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ポケモンにおいてある種族が何かの条件を経て、まったく別種のポケモンになる、いわゆる「変化(へんげ)」が信じられている例は世界中に存在する。
例えばカロスの一部ではメブキジカは寿命が近づくと育った森の日あたりがいい場所を選んでうずくまり、眠るようにその生涯を終える。やがてその亡骸からは樹が生える。その樹が千年生きるとゼルネアスになると、信じられている。
また、ホウエンの一部地域ではケイオウオが二百年生きたならばカイオーガになる、と信じている人々がいたという記述がいくつかの文献に散見される。
更にホウエンのとある島ではその「変化」が風習化されている。
その島では人やポケモンが死ぬと葬儀の後に首を切り落とし、胴体とは別に庭に埋葬する風習がある。百日目にしゃれこうべとなった首を掘り出し、黒い服を着せ、祠へ祀る。そうするとヨマワルとなって、子孫を守ってくれると信じられていた。今ではめったに行われなくなったが、今でも島の祠ではたくさんの服を着たしゃれこうべを見る事が出来るという。
島の昔話によれば、昔この島に仲睦まじい若夫婦がいたが、妻は病弱で先立つ運命にあった。お前なしでは生きていけないと嘆く夫に妻は言った。
「私が死んだらその首を切り落として、墓には入れず庭に埋めてください。そうして百日目にしゃれこうべを掘り出して服を着せるのです。そうすればずっと貴方の傍におります」
これが島における風習の始まりだという。