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企画運営&投稿乙でございます。
敵草タイプか……ダメージ四倍は、いくら主でもさすがに勝つのがむずい……。
人間たち主対策ちゃんとしてくるというね。
ポケモンみんな殺すとかひどす。
人間は残酷ですね。
語彙力があって羨ましいです。
ギャロップの描写すごいっすね。
ライカは勇敢ですね。
人間たち意見が対立して捕まえるの失敗しそう……
硬派な文体なので書き上げるのが大変かもしれませんが、続きを期待してます!
どうも、こんにちは。
読ませていただきました。
輪廻転生が本当にあるとしても、やっぱり人間の姿で生まれてくる確率は低いですよね。
ポケモンだったらまだいいですが、ポケルスとかだったら最悪ですねw
転生を題材にした小説は、なろうの一次小説なんかでは良く見られますが、ポケモンでは(ポケダン以外で)あまり見ないので、どうなるか楽しみであります。
トキワタウンの老人は前世何のポケモンだったのか、気になる所です。
「よし、今日もいい感じ」
いっぱいに並んだ鉢植えの様子をチェックして、私は思わずガッツポーズを作る。
私の仕事はメンタルハーブの育成だ。最近はこの植物に優しい天気が続いていて、とてもよく育ってくれている。小さな庭での副業とはいえ、それなりの数を育てているためこうして成果が出るとやっぱり嬉しい。
「おはようございます。おお、綺麗に育っていますね」
隣の庭から、お隣さんが顔を出して挨拶してくれた。私も笑顔で返す。
「ありがとうございます、先月は気温が不安定でしたからどうなるか心配でしたけど、無事に育って安心しましたよ」
「この家に越してきてから、僕のポケモンたちもみんな穏やかなんですよ。前は怒りやすかった子も、とても優しい雰囲気になって。バトルの間に使わなくても効果ってあるんですかね」
「そうなんですか! それは聞いたことありませんでしたけど……確かに、そういうのもありそうですよね」
「やっぱりいい匂いですから。さて、僕もみんなを散歩に連れて行かないと」
それでは、とお隣さんが家の中に戻っていく。ポケモンブリーダーのお隣さんは少し前に引っ越してきた方で、いつも沢山のポケモンたちを散歩させているのだ。
と思った矢先に早速、10匹くらいのポケモンを連れてお隣さんが門から出てくる。わちゃわちゃと群れているラルトスの可愛さに目を細めた。よく見てみると、二匹ずつでくっついているようにも見える。
「こんなちっちゃいのに、もうラブラブなんですねえ」
その様子が微笑ましくて、私の家の前を通ろうとしたお隣さんに声をかける。すると彼は苦笑して、「やだなあ」と手を振った。
「こいつらみんなオスですよ。ホウエンでメガエルレイドも確認されたから頑張って育てないと」
いずれは綺麗なメスとお見合いさせることになるし、と言い残してお隣さんが散歩に出て行く。そうだったのか、恥ずかしいことを言ってしまった。ポケモンの見た目には疎いもので、オスメスの違いなんてニドランかケンホロウか、カエンジシあたりしかわからないのだ。
まあもう過ぎたことだし、と気を取り直して、ジョウロの水を足した。落ち込まないのが私の取り柄だ。ふう、と息をついて見上げた空は、青く澄み渡っていた。
今日もいい天気、メンタルハーブはよく育つ。
タグ: | 【一粒万倍日】 |
お知らせ
今月の一粒万倍日は以下の通りです。
17(水)22(月)29(月)
今回を逃した方は是非次の機会にどうぞ!
もちろん来月でもいいのよ?
たまに、自分の今の日々に意味があるのか疑問に思うことがある。
過去を振り返るのも飽きてしまった。
最早退屈など感じてはいないが。
自分がここに存在する事は周りから快くは思われていないようだ。
しかし、いくら迫害されようが自分自身ではろくに動けない。
最早、夢も希望もない。
私の身体は常に膜で覆われている。
外からどう見えているかなど私の知った事ではないが、中から見てみると意外と半透明で不確かな物だ。
既に慣れてしまっただけかも知れないが。
ある日、自分の目に小さな光が入ってきた。
暗闇に慣れていた私にとって、その小さな光は視界が霞んでしまう程眩しかった。
「光」から拒絶され、何時の間にか暗闇を負の走行性を身に付けていた自分だが、今回はなんとなくその「光」に近づきたくなった。
自分の運命はなんとなく理解していた。
この半透明で不確かな膜が無くなり周りから煙たがられる「蛾」になるのだ。
その「運命」とやらを、「理解」はしたが、「受け入れた」憶えなど何処にもない。
―――自分は、「蛾」ではなく「蝶」になりたい。周りから煙たがられる、汚らしい「蛾」では無く、周りから求められる、美しい「蝶」になりたい。
強くそう思ったことが何度かある。
まあ、そう思うと同時に「理性」とやらにへし折られてしまうのだが。その「夢」や「希望」は。
例の「光」は日に日に強くなった。
「光」が強くなる度に、「痛み」も強くなった。
この身体になり、ろくに動けなくなってから受けた「痛み」だ。
私に「痛み」を与えた者の姿は克明に覚えているが、別に復讐しようだとかは全く考えなかった。
―――どうせ消えかけていた「痛み」だ。別にどうって事はない。
ただ、憶えていたいと思った。絶対に、永遠に憶えていようと誓った。
久しぶりに過去を振り返ってみた。
この半透明で不確かな膜が、私を包み込んだ直後の事を思い出した。
今ではすっかり荒んでしまったが、あの頃はまだまともな心を持っていた。
あの頃はまだ「夢」や「希望」を持っていた。
忘れないでいて欲しかった。
何かと繋がっていたかった。
恐らく、この願望は過去形で正しいと思う。
ある日の真夜中、光が強くなるのを止めた。
その代わりに、私自身が強く発光しているのがわかった。
それと同時に、私は自分に進化の時が訪れた事を悟った。
―――やはり私は蛾になるのだろうか。
―――やはり私に蝶になる権利はないのだろうか。
そんな事を思って、ようやく自分が解った。
自分は自分で思っている程諦めの良い生物ではなかったのだ。
そう悟りきった時、私の発光は止まった。
もしかしたら、私は蝶になっているのかも知れない。
そんな淡い希望を抱き、辺りを見回すが、生憎水溜りの様なものは見当たらない。
水溜りを探してうろついていると、遠くの方に光が見えた。
私は何かに導かれるようにその光へと飛んで行った。
−end−
おらっ はやく ねろ!
てめえら はやく ねろ!
うるせーよ はやく ねろ!
いいから はやく ねろってんだよ!!
「みんめえええええ!!!!」
「キャー!」
「きいいいいええええええ!!!」
「タブンネが鳴いたー!」
「タブンネー!」
「タブンネー!」
「みみひっぱるぞー!」
うぜえ。うぜえ、うぜえうぜえうぜえうぜえええええ!!!
人間どももうざいが、そのちいせえガキはもっとうぜえ!
タブンネの見た目じゃ「反撃しなそうだしもっとやっちゃえ☆」ってか!?
「こら!もう寝なさい!」
人間の女が同じことを言う。そーするとなぜか渋々布団に入るガキども。うぜえ。見た目で言うこと聞く人間を決めてんじゃねえぞこら。
つーか耳ひっぱるな! しっぽ触るな! 腹もむな!
布団に入って寝かしつけようとしたらまだかまってほしいのか!ふざけんな!
ガキどもが布団に入って数時間。やっとこさ寝やがった。
こちとらやっと休憩だ。ほっとついて人間がくれるコーヒーを一杯。匂いはいいのに苦い。
「また増えたね」
「仕方ないわよ。こちらが打てる手は全部打ったから」
人間たちはまじめな話をしている。ここがそんなところだから仕方ねえ。
ここは人間たちが捨てた子供たちを育てる施設らしい。意味わかんねー。
自分の子供捨てるかふつー!? かわいくねーだのなんだのかんだのすきじゃないだのあいしてないだのうんぬんかんぬん。人間たちはいつも訳の分からん理屈をこねて自分が一番可愛そうだと力説すんの。なんでそんなかわいそうなドラマ仕立てのストーリーを話していくんだ。子供捨てることに罪悪感あるなら引き取れっつーの。かわいそうじゃないなら黙って捨てろっつーの。
まー、人間なんて勝手な生き物だわな。あいつも勝手に変なボール投げつけてきて、弱いからいらねーだのなんだの散々いってくれた挙げ句、知らねー土地に置いて行きやがった。木の実のなってるところも解らんし、野生のポケモンたちはやたらつえーし、死ぬかと思った。
腹も減って喉も乾いて、タブンネの見た目からして血眼で探すトレーナーから逃げて本気で死ぬかと思った。草むらが途切れてるところに逃げてやばいと思ったね。そしたらここの園庭だったわけだ。
それからはなんでかここで働いてる。24時間親に捨てられたガキどもの相手だ。我ながらこんなに適性のない仕事につくとは思わなかったがな。
あ?幸せだとは思ってねーよ!ガキはうぜえし人間どもはコーヒーとか苦いものばかり渡して来るからな!
「タブンネー!」
もう起きたのかよクソガキ。見に行ってやるか。
なんだよ触覚引っ張るなうぜえ……お前の体調なんて知りたくもねーわ!うるさい、うるせーよガキ。
「もう寝る時間よ寝なさい」
人間たちが寝かしつけてくれた。あーでももう少し起きててよかったんじゃね?
人間が我が子を捨てる理由のもう一つが、生まれ持った障害。ぎゃーすか騒ぐガキどもはまだいい。あいつみたいに自分じゃ動けねえ、呼吸も危ないっつーのばっかりだ。唯一動く手で触覚触るのは助かりたい本能なのか?
見に行ってやるか。お前のその心臓の音じゃあな……お前の親みたことねーから知らんけど、人間の親の真似くらいはしてやるよ。だから寝ろ。起きてる間のが苦しいらしいぞ。
そいつは触覚を握ったまま朝を迎えやがった。痛いっつーの。いくらお前の親の真似とはいえ触覚握っていいなんて言った覚えはないぞ。体くらい拭いてやるからよ。だから離せ。そーっとな、そーっと。いっててててて!
やっと触覚が抜けた手を熱いタオルで拭いてやる。背後に影を感じた。振り返ったら知らねえ人間が立ってた。人間って何かしら表情あるんだが、こいつら無表情だった。初めて見たが、こいつの両親だった。あー、弱い子供は自分の子でも要らねえのか。あーそうか。
何も言わずにそいつを引き渡した。これが正しいのかは知らん。が、これが今の仕事だ。その代わりに生きる権利を手に入れた。やっていくしかねえよ。弱いポケモンは生きられねえんだ。タブンネだからここに拾ってもらえて、やっていくしかねえ。
「タブンネ」
「めんめ?」
「今日、また一人来るって」
ああ、またか。そうだあいつ一人いなくなったところで世界は何も変わらない。自分の仕事は何も変わらない。生きていかなきゃならん。今さら野生に戻れるほど戦えるとは思ってない。
せめて捨てられたガキどもくらいは、野生の社会を戦えるだけの力を持って成長しろ。つーかしろ。しなかったらげしげしするからな。解ってんのか。だから触覚触るなクソガキ!
ーーーーーーーーーーーーー
おらっ はやく ねろ げしげし
タブンネの鳴き声は「みっみー」に聞こえるでございます。
ポケライフって間に合うのかな。捨てられたタブンネが孤児院で働いていく話でした。
【好きにしてください】
はじめまして、穂風奏です
私の作品からイラコンに参加してくださるとは、本当にありがとうございます
オオタチは見事に気持ちよさそうに扇風機独占してますね
写真の左のグレイシアと主人公のだるそうな様子はどうなるのでしょうか
完成を楽しみに待っております!
それでは失礼しました
はじめまして、穂風奏です
素敵なイラストをありがとうございます
構図も背景も、そして記者さんもエーフィも素晴らしいです!
もちろん、イラコンへの投稿はOKです
イラコンに自分の携わった作品が投稿されると思うとドキドキします
それでは失礼しました
お越し頂いた皆様、ありがとうございましたー
次回は9/17のポケモンオンリー「チャレンジャー」にて出展予定でございます。
どうぞよしなに。
暑い、暑すぎる
現在時刻は9時30分ちょっと前。確かに早起きだと胸を張るには遅すぎるが、まだ朝のはずなのに。
びしょ濡れのシーツをケムッソのように這い出て鳴り続けるゴニョニョ時計の頭を叩く。
ホウエンの夏の朝は遅くて暑い。
※オリジナル設定、登場人物有り
※ごくごく少量の流血有り
日に照らされて焦げ付きそうなサドルに跨り、夏の道を緩やかに下ってゆく。トレーナー修行の旅ではなく、家から一番「近い」学校に進級したのだが流石はホウエンの離島。来るかも分からないバスを除けば文字通り野を越え山を超えて行くしかない。
ぼうぼうに茂った草むらの脇を抜け道に砂利が混じり始めるとほぼ無意識にギアを変える。入学当初は戸惑ったが今ではこの坂道も何ともない。タイヤが砂を踏みしめるジャリジャリとした振動を物ともせずぐいぐいと漕いでゆく。
こんなに必死で登っても目的地は壊れかけの扇風機位しかないボロ校舎だ。暑さで鈍った頭にふとそんな事がよぎり益々憂鬱になる。視界が開け崖の向こうに海が広がると、見慣れぬものが現れた。
―――あ、かげろう
突然の事に思考が明晰になるより先にゆらり、と宙に舞った虫のようなものは姿を消していた。さっきから頭痛がするような気がする。
暑さにやられたかな。早いところ着いたら何か飲もう。生ぬるい水道水しか無いけれど。
何となくしかめっ面をしてみながら慣れすぎた道を急いだ。
「遅いぞユウコ。」
仏頂面の先生は校門前の木陰で南京錠をくるくると回しながらあぐらをかいていた。チョークの粉が染み付き茶色く煤けて所々穴の開いた白衣に、かかとを潰したスニーカー。数人居た同級生たちと共に過ごした日々と先生の制服姿は一切変わらない。変わったことと言えば、ポケモンに限らない一般教養の勉学と部活動に精を出す学年になるまでには、ユウコを残して全ての生徒が旅へ出てしまったくらいだ。
先生のあとに着いて校舎脇の小道へはいる。伸び放題の草むらを掻き分けて、ポトポトと木から落ちてくるタネボーたちを刺激しないように奥を目指す。突き当たりで右を向けばボロ校舎に擬態したような倉庫が置いてある。
「言っとくけどなぁ、本当に使い物になるか分からないからな。」
酷暑の中ベッドに未練を残してはるばる来たのに今更それはないだろう、とユウコはいくらかむっとしながらブラウスのボタンを二つ開けてパタパタしていると錆びた鍵が回った。
ひんやりとした倉庫の中は天然もののタイムカプセルのようにあらゆる物が無造作に積まれていた。郷土資料館にでも提供したら良さそうな古びた農作業具に、一チームすら作れないのに真新しいバスケットボールの得点板まである。何に使われていたかも分からない劣化したプラスチックのかけらをぼんやりと拾っていると、先生がダンボールの山から手だけを出してこっちだと招いた。
「随分と早く見つかりましたね。」
先生の喜々とした顔に少し面食らう。
「そりゃそうだ。これは私のだからな。ささ、暑くなりきる前に校庭に持って行くぞ。」
「私物って、先生の趣味には思えないのですが。」
「人を見た目で判断するのは良くないぞ。」
「それじゃあ余程ひどい目にでもあって人格が変わってしまったとか。」
「人には触れられたくない過去があるものさ。」
「都合の良いときだけ善良な教育者になるのは止めて下さいよ。」
「いいじゃない、教師だもの。」
いつの間にか仏頂面に戻った先生は眉一つ動かさず台詞だけでおちゃらけてみせた。それ以上言い返す気力も失せ、擦り切れた細長いダンボールを担ぎ倉庫を後にした。
校庭、もとい元校庭があった場所を眺めユウコは唖然とした。砂が風を纏いとぐろを描いて荒れ狂う、例えるならば今まさに、地を離れ空へと飛び立たんとする蟻地獄。そんな物が校庭を占拠していたからだ。
「なにこれ……。」
そう呟いた瞬間、風が変化した。砂と共に明らかな敵意が向けられる。
コンッカチッ
軽金属の衝突音と共にあらわれた無数の星屑が猛進する砂の渦を迎え撃つ。一つの渦が掻き消された先には、既にいくつもの渦が形成され始めていた。
「ぐままもう一度、スピードスター。」
くおっと短く応えたマッスグマは吹き付ける砂をするするとかいくぐると星型の閃光を吐き出した。幾つかは砕け、あるものは突き抜け、真っ直ぐに標的を仕留める。しかし切り裂かれたそばから砂は無尽蔵に湧く。中心は一向に見えない。
「あーあ……うわっ!」
外股を掠めていった衝撃波にユウコは飛び退く。スカートを見ると裾がバッサリと裂けていた。
「ボサッとすんなって。そこら辺にでも隠れてな。しっかし埒が開かないねぇ。かぎわけるだよ!」
ぐままは迎撃を止め目を閉じ耳を倒して全神経を鼻腔に集中させる。祈りを捧げるように悠々と天を仰ぎ、渦が迫る一歩手前で身体を翻す。してやったり、とでも言いたげに青い瞳がギラギラと輝く。先生の口がにやりと歪んだ。
「はかいこうせん!」
「えっ、ちょっとっ!」
着地と同時に放たれた熱光線は砂嵐を破り、グラウンドをも抉り。地獄の主を撃ち抜いた。
「面倒なやつは嫌いだよ。」
校庭に一直線の焼き焦げを付けておきながら実に良い笑顔である。これがカナズミの学校だったなら間違いなくクビがとぶだろう。最も採用すらされない気もするが。
すなじごくが晴れ、横たわるポケモンにユウコは見覚えがあった。
「驚いたね、ビブラーバじゃないか。」
流石のユウコにも聞き覚えがある。暑さと乾燥の厳しい砂地に生息する蟻地獄ポケモンの成長した姿。呆気にとられているうちにビブラーバは慌てて起きあがるとふわふわと頼りなく飛び去ってしまった。
「わざわざ余所のトレーナーが島に来るとは思えないし、こんな所でここまで成長できるのですか?」
「こんな湿っぽい所へ来ておきながらホームシックとは、随分な物好きもいたもんだ。ま、とにかく校庭も取り返せたし始めるぞ。」
ユウコの質問に面倒くさそうに答えると、先生は反動でへたり込むマッスグマを抱えた。太陽がギラギラと照りつけた校庭は確かに砂漠にも見える気がした。
ダンボール箱をあけるとユウコが生まれるよりずっと前の日付の新聞の塊が入っていた。ひときわ大きな塊を解くと中からは細長いアルミの三脚に傷だらけの黒い筒が一本。先生はぽってりとした凸レンズを慎重に拾いながら唐突に切り出した。
「ところでお前、ポケモン関連の仕事には興味無かったんだっけ。」
またか。ユウコは密かにため息を付くと新聞紙の隙間から茶色くすすけたメモを見つけ、引っ張り出した。折り畳まれた紙の表には「天体望遠きょう組立図」とたどたどしい字で書いてある。
「まあ、ここに残ったくらいですから。」
メモの内容に目を走らせると何かから書き写したのであろう望遠鏡の原理や作り方、そして行間には改良点やアイディアがびっしりと埋められていた。その横にはやせ細ったバンギラスのような、恐らく望遠鏡の絵が添えられている。
ひらがなと誤字のやや多い幼い子供の字。鉛筆を握りしめ夢中に文字を刻み込むあどけない少年の姿が浮かび、先生をそっと盗み見る。
「こいつを買ったころはな、宇宙飛行士になりたかったんだ。でもやめた。」
「はあ、どうしてですか。」
どうでもいい、とは素直に答え無かった。話題が自身から逸れることを願いながら聞き返した。
「歯磨き粉みたいなメシを毎日食わされると知ったからさ。」
むすっとした顔は何の感情も帯びていない。
三脚のネジがひとつ足りない。箱へ手を伸ばすと目の前にネジと鼻先が差し出された。得意げに尻尾を振り回すぐままの顎を掻いてやる。先生が二つ目のレンズをはめ込みネジを締めた。
「ほれ、見てみな。」
望遠鏡と呼ぶにはやや質素な黒い筒を覗いてみた。拡大された校舎が逆さ吊りになり、空は地平にへばりついている。二枚の凸レンズに絶妙なバランスによって観察対象は倒像となり、拡大されて瞳へ届く。頭では理解していてもむず痒い違和感がある。
「本当に逆さまですね。」
「良いよな宇宙は。逆さまに見えたって誰も怒りゃしない。」
「先生だって誰にも怒られないんでしょう。」
「居るんだよ。それなりにちゃんとしないと五月蠅いのが。」
ぐままは素知らぬ顔で背中を毛繕っていた。先生はユウコの手から望遠鏡を奪うと三脚に取り付け、満足そうに頷き、ニマニマと笑った。
「せっかくここまでして二人だけで観察するのも勿体ないな。」
呆れたようにユウコが答える。
「それじゃあ下の学年でも呼びますか。」
「分かってるじゃないか。チビ達を招待しての野外天体ショー、天文部と参加者は今夜校庭に再集合だ。」
そう言った先生の顔は降り注ぐ太陽の光によく似ていた。
この人も少年みたいに笑うことあるんだ。そうだ、私が最後にあんな気持ち良さそうに笑ったのは何時だったかな。
ユウコは真夏の空に望遠鏡を高々と向けた。明日も明後日も永遠に来なくてもいいから、ずっと吸い込まれていたい。そう思わせる青くて深い空だった。
「サイユウシティでは西北西の風、風力3、晴れ、22ヘクトパスカル、気温は31度…」
地図の下の端、サイユウに記された丸印の左斜め上に羽を書き入れ、丸の中に晴れを表す縦線を伸ばす。さざ波のようなラジオの雑音をBGMに、天気を読み上げるアナウンサーの声がユウコの部屋に流れる。
心地よい秩序を持った音声の海に乗り、北へ北へ。海を越え天気図が埋められる。未だ訪れた事のない、これからも訪れるか分からない、遥か遠くの風が吹く。
海を飛び立ち空を滑る。いつの間にか薄緑の羽根を羽ばたかせ、波に揺られるようにふわり、ふわり。キッサキの分厚い雪雲を抜けると更に遠くイッシュの地へ。静かな恍惚の中で天気図は埋まってゆく。
夢から醒めるように自分の部屋へと着陸すると、放送終了にぴったり合わせてラジオを止めた。新聞の切り抜きから月齢を写しパンチで穴を開けバインダーに閉じる。
そういえば。あのポケモンはどうしてこの島へ来てしまったのだろう。住み慣れた砂漠を離れてふわふわと海を渡って。
馬鹿な奴、とユウコは思った。透けるような緑の羽根は、海を渡るにはかなり、頼りない。ふわりとカーテンが風に膨らむ。かげろうが離れない自分の思考に苛立つ。
再び開いたバインダーに目を落とす。天候は良好、月の光量も控え目で、絶好の鑑賞日和となりそうだ。
サイコソーダに浮かべた氷が溶けてからりと音をたてる。橙が染み始めた部屋でナップザックを拾い上げた。
こんな日には。
星でも見るに限る。
湿っぽい海風と下がりきらない気温に汗がにじむ。巣に帰れと言うかのように鳴き交わすキャモメの声が響いている。
砂利道にさしかかり、ギアを変える。ほの赤く暮れかかる海が崖越しに見えてくる。坂を登りきりユウコがギアを戻して速度を緩めた、その時だった。
視界の外れから、薄緑の塊がはらりと降ってきた。あの、ビブラーバだ。慌ててブレーキをかけ、自転車を降り捨てるとそろそろと忍び寄る。こちらに気付く様子もなく倒れ込んでいる。
「死にかけかしら。」
呼吸にあわせて微かに動いてはいるものの確かな反応はない。過度な湿気に当てられたためか素人目にも緑の皮膚が赤くかぶれているのが分かる。
胸の辺り、羽の付け根まで照らした時ユウコは息を飲んだ。羽の付け根辺りに、自分の背まで疼くような亀裂が走り血が滲んでいる。恐らくは他のポケモンに裂かれたばかりの傷だろう。それも、空を飛べるビブラーバを更に高くから狙える凶暴な何かから逃げ際に付けられた。
全身を隈無く照らすと赤黒いものが点々とこびりついている。ポケモンバトルなどという生易しい物ではない。激しい闘争を物語る不規則な赤い斑点。
どうしようか。野生のポケモンに無闇に干渉する必要などない。放っておけば自然の中で処理されるだけの話だ。
ユウコには手持ちも居なければポケモンの知識も浅い。島のポケモンは見知っているとは言え、丸腰で自分の身を危険に晒すことになりかねない。
でも―――
暴れるなよ、と念じながら恐る恐る手を伸ばす。しかしどこを掴んで良いのやら。逡巡し、意を決して尾に触れた。
その途端、羽根が激しく振動し、ユウコは弾き飛ばされた。ビブラーバは威嚇するように羽根を震わせると、ユウコではなく空中を睨み付けた。
ユウコはようやく気付いた。頭上でキャモメの声が、五月蝿い。
先程までまばらに飛んでいたキャモメが次々と集まり円を描いていた。中心は、此処。
「逃げるよ!」
未だに臨戦態勢をとるビブラーバに声を掛けた。この状況は嫌な予感がする。このままこの場所に留まるのは危険だ。
頑として動こうとしないビブラーバを抱き上げようとするが、羽根を震わせ触ることすら出来ない。何度目か手を伸ばしてようやく尻尾を掴むと、バダバタと羽ばたき出し、ユウコは数メートル引き摺られて投げ出された。敵意に満ちた目でユウコを一瞥すると、ゆらりと飛び立った。
バランスを大きく崩しながら飛ぶビブラーバと後を追うキャモメ。ユウコは駆け出していた。
「崖に住んでいるキャモメには手出ししてはならないよ。」
島に住む者ならば人もポケモンも誰もが教わる事だった。
「彼等一羽一羽はかよわいものさ。でもね、もしもその一羽に手を出そうものならば……」
上空を飛び回るキャモメは少なくみても数十は集まっているようだ。彼等が追う先には今にも堕ちそうな一匹のポケモン。
不安定に飛ぶビブラーバより上空を保ち、キャモメの群れは風の強い海沿いへと追い込むように飛び回る。ビブラーバも時折衝撃波や砂の渦でささやかな抵抗を見せるが、そのたびに高度を上げるキャモメにはさっぱり当たらない。
十分に追い付いたことを確認したのか、鋭い鳴き声と共に風の刃が降り注ぐ。小さな体から放たれる狙いの甘い高威力の絨毯爆撃は、敢えて射撃方向をずらして散らす事で命中率をカバーしている。
呆れるほどに練られた連携に、圧倒的な数の暴力。これではもはや闘いではない。狩りだ。
遂に一発のエアスラッシュがビブラーバを撃墜した。待ちわびて居たかのように一斉にキャモメたちが飛びかかる。
「うわあああああああぁぁぁっっ!!!」
ユウコは叫んだ。ありったけの声で叫びながらナップザックを振り回し、群がるキャモメに突進していった。
突然の人間の登場に豆鉄砲を喰ったかのようなキャモメ達を振り払い、ビブラーバを抱え上げる。なるべく、陸へ。ナップザックをもう一周振り回すと、近くのサトウキビ畑へと飛び込んだ。
ユウコの背丈を優に越す高い茎の間を慎重に進んで行く。しゅるりと細長い葉の陰に切れ切れに見える空は夕日で赤く染まり、しつこくキャモメが飛び回っている。もう直ぐ日も沈むだろうに実に執念深い。
ビブラーバが弱々しく訴えるように羽根を震わせていることに気付きそっと降ろした。
「ねぇ、……」
ダメで元々、話し掛けたユウコにビブラーバはさも煩そうに首を傾ける。
「あなた、キャモメ、襲ったの…?」
しゃがんで問い掛けるユウコについと顔を背けるとぶぶっと羽根を鳴らす。
「えーっと、…どの位?」
先程とは反対へ首を回すとぶぶぶっと鳴らした。何を言いたいのかはさっぱり分からない。しかしキャモメの様子を見ればある程度の想像はつく。
「それで、思いもかけずにこっぴどくやられたのね。」
ユウコを見据えると二本の短い触覚をツンと立てて羽根をはたはたと振った。今度のは拒否のつもりらしいと分かった。一方的に反撃されているようにしか見えないのだが。
葉の隙間からちらちらと白い鳥が見え隠れしている。おおよその見当は付いているのだろう、かなりの数が集中してきていた。
足元からぶぶぶぶぶっと音がする。ユウコを通り越し天高く向けられた眼はキャモメを鋭く捉えていた。
「どうしても諦めないのね。」
ユウコの事など気にも留めない様子で羽根も触覚もピンと立て構えている。
「あのさ、私このあたりは詳しいの。だからその…協力、しようか?」
ビブラーバは今度こそユウコを真っ直ぐ見つめると、目を瞬かせて首をぐいぐいと回した。
ユウコにとってこのあたりは道も畑も我が家のような物だった。極力茎を揺らさぬように、こごみながらジグザグに進んでキャモメをまいてゆく。ビブラーバは大人しく腕の中に収まってくれている。
ついにサトウキビの林から出ると、地面に開いた洞窟のなかへ身を滑り込ませた。島のそこかしこに開いている、石灰質が雨水に溶かされた窪地。地理の時間に先生がそう説明していた、気がする。
洞窟の中程で降ろしたビブラーバに目配せをすると、四枚の羽を二枚の尾を扇子のように広げて応じる。ユウコは親指をぐっと立てると洞窟から出て、ナップザックから懐中電灯を取り出した。暮れなずんだ空の元、自分へ向けてスイッチを滑らせた。
小さなスポットライトに照らされたユウコに気付きみゃあみゃあと敵の発見を伝えるキャモメに向かって、下瞼を引っ張り舌をペロリと出す。色めき立つキャモメを確認すると、更に挑発するように石を群れに投げ込み洞窟に逃げ込む。怒りに我を忘れたキャモメたちは一斉に洞窟へとなだれ込んできた。ユウコはビブラーバから距離を取り後ろに控えた。
「今だよ!」
掛け声と共に地表が蠢く。異常を察したキャモメ達は、引き返そうとするが後から後から流れ込む仲間に押し戻される。
遂にとぐろを巻いた砂が宙へ飛び立った。避けようと飛び上がり壁にぶつかり堕ちるもの。仲間と衝突しいがみ合うもの。焦りの余り自ら呑み込まれにゆくもの。空中の蟻地獄は錯乱状態のキャモメを次々と引きずり込む。
キャモメの声が徐々に収まり、ビブラーバはすなじごくを収めた。砂煙ごしに息を荒げたビブラーバと気絶して転がるキャモメが現れる。
ついさっきまでの怒号と悲鳴の喧騒など初めから無かったかのように風の音だけ微かにが聞こえる。白い羽毛の混じった砂を踏み、洞窟の外を目指した。
甘かった。どうりで静かな訳だった。洞窟の入り口には、キャモメの大群が音もなく待ち伏せていたのだ。
みゃーあ!!
キャモメの一声で猛攻が開始された。天から降り注ぐエラスラッシュ。体の大きい数羽は螺旋を描きつばめがえしを繰り出す。ビブラーバはとっさに砂を張り防御態勢を取った。
「ひゃあっ!」
ユウコは左腕を押さえて転げた。鋭い痛みが二の腕を刺す。恐る恐る手を離すと真っ白なブラウスが裂けじわりと赤い染みが広がっている。
戦闘へ顔を上げるとビブラーバが凄まじい殺気でユウコを見ている。
「大丈夫だよ!大丈夫だから!」
きゅーーーううぅぅぅ!!!
ビブラーバは憤怒していた。ユウコは訳も分からず身を竦ませた。
来るんじゃなかった。やっぱりこんな事するんじゃなかった。
馬鹿なのは私だったんだ。こんなことをして、何かが変わるなんて勘違いして。
後悔しているユウコをよそにビブラーバはゆったりと向き直った。キャモメの群れも気圧されて静まり返った。
羽根が大きく、大きく振られている。次第に速く、激しく、小刻みに、速く速く速く速く!
耳をつんざくような羽音が次第に、次第に、柔らかなメロディーを奏で始める。
まるで歌っているみたい。女声の、暖かくって物悲しい声。ユウコは場違いにもそう思わずにいられなかった。
歌声がフォルティシモに達すると、ビブラーバは地を蹴った。四枚の羽根の一対が大きく伸び、昆虫のような体躯は骨が張り出し肉が盛り上がる。
竜と呼ぶには繊細過ぎるが、精霊と呼ぶにも逞し過ぎる。変貌を遂げたビブラーバ、いや、フライゴンはキャモメの群れを突き破り天高く抜けていった。
高く、高く。上り詰めたフライゴンは翼を翻して地上を見下ろし、腹にエネルギーを溜め始める。呆気にとられていたキャモメ達も陣を組み迎撃態勢を取り出している。
最後の力を振り絞り、熱く激しく濃縮された、ドラゴンのエネルギー砲がついに放たれた。
幾筋にも分かれたエネルギーの塊は空を駆ける。慌てて放たれたキャモメ達の射撃も打ち砕き、煌めき、尾を引く。キャモメ達は雪のように堕とされ、散り散りに逃げて行く。
一つの銀河が丸ごと現れたかのような星の雨。あまりに神々しく、厳かな星々の怒りの進軍。
夏の宵空に地に近すぎる流星群が、ちっぽけな島を覆った。
ユウコはふらふらと舞い戻ってきたフライゴンが地に足を着けるや否や抱き着いた。
「やったっ!やったぁ……!」
キャモメの大群は一羽残らず撤退していた。今頃はがっかりしながらねぐらの崖を目指しているだろう。
フライゴンの少し照れくさそうな困ったような顔に気づきユウコは腕を解いた。
穏やかな風に吹かれて空を見る。夜の闇がさらさらと夕暮れの赤をすすぎ、気の早い星がうっすらと見え始めていた。
「私、もういかなくっちゃ。」
フライゴンはくぅー?と鳴いて首を傾げる。その様子がビブラーバの時のサトウキビ畑での傾げ方にそっくり過ぎて可笑しくなる。
「あなたが昼間暴れてたとこ。学校っていうとこでね、星を見るの。だからもういかなくっちゃ。」
ユウコがそっと肩を撫でると、フライゴンは数歩下がり腰を低くすると首を深々と下げた。
「えっ?」
戸惑うユウコにフライゴンは悪戯っぽく笑った。
滑らかなひんやりとした鱗が覆う長い首を跨いで、腕を回す。喉に触れた手には呼吸が伝わってくる。翼を大きく振り上げると、地面をそっと蹴った。
くるりくるりと旋回しながら高度を上げ、地面が遠くなってゆく。空気がひんやりと冷めてゆく。ユウコの生きてきた全てが詰まった島が遠くなってゆく。
空から見下ろす島はびっくりするくらいに小さかった。まばらに漏れる民間や灯台の灯りは、まるでミニチュアのおもちゃを見ているよう。自分の家も、学校も、じっちゃんの畑も町の役場も、今なら全部一歩で行けてしまいそうだった。
フライゴンに促され海を見渡す。水平線の向こうに、光が広がっていた。遥かに遠いのに、島よりも鮮烈な光。ユウコの知らない沢山の命が発している光。
緩やかに緩やかに地面が近付いてくる。風が熱を帯びる。人生の大半通い詰めた学校が近付いてくる。
ユウコを校舎の裏で降ろしたフライゴンは、海の方を向いた。
「もう出るの?」
フライゴンはユウコの問い掛けにゆっくりと頷いた。
「もう無茶したら駄目だからね?」
フライゴンはむくれるように離陸態勢を取る。
「じゃあね。旅、楽しんでね!」
既に小さくなったフライゴンは、一回転宙返りを決めると海の彼方へと消えていった。
波の音だけが残されたユウコを包んでいた。視界の外れで星が一つ流れた気がした。
「あーゆっこばばあがちこくしたぁ!」
「ヒロトくん!ばばあとかゆったらいけないんだー!せんせーにゆっちゃうよ!」
「うっせ!やーい、おばあさん!」
校庭は集まったちびっこたちのせいでてんやわんやの大騒ぎになっていた。
ヒロトくんはユウコがぽかりと殴る格好だけすると、大はしゃぎで逃げていった。
「ユウコ遅いぞ」
仏頂面の先生は何も変わらずにむすりと言った。
「色々と忙しかったんですよ。」
ユウコは先生の寝転がっているブルーシートの隣に横になった。
「望遠鏡とられちゃったよ。」
先生は少し悲しそうな声を作った。昼間組み立てた望遠鏡はちびっこたちが奪い合いながら覗いている。
「実はあれがなくても流星群の観察自体は出来るんだけどねぇ。」
自分を慰めるように呟く先生の声を聞きながら、空を見ていた。痩せた月のまだ登らない空につい、つい、と星が走る。
「先生。」
「ん、どした?」
「本当のところ、どうして宇宙飛行士を目指さなかったんですか?」
「そうだねぇ……」
子供たちのはしゃぎ声、風にざわめく木々。沢山の流れ星。時が止まったかのような熱帯夜。
「こっちのが、気楽だろ?」
「そんなことだろうと思いました。」
先生は先生だから良いな、と付け加えるのは何だか恥ずかしいから止めにした。
もしやりたいことが有るとするならば。とりあえず、次にあいつに会った時にはお礼くらい言いたいな。
ユウコは目を閉じると流れ星の洪水みんなにいっぺんに願ってみた。
終わり
小説を、それも大好きなポケモンで書き上げてみたい。
そんな願いを抱き幾星霜。
何作か途中で放り投げ、やっと完結まで書き切れたので恥を晒しに来ました。
はじめまして、孤狐です。
物語を書くのがこんなにも大変で、楽しいとは。
結構疲れたので、もうしばらく書けそうにありませんが;
そうそう、今日明日はペルセウス流星群が見られるそうで。
今日は曇ってしまいましたが明日は晴れますように!
日にちを間に合わせるため特に最後のほうは急ピッチで仕上げたので、誤字脱字等かなりありそうなので見つけ次第どしどし報告してください。
いつ直せるか定かではありませんが;
【第1話】
ズダダダダダ!!!!ズダダダダダ!!
街中に銃声が響き渡る。戦争だ。レインが住むマルス地方は、まだ発展途上で、銃や戦車や爆弾などは無い。住居も木の中に作り、狩をして暮らしている。戦争ではポケモンと弓と槍で戦う。なので、相当不利だ。
ドガガガーーーーン!!
爆弾が落ちた。
人々「キャーーー!!助けてーー!!」
??「フライゴン、ハクリュー、人々を避難させろ。プテラ、いけーー!!」
ある人はプテラに乗り、弓を構え、堂々と敵に突っ込んでいった。
??「いけープテラ!ヤーー!!」
ある人は矢を射った。その矢は、敵に命中した。
??「プテラ、破壊光線だ!!」
プテラの破壊光線により、敵のガンシップは次々と破壊されていった。
敵大佐「何だあいつは?撃破しろ!!」
ズダダダダ!!ズダダダダダ!!
敵のガンシップから銃声が聞こえた。
??「うわっ!!」
ある人は銃に撃たれ、死んでいった。
その人の死から、マルス軍は次々と死に、残ったのは僅かだった。
・・・・・・・あの悲惨な出来事から15年。
レイン「で、そのある人ってのは?」
レイン母「あなたの、お父さんよ。」
レイン「え・・・・・」
レインが住む村の入り口には、レインのお父さんの石碑が建っている。村の勇者だ。
レイン母「レイン。私たちの一族は、代々続くドラゴン使いなのよ。あなたももう10歳。だから、ドラゴンを授けます。」
レインはモンスターボールをもらった。
レイン「なんだろ・・・えっ、レックウザ?何で伝説のポケモンが?」
レイン母「あなたのお父さんにレックウザが心を開いたのよ。天空の城で。」
レイン「えーすごい。」
レイン母「10歳になるともう1人で自立です。家を作り、これからもレックウザと共に過ごしなさい。ずっと一緒に。」
第2話へ続く
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