マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
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  •   [No.3476] さくさくヤンチャム、消える 投稿者:きとら   投稿日:2014/10/30(Thu) 21:41:07     44clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    好きなキャラが変態、変質者に扱われることに抵抗ある方はお控えください。
    なお、これで完成です。







     我々の障害になるものは子供とて容赦はしない。散々邪魔をし、許されるものではない。しかしその子供はジュプトルのごとく素早く逃げる。そのためなかなか捕らえられない。そのために知恵を絞る時間も取られて本作業が全く進まない。
     カガリはそれに興味なし。マツブサさえいればいいんかお前は。いや知ってるけど。
     おまけにああいうの好きでしょ、と来た。ロリコンはロリコンでも俺にも選ぶ権利くらいある。

     はぁ、と頭をかきながらマグマ団幹部のホムラが休憩所のドアを開けると、そこにはホムラが寝ようとしていたベッドに寝転がり、誰かが持ってきたもふもふパラダイス(全10巻、全て揃ってる)を読んでいるそいつがいた。ついに幻を見たかと目をこすったがそいつは何か食べながら漫画を読んでいた。
     ついに考えすぎでおかしくなってしまったのか。入り口でそれを見ているとそいつは気配に気づいたようで、漫画を読んでいた手をとめて振り返った。
    「あーっ!クマだー!」
     無邪気にクマと呼び、まとわりついてきては邪魔をする。赤マリルリと名づけた子供。なぜマグマ団の邪魔をしながらこうもホムラをからかうようにくっついてくるのか。子供好き、しかもいけない方面の子供好きのホムラでも、これだけは避けて通りたい。マグマ団幹部でなければ無視できるのに。
    「赤マリルリ、なんでお前そんなところいる……んだ?」
    「んー?カガリさんがホムラのところ来る?って誘ってくれたから来たの!」
     メールの着信音がした。カガリからで、それをみたホムラは膝から崩れ落ちた。
    「あんたのところ来るか誘ったら簡単に来た。ちょろかった。ちょうどいいから作戦を遂行するまでホムラが監視してて」
     つまりそれは、マグマ団がグラードンを探しにいく間、面倒みてろということだ。なぜ、俺が、サブリーダーの俺が、とホムラは現実を直視できない。
    「ねーねー!ホムラが遊んでくれるからって待ってたの!」
     ホムラが見上げると、何か変な予感がした。よく見れば口の周りにチョコレートのようなものがついている。そしてテーブルを見るとそこには、無残にも開けられたお菓子の箱が。
    「お前、もしかして……おれの、さくさくヤンチャム……」
    「好きに食べていいよって言われた!」
     ホムラの癒し。中間管理職のストレスを和らげてくれる天使。それがさくさくヤンチャム。楽しみにしていたのに、すでに食い尽くされ、美味しかったと笑顔のそいつ。
    「俺の、俺のさくさくヤンチャム……」
     何かがホムラの中で爆発した。海底火山が噴火するように、静かに、しかし確実に噴火した。食べ物の恨みは何よりも強い。
    「……ちょっとこい」
     遊んでくれると思ったのか、素直にホムラに近づいた。そこでホムラはそいつの着てるものをめくりあげたのだ。突然で驚いたのか、声も出さずにさらに脱がされた。ほとんど素肌を晒したところで我に返ったようだった。
    「やめて!」
     抵抗して暴れるものの、ホムラにがっちり捕まえられていて、かなうはずもなかった。
    「何を勘違いしてるのか知らないけどなぁ、邪魔するお前はマグマ団に誘拐されたんだよ。覚悟しろ」
    「やだやだ!」
    「痛い思いしたくなければ大人しくしてろ」
    「離してよ!」
     作戦のときより恐ろしい顔に見えたのだろう。マグマ団で囲んでもひょいっと逃げたのに、見たこともない涙と、聞いたこともない叫びでホムラから遠ざかろうとする。それが無駄な足掻きであることを悟るのは、子供に宇宙の真理を理解させることと同じくらい難しい。
     そういうところは子供らしい。そこでようやくホムラは自分の趣向に従えると感じた。

    ーーーーーーーーーーーーーーー
    体験版やったらリメイクホムラとリメイクウシオが予想以上のかわいさで、特にリメイクホムラは下っ端からかなり頼られてて、みんなのホムラさんよねって思った。
    リメイクのせいで、実はゾロアーク説が進行している。


      [No.3474] Re: 夢の隣、隣の夢 1 投稿者:GPS   投稿日:2014/10/30(Thu) 12:25:13     75clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    うわあああ感想だ!!!!
    ありがとうございます!!!!

    G(頑張る)P(ピュアな)S(小学生大好きマン)ですこんにちは!
    嬉しくも勿体無いお言葉……幸せの極みです。

    バトサーのパチリスは完全に時事ネタですねw
    動画を見て、これは使わない手はねぇ!! と思ったので早速使いました。
    ロケット団の毒ガス作戦、ゲームにはなりせんでしたが近いことはやってるんだろーなーと思いながら。実際アニメやポケスペなどでは近いことしてますし。
    ヒ素をちまちま摂取し続けると耐性が出来る的な話を聞いたので、そんなイメージです。

    いろんなもののパロや仄めかし、気がついてくださって嬉しいです……
    好き勝手詰め込んだので、一体いくつ伝わったものやら……w

    プラム と ラム は個人的に誤字効果を狙ったとこなので、「よっしゃやってやったぜ!!」という感じですw
    ポケモン世界とこっちの世界があまりずれていない、「ポケモンがいる」という大きな違い以外はそう変わらないんじゃないかな、と思いながら書きました。
    それでも、フィクションの世界でさえ人の隣には必ずポケモンがいて、その存在はごくごく自然ながら決して欠かすことは不可能。
    当たり前のようにそばにいる宝物、それがポケモン世界のポケモンなのだと思います。

    「胡蝶の夢」に驚きましたよ……!!
    だってそれ、この話の仮題だったんです(他の話との兼ね合いで変えました)
    どっちが夢なのか、どっちが現実なのかわからなくなっていく。そのイメージで作った話です。

    そして、蝶として生きるか人間として生きるか、その判断が本人に委ねられているように、どちらを現実としていくかも主人公次第です。
    それは「大好きなポケモンがいるから」という気持ちだけじゃなくて、ちゃんと、こっちが自分の現実なのだとある種の覚悟を伴うものだと思います。
    自分の現実を見て、現実を大切にして生きていくことを、主人公は夢を見ることで知ったのかもしれません。
    まあ純粋に、こっちからすれば羨ましいの一言といえばそうなのですがねw

    長くなりましたが……
    読んでいただき、ありがとうございました。
    これからも精進いたします!


    >
    > どうもです、G(グレイト)P(ポケモン)S(小説家)さん。
    >
    > 読ませていただきました。
    >
    > あいからわずポケモン世界の描写が丁寧で面白いです。
    > バトルサークルのポケモンが通りかかるだけでも、ここまで掘り下げて書くのがすごいです。
    > 後はレンタルポケモンがグーサインするとか。
    > また小ネタも充実していましたね。
    > ロケット団が地下通路に毒ガス撒く予定とだったとか有りましたねそういえば。
    > シビルドンの話を読んだときも同じことを思いましたが、今回の場合はその「細かい描写」を利用して、更に一歩先のものを書いているなあという感じでした。
    > これはGPSさんでないと書けないと思います。
    > 自分の作風を上手く利用しているなあと。
    > 最初鳥のさえずりとかラムの木とか出てきて、間違えて書いたのかなと思ったら、ちゃんと意図的だったというね。その後も交互に入れ替わるのが続くんですが、下手にこんなことやったらごちゃごちゃなるところを、上手く書き分けているなあと思いました。
    >
    > オチも意外性があって良かったです。
    > 主人公はポケモンの世界に憧れている人間なのかと思いきや、ポケモンの世界が現実だったという。
    > そして最後に、ポケモンの世界でポケモンと隣合って生きていくと決意した主人公が素敵だと思いました。
    > 読者に「空想」の世界にいることを羨ましがらせながら、自分も「現実」の世界を生きて行くことを決意するという。
    > この二つを両立させたのがすごい。
    >
    > どっちが夢なんだろうっていうのはあれですね。
    > 「胡蝶の夢」みたいでしたね。


      [No.3473] Re: 夢の隣、隣の夢 1 投稿者:逆行   投稿日:2014/10/30(Thu) 00:14:20     77clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


    どうもです、G(グレイト)P(ポケモン)S(小説家)さん。

    読ませていただきました。

    あいからわずポケモン世界の描写が丁寧で面白いです。
    バトルサークルのポケモンが通りかかるだけでも、ここまで掘り下げて書くのがすごいです。
    後はレンタルポケモンがグーサインするとか。
    また小ネタも充実していましたね。
    ロケット団が地下通路に毒ガス撒く予定とだったとか有りましたねそういえば。
    シビルドンの話を読んだときも同じことを思いましたが、今回の場合はその「細かい描写」を利用して、更に一歩先のものを書いているなあという感じでした。
    これはGPSさんでないと書けないと思います。
    自分の作風を上手く利用しているなあと。
    最初鳥のさえずりとかラムの木とか出てきて、間違えて書いたのかなと思ったら、ちゃんと意図的だったというね。その後も交互に入れ替わるのが続くんですが、下手にこんなことやったらごちゃごちゃなるところを、上手く書き分けているなあと思いました。

    オチも意外性があって良かったです。
    主人公はポケモンの世界に憧れている人間なのかと思いきや、ポケモンの世界が現実だったという。
    そして最後に、ポケモンの世界でポケモンと隣合って生きていくと決意した主人公が素敵だと思いました。
    読者に「空想」の世界にいることを羨ましがらせながら、自分も「現実」の世界を生きて行くことを決意するという。
    この二つを両立させたのがすごい。

    どっちが夢なんだろうっていうのはあれですね。
    「胡蝶の夢」みたいでしたね。


      [No.3472] 海首の話 投稿者:No.017   投稿日:2014/10/29(Wed) 21:35:41     195clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:タマザラシ】 【トドグラー】 【トドゼルガ】 【フォルクローレ的何か】 【記事

     海首の話


     今でこそかわいいポケモンとして広く認知されている種族であっても、生物学などの学問が体系化されていない、生態などが研究されていなかった時期においては不気味な存在として扱われていた時があった。そんなポケモンの一種がホウエン地方の一部などに生息する「タマザラシ」である。
     玉のような丸い身体に顔がついている生物的にはアンバランスなその姿は、見ようによっては生首であるとか髑髏を連想させたらしい。事実、昔の文献などにはタマザラシを海首などと記載しているものがあり、海の生物というよりは妖怪的な扱いであった。タマザラシを鼻の上でくるくると回すトドグラーの姿は現代人から見ればほほえましいが、鼻の上で回るそれが髑髏であるとか生首であるという風に考えると途端に不気味な光景になってくる。
     古くから海には魔物が住むなどというが、タマザラシが生首扱いされたのにはホウエンの歴史的事件も背景にあったようだ。ニューキンセツの南、シマバラ・アマクサと呼ばれた地域ではその昔、領主からの重い年貢や過酷なに絶えかねて百姓達が反乱を起こした事があった。彼らの多くは現在のカロス地方などを擁する西欧の宗教の信徒であったという。島々の中にあった城の一つにたてこもった人々は一万にもなると云われ数ヶ月に渡り戦い続けたが、幕府軍の十万を越える軍勢を前にしてついに全滅する。乱を主導したとみなされた者達の多くは首を斬られて晒された後にシマバラ・アマクサの海に投げ捨てられたという。
     このような背景があった為に、海に投げ捨てられた首が海首として戻ってきたのがタマザラシではないか、という風に人々は考えたわけである。彼らはタマザラシの毛皮の下には人の首が入っていると考えた。そして、その進化系であるトドグラーやトドゼルガの皮の中には人一人が丸々入っていると考えた。乱の鎮圧の際に身体を失った首が海で育ち、失った身体を取り戻したのだと。殊にトドゼルガなどはなかなか凶暴そうな面構えをしているから、乱で海にうち捨てられた人の怨念が宿っているなどと考えたかもしれない。タマザラシが海首などと呼ばれたのに対し、トドグラーやトドゼルガは時に鯔人(トドビト)などと呼ばれた。
     そうして首の状態から身体を取り戻した彼らには、時間が経つにつれて別の伝説が付随するようになる。潮がもっとも引く日の夜には彼らは鯔の皮を脱ぎ、浜辺に上がると人の姿になって踊る。その舞踊はホウエンのそれではなく、海の向こうから伝わった異教のそれであるという。そうしてまた日が昇る頃には鯔の皮を着て海に戻っていく。
     海の幸をたっぷりと身体に蓄えた彼らの容姿は美しく、偶然にその現場に居合わせた男が鯔人の皮を取り上げてしまった為に、海に戻れなくなった鯔人の女が泣く泣く男の妻になった、という話も伝わっている。鯔人の女は男との間に何人かの子を設けるが、ある日、末の子の口ずさむ歌から夫が隠した鯔の皮の行方を知り、皮を被って海に戻っていく。また、鯔人の男が殿様の妻を寝取る、という話もある。
     余談だが、海首の伝説のルーツと思われるシマバラ・アマクサの乱の鎮圧後、領民に重い税を課して、乱を発生させる原因を作ったとして領主もまた斬首となっている。もしかしたら領主の首もまた海首となって、ホウエンの海を彷徨ったのかもしれない。となるとその子孫が誰かのポケモンとしてボールの中に収まっている、なんて事もあるのかもしれない……。




    ---------------------------------------------------
    ほんとうはこわいタマザラシ・タマザラシ異説

    参考文献:人魚と結婚した男―オークニー諸島民話集―(あるば書房)
    スコットランドの北に浮かぶオークニー諸島の伝説にはアザラシ人間(セルキー・フォーク)が登場します。彼らはある時間帯には皮を脱ぎ、人間の姿になることが出来るそうです。シンオウ地方にもそういいう神話がありましたよね。アザラシ人間を妻にする話は、日本の羽衣伝説によく似ていて興味深いです。

    もしかしたら皮を脱いだトドグラー達は冬はこういう歌を歌ってるのかもしれないな。
    http://www.youtube.com/watch?v=1mItWsC8RtM


      [No.2751] Re: そらをとばない 投稿者:ねここ   投稿日:2012/11/29(Thu) 10:47:16     66clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


    こちらこそはじめまして、ねここと申します!
    この度はコメントを下さりましてありがとうございます飛びました。

    これは朝っぱらからいっしょに歩いているカップルを見て生まれた作品です。「俺だってガーディという名の恋人がいるもん!」です。真意が伝わったようで嬉しく思います。わたしだってメタモンと手を繋いで帰りたい…!

    これからもこちらに時々出没すると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


      [No.2750] Re: そらをとばない 投稿者:No.017   《URL》   投稿日:2012/11/28(Wed) 21:35:45     183clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:ポケライフ】 【リア充爆発しろ】 【ガーディ】 【フワンテ

    はじめまして。マサポケへようこそ!
    管理人の017です。
    「そらをとばない」拝見させていただきました。

    普段、自転車で飛ばしている道をあえて歩いてみると、すっとばしていた景色がよく見えますよね。
    こんなとこに花がさいてるとか、猫が裏路地に入っていくとか。
    ポケモン世界の下校という観点も新しくていいなぁと。
    どうしても バトルとか冒険とかがクローズアップされがちですが、こういうポケモン世界のいろんなところが垣間見れる作品、増えていって欲しいですね。


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