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感想つけようと思ってあらためて読んでみたら、
お父さんのセリフがものすごかったでござる。
> だがお前は俺の息子だけあって、野心が途中で消え失せるからなあ
クソワロタwwww
この台詞にすべてを持って行かれた。
物事のきっかけというのはまぁいろいろありますけど、だいたいこんな不純なもんです。
私もそうでした。
→すごいポケモンのCGのホームページを見る
→私もこんなん作る!
→で、ホームページってどうやってつくるの?
まぁそんなもんですw
息子にちゃんとつきあってあげるお父さんが素敵です。
お し い れw
化けてても、齢997歳でも所詮は狐か(笑)
読んでますよ、ということで書き込んでみました。
このサイトの人の狐好きの確率は非常に高いと思うw
※レス位置がよくなかったと思うので、場所変更しました。
ツリーーの使い方として、
親記事にレス→真下に伸びる
それぞれの記事にレス→横に伸びる
という機能がありますので、
本編は真下に伸ばす、感想は横に伸ばすって形式だとわかりやすいかもしれませんね。
わかりやすいスレッド
・【親記事】
・第1話(親記事に返信)
・第1話感想その1(第1話にレス その1)
・第1話感想その2(第1話にレス その2)
・第2話(親記事に返信)
・第3話(親記事に返信)
・第4話(親記事に返信)
・第4話感想(第4話にレス その1)
・第5話(親記事に返信)
今あるスレッドの状態
・【親記事】
・第1話(親記事に返信)
・第2話(第1話に返信)
・第3話(第2話に返信)
・第4話(第3話に返信)
・第5話(第4話に返信 その1)
・第4話の感想(第4話に返信 その2)
どうも、No.017です!
いろいろお手数をおかけしちゃってすみません。
第1話の前編・後編読ませていただきました。
読んで気がついた点いくつかと簡単な感想などを……
■気になった点
>第二話 人間からポケモンに!?探検隊アドバンズ誕生! 後編
第一話後編では?
>海を鏡代わりにして自分の姿を映してみる。
水面が穏やかな湖などとと比べ、海は波うっているので姿を確認するのは無理だと思います。
が、幸いにもソウヤ、ソウイチがお互いの姿を見て「ええええっ!?」となるシーンがあるので、これで十分かと。
元ニンゲンが二人いるとこういうことができるのはおもしろいですね。
あとは自分の手足をみたりとかすればOKかと思います。
あるいはワザを出して、実感する。とか。
後々、弟子入りで寝室を与えられるわけですから、
水を張った桶かなにかで顔を洗うところなどのシーンを用意して
「本当にポケモンになっちゃったんだな」
というようなシーンを追加してもいいかもしれませんね。
・ポケモンの容姿などを描写する
・主語を時々ソウヤ→ピカチュウなどに変えてみる
読む人はだいたいポケモンやらポケダンをプレイしてることが前提になりますのでいいといえばいいのですが、ひとつアドバイスを。
「登場人物が多い故に誰がどのポケモンかが非常に解りずらくなっています。」
書いている火車さん本人なら当然にわかりますし、
これがマンガであれば容姿が常に見えているので問題ないのですがこれは小説です。
容姿が見えない点に注意してあげてください。
洞窟でのバトルシーン、誰がどのポケモンだったっけ? と、結構混乱しました。
たとえるなら、ワザが発動して「あ、こいつがヒノアラシだったか」みたいな感じ。
これを解消するには地の文に少し工夫をしてみるといいです。
ソウヤ/ソウイチが主語の基本ですが、ときどき、ヒノアラシ、ピカチュウ、火ねずみ、電気ねずみ、黄色いなんとか とかそんな感じに変えてやるんです。
たとえば……
>「いいじゃねえか。行く当てだってねえんだから別にいいだろ?」
>ソウヤの言葉を途中で遮りソウイチは言った。
↓
>「いいじゃねえか。行く当てだってねえんだから別にいいだろ?」
>弟の言葉を途中で遮りヒノアラシ姿の兄は言った。
みたいな感じです。
■感想
・ソウヤ凶暴すぎワロタwwww だがそれがいい。
・ふとゲームボーイアドバンスを思い出すってことは、いわゆる私達の世界のほうの方なんでしょうか。ゲーム版空の探検隊のほうは未来人だったようなので、このへんでどうストーリーがかわるか見物ですね。
・同時二匹になった瞬間、混乱するディグダに萌え。仕事などで処理量が増えるとこういうことってよくありますねw
[私立タマムシ高校]
タマムシシティにある当学校は
一学年六クラス、一クラス二十人の少人数形式を取らせてもらっています。
授業は一年生、二年生では共通の科目を取り扱い、
三年生では通常授業に加えて理系クラスと文系クラスに分かれて授業を行うカリキュラムとなっております。
なお、このタマムシシティにはタマムシ大学がありますが、
本学は付属校ではありませんので、
エスカレーター式で自動的に上がることはないということを承知して下されば助かります。
また、本学は体育祭や文化祭などの行事もありまして
生徒の自主性を尊重して――。
誰もいない、とある部屋の一室の机に無造作に置かれてある一冊の本。
どこからか春一番からのすきま風が部屋の中に入って来て、
本のページを勝手にめくっていた。
静かな音と共にどうやら校長先生のインタビューらしきページが顔をだした。
そのページの顔写真に映っていたのは灰色の長い髪を綺麗に垂直に垂らした女性だった。
春風は背中を押すかのように吹いていて走ると心地がよくなる。
しかし、今はその春風にもっと手を貸してもらいたいというのが二人の心情であろう。
いや……厳密に言うと一人と一匹なのだが。
「やっべー! 早くしないと遅刻するって!!」
「んなこと言われなくても、分ってるわ!」
「ったく! お前が三度寝なんかするからっ!」
「おんどれこそ! 二度寝なんかしよるのがいけないやろ!!」
全力疾走しながら口で火花を飛ばし合うという器用なことをしていた二人は
ともかく我先と徒競争でもしあうかのように先へと急ぐ。
この桜並木の道を通り抜ければタマムシ高校はもうすぐであった。
今日はタマムシ高校の入学式。
一人の少年、日暮山治斗と
一人の少女、しかし正体はロコンの灯夢の全力疾走の姿に、
見たところ散歩中の一人のおばさんとポチエナは思わず振り向いて口を開けていた。
「……まさか、ここまで疲れるもんやとは思わなかったで」
「俺も中学の頃に受けたことはあったけど、あれほどじゃなかったな」
上履きに履き替えた治斗と灯夢は指定された自分たちのクラスに向かって歩き始めていた。
二人とも、その両手に大量の部活勧誘の紙を抱えながら。
なんとか時間ギリギリに正門に入った二人を待っていたのは部活勧誘の波で、
それを泳ぎ切るにも体力を使った二人であった。
疲労に疲労を重ねながら灯夢は呟く。
「これが俗に言うVIP待遇っちゅうもんなんかな」
「……そんな言葉、知ってたんだ」
「あんなぁ……おんどれ。ウチが何歳かって知っとるはずやろ! 経験が違うんや! け・い・け・ん・が!!」
肩で息をしているときのその行動はポケモンの技で言うと『じばく』と読む。
「そんなにせき込んで大丈夫か?」
「くっそう……。今度からは元の姿で登校してやろか。『でんこうせっか』で学校まで一発やで」
「『でんこうせっか』って、あれは相手にぶつかる技だろ?」
「おんどれは頭が固いんや! ええか? ポケモンの技はバトルだけやないということ、知っとき!」
確かに考えてみれば、例えばヒトカゲなどの『ひのこ』もたいまつをつけたりするのに役立ちそうだし、
『アロマセラピー』という技でリラックス出来たり……とポケモンの技は人間の生活にとても役立ちそうである。
「昔、二ドラン♀とデートでもしようとしたんかいな。
二ドラン♂が待ち合わせに遅刻しそうになっとるところを見かけたことがあるんよ。
そのときのアイツもバリバリ『でんこうせっか』を使ってたで」
そしてソレはポケモン自身の生活にも役立てていたようである。
ダラダラと話をしている内に治斗と灯夢は自分たちのクラスへと到着した。
流石にもうすぐ時間ということもあって殆どの人がクラスの中にいた。
「……まさか、お前と一緒のクラスとはな」
「おんどれ……。まぁ、ウチも同じこと考えてたから怒らんけど、いい加減にその呆れ顔を止めんと殴るで?」
「結局は怒るじゃねぇか」
「一言多いんや! おんどれは!!」
怒りの形相の灯夢が持っていたクラス発表と題された紙にはしっかりと。
2番 天姫(あまひめ)灯夢
15番 日暮山治斗
二人の名が1−Fの枠の中に刻まれていた。
ちなみにクラスの人たちが一斉に灯夢のことを見たのは言うまでもない。
ご近所の間の付き合いがあるように、
学校では隣席付き合いというものが存在するとかしないとか。
「よ! ギリギリだったなオマエ。
ああ、オレ、日生川健太(ひなせがわ けんた)って言うんだ、ヨロシクな!
ん? あぁ、これ? 可愛いイラストだろ? オレが描いたんだよ。すげぇだろ?
ところでさぁ、オマエってアニメとか漫画好きか?」
「まぁ、どちらかと言えば好きってほうかな……」
くりくり頭に赤色のふちをした眼鏡。
背は治斗よりもいささか小さいといったところ。
治斗の隣に座っていたのはどうやらオタク系の少年だった。
可愛い女の子を描いていた手を止め治斗の方に顔を向けた。
ちなみにイラストはデッサンとかもしっかりとしているようでうまかった。
治斗に興味があるというのを体現するかのように興奮した顔を浮かべていた。
「なぁなぁ! さっきの女の子ってさぁ」
健太の声音が嬉々とした色を帯びている。
初対面の相手にここまで積極的というのも珍しいが何故だか悪くはない気がすると治斗は思った。
少なくとも初対面の相手に対して怒声を浴びせてくる奴に比べれば。
どこからか可愛い音色を奏でたクシャミが聴こえた。
「大丈夫? 風邪でも引いた?」
「あの……良かったら……こ、これを使って……ください」
「すまへんな。おおきに。…………ふぅ、誰かがウチの噂でもしよったか?」
「そりゃあ、クラスの入り口であんな声を上げたら誰だってウワサするでしょうよ」
「しゃあないやろ! 全部アイツが悪いんやからな!」
「お……落ち着いて……ください」
「…………」
「あ、あの……わ、わたしの顔に何か付いてますか?」
「んや。なんでもあらへんよ……」
ここで灯夢の言葉が一旦途切れてしまう。
そういえばこの二人とは初対面だったということに気がついて名前を知らないことにも気がついた。
その様子を察したのか一人の少女が名乗り出た。
肩までかかった黒い髪でおでこは見事にオープンされている。
眼の色は若干、茶色に染まっていて。
身長は160センチ後半だった。
「アタシの名前は朝嶋鈴子(あさじま すずこ)ヨロシクね」
そして、もう一人の子も誘われるように挨拶をする。
朱色の髪でツインテールになっている。
黄色のまなざしが恥ずかしそうに揺れていた。
背は160センチ前半ぐらいだった。
「わ、わたしは……光沢しずく(みつざわ しずく)……と言います。よ、よろしくお願いします」
「ウチは天姫灯夢っちゅうんや。よろしゅう頼むわ」
とりあえず自己紹介も終わったようなので、話の続きでもすることにした。
まだお互い会ったばかりで何を話せばいいか分からないというものもあるのだが、
鈴子はネタが思いついたかのように口元をニヤニヤとあげながら灯夢のことを覗いた。
「な、なんや?」
「ねぇ、さっきの男の子って――」
この後、鈴子がどんな質問をしたのかはご想像にお任せする。
ただその後
「んなワケあるかぁー!! このたわけぇー!!」
灯夢の全否定の怒声が教室中にこだました。
その言葉が合図になったかのように
窓の外の木に止まっていたポッポ達が一斉に空へと飛び出していく。
その慌ただしい羽音は、まるでこれからの治斗たちの高校生活を表しているかのようであった。
映画見てから狐好きになりましたジャクソンです。(とは言ってもロコンは出せんでしたが…)
ロコンのやけどしそうな関西弁が大好きです。
なんでやねん!
I LOVE NANDEYANEN!
ようやく高校生活スタートのところまで書き終えました。
これから治斗が灯夢がどんな学校生活を送っていくのか、自分自身も予測不可能です。(笑)
さて『足跡』の説明を少しばかり……。
ここでは区切りのいいところで、そこまでで新しく登場したキャラクターの簡単な紹介をさせてもらいます。
『しおり』みたいなものだと考えてもらえればいいと思います。
このような形で少し整理みたいなことをした方がいいかなと思いまして、このページを作ってみました。
・日暮山治斗(ひぐれやま なおと)
とりあえず『狐日和』の主人公である少年。
作中に書くのを忘れていましたが、髪は黒色でショートヘア、眼の色も黒です。
ちなみに細かいところを言うと身長は174センチメートル、体重は55キロです。
性格の方は割としっかりとしている方で、後、巡応力が人並み以上に高いです。
・灯夢(ひむ)
『狐日和』のヒロインである関西弁のロコン。
頭の巻き毛には白銀色のかんざしが飾られています。
性格は作中でもご存じの通り、怒りっぽいところが多々ありますが、
茶菓子を出されると落ち着くという可愛らしい一面も持っています。
好物は『みたらし団子』だそうです。
・楓里幸(かえでさと さち)
『楓壮』の大家代理を務めている女性。
ホワンホワンとした独特な口調と和やかになれる独特な雰囲気の持ち主。
性格の方は物腰がとても柔らかく(……逆に柔らかすぎでしょうか……?)
そして天然なところがあるといった感じです。
こんな感じで軽く触れる感じですが『足跡』のページは展開していきますので
よろしくお願いします。
それでは、まだまだ微力な者ですがこれからもここで書かせてもらいます。
よろしくお願いします!
「あらまぁ、それはそれは大家さんが失礼しちゃいましたねぇ。
えっ? あ、私は大家さんの代理をしている者ですぅ。
改めて、楓里幸(かえでさとさち)と申しますぅ。
大家さんですかぁ? すいません、あのお方は少しばかり放浪癖がありますからぁ。
いつ帰って来るか分かりませんのぉ。
まぁ、でも、少々狭い場所かもしれませんが二人で住んでもよろしいのではぁ?
折角の高校生活ですものぉ。こういうのもなかなか体験できるものではありませんよぉ?」
身長は170前半だった。
髪は茶髪で太ももまでウェーブをかけながら垂れていた。
そして昔懐かしい、かっぽう着を羽織っていた。
『楓荘』の大家代理、楓里幸は終始、和やかな微笑みを見せていた。
「……だ、駄目や。なんかあのホワンホワンに力を奪われた感覚や」
「あの人を責めることはできないよな……」
楓山幸の独特なペースに見事にはまった治斗とロコンは
苦情の『く』の字も漢字の『苦』に変換するどころか出すことも叶わず、元の部屋に戻っていた。
気がつけば空はいつの間にか夕日が沈みそうになっており、
まだいささか冷たいが、それでも春の香りが伝わってくる風が部屋の中に入り込んで来る。
それが合図かのようにロコンは元の姿に戻っていった。
「……しゃあないな、ウチも野良生活はできへんし。おんどれを外にほっぽっておくのも嫌やしな」
「俺も……それと多分お前も今から新しい部屋を探すのは無理だろ?」
「当たり前やろ。おんどれを外に出して何かあって、
それでいきなり試練を不合格にされられたらウチ、絶対におんどれに呪いをかけたるからな」
齢997歳のロコンもとい狐の呪いなんかマトモじゃない。
まだ、治斗にとってロコンの言ったことは正直に判断するとなれば半信半疑だ。
しかし、迷信を馬鹿にしたヤツが怖い目に会うというのもある……とこれは治斗の母からの受け入りなのだが。
思わず息を飲み込んだ音が鳴ってしまう。
「そないに怖がらんといてもええやないか。……それとも怖がり屋だったかいな?」
馬鹿にされて頭に血が上ってしまうのに年の差なんか関係なかった。
「俺はそこまで怖がりじゃねぇ! というかその姿でそんなことを言っているヤツに説得力なんかないと思うぞ!」
「なっ! お、おんどれ……今、ウチ以外のロコンにもケンカを売ったやな!?」
「997歳かなんだかよく分からないけど、ぶっちゃけ子供にしか見えねぇよ!」
「た、たわけたことをぬかす口はコイツかーー!!??」
一触即発の空気が――。
「ごめんなさいねぇ、失礼しますよぉ」
『しめりけ』という特性を持った天然で不発に終わった。
「先程のこちらの不手際の償いになるかどうかは分かりませんがぁ、
美味しいラッキーのタマゴ産クッキーを持って参りましたのぉ。
ぜひぃ…………あらぁ? 可愛らしいロコンですわねぇ。治斗さんのポケモンですかぁ?
毛並みもいいしぃ、よく育てられている感じがしますよぉ。
触ってもよろしいでしょうかぁ?
……もふもふ……もふもふ……。
…………暖かくて気持ちいいですねぇ。
あらぁ? もうこんな時間でしたのぉ?
それでは私、『ミミロップの休日』を見に行きますのでぇ、
あっ、ちなみにコレぇ、私の今一番おススメのドラマですぅ。それではぁ、失礼しましたぁ」
楓山幸が帰った後、
天然水が打ったかのように場の空気が静かになった。
そしてソレは見事に治斗とロコンの間のピリピリ感をも
綺麗さっぱりに洗い流していた。
「……まぁ、ともかくや。ここはいっちょ共同生活する他ないやろ」
「そうだな。それしかないってことだよな」
「言うとくけど、ウチの住処の押し入れに入ったらしょうちせんへんで?」
「分かった分かった」
とりあえず落ち着いた治斗とロコンのお腹から気の抜いた音が鳴り響いた。
同時にお互いの顔を見た二人は思わず笑ってしまっていた。
「んあっ一番大事なこと訊いとくのを忘れておったわ」
「何?」
「おんどれ、名前、何て言うんや」
そういえば物事が唐突すぎてお互い、基本中の基本のことを訊きそびれていたのであった。
「治斗、日暮山治斗だ」
「ウチは灯夢(ひむ)っちゅうんや。よろしゅうな」
「……名前あったんだ」
「当たり前やろ! 皆が皆ロコンやと混乱するやろ?」
「確かにそうだな」
日は沈み、空は漆黒の服に衣替えをした。
街外れの為か星と月が綺麗に浮かばれているように映った。
明後日からいよいよ高校生活が始まる。
「そういえば、お前って人間のメシ食えるのか?」
「全然平気やで。なんや作ってくれるんか?」
「……というよりお前は作れるのか?」
「ウチは食べるのが専門やからな!」
「要するに作れないってことか。こりゃあ料理担当は俺になりそうだな」
「なんや!? 食べることっちゅうのは偉大なんやで!? 大事なんやで!?」
「ともかく、そこに茶菓子を置いといたから、ソレをつまんで待ってろっ」
「……もう食ってしもうたけど?」
「早っ!」
明後日からいよいよ高校生活が始まる。
ただでは終わらない不思議な高校生活が――。
「食後のデザートっちゅうもんにみたらし団子はあらへんか?」
「ねぇよ」
「なんやと!?」
始まる。
「ええか? 今までのことを整理すると……こうや」
「お、おう」
「ウチは確かにここのアパート『楓荘(かえでそう)』のこの一室に契約したはずなんや。さっき契約書をお互い見せたから、実証済みや。……ということはコレは二重契約してもうていたことになるで?」
一人の人間が正座で説教を受けているかのように。
かたや一匹のポケモンは先生のように。
この情景が滑稽かどうかは想像にお任せすることにする。
「ちなみに、俺はココから出ていく気はないからな」
「んなこと。お互い様やろ」
「……ポケモンなんだから、外でも大丈夫なハズじゃ」
「ウ・チ・は、これから三年間、野良生活は禁止されとるんや!!」
治斗は今、ポケモンと会話をしている。
ポケモンのロコンと会話をしている。
別に治斗に特別な能力があるというわけではない。
ロコンが人間の言葉を操れるから会話が成り立っていた。
ただ、それだけのことである。
ロコンの『ボケモンが人間の言葉を話せて、悪いか!?』という怒りの一言のおかげだろうか、
治斗はこの状況に見事に順応していた。
しかし、一難去ってまた一難。問題はそれだけでは済まなかった。
ロコンは治斗がお菓子用に買っていたみたらし団子をもらっていた。最後の一本を食べ終わってから口を開いた。
「アンタ、なんでココに住もうと思った?」
「いきなりだな……」
「悪いんか? まず、お互い理由を言おうや、り・ゆ・うを!」
本物の火炎放射が飛んで来ても嫌だったので、治斗は正直に答えることにした。
「俺は今年からタマムシ高校に入ることになったんだ。それで一人暮らしを始めたというわけだ」
「両親は?」
「絶賛海外旅行中。それも、理由の一つかな」
治斗が次はお前の番だと言うようにロコンを見やる。
「ウチは、まぁ見ての通りロコンなんやけど……。キュウコンになる為に上からの試練が来てな、それに合格する為にココに来たんや」
「キュウコンって、炎の石で進化できるんじゃなかったけ?」
「……人間はウチらのことをあんまりよく知らんみたいやな。確かにウチらロコンは炎の石で進化できるで? だけど、それはあくまで一つの方法に過ぎんのやよ」
「じゃあ、もう一つの方法があるってこと?」
「そうや。まぁ、方法というより、一つの道なんやけど。炎の石で進化するロコンの他に歳を重ねることで進化するロコンもおるんや」
「歳を重ねるってどれくらい?」
「ざっと千年やな」
「!!??」
「千年経ってようやくキュウコンになれる、それがウチなんや。ちなみに歳は997歳やで、どうや? すごいやろ?」
「………………」
妙な治斗の沈黙がロコンの神経を逆なでした
「なんや!? まさか、ウチが可愛いからそんな威厳がないとか! そんなこと思ってるんやろ!?」
ポケモンはソレを『じばく』と読む。
「いや、その銀色のかんざしだけ年代物って感じはしたが」
人間はソレを『墓穴を掘る』と読む。
「おんどれはウチのことを馬鹿にしてるんかぁ!?」
ほぼ防衛反応的に今後のお菓子用に買い溜めしておいた茶菓子を治斗はロコンに出した。
それを条件反応の如く受け取ったロコンは雑に包紙を破ると一個のまんじゅうを口に入れた。
みたらし団子ではなくフエン産の温泉まんじゅうだったが、なんとかソレで火炎放射を止めることができた治斗だった。
「……ったく、ええか? もう単刀直入に言うで?」
緑茶を一口加えてからロコンは続けた。
「これから三年間、ウチは人間としてタマムシ高校に入って無事に卒業しなきゃあかんねん」
「えっ人間って、おま、ポケモンだろ?」
言葉の意味が理解できず治斗は訝しげ満点にロコンを見つめる。
ロコンはそんな治斗を鼻で笑いながら自慢げに語るふりをしながら、いきなり一回転した。
煙が上がったと思うと、もう消えていて。
そこに立っていたのは一人の少女だった。
背は150後半で、赤茶の髪の毛を腰まで垂らしていた。
そして三本のクセッ毛が先端を丸めながら頭から立っていて、その近くには例の白銀色のかんざしがあった。
そして服はしっかりとタマムシ高校の制服(紺色のセーラー服)であった。
「どうや? なかなか可愛ええやろ?」
驚いた治斗の顔はまさしく狐につつまれた顔であった。
「じゃあ、後のことはニイチャンに任していいかな?」
「はい! 大丈夫っす。お世話になりました!」
「いいってことよ!」
日暮山治斗に最高の笑顔を向けるおじさんの歯は真っ白に燃えていた。ゴーリキーも白い歯を見せていた。その後、おじさんはゴーリキーをモンスターボールに戻すと再びトラックに乗った。
「少年よ! 大志を抱けよぉぉぉぉ!!」
トラックを発進させながらのおじさんの叫び声を受け止めた治斗はガッツポーズで気合いを一発、自分に注入すると、今日から自分が借りるアパートの一室へと向かって行った。
恐らく築数十年であろう屋根が朱色の二階建て木造アパート。
一階に大家さんのを含んで二室、二階も同じく二室あった。
治斗が住むのは二階の一室、南寄りの部屋である。
日当たり良好、タマムシシティの街外れの為か緑が多くて落ち着く。少々、すきま風が悩みの種だが、悪くない部屋であった。おまけに家賃も安めで言うことなしだ。
生まれて初めての一人暮らしにテンションを上げながら、今日から住む部屋に入って行った。
「キッチンに、トイレに、小さいけどお風呂に……と。これで家賃があの値段は安いよな!」
意気揚々と部屋の中を探索しながら治斗はダンボールの中から色々引っ張り出す。勉強机などの重たいものはゴーリキーが運んでくれたので、後は小物系と――。
「ふわぁ……。誰や? ウチの住みかに手ェ出しとる奴は?」
不意に声が部屋の中に響いた。
可愛げのある声音が関西弁と共に。
押し入れから出て来たのは一匹の赤茶色のポケモン、ロコンだった。その頭の巻き毛には白銀色のかんざしが刺さってある。
「誰かは知らんけど……ウチが怒る前にさっさと出て行かんと罰当たるで?」
「え〜と……」
ロコンは更に睨みをきかせる。
「小皿系は一応、あっちに置いとくか……。それとラジカセはここに……と」
治斗は片づけに夢中だった。
そしてロコンがこけたのは言うまでもなかった。
しかも、そのこけた間抜けた音で標的の人間がやっと自分の存在に気がついたものだから余計にタチが悪い。
「えっ、ポケモン?」
ロコンの中にある何かが切れた音がした。
「いまさら、気付くんかいな! おんどれは!! ウチがどれだけスベッタか、分からんかったやろ!? 罰としてみたらし団子を食わせろやぁぁ!!」
思わず、逆上したロコンから矢継ぎ早に放たれていく人間の言葉に治斗はすかさず息を飲んだ。
「ぽ、ポケモンがしゃべってるっ!?」
「なんや、ポケモンが人間の言葉話せて悪いんかぁぁぁ!?」
一方は口から比喩ではない本当の火炎放射が出かねないポケモン。
かたや、もう一方は瞳孔を丸くさせている人間。
このように物語は騒々しく始まったのであった。
ある日のことだった。
何処かは分からないけど、俺は昼寝をしていた。
散々、遊び回った後かもしれない。
そして、燃料が尽きて倒れてしまっていたのかもしれない。
うつらうつらになっている俺の頭の下に何か温かいモノが置かれたような気がした。
はっきりとは分からなかった。
だけど、懐かしい温もりだったことだけは覚えている。
「おーい。ニイチャン、到着したぞー」
トラックに揺られながら眠りこけていた青年が目を覚ました。辺りを見てみると、そこには一人のおじさんが立っていた。白い鉢巻きを頭に巻いている。
「えっ!? もう到着したの、おっちゃん」
「おうよ、もうタマムシシティに到着してるぞ、早くニイチャンも降りな」
威勢のいいおじさんに言われるがままに青年がトラックから降りると、そこにはこれから自分が住むアパートと荷物を運んでくれている一匹のゴーリキーが青年の目に入った。
これから新しい生活が始まることに期待を膨らましていくと、青年の目はカンペキに覚めた。
青年の名は日暮山治斗(ひぐれやま なおと)
今年からタマムシ高校に通う新一年生だった。
一方、その頃、とある稲荷神社の門。
誰もいないその場所に一匹のロコンが現れた。赤茶色の毛並みが綺麗に映える。六本の尻尾も綺麗に毛づくろいされている模様でしっかりと整えられていた。
「ウチ、しっかり、やってくるで! ……だから心配せんへんでも大丈夫やから、な?」
空を見上げながら一匹のロコンは呟いた。
頭の巻き毛に挿してある白銀色のかんざしがその想いに応えるかのように静かに揺れた。
ロコンの名は灯夢(ひむ)
今年から三年間、ワケありの試練を受けるポケモンだった。
これから始まるのは世にも不思議な? 三年間の物語。
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