ホウエンジャーナル 20XX年9月20日号
群れで狩りをし、仲間意識が強いことで知られるポチエナが共食いを行う姿がポケモン研究家によって撮影された。先日撮影されたプラスルとマイナンの狩りに続き、ホウエンに生息するポケモンの生態系に大きな異変が起こっていることを伝えるニュースに、ポケモン生物学者らは大きな関心を寄せている。
写真が撮影されたのは101番道路。オダマキ博士のフィールドワークを手伝っていた研究助手のツバキ・ユウヤ氏によって撮影された。
一連の行動を観察、記録していたツバキ氏によると、共食いを行ったポチエナは一頭で現れ、他のポチエナの群れを執拗に攻撃し、逃げ遅れた一頭を捕らえて共食いを行ったという。ツバキ氏は「このポチエナは、この辺りに生息する通常のポチエナに比べて非常に俊敏で力も強いため、通常のポチエナとは大きく異なる生態を持っている可能性がある」とし、「自分が充分強いことを知っているため、群れを作る必要がないのではないか」との見解を示している。一方でこのポチエナが通常の野生個体には見られない「じゃれつく」を使う行動が見られたことから、一般トレーナーが逃がした個体が群れに入れずに単独で行動しているのではないか、という意見もあり、真相はわかっていない。
しかし、近年、通常の野生ポケモンが本来覚えるはずのない技を使っていた、という報告が相次いでおり、もしこのポチエナが野生個体であることが判明すれば、そうした「異常個体」がホウエンに生息するポケモンの生態系を大きく変える可能性がある。
日本ポケモン学会ホウエン支部長サトウ・ミキヤ氏は「このような本来の食性から外れた行動を見せるポケモンが増えれば、思わぬポケモンや植物が絶滅の危機に瀕する可能性があり、今後一層ポケモン達の行動を注視する必要がある」とコメントした。