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昨日はとても風が強かった。牧場のミルタンクたちを小屋に入れようと外に出たときには、3匹に1匹のミルタンクがひっくり返ってばたばたしていた。その必死な姿が…なんというか…メタボである母にそっくりで、少しにやけてしまった。
そして今、私は牧場の端にある風車の前に立っていた。風車に何か得体の知れない物体が引っかかっているのである。ふよふよと風にゆれ、砂まみれになっているその物体は、じっとこっちを見ている。
「…ポケモン?」
「ふゆーん」
ちょっと不気味なその声にビビりながらも、助けないわけにもいかないので、私は風車の中の階段をかけ上り、そのポケモンが引っかかっている風車の羽に近い窓を開けた。
「ぷわわー」
「…わっ、わかった。今助けるからその不気味な声出さないで」
ポケモンの紐(?)が風車に結ばれていて、これじゃあ自力で抜け出せないはずだと1人で納得しなから、私はポケモンの紐をほどいて窓からポケモンを中に入れた。なんていうポケモンなんだろう…こんなポケモン見たことない。
「すごい砂まみれ…昨日の風に吹き飛ばされちゃったの?」
「…」
「洗っても大丈夫かな?水苦手?」
「…」
「あ、ごめん、声出していいよ。ほどほどに…なら」
「ふゆゆーん♪」
そのポケモンはゴムのような布のような謎の手触りで、どこもかしこも謎だらけだった。とりあえず、ミルタンクの水浴び用の桶に水をためて、その中に入ってもらったのだが、何故か沈まない。まるでうきわみたいだ。しかたがないので風呂場に行き、家のシャワーで砂だけ落としてやった。すると、そのポケモンが嬉しそうに空中をくるくるまわり始めた。
「ふゆーん♪ふっゆゆーん♪」
その声を聞きつけたのか、父が風呂場までやってきた。
「なんだ…新しいポケモンか?」
「風車に引っかかってたの。お父さん、このポケモンの名前知らない?」
「…本棚に最新のポケモン百科事典入ってたぞ」
「ホント!?ありがとう!」
私はすぐさま本棚から百科事典を取り出し、ぱらぱらとめくった。最初のほうのポケモンは見たことがあるのに、後ろのほうになると全然わからない。まぁ、普段からミルタンクにしか縁のない私にとっては、他のポケモンなんて知らなくても困ったりしないのだが。
「あった!…フワンテ?」
「ぷわわー♪」
いつのまにか後ろにポケモン…じゃなくてフワンテがいた。最初は不気味だと思っていたその声も、慣れてくればそんなに気にならない。むしろ、可愛いとさえ思い始めていた。
私はフワンテをつれて外付けに出て、フワンテの紐…じゃなくて手を離した。すると、フワンテはふよふよと空を飛び始めていた。
「ねぇお父さん、フワンテ飼っちゃ…」
そう言いかけたとき、急に風が吹いて、フワンテは風にさらわれてしまった。それは、突然の別れだった。
「どうした?」
「ううん、何でもない。私、ミルタンクたちを小屋に戻してくるね」
これでいいと自分に言い聞かせながらも、翌日私はまた風車に向かって歩いていた。そんなに何度も引っかかるわけないのに…とあきらめかけていたそのとき
「ふ…ふゆーん」
聞き覚えのある可愛い声、風車を見上げると、フワンテが申し訳なさそうにこっちを見つめていた。
私がこのサイトに初投稿したのは、去年の12月31日でした。 |
俺の後には唯が戦った。相手はたねポケモンが上手く引けず、相変わらずと言うかなんというか1キル(1ターンキル。一ターンで勝つこと)で勝負を決した。
そして別ブロックの試合が始まる。いきなり風見VS長谷部さん。それと姉さんの対戦だ。どちらも見逃せまい。
俺の隣にいる恭介は必至に長谷部さんの方を凝視している。彼女の対戦なんだし、気になる気持ちは分かるな。
そして試合が始まった。風見対長谷部さんは風見が先攻。姉さんと、えーと。向井って人との対戦は向井が先攻らしい。
元来の大会ならテーブル一つあれば対戦が簡単に出来るからこの大会のように二試合ずつとか十六試合ずつとかではなく、同時にほぼ全員が戦うのでこうして誰かの試合を観る余裕なんてない。なのに今回はスペース上戦える場所が限られているので試合が出来ない人が出て来て、観戦の余裕がある。
とはいえ待ってる人もデッキ調整をしていたりとして自分のことに必死で、他の人を真剣に応援してる人も少ない。折角の機会だし、ここは応援しよう。
「先攻は俺からだ」
相手は長岡(恭介の苗字)の彼女とだったか。手合わせするのは今回が最初だ。相手のバトル場にはフシギダネ60/60。そしてベンチにはモンジャラ70/70。
その一方俺のバトルポケモンはタツベイ50/50。ベンチには同じタツベイ50/50ともう一匹、フカマル50/50。
俺の場のポケモンのHPはどれも貧弱な部類だが、相手のポケモンを見る限りいきなりやられるということはないだろう。しかし早く進化しないと後々辛い展開になることがあるかもしれない。
「手札の炎エネルギーをバトル場のタツベイにつけて攻撃。こわいかお。コイントスをしてオモテなら相手は次の番ワザも使えず逃げられなくなる」
コイントスのボタンを押す。瞬時にオモテウラの判断がつくのも、あまりに味気なく面白くないということで二秒程度してから結果が表示されるように作られている。この緊張感がたまらないと言う人もいるはずだ。
「ウラか……。終わりだ」
「私のターン! 不思議なアメを使ってフシギダネをフシギバナに進化させます」
早い、あっという間に二進化ポケモンが出るとは。フシギダネは光の柱に覆われフシギバナ140/140へと姿を変える。HPも見るからに、かなり大型ポケモンの登場だ。
「そしてスタジアム。夜明けのスタジアムを出します」
周囲が平原へ変わり、東と思わしき方向から太陽が現れる。まだ僅かに薄暗いところが雰囲気を醸し出している。
「えっと、このスタジアムは自分の草または水ポケモンに手札からエネルギーをつけるたびにダメージカウンターを一個とって状態異常を全て回復させる効果です」
たったダメージカウンター一つと言えど、されど一つ。侮れない。僅差というものが勝負には非常に大きい存在となり、壁となる。相手は草タイプ主軸のデッキだろう、ほとんど毎ターンHPを回復されるというわけだ。状態異常も回復されるのだがフシギバナのポケボディー、アロマグリーンによって草タイプはそもそも状態異常にならない。
「フシギバナに草エネルギーをつけて攻撃! どたばた花粉!」
草エネルギーひとつで30ダメージのワザだ。あっという間にタツベイの残りHPが20/50。ただ幸いなのはフシギバナに乗っているダメージカウンターが一つもないということだ。
どたばた花粉はフシギバナにダメージカウンターが八個以上のっていると相手を毒と火傷と混乱にする効果を持っている。これで火傷になっていて、ポケモンチェックでウラを出していればタツベイは俺の番が回るまでに気絶している。
予選は俺を楽しませる勝負が少なかった、この本戦ではなんとか満足できそうだ。
「僕のターン」
あたしのバトル場にはノコッチ60/60。ベンチにはワニノコ50/50。翔がよくやることと同じように、あたしもノコッチでまずは戦闘準備を整える。ノコッチのドロー効果で序盤は体勢を整え、中盤以降から一気に攻める。このデッキの定番パターンを、この対戦でもするつもりだ。
「僕は手札の鋼の特殊エネルギーをつけてダンバルのポケパワー発動。メタルチェイン!」
一方相手のバトル場はダンバル50/50、ベンチはコイル50/50。水タイプをメインとするあたしのデッキにとって、コイルが雷タイプではなく鋼タイプであることが救いとなっている。
「自分の番に一回、手札から鋼エネルギーをダンバルにつけたときに発動できる。自分の山札のダンバルをベンチに呼び出す!」
ダンバルの体からジジジとやや不快な重苦しい電磁音が鳴り、開いているベンチスペースに新しいダンバル50/50が現れる。
「これで僕の番は終わりです」
ダンバルの持つワザの突進はエネルギーが二つ必要なワザ。まだダンバルにはエネルギーが一枚しかついていないためワザ使えない。
「あたしの番ね、ドロー」
引いたカードはアリゲイツ80/80。まずはベンチのワニノコを早速育てよう。
「手札から不思議なアメを発動し、ワニノコをアリゲイツに進化させる。そしてアリゲイツのポケパワー発動。進化で元気! 手札からアリゲイツを進化させたときに自分の山札を上から五枚見て、その中のエネルギーを手札に加える。残りのカードは山札に加えシャッフル!」
上から五枚を確認すると順に水エネルギー、オーキド博士の訪問、ブイゼル、ワニノコ、水エネルギー。そのうち水エネルギー二枚を相手に見せてから手札に加える。
「そしてノコッチのワザ、へびどりを発動。カードを一枚引いて終わりよ」
場外にいるギャラリーをちらと横目で見る。予選は皆それぞれ自分のことに必死になっていたが、この本戦トーナメントはそうではない。帰ったものは帰ったが、残ったものは残ったもので試合を観ている者もいる。そしてあたしは観られている。それがいつもとは違う緊張感が漂わせる。
ギャラリーを見渡しているとこちらを見ていた翔と目が合う。長年いた姉弟だからアイコンタクトでわかる。頑張れ! と応援してくれているのが。
もちろんここで勝って、あたしも優勝をもらうつもりよ。そのためには絶対に負けられないんだから。
翔「今日のキーカードはフシギバナ!
どたばたかふんとスペシャルリアクトのコンボは最強!
相手はたちまち状態異常地獄だ!
フシギバナLv.55 HP140 草 (DPt3)
ポケボディー アロマグリーン
自分の場の草ポケモン全員は特殊状態にならず、受けている状態異常はすべて回復する。
草 どたばたかふん 30
自分にダメージカウンターが8個以上のっているなら、相手をどくとやけどとこんらんにする。
草草無無 スペシャルリアクト 40+
相手が受けている特殊状態の数×40ダメージを追加。
弱点 炎+40 抵抗力 ─ にげる 4
ある時、マイコが街中を1人で歩いていた。その道中、不思議な店を見つけたのだ。
看板にはこうあった。
《Mr.MARIONETTE》
店先にはマリオネット、つまり操り人形がたくさん並べられていた。そのどれもが、今にも動き出しそうな感じで、命があるように思えた。
しばらくじっと見ていたら、
「おや、この人形達に興味があるのかい」
店主に話しかけられた。見たところ、30代後半の男性のようだ。
「いえ、ちょっとふらりと足を止めただけで」
マイコはあまり長話をするのが好きではないので、話もそこそこに出ようとしたら、
「まあ、ちょっと来なさい」
いきなり連れ込まれた。1人の時に限って厄介な人と会ってしまうものである。
「この店には、人形……つまりマリオネットが並んでいることは知っているね」
「あ……はい」
マイコは逃げたいと思っていた。しかし、どうにも体が動かない。ポケモン達も繰り出せない。
「そのマリオネット達はね、」
「……」
「人間だったんだよ!!それを私が作った薬でマリオネットにしたんだ!!凄いだろう、凄いだろう!!」
店主はそう言ったが、マイコは、
「そのマリオネット……つまり、人間達を解放して下さいよ。それはあまりにも人道的じゃないです。警察を呼んでも、」
いいでしょうか、と言い終わる前に、その男は件の薬をマイコに飲ませたのだ……!
その頃、1匹のほうようポケモンが異変を感じ取った。
「サーナイト!?どないしたん!?」
オオバヤシの持っていたサーナイトだった。彼女はテレパシーでオオバヤシに異変の内容を伝えた。
『マスター、Mr.MARIONETTEというお店で、マイコさんが大変な目に遭っています。早く行かないと、もっと大事になってしまいます』
「どこらへんにその店はあるん?」
『視覚情報として、伝えますので大丈夫です』
次の瞬間、道に1本の赤いラインが見えた。それと同時に彼の目の色も赤くなった。つまり、オオバヤシとサーナイトは、視界を〈シンクロ〉したのだ。
『そのラインに沿って行けば、店に着きます。最短ルートをとってますので、早く辿り着けるのではないでしょうか』
「ありがとう、サーナイト!」
彼は走り出した。急がなければ、マイコが危機的状況を脱せない。
300メートルは走っただろうか、目的の店は見つかった。目の色もいつも通りの黒目にすっかり戻っている。
しかし、マイコは見つからない。
「どこにおんねん、マイコ!!分かったら返事せえ!!」
すると、待ち構えていたように店主が姿を見せた。
「お望みのマイコさん、とやらはここにいますがね」
彼が抱いていたのは、
マイコそっくりの、マリオネットだった。
「お前……マイコに何したん!?」
「彼女に薬を飲ませた。この私、ミナヅキお手製のマリオネットになる薬をね」
オオバヤシは狂気のミナヅキという名の店主からマイコとおぼしきマリオネットを救い出すと、そのまま1発殴った。
「汚い手でマイコに触んな!!あと、マイコを元に戻したれや!!」
「いいでしょう、但し、条件があります」
「どう考えてもお前が悪いのに、条件とかふざけんのも大概にせえや!!!」
「トリプルバトルであなたが勝てば彼女を戻してあげましょう。但し、あなたが負けた場合はあなたもコレクションのうちの1体にしてあげましょう」
「ふざけたことをぬかすな!!」
「おや、あなたが応じなければ、彼女は一生そのままですよ?それでいいんですか、あなたは?」
相手のペースに乗せられたのはだいぶ不満であるが、冷静な判断力がなければ勝てない。
さらに、あの口振りからするに、相当の実力者だろう。オオバヤシはバトルの申し出を受け入れるしかなかった。
「まずはこちらからですね。行きなさい!」
ミナヅキの繰り出した3匹はドサイドン、マタドガス、ハガネールだった。
「こっちはこの3匹に任せた!」
オオバヤシの繰り出したポケモンはハスブレロ、ジヘッド、モウカザル。
「ほう、まだ進化を完全に遂げていないポケモンで私に挑もうとはいい度胸ですね。もう負けるのを分かっていて勝負しにきたようなものです」
「うっさいねん!勝負はやってみんと分からんやろ!?勝手に負けると仮定すんな!!」
先に動いたのはモウカザルだった。一番破壊力の強そうなドサイドンに向かって目の前で手を叩いて攻撃した。猫騙しだ。
「そんな蚊の鳴くような攻撃をしたって無駄です!ドサイドン、岩石砲……何で動かない!?」
ミナヅキはどうやら猫騙しの付随効果、怯みを知らなかったようだ。
「驚きすぎて攻撃もできんようになったな」
「なっ!?貴様、卑怯なことを」
「実際に技として存在するものを放った。それのどこが卑怯なん?勝手に他人を人形にするあなたの方が数倍卑怯やと俺は思いますけどね」
攻撃態勢に移れないドリルポケモンに向かって、陽気ポケモンが熱湯を吹きかけた。しかも、尋常じゃない量を。
「やっぱり無駄なことを!こいつの特性はハードロック、弱点技を軽減するから、水の一撃じゃ倒れませ……ん!?」
ドッスーーーン!!!
盛大な音を立ててドリルポケモンは目を回していた。ノックアウトだ。
「その特性が意味を成さないくらい強い技を放てば、全く関係ないんちゃいます?」
まずは1匹倒した。しかし、ミナヅキはこれで終わるような男ではない。
すぐ毒の大波がオオバヤシ側の3匹とミナヅキの鉄蛇を飲み込んだ。
「ヘドロウェーブ、か……」
しかし、実際のところ、鉄蛇ポケモンはダメージを喰らっていない。毒は鋼に効果を示すことがないのだから。
「貴様がドサイドンを先に倒したところでこっちはこいつを使いやすくなりました!!愚かな判断に泣き喚きなさい!!」
二つ首の悪竜と橙色のヤンチャポケモンの毒、陽気ポケモンの傷を治療しつつ、オオバヤシは考えた。
(毒を治療するのもいいが、このままじゃキリがない。それに、ハスブレロは元々毒に弱い。逆転のカギは……どこにある?)
と、その時だった。オオバヤシの頭に声が聞こえた。
〈今が石の使い時なんじゃないの?あのさあ、ばーやん、くよくよしないで、しゃんとしないと、あんな奴に勝てないよ!〉
(マイコ……!?)
まるで、直接マイコが語りかけているような声だった。
(マリオネットの中で見とるんかもな。……俺は1人で戦ってるわけやない。ここはさっきのアドバイス通り、やってみるか!!)
「ハスブレロ、受け取ってくれ!!」
オオバヤシはボールを投げるかの如く、水の石を陽気ポケモンに投げた。
「させるかあっ!!」
マタドガスとハガネールがそれを邪魔しようとしたものの、悪の波動と火炎放射によって両者ともに遮られた。それを横目にハスブレロは水の石をキャッチし、光に包まれ、ルンパッパへと最終進化を遂げた。
「バブル光線!!」
能天気ポケモンから吐き出された泡は、確実にミナヅキのポケモンを圧倒できる威力にまで強化されていた。そして、ここで、さらに嬉しい誤算が起こった。
なんと、モウカザルとジヘッドも同時に光に包まれ、それぞれゴウカザルとサザンドラに最終進化したのだ!!
火の大猿の放った、炎を纏った拳と至近距離から放った火炎放射の連続スピードプレーで鉄蛇もノックアウトされ、残すは大きな毒ガス1匹。
「そ、そんなに強いとは……」
「とどめや!サザンドラ、流星群!!」
橙色の眩い光が三つ首の悪竜のそれぞれの口に集まり、中央の首が吐き出した大きな光球に遅れることわずか、左右の首から吐き出された二回りは小さい光球が先の光球に当たり、弾け、毒ガスに尋常じゃない量の光が降りかかった。それはもう、とんでもない威力の流星群であった。これで、オオバヤシの勝利が決定したのだ。
星の光は勝利を祝うのに相応しい位に輝いていた。
「約束やったな。ミナヅキ」
「うう……」
「マイコを元に戻してくれ」
「ワタシソンナコトイッテマセン」
バシバシバシッ!!!
往復ビンタがオオバヤシの手から放たれた。
「ふざけた口調はアカンやろうが!!!あと、勝手なことをぬかしてんちゃうぞお前!だいたいお前が」
「すみませんでした、きちんと元に戻しますので怒らないでください」
元に戻せる薬をマリオネットの口元に注ぐと、
光が眩く輝き、マイコは元の人間に戻った。
「あれ、ばーやん、何でここに?」
「お前が危なくなったから助けに来た、文句あるか?」
「ない、です……。後、そこの店主さんは?」
「すみませんでした。多分、そこの店に飾ってある商品が全て元の人間に戻るはずです」
ほどなくして商品たちはマイコ同様、人間に戻り、ミナヅキは警察に捕まった。
こうして無事に事件は解決したのだが、しばらくはマイコが1人で街を歩けなさそうだ。周りがストップさせそうだから。
おしまい
マコです。マイコちゃんにとって最大のピンチのお話でした。
最終パーティーにどんどん近づいています。
相手もなかなかのやり手でしたが、見事に粉砕しましたね。
次はお化け達を題材にした話を書こうかと考えています。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【幼馴染は】暇だから幼馴染の女に安価でメールする【マジ化け物】
1:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:23:35.21 ID:108knMjBLcK
恋愛方面はナシで >>10
2:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:24:12.54 ID:Ah0ge/Mg@NE
暇人乙
ksk
3:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:25:09.14 ID:8Mta*GtEYoU
恋愛関係は駄目なの?
4:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:25:35.56 ID:108knMjBLcK
勘弁してくれ
5:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 11:26:01.92 ID:tM.dt_L0vE!
>>1
仲が悪いのかい?
6:名無しのトレーナーさん:2011/3/30(水) 11:27:35.59 ID:108knMjBLck
悪くはない
よくある腐れ縁だ
7:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:29:01.04 ID:Ah0ge/Mg@NE
リア充爆発しろ
8:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 11:29:47.16 ID:tM.dt_L0vE!
ksk
9:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:30:11.34 ID:8Mta*GtEYoU
kskst
10:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 11:30:56.41 ID:ArLgi@[Ha_i
>>1と幼馴染のスペックうp
11:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 11:30:57.01 ID:I_aM]OToMe!
今から家行っていい?
12:名無しの王様さん:2011/03/30 11:32:00.35 ID:tM.dt_L0vE!
>>10
GJ
13:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:32:00.35 ID:Ah0ge/Mg@NE
>>10
安価の意味わかってるか?
早くうp
14:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:35:46.72 ID:108knMjBLck
俺(男)
身長体重普通
トレーナー
幼馴染(女)
身長やや高め、顔まあまあかわいい、性格かわいくない
トレーナー(超強い)
こんなもんか?
15:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 11:36:57.10 ID:ArLgi@[Ha_i
いつからの知り合い?
16:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:37:21.29 ID:Ah0ge/Mg@NE
>トレーナー(超強い)
ここが気になる
17:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:38:12.62 ID:108knMjBLck
>>15
生まれた時から
親同士が知り合いだから
再安価>>21
18:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 11:39:57.48 ID:I_aM]OToMe!
幼馴染かあ
ロマンスとかはないの?
19:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:40:41.73 ID:108knMjBLck
>>18
勘弁してください
恋人とかマジありえん
20:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 11:42:05.92 ID:tM.dt_L0vE!
ボクの 全身からあふれる 幼馴染 への ラブ!!
21:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 11:43:18.39 ID:G_ee.e/Ci\s
ランチは何を食ったのだ?
22:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:43:47.05 ID:Ah0ge/Mg@NE
>>20
N乙
23:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:45:32.80 ID:8Mta*GtEYoU
>>21
割と普通だね
24:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:45:59.72 ID:Ah0ge/Mg@NE
そうか?ww
唐突過ぎだろwww
あと口調www
25:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:46:42.10 ID:108knMjBLck
>>21
送った
26:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:47:51.59 ID:108knMjBLck
返信早ぇwww
「突然どうしたの?笑
私はまだ食べてないよ〜おなかすいた〜(フォークとナイフの絵文字)」
安価>>32
27:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 11:48:41.01 ID:I_aM]OToMe!
早いwww
28:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 11:49:10.93 ID:tM.dt_L0vE!
これはもうランチに誘うしか
29:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 11:49:28.87 ID:ArLgi@[Ha_i
>>1がおごるんですねわかります
30:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:51:12.05 ID:108knMjBLck
ってか俺もう昼飯食ったしwww
腹いっぱいwww
31:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:51:30.55 ID:Ah0ge/Mg@NE
ランチおごってください
32:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 11:51:30.74 ID:I_aM]OToMe!
抱きしめていいですか
33:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 11:51:31.52 ID:ArLgi@[Ha_i
昼ご飯食べに来ない?
34:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:52:12.54 ID:Ah0ge/Mg@NE
>>32
ちょwww
35:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 11:52:49.15 ID:tM.dt_L0vE!
>>32
こwwれwwはwwww
36:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:53:50.29 ID:108knMjBLcK
>>32
何でそうなるんだよ!
恋愛方面はなしって言っただろ!
送った
37:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 11:54:59.20 ID:G_ee.e/Ci\s
GJ
お前は男だ
38:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:55:49.95 ID:108knMjBLcK
だから返信早ぇwww
「私の腕の中はペンドラ―の特等席だから駄目よ〜ん(^ω^)(ハート)」
安価>>44
39:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 11:57:05.91 ID:ArLgi@[Ha_i
そういえば>>1と幼馴染はトレーナーだっけ
40:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 11:59:53.29 ID:108knMjBLcK
そう
俺はまあそんなに大したもんじゃないけど
41:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:00:29.42 ID:Ah0ge/Mg@NE
そんなこと言って実は強いんだろ
わかってんだよ
42:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:03:28.40 ID:tM.dt_L0vE!
>>38
幼馴染って女の子だよね?
43:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:03:46.91 ID:108knMjBLcK
女だけどごついの好きなんだよ
かわいくねぇ
俺はもっとおしとやかな子が好みだ
44:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:03:47.06 ID:8Mta*GtEYoU
パーティーの編成は?
45:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 12:03:47.48 ID:ArLgi@[Ha_i
俺の特等席にしてください
46:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:04:50.16 ID:Ah0ge/Mg@NE
>>44
あーあ……
47:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 12:04:56.12 ID:G_ee.e/Ci\s
\(^o^)/オワタ
48:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:05:52.20 ID:8Mta*GtEYoU
ふえぇ……(´;Д;`)ゴメンナサイ
49:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:06:40.28 ID:tM.dt_L0vE!
再安価?
50:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:07:08.26 ID:108knMjBLcK
>>44
送った
51:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:08:52.96 ID:Ah0ge/Mg@NE
送ったのかよwww
52:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:10:52.40 ID:108knMjBLcK
こいつ多分携帯だと思うんだけど
どうやって打ってるんだろう早すぎだろ
「急にどうしたの?笑
私は今ペンドラー、サザンドラ、ダイケンキ、
ウルガモス、ゴルーグ、あとユニランだよ〜(*^^)
>>1は?」
相変わらずでした
安価>>62
53:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 12:11:00.48 ID:ArLgi@[Ha_i
ユニランwww
54:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:11:15.39 ID:tM.dt_L0vE!
ユニラン浮きすぎwww
55:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:11:16.28 ID:8Mta*GtEYoU
ユwwニwwラwwンwwwwww
56:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 12:11:53.03 ID:G_ee.e/Ci\s
ユニランマジ癒しwwwww
57:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:12:42.20 ID:Ah0ge/Mg@NE
っていうか彼女やる気満々だな(ユニラン以外)
あ、殺る気な
58:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 12:12:43.95 ID:I_aM]OToMe!
かわいいwwwwww
59:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:13:53.20 ID:tM.dt_L0vE!
ここから>>1のパーティーを考えるスレ
60:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:14:52.15 ID:8Mta*GtEYoU
かわいいのを集めようよ
61:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:15:02.12 ID:Ah0ge/Mg@NE
>>60
そこで対抗するのかww
62:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 12:16:26.35 ID:G_ee.e/Ci\s
俺のパーティーは
オタマロ、オタマロ、オタマロ、オタマロ、オタマロ、あとオタマロだ
63:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:17:29.91 ID:tM.dt_L0vE!
ちょwwwww
64:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 12:17:36.22 ID:ArLgi@[Ha_i
wwwww
65:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:17:42.19 ID:8Mta*GtEYoU
>>62
こ れ は ひ ど い www
66:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:18:59.17 ID:108knMjBLcK
お前らwww
俺に何の恨みがあるんだwww
送った
67:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:20:42.93 ID:Ah0ge/Mg@NE
>>66
GJ
68:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:21:54.75 ID:108knMjBLcK
返事来た
「何でそんなにオタマロばっかなの〜?笑
もしかしてジャッジ帰り?」
安価>>77
69:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:23:42.36 ID:tM.dt_L0vE!
ジャッジって何?
70:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 12:24:39.75 ID:G_ee.e/Ci\s
>>69
勝ち組と負け組を分ける職業
71:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 12:25:53.74 ID:ArLgi@[Ha_i
幼馴染→もしかして:廃人
72:名無しのトレーナーさん:2011/03/20(水) 12:27:54.56 ID:Ah0ge/Mg@NE
さあ>>1は早くオタマロを育てる作業に移るんだ
73:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:28:41.65 ID:108knMjBLcK
>>72
何でだよww
俺そんなにオタマロ持ってねぇよwww
74:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 12:29:05.52 ID:I_aM]OToMe!
夢特性もそろえるべき
75:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:29:38.71 ID:tM.dt_L0vE!
ポケモン使役(・A・)イクナイ!
76:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:30:51.20 ID:108knMjBLcK
>>75
プラズマ団乙
安価下
77:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:31:30.34 ID:Ah0ge/Mg@NE
何言ってるんだ
このオタマロたちはみんな丹精込めて育てた一級品だ
78:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:31:59.42 ID:8Mta*GtEYoU
>>77
ちょwwwww
79:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:32:21.92 ID:tM.dt_L0vE!
>>77
ねーよwwwww
80:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 12:32:45.87 ID:ArLgi@[Ha_i
>>77
GJwwwwwww
81:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:34:56.78 ID:108knMjBLcK
お前らwwwwwだから俺に何か恨みでもあるのかwwwwww
送った
82:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 12:35:59.92 ID:G_ee.e/Ci\s
>>77>>81
GJ
83:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 12:36:28.91 ID:I_aM]OToMe!
これは返信が楽しみww
84:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:36:51.28 ID:Ah0ge/Mg@NE
wktk
85:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:37:49.29 ID:tM.dt_L0vE!
wktkwktk
86:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:38:19.20 ID:108knMjBLcK
返信北
「マジで!?笑笑
すっごく気になるなぁ〜(*^^)
バトルしようよ?(爆弾の絵文字)」
( ゜Д゜)
(゜Д゜)
87:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:38:41.52 ID:Ah0ge/Mg@NE
>>86
こっち見んな
88:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:38:42.10 ID:tM.dt_L0vE!
>>86
こっち見んな
89:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 12:38:44.29 ID:G_ee.e/Ci\s
>>86
こっち見んな
90:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:40:21.23 ID:108knMjBLcK
いやいやいやいやヤバいって
アイツのガチパに勝てるわけねーってマジ強いんだからあの女
化け物レベルなんだってマジで
91:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 12:41:20.49 ID:ArLgi@[Ha_i
化け物レベルって言っても人間でしょ?
人間……だよね?
92:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:43:18.28 ID:Ah0ge/Mg@NE
>>90
たとえ相手が化け物レベルでも
トレーナーなら受けた勝負は断らないのが礼儀だろJK
93:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:45:21.81 ID:tM.dt_L0vE!
>>90-92
化け物って言うな!!
94:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 12:45:49.18 ID:G_ee.e/Ci\s
>>93
化け物
95:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:46:31.39 ID:108knMjBLcK
俺の幼馴染
・今まで負けなし
・ボックスいっぱいの卵を孵してもまだ足りないらしい
・こっちが出すポケモンがわかる(こっちが相性の悪い奴を出す)
・超強いポケモンもモンスターボールで捕獲
・1日中走り回っていても平気
・長時間潜水しても平気
その他もろもろ
96:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:47:21.19 ID:8Mta*GtEYoU
うわ……
97:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:47:29.38 ID:tM.dt_L0vE!
これはひどいww
超人とか言うレベルじゃないwww
98:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 12:47:38.25 ID:ArLgi@[Ha_i
幼馴染→もしかして:化け物
99:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 12:47:49.73 ID:I_aM]OToMe!
これは研究してみたいww
100:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:47:58.83 ID:Ah0ge/Mg@NE
100げと
これは仕方ないwwwテラチートwwwww
101:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 12:48:00.49 ID:G_ee.e/Ci\s
100げと!
どう見ても化け物です本当に(ry
102:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:48:52.60 ID:8Mta*GtEYoU
>>101
どんまい(´・ω・)
103:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:50:29.36 ID:Ah0ge/Mg@NE
まぁとりあえず
その相手と戦わなきゃならないんだよな
オタマロ6匹で
104:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:51:38.30 ID:108knMjBLcK
死ww亡wwwフラグwwwwwうぇwwwww
105:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 12:52:20.38 ID:ArLgi@[Ha_i
頑張って
応援してる
106:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:52:58.17 ID:8Mta*GtEYoU
まずはオタマロ捕獲だね
107:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 12:53:29.63 ID:I_aM]OToMe!
PDWにもいくよね?ね?
108:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:56:20.18 ID:108knMjBLcK
わかったよwwww
やりゃいいんだろやりゃwwwww
ちょっくら地獄を見てくるわwwwww
109:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 12:57:30.27 ID:tM.dt_L0vE!
>>1マジかっこいい
頑張れ!
110:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 12:57:51.29 ID:G_ee.e/Ci\s
>>1
骨は拾ってやる
存分に死んでこい
111:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 12:58:49.28 ID:Ah0ge/Mg@NE
111なら>>1はマジ勇者
・
・
・
・
・
300:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 17:43:29.23 ID:Ah0ge/Mg@NE
300げと c(゜Д゜cニニつ≡ズザー
301:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 17:47:29.12 ID:8Mta*GtEYoU
保守
>>1マダー?(・∀・ )っ/凵⌒☆チンチン
302:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 17:52:30.49 ID:I_aM]OToMe!
>>1は犠牲になったのだ……
303:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 17:53:29.81 ID:ArLgi@[Ha_i
>>1ェ……
304:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 17:55:44.19 ID:108knMjBLcK
ただいま
305:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 17:55:49.29 ID:tM.dt_L0vE!
キタ―――――――(゜∀゜)―――――――ッ!!
306:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 17:55:53.18 ID:8Mta*GtEYoU
>>1お帰りー!!
307:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 17:55:54.30 ID:ArLgi@[Ha_i
>>1キタ!
生還おめ
308:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 17:55:56.81 ID:G_ee.e/Ci\s
帰ってきやがったwwwww
309:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 17:55:57.73 ID:I_aM]OToMe!
>>1おかえり
生きてて何より
310:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 17:55:58.72 ID:Ah0ge/Mg@NE
保守って待ってた甲斐があったぜ
さあ早く報告を
311:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 17:56:29.42 ID:108knMjBLcK
なんにからいえばいいんだ
ちゅっと待っtw
312:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 17:57:15.31 ID:G_ee.e/Ci\s
>>311
おwwちwwつwwけwwwww
313:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 17:57:25.53 ID:8Mta*GtEYoU
>>311
焦りすぎwwwww
314:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 17:58:39.38 ID:tM.dt_L0vE!
>>311
>>1は こんらん している!
315:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 18:00:10.80 ID:108knMjBLcK
もういみわからん
どうなってんだ
勝った
316:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 18:00:14.52 ID:8Mta*GtEYoU
えっ
317:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 18:00:32.95 ID:ArLgi@[Ha_i
!?
318:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 18:00:45.28 ID:G_ee.e/Ci\s
( ゜Д゜)エッ
319:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 18:00:47.48 ID:I_aM]OToMe!
<◎><◎>!?
320:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 18:00:58.24 ID:Ah0ge/Mg@NE
>勝った
>勝った
>勝った
えっ
321:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 18:00:59.81 ID:tM.dt_L0vE!
( ゜Д゜)
(゜Д゜)
322:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 18:02:28.34 ID:108knMjBLcK
あれからすぐにオタマロ6匹用意して必死で育てて
それから幼馴染とバトルしたんだ
もちろん相手はあのガチパな
そしたら気がついたら勝ってた
323:名無しの博士さん:2011/03/30(水) 18:03:48.37 ID:ArLgi@[Ha_i
どういうことなの……
324:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 18:04:18.51 ID:8Mta*GtEYoU
>そしたら気がついたら勝ってた
>そしたら気がついたら勝ってた
>そしたら気がついたら勝ってた
325:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 18:04:52.29 ID:Ah0ge/Mg@NE
なあ、釣りだよな?
釣りって言ってくれ頼む
326:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 18:05:28.83 ID:G_ee.e/Ci\s
何が幼馴染は化け物だwww
お前の方が化け物だwwwww
327:名無しの王様さん:2011/03/30(水) 18:07:05.73 ID:tM.dt_L0vE!
ねえ、こんなの見つけたんだけど……
【オタマロ】さっき道端でトレーナーがバトルしてたんだけど【テラツヨス】
tp://pokemon151ch.net/ish/xxxxx/xxxxx.xxxx/?????????/xxxxxx/1-100
1:名無しのトレーナーさん:2011/3/30(水) 16:53:53.27 ID:0_tmr[SUgee
さっき道端でトレーナーがバトルしてたんだ
男と女で、女の方はサザンドラとか使ってた
で、男の方は手持ちが全部オタマロwwwwwバロスwwwwww
とか思ってたら、オタマロ使ってた男の方が勝ってた
どういうことなの……
2:名無しのトレーナーさん:2011/3/30(水) 16:55:48.71 ID:btUL=MyY0me
俺も見た
ユニランvsオタマロ超なごんだwww
3:名無しのトレーナーさん:2011/3/30(水) 16:56:59.81 ID:B@Tl=oRe_n0
何と言ういじめwww
と思ってたらいじめられてるの女の方だった
リアルに( ゜Д゜)こんな顔だったわ
野次馬たちも( ゜Д゜)こんな顔だったし
もちろん俺だって( ゜Д゜)こんな顔だった
4:名無しのトレーナーさん:2011/3/30(水) 16:58:52.39 ID:KEnk@\suNna
神がそこにいた
どういうことなの……
328:名無しの研究者さん:2011/03/20(水) 18:08:42.46 ID:I_aM]OToMe!
釣りじゃない、だと……?
329:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 18:09:05.29 ID:8Mta*GtEYoU
えっ
釣りじゃないの
えっ(゜Д゜)
330:名無しの外道さん:2011/03/30(水) 18:09:57.28 ID:G_ee.e/Ci\s
ちょっとオタマロ育ててくる
331:名無しの車掌さん:2011/3/30(水) 18:11:37.53 ID:Hi/JN[Tr@iN
今北産業
332:名無しのトレーナーさん:2011/03/30(水) 18:12:41.73 ID:Ah0ge/Mg@NE
>>331
このスレに
神が
降臨した
333:名無しの車掌さん:2011/3/30(水) 18:13:52.38 ID:HIjn[/tRaiN
>>332
えっ?
(執筆:2011/03/30)
春も近いというのに、夜は寒い。僕はコートの襟元をかき合わせながら路地裏を歩く。
店まであと数メートル。焦げたたれの匂いが鼻をくすぐる。お腹が空いた。
待ち合わせの焼鳥屋の前に着いた時、ちょうどあいつも道の向かいから現れたところだった。
「おう」
「やあ」
久方ぶりに会った幼馴染の親友と短い挨拶だけかわして、僕たちは寒い寒いとすぐに店へ入った。
この店は2階が個室になっていて、そこはタッチパネルで注文ができる。注文の間違いが減るし、人件費も削減できる。とても効率のいい便利なシステムだと思う。
親友はいちばん隅の部屋を迷いなくとると、さっさとタッチパネルを手に取って操作し始めた。
「俺はとりあえず生。お前は?」
「ファジーネーブル」
はいよ、と親友はタッチパネルを叩く。僕はメニューをテーブルに置いて、じっとそれを眺めている。
それにしても腹減ったなぁ、と親友はメニューをちらっとのぞきこむ。
「俺は純鶏とねぎまとつくね。お前は?」
「キモ。ズリ。ハツ。10本ずつ」
「内臓ばっかだなオイ」
「白ご飯」
「はいよ」
「あと軟骨の唐揚げ」
「それは必須だな」
サイドは適当に注文しておいていいか? と聞いてきたので、適当にうなずいておいた。
本当にいい奴だ、と思う。
わざわざ人を呼ばなくて済むこの店を選んだのも、僕がこの年にして重度の人見知りだから。
普通にカクテルを頼んでも何も言わない。男のくせに、とかビールにしろよ、とかぎゃいぎゃい言わない。
ツッコミはしても、無理やりメニューを変えさせたりしない。
お酒の席で先にご飯を頼んでも何も言わない。
子供の頃、物静かな僕を見て、周りの大人たちは僕のことを大人びた子、大人っぽい子、と言ったけど、それは違う。
静かだけどもわがままな僕より、小さな頃からやんちゃ坊主ではあったけど、黙って僕の意見を聞き入れてくれるこいつの方がよっぽど大人だ。
しばらくすると、生ビールとファジーネーブルと、お通しのほうれん草のおひたしが先に運ばれてきた。
とりあえず乾杯、と2人でグラスを打ち合わせる。2人とも一気に飲み干したりはしない。お互いそんなに強くないことを知っているからだ。酔いが回りすぎて会話も出来なくなるのはよろしくない。
少し酒を飲むと、2人とも空腹なので、すぐにほうれん草のおひたしに箸が伸びた。
おひたしがなくなってしばらくしたころ、最初に到着したのはご飯だった。続いてサイドメニューの一部が運ばれてくる。
だし巻き卵に大根おろしを乗せてしょうゆをかけていると、親友が話しかけてきた。
「俺たちが旅に出てから、もう10年も経つんだなぁ」
「そうだね」
だし巻き卵を食べる。ふわふわでうまい。しかし店員も、何も5つに切らなくてもいいのに。争いの火種になりかねない。
しかし戦争が起こる前に、最後のだし巻き卵を食べるか、シーザーサラダの上のポーチドエッグへの入刀許可を得るか、を選択する無言の条約が行われ、僕はポーチドエッグの黄身部分の3分の2を獲得することに成功した。
10年。考えてみれば長い年月だ。
僕が生きてきた半分程度の長さを占める。それは向かいの幼馴染にも同じことだ。
まあそれだけ経てば、あの頃の悪ガキどもがこうやって酒を酌み交わすくらいの年齢にはなるわけで。
10年。長い。
ようやく串焼きが運ばれてきた。僕は内臓だらけの皿を3つ受け取る。別に身が嫌いなわけじゃないけど、好きだから仕方がない。
キモにかぶりつく。程よい火加減で全くぱさついておらず、とろりとした食感だ。
「あ、ここのキモうまい」
「マジで? 1本くれ」
「つくね」
親友が自分の皿からつくねの串を1本渡してきたから、僕もキモの串を1本渡す。これが等価交換だ。つくねの方がちょっと単価高いけど気にしない。
本当だ、うまい、と親友も絶賛している。軟骨の入ったつくねもコリコリとした食感でうまい。そういえば軟骨の唐揚げまだかな。
何か酒頼むか、と言ってきたので、ソルティドッグを所望した。
「そういえばさ」
ハツの串に移ってモグモグしていると、親友が少し静かな声で言ってきた。
「覚えてるか? 俺らが小さいころにさ、町の女の子が草むらに入って大けがして……」
ぱぱぱっと、頭の中で即座にいくつかの光景が呼び出された。
僕は口の中の焼き鳥をよく咀嚼してから飲み込んだ。
「……ああ」
忘れるわけがない。草むらの中に入ろうとすると、あの日見たことが今でも頭の中にちらつく。
俺たちと同じくらいの年頃の女の子。髪の長い子だった。
その子は言いつけを破って、ひとりで草むらの中に入っていったらしい。
きっと運悪く、野生のポケモンの巣の中に入ってしまったのだろう。トレーナーにしてみれば大したことないポケモンたちでも、それがたとえ小さな身体でも、ポケモンもつれていない、力のない子供にとっては十分すぎるほどの脅威だ。
ポケモンは「モンスター」。他の生物と一緒にしてはならない。
町唯一の出入り口周辺では、町の人たちがみんな集まって大騒ぎになっていた。僕もそこへ行った。
大人たちに囲まれていたせいではっきりとは見えなかったけれども、人波のすき間から少しだけ見えた。
布のかけられた担架からだらりとぶら下がった、白くて細い腕。
串にはまだ4つ焼き鳥が残っている。
僕はそれを皿に置き、枝豆に手を伸ばした。
「正直、外に出る気が失せたな、あれは」
「でも何だかんだ言って外に行きたがってただろ君は」
「まあそうなんだけどさ。でもわかったね、みんなが外は危ないって言うのが」
外、というのは町の外のことだ。
ポケモンが自分たちの生活空間を闊歩するのは恐ろしいので、人の住む町は大体が塀で囲まれている。僕たちの生まれ故郷もそうだ。
塀の中は人の世界。塀の外はポケモンの世界。この世は割ときっちり区分されている。
枝豆をさやから出し、薄皮をむく。食べ始めると止まらないのが枝豆の困ったところだ。
「ポケモンの世界と、人間の世界。両方を渡り歩くために必要なのが、トレーナー」
「そういうことだな」
「何かかっこよくない?」
「かっこいいよな」
待ちに待った軟骨の唐揚げが来た。了承も聞かずにレモンを絞りかけたが、特に何も言われなかった。
取り皿にわけるということもせず、唐揚げの乗ったかごの上から2人とも直接箸で取って食べる。
気を抜くとすぐに相手に取られてなくなるので、2人とも無言でひたすら食べる。うまい。ご飯も進む。
最後の1つは親友が素早く取り去って口に運んだ。僕の恨めしそうな視線を浴びながら親友は言ってきた。
「なあ、後でバトルしようぜ」
「白ご飯もう1杯頼んで」
「あ、こら、話そらすな」
「『携帯獣取り扱いに関する法律』第3章第1節第47条」
「……『酒気を帯びている状態で、ポケモンを用いたバトル・移動をしてはならない』」
「5年以下の懲役または100万円以下の罰金。最近取締り厳しいよ?」
「わかったわかった。今日は諦めてやるよ」
そう言って、親友は2杯目のジョッキを空にして、タッチパネルを叩いた。
親友は、今はこの地方で知らない人はまずいないほどの有名なトレーナーだ。いろんな大会で優勝しているし、テレビや雑誌にも時々出ている。毎日毎日朝から晩まで挑戦者が絶えないとか。
一方、僕はそんなに積極的にバトルをする方ではない。大会とかもそんなに興味ないし、挑まれたらまあ戦うというくらいだ。
ちなみに、僕は別に弱いわけじゃない。というか、目の前のこの男にも一度も負けたことがない。ただ、そこまでバトルが好きじゃないっていうだけだ。
親友と会うのは数カ月か半年に1回位だけど、その度にこいつは勝負を挑んでくる。僕がそれに対応するのは5回に1回くらいだ。
そういえばしばらくバトルしてないなあ、と思いながら、僕はまた枝豆を食べる作業に戻った。
「なあ」
枝豆が殻だけになった頃、親友が話しかけてきた。
これもなぜか5つセットだった手羽先の最後のひとつにあいつが手を伸ばしたので、僕もすぐに手を伸ばした。必然的に手羽先の両端を引っ張り合うことになる。
「お前、いつ家に帰るんだ?」
手羽先が、関節でぶつっと2つに千切れた。
あれからもう10年、僕は故郷の土を踏んでいない。
塀の中に住んでいたころ、僕はずっと外に出たがっていた。
それでも、なかなか決心がつかなかった。
子供のころに町を出て行った人たちは、誰も帰ってこなかった。
そしてそれを思うたびに、僕の頭には、力なく垂れ下がった白い腕の映像がちらちらとちらついた。
外に出たら、戻れなくなる。
2度とこの町には、帰ってこられなくなる。
冗談でも何でもなく、僕は本気でそう思っていた。
もちろん大人になった今は、必ずしもそういうわけではないことはわかっている。
だけど。
「だめだよ。だめなんだ。僕はまだ帰れない」
人の世界の中で、僕にとって一番居心地のいい、僕が一番安らぐ、僕のいるべき場所。
それはきっと、僕の生まれたあの町、あの塀の中なのだろう。
だからこそ、僕は戻れなかった。
だって、あの場所に帰ったら。
「……もう二度と、外には出られないような気がするから」
親友が追加注文したオクラの串焼きとささみの梅シソ巻きと生ビール、僕が追加注文したぼんじりとかわとセセリ(各10本)と白ご飯がやってきた。
親友は勝手に僕の分の皿からぼんじりを1本持って行って(代わりに僕はオクラを皿ごと持って行ってやった)ビールと一緒に食べつつ言った。
「で、お前がその『帰ってこない人』になってどうすんだよ」
「……」
僕は幸せ者だ。数か月に1回といえども、こうやって親友と話をして、親友が僕の様子を母さんに報告してくれる。おかげで「消息不明」という扱いにはならずにすんでいる。小さい頃僕が、戻ってこない、と思っていた人たちと違って。
母さんはどんな様子だった、と僕が聞くと、親友はいつもこう答える。
『男の子は元気が一番、好きなようにやりなさい』って言っていた、って。
でもせめてよぉ、と僕が奪った皿からオクラを1本奪い取って、親友は言った。
「今の旅で何をしてるかくらい、お前の母さんに言っておくと喜ぶと思うぜ?」
俺もまだ聞いてないし、と親友はジョッキをぐい、と煽った。
そうだったなぁ、と思って、僕はカバンから古ぼけたノートのような物を取り出した。
「これ、覚えてる?」
「……当たり前だろ。懐かしいなぁ」
10年前、僕たちが旅に出た時、町の博士に頼まれたことがあった。
旅の途中で出会った、色々なポケモンの情報を集めて、1冊の『図鑑』を作ってくれ、と。
色々な場所を歩き回って、その時はどのページも真っ白だった図鑑に、色々なことを書きこんでいく。
姿、形、大きさ、観察してわかった習性や、旅をしている間に人から聞いた情報や噂話。
様々な情報を詰め込んでできたその『図鑑』は、子供だった僕たちがつくったにしては十分すぎるほどのものだった。
「昔さ、旅をしてる時に、ユンゲラーの話を聞いて、その情報を書きこんだんだ」
「『ある朝のこと。超能力少年がベッドから目覚めると、ユンゲラーに変身していた』っていう、あれか」
「そう。そんな話を聞いたから書いたんだけど、実はとある小説のネタだった、ってオチ」
うわ―懐かしいなー、と親友は息を吐いた。
「それ聞いた時は正直がっかりしたけどさ。でも思ったんだ。僕たちが書いてきたことで、他にもこんなことがあるんじゃないかなって」
「あるだろうなぁ。何せちょっとした噂話までこまごま書いてたからなぁ」
「今は、それをひとつずつ確認して回ってるんだ。この10年でポケモンの研究も進んで、今まで知らなかったことも増えてるから、それも付け足していってる」
食べ終わった後の竹串を刺す筒を見ると、もう刺す場所がなかった。全く、もっと大きいの用意しとけって。
ぼそっとそう呟くと、親友が「おかしいのはお前だ」と言ってきた。失礼な。
一応聞くけど〆に何か食うか、と聞かれたから、ここからここまで、とメニューのデザートの欄を上から下まで指でなぞった。
「まだまだ、調べることはいっぱいあるんだ。でも、目標があるから」
「目標?」
「うん。いつか、全部の情報を集めたら、生まれ故郷のあの町に、あの塀の中に戻って」
古ぼけた『図鑑』の表紙をなでる。
もう10年も持ち歩いてめくり続けているから、表紙もページもすりきれてぼろぼろだ。
「誰もが楽しんで読める、本当の『ポケモン図鑑』を作りたいんだ」
この『図鑑』は、僕が旅に出てから、ずっと記してきた記録。
塀の外へ出てからの、僕の足跡。
空になった皿が片づけられて、机の上にデザートが並ぶ。
各種アイスクリーム、シャーベット、白玉あんみつ、かぼちゃプリン、フルーツポンチ。さて、どれから手をつけようか。
「俺が小さい頃に読んだ漫画の中で、誰かが言ってたんだけどさ」
鮭茶漬けをすすりながら、親友が言ってきた。
いい匂いがする。やっぱりもう1杯ご飯食べればよかったかなぁ、と僕は考えた。
「旅っていうのは、帰る場所があるから旅なんだと」
空になった丼を置いて、親友が僕の頭をわしゃわしゃと撫でてきた。
「安心したぜ。お前がしっかり夢を持っててさ」
「ひゃべにふいからにゃでうにゃっへ、あいふほへう」
「よしよし、しっかり頑張れ。好きなだけ旅すりゃいいさ」
俺が言えることじゃないけど、と言いながら、親友は柚子シャーベットを勝手に持って行った。
「帰る場所があるんだから、満足したらいつでも帰ってくりゃいいさ」
とりあえず、柚子シャーベットはくれてやることにした。
店を出ると、来た時よりもずっと冷たい風が吹いてきた。寒っ、と、ボクと親友は同時につぶやき、コートの襟元をかき合せた。
酒を飲んで体も温まっていたというのに、ポケモンセンターへ行くまでに冷え切ってしまいそうだ。ああ寒い。
寒い寒い、と言いながら歩いていると、遠くの方に赤い提灯が見えた。
僕と親友は顔を見合わせた。
「……ラーメンでも食ってくか」
「賛成」
とりあえず、ラーメンを食べながら親友に提案してみるとしようか。
明日、久々にバトルでもしよう、って。
(執筆:2011/03/04)
男の子が生まれたのは、塀の中でした。
広い草むらを切り開いて作られたこの町は、周囲をぐるりと高い塀で囲まれておりました。
外の世界と繋がっている場所はふたつ。町の一番南にある海と、一番北にある道路だけでした。道路といっても人の行き来で出来たもので、青々とした草むらが生い茂っていました。
男の子は、生まれてから一度も草むらで遊んだことがありません。
草むらには、凶暴な野性のポケモンがたくさん住んでいるからです。男の子が草むらに入ろうとすると、大人たちはみんな慌てて止めるのです。
ポケモンは危険な生き物。草むらは怖いところ。そう言って男の子を叱るのです。
だから男の子は、生まれてから一度も町の外に出たことがありません。高い塀の向こう側をのぞいたこともありません。
塀は男の子の身長よりもずっと高く、一切のすき間もありません。町の外の世界を、男の子がその目で見る機会はありませんでした。
ひとが作ったこの町は、草むらに囲まれていても、ポケモンが入ってくることはほとんどありませんでした。
時々、空から飛んで来た茶色の小鳩や、どこからか迷い込んできたねずみの子供や青虫を見るくらいです。
男の子の一番の親友は、そんなポケモンを見ると、いつも喜んで駆け寄りました。その度、ポケモンたちは怯えて逃げていきました。
どうしてわざわざポケモンに近寄るんだろう、と男の子はいつも思っていました。
男の子の親友は言いました。
自分はいつかポケモンを持って、塀の外へ冒険に行くのだと。
でも男の子には、塀の外に出る気はありませんでした。
男の子は何人か、塀の外に出ていった人たちを知っています。
お父さんは、男の子が小さな小さな時に町を出ていきました。
男の子の親友のお父さんとお母さんも、町を出ていきました。
今まで何人も、ポケモンを持った大人の人が、塀の外へ出ていきました。
誰も帰ってきませんでした。
誰も帰ってこなかったのです。
親友のおじいさんは、有名なポケモン博士でした。
研究所で見たことや教えてもらったことを、親友はいつも楽しそうに話していました。
ここから少し行った草むらに、いろいろなものに変身できるポケモンがいるんだって。
隣の地方に、未来を見るポケモンがいたんだって。
遠い遠い場所に、夢を本当にしてくれるポケモンがいたんだって。
いつもいつも、研究所には知らないポケモンがたくさんいるんだよ。
親友は目を輝かせて話していましたが、男の子は特に興味が出ませんでした。
近くの草むらも、遠くの地方も、みんな同じ。
塀の中から出られない男の子にとって、いずれにしても行くことは出来ない場所だったからです。
外は怖いところ。
外は危ないところ。
ポケモンは危険な生き物。
それが、男の子の中では当たり前のことだったのです。
塀の外に出られなくても、男の子は満足でした。
町の中でも、親友とは楽しく遊べました。部屋に帰ればお母さんに買ってもらったゲームがありました。テレビもありました。本や漫画もありました。最新のパソコンもありました。
男の子はそれで幸せでした。
それで幸せだったはずなのです。
ある朝、男の子は胸の上にずっしりと感じる重さで目を覚ましました。
目を開けると、布団の上に黄色い塊が乗っています。よく見るとそれは、テレビや漫画でもよく見る電気ねずみでした。
男の子と目が合うと、電気ねずみは布団の上から飛び降りました。行き先を目で追うと、電気ねずみは男の子とは違う人に飛び付きました。
部屋の中にいたのは、男の子が知らない人でした。男の子より少し年上で、男の子のお気に入りの赤い帽子と同じものを被った少年でした。
君はだあれ、と男の子が尋ねると、少年は何も言わず、男の子に向かって手招きして、部屋を出ていきました。
男の子は慌てて着替えると、少年の後を追いました。
少年は、男の子の家の前で待っていました。
男の子が来ると、少年はまた手招きして歩き出しました。男の子も後を追いました。
町の中心から外れた、人の気配がないところで、少年は立ち止まりました。
目の前には、一羽の小鳩がいました。町を取り囲む塀を飛び越えて、迷い込んで来たのでしょう。
少年は小鳩に近づきました。小鳩は逃げる様子を見せません。少年は腰を下ろして、小鳩の背を優しく撫で始めました。こわくないの、と男の子は尋ねました。少年は、怖くないよ、というように、笑って首を横に振りました。
少年はそっと小鳩を抱えあげると、男の子の手に乗せました。男の子は身体を強ばらせましたが、小鳩は男の子の手の上でもぞもぞと動いただけで、逃げることも襲ってくることもありませんでした。
男の子は、生まれて初めてポケモンに触りました。
ふわふわとした羽毛の温かい手触りが、男の子の手に伝わってきました。
それから毎日、少年は男の子の家へやってきました。
少年はこの町のことをよく知っているようで、毎日違う場所へ男の子を連れて行きました。
町の中にポケモンが迷い込んでいると、少年は必ずそこへ行きました。
ポケモンがいないときは、少年は自分のポケモンを男の子に見せました。電気ねずみの他にも、大きな花を背中につけた緑のカエルや、大砲を背負った青い亀、翼の生えたオレンジのトカゲなど、少年はいろいろなポケモンを持っていました。
少年のポケモンには大きくて怖そうなのもたくさんいましたが、ポケモンたちはみんな男の子や少年に優しく接し、少年もポケモンたちと触れ合うときは楽しそうな笑顔を浮かべていました。
いつしか、男の子は少年と出かけるのが楽しみでしょうがなくなっていました。
少年は毎日いろいろなところへ連れて行ってくれましたし、いろいろなポケモンを見せてくれました。男の子の知らないことを、たくさん教えてくれました。
町の中で、男の子が行ったことがないところはすっかりなくなった頃でした。
いつものように、男の子は少年に連れられて歩いていました。今日はどこへ行くんだろう、今日は何と出会うんだろう、と男の子はわくわくしていました。
着いたのは、町の一番北にある塀の切れ目でした。
男の子がぽかんとしていると、少年はざくざくと草むらを超えて、道へ出て行きました。
塀の外で、少年は男の子に向かって手招きしました。
男の子の心臓がどきんと跳ねました。それはとても魅力的なことに思えたのです。何より、男の子は少年にずっと着いて行きたいと思っていました。
しばらくじっと考えた後、男の子は首を横に振って、行けないよ、と言いました。
どうして? というように、少年は首をひねりました。
外に出ると、帰ってこられなくなるもの。
男の子がそう言うと、少年は悲しそうに笑いました。
気がつくと、少年の姿は消えていました。
淡い桃色の煙が、うっすらと周りに漂っていました。
次の日、男の子の家に少年は来ませんでした。
次の日も、その次の日も。
少年が男の子の前に現れることは、二度とありませんでした。
少年の足跡をたどるように、男の子は毎日町の中を歩き回りました。
一緒に行ったところ。野生のポケモンと出会ったところ。ポケモンを見せてもらったところ。
場所をたどれば、いつか少年に会えるんじゃないか。男の子はそう思いながら、毎日毎日少年の影を探していました。
町の中を歩いていたある日、親友に出会いました。男の子が少年と一緒に出かけていて、しばらく一緒に遊べなかったので、親友は少し怒っているようでした。
何やってたんだよ、という親友に、男の子は、電気ねずみを連れた人と遊んでた、と言いました。親友は首をひねって、そんな人間この町で見たことない、と言いました。
そんな話をしていると、どこからか迷い込んできたのか、小さな紫色の子ねずみが二人の前を横切りました。親友がとびかかるより先に、男の子は子ねずみの近くへ行き、そっと抱きあげました。
ポケモンは嫌いじゃなかったのか、と驚いた親友が聞いてきました。男の子は、前は興味なかったけど今は好きだよ、と子ねずみの頭を撫でながら言いました。
親友はぽかんとした顔で、男の子と子ねずみの顔を何度も見比べました。
それからもずっと、男の子は少年の足跡をたどりました。
でも、どこへ行っても、赤い帽子の少年の姿も、黄色い電気ねずみの姿もありませんでした。
それでも毎日、男の子は少年を探し続けました。
ある夜、お母さんが男の子に、親友のおじいさんが呼んでいたわよ、と言ってきました。何か渡したいものがあるそうです。明日行くよ、と男の子は答えました。
テレビをつけると、昔の映画をやっていました。男の子より少し年上の男の子が4人、線路の上を歩いていました。
それを見ていると、お母さんは男の子に、ポケモンは好き? と聞いてきました。町に迷い込んできたポケモンを撫でていたのを、男の子の親友から聞いたようでした。
男の子はうなずきました。すると、お母さんは寂しそうに笑いました。その顔は、少年が男の子に最後に見せた顔と少し似ていました。
テレビの話だと思っていたんだけどね、と言い、お母さんは男の子をぎゅっと抱きしめました。
そうね……男の子は、……。
男の子に話しかけるお母さんの声は、少し震えていました。
男の子は、柵の切れ目の前にいました。
この町でたどった少年の足跡は、もうすべて行きつくしてしまったのです。残っているのは、もうここだけでした。
青々と茂った草むらは、入ろうと思えばすぐに入れました。しかし、男の子はずっと決心がつきませんでした。
男の子はわかっていたのです。
本当は、町の中での生活に満足していなかったことを。
本当は、外の世界にずっと憧れていたことを。
本当は、いろいろなポケモンと仲良くなりたかったことを。
本当は、この塀を乗り越えて、広い世界へ旅立って行きたかったことを。
そして、あの少年が、自分が夢に見ている、憧れの未来の姿だということを。
男の子は怖かったのです。
もうこの町には戻れないかもしれない。お母さんにも、親友にも、二度と会えなくなるかもしれない。周りは知らない人ばかりだ。ポケモンに嫌われたらどうしよう。けがや病気をしたらどうしよう。自分は外の世界のことを何も知らない。
塀の中では、何の不安もありませんでした。塀の中にいれば、きっといつまでも幸せに暮らすことはできたのです。
でも、自由はありませんでした。
男の子は塀の外を見ました。先には草むらが広がっています。何人もの人が通ってできた道が、遠くの方にぼんやりと見えます。
あの道は、たくさんの人が通った足跡。
自分も、あの道に足跡を残すことができるだろうか。
男の子は、草むらに一歩足を踏み入れました。初めて踏んだ草むらは、思ったより柔らかく、さくり、と心地よい音をたてました。
その時、突然大声で男の子を呼ぶ声が聞こえてきました。男の子のところへ駆け寄ってきたのは、親友のおじいさんのポケモン博士でした。そう言えば呼ばれていたなあ、と男の子は思い出しました。
怒られるかな、と男の子が思っていると、博士は笑って言いました。
「こちらもポケモンを持っていれば戦えるのだが……そうじゃ! ……ちょっとわしについて来なさい!」
そうね……男の子は、いつか旅に出るものなのよ。
行ってらっしゃい、塀の外へ。
(執筆:2010/12/25)
いずれ本館に並べられるであろう作品たちの一時保管書庫のようなもの。
軽い気持ちで書いたものを追加していく予定。
(2011.05.10 初回整理)
(2011.10.15 「幼馴染にバトルサブウェイに強制連行されているんだが」追加)
(2015.08.25 「薄膜の上の誰かへ」追加)
「わー!!寝坊した」
走る。俺はベッドを飛び起き、服を着替え、飯も食わずに家を飛び出した。目指す場所は、町の、研究所。
「博士!博士!」
研究所に飛び込むと、一番奥で白い服を着た博士がいつも険しい顔を更に険しくし、仁王立ちで俺をにらめつけていた。うっ、やばい。マジでやばい。
今の状況を説明すると、今日は俺のポケモントレーナーとしての旅立ちの日であり、この目の前の博士は俺にポケモンをくれるであろう人であり、俺とこの博士の仲はなかなか悪いのであり、更にその悪さに追い討ちをかけるように俺は寝坊してしまったのである。
……俺のポケモントレーナー人生終わったかもしれん。
「あの……すみません」
「……」
目の前の博士は黙ったまま、俺を睨み続けている。何か言えよ、じじぃ!とは言えない。じ……博士は微動だにしない。眉一つ動かさず、立ったまま死んでるんじゃというまでに動かない。
とにかく、俺は謝ることにした。めちゃくちゃ謝った。超謝った。研究所の人の視線が痛いが気にしてられる状況でもない。すみません、ごめんなさい、本当にすみません。あと少ししてたら、俺はきっと土下座をしていたに違いない。幸い、膝を地面につける前に博士は一声を発してくれたのである。
「……言いたいことはたくさんある、が。持ってけ」
そう言って博士は一つのモンスターボールを俺に差し出した。机に残っていた最後の一つ。きっと、残りは友達とか友達とか寝坊しなかった友達とかが持ってったに違いない。寝坊せずに選んだ方がよかったかなぁなんて思いつつ、俺は恐る恐るそれを受け取って中心のボタンを押した。
赤い光がほとばしる。赤い光は集まって、一つの影となり、そのポケモンは姿を現した。
ジジィィーン。
黄色い体、糸のように細い目。長い尻尾。座ったまま動かない身体からすーすーと声が、あれ……寝息?
「お前のポケモンじゃ」
確か家にあった図鑑で見たことがある。一日中寝ているポケモン。敵に襲われたら寝たままテレポートして逃げるポケモン。一切の攻撃手段を持たず、テレポートしかできないポケモン。
ケーシィ。
「……」
「これが、お前のはじめてのポケモンじゃ。大事にするがいいぞ」
いつもは険しいその顔に若干優しさのようなものをにじませて、博士はゆっくりと言った。
俺の……はじめての……ポケモン……。
って。
「かっこいい面してんじゃねぇじじぃ!!ケーシィだけで……どうやって戦っていけって言うんだよ!?あの、コイキングですらたいあたりくらい覚えてるぞ!」
「うるせぇ!寝坊してくるやつがピーチクパーチク言うんじゃねぇ!もう他にポケモンがいなくなってしまったから仕方なくわしの愛弟子をお前に預けよう言うとるんじゃ!文句があるなら、生身で草むらに入って襲われでもするんじゃなぁ!」
寝坊、そこを出されると俺はもう何も言えない。しばらくにらみあいを続け、俺はケーシィをボールに戻し、全速力で走り出した。
「覚えてやがれじじぃ!」
「なんとでも言え小童が!」
……こうして、俺の旅は始まったのである。
「あれ ――くん。 ポケモン だいぶ なついて きた みたいだね
よし わたしが バトルで ためして あげる!」
うおぉぉぉぉぉ!!ケーシィで……テレポートしか持たないケーシィで、まともに戦えるポケモンを持った幼馴染にどうやって勝てって言うんだよちくしょうーー!
と、こころの中で叫んだ瞬間には、俺の視界は真っ暗になり、いつのまにかポケモンセンターにいたのである。まぁ、いい。モンスターボールを買いに行こう。 まぁ、あれだろ。モンスターボール買って、草むらのポケモン捕まえればなんとかなるだろ。
と思った数分後。
幼馴染倒さなきゃ、モンスターボール販売されねぇのかよぉぉ……。
もういい。俺は進む。がむしゃらに進めば、道は見えるさ。何とかな
「あれ――くん。 ポケモン だいぶ なつ」
「うるせえぇぇぇぇ!!!」
数十秒の沈黙。
「……もぅ。私も私の仕事をしてるんだけどー……」
「うるせぇやい……ケーシィだけで、どうやって勝てって言うんだよばかやろおぉぉ……」
幼馴染があごに指を当てて「うーん」と声を漏らす。俺は体育座りをし膝の間に顔をうずめ、地面にの、の、の……。
「あ、そだてやに行ったらいいんじゃないかな。そだてやに行ったら育ててくれるよ」
「マジでか!よし、ケーシィ行くぞ!」
数日後。
暗い森を超え、道を塞ぐ悪者の目を盗んで道を突き進み、そして、なんとか念願のそだてやに辿り着いた。
「よし、強くなってこいケーシィ!」
「ジジィィィ!!」
「ここはそだてや おまえの ぽけもんを おまえさんの かわりに そだててあげるよ」
「このケーシィを宜しくお願いします!」
「……。いや、おまえさんの戦うポケモンがおらくなるじゃろ……」
「え、だめ!?だめ!?大目に見てもだめすか!」
……。
「ごめん、あたしが言い忘れてたわ」
「お前なぁ!レベル1のケーシィとここまで来るのにどれだけ苦労したと思ってんだ!」
「あ、じゃあバトルタワーは?BPためてふしぎなあ」
「BPたまんねぇだろ!」
「ポケウォーカーに入れるってのは?あが」
「だから、一体しかいねぇんだよ!」
「じゃ、ポケスロンでスロンポイン」
「だから、一体しかいねぇって言ってんだろ!!」
うーんと唸る幼馴染。しばらく唸って、手のひらを叩き、笑顔で
「ものひろいとか!」
「モンスターボールがねぇんだよ!!」
あぁ、もうちくしょう。俺は全然駄目だよ。違法ルートで道を突き進んできたけれど、ジムリーダーどころかトレーナー一匹倒しちゃいない。いや、トレーナー一匹どころかポケモン一匹すら……。
ケーシィの黄色い頭を撫でる。ごろごろとまるで猫のようにケーシィは喉を鳴らした。
強いポケモントレーナーになることが夢だったけど、別にポケモントレーナーじゃなくてもケーシィといることは出来る。出来る、けど
「……」
「あー……、じゃあさ、博士にもう一度謝ってみたら?でさ、ポケモン変えてもらえばいいじゃん」
変えてもらう。確かに時間をおいた今なら許してもらえるかもしれない。あのときもらえるはずだった、三色のポケモンがもらえるかもしれない。そしたら、おれもトレーナーになることが出来て、幼馴染を倒して、モンスターボールを買って、新たなポケモン達と旅が出来るかもしれない。でも――
俺は立ち上がった。立ち上がり、早足で歩き始めた。え、なに?と俺を不審そうに見つめる幼馴染をおいて歩き始めた。
俺とケーシィじゃすぐにやられてテレポートで逃げ帰ってくるに違いない。その場で二人、倒れてしまうかもしれない。だから――ケーシィじゃなきゃ駄目なんだ。
理由はともあれ、共に苦労してきた相棒。初めてのポケモンだから。
あいつのおかげで目が覚めた。俺は何をぐだぐだ言ってた?あきらめて、ケーシィと他のポケモンを交換して、足を進めて何が出来るんだ。何も出来ない。ケーシィをあきらめたという挫折ではじめるトレーナー人生でいいのか。よくない。
俺に、やれることはまだまだあるだろう。
ケーシィがふよふよと後ろから着いてくる。首を微かに縦に振り、ジーィと微かに鳴いた。
数年後。
「フーディン、サイコキネシス!ドンカラスはゴッドバードっ!」
翼を広げた黒い影が相手のキノガッサに激しくぶつかる。キノガッサはダメージをくらったようだが、ふらふら。そこにフーディンのサイコキネシスが追い討ちをかけ、ぐるぐると目を回して戦闘不能状態。
「おっしゃ!よくやった!」
周りの歓声がスタジアムを包み込む。スタジアムの真ん中で俺のはじめての相棒――フーディンは得意げにスプーンを曲げ、髭を揺らしていた。
あれから、なんやかんやあって、とあるまちでとあるおじさんにサイコキネシスのわざマシンをもらった。サイコキネシスはエスパータイプのわざのなかでも高威力なわざ。これで、俺とケーシィの長い長い旅も次のステップに進むぜ!なんて思ったら
「この わざは もう おぼえているよ」
なん……だと……!!!
「おいじじぃ!いや、オキード博士様!これはいったい……」
「なんじゃ、お前。今更気づいたのか?そのケーシィはわしの愛弟子。リトルカップに出そうと、大事に育てておったやつじゃよ。サイコキネシスくらい、親の譲り技で覚えとるわい!」
ポケモンが一匹しかいないからって一度もパソコンを触らなかった俺にも原因がある。あるが。
「それをはじめに言ってくださいよ……」
「何が、はじめに言えじゃ!戦えないようなポケモンを渡すわけがなかろうが!!」
なんだか笑ってしまう。俺と、ケーシィのあの努力はなんだったのか。いや、ケーシィも使えるなら使ってくれればよかったのになぁ……。
だが、そう。あの時のこと、今は笑える。でも、あの時は笑いも出来なかった。どうしようか毎日考えて失敗して、でも、あれはあれでどこか楽しかったような気もする。
相手の最後のポケモンであるキノガッサを倒し、俺は相手のトレーナーと握手を交わした。相手トレーナーの後ろに佇む、大きな扉。次の――四天王はどんな人で、その先には何があるのか。
どきどき、はらはらしながら扉を押すこの瞬間に、初めての相棒、お前が隣に居てくれて、よかった――。
天気のいい日は風が吹きます。風が吹くと言っても風力発電の出来るような元気な風ではありません。木々をざわめかせ、花を揺らす、そんな穏やかな風がここには吹きます。
そんな日はいつも住んでる小さな暗い洞窟から外へ出て、洞窟のてっぺんに座ります。高いところに居た方が多くの風にあたれる――そんな気が、するのです。
ハローハローこんにちは
ハローハローこんにちは
風は森の浅い方へ、にぎやかな街の方へ向かって降りていきます。
わたしは頑張ってこえを出しているけれど、わたしのこえを聞き取ってくれるポケモンはそんなにいません。小さい頃、一緒に暮らしていたバクオングおじさんが一番わたしのこえを聞いてくれたけれど、バクオングおじさんが居なくなってしまってから、わたしのこえを聞いてくれるポケモンはいませんでした。
だから、こうやって風の吹く日にこえを出していると、自分のこえが風に乗って誰かに届いたりするような気がして。わたしは風の吹く日にこえを出すのです。
届くわけがないじゃないか。何をやってるんだ。
そう言ってわたしを笑うポケモンはいません。いや、もうこの近くに住んでいるポケモンはいません。みんな、わたしのせいでここを離れてしまいました。
昔のじぶんはひどくおくびょうでした。暗闇は怖くなかったけれど、突然起こること全てが怖かったのでした。石につまずいたり、物が落ちてきただけでわたしはそれをひどく怖がり、しばらくの間泣き続けました。
自分の泣き声の大きさは自分では分かりません。自分はとても大きな声で泣いている、そう気づいたときにはもう遅かったのでした。一番最初に姿を消したのは洞窟に住んでいたズバット達。彼らはとても耳がいいので、わたしの泣き声は彼らにとって十分な恐怖に値するものだったのだろうと思います。他のポケモン達も最初は泣き出したわたしを泣き止ませてくれたり、泣かないように一緒に特訓してくれたり、本当にやさしかった。けれど、結局はわたしの泣き声にあきれて姿を消してしまいました。
ここに住むのは、わたしだけになっていました。
最初は悲しくて、わたしはずっと泣き続けました。みんながいなくなってしまったのも悲しかったけれど、おくびょうな自分であることがそれ以上にもっと悲しかった。こんな些細なことで泣いてしまうわたしなんか大嫌いだった。泣きつかれたら、眠って、眠りが覚めたら泣き続ける。そんな暮らしをしていたけれど、この泣き声のせいでみんないなくなってしまったのなら、泣かなきゃいい。泣かなかったら、きっと帰ってきてくれる。そう気づいて、わたしは泣くのをやめました。一人で暮らせば、他人の行動によって驚くことがないので泣くことはなくなりました。
けれど、泣くのをやめて、長い時間が経っても誰も帰ってきませんでした。
そこで、ようやく気づきました。もう、だれも帰ってこないんだって。
内気なわたしに外に出る勇気はありませんでした。外に出て、新しいポケモンと仲良くなっても、またそこで一人ぼっちになっちゃうんじゃないか。そんな思いが踏み出す足を止めました。
そんなわたしが始めたことは、風と一緒に呟くことでした――。
今日も天気がいいです。今日も風が吹きます。
わたしは洞窟のてっぺんに座って、太陽の光をいっぱいに浴びながらこえを出します。
ハローハローこんにちは
ハローハローいい天気ですね
口を閉ざせば、聞こえるものは微かな風の音だけ。誰からも返事はないんです。もう慣れました。もう慣れたはずなのに、涙が溢れようとするんです。泣いちゃだめ、わたし。
ワタッコの胞子のように、形を持ってこえも風に乗ればいいのに。やまびこのように、すぐに返事がかえってきたらいいのに。
無駄なことなのかもしれません。ばかなことをしているのかもしれません。それでも、わたしは黙ってはいられないのです。涙声ともとれるようなこえでこえを出し続けます。だって、こえを出すのをやめてしまえば、きっと泣き続けてしまう気がするのですから。
ハローハローこんにちは
ハローハロー……
わたしはこえを出すのをやめました。今、今目の前の草むらが揺れた気がしました。こえもしました。きっと、ニンゲンのこえです。
草むらをかきわけ、現れたのはニンゲンの男の子でした。傍らには強そうなグラエナが一匹。わたしは身構えました。バクオングおじさんの言っていたことが頭の中によみがえります。ニンゲンはポケモンを使ってポケモンを襲う。男の子の目がわたしを見ました。グラエナがわたしを見て大きく一回吠えました。きっと、あのニンゲンはわたしを倒すつもりです。
男の子がわたしを見たまま、わたしに近づいてきます。わたしが一歩後ろに下がると、男の子はなぜか足を止めました。
「君の、――こえだったんだね」
男の子がわたしを見て、にっこりと笑いました。わたしは恐る恐る洞窟のてっぺんから降りて、男の子を見ました。
「ずっと、ずっと聞いてた。天気のいい日、風に乗ってくる、こえ――」
わたしは泣きそうになりました。わたしのこえを聞いてくれている人がいました。ちゃんと、聞いてくれる人がいました――。目が熱くなって涙が溢れました。涙が頬をつたって地面に落ちました。
でも、泣いちゃだめ。泣いたら、また、一人ぼっちだから。
男の子がわたしにゆっくりと、近づいてきます。わたしは涙を流しながら、溢れそうになるこえを、こらえました――。
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