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> こんにちは。ふにょんさん。
> いつも感想ありがとうございます。
期待してますよ……
> とうとうバチュルを進化させる日がきました。
> (オオバヤシ「俺の意思だけで進化させたわけちゃうけど」)
> 私のホワイトバージョンでの主力でもあるデンチュラは、早々とレベル34で進化させちゃったので、96まで進化させてないってのはすごいと思います。
このバチュル……いつのまにか変わらずの石持ってやがるっ!
↓そのほかにも進化させずに高レベルシリーズ。
イーブイ Lv86 ♀ 理由はバチュルと同じ。 イーブイズの♀は珍しいらしい。何でも7:1の確立だとか。
フタチマル Lv76 ♂ タイケンキ? 倦怠期? ナニソレ。
ガーディ Lv99 ♂ 炎の石がなかっただけ。
他にもニャルマー、コリンク(ルクシオ)、ロコン、その他。
特にルクシオは100になっちゃってるという。
ただの自慢になりかけてるのでこのくらいに。
> 実は返信が遅れた理由が、4年ぶりに風邪をひいたということはないしょです。
> 今はぴんぴんしてますよ!!
エルフーン先生が治しに行ってあげたのです。(違
お大事に。
> あまり書くとネタバレになりかねないので、書きづらいのですが・・・、ポケモンそのものではなく、マイコちゃんは、デートを口実にしてプレゼントを明らかにしようと考えているのです。
> 策士というか、なんというか。
マイコちゃんとマコさんの名前……関連性はっ!?
【期待なのよ】
【風邪にご注意なのよ】
こんにちは。ふにょんさん。
いつも感想ありがとうございます。
とうとうバチュルを進化させる日がきました。
(オオバヤシ「俺の意思だけで進化させたわけちゃうけど」)
私のホワイトバージョンでの主力でもあるデンチュラは、早々とレベル36で進化させちゃったので、96まで進化させてないってのはすごいと思います。
実は返信が遅れた理由が、4年ぶりに風邪をひいたということはないしょです。
今はぴんぴんしてますよ!!
あまり書くとネタバレになりかねないので、書きづらいのですが・・・、ポケモンそのものではなく、マイコちゃんは、デートを口実にしてプレゼントを明らかにしようと考えているのです。
策士というか、なんというか。
(追記)
ジラーチと七夕バースデーのマイコちゃんによる数日間のお話を今、頭の中でちょっと作ってます。男性キャラも出ますけど。でもただ、敵とのバトルシーンが、とんでもなくこれまでのポケリアより壮大すぎて自分で(大丈夫かな・・・)とか不安です。
いけない、長編板を定期的に巡回するクセがついていないので危うく見逃すところでしたー(^^;
小樽でございます。拝読させていただきました。
> この絵、チュリネに色がつく。今まで白黒だった私の絵に色がつく。それだけで放課後がとても楽しみだった。
彩色(マスキングテープはやったことがないので;)するときのワクワク感、私はあまり絵が描ける人ではないですけれど、分かりますねー。
失敗したらどうしよう、なんて焦りも度々感じていますけれど(笑)
> このあと、ポケモンとマスキングテープがどのように絡んでいくのか、ちょっと自分でも行き当たりばったりな気がしてなりませんが、頑張ろうと思います。それなりに。
私も行き当たりばったりなんてちょくちょく(^^; ……え、私の言葉じゃ参考にならないって?(笑)
とにもかくにも、連載、気楽に頑張ってくださいね(^^*
「マスキングテープ絵師・風間深織」のはじまりにあったおはなし……と考えてしまうのはやっぱり野暮ですか(´・ω・`)
{デジタラー}
パソコンで絵を描く人、ふにょんが通りますよ。
家にはスキャナーがないので、どーしてもデジタルで描かなければいけませんが、(ペンタブすらないのでALLマウス描き。
でも結構楽しかったr(ry
じょーずにかける人がうらやましいです。はい。
ふにょんは、いくらやっても、 デジタル>アナログ なので……
特訓して出直して来ます。
結論。
あなた>>>シロガネ山>>>テンガン山>>>ふにょん
越えられない壁が二つも!
上手にかける日は来るのでしょうか。不安だ。
ポケットモンスター、縮めてポケモン。この世界にはいたるところに多くの種類のポケモンが……
棲んでいない。
ポケモンが生物で生きていられるのは、縦と横の二次元の世界。私たち人間はテレビやパソコン、ゲームの画面の中でしか動くポケモンを見ることができない。少なくとも私はそんな世界に生きている。
今ではこんなにひねくれている私も、十歳になったら博士からポケモンを貰って旅に出ることを夢見ていたし、各地のジムを回ってポケモンマスターを目指すつもりでいた。でも、当時私よりも随分と年上だったサトシはいつまでも十歳のまま。そんなこんなで私はいつしか十歳を超えていた。自分にポケモントレーナーの素質がなかったから博士が私にポケモンを渡すのをやめたんだと本気で悩んだ事もあった……今では完全な黒歴史だが。
そして、私はやっと気がついた。ポケモンはこの世界には存在しない。ポケモントレーナーも、ポケモンマスターも、存在しないんだ……と。私は気がつくのが遅すぎたせいで、夢と希望を失い、この世界に絶望した。なんてつまらない世の中なんだろう。この先、なんとなーく勉強して、なんとなーく就きたい職業を見つけて、なんとなーく働いて、なんとなーく死ぬのか。そっか、そっか。この世界ってこんなにつまらなかったんだ。
そんなこんなで私は今、普通に中学校に通っている。授業なんて聞かずにひたすらポケモンの絵を描いて、部活に入らずに家に帰り部屋でポケモンとこんにちはしてゲームの世界にダイブする。これで成績が悪かったらお母さんも何か言うんだろうけど、あいにく私はそんなに頭が悪いわけでもなかった。
ある日の昼休み、クラスの女の子たちが「あの子カッコイイよね」とか「昨日のドラマ見たー?」「見た見た! 面白かったよね! あのシーンで……」とか言ってる中で、私はやはりポケモンの絵を描いていた。あまりに集中していたため、前の席の子が後ろを振り向いて私のことを見ていることにさえ気がつかなかった。時計を確認しようと前を向いたとき、私はその子と目が合った。そりゃもうバッチリ。ビックリしすぎて少しの間目が逸らせないくらい目が合った。
「いつもポケモンの絵、描いてるよね?」
「えっ、あっ、うん」
「それでいつも色は塗らないよね? どうして?」
そう、私はいつも絵に色を塗ることをしなかった。なんというか、色塗りが苦手なのだ。水彩やコピックに挑戦したこともあったが、ことごとく失敗し、せっかくの絵をめちゃめちゃにしてしまったこともある。それからというもの、絵に色を塗ることがなかったのだ。
でも、どうして彼女がそんなことを知っているのだろう。もしかして、私が気づかない間に私のことを見ていたのだろうか。でも、確かに私は絵に集中すると周りが見えなくなる。今日目が合ったのもいい例だ。
「あの、えっと、色を塗るのが……苦手で」
同年代の子と話すことが少ないせいか、会話をしようとすると究極にテンパる。顔が赤くなってるのが自分でもわかる。あー恥ずかしい!
「あのさ、マスキングテープって知ってる?」
「マスキング……テープ?」
「うん。色のついたテープなんだけど、それを貼ったらいいんじゃないかなぁと思って」
「貼る?」
「うん」
絵に、テープを貼る。そんなこと、考えたことがなかった。確かに私は手先が器用だし、テープを貼るくらいならできそうだ。
彼女は私の顔を見てにっこり笑うと、こう言った。
「ねぇ、あのさ、今日ヒマ?」
「えっ」
「私、今日ヒマなの。だから、家に遊びにおいでよ。マスキングテープいっぱいあるよ」
「でも……」
「私がヒマなの!」
彼女は大分強情で、私が返事をする前に彼女の家に行くことが決定してしまった。よく考えてみたら、中学生になってから誰かの家に遊びに行くのは初めてかもしれない。
「私、春風鈴(はるかぜ りん)。よろしくね」
「えっと、私は佐藤小雪(さとう こゆき)、です」
「よっし、じゃあ放課後学校の前の公園に集合ね! 絶対くるんだよ?」
「うん」
なんだか、波乱の予感。でも、いいかもしれない。私、久しぶりにワクワクしてる。家にこもってゲームするよりずっといい。
この絵、チュリネに色がつく。今まで白黒だった私の絵に色がつく。それだけで放課後がとても楽しみだった。私は描いていた絵の線を整え、ボールペンでペン入れを始めた。なんだかいつもより線が綺麗にすらすらと描けた、気がした。
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なんだか連載してみたいなーという軽い考えで書かせていただきました。Linkみたいな短編の塊じゃなくて、ちゃんと続いている話を書いてみようと思いまして。何せ長い文章を書くのが苦手なもので、ちょっとした苦手克服のつもりです。はい。
マスキングテープは万能です。私も友人に教えてもらうまで白黒の絵ばかり描いていました。マスキングテープの存在を教えてくれた友人には本当に感謝しています。多分。
このあと、ポケモンとマスキングテープがどのように絡んでいくのか、ちょっと自分でも行き当たりばったりな気がしてなりませんが、頑張ろうと思います。それなりに。
長編に挑戦すべく、自分の得意なもの、飽きないものといえば何かと考えたところ
「マスキングテープ」
という結果にたどりつきました。
文章を書くとどうしても3000文字以内に収まってしまうのが最近の悩みです。
マスキングテープとポケモンの関わりってあんまりないようにも感じますが、頑張って書いていきたいと思います。
ついに来たー! 待ってましちゃぁ〜!
バチュル君、進化ですね〜
ふにょんのところのバチュル君は、レベルが九十六になっても進化しません。させません。
なぜかって? なぜでしょう。 それはふにょんにもわかr(ry
ただ単純にかわいいからです。 それだけです。
化石?始祖鳥かな? それともかめさんかな?
それとも、イワパレスの背中のアレ……?
予知夢なんて、やめたげてよぉ!
> 【オオバヤシさんのバースデーは4月6日なのよ】
4月6日は……なにもないです。 何か考えようとしたけど、何もなかったです。はい。
> 【ちなみにマイコちゃんは七夕生まれなのよ】
ジラーチが来そうですね。 七夕生まれはふにょんの近くにも一人います。
ここだけの話。
ふにょんは昔、七夕のお願いに、『チコリータにしてください。』
って書いたことがあります。ガチです。
マジだよぉ!
深夜、1人暮らしをしているマイコの元に、突然の訪問者が来た。
しかし、そいつは人ではなかった。体全体はピンク色、所々に花の模様。そう、夢喰いポケモンのムンナだ。ご丁寧に窓のカギと窓自体をサイコキネシスで開けていた。
「どうして、ムンナがここに飛んできたのかな……?」
眠い目をこすりつつ、ムンナの訪問によって起こされたマイコは、眠気によってうまく働かない頭でこう思った。
見た感じ、トレーナーのものじゃなさそうなので、自分の手持ちに加えることにして寝た。
その夜、マイコは不思議な夢を見た。
自分を含めたみんなが、劇場の大部屋にて、牢屋に閉じ込められている。さらに悪いことに、鼻息の荒いケンタロスやバッフロンが牢に迫ってくる!!
(やばい、死ぬっ……!)
しかし、猛牛たちは強力な雷によって黒焦げとなった。その雷を放ったポケモンは、
(デンチュラ……?)
自分の周りにデンチュラを持つ人はいないが、マイコはあることを思い出した。
(デンチュラはいないけど、進化前のバチュルなら、確かばーやんが持ってた……!)
そして、牢から脱出できたが、オオバヤシが倒れてしまう……。
「ばーやん!!?え、ちょっ……!」
「オオバヤシさん!しっかりして下さい!!」
(これって「予知夢」……?あっ、ひょっとして、ムンナが見せているのかな?)
マイコの予想通りである。このムンナの特性は「予知夢」だ。バトルだと、相手の技が1つ判明するものだが、ヒトを相手にすると少し先の未来を予知した夢を見せるものになる。
これと同じことが起こることになるとは、マイコも考えていなかった。
4月5日、講義が午前中で終わったマイコは、いつものように劇場にむかった。いつもと違うのは、常に腰につけている2つのボール(チャオブーとワシボンが中にいる)以外に、もう1つボールがあるということ。
「こんにちはー!」
「おお、マイコちゃん!」
「マイコ、来てくれたんやね!」
友人たちは皆、快く歓迎してくれた。
「あれ、腰についてるボール、1個多ない?」
「俺も思っててん。マイコちょっと違うな、って」
気づかれるのが早い、というよりみんな意外と目ざとい。他人の変化に敏感なのか。
「気づかないって思ってたけど早いね、気づくの。まあいいや。出てきて、ムンナ!」
マイコはボールから夢喰いポケモンを出した。ふわふわと中空に浮いている。
「結構かわいいな」
「俺も欲しいわー」
口々に言うみんなだが、
「ごめん、もう、私がボールに入れたから私のなんだ、というか、ひょっとしたら私の言うことしか聞かないかもよ。」
「えー」
「アカンのかー」
「欲しかってんけどなー」
マイコがムンナの所有権(親権)は自分にある、ということを告げると、みんな諦めた。
そして、マイコがムンナをボールに戻した瞬間、上から鉄の牢が降ってきた。
「えっ!!?」
「どっから降ってん!?」
みんなが慌てていると、集団の男の声がした。
「うまく引っ掛かってくれたなー、ヒャッヒャッヒャ」
「ロケット団……!」
「「えっ、何やねん、そいつら!」」
「簡単に言っちゃえば悪い奴、……!」
ビュオオォーッ!!!
突然、強風が吹き、〈ポケモンの入った〉ボールがどんどん吸われていった。
「ハッハッハ、これで邪魔できねえな、ザマーミロってやつだ!!」
ロケット団が嘲笑った。
ちょうど、その時だった。
「誰が、ザマーミロ、やと……!」
オオバヤシがちょうど来たのだ。部屋に入って一目で状況を理解し、ロケット団のうちの一人を一発叩いていた。
「くっそー、こうなりゃこうだ!」
先程も起こった風を再度起こしたロケット団!
「やばい、ポケモンが吸われる!」
「ばーやん、ボールからバチュルを出して!!早く!」
オオバヤシは言われた通りに、ロケット団から見えないようにバチュルを出した。そして風が吹き止んだ。
「もうコイツも太刀打ちできねえなあ……。」
その時、雷の糸が機械の操作スイッチを弾き、
「ぐぎゃあああ」
団員の一人は倒れた。バチュルが出したエレキネットでやられたことをロケット団は知らない。
「な、コイツ、電気ポケモンの技が使えるのか……?」
「アホ言え、俺は人間じゃ。その機械、ボールに入っているポケモンにしか効かへんみたいやな。教えてもらってん。」
バチュルをポケットから出して、オオバヤシは言った。
「ちくしょう、こうなったら……」
ロケット団は4方向から、牢を囲むようにケンタロスとバッフロンを出した。
「牢の中の人間を串刺しにしてやるっ!!!」
猛然と突進を始めるケンタロスとバッフロン。
「殺される!」
「く、来んな!!」
「いやあああっっ!!」
至る所から悲鳴が聞こえ始めた。
(やばい、このままじゃみんなが殺される、それだけは、それだけは、それだけは……!)
「やめろおおおおっっっ!!!」
オオバヤシが叫んだとき、極太の雷がきらめき、猛牛たちを真っ黒焦げにしてすべて倒した。
「……!?」
手乗りサイズの電気蜘蛛は、大きな雷とともに大きな電気蜘蛛へと進化を果たしたのである。
(予知夢の通りだ……!)
マイコは昨晩見た夢の内容を思い返していた。
「くそーっ!おい、お前、逃げろ!」
ロケット団員は、ボールのたんまり入った袋(マイコたちの手持ちの入ったもの)を持った団員に逃げるよう言った。しかし、そんな奴を見逃すわけもない。
「高速移動からエレキネットを放て、デンチュラ!」
オオバヤシの的確な命令により、ボール入りの袋は奪還された。
「わ、わかったよ、そこのイケメン、カ、カギは返すから大人しく、み、見逃してくれねえかな」
あまりの強さに、さっきまでの威張りはどこへやら、すっかりビビりあがってしまったロケット団は、カギを返すことで事態を収拾しようとした。
しかし、やってしまったことの罪は大きい。どす黒いオーラがオオバヤシから出ているように感じられた。彼は静かに言う。
「お前らは、俺を怒らせすぎた。そんなお前らには、やっぱり天罰が相応しいと思うねん。」
「お、おい、やめてくれ、死にたくな……」
「言い訳は聞かへん!デンチュラ、……雷」
フルパワーの雷がロケット団を直撃し、黒焦げとなった彼らはヨロヨロと逃亡していった。
カギが開かれ、全員無事に救出された。もちろん、ボールも返された。
「「オオバヤシさん、ホンマありがとうございます!!」」
「俺は感謝されるようなことしてへんで」
口々にみんなから感謝されるオオバヤシ。
「ばーやんがいなかったら、私たちみんな死んでたよ。」
「あんまり、褒められるのには慣れてへん、か、ら、な……」
その時だった。
バタッ……
オオバヤシが倒れてしまった。
「ちょっ……ばーやん!どうしたの!?」
「オオバヤシさん、しっかりして下さい!」
「は、早く医務室へ!!」
実は、ケンタロスやバッフロンが出てきた時に、「全員の命を自分一人が背負っている」というプレッシャーが起こってしまい、オオバヤシの精神力はギリギリの状態になっていたのだ。バチュルがデンチュラに進化したことで少しばかりは良い方向に転がったものの、全員が解放されたときに、張りつめていた緊張が切れて、倒れてしまったというわけだ。
4月6日。実に半日も眠っていたオオバヤシは医務室で目を覚ました。
みんながほっとした様子で彼を見ている。
「オオバヤシさん、今日何月何日か分かります?」
「4月……5日やろ?」
「6日ですよ。12時間も寝てたんすよ。めっちゃボロボロやったんですね……。」
「12時間……」
昨日のことはまるで夢のようであるが、おぼろげには覚えている。
(俺がみんなを背負ってたからな……。そんくらい寝とっても悪ないか)
「そういえば、ばーやん、4月6日ってことは……?」
マイコが唐突に質問してきた。
「4月6日……!お前、それ、俺に言うか普通」
「病床の上で申し訳ないですけど、ハッピーバースデー!!」
クラッカーの音がたくさん鳴り響く。みんながプレゼントをくれた。
マイコからもプレゼントをもらった。開けようとした、が……、
「ストップ!明日、私と一緒にある場所に行くから、その時まで開けない、で!」
プレゼントの中身は明日わかる。それまでは、みんなが開いてくれるパーティーにでも興じよう。
平和になった劇場内で、オオバヤシはそう思うのだった。
おしまい
マコです。久し振りのポケリア。
オオバヤシさんがみんなのピンチを救ってくれました。かっこいいですね。
次回のポケリアで、マイコちゃんがくれたプレゼントが何だったかわかります。
ヒントは……イッシュの化石ポケモン!
あと、ちょっと早いですが、オオバヤシさんの27歳のバースデーを祝ってやってください!
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【オオバヤシさんのバースデーは4月6日なのよ】
【ちなみにマイコちゃんは七夕生まれなのよ】
青いダイヤモンド。ファントム自身、聞いたことも見たこともない。ましてやそれをはめ込んだ懐中時計が存在していて、しかもリンネの家に伝わっているなんて全く知らなかった。今日初めて会ったので、当然と言えば当然なのだが。
だがファントムの答えに伯爵は満足したようだ。
「よくご存知で」
「その懐中時計に、何か用でも?」
リンネが首にかけている鎖を外して、机に置いた。ジャラリという音と共に、銀色に輝く塊が現れる。
外蓋の中心に、見事な青いダイヤモンドがはめ込まれていた。ダイヤという宝石自体、希少価値が高い。誰かがこれ目当てに来てもおかしくは無いと思った。
伯爵の目の色が変わった。
「美しい。実に美しい。何故このような物を貴方のような少女が持っているのか、いささか疑問に思いますな」
「持つべき者だからこそ、持っているのです。お分かり?」
挑発的な態度を取るリンネ。それに構わず、伯爵は一気にまくし立てる。
「レディ・ヴァルヴァローネ。その懐中時計を私に譲ってはいただけないだろうか。金は幾らでも出す。こんな場所に置いていたら、それこそ宝の持ち腐れだ」
「何度も言っているはずですわ。これは決してお金という欲の塊なんかに換えられる者ではありませんの。母方の先祖から伝わってきた、この家の宝なのです。売るなんてしたら、主人のバチが当たります」
「主人?」
伯爵がハッと笑った。時計に目が眩んで、品格という物を忘れている。
「ご冗談を。今この家に貴方以外に主人は…」
「いいえ」
リンネがキッパリと言った。立ち上がり、そのまま窓に向かって歩き出す。
「この時計の主人は、私ではありません。そしてこの家―ヴァルヴァローネの血を継ぐ者でもありません」
そう言うリンネの目は、今までの物ではなかった。窓ガラスに映る瞳は、何とも言えない神秘的な雰囲気を醸し出している。
「何を言うのです。この家に伝わる品の主人が、この家の誰でもないと?」
「分かりました。少しだけ直しますわ。正確には、その主人から預かっているのです。返す時が来るまで」
伯爵は肩をすくめた。
「もし手に入れたいと思うのなら、命を捨ててもいいと思わなくては。盗もうものなら、たちまち主人の怒りに触れて殺されてしまうでしょう」
「そんなおおげさな」
「信じないというのなら、お引取りください。今でも主人は、私達のことをあるべき場所から見ているのです」
何か言いたげな顔だったが、伯爵はそのまま席を立った。チッと舌打ちをしたのが、ファントムには聞こえた。
「その懐中時計、欲しがってる奴が沢山いるんだね」
伯爵が帰った後、ファントムは再びリンネと話をしていた。リンネがため息をつく。
「元々こんなにしつこくは来なかったの。でも、父さんと母さんが仕事で家を空けるようになってからは、毎日のようにやって来るのよ…
多分小娘だと思ってるのね」
その通りだね、とは流石に言わなかった。だが本当だろう。小娘一人を言いくるめることなんて簡単だ。一番心配なのは誰かが先に懐中時計を手に入れてしまうこと。そうならないように、毎日足を運んでいるのだろう。
そしてあの品格を失った目。まるで虜にする魔力でもかけられているかのようだ。
「…そんなに価値の高い物なのかい」
「私自身もよくは知らないの。亡くなったお婆ちゃんが大事にしてた。そのお婆ちゃんは私のお父さんの母親で、その時計は女が持つ物なんだって。ずっと昔、すごい美人の一族の娘が神様のところにお嫁に行って、子供の代わりにそれを送ってよこしたからなんだって。
以来、その時計はずっと女の人が守らないといけないらしいの」
「それをさっきの伯爵とやらは知ってたり…」
「知らないと思う。あの伯爵は結婚してるから、もし知ってたら奥さんをよこすはずだから」
なるほど。結構勘の鋭い子だ。こんな子から騙し取ろうとするなんて、彼らは決定的な観察力不足に違いない。
「私、絶対にこの時計を守るの。その時がいつ来るかは分からないけど、必ず」
強い意志をたたえた瞳だった。これなら平気だろう。変な目に遭わせようと思う奴がいない限りは。
黄昏時の太陽が、部屋を赤く染めている。リンネは少し用があると言って自分の部屋に戻って行った。ファントムも用意された客用の寝室にいる。
『随分と大層なことになったな』
デスカーンが姿を現した。
「とりあえず、これで飲食と宿舎の心配はいらないよ。…問題は」
『この街に入ってからずっとだ。鋭い視線を感じる』
纏わり付くような視線。人数は一人だが、それでも相当の力の持ち主であることが分かる。
「嫌な感じだよ。何も起こらないといいんだけど」
「ファントムー」
ドアが開いてリンネが入って来た。ピンクのジャケットを着ている。
「夕食までまだ時間があるの。街を案内してあげる!」
「え」
「さ、これを着て」
リンネが差し出したのは薄手のトレンチコートだった。
「これは」
「私のお母さんの。同じくらいの背丈だから、直す必要は無いわよね」
あれよあれよという間にファントムは外へ連れ出された。
人通りはまだ衰えていない。さっきのキャンディ・ワゴンがあったら嫌だな、と一瞬思ったが幸いなことにカラフルなワゴンの姿は何処にも無かった。
「この街はね、一度産業革命で大きく発展して、でもその後石炭から別の物に変わったから酷くしぼんでしまったの。今ではお洒落な街として観光に力を入れてるのよ。昔ながらの街並みを再現して、色んなイベントが出来るホールやお買い物が出来る可愛いショップもあるし」
リンネが道を歩くたび、周りの大人達が声をかける。大体は『お嬢様』呼びが多いが、そんなことを全く気にせずに手を振り返す。慣れているようだ。
「ヴァルヴァローネ家は、この街では一番のお金持ちなの。だから色々厄介ごとも多いんだけど、それでも私は父さんも母さんも好き。家の広さの割りに使用人が少ないのは、お婆ちゃんの時に使えていた人の娘や息子しか雇っていないから。…結構治安が良いとは言えないし」
「信用出来る人しかってことか」
「うん。友達もあんまりいないけど、それでも私は楽しいわよ」
なんとなく無理をしているように見えるのは、気のせいだろうか。自分も同じような立場であったから、その気持ちは分からないでもない。リンネと違うのは、自ら壁を造り、その中で生活して来たということだが。
「生まれてくる場所を選べたら、こんなことにはならなかったかもしれないね…」
「え」
「いや、こっちの話」
だが、そうなれば彼らとも会わなかった。それに後悔は一度もしていない。今の方が昔よりかはずっと楽しいからだ。
「あれ」
リンネが立ち止まった。向こうから、何かがやってくる。人だが、いやにカラフルな服装なのが分かった。
「分かる?」
『…何かばら撒いてるな』
白い紙のような物をばら撒いている。黄色の帽子に、水玉模様の服。だぶだぶのズボン。白粉に青い涙。赤い口紅。
ピエロ、だった。仮面をつけている。
「さあさあ、紳士淑女の皆さん、お待ちかね!明日からいよいよ公開だよ、オペラ『おぞましい魔術師』マルトロン劇場で!」
マルトロン劇場。その名前には、聞き覚えがある。
「さっきの伯爵様の名前じゃないか」
「ね、そんなオペラの名前、聞いたことある?」
「いや、初めてだよ」
やがてピエロは二人の前にやって来た。驚いてファントムの後ろに隠れるリンネ。
「これはこれは、美しいお嬢さん。貴方のような人なら、きっと魔術師も歓迎してくれるでしょう。ほら、こういう風に」
手袋をしたピエロが指を鳴らす仕草をした。ポン、という音と共に真っ赤なバラが目の前に現れる。
「でも気をつけてくださいね、魔術師は女々しい物は好みませんから。守られる者ではなく、守る者にならなくては、八つ裂きにされることも…」
「っ!」
「これは失礼。では、楽しみにしていますよ!」
そう言うとピエロは優雅に一礼して、他の客にビラを配りに行った。ファントムももらったバラとビラを交互に見比べる。
「おぞましい魔術師、か…」
「ね、どうするの?見に行く?題名からしてホラーっぽいけど…」
「…」
宣戦布告された気がする。何故かは分からないが、なんとなく。
『行くか』
「何が起きるか分からないけどね… 面白そうじゃないか。魔術師の実力、見せてもらうよ」
ファントムの手の中で、バラがぐしゃりと握りつぶされた。
アレンはゴチミルと新たな手持ち、ミジュマルと共に301番道路を進んでいた。
「くぁ〜。やっぱこの辺の空気は新鮮で気持ちいいなぁ〜。」
そう言ってアレンはグッと伸びをした。
そして歩き始めてから1時間…。
「…ふう。流石にちょっと疲れたな。この辺で少し休憩するか。」
そう言ってアレンは地面に座り込んだ。そしてゴチミルとミジュマルをボールから出した。
「そう言えば…ミジュマル。君への自己紹介がまだだったな。僕はアレン。で、こいつが僕の相棒のゴチミル。」
アレンの視線を受け、ゴチミルはミジュマルに一礼した。ミジュマルもうれしそうに礼をした。
と、その時、一人のトレーナーが話しかけてきた。
「おい、そこのトレーナー。俺と勝負だ!」
あまりにも突然だったので、アレンは少し驚いた。が、すぐに返事をした。
「…ああ、いいぜ。」
「よし、決まりだな。いけ!オニスズメ!」
トレーナーはボールを投げた。ボールは華麗に宙を舞い、中からオニスズメが出てきた。
「相手はオニスズメか…。こっちはどうするか…。」
そう言ってアレンは自分の手持ちポケモンに目をやった。すると、ミジュマルがいかにも戦いたそうな眼差しで彼を見つめていた。
「…行ってみるか?ミジュマル。」
アレンのその言葉に、ミジュマルは力強くうなずいた。
「よし、いけ!ミジュマル!」
アレンにそう言われ、ミジュマルは意気揚々と前に出た。
「早速こっちからいかせてもらうぜ!ミジュマル、たいあたりだ!」
ミジュマルはオニスズメに思い切り体をぶつけた。オニスズメはミジュマルの攻撃を直撃でくらったため、勢いよく吹っ飛んだ。
しかし、まだ完全にはやられていなかった。
「頑張れ、オニスズメ!つばさでうつだ!」
オニスズメはものすごい勢いでミジュマルにアタックした。その衝撃でミジュマルは宙に弧を画くように吹っ飛んだ。
「ミジュマル!大丈夫か!」
ミジュマルはふらつきながらも立ちあがった。
「ミジュマル、まだいけるか…?」
ミジュマルはアレンのその問いかけに頷いた。
「…そうか。だが次に攻撃をくらったらまずいぞ…。」
アレンは少し焦った様子でそういった。
「次で決めるぞ、オニスズメ!つばめがえしだ!」
オニスズメは翼を広げ、さっきよりも速いスピードでミジュマルに向かってきた。
「つばめがえしは必ず命中する技…。くそっ、どうする?」
アレンが悩んでいる間にオニスズメはミジュマルにどんどん迫っていく。
「…いちかばちかだ!ミジュマル、シェルブレード!」
ミジュマルはお腹のホタチを手に取り、オニスズメに斬りかかった。と、同時にオニスズメのつばめがえしも命中した。
そして、倒れたのは…オニスズメの方だった。
「…勝った。勝ったぞミジュマル!」
アレンは勝利を大いに喜んだ。ミジュマルもうれしそうにアレンに駆け寄った。
トレーナーはオニスズメをボールに戻し、アレンに歩み寄り、こう言った。
「お前、なかなかやるな。いいバトルだったぜ。」
「ああ、こちらこそ。」
アレンとトレーナーは堅い握手を交わした。
「ところでお前、名前は何て言うんだ?俺はユウキ。」
「僕はアレン。」
「お前とは…またどこかで会いそうだな。」
「ああ。その時は、またバトルしようぜ。」
アレンはユウキに別れを告げ、301番道路を進んでいった。
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