マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  •   [No.1281] #136245 「擬獣人のクラブ」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/06(Wed) 19:49:04     53clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #136245

    Subject Name:
    擬獣人のクラブ

    Registration Date:
    2013-03-05

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    新たな被験者#136245が発見された場合、最寄りの拠点で簡単なヒアリングと健康状態のチェック、必要であれば治療や栄養補給を実施した上で、ホウエン地方ハジツゲタウン第二支局まで移送してください。ホウエン地方ハジツゲタウン第二支局以外に在籍する局員については、これ以上の対応は必要ありません。必要であれば、ホウエン地方ハジツゲタウン第二支局から被験者#136245の取扱いに関する詳細な情報を送付してもらうことが可能です。

    ホウエン地方ハジツゲタウン第二支局に在籍する局員は、支局へ移送された被験者#136245を個別の収容室へ移動させ、以後は人型異常体向けの標準収容手順に沿った取扱いと、定期的なヒアリングを実施してください。被験者#136245から何らかの要求を受けた場合は、上席と協議の上承認/却下を判断してください。要求は、それが極度に高額なものであったり、収容違反の危険性をもたらすものであったり、局内の風紀を乱すようなものであったりしなければ、被験者#136245のストレス軽減という観点からも基本的に承認することが望ましいです。

    被験者#136245が家族と面会したい旨を伝えてきた場合は、ホウエン地方ハジツゲタウン第三支局へ一時的に移送した上で面会を行います。ホウエン地方ハジツゲタウン第三支局は公共施設として位置付けられており、局内限の情報は一切保持されないことが保証されています。ホウエン地方ハジツゲタウン第三支局に在籍する局員は被験体#136245からヒアリングした家族の情報を元に連絡を取り、面会をセッティングしてください。面会に際しては面会希望者全員に機密条項の遵守を求め、違反した場合は当局によって拘束されることへの同意書の記入を求めてください。ただし、案件#136245及び被験者#136245そのものについては既に広範に対しその存在が知れ渡っているため、例えば家族が被験者#136245として案件管理局に収容されているといった情報は、準公開情報として被験者#136245と家族にその扱いを委ねています。

    面会の機会を設ける性質上、あらゆる案件について被験者#136245に情報がもたらされることはあってはならず、また案件対応の過程で収容/入手したオブジェクトとの交差試験は禁止されています。被験者#136245の治療に明らかに有効であるとの判断が下されない限り、あらゆる種類の交差試験は却下されることになっています。

    現状では、被験者#136245を完全に治療するための技術は確立されていません。過去に報告された事例から、一般的な外科手術での治療は困難だと見られています。仮に何らかの方法で治療に成功し、社会復帰が見込めると判断された場合は、被験体#136245にプロトコルUXに基づく高度記憶処理を行い、家族の元へ送還する手順が定められています。


    Subject Details:
    案件#136245は、携帯獣の身体の一部を未知の方法で移植された人間(被験者#136245)と、それに掛かる一連の案件です。

    被験者#136245が初めて確認されたのは、2012年11月上旬頃のことです。ホウエン地方ハジツゲタウン第二支局の敷地内に「イーブイの耳と尻尾を生やした」と形容できる容姿をした12〜13歳の少年が助けを求めて駆け込んできたことで、当局の知るところとなりました。警備員が少年を制止するとともに保護し、局内にある医務室へ移動させました。応対に当たった局員は少年がひどく衰弱していることに気づき、応急処置と点滴による栄養補給を実施、2日後にはいくらかの回復が見られたため、容体を見ながらのヒアリングが行われました。

    少年によると、彼はポケモントレーナーとしてシンオウ地方を旅行中、詳細不明の集団の手によって誘拐されました。再び意識を取り戻した際には、既にイーブイの耳と尻尾が体に付いていたとのことです。その時の様子から、少年は外科的な手術によりイーブイの身体パーツが移植されたものと推定されています。その後少年は目隠しされた状態で別の場所へ移され、他の同境遇の少年少女らと共に、後述する「クラブ」で働かされることになりました。

    数日前まで少年が働いていた「クラブ」では、少年と同じように携帯獣の身体の一部が移植された人々が多数所属していました。少年と同い年かその±5歳程度までの少年少女が多数を占めていましたが、成人の男性/女性も少なからず働いていたとのことです。「クラブ」には連日多くの人が訪れ、気に入ったメンバーを指名して遊興に耽るといった光景が繰り広げられていました。少年を指名する者も何名かおり、彼らに種々のサービスを供していたようです。

    この段階で局員は本件を重大事案と認識、概要を取りまとめて中央統括部へ送付しました。中央統括部もこれを承認、局員を案件担当者として割り当てました。事案は案件#136245と指定、少年は被験者#136245-1と指定されました。初期収容手順が整備され、立地上の利点からホウエン地方ハジツゲタウン第二支局を案件対応の中核拠点とすることを決定しました。

    その後3週間以内に、被験体#136245-2から-5と指定される少年及び少女4名が保護を求めてホウエン地方ハジツゲタウン第二支局を次々に訪れ、全員が適切な手順により保護されました。保護された被験体#136245-2から-5の特徴については下記の通りです。


    被験体#136245-2:
    15歳の少女。「クラブ」で1年程度働いていた。極度の近視で、眼鏡を手放すことができない。ライチュウの耳と尻尾を移植されている。発電の能力は観測されておらず、移植された部分以外には携帯獣由来の特徴は見られない。

    被験体#136245-3:
    10歳の少年。およそ半年前、家族から捜索願が出された児童と特徴が一致。ザングースの耳と尻尾が移植されている。精神的にかなり疲弊しており、これまでのところヒアリングが実施できていない。

    被験体#136245-4:
    12歳の少女。被験体#136245と同様に、旅行中に誘拐され手術が施されたことが判明。マリルの耳と尻尾が移植されている。尻尾には感覚が無いとのこと。元々水泳が苦手で、移植手術後もそれに変化は見られないという。

    被験体#136245-5:
    14歳の少女。これまで確認された中でもっとも長く「クラブ」におり、約2年半ほど働いていた。ピクシーの耳と尻尾、及び翼が移植されている。ピクシーのような極端な聴力の向上は確認されていない。


    被験体#136245の特徴として、移植されているのは耳と尻尾の二部位であることがほとんどですが、時折被験体#136245-5のように他の部位が移植されるケースがあるようです。全員に共通しているのは、携帯獣が持つ固有の能力はまったく移植されていないということです。あくまで外見的な整形を目的として部位が移植されているように見受けられます。ただし移植された部位にも痛覚などの感覚はあることから、単に外科手術で接合しただけではないということは分かっています。

    当局が被験体#136245を保護し始めた時期とほぼ同時期に、別の地域でも被験体#136245が「クラブ」から脱走する事案が発生しました。多くは当局や警察機関の手で保護されましたが、一部が脱走後にメディアへ本件を告発、結果として週刊誌やタブロイド紙で「クラブ」及び被験体#136245が写真付きで取り上げられる事態となりました。これに伴い案件#136245及び被験体#136245は公のものとなり、当局も情報規制を一部解除する対応を実施しました。

    保護した被験体#136245からヒアリングを実施し、彼らが働かされていた「クラブ」についての情報が集められました。担当者の指示で専門のチームが編成され、さらなる調査が行われる予定です。


    [2013-02-13 Update]
    2013年2月9日、武装した10名ほどの男が、ホウエン地方ハジツゲタウン第二支局を襲撃するセキュリティインシデントが発生しました。被験体#136245-1から-5を除いて同拠点には異常なオブジェクトは収容されておらず、被験体#136245-1から-5の奪還あるいは口封じが目的と推察されました。事前にこのような事態を想定していた案件担当者は、速やかに最寄りの拠点に駐留していた機動部隊イプシロン-トパーズに出動を要請、わずかな損害で全員を鎮圧しました。武装解除の後徹底した尋問が行われ、襲撃が「クラブ」の運営団体の指示によるものであることが明らかになりました。

    クラブの運営団体は「マルシアス・エンターテインメント」と名乗る未知の組織で、世界各地で同種の「クラブ」を運営しているとのことです。正確な規模は明らかではありませんが、その活動範囲の広さから相応の大きさを持つ組織であると推定されています。当局では各国の警察機関と連携し、「マルシアス・エンターテインメント」への捜査を進めていく方針を固めました。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1280] #83280 「落とし物の多い地下通路」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/05(Tue) 20:18:49     47clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #83280

    Subject Name:
    落とし物の多い地下通路

    Registration Date:
    1996-05-23

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    通路#83280は、本稿執筆時点で「建築時にアスベストが使用されていたことが判明した」というカバーストーリーに基づき、両方の入り口を三重に施錠した頑丈な鉄扉で封鎖しています。鉄扉は定期的にメンテナンスし、不正に解錠されていないことを確認してください。通路#83280の入り口を封鎖している状態が常に保たれていれば、それ以上の保全は必要ありません。鉄扉が破られていることが確認された場合、直ちに再封鎖を行ってください。その際、鉄扉に装着されたすべての鍵を交換しなければなりません。

    1996-05-17に発生したインシデントを鑑み、通路#83280でのあらゆる実験は一切禁止されています。過去に行われた実験セッションでの結果については、実験記録-83280を参照してください。実験記録-83280は、本案件に携わる局員のみが参照することができます。適切なセキュリティクリアランスを保持しない局員に情報を開示した場合、当局の定める罰則規定に基づき懲罰を受ける可能性があります。


    Subject Details:
    案件#83280は、カントー地方シオンタウンとタマムシシティの間を結ぶ旧地下通路(通路#83280)で発生する特異な事象と、それに掛かる一連の案件です。

    1995年8月頃から年末に掛けて、通路#83280を通過した多数の市民及びポケモントレーナーから、内容は様々ですが概ね「ここに落ちているはずのない私物を拾得した」という申出が寄せられました。当局が調査に向かったところ、申出にあった通りの異常な事象が発生することが確認できました。この結果を受け、当局は地下通路を封鎖。代替として隣接する新たな地下通路を建設し、交通には支障が出ないよう手配しました。新しく建設した地下通路では、通路#83280で発生する異常な事象は確認されていません。

    通路#83280は、外見上特に異常が見受けられない一般的な地下通路です。内部には一定の間隔で蛍光灯が設置されており、歩行者と自転車がそれぞれ通るべき道が床に引かれたラインによって区別されています。それ以外には、特徴と呼ぶべきところは何もありません。後述する条件を満たさずに通路#83280を通過した場合、シオンタウン側から入った場合もタマムシシティ側から入った場合も、問題なく目的地まで到着することができます。その際、事象#83280と名付けられた異常な事象は発生しません。

    事象#83280は、通路#83280である特定の条件を満たした場合に発生する特異な事象です。完全な条件は明らかになっていませんが、市民やトレーナーからの申出、及び局員による実地調査により、概ね正確であると推定される条件が分かっています。条件は下記の通りです。

     1.シオンタウン側から進入する
     2.タマムシシティ側入口付近で立ち止まっている人間がいない
     3.通路半ばに達するまでに、4.の条件を満たす
     4.過去に「何かを失った」と感じた出来事の記憶を振り返る

    上記の条件を満たすと、通路#83280の出口付近に、拾得物#83280が出現します。

    拾得物#83280は、事象#83280により出現する由来不明のオブジェクトです。拾得物#83280そのものは概ね異常の無い物品または製品ですが、物理的に通路#83280には存在し得ないものであることに異常性があります。これまでに確認された拾得物#83280は、いずれも条件4に深く関連するアイテムであることが分かっています。原理は不明ですが、通路#83280あるいは通路#83280内の未知の存在により拾得者の記憶が読み取られ、それに基づいて拾得物#83280が出現しているものと考えられています。

    市民からの申出と局員による実験により、拾得物#83280はいずれも拾得者にとって不快なもの、あるいは精神的な苦痛をもたらすものであることが分かりました。これらは拾得者の過去の記憶に基づくもので、拾得物#83280そのものに情報災害を含む何らかの異常性があるわけではありません。

    以下はこれまでに発見された拾得物#83280の一覧と、拾得者からヒアリングした拾得物#83280に関するエピソードの抜粋です:


    拾得者:カントー地方シオンタウン在住の27歳の男性
    拾得物#83280:記入済みの履歴書
    拾得物に関するエピソード:
    男性は拾得物#83280を一読し、履歴書が求職活動中の面接で面接官に破り捨てられたものと完全に一致すると証言しました。

    拾得者:カントー地方タマムシシティ在住の8歳の少女
    拾得物#83280:尻尾の千切れたピカチュウのぬいぐるみ
    拾得物に関するエピソード:
    ぬいぐるみは少女が友人から借り受けたもので、一人で遊んでいた最中に尻尾が千切れてしまったために友人と諍いを起こして仲違いしてしまったこと、ぬいぐるみはゴミとして処分したことが明らかになりました。

    拾得者:カントー地方ハナダシティ在住の16歳の少女
    拾得物#83280:微かに腐敗の始まった生卵
    拾得物に関するエピソード:
    志望していた高校の受験前日、消費期限の過ぎた卵を使用した料理を口にしたことで激しい食中毒の症状を呈し、最終的に試験に失敗したとのことです。

    拾得者:カントー地方を旅行中の11歳の男子トレーナー
    拾得物#83280:改造されたエアガン
    拾得物に関するエピソード:
    拾得者は明らかに狼狽した様子を見せており正確なエピソードを話せない状態でしたが、後の調査でトレーナーは旅行に出る以前、エアガンの誤射で近所に住む当時五歳の少女を失明させたことが明らかになりました。

    拾得者:ジョウト地方コガネシティ在住の67歳の男性
    拾得物#83280:古い口紅
    拾得物に関するエピソード:
    30年近く前、男性と不倫関係にあった女性が愛用していたものです。女性は堕胎手術の失敗で既に死亡しています。

    拾得者:ホウエン地方ヒワマキシティ在住の32歳の男性
    拾得物#83280:丸められた縦長の紙。数式が多数書き込まれている
    拾得物に関するエピソード:
    中学生の頃、試験中にカンニングをするために持ち込んだものの、教師に発見され厳しい叱責を受けた記憶があると語っています。男性はこの違反行為で内申点を大きく下げられ、志望していた高校へ進学することができなかったとのことです。

    拾得者:ジョウト地方ヒワダタウン在住の23歳の男性
    拾得物#83280:空になった殺虫スプレーの缶
    拾得物に関するエピソード:
    かつて同級生が大切にしていたレディバを、嫉妬心から殺虫スプレーを用いて殺傷したと語りました。同級生とはその後疎遠になり、優秀なポケモントレーナーである別の男性と結婚したとのことです。

    拾得者:カントー地方セキチクシティ在住の14歳の少年
    拾得物#83280:水に濡れた漫画の単行本
    拾得物に関するエピソード:
    少年は数年前にこの書籍を万引きし、両親や教師からひどく叱責されたと語りました。以後、両親とはほとんど交流が持てず、両親は弟にばかり目を掛けているとも語っています。

    拾得者:カントー地方シオンタウン在住の17歳の少女
    拾得物#83280:使用済の女性用避妊具
    拾得物に関するエピソード:
    二年前に同級生と初めて性行為に及んだ際に使用したもので、その後同級生とは破局したとのことです。破局の理由は、少女が妊娠したことによる堕胎の是非を巡る意見の相違であると口にしました。

    拾得者:ホウエン地方カイナシティ在住の65歳の女性
    拾得物#83280:酷く破損した懐中時計
    拾得物に関するエピソード:
    女性は詳細を語ることを拒絶しましたが、断片的に得られた情報から、女性が過去何らかの理由で見捨てざるを得なかった親友の所持品であると推測されています。

    拾得者:ホウエン地方キンセツシティ在住の55歳の男性
    拾得物#83280:箱詰めされた保存の効く食料品各種と、子供の筆跡で書かれた手紙
    拾得物に関するエピソード:
    不正な会計処理を行ったことで懲戒解雇処分となった男性の元部下の家族から送られてきたもので、処分できずに会社に放置したままになっていたとのことです。

    拾得者:カントー地方シオンタウン在住の13歳の少年
    拾得物#83280:泥にまみれたサッカーボール
    拾得物に関するエピソード:
    少年は8歳のころ公園でこのサッカーボールを用いて遊んでいた際、誤って車道に飛び出したことで交通事故に遭遇しました。以後、少年は車椅子を使用して生活しています。

    拾得者:カントー地方を旅行中の12歳の女子トレーナー
    拾得物#83280:ガラガラが所持している太い骨棍棒
    拾得物に関するエピソード:
    金銭目的でカラカラ及びガラガラを狩猟し、その過程で入手した特に質の良い骨棍棒です。しかしながら、取得直後にガラガラが育てていたと思しき幼いカラカラが現れ、良心の呵責を覚えたトレーナーは骨棍棒を放棄してその場を立ち去ったとのことです。

    拾得者:カントー地方シオンタウン在住の35歳の男性
    拾得物#83280:大量の血液が付着した大型レンチ
    拾得物に関するエピソード:
    男性は拾得物について語ることを一切拒否しました。血液はヒトのものであることが明らかになっています。

    拾得者:ホウエン地方トウカシティ第三支局に在籍する女性局員
    拾得物#83280:便箋に入れられた手紙
    拾得物に関するエピソード:
    局員がかつて恋愛感情を抱いていた相手に渡そうとしたものであることが分かりました。相手は手紙の受け取りを拒否し、以後局員との接触を避けるようになったとのことです。

    拾得者:カントー地方グレンタウン第二支局に在籍する男性局員
    拾得物#83280:破損したモンスターボール
    拾得物に関するエピソード:
    局員がポケモントレーナーとしてシンオウ地方を旅行していた際、いわゆる「やぶれたせかい」に掛かる特異な事案に巻き込まれて消失したヒコザルが入っていたボールです。局員は、ボールは亡骸の代わりとして間違いなく墓地へ埋葬したと語っています。

    拾得者:カントー地方トキワシティ第五支局に在籍する男性局員
    拾得物#83280:使い込まれた小学生用の竹刀
    拾得物に関するエピソード:
    小学生の頃、地元の剣道教室に通っていた際に使用していたものです。局員は当時一つ年上の少女に想いを寄せており、彼女と親しくしたいという思いから剣道教室へ通い始めました。二年が経過する頃には少女とも親しく交流するようになったとのことですが、後に少女を含む一家が惨殺されるという事件が発生しました。その際の第一発見者となったのが局員で、その際ある猟奇的な光景を目撃してしまったことにより、以後竹刀を手に取ることができなくなったとのことです。

    拾得者:ジョウト地方アサギシティ第七支局に在籍する女性局員
    拾得物#83280:明治製菓製の板チョコレート
    拾得物に関するエピソード:
    かつて生活していた児童養護施設にて、後に複数の児童に対する強制わいせつ罪により逮捕された男性の元職員の一人から渡されたものです。渡される前後のエピソードについては語りたがらず、ヒアリングを担当した局員もこれを了承しました。

    拾得者:カントー地方タマムシシティ第三支局に在籍する女性局員
    拾得物#83280:古い編み針
    拾得物に関するエピソード:
    幼い頃慕っており、また可愛がって貰っていた局員の母方の祖母が愛用していたものであることが確かめられました。局員はタマムシシティへ移住してから数回祖母から連絡を受けていましたが、多忙のためいずれも回答せずに先送りし、結果として祖母が亡くなるまで再び会うことはありませんでした。

    拾得者:シンオウ地方ミオシティ第四支局に在籍する男性局員
    拾得物#83280:プラスチックのキーホルダーが付いた家屋の鍵
    拾得物に関するエピソード:
    局員がかつて家族と共に住んでいたマンションの鍵です。彼はある時この鍵を持っていくのを忘れたためそのまま遊びに出かけ、結果として家の中に侵入していた窃盗犯と対面せずに済みましたが、代わりに後から帰宅した彼の妹が犠牲になりました。


    拾得物#83280の傾向から、事象#83280に関与している存在(恐らくは通路#83280そのもの)は非常に高い知性を持ち、かつ少なからぬ悪意を持っていると推測されています。この状況を鑑み、拾得物#83280を出現させる実験は慎重に行われるべきです。


    [1996-05-18 Update]
    1996-05-17未明、地元の若者グループが鉄扉を破り、カントー地方シオンタウン側から通路#83280に侵入するというセキュリティインシデントが発生しました。明朝5時の定期巡回でインシデントに気付いた警備員が最寄りの拠点へ緊急通報を行い、非致死性の武装した局員5名が現場へ急行しました。

    局員が通路#83280内部へ進入したところ、不法に侵入したと思しき3人の若者が死亡しているのが発見されました。2名は両腕を切断され、残る1名はさらに胴体を切断されています。いずれも出血多量が直接の死因になったものと推定されます。辺りに凶器となり得るようなものは見当たりませんでしたが、局員の一人が携帯獣の「ストライク」由来の足跡が残されているのを発見しました。

    その後の身元調査の過程で、胴体を切断された若者はかつてストライクを使役していたことが分かりました。ある時ふとしたことが切っ掛けでストライクと仲違いし、彼はストライクをデータ化した状態で物理的に抹消したとのことです。この一件で彼はトレーナー免許を剥奪されています。

    この事から、局員の一人が「通路#83280が事象#83280を起こし、拾得物#83280としてストライクを発現させたのではないか」という仮説を提起しました。若者たちが殺害された状況を鑑みても有力な仮説であり、またこの仮説を覆すような証跡はこれまでのところ発見されていません。

    以上より当局では、通路#83280は事象#83280を通し、拾得物#83280として生体をも出現させ得る能力を持っているという結論に達しました。これは今まで考えられていた案件#83280の性質から大きく逸脱するものです。通路#83280におけるすべての実験は無期限に禁止され、通路#83280の警備を強化することが決定しました。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1279] #96561 「共用プリンター無断利用」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/04(Mon) 22:52:37     51clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #96561

    Subject Name:
    共用プリンター無断利用

    Registration Date:
    2000-08-07

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    シンオウ地方ミオシティにあるポケモンセンターから、日次で不審な印刷物の出力がなかったかの報告が行われることになっています。担当者は報告内容を確認し、印刷物#96561に該当すると判断した場合は原本を送付するよう連絡してください。受領した印刷物#96561は管理局標準の手順でスキャンして電子化した上で、原本は拠点内の書庫4-Dにある青色のバインダーに綴じて保管してください。これまでのところ、印刷物#96561そのものに情報災害やその他の異常効果があった事例は確認されていません。

    印刷物#96561の中には、全体で76ページと推定されるページ番号が付与されているものがあります(印刷物#96561-23)。印刷物#96561-23については他のものとは別の赤色のバインダーへ綴じ、ページ番号順にソートして保管してください。また、印刷物#96561-23が送付されてきた場合は、案件担当者は上長にその旨を報告してください。その際、発見された印刷物#96561-23のページ番号を併せて報告してください。


    Subject Details:
    案件#96561は、ポケモンセンターに設置された公衆端末に接続された共用プリンターから出力される不審な印刷物(印刷物#96561)と、それに掛かる一連の案件です。

    2000年6月頃、シンオウ地方ミオシティにあるポケモンセンターに在籍する職員から「プリンターの利用履歴に無い奇妙な印刷物が残置されていた」という通報が寄せられました。局員が現場へ向かい確認したところ、後に印刷物#96561-1と指定される明らかに不審な印刷物がプリンターの排紙トレイに残されていました。センターの職員に了解を得た上でプリンターと印刷物を回収し、最寄りの拠点へ持ち込んで調査を行いました。

    この段階において、当事案はプリンターに何らかの原因があると考えられていましたが(資料R-96561-initial参照)、局内で実施したテストでは異常な印刷物は出力されず、機器の調査を行っても特に不審な点は見受けられませんでした。初期調査が終了して一週間ほどが経過した後、先に通報があったシンオウ地方ミオシティのポケモンセンターより「別のプリンターからも異常な印刷物が出力された」との情報が寄せられました。この時点で担当者は本事案を案件化することを提案し、4日後に本部が案件立ち上げを承認しました。

    現時点までに行われた調査で、シンオウ地方ミオシティに構築されたローカルエリアネットワークには何ら異常が無く、不審な印刷物が悪意あるソフトウェアによる異常な挙動ではないことが確かめられています。端末/プリンター/サーバ等のすべての機器が正常に稼働しているにもかかわらず、概ね2日から5日の間を空けて、サーバ上に履歴の無い不審な印刷物が出力され続けています。これらの印刷物は総称して印刷物#96561と指定され、それぞれナンバリングが行われています。

    以下は、これまでに確認された印刷物#96561の一覧です:


    印刷物#96561-1:
    本件が初めて確認された際に残されていた印刷物。横向き。1ページ。シンオウ地方ミオシティの解像度の低い航空写真のように見えるが、中心に詳細不明の巨大な穴が形成されている。穴の周囲の建造物が薙ぎ倒されていることから、当局の見立てでは隕石の落下に伴う大規模災害が発生したものと考えられている。これまでのところ、シンオウ地方ミオシティに隕石が落下したという記録は存在しない。

    印刷物#96561-2:
    恐らくは女性のトレーナーによって「ニコラス」と名付けられたプラスルの生育日記の抜粋。縦向き。4ページ。一日に付き一行で書かれ、日付→改行→本文→改行→日付……のサイクルが繰り返されている。初期は特に問題が無いように見受けられるが、一週間を過ぎた辺りからニコラスの知性が急激に向上し、最終的にエスペラント語由来と思われる未知の言語を話すようになったことが端的に綴られている。最後の行はニコラスが脱走/失踪したことを示唆している。

    印刷物#96561-3:
    ほとんどが空白で、中心に10ポイント程度の小さな文字で「ソースはここにある」とだけ記載された文書。縦向き。1ページ。

    印刷物#96561-4:
    任天堂が1999年にリリースしたNINTENDO64専用ビデオゲームである「ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ」の攻略サイトと思しきウェブサイトの一部。縦向き。3ページ。本文は本作未登場のキャラクターである「カメック」(スーパーマリオシリーズに登場する敵キャラクター)についての詳細な攻略で占められ、貼り付けられた画像は少なくとも6体のキャラクターが同時に戦闘を繰り広げている。開発元はこのような仕様は一切無いと明言しており、徹底的な捜索においてもこの印刷物にあるような仕様を実現する海賊版の存在は確認されていない。

    印刷物#96561-5:
    すべて異なるフォントで「ピカチュウ」または「Pikachu」と327回綴られたドキュメント。縦向き。1ページ。いくつかについて、極端にマイナーなものか、または実在しないフォントが使用されている。

    印刷物#96561-6:
    Microsoft社のワードプロセッサソフトウェアである「Microsoft Word」で書かれたと思しき「電球依存症の治療に関する一考察」という文書のタイトルページ。横向き。1ページ。目次及び本文は印刷されず。少なくとも現時点において「電球依存症」なる依存症が正式に確認または報告された事例は存在しない。

    印刷物#96561-7:
    差出人が「戸塚 泰敏」、宛先が「Hiroki Matsumoto」と記載されたメール。縦向き。2ページ。本文は一般的なビジネスメールのように見えるが、「カモネギの販路拡大」「ガベージゼリー計画」など、アムリタ・ファウンデーションが関わっている疑いの濃い事案についての記載が随所に見られる。本文から「Hiroki Matsumoto」はアムリタ・ファウンデーションの関係者であり、「戸塚 泰敏」はアムリタ・ファウンデーションから依頼を受けて商品を拡散する役目を担っている下請け会社の職員と推測されている。

    印刷物#96561-8:
    解像度の低い写真。横向き。1ページ。写真は一般的な喫茶店の店内を撮影したスナップ写真のように見えるが、隅に置かれた時計は「1」から「12」ではなく「1」から「17」の時刻を指すようになっている。このため、写真が撮影された場所または世界においては、24時間制ではなく34時間制が用いられている可能性がある。そのような時刻の制度を採用している国や地域は存在しない。

    印刷物#96561-9:
    筒井康隆の短篇作品「農協月へ行く」の一部。縦向き。2ページ。本来強い訛りが見られる登場人物の台詞がすべて標準語に書き直され、本文は正仮名遣いにされている。2ページ目はページ全体の約半分に達したところで唐突に途切れている。

    印刷物#96561-10:
    装飾の無い短いメモ書きのテキストファイルがそのまま印刷されたもの。縦向き。1ページ。メモには「ポリゴン:30コ」「カイロス:25コ」「技マシン15:60コ」「冷んやりバッジ:12コ」と書かれている。内容からカントー地方タマムシシティに存在するゲームコーナーの景品交換所の商品入荷に関するメモと推測されるが、同所で「冷んやりバッジ」なる景品が交換対象になった記録は存在しない。

    印刷物#96561-11:
    カントー地方ヤマブキシティ発のリニアの7月20日分の乗車券をスキャンしたもの。縦向き。1ページ。出発はカントー地方ヤマブキシティ駅であり正常だが、行き先がホウエン地方ミナモシティと思われる場所(厳密には「ミ■モシテ■駅」と一部が黒塗りになっているため、ミナモシティではない可能性も残されている)になっている。ホウエン地方ミナモシティ駅行きのダイヤは実在せず、「ホウエン地方ミナモシティ駅」そのものが実在しない。

    印刷物#96561-12:
    何者かによる企業の内部告発のような文書。縦向き。2ページ。文書が途中から始まっており、固有名詞と思われる箇所はすべて黒塗りにされているため具体的な内容には不明瞭な点が多い。大筋としては、大衆薬として販売されている医薬品に重大な欠陥があり、重篤な携帯獣アレルギーを引き起こさせる可能性があるにも拘らず、警告を無視して販売を続けているという旨のもの。文面からは、どの医薬品企業に対する内部告発なのかを読み取ることはできず。

    印刷物#96561-13:
    子供の手形が5つ押されたものをスキャンしたもの。横向き。1ページ。スキャンはかなり高い解像度で行われており、手形を鮮明に読み取ることができる。手形はいずれも案件#48238(「カイナ北小学校の火災事件」)で検体#48238となった児童のものであることが判明。手形が取られたのは火災事件発生と同年と推定されているが、児童が手形を取るような出来事はこれまでに確認されていない。

    印刷物#96561-14:
    未知のスーパーマーケット「デイリーライフ」が頒布したと思われるチラシの縮小版。2ページ。横向き。1ページ目は日用品の広告であり目立った異常性は見られないものの、記載されている商品はいずれも実在しない(いずれも実在している商品とわずかに仕様が異なっている)。2ページ目は食料品の広告だが、本来国内法で販売が禁止されているオムナイトやイーブイといった希少な携帯獣の食肉を安価で販売するとの表記がある。

    印刷物#96561-15:
    ヒトカゲのお面を印刷したものだが、額に第三の瞳が追加されている。下部に付けられた説明には第三の瞳に関する言及は存在しない。縦向き。1ページ。

    印刷物#96561-16:
    クリフォード・ストール著「インターネットはからっぽの洞窟」の邦訳版と、エミリー・ブロンテ著「嵐が丘」の邦訳版(岩波書店刊行版)が、共に途中から一段落毎に交互に転記されている文書。3ページ。横向き/縦書き。双方の文書は原版から所々表記が変更されているが、大筋の内容に変化は見られない。両者は互いに一切干渉せず、あくまで交互に文章が転記されるに留まっている。

    印刷物#96561-17:
    ヘッダ情報によると、「登録地域:ホウエン地方キンセツシティ/トレーナーID:48964/登録名:タカハシ トモミ」なるポケモントレーナーのポケモンレポート。日付は1985年6月12日から6月14日にかけてのもの。3ページ。縦向き。地理的にはシンホウ地方ミオシテイ(原文ママ。正確には「シンオウ地方ミオシティ」と推測)近辺にいるはずだが、一週間に渡って一人の人間も目撃していない旨が乱雑な筆致で記載されている。レポートの最後には「誰か助けてください」と書かれている。該当するトレーナーは実在するが、現在はジョウト地方ヒワダタウンに在住。印刷物の内容についてヒアリングを実施したところ、「ちょうどその頃に、人が誰もいない街を彷徨う怖い夢を見た気がする」との回答が得られた。本人は至って健康で、特段の問題は見られず。

    印刷物#96561-18:
    印刷物#96561-17と同一の文面のレポートだが、執筆者の情報が「登録地域:ヒガシノ地方ムラサキシティ/トレーナーID:11111/登録名:アサクラ ナオコ」に変化している。地域やトレーナーはすべて実在しないことを確認済。

    印刷物#96561-19:
    表題に「サーバーをサーバと書くべき2,675の理由」と記載された文書。1ページ。縦向き。内容は「短音表記とすることで資源が節約できる」というものを言い回しや文体、例示を変えて説明を繰り返しているもの。これまでのところ、同名の文書が見つかったという報告は得られていない。

    印刷物#96561-20:
    何らかのソフトウェアをインストールした際に、インストーラが記録として出力したログと思われる英語が使用された文書。5ページ。横向き(一般的にこの種のドキュメントは縦向きで出力されるが、この印刷物は横向きにされていた)。内容から対象のソフトウェアはid Software社が発売した「Quake II」と推定されているが、本来の製品には含まれない多数のファイルがインストール対象として記録されている。また、インストール先として8345文字に渡る極めて長大なパスが指定されている。この長さのパスをサポートしているファイルシステムに対応するOS向けの「Quake II」は、現状では存在しない。

    印刷物#96561-21:
    ish形式によりテキストへエンコードされた未知のファイル。2ページ。縦向き。デコードすると、包丁で刺殺されたニドラン(♂)と思しき存在が横たわる極めて画質の悪いJPEGファイルが得られる。画像の解析から撮影場所はカントー地方セキエイ高原付近と思われるが、近隣でニドラン(♂)がこのような形で殺害された事件は確認されていない。

    印刷物#96561-22:
    電子掲示板の書き込みをテキストファイルへ保存したもの。7ページ。縦向き。電子掲示板は、携帯獣と未成年の少年少女による性行為を収めた違法なポルノビデオに関する情報交換の場所として使用されていたと考えられる。該当する掲示板は発見できなかったが、書き込みにあったビデオについてはすべて実在することが判明。撮影・販売していた業者に本件について尋問を行った後、警察機関へ引き渡し済み。近く起訴される予定。

    印刷物#96561-23:
    当局の書式に完全に準拠した、未知の案件である案件#161088(「はめつのねがい」と名付けられている)に関する詳細な報告書。全76ページ。縦向き。これまでに21回に渡って個別に印刷され、毎回1ページから2ページが得られている。現在の総取得ページ数は37ページ。基礎情報によると、登録日時は2020-09-27、警戒レベルは「7」とされている。この警戒レベルは現時点では完全に存在しないものである。概要は欠落部分があるため厳密には定かではないが、未知の理由により携帯獣の「ジラーチ」が地球に攻撃を仕掛け、既に全人類の9割が死滅したことが記載されている。取扱い方法には当局を存続させ事態を収拾させるための手続きが記載されていると思われるが、これまでのところ取扱い方法部分は一度も印刷されたことが無い。

    印刷物#96561-24:
    アニメ「ポケットモンスター」の第1シーズン第31話「ディグダがいっぱい!」の台本の一部を英訳し、カプコン社が1999年5月にリリースした対戦格闘型アクションゲーム「ストリートファイターIII 3rd STRIKE -Fight for the Future-」に登場するキャラクターの一人である「トゥエルヴ」が作中で使用する架空言語(アルファベット及び「!」「?」に相当する文字を独自のルールで2進数の数値に置換したもの)で記述したもの。3ページ。横向き。英語圏で放送されたものとは内容が異なっており、原本に忠実な訳になっている。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1278] #115481 「行き倒れたトレーナー」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/03(Sun) 19:48:06     46clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #115481

    Subject Name:
    行き倒れたトレーナー

    Registration Date:
    2006-08-06

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    生体#115481は当局の保持する施設/装備では物理的な収容が困難であるため、現在は収容方法の確立に案件対応の重点が置かれています。これまでのところ生体#115481は人類に対して一切の攻撃性及び敵対心を見せていませんが、それとは無関係に収容手順は早急に制定されるべきです。現在、収容手順候補P-115481-22-RCが検証プロセスに入っています。検証プロセスをクリアした場合、P-115481-22-RCの内容が正式な取り扱い手順に反映されます。

    市民やトレーナーから生体#115481、または生体#115481が擬態していると思しきトレーナーについて通報があった場合、通報者を安全な場所まで移動させ、局員が生体#115481の確保に向かいます。通常、生体#115481は人間に対して友好的であり、局員が素性を正した上で同行を求めた場合は問題なくこちらの指示に従うことが分かっています。局員は生体#115481を徒に刺激しないよう注意しつつ、最寄りの拠点まで同行を求めてください。

    拠点への同行を求める場合も、拠点で生体#115481にヒアリングを実施する場合も、決して携帯獣を帯同させてはいけません。生体#115481の持つ特異な性質から、携帯獣の局員が在籍している拠点には生体#115481を進入させてはなりません。やむを得ず進入させる場合は事前に連絡し、すべての携帯獣の局員が退去したことを確認してから実施してください。


    Subject Details:
    案件#115481は、人間の子供に酷似した姿を持つ未知の生命体(生体#115481)と、それに掛かる一連の案件です。

    生体#115481が初めて当局の知るところとなったのは、2006年7月上旬のことです。カントー地方セキチクシティ近辺の道路を散策していた市民が混乱した様子で当局に緊急通報を行い、その中で「トレーナーがポケモンを食べているのを見た」と証言したことで当局の注意を引きました。駆け付けた局員が市民から事情を聞いたとおろ、市民は18番道路の散策中、ポケモントレーナーと思しき人物が携帯獣を「異様な様子で」摂食している光景を目にし、当局へ連絡したとのことでした。

    最寄りの拠点で装備を整えた局員が証言にあった現場へ向かうと、そこには概ね12歳頃に見える、一般的なポケモントレーナーの服装をした少女が倒れていました。局員が警戒しながら呼び掛けると、少女はすぐさま体を起こし「ご心配をお掛けしてすみません。もしよろしければ、最寄りの休憩所まで連れて行っていただけませんか?」と応答しました。局員は同行した別の局員と相談した上で、少女を一旦18番道路側のゲート付近まで連れていくことにしました。

    少女を椅子に座らせ休ませる形にしてから局員が通報者に確認を取り、通報者に少女の風貌を確認させました。通報者は狼狽した様子で「間違いない」と繰り返し、この少女が通報にあった「ポケモンを食べていたトレーナー」であることが確認できました。安全のため通報者を帰宅させ、局員は少女に最寄りの拠点までの任意同行を求めました。少女は素直に任意同行に応じ、さらに「後ですべてお話しします」と付け加え、自らの性質について説明する旨を約束しました。

    拠点内にある収容室でヒアリングが行われ、少女は事前の約束通り自身の持つ特異性について詳細な説明を行いました。その結果局員は少女が一般的な人間ではないことを確信、さらに案件として起票する必要があると判断し、拠点監督者と短い協議を行った後直ちに案件立ち上げを行いました。この時点で、少女と類似する特徴を持った生命体が生体#115481と分類され、少女自身は生体#115481-1として分類されました。生体#115481-1自身が語った自らの特徴と、当局が実施した調査により、生体#115481の特徴がある程度判明しました。

    この初期情報に基づき各地域で調査が行われ、1ヶ月の間に新たに2体の生体#115481が確認されました(生体#115481-2及び生体#115481-3)。それぞれに任意同行を求め最寄りの拠点へ移送し、個別にヒアリングを実施しました。ヒアリングから得られた情報により、生体#115481の生態に関する詳細が明らかとなりました。

    生体#115481は、概ね6歳から16歳頃までの明確な特徴を持たない少年少女に酷似した風貌を持つ、由来不明の未知の生命体です。出現する際は必ず衣服を身に纏っているように見えますが、これは実際には身体と一体化しており、分離させることはできません。ただし、衣服に相当する部分を含む身体全体について、生体#115481の意志に沿ってある程度変形/変色/変質させることができます。どのような状態にまで変化させられるかは明確ではありませんが、生体#115481-1の証言によれば「人間の子供のように見える姿」であればどのような形にもなり得るとのことです。この性質により、生体#115481には一般的な意味での性別は存在しません。また生体#115481自身も、いずれも「私には性別というものがありません」と語っています。

    生体#115481は人間の口に相当する器官で発声や呼吸を行いますが、飲食物を摂取する場合は当該器官を使用せず、およそ60cmに渡って開くことのできる「獣の入り口」と生体#115481が呼んでいる器官で摂食活動を行います。この「獣の入り口」は生体#115481のどのような場所にも出現させることができ、身体に裂け目ができる形で出現します。「獣の入り口」は小型の携帯獣ならそのまま飲み込むことができ、ある程度大型の携帯獣であっても内部に引きずり込むことで最終的に全身を摂食します。生体#115481の内部は外見から推測できる以上の容量を持っているか、または未知の空間へ接続されています。具体的な内部の構造は明らかになっていません。これまでの記録では、生体#115481がその時取っていた姿の4倍以上の大きさを持つイワークを、尻尾から引きずり込む形で30秒前後で摂食したというものがあります。

    先述した性質から、生体#115481は不定形生物と考えられます。しかしながら変身できる対象は限られているようで、人間の子供以外の姿、例えば成人に達した人間や携帯獣の姿は取ることができません。これは生体#115481が意識的に拒否しているのではなく、そのような機能を持たないことに起因するようです。その代わりとして、人間の子供をイメージさせる風貌であればどのような人物であっても瞬時に変身することが可能です。変身は少なくとも0.016秒以内には完了し、ハイスピードカメラを用いても変身プロセスを捉えることはできませんでした。生体#115481はこの能力を、後述する彼らの食性に利用していることが分かっています。

    生体#115481は人間の子供、特に一般的なポケモントレーナーの風貌をした子供の姿に擬態します。擬態した状態で主に道端や山岳地帯にて待ち伏せを行い、接近してきた携帯獣を捕食する性質を持ちます。待ち伏せを行う際、あたかも行き倒れて動けなくなったような状態を装うのが特徴です。「人間の子供」と判断できる範囲内で様々な姿に擬態することが分かっていますが、彼らは特に幼い少女に擬態することを好んでいるようです。これは生体#115481の嗜好ではなく、より弱く見える存在に擬態することにより、獲物となる携帯獣をおびき寄せることが容易になるという観点からとのことです。

    彼らが擬態している際に携帯獣ではなく人間が接近すると、人間から声を掛けられるか否かに関わらず必ず起き上がり、「最寄りの休憩所まで連れていって欲しい」と依頼します。人間が依頼に従って休憩所へ連れて行くと、一礼して「もう大丈夫です」と言い、それ以上接触を求めません。依頼を断ってその場へ放置された場合、生体#115481はそのまま行き倒れた状態に戻ります。こうして携帯獣を捕食しつつ、各地を特に目的も無く彷徨っているようです。

    基本的に、生体#115481は自分自身を捕食しようとしてきた携帯獣を返り討ちにする形で捕食しますが、生体#115481-3から得られた証言によると「別の目的で近寄ってきた携帯獣も捕食する」とのことです。彼らの言う「別の目的」が何かは明確ではありませんが、いずれにせよ外見に拠らずいかなる携帯獣であっても捕食する獰猛さを持つことに変わりはありません。これまでのところ人間が捕食された、あるいは襲撃を受けた記録は存在せず、彼ら自身も「人間を襲うことは考えにも及ばない」「ましてや捕食することはあり得ない」と語っています。現状では人類に対する敵対心は持っていないと推定されますが、完全に安全であるとは断言できません。


    [2006-09-17 Update]
    収容中の生体#115481-1に依頼し、生体組織のサンプルを入手することに成功しました。サンプルを解析したところ、生物学的な構成がヒトに極めて近いことが明らかになりました。これは生体#115481がヒトに近似した存在であるか、あるいはヒト由来の生命体であることを示唆しています。今後さらなる研究が必要と推測されます。


    [2006-10-02 Update]
    生体#115481-1を収容していたカントー地方セキチクシティ第十支局にて、重大な収容違反が発生しました。当直の警備員が午前2時頃に確認したところ、生体#115481-1が収容室から消失していたことが分かりました。直ちに近隣一帯の捜索が行われましたが、生体#115481-1を発見することはできませんでした。収容室からは「しばらくの間お世話になりました。またケダモノを狩る旅に出ます」と書かれた書き置きが発見されたため、生体#115481-1は自発的に収容を破ったものと思われます。

    後に収容室に取り付けられた監視カメラの映像を確認したところ、生体#115481-1がどのようにして収容を破ったかが明らかになりました。腹部に「獣の入り口」を開けた生体#115481-1は、自身の体を折り曲げるようにして「獣の入り口」へ頭部を挿入し、そのまま全身を「獣の入り口」へ飲み込ませました。全身が収まると同時に「獣の入り口」が閉じ、生体#115481-1は完全に消失しました。このことから、生体#115481が持つ「獣の入り口」はある種の異空間へ通じており、生体#115481はそこを自由に出入りすることができるものと考えられます。


    [2006-10-05 Update]
    生体#115481-1と同様の手順により、生体#115481-2及び生体#115481-3も収容室から消失しました。以後の行方は分かっていません。生体#115481-2及び生体#115481-3についても生体#115481-1と同様の書き置きを残しています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1277] #48238 「カイナ北小学校の火災事件」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/02(Sat) 18:52:12     41clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #48238

    Subject Name:
    カイナ北小学校の火災事件

    Registration Date:
    1985-04-15

    Precaution Level:
    Level 4


    Handling Instructions:
    事案#48238に関するすべての資料は電子化され、本案件専用のサーバに保管されています。案件担当者及び案件担当者から下位のセキュリティクリアランスを割り当てられた局員は、格納された資料を事前申請無しに閲覧する権限を持ちます。資料の持ち出しに関しては、当局が定める標準的な情報管理規約に準じます。原則として、局外に資料を持ち出すことは許可されません。

    回収された検体#48238はフエンタウン北部に位置する当局のバイオリサーチセンターへ収容しています。すべての検体#48238は同一の異常性を示しているため、実験を行う際は例外なく書式F-48238-2に沿って必要な事項を記入し、ワークフローを回付する必要があります。施設の保安上の観点から、検体#48238は常に-60℃未満の環境で保管されなければなりません。検体#48238及び収容室に何らかの異常が検知された場合、直ちに武装した警備員が駆け付けることになっています。

    事案#48238が発生したカイナ北小学校は、事件調査の名目で現状のまま保持されています。調査を行う場合は書式F-48238-3に沿って必要な事項を記入し、4名以上の拠点監督者から承認を得る必要があります。さらに、調査に際しては最小でも3名以上の局員が参加しなければなりません。これは保安上の措置であると同時に、情報漏洩を防止するものでもあります。違反した場合、当局の定める規約に沿って懲罰を受ける可能性があります。


    Subject Details:
    案件#48238は、カイナシティ北部にあるカイナ北小学校で発生した大規模な火災事件(事案#48238)と、それに掛かる一連の案件です。

    事案#48238が発生したのは、1985年4月4日のことです。この日の午後1時頃、消防に「カイナ北小学校で火災が起きている」という緊急通報が多数寄せられ、消防隊員が現場へ急行しました。消防隊員と地元住民の証言によると、消防隊が駆け付けた時点で既に火災は校舎の全域に広がっており、周囲への延焼も始まっているという重篤な状態でした。およそ4時間後に火が消し止められ、警察と消防による現場検証が行われましたが、その直後に異常性を確認、当局に事案が持ち込まれました。

    通報を受けた局員は、一部が現場に駆け付けた保護者や関係者の説得に当たり、残りは消防隊員や警官から事情の説明を受けました。被害の大きさに伴い多くの保護者が現場へ押し寄せており、初期調査に影響を来す恐れがありました。当局は現状保全のため例外的にプロトコルUXに基づく広範な記憶処理を行い、保護者・関係者の全員を最寄りの拠点へ移送しました。加えて事案処理チームに連絡し、死亡した児童に対応する擬似遺骨を作成するよう依頼しました。これをもって事案の初期処理が完了したと判断し、現場から合計483体の検体#48238が運び出され、フエンタウン北部にある当局のバイオリサーチセンターへ移送されました。

    検体#48238は、カイナ北小学校及び同校の体育館の焼け跡から発見された、計483体の児童の遺体です。特筆すべき点として、校舎が全焼するほどの大規模な火災に巻き込まれたにもかかわらず、すべての検体#48238について一切の火傷や負傷の形跡が見られません。そればかりか、毛髪や体毛までもが完全に生前の原形を止めています。着用していた衣服や所持していた物品は例外なく焼失していますが、身体そのものには何ら影響を及ぼしていないようです。

    もう一つ特筆すべき点として、すべての検体#48238が極めて高い体温を示しています。個々に差はありますが、最低でも300℃を下回るものはなく、高いものでは実に450℃という検査結果が出ています。この体温にもかかわらず、検体#48238その物は先述した通り原形を保ち、発火/溶解することはません。外見上一切の異常な点が見られないにも関わらず、体温だけが明らかに異常なレベルで高くなっているのが検体#48238の特徴になります。

    すべての検体#48238の死亡理由は、火災に伴い発生した有毒ガスを吸入したことによる窒息死です。定期的なバイタルサインのチェックにより、検体#48238の生命活動は間違いなく停止していることが確かめられています。しかしながらそれにも関わらず、検体#48238極端に高い体温のためか、またはそれとは異なる未知の理由により、検体#48238は腐敗の兆候を見せていません。本稿執筆時点で収容から丸3ヶ月が経過していますが、すべての検体#48238が収容直後の状態から変化していないことが分かっています。

    事案#48238に伴う火災は、検体#48238が何らかの理由により突如として高温になり、それに伴い周囲のものが発火したものと推定されます。検体#48238そのものが一斉に出火元となったため、体育館を含めた校舎が全焼する大火災になったというのが有力な仮説です。警察と消防による現場検証でも明確な出火元を突き止められず、得られた証跡は多数の箇所から一斉に発火したというもので、当局の提唱した仮説を裏付けるものとなっています。

    検体#48238の性質により体細胞のサンプル取得は難航しましたが、いくらかの失敗を経て取得に成功し、詳細な解析が行われました。当局による解析の結果は、何らかの理由により体細胞が携帯獣の「ブーバー」のそれに近い構造になっているというものでした。これは検体#48238が非常に高い体温を示していることと、身体には体温の影響が及んでいないことの双方の事実に合致するものです。

    後に生存者の一人である教員に対し、ヒアリングを行う機会が設けられました。教員によると、火災当日の給食について教員の間から「味がおかしい」という声が複数上がっていたとのことです。奇妙なことに、児童の中に給食について異常を訴える者はまったくおらず、ほぼ全員が給食を残すことなく食べたことが分かっています。給食を食べた教職員には検体#48238のような異常が見られないことから、児童にのみ異常を齎す何らかの要因が給食にあったと推定されています。当日給食センターで勤務していた従業員全員にヒアリングを行いましたが、これまでのところ不審な点は見つかっていません。

    全校生徒が死亡するというあまりの被害の規模の大きさから、遺族の間で原因究明を求める声が強く上がり、当局としても対応に追われました。議論の末、校舎の老朽化と消防設備の不備、そして外部からの放火犯の侵入というカバーストーリーが用いられることが決定しました。しかしながら一部の遺族はこの調査結果に納得しておらず、さらなる調査を要求しています。火災発生直後に当局が調査に乗り出したことから、何らかの証拠隠滅や情報隠蔽が行われているものと考えているようです。現時点では、案件#48238及び事案#48238に関する情報を公開する予定はありません。


    [1986-01-24 Update]
    一部の局員から、検体#48238を遺族の元に返却すべきとの意見が挙がっています。検体#48238の性質上外部へ持ち出すことは困難ですし、望ましいことではありません。局員はプロフェッショナルとして、対象を不幸にして亡くなった児童の遺骸ではなく、異常性のある危険なオブジェクトとして厳密に扱わなければなりません。よって、この申し出は現在無条件で却下されています。繰り返し申し出るようなことがあれば、規律違反として処罰の対象になります。

    しかしながら実際問題として、生前の面影を色濃く残した多数の幼い児童が、冷凍庫のような場所で全裸にされ服も着せられずに無造作に横たえられているという光景は、精神衛生上決して好ましいものではないことも十分承知しています。我々は冷徹なプロフェッショナルであると同時に、血の通った人間でもあることを忘れてはなりません。特に同年代の子供を持つ局員にとっては、本案件に関わることそのものが苦痛であったとしても何ら不思議なことではありません。

    他の案件に携わる局員についても同様ですが、すべての局員はいつでもカウンセリングを受ける権利を持っています。精神的に疲弊していると感じたとき、現在の職務に嫌悪感や虚無感、無力感を感じるようなことがあれば、速やかにカウンセリングを受けるべきです。上司は局員の状態をよく観察し、彼らが誇りを持って職務に携われるよう配慮しなければなりません。そしてそれは、自身についてもまた同様です。

    局員が精神に変調/不調を来したことで、重大な収容違反を発生させた、あるいはその寸前に達したような事例はいくつもあります。それに比較すれば、局員に長めの休暇を与えてリフレッシュを促したり、報奨や賞賛で彼ら/彼女らの労をねぎらうようなことは、とてつもなく安いコストであることが理解できるでしょう。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1276] #122654 「15体のパッチール」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/05/01(Fri) 19:52:40     54clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #122654

    Subject Name:
    15体のパッチール

    Registration Date:
    2008-11-13

    Precaution Level:
    Level 1


    Handling Instructions:
    携帯獣#122654-1から-15は一つの大部屋へ収容し、判別を可能にするために腕にタグ付きのブレスレットを着用させてください。それ以外の取扱いについては、一般的なパッチールと変わるところはありません。携帯獣#122654-1から-15の養育担当に割り当てられた局員は、必要に応じて基礎資料リポジトリに存在する携帯獣標準養育手順書の番号327「パッチール」を参照することができます。携帯獣#122654-1から-15についてはいずれも局員と友好的であるため、収容に際して特段注意すべき所はありません。

    収容中に携帯獣#122654-1から-15について何らかの特異な挙動や動きが観察された場合は、直ちに上長に報告の上対策を協議することになっています。ただしこれまでのところ、実際に携帯獣#122654-1から-15が通常個体群と異なる挙動を見せた記録はありません。この手順は緊急事態に備えて制定されたもので、通常手順の中に含まれるものではありません。


    Subject Details:
    案件#122654は、集団で生活を営む15体のパッチール(携帯獣#122654-1から-15)と、それに掛かる一連の案件です。

    2008年10月24日、ホウエン地方フエンタウン近辺でフィールドワーク中の局員が、集団で行動するパッチールの群れを発見しました。当初は特段の異常性の無い通常個体群だと考えられていましたが、群れを観察した局員が後述するある特徴に気付き、異常事案の虞有りとして上長へ報告を行いました。報告を受けた上長は数名の局員を派遣、第一発見者となった局員と共にパッチールの群れを保護しました。パッチールの群れは局員たちに友好的な態度で接し、また彼ら自身が安全な住処を求めていたこともあって速やかに保護に応じました。その後の収容においても問題は無く、現在の状況に満足しているようです。

    携帯獣#122654-1から-15は、それぞれの個体は何ら異常性の見られない一般的なパッチールです。しかしながら15体全員について、体の模様が完全に一致しているという他では見られない特徴を持ちます。体表面の精密スキャンを全個体に対して実施し、厳密な相互比較検証を複数回に渡って実施しましたが、検証の結果はいずれもすべての個体が他個体と体の模様が完全一致するというものになりました。

    通常パッチールの体表面にできる模様は、人体の指紋のように個体ごとにすべて異なるという認識が一般的ですが、厳密には約 1 / 4,294,967,296 の確率で一致する可能性があるというのが専門家の見解です。しかしながらこれは相当に低い確率であることは言うまでもありません。携帯獣#122654-1から-15については15体すべてが一致しているために、単純な計算では 1/ 4,294,967,296 ^ 15 となり、これは 1 / 3.121749e+144 に相当します。いずれにせよ、通常ではまず起こり得ないことです。

    当初考えられたのは、携帯獣#122654-1から-15が何らかの方法、特にデジタル的な方法を用いて複製されたというものです。しかしながら精密検査の結果、個体ごとに多数の相違点があることが判明し、一部の個体については血液型や歯形といった複製した場合に一致すべき箇所が一致していないことも分かりました。データ化した状態のスキャンでも複製された形跡を見つけることができず、得られたデータはいずれも携帯獣#122654-1から-15が自然界で生まれ育った個体群であることを示しています。

    携帯獣#122654-1から-15の体表面にできる模様が完全に一致した理由は不明です。また、携帯獣#122654-1から-15がどのようにして現在の群れを形成したのかについても分かっていません。これまでのところこの個体群特有の性質や行動については観察されていませんが、継続的な観察が必要なものと考えられます。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1275] #89244 「おまけ付き自動販売機」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/30(Thu) 21:43:52     62clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #89244

    Subject Name:
    おまけ付き自動販売機

    Registration Date:
    1998-04-13

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    機器#89244はホウエン地方フエンタウン第四支局の施錠可能な倉庫へ収容し、他のオブジェクトと最低でも互いに3m以上の距離を置いてください。機器#89244は通電しない限り活性化しないため、常にコンセントが抜かれた状態を保持します。実験目的で機器#89244を活性化して利用する場合は、事前に様式F-89244-1に必要な事項を記入し、ワークフローを回付しなければなりません。実験で得られた物品#89244は内容を解析の上、フエンタウン第四支局に隣接する第五低異常性取得物保管庫のブロック4-Aから5-Fにかけて分類の上保管してください。

    機器#89244を用いた実験、特に物品#89244の排出を伴う実験を行う場合、機器#89244の半径50m以内にポケモントレーナー向けに作られたアイテムを、最低でも(実験を行う回数+20)個以上、適度に間を開けて配置してください。実験中にアイテムが一部、またはすべて消失することがありますが、これは機器#89244の正常な挙動です。この性質のため、実験参加者は実験チャンバーに不要なアイテムを持ち込んではなりません。

    これまでの実験で機器#89244から得られた物品#89244とその概要の一覧は、リストL-89244-2を参照してください。特別な実験を行う場合を除いて、物品#89244の持ち出しは認められません。ただし一部の物品#89244については、本案件を含む案件対応に際して上長の承認付きで使用が許可される場合があります。使用が特例的に認められている物品については、リストL-89244-2の「特例利用可能」列を参照してください。


    Subject Details:
    案件#89244は、飲料水とともに特異な性質を持つ様々なアイテムを排出する自動販売機(機器#89244)と、それに掛かる一連の案件です。

    機器#89244が初めて発見されたのは、1998年2月12日の事です。旅行中のトレーナーがジョウト地方チョウジタウンの道沿いに置かれていた自動販売機で飲料水を購入したところ、目当ての商品と共に黒いビニールに入れられた不審な製品が排出されたことに気が付きました。トレーナーがその場でビニールを開封したところ、後に物品#89244-1と認定されるアイテムが封入されていたことが判明しました。不審に感じたトレーナーが最寄りのポケモンセンターへ物品を届け出たことにより、本件は当局の知るところとなりました。

    局員が機器#89244の所有者を確認したところ、所有者は「自販機を置く契約を交わした記憶はあるが、飲み物以外の物が出てくるとは聞いていない」と回答し、機器#89244についてほとんど知識がないことが明らかになりました。局員が所有者を説得の上機器#89244を接収、代替の自販機を手配しました。この一連の作戦行動により、機器#89244は平和裡に当局の所有物となりました。

    機器#89244は、ある飲料水メーカーのロゴが印字された特徴のない自動販売機です。当局の問い合わせと内部調査により、飲料水メーカーは機器#89244の異常性について何ら知識を持っていない事が分かりました。この事から、機器#89244は元々正常な自動販売機だったものを、何者かが後から改造を加えたものと見られています。異常性の無い同一型の機器と比較していくつかの箇所に人為的に手を加えたと思しき点が見受けられるのも、この仮説を補強する一因となっています。

    通電され、かつ販売するための飲料水が十分補充されている場合に、機器#89244は活性化します。利用者が飲料水を購入できるだけの硬貨または紙幣を投入し、目的の商品に対応するボタンを押下すると、機器#89244は飲料水と共に黒いビニールに封入したアイテム(物品#89244)を排出します。飲料水についてはあらゆる検査で一切の異常性が認められず、事前に補充された製品をそのまま通常の機構で排出しているに過ぎないことが分かりました。

    物品#89244は、機器#89244が排出する未知のアイテム群の総称です。外見は概ね市販されているポケモントレーナー向けのアイテムと一致していますが、性質は既知のものと相違することがほとんどです。機器#89244の内部調査では、物品#89244が物理的に保管されているスペースを見つけることはできませんでした。しかしながら後述する性質より、機器#89244は物品#89244を無尽蔵に排出できるわけではないことが分かっています。

    繰り返し行われた実験で、購入する飲料水の種類と排出されるアイテムに相関関係は無いことが明らかになっています。以下はこれまでの実験で排出されたアイテムの抜粋です:


    物品#89244-1:
    機器#89244の異常性が初めて明らかになった際に回収されたアイテム。外見は一般に「スーパーボール」の名前で知られるモンスターボールの上位機種と完全に一致するが、中に三食分の携帯用非常食が入っていた。非常食を取り出した後は通常通り使用可能だが、捕獲性能はモンスターボールに準じていた。

    物品#89244-2:
    外装に「まひなおし」とラベリングされているが、実際には解毒作用を持つ医薬品。

    物品#89244-3:
    汎用的携帯獣技能習得装置(一般に「技マシン」と呼称されているデバイス)。調査により、内部には「たいあたり(ポケモンリーグ公認の名称に拠る)」が記録されていることが分かった。これまで実験したほぼすべての携帯獣が習得できることが判明している。

    物品#89244-4:
    外見上は一切の差異が見受けられず、少なくとも人間に対しては情報災害の効果も持たないことが分かっているが、野性の携帯獣に投擲すると例外なく恐れをなして逃げていくため繰り返し使用可能なピッピ人形。

    物品#89244-5:
    一般の自販機で市販されているものと同じラベリングがされた「おいしいみず」。携帯獣に飲ませると、体力の回復効果に加えて一時的に水属性の攻撃に対する強い耐性を得ることが分かった。耐性は概ね1時間ほどで解除される。

    物品#89244-6:
    かつて放送されていたラジオ番組である「ポケモンの笛」の音色が収録されたオーディオレコーダー。音質はかなり劣化している。再生すると麻痺状態にある携帯獣が健康な状態に回復する。睡眠中の携帯獣を起こす効果は観測できなかった。

    物品#89244-11:
    通常通り膨らませることができる風船。携帯獣に装備させると、風船そのものに向けて行われた攻撃を完全に回避する性質を持つ。自然に空気が抜けるか、携帯獣が自発的に風船を手放さない限り装備者を浮遊させ続ける効果がある。

    物品#89244-18:
    デボンコーポレーション社製の特殊用途向けの双眼鏡「デボンスコープ」に酷似した双眼鏡。使用すると、一部の人間が点滅して表示される。点滅にどのような意味があるのか、また点滅する人間の基準が何かは現在調査中。

    物品#89244-21:
    外見上不審な点が見られない「あなぬけのひも」。使用するといかなる場所からでも使用者の自宅へ帰還することができる繰り返し使用可能かつ、複数の人間が同時に使用可能。過去の事例では、一般に「やぶれたせかい」として知られる異常次元に関わるレベル5事案に巻き込まれて行方不明になった局員2名が、このアイテムを使用して無事に帰還したというものがある。恐らく次元を超えて使用可能と推測。

    物品#89244-25:
    一見したところ異常性の見受けられない「なみのりメール」50通。メールの用途を口頭で述べる(「お礼状」「近況報告」)と、それに適した定型文が記入される。定型文が記入される原理については不明。

    物品#89244-33:
    一般に「でんきだま」と呼ばれる黄色い球体に類似したアイテム。ピカチュウ以外の電気属性を持つ携帯獣に持たせると、実測値でおよそ1.25倍ほどあらゆる技の威力が上昇する(電気属性以外の技能も含む)。ピカチュウが所持した場合、何ら効果を発揮しない。


    これまでの実験から、機器#89244は「概ね無害で役に立つが、奇妙な性質を持つ」アイテムを排出する傾向があります。明らかに危険なアイテムやそれほどではないにしろ使用者に何らかの害を及ぼすアイテム、あるいはまったく用途不明なアイテムが排出された記録はありません。現状ではアイテムの生成過程が不明であることと、正確な効果が明らかになっていないアイテムが数多く存在することから、機器#89244及び物品#89244を積極的に利用することは避けるべきです。しかしながら一部の局員からは、有用な物品#89244については申し出に応じて貸与すべきとの意見も上がっています。

    実験の過程で一時的に機器#89244が応答しなくなり、直後に実験チャンバー内に置かれていたモンスターボールが消失するという事象が発生しました。そしてモンスターボールの消失と共に自販機が稼働を再開し、外見上モンスターボールと一致するインテリアアイテムを排出するという事象が観測されました。この事象から、機器#89244は内部に保持している物品#89244の材料となるアイテムを、未知の方法で周囲から収集していることが判明しました。不慮のアイテム喪失を防ぐため、実験に際して周囲に材料となるダミーのアイテムを配置することが提案されました。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1274] #131900 「キリンリキの『けんか別れ』」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/29(Wed) 20:23:09     50clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    *前書き*
    このお話を執筆するに当たって、以下に列挙する記事/ツイートを原案とさせていただきました。

    1)海外の共同創作サイト「SCP Foundation」にて、Tanhony様が投稿された記事である「SCP-1319」。
     → http://www.scp-wiki.net/scp-1319
    2)上記1)の記事を、csshow様が日本語に翻訳し、「SCP Foundation 非公式日本語訳wiki」に投稿されたもの。
     → http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-1319
    3)流れ水(@flumen_aquarium)様が2015年4月27日 17:42に投稿された以下のツイート。
     → https://twitter.com/flumen_aquarium/status/592609863252844544

    この場をお借りして、心より感謝申し上げます。








    Subject ID:
    #131900

    Subject Name:
    キリンリキの『けんか別れ』

    Registration Date:
    2011-10-19

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    携帯獣#131900-1及び携帯獣#131900-2は個別の携帯獣として管理し、それぞれに対して個別に養育担当者を割り当ててください。少なくとも4人以上のレベル3セキュリティクリアランスを保持する局員から承認を得ない限り、携帯獣#131900-1と携帯獣#131900-2を引き合わせたり、同一のフロアに収容したりしてはなりません。両者は互いに対して非常に強い敵意を持っているため、予期せぬ事故や収容違反を起こす虞があります。現在は事故防止のため、携帯獣#131900-1はジョウト地方エンジュシティ第四支局に、携帯獣#131900-2はジョウト地方エンジュシティ第二支局へ収容されています。物理的な距離が相応に離れているため、偶発的な接触の可能性は無視できるレベルにまで低下しているものと考えられます。

    携帯獣#131900-1は通常のキリンリキと食性が共通するため、十分な量の牧草と果実を日々与えてください。詳細については、基礎資料リポジトリに存在する携帯獣標準養育手順書の番号203「キリンリキ」を参照してください。一日のうち10:00と15:00の2回それぞれ一時間ずつ、収容されているジョウト地方エンジュシティ第四支局の敷地内を散歩させるようにしてください。携帯獣#131900-1の養育を担当する局員は、極力携帯獣#131900-1に接触しないようにしなければなりません。これは携帯獣#131900-1との接触が人体に影響を与えるわけではなく、携帯獣#131900-1の気分次第で接触に不快感を示し、局員に攻撃の意志を見せる可能性があるためです。

    携帯獣#131900-2は通常のキリンリキと食性が著しく異なっています。携帯獣#131900-2には一日に3度、新鮮な獣肉または魚肉を500g程度与えてください。携帯獣#131900-2は魚肉よりも獣肉を好みますが、健康管理のため一日に獣肉が与えられる回数は最大でも2度までに制限されています。夜間(夏期は20:00以降、冬季は18:00以降を目安としてください)外出する事を好むため、局員が同伴して支局の敷地内を散歩させてください。携帯獣#131900-2の散歩は概ね30分以内に終了します。携帯獣#131900-1と同じ理由で、携帯獣#131900-2には極力接触しないように振る舞うべきです。興奮した際の攻撃性は携帯獣#131900-1よりも強いものになります。

    参考人#131900-1及び参考人#131900-2と定期的にヒアリングのセッションを設け、携帯獣#131900-1と携帯獣#131900-2が現在の状態に至るまでの経緯の確認と、当局によるその後の経過観察結果を報告してください。参考人#131900-1及び参考人#131900-2については両者の関係が改善したことが認められたため、同時にヒアリングを実施することが望ましいです。両者の言い分を分け隔て無くノートへ記録し、ヒアリングの終了後に整理を行います。


    Subject Details:
    案件#131900は、未知の事象により特異な状態に陥ったキリンリキ(携帯獣#131900)と、それに掛かる一連の案件です。

    2011年8月下旬頃、後に参考人#131900-2と認定されるジョウト地方コガネシティ在住の16歳の女性が、最寄りの支局であるジョウト地方コガネシティ第七支局の窓口へ「キリンリキが2つに分裂した」という緊急通報をしてきたことにより、本件は管理局の知るところとなりました。参考人#131900-2からヒアリングを実施していた最中、後に参考人#131900-1と認定される17歳の男性から「2つに分かれたキリンリキに襲われている」という通報があり、当局は2件が明確に関連しあっているものと断定、携帯獣#131900の確保に乗り出しました。延べ10名の人間の局員と6名の携帯獣の局員が動員され、携帯獣#131900は成功裡に捕獲されました。

    携帯獣#131900はかつて何ら異常な点の無い正常なキリンリキでしたが、参考人#131900-1及び-2の申し出通り、未知の理由により二体の生命体に分離しています。携帯獣#131900は正常なキリンリキの前半身と同じく後半身に分かれており、黄色い地肌と黒い地肌が重なり合う中心の地点で完全に切断されたような状態になっています。当局では前半身部分を携帯獣#131900-1、後半身部分を携帯獣#131900-2と認定し、異常な携帯獣として収容する事を決定しました。

    携帯獣#131900-1は、先述した通りキリンリキの前半身に当たる携帯獣です。後半身が無いため、常に這うようにして移動します。自分の半身が無いことに苦痛や困惑を示している様子はまったく見受けられず、また各種の検査においてもそれらの兆候は見受けられません。一般的なキリンリキが行使できるほとんどの技能を行使することができますが、後半身が物理的に必要になる行動、例えば後ろ脚で身体を支えて前足で地面を揺らすといったものは行使できません。携帯獣向けのデバイスは例外なく対象を「キリンリキ」と認識し、解剖学的に正常なキリンリキ向けに作られた処理を正しく実行する事ができます。

    携帯獣#131900-2はキリンリキの後半身、すなわち肌の黒い部分に当たる携帯獣です。携帯獣#131900-1とは異なり、こちらは二本足で立って歩くことができます。半身が無いことに違和感を覚えていないのは携帯獣#131900-1と同様です。キリンリキが行使できる技能のうち、所謂サイコキネシス系に属する技能は行使できませんが、二本の足のみで小規模な地震を起こしたりすることが確認されており、物理的な能力は携帯獣#131900-1を上回っています。各種デバイスは概ね「キリンリキ」と認識しますが、一部のものは認識エラーを起こします。認識エラーを起こすデバイスはいずれも携帯獣の構成について厳密なチェックを行っているものであり、これは正常な動作であることが確かめられています。

    かつて同一の存在であったにもかかわらず、携帯獣#131900-1と携帯獣#131900-2は互いに対して非常に強い敵意を抱いています。事案初期に局員が保護のために駆け付けた際は両者が激しく噛み付き合うような状態であり、放置しておけば互いを殺傷しかねない状況でした。保護に当たった局員は携帯獣#131900-1及び-2に対して個別に対応する事を提案、それぞれに数名の局員が当たることで捕獲を成功に導きました。その後現在の収容手順が制定され、地理的に離れた拠点へ個別に収容することでほぼすべての問題が解決されました。

    従前の解剖学的に正常なキリンリキだった頃の性格的特徴は、携帯獣#131900-1にも携帯獣#131900-2にもまったく受け継がれていません。参考人#131900-1及び参考人#131900-2の証言によると、携帯獣#131900-1と携帯獣#131900-2に分離する以前のキリンリキは穏やかで知的な性格であり、人に対してなれやすい性質だったとのことですが、携帯獣#131900-1についても携帯獣#131900-2はいずれも気性が荒く攻撃的で、一部の親しい者を除いたほとんどすべての局員に強い警戒心を抱いています。キリンリキが携帯獣#131900-1と携帯獣#131900-2に分離した正確な理由は明らかになっていません。また、分離して尚生存している原理も不明なままです。現在の案件対応方針は、これらの究明に重点が置かれています。

    当初参考人#131900-1及び-2は混乱が激しく、経緯について説明することが困難な状態でしたが、後に参考人#131900-2が平静さを取り戻し、現在に至るまでの経緯について局員に語りました。

    以下は局員が参考人#131900-2にヒアリングを実施した記録の一部を、局員の許可を得てテキストに書き起こしたものです:


    ---------- 記録開始 ----------

    局員A:
    キリンリキの件について、詳しくお聞かせ願えますか。

    参考人#131900-2:
    あんなことになるなんて、思ってなかった。[携帯獣#131900のかつての愛称] ちゃんが、2つに分かれるなんて……あたしと [参考人#131900-1] がケンカしたせいで、あんなことに……

    局員A:
    失礼ですが、[参考人#131900-1] さんとはどのような関係ですか。

    参考人#131900-2:
    兄です。下の方の。

    局員A:
    ご兄弟であることは理解しました。しかし、「下の方」とはどういうことでしょうか。

    参考人#131900-2:
    もう一人兄がいたんです。[参考人#131900-1及び-2の兄の名前。個人名に付き秘匿] って名前です。3つ年上…… [参考人#131900-1] から見ると2つ年上で、大学に通ってました。けど……一ヶ月くらい前に、交通事故で死んじゃって。

    局員A:
    それは……お気の毒に。

    参考人#131900-2:
    あたしと [参考人#131900-1] が束になっても全然かなわないくらい強いトレーナーで、全国大会でベスト8に残ったこともあるんです。将来はプロになるって言ってて、もういくつかの会社から声も掛かってたんです。そのすぐ後だったから、すごくショックで。

    局員A:
    もしかして……昨年のジョウトリーグ秋大会で、ヘルガーを破って優勝した、あのキリンリキのトレーナーですか?

    参考人#131900-2:
    あ――そうです! 知ってたんですね……

    局員A:
    偶然、あの時の試合を観戦していたのを思い出しました。つかぬことをお伺いしますが、あなたと [参考人#131900-1] さんの間で2つに分かれたキリンリキというのは――。

    参考人#131900-2:
    そうです。あの時、兄が戦わせていたキリンリキです。兄がまだトレーナーになったばっかりの頃に仲良くなって、それからずっと一緒にいたんです。

    局員A:
    そういうことだったんですね。では――キリンリキが2つに分かれるまでの経緯を話してくださいますか。

    参考人#131900-2:
    兄が死んでお葬式が済んでから、兄の持ち物の整理をしてたんです。あまり物を買わない性格だったから、3日くらいでほとんど整理がついて、それで最後に残ったのが、兄の連れてたポケモンで。

    局員A:
    その中に、あのキリンリキも居たと。

    参考人#131900-2:
    そうです。あたしも [参考人#131900-1] も、どうしてもキリンリキが欲しかったんです。兄が大切にしてたポケモンですし、すごく強いのも分かってましたし。

    局員A:
    となると、[参考人#131900-1] さんと取り合いになる。

    参考人#131900-2:
    [局員A] さんの言う通りです。すごい言い争いになりました。あたしの方が兄に可愛がってもらってたとか、[参考人#131900-1] の方がトレーナーとして目を掛けてもらってたとか。最後の方は、兄が運び込まれた病院に先に着いたのはどっちだったとか、そんな、ホントすごくつまんないことで延々とケンカして。

    局員A:
    キリンリキは、その様子を見ていたのですか。

    参考人#131900-2:
    ずっと見てました。寂しそうな目をして、あたしの側へ来たり、[参考人#131900-1] の近くへ寄ったり、どうすればいいのか分からないみたいで。でも、その時のあたしは、とにかくキリンリキが欲しくて。

    局員A:
    その後、どうなったのですか。

    参考人#131900-2:
    キリンリキはあたしのだ、キリンリキは俺のだ、って言い合ってた時に、急に……「バリッ」って音がして、キリンリキが2つに分かれたんです。

    局員A:
    それで、今のような形に?

    参考人#131900-2:
    はい。どういうこと? っておろおろしてる間に、キリンリキがキリンリキ同士でケンカを始めて、止めようとした [参考人#131900-1] にも噛み付いたりして、もうどうしようもなくなって、それで……

    局員A:
    我々に通報した、ということですね。

    参考人#131900-2:
    そうです。その通りです。

    ---------- 記録終了 ----------


    このヒアリングから数週間後、参考人#131900-1にもヒアリングを行う機会が設けられました。このヒアリングは上記の局員とは別の局員が担当しましたが、今回担当した局員は事案の背景について予め理解していました。

    以下は局員が参考人#131900-1にヒアリングを実施した記録の一部を、局員の許可を得てテキストに書き起こしたものです:


    ---------- 記録開始 ----------

    局員B:
    今回の事案について、何か思うところがあるとのことですが。

    参考人#131900-1:
    俺、いろいろ考えたんだ。キリンリキがなんで2つに分かれちまったのかってことを。話したからってどうにかなるってわけじゃねえけど、でも、誰かに話したくて。

    局員B:
    お聞かせ願えますか。

    参考人#131900-1:
    あのさ、[局員B] さん。「北斗の拳」ってマンガ、知ってるかな。

    局員B:
    名前は知っています。詳しい内容までは、読んだことがないので分かりかねますが。

    参考人#131900-1:
    そこにさ、国王やってる親父と、その子供の3人の兄弟が出てくるんだ。だいぶ後半なんだけど。兄弟だけど平等にって言って育てられて、誕生日とかにも一つの物を3つに分けてもらって。イメージできるかな?

    局員B:
    続けてください。

    参考人#131900-1:
    3人が大きくなったときに、親父がロバだったか馬だったか、とにかく動物をプレゼントしようとしたんだ。今までみたいに。

    参考人#131900-1:
    けど、そいつは生き物だから分けられない。取り合いになって無理に分けようとして、それでそいつを死なせちまった。分けられない物を取り合って、結局ダメにしちまったんだ。

    局員B:
    あなたが仰りたいのは、つまり――。

    参考人#131900-1:
    分かるだろ? キリンリキは俺と [参考人#131900-2] が取り合ったから、2つに分かれたんだ。バカみたいにつまらないこと言い合って、兄貴が死んだばっかりだってのにケンカして、そんなことしてたから、あいつは2つになっちまったんだ。

    局員B:
    キリンリキがあの様な状態になったのは、あなた方に原因があると。

    参考人#131900-1:
    俺にはそうとしか考えられねえんだ。あいつは、キリンリキは、俺たちがケンカしてる目の前で2つに分かれたんだ。

    参考人#131900-1:
    キリンリキはケンカばっかりしてる俺と [参考人#131900-2] を懲らしめるために2つになったのか、それとも律儀に俺たちの両方に付いていこうとして千切れたのか、今はもうどっちか分からねえ。けどどっちにしろ、俺たちは間違ってた。俺と [参考人#131900-2] は、あんなくだらない言い争いなんてするんじゃなかったんだ。

    局員B:
    [参考人#131900-2] さんからも、同じ意見を頂いています。私たちが間違っていた、と。

    参考人#131900-1:
    違いねえ。昨日面と向かって話したんだ。こんなつまらねえケンカは止めよう、天国の兄貴が安心できねえって。遠回りになっちまったけど、俺と [参考人#131900-2] はケンカを止めたんだ。

    参考人#131900-1:
    けどよ……俺たちが仲直りしても、もう元には戻らねえんだな。

    局員B:
    元に戻らない、というのは、どういうことですか。

    参考人#131900-1:
    あいつが――キリンリキが、ああやって「けんか別れ」しちまったってことは、取り返しが付かねえんだな、って。


    ---------- 記録終了 ----------


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。








    *後書き*
    このお話を執筆するに当たって、以下に列挙する記事/ツイートを原案とさせていただきました。

    1)海外の共同創作サイト「SCP Foundation」にて、Tanhony様が投稿された記事である「SCP-1319」。
     → http://www.scp-wiki.net/scp-1319
    2)上記1)の記事を、csshow様が日本語に翻訳し、「SCP Foundation 非公式日本語訳wiki」に投稿されたもの。
     → http://scpjapan.wiki.fc2.com/wiki/SCP-1319
    3)流れ水(@flumen_aquarium)様が2015年4月27日 17:42に投稿された以下のツイート。
     → https://twitter.com/flumen_aquarium/status/592609863252844544


      [No.1273] #105962付帯資料1 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/28(Tue) 21:18:59     59clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Appeindix 1:
    この付帯資料に記載されている事項は、以前は本文に記載されていました。2003-11-24時点で、当時の案件担当者の手により本文から付帯資料へ転記されています。転記と同時に担当者から中央統括部へ「案件担当者は参照不可能に設定して欲しい」との依頼が行われ、要求に沿って案件#105962の担当者は付帯資料1へのアクセスが完全に禁止されるようになりました。本文についても、案件担当者が参照した場合は「付帯資料は存在しない」との偽の文言に置き換えられるようになっています。現在この付帯資料を参照できるのは、レベル5以上のセキュリティクリアランスが割り当てられている局員に限られます。

    付帯資料の本文は以下の通りです:



    [2003-11-21 Update]
    当局が確認している中で最古の事例におけるヒアリングにて、違和感を申し出てきた市民が以下のような証言を残しています。

    ・”参考人#105962は以前よくメタモンを帯同させていたが、最近はその姿を見ていない。”
    ・”メタモンが居なくなった時期と参考人#105962の様子が変わったのは、記憶が正しければほぼ同時期だった。”
    ・”以前、参考人#105962がメタモンを人間に変身させているのを見たことがある。”
    ・”参考人#105962に直接聞いた話では、メタモンは野に返したとのことだった。”

    これらの証言に関して、それぞれの裏付けを取るための調査が行われる予定です。


      [No.1272] #105962 「The Replacement」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/28(Tue) 21:17:24     56clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #105962

    Subject Name:
    The Replacement

    Registration Date:
    2003-07-31

    Precaution Level:
    Level 2 (2003-07-31時点) → Level 0 (2003-11-29時点) → Level 3 (2004-02-26制定) → Level 1 (2004-09-19時点) → Level 4 (2005-06-13時点) → Level 1 (2006-03-07時点) → Level 4 (2006-12-22時点) → Level 1 (2007-07-23時点)


    Handling Instructions:
    症状を訴えてきた市民から詳細なヒアリングを行い、必要に応じて対象の身辺調査を実施してください。これまでのところ、市民から申し出のあった人物が実際にまったく別の存在と入れ替わっていたというケースは確認できていませんが、訴えの内容から事案のすべてが当人の思い込み/思い違いであるとは断言できない状況です。仮に申し出の通りの事案が発生していた場合、直ちに対象に任意同行を求めたの上で、詳細なヒアリングを行う必要があります。

    [2003-11-29 Update]
    上記の取り扱い手順は廃止されました。本件については、申し出てきた人間の神経衰弱や精神的疲労に由来する妄想・思い込みの類であることが明らかになっています。今後は最小限の担当者のみを置き、申し出てきた人間に対しては当局と契約しているカウンセラーを紹介することで対応してください。

    [2004-02-26 Update]
    監査の結果、本案件は事前の承認を得ずに警戒レベルが「0」(無力化済)に変更され、取り扱い手順が大幅に変更されていたことが明らかになりました。2003-11-29に制定された取り扱い手順を廃止し、2003-07-31時点の取り扱い手順へロールバックします。警戒レベルの変更に不審な点が見受けられるため、警戒レベルについては従前の「2」ではなく、一段階上昇させた「3」を制定します。

    [2004-09-19 Update]
    案件の棚卸し及び見直しに伴い、2004-02-26で廃止された取り扱い手順を復活させ、警戒レベルを「1」に再設定します。本案件については既に無力化済という認識ですが、一部の局員から異常性が残存しているとの指摘があったため、最低限の担当者を残して対応を継続します。基本的な案件対応方針については、2003-11-29に制定されたものに順じます。能動的な対応は必要ありません。

    [2005-06-13 Update]
    局内で発生したセキュリティインシデントに関与していたとして、前任の担当者は解雇の上すべてのセキュリティクリアランスが剥奪されました。これに伴い当該元局員が受け持っていた案件についての見直しが行われ、その過程で本案件の警戒レベルが複数回に渡って変更されていることが明らかになりました。案件とそれに掛かる事案の性質を鑑み、警戒レベルを「4」へ引き上げることを提案します。

    [2006-03-07 Update]
    複数の事案に対する継続調査とこれまでの実績を勘案して、再度警戒レベルの引き下げを申請します。本案件は過去に数度レベルの引き上げが行われていますが、それらには明確な根拠が無く、他のレベル4案件と比較しても明らかに脅威度は低いと言えるものです。より多くの人員を必要とする案件にリソースを集中させるためにも、適切な警戒レベル設定が行われるべきと主張します。

    [2006-12-22 Update]
    前任担当者の殉職により案件の再調査を実施しましたが、本案件は同一の担当者による2回のレベル変更、それもすべてがかつて設定したレベルを大幅に引き下げるという不可解な事象が実に3度に渡って発生しています。これは他の案件と比較しても明らかに異常なものです。この事実だけでも本案件を警戒すべきなのは明白であると同時に、甚だしきは局内で事案が発生している虞があるということです。ここに今一度、本案件の警戒レベルを「4」に設定する事を申請します。

    [2007-07-23 Update]
    当局の対応により、本案件は事実上無効化されました。継続調査の結果は、事案を申し出た人間が例外なく精神的に疲弊していた事実を示しています。当初の見立て通り、当人の思い込みによるものと推定されます。事案が再発した場合に備えて最低限の人員を残し、再度警戒レベルを「1」とすることを提案します。


    Subject Details:
    案件#105962は、一部の市民が訴えるある種の「違和感」と、それに掛かる一連の案件です。

    2003年の4月下旬頃、当局が市役所内に設けている相談窓口に「隣人が別人になっているような気がする」という不安を訴える市民が現れました。窓口担当者がヒアリングを実施し概要を取りまとめた上で、事案発生の可能性有りとして日報に記録しました。翌日当該局員が申し出にあった隣人の元を訪れ、本来の目的を隠して簡単なヒアリングを実施しました。

    市民及び局員の証言によると、隣人(参考人#105962)は一見したところそれまでと変わらないように見えましたが、本来記憶しているべきことをまったく記憶していなかったり、あるいは従前好んでいた食物を食べなくなるというように顕著に嗜好が変化するといった事象がごく短期間に確認されました。申し出た市民が違和感を覚えたことにも説得力があると認められるレベルで、参考人#105962は以前と異なっているように見受けられます。

    その後、各地の支局からほぼ同様の申し出が多数寄せられました。それらを取り纏めたところ、いずれも参考人#105962と認定された人物の、主に内面について極端な変化が確認されました。何らかの事案が発生している可能性が高いと判断した局員は中央統括部に案件立ち上げを申請、同年7月31日に受理されました。また、この一連の事案については、事案#105962として管理されることが決定しました。

    先述した通り、事案#105962は近親者や隣人が参考人#105962の顕著な変化に違和感を持つことで発生が確認されます。参考人#105962そのものが変化したのか、参考人#105962そのものに関係する記憶が改竄されているのか、あるいはそれとは別の、実態を把握することのできない別の事象の波及効果として違和感を覚えるのかは定かではありません。しかしながら、何らかの形で事案#105962が存在している事そのものについては、関係する局員の間で意見の一致を見ています。

    これまでのところ、事案#105962の原因については複数の仮説が提起されています。中でも有力な仮説として、以下に述べる仮説#105962-3があります。

    [2003-11-29 Update]
    本案件の仮説はいずれも不確かな根拠に基づく信憑性の薄いものであり、本稿に残しておく意義はありません。文書の更新に伴い、仮説の一覧を削除しました。過去の版については、リポジトリの履歴から個別に参照することができます。

    [2004-02-26 Update]
    仮説一覧が前任担当者の独断で削除されていたため、過去の版から復旧させました。仮説はあくまで今後の調査の方向性を指し示すものであり、直近の信憑性に基づいて直ちに削除される類の情報ではないことは明白です。さらなる仮説の提案も奨励されています。

    [2004-09-19 Update]
    仮説はいずれも不正確であるという裏付けが取れたため、再度本稿から除去しています。不正確な情報を残しておく必要はありません。過去の版が必要になった場合は、文書リポジトリにアクセスして当該版をリクエストしてください。

    [2005-06-13 Update]
    前任担当者の解雇に伴い、本案件についても全面的な見直しが行われました。報告書から仮説がすべて除去されているのは明らかに不自然であり、何らかの意図を感じると言わざるを得ません。仮説一覧を復旧させ、かつ理由の無い文書の変更を禁止する措置を取りました。この措置は解除されるべきではありません。

    [2006-03-07 Update]
    長期間案件に動きが見られなかったため、文書の変更禁止措置の解除と、仮説一覧の本文からの除去を再実行しました。本案件は終結フェーズに向けて動くべき案件と認識しており、最終報告書を提出する準備が進められています。

    [2006-12-22 Update]
    度重なるレベル変更と共に、末尾に付与している仮説一覧についても不審と判断せざるを得ない編集が繰り返されていることが分かりました。看過できるものではありません。文書を現状復旧すると共に、編集時に意図を明確にさせなければなりません。局内で使用するリポジトリ構築用ソフトウェアの更新を要求します。

    [2007-07-23 Update]
    案件の事実上の無力化成功に伴い、文書の編集禁止措置が解除されました。すべての事案が申し出た人間の思い込みであると確定したため、仮説一覧についても削除しています。これ以上の編集は必要ありません。


    Supplementary Items:
    本案件には、1件の付帯資料があります。適切なセキュリティクリアランスを持つ局員のみが、付帯資料を参照できます。


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