【0】 風がびゅうびゅうと体に当たる。 ここは白い雲が広がる青い空の中。上空ということもあって寒いのではないかと思ったけど、今、僕が乗っているポケモンは雲のように白い毛がもっふりと生えており、加えてこのポケモンが炎タイプであったからかとても暖かった。このままもふもふしながら空の上で眠ってみるのも悪くないのだが、あいにく、そんな暇はないに等しかった。 『飛んで飛んで飛んで飛んで、回って回って回っておちーる♪』 隣が歌って踊ってどんちゃん騒ぎしまくっているからね。そんなに騒いでいたら本当に落ちちゃうよと思いながら隣を見る。次の瞬間、その子は思いっきり青い空にダイブした。言わんこっちゃないと思ったとき白いもふもふポケモンがいきなり急降下した。あまりのスピードに心の準備をしていなかった僕の心臓が飛び跳ねそうになった。ちょっと待って! 危うく僕が空に投げ出されそうになったんだけど! ぼすんという柔らかい音の後、その子はしりもちをついていた。 『いやいや、足を滑らせてしまったでアルぜ☆』 「いや、そんなテヘ顔されても困るよ、あんにんどうふさん」 『気分が悟空だったからじょうがないでアルよ。なぁ、レシラム』 僕の隣の子――コジョンドのあんにんどうふさんがレシラムさんにそう言ったが、レシラムさんは少し黙っていた。心なしかわなわなと頭が震えているように見える。これ、逆鱗にふれたとかそういうことじゃないかと不安にある。頼むから怒らないで、暴れないで、僕達、空のもくずになるのは嫌だよ。 『これが……これが誰かを乗せて飛ぶ悦びなのでありんすね!! 私、感激しましたでありんすっ!』 顔だけこちらに向けて澄み切った蒼い瞳をキラキラさせながらレシラムさんはそう言った。 レシラムさんはもう少し怒ることを知った方がいい。 僕は小さくため息をつきながら、熱く語り合う二匹を眺めていた。
【1】 とりあえず今――レシラムさんに乗って空を飛んでいるに至る状況を三行ほどで説明すると。 正月に初日の出を見ようかと山にあったら (変な)コジョンドのあんにんどうふさんと伝説のレシラムさんに会って そのレシラムさんに助けを求められた
こんな感じである。 あんにんどうふさん、レシラムさんに会ったというだけでも事件なのに、レシラムさんにお願いされたことがまた事件だった。 今、イッシュ地方というところではゲーチスと名乗る男がプラズマ団を率いて征服されており、レシラムさんはその状況を打破できるような方法を探していたという。レシラムさんは元々、別トレーナーの手持ちだったのらしいがそのトレーナーが捕まったとき、なんとか逃がしてくれて、その逃げ道中で会ったのが僕とあんにんどうふさんだったというわけだ。それからレシラムさんは僕とあんにんどうふさんならなんとかしてくれると思って、ゲーチス討伐をお願いした。いや、お願いというよりもう強制参加的な感じだったけど……あんにんどうふさんはノリノリだし、レシラムさんは僕から離れようとしないし、結局流されるままに僕もこのゲーチス討伐に参加している。ちなみに、なにを根拠に僕とあんにんどうふさんがなんとかできると思ったのかレシラムさんに訊いてみた。 『なんというか……直感でありんす。そう、直感!』 『なるほど! ワタシたちにはスゴ味というやつがあったのでアルね!』 もう訳が分からん。 こんなんでイッシュ地方をなんとかできるのかがものすごく不安である。 プラズマ団のこと関しては違う地方でも名が知れている組織で、僕も新聞でその存在を知った。なんでも『ポケモンにも自由を! ポケモンを解放せよ』といった感じでうたいながらポケモン保護団体として活動しているが、トレーナーにポケモンを手放させようとするなど、その活動は過激な面もあったらしい。しかし、プラズマ団の目的は自分達だけがポケモンを使えるような世界にするというレシラムさんの話を聞いたとき、僕はそれってロケット団みたいなマフィアなのではと思った。だって、ポケモン解放と言いながら他のトレーナーからポケモンを奪うなんて、まさにロケット団みたいな悪だな……と。 そんな怖い部分も含め、一つの地方を征服するような強大な組織に、このメンバーだけで大丈夫なのかな、本当に。 まぁ、一匹は伝説のポケモンであるレシラムさんがいるし心強いんだけど、問題はあんにんどうふさんと僕だ。あんにんどうふさんはまだよく分からない。技の応用と言いながらめちゃくちゃフリーダムで戦うとかもう想像がつかない。その(自称)応用技でレシラムさんとのバトルで勝ったことは今でも僕の中では嘘のようなものである。信じないよ、あんな勝ち方聞いたことがないよ。とまぁ、こんな風にあんにんどうふさんのことを言っちゃっている僕だが、一番の問題は僕である。手持ちがまだ弱い上に、僕自身もトレーナーとして力量がない。レシラムさんには申し訳ないが、その直感は外れてる。きっと外れているよ。 『もうすぐ着くでありんすね』 『確か、キャッスルだったでアルね?』 『えぇ、どうやって侵入しようかで困っているでありんす』 もう後には退けない。 これ勝負に負けておこづかい払うだけじゃ済まされないよね。マフィア的な組織なら……消すとか? まだ死にたくない、けど、逃げられない。戦うしか選択肢がないのが辛い。僕、なにもしてないのに勝手に逃げ道を潰されたよ? なんだ今年は厄年か、そうなのか。 「……慎重に侵入すればいいじゃないのかな」 もうこの際、当たって砕けろだ。いや、砕かれるのは嫌だけど。 『いやいや! やるならやっぱりド派手にいくべきでアルよ! それこそキャッスルをぶっ壊すほどのでアル! というわけでワタシは奇襲を提案するでアルぜ!』 違う意味の砕くが出てきた。 あまりの突拍子のない提案に僕は反対の声を挙げた。 「ちょっと待ってよ! 要は親玉のゲーチスを倒せばいいんでしょっ? そんな騒ぎを起こして周りの敵も倒していかなきゃいけないなんて非効率すぎない?」 『ハツヒは分かってないでアルね。周りの敵から経験値をいっぱいもらってパワーアップして、そしてボスを倒す! RPGの基本でアルぜ?』 「あんにんどうふさん、人生にはリセットボタンなんてないんだよ? ゲームと一緒にしないでよっ」 『これがワタシの生きる道だから問題ないでアルぜ!』 「あんたの生きる道に僕を入れるなぁぁぁああ」 『城が見えてきたでありんすよ!』 レシラムの言葉に前を向くと、確かに大きい城が見えてきた。なんでもこの城がプラズマ団の根城らしく、レシラムさんはここから命からがら逃げてきたらしい。そこにはあのゲーチスもいるという。 あっという間にイッシュ地方に着いていたのか。そういえば、地上の風景が海から街や山に変わっている。いよいよ乗り込みだ。 「と、り、あ、え、ず! いい? あんにんどうふさん? ここは慎重に城へ侵入した方が」 しかし、あんにんどうふさんは僕を無視してレシラムさんに話しかける。 多分、そのまま突っ込む気なんだろうな。だけど、レシラムさんならきっと僕の意見を分かってくれるはずだと信じているよ。 『距離はどのくらいでアルか?』 『三キロを切ったでありんすっ』 『よーし! このまま城に突っ込むでアルぜ!!』 『了解でありんす!』 ちょっと待って――そう言おうとしたとき、レシラムさんからしっかり捕まえるようにとの命令が来た。こっちに頼もしさを漂わせる微笑みを向けてくるからなお怖い。 『あんにんどうふ、いっきまーすでアルぜ!』 違う意味の『いく』にしか聞こえないのは僕の気のせいだろうか。うん、気のせいであって欲しい。 そう思った次の瞬間、ひゅんっとなにかが切れるような音がたったと思ったら、なにか見えない力のようなもので僕の体がのけぞった。強い風だ。なんとかレシラムさんの毛を思いっきり握っているが、やばいかも――そう思ったとき、あんにんどうふさんが僕の体を捕まえて、思いっきりレシラムさんの背に押し付けるように前のめりに倒す。もふっとした感覚が僕の体を包む。背中からはあんにんどうふさんのがっしりとした腕力が伝わってきた。 それから間もなく、僕の耳にはごうっとなにかが派手に壊れ崩れる轟音が届いた。 なにかにぶつかった振動が僕達にも伝わってくる。 『ふぅ……なんとか侵入できたでありんすよ』 レシラムさんの言葉に導かれるままに僕が顔を上げる。あんにんどうふさんも顔を上げる。まだ周りには城の壁を破壊した際に生じた土煙がもくもくと漂っていて、どこにいるのかはっきりとした状況が分からない。まるで霧のように濃い煙を見る限り、かなりド派手に突っ込んだことがうかがえる。レシラムさんが僕とあんにんどうふさんを乗せて床の上に立たせる。なんかジェットコースターに乗った後のような感覚で、足元はフラフラダンス。なんだかふわふわと浮いているような感じもある。 『周りが見えないでアルね』 「だれかさんが無理矢理突っ込もうなんて言うからだよまったく。どうするのこれから」 あんにんどうふさんは得意げな顔をしながら天井を指差した。 『ボスは上にいるのが相場でアルぜ☆』 「下にいたらどうするの」 『そしたら、ワタシのトキメキを返せということで、キャッスルをぶっ壊して下敷きにしてやるでアルぜ』 「なにそれこわいんだけど」 『だって、せっかくワタシより強い奴に会えるかもしれないのに、それを裏切るようなマネはワタシが許さないでアルぜ』 そういえば、そうだった。 あんにんどうふさんが今回ついてきている理由はそうであった。 また、あんにんどうふさんの(自称)技の応用が出てくるというのか……駄目だ、どんな風になるのか想像がつかない。まだあのときのあんにんどうふさんとレシラムさんのバトルが僕の頭をぐるぐるとかき回していく。 『あの……はつひ。申し訳ないでありんすが、一回、モンスターボールの中で休んでもよろしいでありんすか?』 レシラムさんがかがんで僕にそう言った。 結構、頑丈な城だったのか、突っ込んだ際に返ってきた反動がレシラムさんにダメージを与えていたようだ。早速、主戦力が抜けるということになったこの状況に僕は今、両手を挙げて終わったと言いたくなった。だから慎重に行こうよと言ったのに、言わんこっちゃない。どうするのこれ。 「レシラムさん、本当に駄目そう?」 『思ったよりも城が頑丈であったでありんす。それと、あんにんどうふさんと戦ったときのダメージがまだ……』 あの技にそんなダメージを受けたというのか。悪いけど、信じられない。当のあんにんどうふさんはそのレシラムさんの言葉に『さすが、ワタシでアルね』と鼻を伸ばしている。戦況が明らかに悪くなっているのが分からないのか、このコジョンドは。そうこうしている内にもくもくと漂っていた土煙が消えていき、やがて辺りが見えてきた。床に敷かれている青いタイルが不思議と高級感を演出させている。やっぱりお城というだけあって素敵なところ……と観光気分に浸っている余裕はなさそうだった。 なぜなら、周りをプラズマ団の人達で囲まれていたからだ。 組織のユニフォームと思われる服の胸元には組織を示すっぽいロゴが入っていた。水色のフードから覗くモブカットの人達が僕達のことをにらみつけている。 「なんだぁ? おめぇらは」 「お、おい! あそこにいるのはレシラムじゃないか!?」 「なんだと!? おい! これは一体どういうことか説明してもらおうか!?」 言葉からにじり寄ってくるプラズマ団の人達に僕は困った。これ、今に至るまでの経緯を話してくれたところで信じてくれるのかな。まぁ、洗いざらい全て吐いたところで無事に還れる保証はどこにもない。行方をくらましていたレシラムさんが戻ってきたことも相まって騒ぎが大きくなっていく。これはもう収拾がつかない、どうしよう。僕がそう思っていると、あんにんどうふさんが一歩前に出た。 『トシ、サッカーは好きでアルか?』 「はぁ? なに言ってんだ、テメェ。ってかオレはトシじゃねぇし」 あんにんどうふさんがなにかを包むかのように両手を構えた。すると、すぐに甲高い音とともに青い玉が一個できる。 『はどうだんからの――』 それを合図にあんにんどうふさんは作った『はどうだん』を足元に落とした。 『ブルー・レジェンド・シュートでアルぜーー!!』 次の瞬間、あんにんどうふさんは足を後ろへと振り上げ、それを力いっぱいにシュートした。目の前のプラズマ団員はお腹に思いっきり青い玉をクリーンヒットされた後、後ろに吹っ飛んだ。シュートの威力がすさまじかったからか、クリーンヒットした団員の近くにいた人達も巻き添えをくらって吹っ飛んだ。まさに一蹴の一言に尽きる。あんにんどうふさんの技を(運よく)受けなかった残りの団員は一体なにが起こったのか分からないといったような顔を浮かべている。そりゃそうだよね。あんな『はどうだん』の使い方アリなのか。しかしなにはともあれ、道ができた。団員達が驚いている間にさっさと先に進んだ方が良さそうだ。それはあんにんどうふさんもレシラムさんも分かっていたようで、僕がひとまず頼まれた通りにレシラムさんをモンスターボールに戻すと、あんにんどうふさんと一緒に駆け出した。 「……あ、ちょっと!!」 「待てやコラァ!!」 マフィアに待ってと言われて待つ奴なんてどこにいるもんか。後ろから聞こえてくる怒声には振り返らずに、僕とあんにんどうふさんがひたすら走っていると階段が見えてきた。とりあえず、あんにんどうふさんを止められるわけでもないし、上に続いている階段へと入ろうとしたとき、あんにんどうふさんは立ち止まって、来た方向へと振り返った。 「なにしてるのっ あんにんどうふさん、早く行かないとっ!」 『せっかくの経験値を逃す手はないでアルね』 「だから、ゲームと一緒にすんなって!」 僕の主張もむなしく、あんにんどうふさんは再び青い玉を作ると、今度はそれを天井に向かって軽く投げた。それからあんにんどうふさんがジャンプをして右手を思いっきり振り上げた。 『はどうだんからの、とびはねるからの――』 あんにんどうふさんの右手が青い玉を捉えた。 『アタック一番でアルぜーー!!』 ばしんっとムチを地面に思いっきり叩き付けたかのような音が鳴った瞬間、青い玉は斜線を描いてやがて爆発した。僕の目にはプラズマ団が跳ね上がったのが映る。 『こんなに威力があるとは涙が出ちゃうでアルぜ』 「容赦ないなぁ……ほんと」 『やるからには本気と書いてマジでアルね! これぞワタシの生きる道でアルぜ!』 それに巻き込まれたプラズマ団員が若干ながらも不憫(ふびん)に感じてくるのは僕の気のせいということにしといた。
【2】 あんにんどうふさん提案による無計画な奇襲作戦が成功したかどうかは定かではないが、僕達は上の階にやってきた。大きい一本道の廊下で、部屋がいくつかありそうだった。また、床には高級そうな青いタイルが敷かれている。それにしても誰もいないのはどういうことなんだろう。結構、騒いでいたはずなのに誰もこないというのはなんだか不気味である。もしかしてプラズマ団員ってあれぐらいしかいなかったりして……っていうのは虫が良すぎる理想論だよね。 そんな不思議な静寂漂う廊下を歩いていると、とある部屋の前であんにんどうふさんが立ち止まった。目つきがやけに険しい。 「どうしたの? あんにんどうふさん」 『なんだか……スゴイヤツがいそうな気がするでアルぜ。ワタシのシックスセンスがうなっているでアルね』 「もしかして、そこにゲーチスが? でも、そこにいるとは限らないし――」 『そこにいないとも限らないでアルぜ、たのもー! でアルぜー!!』 「お願いだからもう少し慎重っていう言葉を知ってよぉ!」 あんにんどうふさんが思いっきり走り出したものだから、僕は慌てて走らざるを得なくなった。思いついたらなんでも実行するのは構わないけど、時と場所を考えて欲しいものだ。それにしても本当にここには誰もいないのかな。なんだかなにごともなくこの先に進むのがなんだか怖い気しかしない。でも、あんにんどうふさんはそんな僕の気も知ずにさっさと先へ向かってしまう。波動が扱えるなら僕の気持ちも汲み取ってくれたらいいのになぁ……というのは叶いそうにもない願いであった。 廊下を走り続けているとやがてまた上に続く階段が見えてきた。それを超え、再び廊下を走り続けているとなにやら大きな部屋の入り口前まで到着した。あんにんどうふさんのスピードについていけるはずもなく、ハァハァと肩で息をする。こんなに思いっきり走ったのは久しぶりだ。額の浮かぶ汗をぬくいながら僕がその大部屋へと入った。すると、そこではあんにんどうふさんと、一匹の大きな黒い龍がドンパチと対峙していた。 『ふぅ、相手にとって不足ないでアルね! もっともっといくでアルぉぉぉおお!!』 『フン。何度やっても同じだ。お前じゃ、俺には勝てん』 あんにんどうふさんが力強い脚力を用いてジャンプをし、黒い龍の顔に目がけてパンチをしようとするが黒い龍に弾かれる。一回、地面に着地したあんにんどうふさんが思いっきり足を踏ん張って、再び飛んだ。 『いくでアルぜ! 『とびげり』を応用させた――』 あんにんどうふさんが回転し始めた。 『たつまきせんぷうきゃーく!!』 またそれか!! まさかあの黒い龍にもレシラムさん同様、効果抜群はばつぐんだとかそういうオチじゃないよね。 なぜか僕がそう心配をよぎったのと同時に雷鳴が大部屋をぐらっと揺らした。 あまりの音と振動に僕はしゃがんで耳を塞いでいた。次の瞬間、僕の目に映ったのは黒こげになったあんにんどうふさんが倒れている姿だった。 『だから言っただろう。お前じゃ、俺には勝てん。俺に勝てる可能性があるのは……』 そこまで黒い龍が言うと、その鋭い視線を僕に向けてきた。 『……そこにいるのはレシラムだろう。いい加減にでてきたらどうだ?』 そう黒い龍が言うものの、レシラムさんがモンスターボールから出てくる気配はない。まだダメージが残っていて出られないとかそういうことなのかな……でも、今、このピンチな状況下で頼れるのはレシラムさんだけだ。レシラムさんしかこの黒い龍を倒すことができないのだ。 『おーい、レシラム。俺俺、ゼクロムだ。さっさと出て来いって』 僕が持っているモンスターボールはうんともすんとも言わない……というか、ゼクロムってあのイッシュの昔話で出てくるレシラムさんと一緒に出てきた伝説の龍のこと? またとんでもないものを相手にしていたのか、あんにんどうふさんは。 『スルーしてねぇで、さっさとでてこいや』 モンスターボールから返事はこない。 苛立ちがマックスに達したのか、ゼクロムさんが声を荒げた。 『おい! そこの小僧!! さっさとレシラムを出しやがれ!!』 その声に押されるように僕はモンスターボールの開閉スイッチを押した。 すると、そこから出てきたのはすやすやと眠っているレシラムさんの姿であった。 『ほう……眠っているとはいい度胸をしているじゃねぇか、レシラム……!!』 そう言いながらゼクロムがどしんどしんと音を立てながら近寄ってくると、それが目覚まし時計みたいな役割を果たしたのか、レシラムさんが目を覚ました。眠そうに目をごしごしとかいてから、レシラムさんは目の前にいる相手を見て目を丸くさせた。 『ゼクロム! ゼクロムでありんすか!』 『あぁ、そうだ。俺だ。元気にしていたか?』 『そういうゼクロムこそ、大丈夫なのでありんすか!? あの者に捕らえられてなんともないなんてことは――』 『あの者? あぁ、ゲーチス様のことか』 『ゲーチス、様……!? な、なにを言っているんでありんすか!? なぜ、あのような男に様づけなどするでありんすか!? 貴方のパートナーはあの黄緑色の少年でありんすでしょう!?』 『あぁ? Nのことか? アイツは裏切り者だ。偉大なるゲーチス様を裏切った愚かな奴だ。俺のパートナーは最初からゲーチス様だ。お前こそ、なにを言ってるんだ』 なんか、状況が飲み込めないんだけど、とりあえずレシラムさんが信じられないような声音でゼクロムと話しているのが分かる。なんか様子が変だ。 『なぁ、レシラム。ゲーチス様は偉大な方だ。そうだろう? 今ならまだ許してもらえる……さぁ』 『いやでありんす! このままイッシュ地方が壊れてもいいのでありんすか!?』 『そうか、そこまで我がままを言うのなら、力づくでも連れ戻す』 ゼクロムが首をコキコキと鳴らしながらこちらに近づいてくる。なにかを飲み込めないような感じのレシラムさんは軽くパニックを起こしていそうだった。ねぇ、これってちょっとマズくない? いや、ちょっとどころじゃない、かなりヤバイ。レシラムさんにしっかりしてと声を出しても、届いていないのかレシラムさんは一歩も動く気配を見せない。レシラムさんの目の前まできたゼクロムが右手から電気を帯びた玉を作り出し、そしてそれをレシラムさんにふりかざそうとして――。 ゼクロムの背後辺りから爆発音が響いた。 『ちょっと待つでアルよ……まだ、勝負は終わってないでアルね』 ゼクロムの背後ではあんにんどうふさんが立ち上がっていた。どうやら『はどうだん』をゼクロムにぶつけていたらしい。ゼクロムが振り返らずに口を開いた。 『だから無駄といっているだろ。次は炭にするぞ、お前』 『やれるもんならやってみるでアルね!』 『なら、してやるよ』 ゼクロムがそう言うと再び雷鳴が起こった。あんにんどうふさんが炭にされると思って、怖くて、僕は目をつむった。 『雷も電気マッサージと思えばまた涼しい、でアルぜ』 例えが違う上に、それは無理があるよと思いながら目を開けたらそこには仁王立ちして一歩も動いていない、あんにんどうふさんがいた。ゼクロムが今度こそ振り返ってあんにんどうふさんを見やる。 『根性はあるみたいだな』 『もう終わりでアルか?』 あんにんどうふさんの言葉を合図に、また雷鳴が起こる。 そこで雷のおかわりをしてどうするのさ! 今度こそ炭されちゃうって! しかし煙が晴れてみれば、またあんにんどうふさんが微動だにしない仁王立ちを見せていた。 『ごちそうさまでアルね! お礼にこっちもとっておきの波動を食べさせてあげるでアルよ!』 『なんだと?』 あんにんどうふさんは不死身なのか、あんだけ雷を直に受けて、よくそんな言葉が吐けるな。ゼクロムもなんか信じられないモノを見ているような顔つきを浮かべてるよ。レシラムさんも口をぽかんと開けながらあんにんどうふさんを見ていた。無論、僕も今、目玉が飛び出しそうな気分だよ。実は地面タイプもあったりするとか言い出しそうで怖い。あんにんどうふさんなら、本当にそう言いそうだから余計に怖い。 『さっそく! とっておきの波動レシピを紹介するでアルね! まず、波動エネルギー右手の上で高速回転させるでアルね!』 キィィィイインとチェーンソーをもっと早く起動させているような音が響いてくる。 『それから、波動エネルギーの高速回転を留めながら、球体を作るでアルね』 あんにんどうふさんの右手に一個の玉が出来上がる。音は相変わらずチェーンソーである。 『あとは、トッピングとして電撃もといワタシの受けたダメージを混ぜれば――』 あんにんどうふさんの右手にある玉が更に輝きを増した。 気がつけば、なぜだか僕もレシラムさんも、おまけにゼクロムもその技をじっと眺めていた。それが決定的な隙となったのは言うまでもなかった。 『いくでアルぜー! 『はどうだん』の応用プラス『きしかいせい』からの――』 あんにんどうふさんが一気にゼクロムのふところに入り込む。 『らせんボオォォォォォォォル!!』 『しまっ――』 あんにんどうふさんが『らせんボール』名乗る玉をゼクロムさんにぶつけた瞬間のことだった。
ゼクロムさんが(恐ろしい速さで)大回転した。 吹っ飛んだ。 城壁を破って場外に出た。 まさに一瞬のできごとだった。 あまりの破壊的な威力に僕もレシラムさんも何も言えなかった。 そんな僕達に向かって、あんにんどうふさんは胸を張っていた。 『ワタシの勝ちだってばよでアルぜ!』 【3】 『わ、私、ゼクロムさんを探しに行ってくるでありんすぅぅぅぅぅうう!』 そう言うなり、レシラムさんはその場からゼクロムの飛ばされた方に向かって動き出した。うん、そうだよね。ゼクロムの安否が気になるほど、さっきの技は怖い気がしたよ。でも、とりあえず、あんにんどうふさんの勝ちのおかげでゲーチス討伐に一歩前進したともいえるし……ごめん、やっぱ、あの技はやりすぎだと思うんだ、僕は。 『やってやったでアルよ、ハツヒ! 伝説のドラゴンポケモンをこれで二匹も倒せたことになったでアルぜ!』 なんだろう……さっきの戦いではあんにんどうふさんのことがすごい心配になっていたのに、本当に炭になってしまったのではないかって心配していたのに、本当に今はゼクロムの安否が気にかかる。本当に大丈夫なのかなぁ。そんな僕の心配をよそに、あんにんどうふさんはゼクロムに勝ったことがよほど嬉しかったのか、天井を仰ぎながらほえていた。まぁ、強い奴を倒すというその目的が達成したから無理もないけど。というか、これ恐らくあんにんどうふさんが僕達共通の本来の目的を忘れているような気がしてならないんだけど。あんにんどうふさんが好きそうなゲームで例えるなら、まだ中ボスを倒したところで、最終ボスはまだこれからであるはずだ。 「やれやれ……派手にやってくれましたね、アナタたち」 そんな声が聞こえて、僕とあんにんどうふさんが振り返ると、そこには一人の男がいた。ウェーブかかった黄緑色の髪を垂らしており、右目には赤い片眼鏡がかけられている。それから目をモチーフとした服がやけに怖い印象を受けた。例えるなら『くろいまなざし』を受けているかのような気分だ。そんな中、あんにんどうふさんが僕の服の袖をくいくい引っ張ってきた。 『なぁなぁ、あの右目にかかっているのってもしかして、戦闘力を測れるっていうやつでアルかな?』 「いや、そんなこと言われても分からないし」 『なぁ、そこの人。それはもしかして戦闘力を測れる例のやつでアルか?』 本人に直接聞いちゃったよ、この子。 無駄に目をキラキラさせながら、両手を握ってあんにんどうふさんはその男に尋ねたが、険しい表情を返してきただけに終わった。大丈夫、これ。なんか怒らせているんじゃないかな。 『ワタシの今の戦闘力を教えて欲しいでアルよ』 「……」 『もしかして、測定不能でアルか? いやぁ照れるでアルね〜☆』 「いいかげんにしろっ!!」 男が声を荒げた。ほら見ろ、やっぱり怒ってるじゃないか、この人。 「まったく! 勝手に入ってきては城を滅茶苦茶にし、挙句の果てにはせっかくワタクシが苦労して洗脳を施したゼクロムまで滅茶苦茶にしてっ!」 わなわなと震えながら男が真っ赤な形相で吐き捨てるように言う。やばい、相当怒ってるぞ、あの人。まぁ、無理もない。男の言う通り、辺りは先ほどのバトルの激しさを象徴するかのようにガレキが散らばっているし、その上、そのバトルはあんにんどうふさんがオーバーキル的な勝ち方をした。おまけに、ほめているわけもないのに照れているし、あんにんどうふさんって本当に火に油を注ぐのが得意だよね。寿命縮むぞ。 「これだけやって、生きて帰れると思うなよ……?」 そう男が言うと、ぞろぞろと待機でもしていたのかプラズマ団員が現れた。ちょっと待って。なんかやけに人数が多くない? それとプラズマ団員を引き連れているということはこの人は組織の中でも偉い人だったりする? ということは、この人はもしかして――。 「ゼクロムに任しておけば、ワタクシ達の出るまでもないと思っていたが……アナタたちは実に不愉快な方々だ」 「ゲーチス様を怒らすと怖いんだぞ、お前ら!!」 「そうだそうだ! 覚悟しろよ!!」 やっぱり、あの人がゲーチスだったのか。 それと、今までの言葉からレシラムさんがゼクロムの姿を見て混乱していた理由も分かった。ゼクロムは本来のトレーナー(多分、Nのことだろう)が捕まったときに無理矢理、離れ離れにさせて自分の忠実な部下になるように洗脳させた。方法はわからないけど、スリープとかスリーパーといった催眠ポケモンを使ってやったのかな。新聞でもときどき見かけるんだ催眠ポケモンを使った犯罪事件。 いや、こんなことを考えている暇じゃなかった。かっこつけて現実逃避してちゃ駄目だよね。答えが分かってもここから生きて帰らなきゃ、死んだら元も子もない。どうしよう、すごいプラズマ団員の数なんだけど、百人以上は入ってきてるんじゃないかな。おまけにそれぞれポケモンをだしているから、すごい数。 『数はそれだけでいいでアルか?』 「何を言っている? ゼクロムとの戦いでボロボロになったアナタ達がこれだけの相手をして勝てるはずがない」 なんか僕も数に入れられているんだけど、戦っていたのはあんにんどうふさんだけだからね。僕、まだこの城に到着してから一回もポケモン出してないよ。出番回数ゼロだよ。でも、さすがにこんな大人数ではあんにんどうふさんでも無理だろう、そう判断した僕は腰にかけてあるモンスターボールに手をかけた。どこまでできるか分からないけど、このままなにもしないで死ぬのだけは嫌だ。そんな感じで僕も戦闘態勢に入ると、あんにんどうふさんが一歩前に出た。 『偉い人は言ったでアルよ? 気合があればなんでも出来る、でアルと』 すると、あんにんどうふさんはぐぐっと踏ん張って全身に力を込め始めた。 『気合だ! 気合だ!! 気合だ!!! 気合だ!!! でアルゼ! うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』 天井を仰ぎながら、あんにんどうふさんが吼えると、あんにんどうふさんの前に光る白い玉が一個浮かんだ。一個だけかと思っていたら、あっという間に二個、三個、四個と数が増えていく。うわ、これ一体、何個あるの? 十個、二十個というレベルじゃないぞ。 『いくでアルぜ!! 渾身の『きあいだま』からの――』 そう言うと、あんにんどうふさんが軽くジャンプした。 『ワン・オー・エイト・気合・マシンガンでアルよぉぉぉぉぉおおおおおお!!!』 そう叫ぶと、あんにんどうふさんは次々と高速でシュートを決めていく。プラズマ団員とポケモン達が悲鳴をあげながら、宙に体を舞っていった。先ほどの戦いの疲れなんてどこへやら、あんにんどうふさんの体力は底なしなのか。 『か、い、か、ん、でアルぜ』 全ての『きあいだま』を蹴り終わり、あんにんどうふさんがさわやかな笑顔でそう言った。気合があればなんでもできるとは言っていたが、『きあいだま』って気合があれば一気に大量生産することが可能なのか、そういうものなのか……もう、訳が分からないよ。 あんにんどうふさんの技で発生した土煙が晴れると、そこには力なく倒れているプラズマ団員とポケモン達がいた。なにはともかくピンチは切り抜けられたようである。しかしまだゲーチスが立っていた。どうやら、さっきのあんにんどうふさんの『きあいだま』の犠牲にはならなかったみたいだが、なにが起こったのかさっぱり分からないといった感じで棒のように突っ立っていた。すると、あんにんどうふさんがゲーチスに向かって駆け出した。 『最後はこれで決めるでアルぜ! 宇宙に咲く一輪のコスモスのごとく!』 両腕をクロスさせてぐぐっと胸辺りにおきながら、軽く飛んだ。あんにんどうふさんの体が青く輝く。 『はかいこうせんからの――えっくす・ばすたーでアルぜぇぇえええ!!』 そう叫びながら、あんにんどうふさんが体を大の字にすると『はかいこうせん』がゲーチスの方へと飛んでいき、間もなく派手な爆発音と煙が巻き起こった。あまりの爆風に僕は思わずしりもちをつく。人に向かって『はかいこうせん』って大丈夫なのかな……なんだか、なにもやってないし、巻き込まれただけだから言えることなのかもしれないけど、ゲーチスの心配もしてしまう僕であった。 『正義は必ず勝つでアルぜ!! で、ゲーチスはどこでアルか?』 「いや、あんにんどうふさんが最後に吹っ飛ばした人がそれだからっ! 人の話きいてた?」 『なんだ、そうでアルか。ゼクロムのときに比べたら物足りなかったであるが、楽しかったからOKでアル!』 「これ、終わりよければ全て良しって言って大丈夫なのかなぁ」 『目的は達成したからOKでアルね!』 あんにんどうふさんがビシっとポーズを決めて、プラズマ団に引導を渡す。 結局さぁ、僕って要らない子だったんじゃ……と心の中で呟く自分がここにいた。
【4】 今回のことのあらましは『変なコジョンドが組織を滅茶苦茶にした』この一言に尽きると思う。どのように滅茶苦茶にしたのかというのは、説明しても多分、信じてもらえないと思う。だって、現場を目の当たりにした僕でさえ信じられないとしか言えないレベルだったのだから。プラズマ団の人達もきっと、なにがどうしてこうなったとしか認識できないんじゃないかな。そう思うと、なんだか同情したくなるのは気のせいだろうか。 あんにんどうふさんがゲーチスを吹っ飛ばしたことは結果的にプラズマ団の崩壊に繋がった。その後の処理が色々とせわしかなかった。 まず、警察が大量にやってきてプラズマ団員の逮捕。それから僕達は事情を聞かれたのは言うまでもない。正直、過剰防衛的な意味でやりすぎてこっちが捕まるのかな、あんにんどうふさんのトレーナーだと勘違いされて捕まるのだけはごめんだと心配していたが、それは杞憂に終わった。むしろ、組織を崩壊させたことに対して感謝された。しかし、あんにんどうふさんがただ滅茶苦茶しただけであって、僕は何もしてなかったので正直複雑な気持ちである。それと、ゲーチスが行方不明らしく現在捜査中のこと。あんにんどうふさんの技で塵になったなんてことがないことを祈ってる。 後、ゼクロムの安否だったが、無事、レシラムさんが海に沈んでいくところを救助できたようであった。ただ、ゼクロム自身は全身骨折の重傷を負ったという。ただいまポケモンセンターで療養中で、ゲーチスにかけられていた洗脳も順調に解かれていっているという。伝説のポケモンだから回復力もきっとあると、レシラムさんが言ってくれたのだが、大丈夫なのかな……とりあえず、あんにんどうふさんにはもうあの技は禁止してもらわないと。そうそう、捕まっていたというレシラムさんのトレーナーと、ゼクロムのトレーナーであるNという人も無事、救出されたそうだ。良かった、良かった。 「ふぅ……ようやく、帰れるなぁ」 『楽しかったでアルね、ハツヒ!』 「僕はもう疲れたよ……巻き込まれただけに」 『いい経験したと思えばいいアルね☆』 「あんにんどうふさんみたいに、ポジティブに考えれる力が欲しいよ、もう」 後処理が終わった翌朝、僕とあんにんどうふさんはポケモンセンターを出た。空は青く広がっており、清々しい一日が始まることを告げていた。僕はゆっくりと背伸びをし、あくびを一つした。こうやって、ゆっくりと一日を過ごしていけるのはやっぱり幸せである。波乱万丈よりも、こっちの方が僕には性にあっているのかもねと思ったりする。 『ハツヒはこれからどうするでアルか?』 「僕は一回、実家のカントーに帰ろうと思ってるよ。なんか色々ありすぎたから疲れちゃって、ゆっくり休もうかななぁと。あんにんどうふさんは?」 『ワタシはしばらくこの地方で修業しながら、強い奴を探すでアルよ!』 「じゃあ、ここでお別れだね」 『そうでアルな。なんだか寂しくなるでアルな』 ごめん、ちょっとだけホッとしている自分がここにいる。 まぁ、でも、あんにんどうふさんの言う通り、滅多にないことにめぐり合えたことに関しては感謝しようかなと思ってる。伝説のポケモンのレシラムさん、ゼクロムに会ったり、あんにんどうふさんの無茶苦茶な行動を見て世界って広いんだなぁって思ったりしたから。ただ、これ以上の刺激物はもう僕の体では受け付けてくれないけど。 『それじゃ、ワタシはさっそく、修業も兼ねて走るでアルから、これにてでアル! また会ったら、新技を披露できるようにしておくでアルぜ』 「……とりあえず、楽しみにしておくよ」 僕がそれだけ言うと、あんにんどうふさんはどこかへと駆け去っていった。あっという間に背中が小さくなる。 僕はそれを見送ると家路を目指して歩き始めた。今回の事件のおかげで、イッシュ地方からカントー地方に向けての長くなりそうな旅の始まりである。さて、実家に帰ったら両親に何を語ろうかな。僕の手持ちポケモンのことでもいいし、訪れた場所のことでもいい。あんにんどうふさんのことは……両親の心臓にかけてみる必要がありそうだけど。僕はそう思いながら苦笑すると、ふと、とある疑問が生まれた。 そういえば、あんにんどうふさんって、なんであんなに滅茶苦茶強いんだろう。 どこからあの技を発想したのかも気になるし。 今回はあまりのドタバタぶりで聞けなかったけど、今度もし会うようなことがあったら、あんにんどうふさんのことを聞くのもいいかもしれない。 あんにんどうふさんならノリノリで語ってくれそうだ。 ただ、今度、会ったときは今回のような事件が起こらないように願いたい。 またあんにんどうふさんが滅茶苦茶して、僕や他の人が置いてけぼりにされるのが目に見えるから。 楽しみ一つと、願いごと一つしながら、僕は歩き続けていった。
【書いてみました】 というわけで、まさかのあんにんどうふさんの続編です。 また無茶苦茶ばかりしているコジョンドに笑ってくれたら、嬉しい限りです。
本当はブイズの話を大晦日の23時59分に出して、この話を元旦の0時に出そうかなという謎の計画があったりなかったりしていたのですが、無理でした(苦笑)
気がつけば、前作のあんにんどうふさんよりも書いていた今回の作品。 あんにんどうふさんが勝手に動いてくれる感があったので、書いていて楽しかったです。前作同様、ネタっぽいのぽいぽい入れてます。まぁ、入れていく度にハツヒさんのHPがことごとく削られていってしまって、0を下回ってしまったかもしれないですが、それはそれで(以下略
ありがとうございました。 【改めて、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします】
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