集ってきそうだ。
 朝、キランが出勤していない時間帯からチョコ責めに遭い続けて、昼休みでこれだ。夜には家の一軒ぐらい建つだろう。今はチョコ攻勢から逃亡を図っているが、彼女、帰ってきたら胸焼けで倒れるんじゃなかろうか。
 視線を感じてそちらを見ると、トリュフチョコを咥えたココロモリと目が合った。
 くい、と顎をしゃくるようにしたココロモリに、キランは手を差し出す。噛み跡の付いたチョコが手の中に転がった。
「……ありがと、ノクティス」
 心優しいココロモリは気弱そうに笑うと、エルフーンと貰ったチョコレートを交換する作業に入った。
 つきそうになったため息を堪えた。自チョコならぬ自ポケチョコって何だよ。いや、いいんだ。自分を気遣ってチョコレートをくれるポケモンなんて最高じゃないか。うん、そう思うことにしよう。きっとそうなんだ。そうに違いない。
「……はあ」
 堪えていたため息が出た。
 ハート型チョコはそんなに美味しいのか。せめて向こう向いて食べてくれよ。
 という指示をポケモンたちに出すのは空しかったので、キランの方が部屋を出ることにした。廊下に出ると空気が清浄に感じられた。あの部屋はよっぽど甘かったのだ。三回深呼吸して肺の中の空気を入れ替えると、気分がずいぶん良くなった。別に大量のチョコを貰うことが幸せではないと気付いたからではなく
。そして、息抜きついでにご不浄に行って用を足していると、真上の換気扇からエルフーンが出現した。
「そんな所から出るなよ」
 換気扇から頭上に落下してアフロみたいになったエルフーンを離しながら文句を言う。しかし、エルフーンはキランの言葉も耳に入らない様子で、短い手足を振り回して酷く慌てている。顔はいつもと同じだが。
「分かった。分かったからズボンの裾引っ張らないで」
 キランがそう言うと、エルフーンはひとまず安心したようで、握っていたズボンを離した。そして、キランたちの居室の方向へ走り出す。
 しかし、エルフーンは背負った綿に風を受けて、少し走っては舞い上がり、少し進んではまたフワフワ……。
 真面目に移動して欲しいが、こいつが本気で移動すると、白い綿だけ残って本人が行方不明になるので、それはそれで面倒である。
 仕方ないので、エルフーンを両手に抱えてダッシュした。
 見たままを言うと、蟻が集っていた。アイアントが。
 部屋の壁を破壊して、鉄蟻の行列がチョコレートの山から外まで続いている。色とりどりの包みを鋼鉄の顎でガキッと挟み、回れ右して壁の穴から外へ這っていく。行列の先頭に出た次の鉄蟻がまたガキッとチョコレートを咥えて回れ右、そのスペースにまた次の鉄蟻が進み出て。
 ココロモリが困ったように天井付近を旋回していた。キランも困った。
 チョコレートが無くなれば彼らはお帰りしてくださるだろうが、それまで壁は半壊、吹き曝しのままというわけにもいくまい。
 それ以前にライモンシティにアイアントはいないのだから、飼い主を見つけてポケモン管理義務違反で注意しに行かなければならない。仕事が増えた。それと、いつの間にか白い綿を残して姿を消したエルフーンも後で探さなければ。
「ああもう」とぼやきながらボールを手に取ったキランを押し退けて、ひとりの女の子が現れた。
 先程やって来た事務職の女の子だ。
 オコリザルも吃驚なぐらい目を血走らせ、ドン! と部屋の床を踏みしめて仁王立ちになると、ボールを取り出して手の血管が浮き出る程強く握り締めた。触れたら火傷しそうな程、怒っている。
「アンタたち……私がレンリ先輩に渡したチョコレートに汚い顎で触るなあ! 始末なさい、クイタラン!」
 ひび割れた声でそう叫んだ彼女が繰り出したのは、縞模様のアリクイ、クイタラン。アイアントの天敵とされるポケモンで、
「ああっ、クイタラン!」
 アイアントのストーンエッジで倒されるのはご愛敬である。
 アイアントは人に教えられないとストーンエッジを覚えないから、彼らは人飼いであることが確定したわけだが、嬉しくも何ともない。厄介だと再認識させられただけだ。ついでみたいにココロモリも撃ち落とされてしまったし。
 そう、後、厄介と言えば、この子も。
「何よ! 他のはいいけど、私のだけでも返しなさい!」
 彼女は倒れたクイタランを戻すと、懲りもせずに鉄蟻の群れに向かって行く。無謀だ。
 食料の運搬を邪魔されたアイアントたちが、彼女に不気味な鉄顎を振りかざした。
 一斉に鋼色の蟻たちが下顎を傾ける様は、見ていて恐ろしい。事務職の女の子もそれは感じたようで、アイアントたちのはるか手前で足を止めた。
 シャン、とアイアントたちの顎が同時に鳴る。そして、同時に顎を開いた。次には攻撃が来る。が、その時キランはこいつら息ぴったりだなと全くバトルに関係ないことを考えていた。それから、つい癖でペンドラーのボールを選んでいて、室内でどでかいムカデは出せないと気付き、ならばとドリュウズのボールを探して非常時に限って必要な物は見つからない、つまり詰みだ。
 と思ったその時、
「ウィリデ、コットンガード」
 いつの間にか戻って来た草羊が、綿の大玉となってアイアントたちの前に立ちはだかった。
 先陣を切っていった鉄蟻の顎の脅威をモコモコの綿が吸収する。アイアントの攻撃に思わず立ち竦んだ彼女がホッとした様子でキランを見た。しかし、指示したのはキランではない。
 黒髪に紅色のメッシュを入れた女性がキランを押し退けて現れた。キランの上司であり、チョコレートを売る程貰っていた当人、レンリである。
「ウィリデに引っ張られたんで慌てて来たんだが、こりゃ酷いな」
 そう述べながら左手で事務の子の肩を掴んで部屋の外に出し、右手でモンスターボールを掴むと、彼女のポケモンを呼び出した。大きな紅色の花を頭に乗せたドレディア。
「ウィリデ、身代わり」
 彼女は当たり前のようにキランのポケモンに指示を出すと、続けてパンツスーツをパン、と払った。
 それを合図に、ドレディアがわざとリズムの狂ったダンスを披露する。それを見たアイアントたちは、次々と何かに感染したかのようにおかしな行動に移った。アイアント同士で頭をぶつけあったり、チョコレートの包みを粉々に砕いたり。
 混乱したアイアントたちを花びらの舞で部屋の外に追い出すと、レンリはいつも肩に乗せているバチュルを使って大穴を蜘蛛の糸で覆わせた。
 網の隙間から鉄蟻の恨めしそうな顔。しかし、バチュルの巣は電気が通っているから、いくらアイアントと言えども簡単には突破できないだろう。レベルも違うし。
 ほっとするのも束の間、
「これ、修理するの大変そうだな」
 上司のひと言で、キランは現実に引き戻された。
 穴から吹き込む風が、冷たい。
 通りすがりのローブシンに頼んで壁の穴を塞いでもらった。アイアントの持ち主も探してしょっぴいた。それが終わった時には日付が変わっていた。
「疲れた」という間も惜しく、上司は貰ったチョコレートの分類作業に入っていた。ただ単に部屋の隅にチョコを投げてるだけに見えるが。ホワイトデーにお返しをする気はなさそうだ。そう思って見ているキランの目の前で、上司が「あった」と声を上げた。嬉しそうだが、歓声と言うには大人しい声で。
「アイアントに持って行かれたかと思った」
 そう言って、彼女は小さな箱を持ち上げた。飾り気のない白い箱が、彼女の白い手の中に包まれていた。そういう風に扱うのは、一体誰からの贈り物だろう。投げ打つ程にチョコを貰う彼女に選ばれるのは――それは、幸運に思えた。
 彼女から選ばれる可能性があるのなら、じゃあ何か渡せば良かったと思って、その直後にその考えが嫌になった。上司の姿を視界に入れないよう、キランはそっぽを向いた。その肩が叩かれた。
 キランの手に、白い箱が押し付けられた。白い手から。
 引っ込められた白い手を追って、キランは肩越しに彼女を見上げた。目が合うと、彼女は髪をかき上げながらも目を伏せて、
「ほら、こういう日だから」
 静かに言った。
 戻ってきたエルフーンと顔を見合わせて、キランは箱を開ける。紙を一枚敷いた上に、ちょこんと丸いチョコレートが乗っていた。もう一度上司の方を窺うが、彼女はもうキランに背を向けて自分のチョコの山に取り掛かっている。
 キランも彼女に背を向けた。慎重に箱の中から甘い塊をつまみ出す。手の平に転がすと、ココアパウダーがチョコを中心に散らばった。小さなトリュフチョコは体温で溶けて消えてしまいそうで、そうなる前にとキランはチョコレートを飲み込んだ。
 甘さだけで出来た塊が舌の上で溶け
 舌に激痛が走った。
 反射的に口を手で覆い、出すのはまずいと思い切って飲み込んだ。すると喉が痛い。辛さが喉の中を上って鼻に回って涙腺も刺激して涙が出てきた。
 口を開けて息をした。新鮮な風が当たると、少しだけマシになる。でもまだヒリヒリと、痛い。涙を堪えて上司の顔を見たら、いつもの悪ぎつねみたいな笑みを浮かべている。彼女はそういう人だということを忘れていた。
「ひっかかったな」
 そう言って、風のように去って行く。
 大量のチョコレートと一緒に部屋に取り残されたキランは、口の中のヒリヒリが収まるのを待つことにした。手持ち無沙汰なので、貰った箱を捨てる前に畳もうかと指先を動かす。底に敷いた紙を引っ張り出す。と、その下にまだもう一枚紙が入っていることに気が付いた。二つ折りになっていたそれを開いたキランは、やれやれとため息をつく。
『いつもありがとう』
 そして、唐辛子爆弾を仕掛けた彼女と、これを書いた彼女と、どっちが本当なのかと思い悩む羽目になるのだ。
 あそこをくぐり抜ければNがいる。ゲーチスが何か言っていたけれど、関係ない。わたしはただ、Nに言いたいことがあるだけ。
 心臓が暴れまわり呼吸が乱れる。パートナーの入っているモンスターボールを握りしめて、わたしは覚悟を決めた。
 行こう、Nのもとへ。
 Nが、ゼクロムを呼んだ。呼びかけにこたえて、玉座の向こうから黒い竜が現れる。黒い竜は力を誇示するように吠え、電気のエネルギーを撒き散らす。圧倒的な力。あれが、伝説の竜。
 体が震える。勝てるだろうか。違う、何をしてでも止めるって決めたんだ。
 大きく息を吸う。若草色の目を見据えて、わたしは告げる。
*
 N。わたしはきっと英雄なんかじゃない。だってそうでしょう? ゼクロムが現れても、ライトストーンは反応しなかった。
 わたしは、あなたに言いたいことがあって来たの。わたしには求めるべき真実なんて分からないよ。この世界のことをほとんど知らないもの。
 あなたは多分戸惑っているよね。わたしがこんなに喋るところを見たことがないだろうし。ベルもチェレンも、今のわたしを見たら驚くだろうね。でも、わたしにだって言いたいことがたくさんあるんだ。
 聞いて、N。
 
 わたしには分からなかった。なんでわたしが英雄なのか。どうしてNはわたしにこだわるのか。これは、今でも分からないよ。
 あなたは何度も接触してきては、一方的に喋り、勝負を仕掛けてきた。電気石の洞穴では、勝手にわたしをニュートラルだと決めつけた。たしかに理想も、真実も知らなかったけど。それに、わたしの意思なんかお構いなしにわたしを選んだなんて言う。竜螺旋の塔でもそう! わたしにライトストーンを探せと言った。
 なんで! どうしてわたしなの!
 あなただけじゃない。みんな、みんなそう。わたしにやれと言う。わたしの気持ちなんて知ろうともせずに、英雄になることを強制した。流されるままのわたしも悪かったよ。でもさ、だんだん、言えなくなった。言える雰囲気じゃなかった。
 みんなわたしに期待して……押しつけて。わたしは、まだこどもなのに。大人たちも、アデクさんくらいしかあなたに挑もうとはしなかった。そのアデクさんだって、わたしにライトストーンを持てと言った。正直怖かった。なのに、受け取れって。押し付ける形になってすまない? だったらやめてほしかった。でも、受け取る以外の選択肢なんてなかった。
 あはは、こどもだよねえ。わたしもみんなに負けず劣らず自分勝手だよねえ。でも、もうやめるわけにはいかなかった。わたしだって、ポケモンのいない世界は嫌だったから。わたしがやるしかないって、言い聞かせてた。
 ねえ、N。わたしね、あなたの考えには少し共感しているの。傷つくポケモンがいるのはやっぱりいい気はしないよ。たとえば、ずっと一緒にいるこの子たちが誰かに傷つけられるのは、嫌。でもさ、方法が間違っていると思う。たしかに、ポケモンと人間を引き離せば、人間に傷つけられるポケモンはいなくなるよ。でもその代わり、新しい悲しみが生まれると思う。
 N。あなたは言ったよね? わたしたちみたいな人ばかりだったら、ポケモンの解放なんてしなくていいって。あなたは迷っているんじゃない?
 あなたの部屋を見せてもらったよ。ずっとあの部屋の中で過ごしていたんだってね。
 あの部屋を見て、ずっと迷っていたけど分かったんだ。言ったでしょう? 自分がどうして英雄なのか分からないって。ここに来るまであなたと戦うことに踏ん切りがつかなかった。英雄であるだけの、理由なんてなかった。でもこの城に入って、あなたの部屋を見て、あなたの過去を聞いて、自分がどうしたいか分かった。
 あのね、N。あなたの見ていた世界はすごく狭くて小さいよ。
 わたしも似たようなものだけど。わたしだってカノコタウンから外に出たことがなかったから。
 ねえ、あなたは「外」で何を見た?
 わたしはポケモンをもらって、外に出ていろんな経験をした。トレーナーとはポケモンバトルをしたし、ポケモンを交換することもあった。ミュージカルに参加したこともあった。人の仕事を手伝っているポケモン、ううん一緒に働いてた。みんな、楽しそうに笑ってた。ポケモンの言葉は分からないけど、見ていてそう感じた。
 たくさんの人たちと、ポケモンたち。お互いがお互いを思いやっていた。
 N、あなただって見たでしょう?
 うん、そう。あなたがあの部屋で見てきたことも本当のことだよ。実際、人間に苦しめられているポケモンもいる。でも、ね。わたしが見たのはたいていプラズマ団のせいだったよ。ムンナの煙が必要だからって、蹴ったりして煙を出させようとしていたことがあったんだ。あの時はすごくびっくりした。この人たちはポケモンを大切に思ってないんだって、口先だけだったんだなって思った。あなたとはずいぶん違っていた。思えば、あれがあったからわたしはここにいるのかもしれない。
 それから、ポケモンを解放するんだと言って、ポケモンと人を引き離していたよね。でもポケモンたちは、大切な人と引き離されてつらそうだった。ベルがムンナをプラズマ団に奪われたとき、ベルもムンナも、両方とも悲しんでた。やっぱりそういうのを見ると、こんなのは違うって思ったんだ。
 ポケモンと人が出会って、たしかに悲しみが生まれたと思う。でも、それ以上に喜びが生まれたんじゃないかな。あなたは今ある喜びを、幸せを、すべて悲しみに変えるの?
 それがあなたの『理想』なの? 目指すべきなのは、今ある幸せを壊すことなんかじゃなくて、悲しみを減らすことなんじゃないの?
 わたしはこの子たちと出会えてすごく嬉しかった。喧嘩することもあったけど、一緒にいられて幸せだったよ。
 ねえ、N。あなたはポケモンと一緒にいて幸せじゃなかったの? 幸せだったはずだよね?
 それはあなたもわたしも、そして他の大勢の人も一緒なんじゃないの? あなたはきっとそれを見てきたはず。
 なのに、あなたは自分が見てきたものを否定するの? 
 あなたがしようとしていることは、今まで見てきたことを否定してまでやるべきことなの?
 わたしたちが見たのは、『真実』じゃないの?
*
 そこまで言ったとき、バッグがもぞもぞと動いた。はっとして、バッグを開ける。
 ライトストーン、が――――。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
超今さらですが書いてみました。
書く書く言ってから大分たったのでわたしが言ったこと自体、皆様忘れてると思いますw
ぶっちゃけプレー中は、電気石の洞穴あたりから完全に置いてきぼりされてたので、こんなことは考えてないですw
これを書くためにプレー動画見てみたんですが、ゼクロム登場からレシラム登場までほとんど間がなく、思わずずっこけました。
もうね、明らかにゼクロム現れたから出てきただけだろ状態。
実際にプレーしてたときはあんまり気にならなかったんですけど。
というわけで、こんな感じのことがあったんじゃないかなあという妄想でした。
今更過ぎてごめんなさい!
【書いてみたのよ】【今さらでごめんなさい】
ガサ、ガサ。
子供はおろか、背の低い大人ならすっぽりと隠れてしまうような草むら.
その湿った中を掻き分けて進む一人の男がいた。
彼が背負っている革色のリュックはリズムよく踊る。
空にはどんよりとした雲が浮かび、今にでも大きな雨粒を落としてやろうと言っているかのようである。
男は、煙たい匂いが鼻の奥を刺激するのを感じた。
お香か。
男は、思う。
匂いの風上を頼り、草むらを抜けると、その元はあった。
高く聳える塔。
タワーオブヘブン。
イッシュ地方最大の、ポケモン用の墓地だ。
各地のポケモンの御霊がこの塔で供養されている。
塔の頂上には大きな鐘があり、それを鳴らすことでポケモンたちが安らかに眠ることが出来るといわれている。
内部の各フロアごとに墓石があり、お参りへ来る人が毎日いる。
しかし、天気があまりよくないからか、あたりに人の気配はなさそうだ。
男はキョロキョロとあたりを見回すが、薄暗い影の中の草木しか視界には入らない。
男は、この塔に鐘を鳴らしにきた。
ただ、鳴らしたいと思っただけだ。
それ以外に理由なんてない。
漠然とした理由で来た男は塔を眺めた。
見上げ、霞の向こうにある頂上が透けて見えるかのようにじっと見つめる。
その先の、なんとも形容しがたい魅力を感じる。
男は、すっかり心を奪われていた。
「あの」
という透き通った声が聞こえるまでは。
その刹那、男は体を震わした。
何者なんだろう?
声の主に意識を向けた。
「はい?」
男は振り向いて、その姿を瞳に焼き付ける。
少女が、いた。
ぴゅう、と吹いた風に栗色の髪はさらりとなびく。
栗色のワンピースを着た少女は男をじっと見つめていた。
「おにいさん、塔にのぼるの?」
透き通って、消えてしまいそうなその声は、どこか悲しげだと男は思った。
「そうだね、今から塔の頂上に行くんだ」
ふぅん、と少女は言った。
「あのさ、あたしも、ついて行っていいかな?」
「君もかい?」
「うん」
少女はうなずいた。
「一人で行くの、こわいから」
塔の中は昼間だというのに薄暗い。
壁にかけられた蝋燭の灯はぼんやりと光、墓石を、床を橙に染めている。
中には人はいないようだ。
だが、何かが見つめている。
そんな感覚に襲われた。
「おにいさん、きをつけて。このあたりはヒトモシがすんでいるの」
「そういえば、そんなことを聞いたことがあるよ」
この塔にはヒトモシが生息している。
彼らは人の魂を好んでいるため、下手な行動をすると命取りになりかねない。
そんな話を昔聞いた覚えがあった。
「あの蝋燭もヒトモシよ」
「えっ?」
男は壁の蝋燭を見つめた。
ゆらゆらと炎が燃えている。
蝋がにやりと笑った。
「!?」
男は正体の顔を見たと同時に、腕を引っ張られる感覚に襲われた。
右腕をつかんでいたのは、少女だった。
「はやく行きましょう。こわいでしょ」
少女は足早に歩き始めた。
男は崩しかけた体勢を整え、付いていく。
「危なかった……。しかし、よく知ってるね。ここ何回か来たことあるのかい?」
男の質問に症状はビクッと体を震わした。
もしかして、聴いちゃいけなかったかな。と男が考えていると、
「……うん、何回か」
消え入るような声が答えた。
「一人で来たら危ないから、だれかいないかさがしていたの。そしたら、あなたが来たからたすかった」
少女の手はひんやりとしていた。
塔の薄暗さがそのまま体に出ているかのように。
少女に引きつられて、螺旋階段までたどり着いた。
一段踏み出すごとに、こつん、こつん、と音を響かた。
ヒトモシの灯に映し出されたひとつの影は、鐘へと近づいていく。
長い長い階段の先を超えると鐘があると期待した男は墓が並ぶフロアが続いたことに肩を落とした。
「まだまだ先よ」
少女の発した言葉に重なって、
「……ぼう……」
という声が聞こえた気がした。
「なんだ?」
と男は振り返ったが、人がいる様子は無い。
「ヒトモシのしわざよ。はやくしなきゃせいめいりょくをすい取られるわ」
少女は声の方向に目もくれず、次の階段に向かっていた。
「おにいさん、いそぐわよ」
少女は、駆け出した。
おおっと、と男は声を漏らした。
駆ける少女に引っ張られながら、次の階段へと向かっていく。
彼女の冷え切った手につかまれながら。
幾段もの階段を上り、規則的に並ぶ墓石を目にし、進んだ。
そして、最後の階段にたどり着いた。
「もうすこしで頂上よ」
「ああ、そうかい」
最後の階段の先から光が屋内に差し込んでいる。
一歩、一歩階段を踏みしめる。
外気は少女の手のようにひんやりとしてきていた。
間違いなく、頂上が近いんだ。
男は思った。
「君のおかげでヒトモシに襲われることもなかった」
「そうね……ありがとう」
少女はぽつりとつぶやいた。
階段を踏みしめるごとに、体の重みが男を苦しめた。
ずっと歩き続けたからだろう、男は痛みを堪える。
視界は次第に明るくなっていく。
そして、最後の一段を踏んだ。
頂上は、ぼんやりと霞がかっていた。
その中にうっすらと大きな鐘が見えた。
「これが、頂上か…」
男は鐘へと歩み始めた。
一歩足を踏み出すたびに重くのしかかる感覚を堪える。
そして、鐘の前に立った。
鐘から垂れた紐を手に取り、引っ張った。
ごおおん、ごおおん。
鈍い音がん響き渡った。
遠く、深くまで。
男の心の奥底にまで染み込む。
重い体から何かが離れていくような、そんな感覚に包み込まれた。
目的を達成してすっきりした男が鐘に背を向けると、少女が立っていた。
「もう、かえるの?」
「ああ、やりたいことは終わったしね」
少女は拳を握った。
「……つまんない」
少女は、拳を振り上げた。
「つまんないつまんないつまんないつまんない! もっとあそぼうよ!」
「お、おい……落ち着け!」
少女は体を震わせて睨み付けた。
「あそびたいんだよ? この子たちもあそびたいんだよ?」
刹那、男の肩に重みを感じた。
視線を右肩に向けると、いた。
白い体に、赤いともし火。
ヒトモシだ。
「なっ……」
男は、意気揚々としたヒトモシの姿を見て、頭にぐるぐると何かがめぐり始めた。
「なっ、なんで……ヒトモシがいるんだ……?」
渦の中から拾い上げた言葉を発した。
「あそびたいんだよ? ミ……ンナ、アソビタ……インダ……ヨ?」
少女の顔は、ゆがみ始めていた。
口は左頬の位置まで伸び、鼻は斜めに、目は右頬に傾いている。
口から、目から、鼻から、緑色の液体が流れ始めた。
男は、息を呑んだ。
瞬きをすると、歪んだ少女は消えた。
そこに、一匹のポケモンがふわふわと浮かんでいた。
灰色の体に大きな頭。お腹の4つのボタン。
オーベムである。
「あ、あぁ……」
そこに、少女などいなかったんだ。
最初から幻影だったんだ。
男は、体中の力が抜けきってしまった。
ぺたり、とつめたい地面に尻をついた。
肩のヒトモシはぴょこん、と降りた。
……遊びたいんだよ?
「……やめてくれ……頼む……」
男の体はすっかり冷え切っていた。
次第に近づいてくるオーベムが大きく、そして恐怖に感じられた。
……なんで、遊んでくれないの……?
「やめろ……やめるんだ……この化物……!」
ぴたっと、オーベムの動きが止まった。
……化、物……?
体をぶるっと震わせた。
……ボクって、化物なの……?
悲しそうな瞳で男を見つめた。
潤んだ瞳の奥には何か、淋しげな感覚があるように見えた。
……そうだよね、怖いよね。
オーベムはがっくりとうな垂れた様子だった。
さっきの一言が重くのしかかったらしい。
……ボク、ただ遊びたいだけだったんだ……
「オーベム……」
男は膝をついた。
「酷いこと言っちまってごめんな」
男はオーベムの頭をなでた。
オーベムは驚いた様子で男を見つめる。
潤んだ瞳に男の顔が映りこんだ。
……許してくれるの?
「こっちこそ酷いこと言ったしな。お前はただ遊びたかっただけなんだろう」
オーベムはコクリと頷いた。
「そうだな、ちょっとだけ遊んでもいいぞ?」
……え? 本当に?
オーベムは目を丸くした。
男はああ、と言った。
オーベムは踊るように喜んだ。
……やった、ありがとう!
その姿を見ながら、男はにっこりと笑った。
後ろから、ヒトモシがぴょこんと肩に乗った。
そして、にやりと笑った。
「次のニュースです。フキヨセシティ郊外のタワーオブヘブンそばで男性の遺体が発見されました。
遺体は死後数週間が経過したものと思われ、警察が身元の確認を行っています。
近辺には革色のバッグがあり――」
 ――――――――――――――――――
お久しぶりです。名前のとおりのものです。
最近ご無沙汰だったので、リハビリがてら。
ところで、書いていくうちにオーベムが可愛く見えてきたんです。
あのくりっくりとしたおめめ。なにこれ可愛い。
もっと怖いってイメージだったんですが、気づいたら抱きしめたくなってました。
そんなノリで無理やり乗り切りました。
【好きにしていいのよ】【オーベム抱きしめてもいいのよ】
回答8:
色違いのゾロアークなら、この前借金を返しにきた。
子供手当が出たからやっと返せるー!ルーピー・ポッポ大統領万歳とかいいながら団子も食ってたな。
回答9:
私の友達が青いブラッキーを持ってました。
普通のブラッキーとは違って、夜に見ると青く光って綺麗でしたが、迫力はやっぱり黄色い方がよかったと思います。
回答10:
(この発言は当局によりスナイプされました)
回答11:
この前、ラブカスを釣ろうとしたら、変な色のホエルコつり上げちゃったよ。一瞬目がおかしくなったのかとおもった。
回答12:
色違いのゾロアークがこの前お店にきました。
先輩と親しいようだから、試作品を食べてもらったら全部まずいって言われた;;
それから口直しに賞味期限が近いやつを食われたけど、小さい子がいるっていうから包んであげたら喜んで宣伝してくれた。いいやつだったよ
回答13:
>12
貴方なにをいってるんですか?ゾロアークが喋るわけないじゃないですか。半年ロムってろ
回答14:
>12
お前ポケモンかよwwwwwwwwwwうぇwwwwwwwwwいいやつwwwwwまじwwwwwwwwステマwww
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 知恵袋に寄せられた相談:
 5日程前、エンジュシティの南の方で良い雰囲気なゾロアークのカップルを見かけたんですが、何と片方が色違いだったんです!
 色違いなんて初めて見たので物凄く印象に残っています。そこでふと気になったのでお聞きします。皆さんが見た色違いのポケモンを教えて下さい!
 
 回答1:
 私も4ヶ月程前にヤドンの井戸の辺りで色違いのゾロアークを見掛けました。ロコンと一緒に歩いてました。
 ロコンが鬣を触りたそうに見てました。実際少し触ったりしてました。微笑ましかったです。
 回答2:
 先月の下旬にキキョウシティの西の方で同じく色違いのゾロアークを見ましたね。
 確かコジョンドと手を繋いで歩いていたと思います。紫色の鬣が綺麗でした。
 回答3:
 クチバシティに色違いのゾロアークと通常色のキュウコンの夫婦がいました。可愛いロコンの子供もいてとても幸せそうでした。
 ゾロアークがキュウコンに一途なのが凄く伝わって来たっす。あれこそ夫の鑑っすね。
 あと、質問者さんのゾロアーク達は絶対カップルじゃないです。決して良い雰囲気でもないです。
 回答4:
 うちのイーブイが色違いです! 銀色でもっふもふで超かわいいです! 
 この子タマゴから生まれたんですが最初見た時汚れてるのかと思って洗いそうになりました(笑)
 進化させるか悩んでますがそれは別の話ですね。
 回答5:
 いつだったかは忘れましたがウバメの森で色違いのゾロアークを見た事があります。
 キュウコンの尻尾を枕にして気持ち良さそうに寝てました。羨ましかったです。……羨ましかったです。
 あの時からいつかキュウコンを手に入れて同じ事をするのが私の夢になりました。羨ましかったです。
 回答6:
 ゾロアーク大杉ワロタwwwwwwまあ俺が見たのもゾロアークなんだがwww
 確か2ヶ月位前にヨシノシティの北辺りで普通のゾロアークと一緒に鬣を梳かし合ってたな。ゾロアークたんカワユス。
 まぁ何が言いたいかって言うと、リア獣末永く爆発しろ。
 回答7: 
 僕もこの間ラジオ塔の入り口付近でゾロアを抱いてる色違いのゾロアークを見掛けました。
 ゾロアは普通の色でしたが非常に可愛かったです。
 それにしてもゾロアークの目撃情報多いですね。同じ個体だったりして(笑)
 回答15:
 去年の冬頃だったかな、どこだったかは忘れたけど私も色違いのゾロアークを見かけました。
 確かフォッコと焚き火囲んでたと思います。言うまでもなく可愛かったです。両方共。
 それで確かゾロアークが振り向いた拍子に火が鬣に燃え移っちゃって2匹共焦ってたっけ。あれは笑った。 
――――――――――――――――
 どっかの誰かに似てますねぇ、フヒュヒ。本人じゃないと良いですねぇ、ニヤニヤ。
 という訳で某ゾロアークをお借りしたかも知れませんしお借りしてないかも知れません。どっちでしょうねぇ、ニタニタ。
 知恵袋のスレは既にありますが、これは毛色が違うので別で立てました。
 とりあえずキュウコンの尻尾を枕にしたいです。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【回答してもいいのよ】
【浮気してもい……浮気はだめなのよ】
【回答3はベストアンサーにはならないのよ】
【尻尾を枕にしたいのよ】
3/24追記: 回答15を追加しました
 携帯をいじっていたらテキストフォルダからプロットらしきものが飛び出てきましたので、折角だからこっそりあげることにしました。後書きのページにも色々書きましたが、こちらも良かったぜひ(ドキドキ)
【以下、携帯のメモ帳からそのまま抜粋】
 ポケモンストーリーコンテスト案を出していこうページ1
★タイトルは?
 
 こちら鏡屋メタモンでありんす。
★主人公は?
 メタモン。
 殆どのポケモンを知っており、その知識を活かして、その者が知りたい姿を見せる鏡屋というモノを始める。昔、お礼にもらったというキセルをいつも身につけている。一人称はわらわっち。その辺の説明も入れておく。
★どんな話?
 イーブイの進化の悩みから可能性の広さを説く【未来編】
 ルージュラの恋の悩みから、今というものと向き合う【現在編】
 トレーナーが捨てた卵から変えられない過去を説く【過去編】
★流れは?
 最初はメタモンの紹介で1000文字以内。
 後は未来編、現在編、過去編の順番で各3000文字以内。
★それぞれの性格
・メタモン
 古風な喋り方が特徴的。甘いモノに目がない。冷静にモノを見る。
・イーブイ
 好奇心旺盛なイーブイで、メタモンに将来のことを相談しに来る。
・ルージュラ
 恋に生きているポケモンで、もっと美しくなりたいと思っている。
 進化することはできないかとメタモンに相談しに来る。
・トレーナー
 卵を孵して、個体値が低いと見るや、そのポケモンを捨てる人。
 間違えて高個体値のポケモンを捨ててしまう。
――――
 
 ポケモンストーリーコンテストの案を出していこう。ページ2
★一人称は?
 
・メタモン…わらわっち
・イーブイ…ボク
・ルージュラ…わたくし
・トレーナー…俺様
★実は。
 イーブイは実はトレーナーに捨てられていたポケモン。
 後にエーフィに拾われ、育っていく。
 
 話の終わりはイーブイがエーフィに進化して、メタモンが「願わくば、この子のように強く生きて欲しいでありんす」と呟いて終わり。
★セリフ。
・わらわっちはあくまでお主の見たい姿を写したにすぎん。
・未来を決めるのは最終的にお主なんじゃ。
 決めて、その先を進んだら、戻ることはできん。
 だから自分に責任を持つのじゃ。
 それが今というやつでありんす。
・鏡はあくまで表面を映しているだけでありんす。
 中身までは映せん。
 どんなに姿を変えようともわらわっちはわらわっち。
 お主はお主なんじゃ。
 中身を変えること……それも進化の一つじゃないかのう?
・知っておるか?
 捨てられたポケモンはな、成長すると、やがて捨てられた意味をというものを知って、捨てた人間に復讐するのだそうじゃ。
【このプロットらしきものに関する補足説明】
・現在編にて初期案はルージュラでありましたが、進化しないポケモンにするはずだったのに、ルージュラはムチュールから進化していたことを忘れていました。
 ポケスコに提出後、それに気がつき、急いで他の進化しないポケモンを検索。
 唇が気に入ったのでマッギョに決定。
・このプロットらしきものを打ち出したのは第二回ポケスコの募集が始まったときで、このプロット(?)を打ち出す前にこの案は薄らと浮かんでいました。
 要するに温めていたのであります。
 ちなみに、そのときに浮かんだタイトルは『メタモンが語る!』
・ページが二つに分かれているのはメモ帳が500文字までしか入らなかったからです(汗)
 
 このような感じでわらわっちストーリーが生まれたわけですが、実際に物語を書いてみると、オムニバス形式で四つのお話を書かなければいけなかった上に、それぞれの字数目標を破ったりしてしまいましたから、全体で軽く10000字オーバーが起こって調整が大変でした。(汗)
 それでは失礼しました。
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