【021】いつか帰る場所 作:キトラ ☆8 ☆☆16 ☆☆☆6 =58 ☆☆ ゾロアの過去とトレーナーの話があまりリンクしていなかったので、いまいちまとまりがなかったように感じた。また、終わり方が中途半端で消化しきれていないように感じた。 西条流月 ☆☆ お題:鏡(イリュージョン)、タマゴ(選別) 弱虫だと罵られ、群れから追い出され、しかしそんな主人公が生き延びた。だからこそ生き抜こうとした主人公のゾロアにぐっときます。そして、イリュージョンで世話になった人間に化けて、その人間の帰りをけなげに待つところにも惹かれます。タフだなぁ。お題の使い方も好きです。あと、細かいツッコミどころとして、1か所算用数字が混じってしまってます。 レイニー ☆ グッと来た文【けれど木の実を選んだり、料理をしているとあの人が一緒にやってくれるような感覚がしてならない。】 このキャンピングカーは迷いの森にあるものですかね……? 間違ってたら、すいません。(汗)主人公ゾロアさんが産まれた瞬間、使えないと判断されるや否や、すぐに捨てられる……。あのトレーナーには怒りの気持ちが込みあがってきたのですが、同時に他にも、このトレーナーには命というものが見えていないのかと考えると怖くて、そして、悲しい気持ちも生じました。前半でのゾロアの群れのシーンでは野生の厳しさの描写が胸に突き刺さった分(だからかどうかは分かりませんが)、後半では主人公ゾロアさんとお嬢様のやり取りがとても温かく感じましたです。でも最後、お嬢様が主人公ゾロアさんを留守番させて旅立った後のシーンにて、『すぐ傍にいてくれているような感覚』とありましたが……まさか、その、お嬢様は……いや、きっとゾロアークさんのところに戻ってくることを私も信じています。(汗) 巳佑 ☆☆☆ テーマは鏡と思われる。誤字脱字誤用及び話の流れに不自然な点は見当たらなかった(5/15時点)。また、テーマの鏡はゾロアークのイリュージョンという形で使われていた。以上の点から☆☆☆とした。これは評価と関係ないが、タイトルが【8】と被りがちなのがもったいなかった。ただ、BWのゾロアークイベントの裏側を描いた作品の中身は、今回の作品のなかで1番好みだった(もっとも、作中だけではゲーム中の色違い三犬とゾロアークの関わりが書ききられていない、といった指摘点もあるが)。これからのさらなる飛躍に期待。 あつあつおでん でりでり ☆☆☆ 過酷な現実の中で生き残ったゾロアが、ゲーム内にあるキャンピングカーの小イベントと繋がるように成長するのはおもしろい発想だと思いました。素直に面白いと感じます。そういうふうでしかゲーム内のキャンピングカーを見られなくなりました。 鶏 ☆☆ 迷いの森のゾロアーク。切ない過去の持ち主ですね。あの子をゲットしてもVはない……と。笑捨てられたゾロアたちが共に生活するシーンが印象的でした。明日は我が身。そんな様子を淡々と描いているのが良かったです。ゾロアが食べ物を貰う時の描写をもうちょっと長くとって欲しかったなぁと思います。一文だけの事象は些細なこととして、読み飛ばしがちになってしまうので、もっと書いてもいいんじゃないかと思いました。あと、落とし所がちょっと弱いかなぁ、と思います。結婚したのなら、帰ってくるところまで書いて欲しいし、帰って来ないならもう二度と帰って来れない状態になってて欲しい。極端な方を選ばないと、読者としては不完全燃焼です。直前までずっと衝撃的な内容が続いてただけに。軸がぶれたな、と思わされた瞬間でした。 乃響じゅん。 ☆☆ ヒメリパイが記憶に残りました。 ☆☆ <作品情報> テーマ種別 →鏡 作品タグ →【ゾロア】【原作ネタ】【プレイヤー批判】【ネタバレ】 ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →原作で謎を残した部分を有効に活用している。大いにある。テーマの消化度合い →問題ないレベルと判断する。 <講評> 原作に存在する「キャンピングカーとお姉さん」というネタを生かした作品で、それ自体は着眼点として素晴らしいものがあると言えます。テーマの消化も問題ないレベルですし、そつなくまとまっているという印象を受けます。ゾロアをたくさん孵化して、必要のないものは捨てるという「プレイヤーがよくやる」行為にクギを刺す形になっているのも、過去にその手の話を書いた自分としては納得できるものがあります。 ただ、難しいところがあって、この作品では冒頭で「主人公はゾロアークだ」とネタバレを自ら行っていて、以後はキャンピングカーにいるのはゾロアーク(あるいはゾロア)ということが前提になってしまいます。例えばの話、人称代名詞を伏せてさも「お姉さんがゾロアークを待っている」話と見せかけておき、最後の最後で実は「ゾロアークがお姉さんを待っている」話なんだというように読者を驚かせる(=化かす)というカタチのほうが面白かったのではないでしょうか。人を騙してなんぼのわるぎつねですし。 ということで、ちょっともったいないなー、という意味をこめての評価となります。今後の更なるご活躍に期待しております。 586 ☆ 一読目:え、迷いの森の奥のお姉さんゾロアークなんですか?ネタを知らないのでこれを読んでビックリ。それとも元にしたあくまでお話し?うむむ、わからん。どっちだろう。ていうか、タイトル被ってないか?よく似すぎていて作者さん、注意したの?あ、もしや何が応募されているか確認せずに投稿しちまったとか!?…まぁ、俺もタイトル似たり寄ったりだからしょうがないか。 二読目:ところで高個体値狙いの話も被るのはしょうがないとして、このゾロアの兄弟どもは何を考えてるんだ?『兄を助けなかったから出てけ』とは言うもののお前らだって助けてなくね?とか、一応生まれたばっかりの子狐の集団でトレーナーに勝てるの?とか、なんか妙に冷静すぎるゾロアにはてなマークが良く浮かぶ。 三から八読目:大体ゲームのなかならいざ知らず、何時までだんまり変身ゾロアークが持つのか怪しいものだという気までしてきた。 九から十読目:なんか、読めば読むほど『うーんこれってアリなのか?』という気分がもこもこ出てきた。さらっと読む分には問題ないのに。☆一つ。 音色 ☆☆ おぉ。 こういう話好きです。原作のアレですね。関係ないんですがあのイベントもうちょっと手が込んでても良かったと思います。 とにかくゾロアークは色三犬にはご注意ください。 ところでゾロア集団に属していたのってたった二日なんですね。そりゃあ血が繋がっていようが、っていうことは感じますが、流石に早すぎる気が。 それもあってかゾロア集団が話に関わる部分としては非常に弱い。 ……って書いていたら気付いたんですが、話が全体的に弱い。確かに面白いし好きな作品なんですが、まあ例えるなら好い人止まりで恋人になれない感じです。 にしてもお姉さん、ゾロア連れていけば良かったものを……。それか後から連絡すれば良いものを……。 もしかして一番薄情なのはお姉さん? ☆☆ 「鏡」というテーマとの関連性がちょっと薄い気がするが、それはとりあえず良し。前半、ゾロアがトレーラーの女性と出会うところまではいいのだが、その後落ちがつかないというか、ラストが物足りない気がする。ラストになにか1つ工夫が欲しい。 >毎日のように人間はあの人と連れ戻そうとしていた。あの人「を」では。 サトチ ☆☆ BWで最も印象的な謎の一つ。 キャンピングカーの女性を題材にしたお話が来ましたね。主人公であるゾロアークが冷静な性格であったり、元の主人である女性が自然と訪問客を集める好人物であったりと、要所要所に「おっ!」と思えるような工夫が盛り込まれていて、最後まで期待を込めて読み続ける事が出来ました。少々文体が拙いように感じた場所も幾つかありましたが、全体的にストーリーの面白さの方が勝っており、大して気にはなりませんでしたね。 ……特に捨てられた集団が流離うシーンは、実際にゲーム内の環境でも起こり得るだろうと常々思っている事柄でしたので、それなりに感じるところがありました。強烈な個性こそありませんでしたが、独自性と言いアイデアと言い相応のレベルで、無難に纏まっていると言う感触。ただ、逆を言えばそれはまた、これ以上の劇的な発展は望めそうも無いという意味にも取れます。 ――更にもう一つランクを上げるには、冒険心が足りない。そう感じたのも事実ですね…… クーウィ ☆ 言説が極端で読みにくい作品。例えば二つ目の大段落、“まだ上手く歩けもしなかった”生まれたてのゾロアが、“元々の持ち主”に“捨てられたことに。”“気がついた。”というのはどうにもしっくりこない。ここは現在の実感ではなく、背景を説明するシーンとして描かれているので、最初の主語を「私」ではなく「ゾロア」にするなど、第三者的な視点であればよかった。五つ目の大段落では、“復讐もできない、反撃も出来ない腰抜けは出て行けよ!」”と“ここでも私は捨てられた。”……いきなり内ゲバですか。どうしてこうなった? 七つ目の大段落冒頭の“あの人は私を必要としてくれた。”は、「必要」とまでされる描写が見あたらない。おそらくゾロアはそう実感していたのだろうから、そう思うに至ったシーンを書いてほしかった。ゾロアがなぜこの女性との生活にこだわるのか、その心情の強化がされるし、それが欠けていることで、この作品がどうにも薄っぺらくなってしまっている。 最後に最終段落。この後日談は完全な蛇足。女性の後日談などいらないし、“このキャンピングカーを守って行こうと思った。”根拠がないので、薄っぺらさが際立った。 結論の列挙で、そこに至る過程が描かれていないために、全てが極端に思える。まだ文字数に余裕があるので、そこまで追い込まれた、或いは思い込んだ理由が見えるようなシーンを描いてほしい。 渡邉健太 ☆☆ ブラック・ホワイトでまよいのもりに行くと、奥にキャンピングカーが止まっている。中に入ると一人の女性。話かける。「……」。しゃべらない。なんだこれ? えー、実は私映画前売りで貰える3匹を揃える気が全然なかったので、調べてみてやっとわかったのですが、知らない方の為に一応書いておきます。 2010年夏の映画前売りで貰える色違いのライコウ・エンテイ・スイクンを連れてまよいのもりに行きますとキャンピングカーから女性が出てきてバトルになるそうです。実はこの女性、ゾロアークがイリュージョンで化けていたんです。本小説はそれを元ネタとした小説なんですね。解説おわり。ちなみに私はエンテイを貰いました。 とまぁ、エンテイのことは置いといて。 二次創作としては極めて王道で、スタンダードな手法をとった作品です。まさにこういうやり方こそが二次創作、といえましょう。廃人ネタなんかも織り交ぜていてこれでもかというほど王道だと思います。自分の主人をひたすら待ち続ける……というあたりは犬科の従順さとでもいいますか、ハチ公を彷彿とさせます。猫だったらここまで待たないと思う(笑)。 惜しむべきは鏡に映ってる女性が最初からゾロアークだと明かしてしまったことだと思います。これはもったいない! おそらく作者的には「みんな知ってるネタだから」ということで書いてしまったのではないでしょうか。しかしそう考えるには気が早いような気がするんです。全員が全員丁寧にゲームをやりこんでるわけではない(笑)。知ってる人は「ははあ、こいつはゾロアークだな」って予想をつける。知らない人は「女性がうつってる、それでそれで?」でよかったと思うんですよ。最期にネタあかしして、知ってる人は「ああ、やっぱりね」って、満足するし、知らない人は「ほほーこうなるのかー」ってなると思うんですね。だから余計なことは書かなくてよかったんです。直後にゾロアが出てくるからバレバレだと思われるかもしれませんが、知らない人はほんと知らない。きっとゾロアが鏡に映ったお姉さん見ていたんだな、くらいにミスリードさせておけばよかったと思うんです。 結末はみんな知っているから、ではなく、みんなが知っているであろうネタだからこそ、イリュージョンは抜かりなくやってください。あのしゃべらないお姉さんだけ知っていて、ゾロアークのこと知らなかった人に、いやー意外な展開だったなぁ。あのゲーム場面をこういう風に発展させちゃうとは、すごいなぁ! って思わせないと(笑)。 お題:鏡 タグ:一人称、ゲームイベント利用型、ゾロア、ゾロアーク、まよいのもり、キャンピングカー、廃人ロード 地方:イッシュ 死亡:あり No.017 |