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  [No.3704] 我が主人公諸君に愛を込めて 投稿者:GPS   投稿日:2015/04/10(Fri) 22:21:45   57clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

拝啓

久しぶり。元気にしているだろうか。
君はまずこの手紙を見て「どうしてこんな山奥まで封書が届くのだろうか」と思うのだろう。そうして「こういう煩わしいものが絶対来れないような場所を選び抜いたはずなのになんてこった」と地団駄を踏むのだろうね。
どっこい残念、君がどこにいようと私からの手紙は届くのだ。そういうものなのだ。好きなだけ疑問に思えばいいし、好きなだけ地団駄を踏むがいい。踏み続ければ、そのうちダンスも上手くなってシンオウのコンテストにも出場出来るに違いない。

君の地団駄はさておき本題だが、私は君に文通の提案を持ちかける。理由は問う必要が無い。全ての物事に理由を求める方が間違っているのだ、それに理由などを追求したら、君がそのようなアクティブ引きこもりライフを送っている理由を明確にしなくてはなるまい。それは君にとっていい話では無いはずだ。というわけで、君は私の申し出に理由を聞かない方が良いだろう。

君が便箋を買うために山を降りる可能性は恐らくゼロだし、シロガネ山に便箋屋さんがある可能性も同じくゼロだろうから返信用の紙は同封してある。切手も同様だ。一週間後にまた運び屋を送るから、それに渡してもらいたい。
何、気負うことはどこにもあるまい。私からの文面を読んだということと、あとは適当なことさえ書いてくれればいい。山のことでも、奇特な挑戦者のことでも、君のポケモンのことでも、何でもだ。
とりあえず返信を頼む。私が求めるのはただ一つ、君からの返事なのだ。一言でも構わないから送ってくれたまえ。

シロガネ山
原点にして頂点 レッド様

追伸
ここまで君がきちんと読んでいればの話だが、もし君から返事があれば、回復アイテム等を送ることを約束しよう。尚、内容の充実さによってその量及び種類は変動する。



拝啓

やぁ、この前は何十回目、いや何百回目かの殿堂入りをおめでとう。この前というか昨日かな? 相変わらずで何よりだ。
しかし一つ言わせていただくと、ポケモンリーグというのは君のATMでは無い。お小遣いをくれるおばあちゃんのおうちでも無い。あそこは神聖なる戦いの場所なのだ。君は『ちょっと自販機の下を覗き込んだら10円手に入った』くらいの気持ちかもしれないが、向こうにとってはそうでは無い。それをわきまえてくれたまえ。

それに君は、手に入った賞金をコガネのスロットで残らずスっているそうでは無いか。どれだけ阿呆な金の使い方なのか。スロットが悪いと言っているのでは無い、君が悪いと言っているのだ。馬鹿に強さを与えると碌なことにならない、とはまさに君のことである。
というわけで、今日から君には毎日の収支を報告してもらうことにした。どこからいくら手に入れたか、どこにいくら使ったか。それを残らず教えてもらう。しっかり書くように。

コガネシティ
ジョウト地方チャンピオン ゴールド様



拝啓

こんにちは。この前は手紙をありがとう。君は字が綺麗だから、悪筆の私にとってはどうにも恥ずかしいものだ。読みにくいと思うが多目にみて欲しい。
さて、文通をしてみたいとは今時の子供としては珍しい申し出だね。でも私は大歓迎だ。最近はパソコンだのメールだのポケナビだの……いや、君はポケッチだったっけ? ともかく、ああいう電子機器が普及して手書きのものを送る機会も減る一方だから。こうして一文字一文字書くというのも、またいいものだね。

君はミオシティにいるということだけど、そこは良い町だ。本が好きな君にはたまらないところだろう。何せ、あの図書館の本は一生かかっても読み切れないだろうからね。
それに君の手紙によると、君は自分で書くこともするというでは無いか。是非とも見せてもらいたいものだ、君さえ良ければ送っていただきたい。シンオウを旅し、様々な者に出会い、豊かな経験を積んだ君がどんな話を紡ぐのか。全く想像もつかないよ。

それでは、風邪などひかないよう体調にはくれぐれも気をつけて。まあ、あのキッサキをあんな薄着で訪れた君にかける言葉でも無いけれど……。

ミオシティ
シンオウ地方チャンピオン ヒカリ様



拝啓

やあ。地下鉄ライフはエンジョイしているかな? いい加減に太陽の光も浴びないとディグダになるぞ。
冗談はさておき、全くどういう了見だ。バトルサブウェイに篭って出てこない君が連絡を寄越すなど。初めは何かのイタズラだと思ったものだよ。不審に思って君からの電話を着信拒否した私を許してほしい。
言っておくが、切符代の無心ならば丁重に丁重を重ねて遠慮させていただく。いくら賞金が出ないからと言って、それは自分で用意するべきだ。ちょっと空を飛べばポケモンリーグというATM、じゃなかった、神聖なる戦いの場所があるのだから。一度行けば一ヶ月分の地下鉄ライフが約束されるだろう。
ともかく、連絡の理由を知りたいから返事の手紙をくれないだろうか。地下鉄内にも流石にポストくらいあるだろう、封筒の住所に送り返してくれれば構わない。電車の待ち時間などに書いてくれたまえ。

ライモンシティ
伝説のトレーナー トウヤ様

追伸
申し訳無いけれど、電話はなるべく遠慮してほしい。地下鉄の電波はお世辞にも良いとは言えないのだ。



拝啓

こんちは。お元気ですか。私は元気です。
イッシュ地方もすっかり春だそうですね。そっちはどんな花が咲いているのですか? もし良ければ写真を送ってください。
この頃、君からの電話があまり無いので心配しています。メールを送ってもナナシのつぶて。SNSのアカウントもみんな消えてしまった。もしやまた何か思い詰めているのでは無いかと私は心配でたまりません。

君は強い。それ故色々と思い悩んでしまうこともあるかもしれない。誰かに相談しようにも、迷惑をかけてしまうだろうと思うのかもしれない。誰にもわかってもらえないだろうと諦めているのかもしれない。そもそも人に話したく無いのかもしれない。
しかしそういう時こそ、私を頼ってほしい。私はいつでも君の味方だ。なにせ敵になりようが無い。どんな時だって、君の目の前を真っ暗にしたりはしまい。

困ったことがあるならば、遠慮無く相談してくれたまえ。なに、もっと軽く考えるのだ。理想も真実も体重の減らし方も、なかなか答えが出ないのが世の常だよ。
悩んでばかりじゃ頭が凝り固まってしまう。君の防御値が上がるくらいしかメリットは無いよ。気楽にいこう。

ヒオウギシティ
イッシュ地方チャンピオン メイ様



拝啓

どうも。いつも写真をありがとう。流石はアイドル志望だけあって、相変わらず君はとてもオシャレだね。清楚系で攻めるつもりかな、髪を黒く染めたのは新境地だ。私としてはロングがオススメだぞ。
ところで、今回は何故文通などを所望したのかな。どうせ君のことだから、アイドルとしてデビューした暁に「趣味は文通なんです」などと言ってカメラの前に手紙を並べ、かわいさアピールするのが魂胆だろうけど、まあ私は歓迎しよう。生まれた時からメールが当たり前の君達だ、色々な文化に触れるのも悪くない。

手紙には君の書きたいことを書けば良いのだ。何を書いたら良いのかわからない、だなんて考える必要は無い。君だって友達と他愛の無いことをメールだの電話だので伝え合ってるのだろう? そういう感じでいいんだ、ただし将来的にマスコミに見せるつもりなら、あまり過激なことは書かない方が良いかもしれないな。過激な話題には過激な返事しか出来ない。私が禁書を生まないような文面を頼む。
では、返事を楽しみにしているぞ。

ミアレシティ
カロス地方チャンピオン セレナ様

追伸
そのコートは新しく買ったのかな? ワンピースみたいなシルエットでよく似合ってるよ。ミアレのブティックはなるほどオシャレだね。
もし良ければ、値段など教えてもらえないだろうか。高いらしいと風の噂で聞いたけれど、具体的にどのようなものなのか気になるのだ。



拝啓

御無沙汰しております。御活躍の御様子存じ上げております。あらためてお慶び申し上げます。
この度は、突然の手紙御容赦くださるよう誠にお願い申し上げます。卑しき存在である私めの愚筆など御覧になることすらお気に障ってしまいますでしょうが、どうかお情けを頂戴したいところであります。

誠に身勝手な申し出ではありますが、お一つお尋ねしたいことがありまして一筆奏上させていただきます。現在私めは少々理解し難い窮地に立たされておりまして、勿論それは私めの不徳の致すところであると重々承知の上でございますが、どうかこの卑しき民に貴女様のお力を貸していただきたく存じます。
単刀直入に申し上げます。いつか私めが貴女様にお貸し致しました、回復アイテム及び各種ドーピングアイテムの御返済について、それがまだ為されていないことについて、少しばかりこの愚脳が反応を示しているのです。勿論、今すぐ返せなどと申しているのではございません。ただ、少しばかり、少しばかり気になっただけでございます。

御返事は、御手空きの際で構いません。今の私めには、貴女様の明晰な頭脳と並々ならぬ美貌と天井知らずの技量と、そして回復アイテムが不可欠なのでございます。
御一報を心よりお待ちしております。

追伸
もしも御気持ちを損ねてしまうことがありましたら、どうかその時は、どくどくだまを送りつけるのだけは御勘弁願います。あれは大変苦しい。しかも鼻が曲がるほどの悪臭がする。御慈悲を。

バトルリゾート
ホウエン地方チャンピオン ハルカ様



拝啓

急にこんなものを送りつけて申し訳無い。君が多忙なことはよく知っている、しかし私は今まさに、君の助けを必要としているのだ。
君は冒険家にして探検家、そして救助隊だ。だからこれは依頼だ。君の救助を要請する依頼なのだ。パラダイスランクがマスターの君にお願いだなんておかしいかもしれないが、しかし頼めるのは君しかいないのだ。

このダンジョンから、私を助け出してほしい。

いわゆる、でられません! というアレだ。閉じ込められてしまったのだ、謎の迷宮に。
暇で暇で仕方ない。おかげで、手紙を書くくらいしかすることがない。
不思議なことに手紙のやり取りだけは可能なんだ。ダンジョンから手紙を送れるって、本当のことなんだな。

ポケモンパラダイス
チームポケモンズ ピカチュウ様


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