マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  •   [No.1241] #131013 「*いわのなかにいる*」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/07(Tue) 20:43:36     50clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #131013

    Subject Name:
    *いわのなかにいる*

    Registration Date:
    2011-07-09

    Precaution Level:
    Level 4


    Handling Instructions:
    所定のキーワードによる検索を日々行い、検索結果にリストアップされたサイトのアクセス遮断を申請してください。対象の拡大スピードは早く、現在は日次での対処が必要なレベルになっています。一般の個人が対象に言及していた場合、監視対象のリストに加えてください。個人がフェーズ2へ移行したことが示唆された場合、直ちに場所を特定して任意同行を求め、管理局が制定した完全な治療プロセスを経た上で社会復帰させてください。フェーズ2の段階であれば、元通り社会復帰できることが分かっています。

    管理局を含む各種機関によってインターネット上での広告活動が積極的に妨害されていることを認識しているためか、近年は新聞の折り込み広告としての挿入や、街頭でのビラ配布などのアナログ的な拡散活動が度々目撃されるようになっています。これらを目撃した場合、速やかに中止させてください。特に街頭での広報活動は無差別な対象の拡大・拡散をもたらし、時間が経過する毎に事態の収拾が困難になります。必要に応じて非致死性の武器を使用した制圧も許可されています。

    これまでの調査で、本件に「ユニティー・サイエンス」と名乗る団体が関与している疑いが持たれています。本件担当者及び本件資料を閲覧するセキュリティクリアランスを保有する局員がユニティー・サイエンスと何らかの関係があると断定できた者との接触に成功した場合、上席の承認を得ることなく拘束・拘留することが許可されています。確保に成功した人員の取り扱いについては、管理局規則第83条に従ってください。


    Subject Details:
    案件#131013は、デジタル/アナログの双方から展開される住居に関する異常な広告と、適切な知識を持たない状態で該当する広告を目撃した際に発生する認識異常、及びそれらに掛かる一連の案件です。

    事象のトリガーとなる広告は、後述する認識異常を起こし、事象の「フェーズ4」に入っている状態の人間数名が明るい笑顔を見せている写真に、概ね以下のようなメッセージを添えて展開されます:


     憧れのマイホームを手に入れたい、けれどローンが重くてとても背負えない…
     大丈夫。あなたでも背負える、あなただけのマイホームを手に入れるチャンスがあります!
     まずは 0120-XX-XXXX ユニティー・ハウジングまでお電話を! 資料の請求は無料です


    記載されている電話番号は、広告が配布される都度法則無く変更されます。これまでのところ、同一の番号が異なる配布タイミングの広告で流用された記録はありません。新しい電話番号の出現と同時に、過去の電話番号は不通になります。

    広告に掲載されている写真を情報災害低減機構を搭載した機器で確認すると、携帯獣である「イワパレス」の成体が背負うような、巨大な四角い岩を背負っている人間の姿が見えます。視認できる限りでは、人間は岩と一体化し、四肢と顔のみを外へ出しているように見受けられます。表情からは苦痛などのネガティブな感情はまったく読み取れません。

    この広告が異常だという正確な知識を持たず、広告にそのまま曝露してしまった場合、ほとんどの人は広告に展開されている光景を「魅力的なもの」「素敵なもの」だという印象を抱き、可能な限り早く自分もこのような状態になりたい(彼らは一様に「あんなマイホームが欲しい」と口にします)と思うようになります。現時点ではまだ具体的な行動を起こしていません。管理局ではこの状態を「フェーズ1」と設定します。

    フェーズ1の状態が一定期間続くと、今度は具体的な行動を起こし始めます。多くのケースにおける最初の行動は、広告に記載されている電話番号に入電し、「ユニティー・ハウジング」と名乗る団体から資料を請求することです。資料を入手した対象は多くの場合一日中資料を閲覧しつづけ、イワパレスのような状態になることをますます強く願うようになります。現在の心境を他人に話したり、blogなどのコミュニケーションツールで発信することも少なくありません。この状態は「フェーズ2」と呼称します。広告を直接視認していない周囲の人間の認知には影響を及ぼさないため、多くの場合異変を感じた周囲が説得に乗り出す、或いは当局へ申し出ることで、これ以上の進行を食い止めることに成功しています。

    フェーズ2に入った対象に何らかの処置を行わずに放置していると、恐らく100%の確率で対象は「ユニティー・ハウジング」とより具体的な接触に乗り出します。先の電話番号を通じて「マイホームが欲しい」とユニティー・ハウジング関係者に伝え、ユニティー・ハウジングは対象にアポイントメントを取ります。対象はこの時いかなる犠牲を払っても「マイホームを手に入れたい」という心理状態にあるため、説得してこれを止めることはできません。通常アポイントメントは当日中かどんなに遅くとも翌日の午前中に設定され、対象は指定された場所へ「住宅相談会へ行く」と口にして向かいます。この状態は「フェーズ3」と呼称します。

    対象はその後元の住居へは戻らず、各地方で確認されている野生のイワパレス及びイシズマイが生息している場所で、イワパレスのように岩と一体化している状態で発見されます。この段階の対象は会話こそ可能ですが、背負っている「マイホーム」に何ら不満や違和感を抱いておらず大変満足しており、さらに自発的かそうでないかを問わず、その場を離れることを極端に嫌悪します。対象がどのようにして岩と一体化しているのかは不明ですが、少なくとも岩に感覚がないことは分かっています。この状態は「フェーズ4」となり、これまで確認されている中では最後の段階になります。

    フェーズ4状態の対象を効果的に移動させるためには、「今より広い庭のある空き地がある」「勤務先により近い空き地がある」など、現在の場所よりも一般的に住居として魅力的だと考えられている「空き地」があると伝えなければなりません。移動先が実際の条件を満たしている必要はありません。現在はこの手続きに基づき、227体のフェーズ4に到達した対象が管理局所有の隔離地に収容されています。しかしながら、支局に寄せられている情報から、未だ発見されていないフェーズ4対象者が相当数存在していると推定されています。対象者を捜索する試みが続けられています。

    これまでのところ、フェーズ3/4に到達した対象を社会復帰させる手立ては見つかっていません。あらゆる形による対象への異常性認識の試みは、著しい認知の歪みによってすべて徒労に終わっています。フェーズ4状態の対象を回復させる方法は存在するか、またフェーズ4以降のさらなる段階が存在するかについて、収容した対象の観察が続けられています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1240] #142453 「捻くれた自撮り棒」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/06(Mon) 19:46:29     53clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #142453

    Subject Name:
    捻くれた自撮り棒

    Registration Date:
    2015-02-22

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    小売店に対し、対象となる製品が入荷されていた場合は速やかに案件管理局へ申し出るよう通達しています。製品には重大な欠陥があり、欠陥を改修したものと交換するという名目で異常性の無い製品への交換が進められています。現在市場に流通している製品の約90%は異常性が無いものですが、呼びかけに応じなかった、または呼びかけがあったことを認識していなかった一部の小売店で異常性のある製品の販売が継続されています。担当者を増員し、製品の個別回収を試みています。

    対象製品を使用して撮影された写真を発見した場合、速やかに標準的な手順によるアクセス遮断を申請してください。遮断に先立って写真を保存し、異常性のある画像を格納するための専用サーバへ移動させることも併せて行ってください。一部の画像は人体に認識異常を伴う情報災害をもたらすことが分かっていますが、これは汎用的な情報災害防止装置を備えた閲覧用端末を使用することで無害なレベルまで影響を低減させることが可能です。画像の閲覧を希望する場合、様式F-142453-3に沿って必要事項を記入し、ワークフローを回付して上席の承認を得てください。承認が下りれば、閲覧用端末の貸し出しと画像へのアクセス権付与が行われます。


    Subject Details:
    案件#142453は、1:ある写真撮影用の補助機器、2:スマートフォンを機器と組み合わせて特定の条件を満たす写真を撮影した場合に発生する特異な事象、3:その事象が起きている中で撮影された異常な写真、そしてそれらの機器・事象・写真に掛かる一連の案件です。

    対象となる補助機器は、一見したところ異常な点の見られないセルフィースティックです(機器#142453)。セルフィースティックは一般的に「自撮り棒」「セルカ棒」と呼称される、主に撮影者自身を被写体とするための棒状の器具です。先端にカメラまたはカメラ機能付き携帯デバイスを装着することで、セルフ・ポートレートを手軽に撮影することを目的としています。

    機器#142453はサンワダイレクト社が製造・販売しているセルフィースティックのモデル「200-CAM023」に酷似していますが、本来刻印されている製造元の名称がありません。また、正常なモデルには存在しない未知のダイアルが備え付けられています。機器#142453を解体して確認しても、ダイアルの機構そのものには異常は見当たらず、また他の機能との関連性もありません。このように、機器#142453のダイアルそのものは物理的には意味の無い仕組みです。

    ダイアルを任意の位置まで回し、カメラ機能付きスマートフォンを機器#142453に取り付けることにより、事前の準備が完了します。取り付けるスマートフォンの機種や型番は問われません。元となった「200-CAM023」が装着可能な機種であれば、どのようなものでも使用できます。事前準備を終えて通常の手順で自分自身を撮影することで、本案件の中核となる特異な事象(事象#142453)が発生します。

    事象#142453は、撮影した写真の被写体が本来の姿ではなく、何らかの携帯獣として写真に記録される現象です。写真撮影時に被写体そのものには一切の影響が見られず、また継続調査においても異常な点はまったく発現しません。さらに、このスマートフォンを取り外して再度撮影を試みても、異常性の無い写真が撮影されます。機器を使用しない・正常な機器に取り付ける・別の撮影者に撮影してもらう等、機器#142453を使用しない限りにおいて、一貫して正常な写真が撮影されます。撮影者の証言と管理局での実験結果から、写真に影響を与えているのは機器#142453であると断定されました。

    機器#142453のダイアルを操作することで、写真における被写体の姿は著しく変貌します。ダイアルは初期状態(それ以上戻すことができない状態をこう表記します)一段階回すごとに「カチッ」というクリック音を発するため、クリック音を基準にダイアルを調整し撮影実験を行いました。

    結果は以下の通りです:


    ダイアル:1/被写体:局員A/撮影回数:1
    被写体は携帯獣の「サイドン」として撮影されました。

    ダイアル:1/被写体:局員A/撮影回数:2
    1度目と同様、被写体は携帯獣の「サイドン」として撮影されました。

    ダイアル:1/被写体:局員A/撮影回数:3
    これまでと同様、被写体は携帯獣の「サイドン」として撮影されました。


    その後、撮影は計30回に渡って試行されましたが、被写体は一貫してサイドンとして撮影され続けました。このことから、撮影回数による写真への影響は無いとの判断がなされました。

    上記に続けて、被写体を変更した際の影響について実験が行われました。


    ダイアル:1/被写体:局員B
    被写体は携帯獣の「サイドン」として撮影されました。

    ダイアル:1/被写体:局員C
    被写体は携帯獣の「サイドン」として撮影されました。

    ダイアル:1/被写体:局員Cの実子
    被写体は携帯獣の「サイドン」として撮影されました。


    計30人の、人種や性別、年齢の異なる被写体を撮影しました。被写体毎に多少の差異は見られるものの、撮影結果は一貫してサイドンとなりました。上記の結果と合わせ、機器#142453を使用した撮影結果に影響を及ぼすのは、機器#142453に存在するダイアルのみと考えられます。

    続いて、ダイアルを変更した際の写真への影響について実験が行われました。被写体はすべて局員A、撮影回数は1回です。


    ダイアル:4
    被写体は携帯獣の「ピッピ」として撮影されました。

    ダイアル:11
    被写体は携帯獣の「ベロリンガ」として撮影されました。

    ダイアル:17
    被写体は携帯獣の「カラカラ」として撮影されました。

    ダイアル:20
    被写体は携帯獣の「ウィンディ」として撮影されました。写真からは被写体が機器#142453を保持しておらず、機器#142453が浮遊しているように見えます。これはウィンディが四足歩行であり、機器#142453を持ったまま写真を撮影することが難しいためと推定されます。

    ダイアル:29
    被写体は携帯獣の「カイロス」として撮影されました。

    ダイアル:31
    このダイアルに設定して撮影を試みた場合、スマートフォンに原因不明のエラーが発生し、強制的にシャットダウンされます。スマートフォンの機種を変更して撮影テストが繰り返されましたが、テストで使用した16機種すべてで同様の事象が発生したため、撮影は断念されました。スマートフォンを検査したところ、カメラのセンサーでハードウェア障害が発生した形跡が残されていましたが、障害が発生した理由は不明です。

    ダイアル:32
    ダイアル31と同様の事象が発生しました。スマートフォンはいずれも写真の撮影に失敗しました。

    ダイアル:33
    事前の予想に反し、被写体は携帯獣の「ガーディ」として撮影されました。実験は続行されます。

    ダイアル:38
    被写体は携帯獣の「ユンゲラー」として撮影されました。

    ダイアル:50
    ダイアル31及び32と同様の事象が発生しました。

    ダイアル:51
    被写体は携帯獣の「ブーバー」として撮影されました。

    ダイアル:52
    ダイアル31などと同様の事象が発生しました。

    ダイアル:53
    被写体は携帯獣の「エレブー」として撮影されました。

    ダイアル:54
    被写体は携帯獣の「レアコイル」として撮影されました。

    ダイアル:61
    ダイアル31などと同様の事象が発生しました。


    その後、ダイアルが「190」に達するまで、ダイアルを1ずつ変更しての撮影テストが繰り返し行われました。撮影の結果は、携帯獣が撮影されるパターンが151、撮影に失敗するパターンが39でした。

    ダイアル190に至るまでに撮影された携帯獣はすべてカントー地方版の携帯獣図鑑に収録されているもので、他の地方の図鑑にのみ収録されている携帯獣は一切出現しませんでした。ダイアル190の設定時に「ウツボット」が撮影されたことでカントー地方版の携帯獣図鑑に収録されているすべての携帯獣が出現したため、当初の推定ではダイアル191以降に設定することで他地方の携帯獣が撮影されるものと考えられていました。


    ダイアル:191
    撮影された写真を目撃した局員4名が即時の緊張状態に陥りその場に昏倒したことで、実験は直ちに中止されました。4名のうち1名は軽度の記憶障害を起こしましたが、後遺症は残りませんでした。全員の回復を待ってヒアリングを実施したところ、概ね「何か得体の知れないものが写っていた」「見た限りでは、モザイク状の物体が写っていた」との回答が得られました。画像を専用の閲覧装置を使用して視認したところ、局員が証言した通りの詳細不明の物体が撮影されていました。以後の実験においては、画像の閲覧に専用端末を使用することが義務付けられます。

    ダイアル:192-200
    ダイアル191と類似した風貌の、しかし明確に異なる謎の物体を収めた写真が撮影されました。写真はすべてダイアル191と同じ情報災害の性質を示します。撮影された写真の特性を鑑み、警戒レベルを「3」(中程度の異常性及び危険性)に設定しました。

    ダイアルが200に達した時点でダイアルをこれ以上回せなくなったため、このセッションにおける実験は終了しました。


    [2015-03-02 Update]
    別の実験セッションが設けられ、ダイアルを回さない状態での撮影実験が試みられました。結果はダイアル31などと同様で、撮影に失敗します。なお、この製品の初期出荷状態においては、ダイアルは「1」に設定されています。


    [2015-03-02 Update 2]
    ダイアルを「1」にした状態で、複数の人間を撮影する実験が試みられました。被写体はすべて「サイドン」として撮影されました。以前個別実験を実施したときと同様に、それぞれの個体にわずかながら差異が見られます。


    [2015-03-02 Update 3]
    ダイアルを「1」にした状態で、携帯獣に自分を撮影させる実験が試みられました。被写体となる携帯獣には、管理局で局員として働くサーナイトが選ばれました。

    事前の予想に大幅に反し、この実験は被写体が未知の人間として撮影されるという結果に終わりました。撮影が可能なダイアルを選び、計30回に渡って写真の撮影が行われましたが、それらはいずれも異なる未知の人間を撮影するという結果になりました。

    これまでのところ、撮影された人間そのものに異常性は見受けられません。過去の実験で撮影された被写体との関連性も無いことが判明しています。追加の実験により、被写体となった携帯獣の種類に拠らず、ダイアルの設定によって被写体の姿形が変化することも明らかになっています。


    [2015-03-02 Update 4]
    人間と携帯獣が同時に被写体となった場合の撮影実験が行われました。実験結果を鑑み、機器#142453を用いたあらゆる実験が無期限に禁止されることが即座に決定されました。本件と関連資産を時間/次元に掛かる案件を取り扱う部門へ移管することが検討されています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1239] #122416 「私は元気だよ」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/05(Sun) 19:25:56     53clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #122416

    Subject Name:
    私は元気だよ

    Registration Date:
    2008-10-17

    Precaution Level:
    Level 1


    Handling Instructions:
    各地のポケモンセンターから月次で報告される統計情報から、直近で半年以上レポートが提出されておらず、かつレポート提出休止申請も出されていないトレーナーIDを抽出してください。抽出されたトレーナーIDの一覧を様式F-122416に沿って編集した上で送付元のポケモンセンターへ返送し、同時に追跡調査のための特例的な個人情報取得を行いたい旨の依頼を行ってください。この依頼に際しては、社団法人ポケモンセンター管理協会が定める個人情報の二次利用規約に都度同意する必要があります。

    取得した個人情報からトレーナーの元居住地を割り出し、居住地で生活する近親者にコンタクトを取ってください。コンタクトに際しては「トレーナーと連絡が取れないとの第三者からの通報があった」というカバーストーリーが使用できます。適切な手順で同意を得た上で、ここ最近トレーナーから連絡が無かったかを確認してください。これまで実施してきた調査の統計から、半年が経過した時点で異常なメールまたはインスタントメッセージが送付されている確率は76%に達しています。近親者からメールまたはインスタントメッセージが届いていなかった場合、受信後速やかに最寄りのポケモンセンターへ申し出るよう伝えます。ポケモンセンターへ申出があった場合、担当者から案件管理局へ通報が行われます。

    上記のいずれの場合においても、許可を得た上でメール及びインスタントメッセージをコピーしてください。メールの場合はヘッダを解析し、送信元を調査した上で逆引きを行ってください。これまでのところ逆引きで正常な結果が得られたことはありませんが、仮に異常な結果であってもそのまま保存してください。インスタントメッセージの場合は送信元の解析が困難なため、現状ではメッセージを保存するのみとします。

    担当者の判断で、メールまたはメッセージの送信者であるとされるトレーナーにコンタクトを取ることが許可されています。現状においては、送信時のトレーナーの状況について統計的に有意な結果は出ていません。


    Subject Details:
    案件#122416は、近親者の中に長期に渡って他者に連絡を取っていないポケモントレーナーがいる人間(以下「受信者」と表記)に当てて、連絡のないポケモントレーナーの名義でメール、または受信者が使用しているソーシャルネットワーキングツールに宛ててインスタントメッセージ(以下総称して「メッセージ」と表記)が届けられる事象と、それに掛かる一連の案件です。

    この事象は受信者の元へ現在遠方にいるトレーナーの名義で、後述するメッセージが届けられることにより発生します。メッセージの内容に多少の違いこそありますが、概ね「しばらく連絡していなくて申し訳ない。私は元気にしている。心配しないでほしい」というものです。メッセージはトレーナーが送信した他のメッセージと比較しても違和感の無い筆致やスタイルで書かれており、場合によっては本人や家族しか知り得ない情報にも言及するために、ほとんどの受信者がメッセージは本物であると信じます。

    メッセージの一例は下記の通りです。このメッセージは、かつてジョウト地方キキョウシティ在住で、現在はポケモントレーナーとして活動中の少女の名義で、約9ヶ月の音信不通期間を経て前触れ無く母親に宛てて送信されたものです:


     件名:久しぶりです

     本文:
     お母さんへ

     しばらくメールできなくてごめんなさい。
     今はホウエンのムロタウンにいます。ジムでリーダーにトレーニングしてもらってます。
     キョロちゃんもタママちゃんも元気いっぱいです。
     XXX(送信者の妹。個人名に付き非開示)ちゃんも元気にしてますか。
     ぜんそくで大変だと思うけど、応援してるって伝えてください。
     おみやげ持ってかえるから、楽しみにしててね。
     私は元気です。心配しないでください。

     XXX(送信者)より。

     (注釈:文中の「キョロちゃん」はジグザグマの、「タママちゃん」はアメタマのニックネーム)


    しかしながらこれまでの調査で、類似したメッセージが実際に本人から送られたケースはほとんどありませんでした。わずかに見つかったケースも、そのすべてで異常性の無い、偶然条件を満たしたことで抽出されたエラーケースであったことが分かっています。メールの場合は実際に本人から送られたものと決定的な相違があり、本来中継されるはずのメールサーバに転送ログが残っておらず、実際の送信元に到達できません。そしてインスタントメッセージの場合とも共通する点として、何度返信を試みても相手からの応答がありません。返信は必ず成功しメッセージが届いた旨の通知がなされますが、どれほど返事を要求しても決して応答が返ってくることはありません。

    メッセージ、特にメールの送信元を突き止める試みは、メールサーバのドメイン名やIPアドレスが実在しない、または矛盾した結果になるという形でいずれも成果を得られていません。インスタントメッセージに至ってはデータを解析しても矛盾した情報すら得られないために、調査が難航しています。後述しますが、メッセージについて送信者とされる人物がこれまでのところ本件に関わったケースは見つかっておらず、送信した記録も残っていません。

    案件対応の初期においては、メッセージはトレーナーを拉致または殺害した未知の個人及び組織が、犯行の発覚を遅らせるための撹乱目的で送信したものという説が有力でしたが、調査の過程で送信元とされるトレーナーが無事に発見されるケースが相次ぎ、この仮説は一旦撤回せざるを得なくなりました。該当するトレーナーは単にフィールドワーク等で多忙であったり、或いは近親者と意図的に距離を置いているといった当たり障りの無い事情しか持たず、近親者に上述したようなメッセージが送られていることについてまったく関知していませんでした。

    ただし本案件を全体として俯瞰したときに、メッセージの送信者とされるポケモントレーナーのうち、行方不明者や失踪者が占める割合は実に78.4%に及ぶことも留意しなければなりません。このことから、何らかの条件(本稿執筆時点では、1:トレーナーに提出が義務付けられている「ポケモンレポート」が半年以上提出されていない/2:ポケモンレポート提出の一時休止申請が出されていない が最有力条件と考えられています)を満たした場合、受信者に向けて自動的にメッセージが送信されているという可能性が提起されました。

    メッセージはどのような存在から送信されているのか、いかなる意図を持ってメッセージが送付されているのか、そして受信者を選ぶ基準はどのようなものか、いずれも現時点では不明なままです。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1238] #107063 「量産型食用カモネギ」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/04(Sat) 19:43:34     60clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #107063

    Subject Name:
    量産型食用カモネギ

    Registration Date:
    2003-12-06

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    対象となるカモネギの変異体を発見した場合は速やかに確保し、急を要する状況でなければ市販されている標準的なモンスターボールに収容した上で、カントー地方ヤマブキシティにある管理局のバイオリサーチセンターまで輸送してください。対象はこれまでのところ明確な攻撃の意志を見せたことが無いため、モンスターボールへの収容は容易です。また前述の通り市販品のモンスターボールで対応することが可能なため、管理局保有の対有異常性携帯獣用の専用ボールを使用する必要はありません。ただし、手元にボールのストックが無い場合や確保に緊急を要する場合は、特に許可を得ず専用ボールを使用しても構いません。

    2005年現在、本案件で取り扱うカモネギの変異体はほぼ根絶されていると見られています。管理局による広報活動の結果からか、生産元/製造元による市場への流通はほぼ停止しています。現状では、過去にカモネギが流通した実績のある市場をターゲットとして、残された在庫が放出されていないかの監視が主要な取り組み方針になっています。管理局が保守している一覧にリストアップされた掲示板やブログを巡回し、「カモネギの安売り」といったキーワードで変異体が販売されていないかを確かめてください。

    バイオリサーチセンターに在籍する局員は、対象となるカモネギとの接触時にレベル1対バイオハザード用スーツの着用が義務付けられます。確保されたカモネギは、これまでのところモンスターボール外で72時間以上生存することができておらず、生きている個体の研究活動を行う場合は事前に必要な手続きを済ませておく必要があります。死亡した個体のサンプルは既に十分確保できているため、死体は通常の廃棄物処理手順に沿って処分してください。

    政府機関と連携し、このカモネギを生産/製造していた「アムリタ・ファウンデーション」関係者とのコンタクトの試みを継続してください。必要に応じ、非致死性の武器を用いた制圧・確保、及び期限を設けない拘留も認められています。


    Subject Details:
    案件#107063は、通常の個体とは顕著な違いを見せる異常なカモネギの個体群と、それに掛かる一連の案件です。非異常性のカモネギは本案件の取扱対象ではありません。

    通常、このカモネギは途上国や貧困国に「新鮮な食肉の提供」という形で大量に持ち込まれ、無償かまたはそれに近い極端な安価で市民に配布/販売されます。初期の段階では先進国での出現は認められませんでしたが、末期には在庫処分という形式をとってしばしば辺境の都市で販売が確認されています。いずれの場合も、提供されるカモネギの特徴は一貫しており、そして一貫して異常です。

    カモネギは一見したところ通常の個体と相違していないように見えますが、自発的に動くことがほぼありません。最小限の生命活動を除いては、身体機能そのものを停止させていることが分かりました。視覚や聴覚は機能しているようですが、何らかの指示や呼びかけに応答することはほとんどありません。食事や睡眠といった基本的な生命活動さえ行わないため、静止状態となるモンスターボールに収容していない限り、72時間以内に栄養失調または脱水症状で衰弱死します。

    基本的に指示命令に応答しないことは先述した通りですが、わずかながら例外もあります。例外の一つは「戻れ」という指示で、この指示を受けた個体は速やかに何らかの形で「戻ろう」とします。戻る先は、自分に紐付くモンスターボールがあればそれを最優先し、なければ直近で住処や戻るべき場所と想定される場所になります。

    もう一つの例外は「準備しろ」というものです。「準備しろ」という命令を受けたカモネギは保持しているクキを使い、自分自身の首を切断して自殺します。この時躊躇などはまったく見られず、自殺は常に一回で確実に成功します。自殺してから3分以内に、カモネギからすべての羽が抜け落ちます。この段階で、「準備しろ」という命令に対するカモネギの行動は完了したと見られています。

    通常のカモネギと同様に、このカモネギも食肉に適した身体構造を持ちます。先述した「準備しろ」という命令に対する自殺と抜羽は、おそらくカモネギの生体を食材とするための「準備」を指すものと推定されます。しかしながら後述する理由により、このカモネギを食べることは絶対に避けるべきです。

    死亡したカモネギの細胞を分析したところ、依存性のある麻薬物質が含まれていることが発覚しました。これは異常性の無いカモネギの個体にも微量に含まれているものですが、異常性のある個体の含有量は通常のおよそ1200倍と極めて多量です。この物質が含まれる食物や飲料を長期に渡って大量に摂取し続けた場合、最終的に重度の依存症に陥る虞があることが分かっていますが、本案件で取り扱うカモネギの場合、わずか1kgほどの摂食でほぼ回復不能な依存症に陥ります。

    これまでに実施されたカモネギの配布イベントを追跡し、配布に際して主導的な立場にある「アムリタ・ファウンデーション」という組織の存在を突き止めました。アムリタ・ファウンデーションは、声明によると「世界のあらゆる地域への食糧供給による人道的支援」を目的とする非営利団体です。慈善団体を自称していますが、その活動内容には不明瞭な点が多々あり、実態としては人道支援を装った非合法の営利行為が目的と見られています。

    アムリタ・ファウンデーションが異常なカモネギをどのような手段で確保しているのかは不明ですが、その特異な性質上、カモネギは工業的な手法で「製造」されているか、或いは何らかの方法で不法にデジタルコピーされた個体を実体化しているものと考えられています。

    本案件で危惧すべきは、カモネギの異常個体が齎す重篤な依存症そのものに加え、異常性の無いカモネギが乱獲されていることです。カモネギは元々携帯獣の中でも希少な食肉可能な種として知られていましたが、本案件で依存症を容易に誘発する異常個体が拡散されたことによって、カモネギの肉の需要が急激に高まりました。結果としてカモネギが乱獲され、生息数を激減させるに至っています。

    管理局では、2002年より各国の政府機関と連携したアムリタ・ファウンデーションの活動に対する告発キャンペーンを繰り返し実施し、各地域における異常個体の配布を未然に阻止する状況を作り出すことに成功しました。これに伴いカモネギを用いた利益創出が困難になり、同団体によるカモネギの異常個体の生産及び拡散は既に停止されたものと見られます。管理局では原状回復の施策として異常性の無い個体を積極的に保護すると共に、優秀なポケモンブリーダーと個別契約を結び、通常個体の繁殖活動を支援しています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1237] #142790付帯資料0 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/03(Fri) 21:10:32     53clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Appendix 0:
    以下は、かつてカロス地方ミアレシティ第六支局に在籍していたアレクシア・レンフロ主任研究員が提起した、案件#142790に関する仮説の一つです。


    仮説0:子供たちが見ているものが真実であり、置き換えられているのは我々の記憶である
    端的に言い表すなら、この仮説は案件報告書の本文に記載した仮説3を反転させたものです。対象が見たという「携帯獣のいない街」こそが言わば真の姿であり、何らかの理由によって我々――携帯獣の存在を知覚できる者すべての記憶が入れ替えられているという可能性を提起するものです。

    この仮説では、通常我々が目にしている携帯獣は実在せず、それに付随するすべての情報や物体は存在しないという立場を取ります。我々は本来存在しないものと共に暮らしているという、ある種の集団催眠に掛かった状態にあるというものです。正確には、催眠によって偽装された知覚をほぼすべての人間が共有していると言うべきです。その催眠が一時的に外れたのが、携帯獣のいない風景を目にしたという子供たちということです。

    仮説の立証は困難か、または不可能です。一般的な論証法において、携帯獣は間違いなく実在しているとせざるを得ず、存在しないという結論を導き出すことはできません。しかしながら、入力となる我々の「認知」及び「記憶」そのものが歪められている、即ち「携帯獣は実在する」という無意識の前提が我々すべてに存在している場合、あらゆる論証法は脆弱な根拠しか持ちえず、適切な解を得ることは不可能になります。

    もしこの仮説が正しい場合、実在しないものは携帯獣のみであると判断することは極めて困難です。我々の記憶/認知そのものが信頼できない以上、すべての存在の実在を疑わざるを得ません。先述した通りこの仮説は検証することができませんが、反証もまた不可能に近いと言えます。


    アレクシア主任研究員はこの仮説を提出して数日後、案件管理局を退職しています。現在の所在については不明です。


      [No.1236] 確認 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/03(Fri) 21:08:45     51clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Confirmation Message:
    この付帯資料は非公式なものです。当資料について、案件管理局はこれまで一切の見解を示していませんし、恐らくこれから何らかの見解が示されることもありません。

    以上を理解したうえで、かつ同意できる場合は、案件#142790にかかる付帯資料0を閲覧するための一時的なセキュリティクリアランスがあなたのアカウントに付与されます。閲覧終了後は自動的にセキュリティクリアランスが削除されます。

    続行しますか?(Y/N)


      [No.1235] #142790 「置き換えられた記憶」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/03(Fri) 21:07:25     78clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #142790

    Subject Name:
    置き換えられた記憶

    Registration Date:
    2015-04-02

    Precaution Level:
    undefined [審議中/暫定:Level 1]


    Handling Instructions:
    本件については、各地域の心療内科医から月次でレポートを受領することになっています。受領したレポートは案件別サーバに保管され、本案件に関するセキュリティクリアランスを保有する局員のみが内容を参照することができます。レポートには個人情報、または機微情報に該当する内容が含まれるため、特別な理由が無い限り複写は許可されません。紙媒体への複写が必要な場合、様式F-142790に所定の内容を記入し、ワークフローを回付してください。

    現時点では本件について言及した受診者について特別な対応は必要ないと考えられていますが、提示された仮説のうち一部のものが立証された場合において、監視を含む個別対応が必要になる可能性があります。これまでのところいずれの仮説についても正しいことは証明されていませんが、同時に覆すだけの根拠も存在しません。現状を踏まえ、新たな仮説を提示することは広く歓迎されています。

    警戒レベルについては現在も審議が続けられており、具体的な設定値については意見が分かれています。しかしながら、警戒レベルを設定しないまま案件に対応することは困難なため、現状は暫定的にレベル「1」(異常性はあるが危険性は低い)を設定しています。この警戒レベル設定は事前の予告なしに変更される可能性があります。


    Subject Details:
    案件#142790は、ここ数年(遅くとも2010年頃から)各地で見られるようになったある種の記憶改変現象と、それに掛かる一連の案件です。本案件の実態については不明な点が非常に多く、この概要は不正確である虞があります。

    これまでのところ、この事象は概ね8歳から14歳頃にかけての少年または少女にのみ発生しています。対象がかつて訪れたことのある場所について再訪したり別の形で目にしたりした際、一様に「ここは自分の知っている場所ではない」と発言することで事象が明らかとなります(事象#142790-1)。記憶の中にある風景と現実の風景が著しく乖離し、記憶に混乱を来します。対象はその時の出来事、例えば食事をしたことや、何かを購入したことなどは鮮明に思い出すことができ、この点については対象と行動を共にしていた者の証言とも一致します。

    対象が語る当時の記憶の最大の特徴として、記憶にある風景の中には携帯獣が一切登場しません。そればかりか、携帯獣の写真や携帯獣をモチーフとしたキャラクターなども例外なく出現しません。これまでに得られた情報を総合する限りでは、対象の記憶においては携帯獣の概念そのものが存在しないと考えられます。対象が訪れた場所にいかに大勢の携帯獣が存在していようと、決してその姿を表すことはありません。

    おそらくこれに関連する事象が対象に発生します(事象#142790-2)。対象がしばしば携帯獣の存在を認識できず、姿を見ることも声を聞くこともできなくなります。精密検査で視覚や聴覚に異常が無いことが確認されていても、この事象は無関係に発生します。現在のところすべての対象でこれは一時的なもので、長くとも十時間ほどで再び携帯獣を認識できるようになります。対象は携帯獣を認識できなかった際の出来事を正確に記憶できず、往々にして「眠っていた」「夢を見ていた」と答えます。

    事象#142790-1及び事象#142790-2について説明するために、局員からいくつかの仮説が提示されました:


    仮説1:単純な記憶の混濁
    ごく単純に記憶が混濁し、携帯獣に関する情報が欠落したという説。この仮説は最初期に提起されたものですが、ヒアリングを重ねるに連れて携帯獣以外の記憶は差異はあれどそれなりに整合性が取れており、携帯獣に関する記憶のみが欠落する理由が見当たらないため、仮説としては適当でないとの判断が大勢を占めています。しかしながらこの仮説の提起は、仮説2及び仮説3が提起される契機となりました。

    仮説2:携帯獣の存在しない異常な領域が存在する
    実際に携帯獣が完全に排除され、かつあらゆる場所からランダムに接続される異常な領域が存在するという説。事象#142790-2はここを訪れた際の副作用により認知機能に異常をきたしていると解釈されます。この仮説は事象#142790-1及び事象#142790-2の双方を説明できますが、対象と行動を共にしていた人物(主に両親や祖父母)に影響が現れないことの根拠が不足しています。可能性として、一定以下の年齢の人間にのみ影響を及ぼすことが考えられます。

    仮説3:何らかの特異な事象により記憶が置き換えられた
    対象は携帯獣のいる場所で行動していたが、何らかの事象の影響を受けて記憶からその情報が欠落したという説。仮説2と同様、特異な事象の影響を受けて事象#142790-2が発生するようになったというものです。これは今現在もっとも有力であると考えられている仮説です。記憶に影響が出るトリガーとなる事象を明らかにするため、これまでに収集されたレポートから対象の行動履歴を解析する作業が続けられています。


    管理局では、本案件に関するさらなる仮説の提起を歓迎しています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1234] #92678 「ポケモン屋敷の怪文書」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/02(Thu) 20:39:54     62clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #92678

    Subject Name:
    ポケモン屋敷の怪文書

    Registration Date:
    1999-05-16

    Precaution Level:
    Level 1(潜在的 Level 3 または Level 4)


    Handling Instructions:
    これまでに発見された文書はすべて電子化され、案件別サーバに暗号化した上で保管しています。案件を担当することになった局員は、電子化された文書を自由に閲覧することができます。文書の原本及び電子版に異常な点は見られません。必要であれば電子版の紙媒体への複写を請求することもできますが、媒体の持ち出しに際しては通常の情報持ち出し管理規定が適用されます。

    文書で示された研究が実際に行われていたかは意見が分かれています。裁定委員会では、本件は脆弱な根拠に基づいた単なる粗悪な怪文書の一種であり、記載されたような研究は行われていなかった可能性が高いと推定しています。よって、現在の警戒レベルは「1」(異常性はあるが危険性は認められない)としています。

    しかしながら、仮に文書に記載されていたような研究が実際に行われており、かつその成果が第三者の手に渡っていると判断せざるを得ない場合、警戒レベルは最低でも「3」と評価され、状況によっては「4」への再分類が行われる可能性も否定できません。警戒レベルの再分類が決定された場合、研究成果を奪取するための体制を速やかに構築しなければなりません。研究成果と思しきものが流出していないかの監視が継続しています。

    本件に関連して、1998年初頭に発生したグレン島の噴火についての調査が進められています。噴火はこれまで偶発的に起きた自然災害と考えられていましたが、本件で取り扱う各種文書が流出したことにより、人為的に起こされた可能性が惹起されました。噴火を発生させた可能性のある個人または組織についてこれまでに集められた情報は、案件別サーバのサブディレクトリに保管しています。これらは案件担当者のみが必要に応じて参照することが可能です。


    Subject Details:
    案件#92678は、1998年10月頃にパソコン通信の一部フォーラムとスレッドフロート型の匿名掲示板に大量拡散された合わせて14本の怪文書と、そこに記載された真偽不明の「研究成果」に関する一連の案件です。

    怪文書の概要は、かつてグレンタウンに存在した「ポケモン屋敷」と呼ばれる研究施設で行われていた非合法の研究を告発するものとなっています。文体から、14の怪文書はすべて同一人物によって記述されたものと断定されています。文書そのものは異常性の無い文字の羅列で、安全に閲覧することができます。閲覧したことによる身体的/精神的な影響も見受けられません。

    この施設は一般に携帯獣「ミュウツー」の研究が行われていたことで知られています。この「ミュウツー」は、既に絶滅したと考えられている携帯獣の「ミュウ」の遺伝子をベースとして、人為的に改良を加えた携帯獣を産み出すという名目でプロジェクトが進められ、最終的にミュウとは別個の携帯獣を生み出すという成果を得ました。しかしながら、ミュウツーは開発者のコントロールを離れて暴走、最終的にポケモン屋敷から脱走して行方を眩ましたとされています。このエピソードは報道機関などでも紹介され、広範に知られているものです。

    文書執筆者の主張によると、ポケモン屋敷では「ミュウツー」プロジェクトとは別のプロジェクトが極秘裏に遂行されていたとのことです。文書では一般の認識と異なり「ミュウツー」プロジェクトは完全な成功を収め、ミュウツーについても人の手を離れて暴走するようなことはあり得なかったと記載されています。

    上記に加えてこの「ミュウツー」プロジェクトについては、公にこそされていませんでしたがあくまで合法的な研究であり、出資者として「ホウエン地方に籍を置く大企業」(名称は伏せられていますが、これはホウエン地方カナズミシティに本拠地を持つ「デボンコーポレーション」と推定されます)やポケモンリーグ関係者が名を連ねていたとの記載もあります。同時期に行われたシルフカンパニーによる「ポリゴン」プロジェクトとの関連性も示唆されており、いずれにせよ最終的に得られた成果を世間に向けて公表することが予定されていたことが窺えます。

    この文書では、後述するもう一つのプロジェクトでの「致命的な失敗」を隠蔽すべく、研究者と出資者、及びミュウツーが共謀して「ミュウツーの暴走」というカバーストーリーを偽装したというのが真相だとしています。

    ポケモン屋敷で行われていたというもう一つのプロジェクトについて、文書では「M2計画」と呼称されています。由来について、文書では情報管理や運用の観点から、知識の無い関係者に「ミュウツー」プロジェクトと意図的に混同させる目的があったとしています。「ミュウツー」プロジェクト自体は「M計画」と呼ばれ、名称こそ類似していますが指揮系統は明確に区別されていました。

    執筆者によれば、「M2計画」は「M計画」で得られた成果を基に、以下のような目論見をもってプロジェクトが進められていたとしています:

    ・人体の欠損部位を携帯獣の部位で補うことを初めとした医療技術への転用
    ・携帯獣の持つ能力の人体への移植
    ・人間と携帯獣間の共通言語の構築による意思疎通の容易化
    ・量産可能な生体兵器としての可能性の模索

    当初「M2計画」は順調に推移していましたが、最終段階である人体を用いた臨床試験で想定していたような成果が得られず、被験者が次々に死亡するという事態を引き起こしました。さらに文書では、被験者は医学的に見て完全に死亡している状態でしたが、意識を喪失したまま研究所内を徘徊していたとの記載も見られます。杜撰な管理体制により、死亡したとされる被験者の一部が行方不明になったケースも確認されているとのことです。

    これ以上のプロジェクト続行が不可能と判断した出資者(文書では「当時暗躍していた国際的な犯罪シンジケート」と記載されています)の判断で、上記の「ミュウツーの暴走」というカバーストーリーが適用され研究所は破棄されたとしています。その後、「M計画」及び「M2計画」の実情を知ったある著名人(文書ではグレンジムリーダーのカツラ氏を示唆する文言が見られますが、確定はされていません)がすべてを公にしようと考えたために、関係者が証拠隠滅を行うべくグレン島の火山を噴火させてポケモン屋敷を完全に破壊したと主張しています。

    文書の記載がどの程度正確なのかは明らかになっていません。「ミュウツー」プロジェクトが本当に成功していたのか、また合法的なものであったのか、そして文書に記載されている「M2計画」と呼ばれる別のプロジェクトが実際に進められていたのかは未だ判断が分かれています。管理局の見解として、この怪文書そのものが何らかの情報霍乱の意図を持って拡散された可能性も示されています。


    [1999-08-13 Update]
    以下は案件担当者の判断により、カントー地方トキワシティ第三支局に在籍する局員が作成した個人日報から転記したものです。

    1997年12月に重大な欠陥があるとして市場から回収されたポケモンリーグ監修の電子端末「スタンダードポケモン図鑑'97 カントー地方版」について、初期生産分の一部に注目すべきデータが含まれていることが判明しました。データは「ミュウツー」に関する詳細な特徴(複数のカラー写真/平均的な身長・体重/足跡/鳴き声のサンプル等)そのものであり、現時点までにこのようなデータが公表された記録はありません。データは通常はアクセスできないようロックされていますが、端末に改造を加えればロックを解除するためのソフトウェアをインストールすることが可能です。

    この端末は非ポケモントレーナーを含む一般利用者向けに開発された携帯獣図鑑で、認定者に配布される正式なバージョンの携帯獣図鑑の機能制限版となっています。スタンダード版は各地方に生息する携帯獣を概ね収録し、それらの情報を任意に参照することが可能ですが、希少な携帯獣(カントー地方及びカロス地方に生息している「サンダー」「ファイヤー」「フリーザー」等)や公式に実在することが認められていない携帯獣(シンオウ地方及びジョウト地方にて民間伝承レベルで存在が示唆される「アルセウス」等)については収録されておらず、一般的な知識を読み物として紹介するに留まっています。

    同端末にミュウツーの完全なデータが含まれていた理由は不明です。読み物としてではなく、実用向けのデータが用意されている点に注意すべきです。96年版以前にはこのようなデータは含まれていませんでしたが、97年版にミュウツーのデータが存在する領域は不自然な空き領域となっています。なお、この空き領域は92年版から一貫して存在しています。

    不具合が改善されたという97年版の後期生産分、及び98年版以降については、ミュウツーの詳細なデータは存在しません。92年版から96年版と同様に、空き領域としてすべてのデータが「0」で埋められています。ミュウツーについては、読み物のページに一般的に知られているエピソードが簡潔に紹介されているのみです。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1233] #110804 「シンオウ地方241番道路」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/01(Wed) 19:51:51     61clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #110804

    Subject Name:
    シンオウ地方241番道路

    Registration Date:
    2005-02-11

    Precaution Level:
    Level 1


    Handling Instructions:
    対象は物理的な保全が不可能なため、存在の有無を突き止めるための作業に焦点を当ててください。管理局が入手した物件からは間接的に存在が示唆されていますが、これまでのところ実在した/実在しているという証拠は得られていません。新たな物証、または証言が得られた場合は、既に得ている資料との整合性を検証してください。矛盾している場合も、それらには変更を行わずにそのまま保全対象に加えてください。

    得られた物証は、第十四低異常性取得物保管庫のブロック2-Hにある棚へ保存してください。研究のため物証を持ち出す場合、様式F-110804に所定の内容を記述し、ワークフローを回付してください。それぞれの物証について異常性は見られないため持ち出しが許可されていますが、紛失を防ぐため持ち出しに際しては必ず一人以上の局員が付き添うことが求められます。保管庫への入退出時は監査ログが記録されます。


    Subject Details:
    案件#110804は、これまでのところ実在が確認されていないシンオウ地方241番道路と呼ばれる未知の道路と、その存在を示唆する物証からなる一連の案件です。

    2005年初頭にホウエン地方ムロタウンにあるポケモンセンターから案件管理局へ通報があり、本件の存在が提起されました。ムロタウンのポケモンセンターでは日々「ポケモン預かりシステム」との通信ログを集計し、システムの稼働統計レポートを自動作成する運用となっていましたが、その際2件の例外データが発生していることを確認しました。サービスエンジニアが例外扱いとなった2件のログを確認したところ、それらはいずれも携帯獣の出身が「シンオウ地方241番道路」と記録されていたことが判明しました。例外データとして除外されたのは、稼働統計レポート作成に使用されるバッチジョブがこの道路を認識できなかったことが原因です。対象の携帯獣は既にトレーナーによって「ポケモン預かりシステム」から引き取られていたため、その時点ではさらなる調査は難しいと判断されました。

    その後、同様の通報がカントー地方シオンタウン、及びジョウト地方エンジュシティのポケモンセンターからも寄せられました。通報の内容はいずれも存在しない道路の名称が記録されているというものです。この段階になって、管理局ではこのデータ異常を案件として取り扱うことが決定されました。

    管理局による広範な調査においても、シンオウ地方241番道路なる道路が存在した記録は見つかりませんでした。しかしその後も、各方面からシンオウ地方241番道路の存在を示唆する物証が次々に寄せられています。以下はその一覧です:


    ・物証#110804-1/2005-04-30取得
    カントー地方セキチクシティにて運営されている自然公園「サファリゾーン」にて、他地域から受け入れた一部の携帯獣の移動履歴に「シンオウ地方241番道路」が記録されていることが確認されました。それらの携帯獣は一般のポケモントレーナーからの寄贈という扱いでサファリゾーンへ持ち込まれましたが、該当するトレーナーのIDは既に登録を抹消されていました。

    ・物証#110804-2/2005-06-09取得
    数ヶ月前にサービスが開始されたGoogle Inc.が提供する地図情報サービス「Google Maps(グーグル マップ)」にて、地名のオートコンプリートの候補として「シンオウ地方241番道路」が登場しました。オートコンプリートのリストに現れるにもかかわらず、実際の検索ではこの道路は検索結果に現れません。本件について、Google Inc.の窓口担当者に詳細な調査依頼を出しました。

    ・物証#110804-3/2006-01-14取得
    シンオウ地方ミオシティにある「ミオ図書館」に収蔵されていた1985年発行の古い学習用の地図帳に、索引として「シンオウ地方241番道路」が存在しました。索引は実際には機能しておらず、該当するページ内に「シンオウ地方241番道路」は存在しません。地図帳の出版社は1992年に経営破綻し、現在は清算されています。

    ・物証#110804-4/2006-02-19取得
    ホウエン地方カイナシティにある造船所の駐車場に放置されたナンバープレートの無い自動車を駐車場の管理者が撤去しようとした際、中から「1/18 シンオウ241番道路にて合流」と走り書きされた付箋が発見されました。車両の所有者に関する情報は車内に残されておらず、その他の物証は異常性を示しませんでした。車両はよく整備され、燃料も最大まで補給された状態で放置されていました。

    ・物証#110804-5/2006-02-28取得
    オーレ地方にて活動中の局員から、地域で催されたバザーにて「シンオウ地方241番道路」について言及した書籍を入手したとの報告がありました。書籍のタイトルは「シンオウぶらりひとり旅」、著者は「守田 博彦」、出版社「明星出版」、出版年は1978年となっています。タイトル・著者・出版社はいずれも実在したという記録がありません。後に局員から送付られた書籍を確認したところ、著者が241番道路を経由してクロガネシティへ向かったとの記述が見つかりました。いかなる資料においても、クロガネシティから241番道路なる道路へ接続していたという記録はありません。

    ・物証#110804-6/2006-07-18取得
    カントー地方トキワシティの遺失物保管所に、数十枚のデジタル写真が保存されたUSB接続のフラッシュメモリが届けられました。管理局が内容を確認したところ、「241」と記された看板の写り込む積雪した道路の写真が数枚発見されました。残る写真はそれらと関連の無い道路を撮影したものですが、いずれの写真にも人影は見当たりません。フラッシュメモリの所有者は今に至るまで現れていません。

    ・物証#110804-7/2007-03-07取得
    かつてカントー地方ハナダシティに住んでいた、現在はジョウト地方アサギシティ在住の男性が、「小学生の頃にシンオウ地方241番道路で消息を断った同級生がいた記憶がある」と知り合いに話していたことが分かりました。男性から同意を得た上でヒアリングを実施し、その記憶に間違いは無いとの証言を得ました。男性によると同級生は女の子で、シンオウへ旅に出たまま失踪、その後行方不明のまま葬儀が行われたとのことでした。該当するトレーナーの洗い出しが進められています。


    シンオウ地方在住のおよそ30,000人に対する無作為の聞き取り調査の結果では、3,419人から241番道路を通過したことがあるとの回答が得られました。どのような経路で通過したかという質問の結果は、統計的に有意な結果が一切見られない著しく矛盾したものとなりました。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1232] #115064 「恐らくはコラッタではない何か」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/31(Tue) 20:24:01     58clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #115064

    Subject Name:
    恐らくはコラッタではない何か

    Registration Date:
    2006-06-19

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    ショッピングモールサイトを定期的に巡回し、不審な「ペットショップ」が出店していないことを確認してください。本案件で取り扱う異常な携帯獣を販売していると思しき店舗を発見した場合は、速やかにサイトの管理者へ報告して退去を命じさせてください。ショッピングモールサイトの利用者にはできるだけ積極的に注意喚起を行い、不審な店舗から携帯獣を購入しないよう呼び掛けてください。

    これまでに16体のコラッタのように見える異常な生物を収容しています。いずれも同一の異常特性を示しており、取り扱いには注意を要します。いかなる形の接触においても、対レベル2バイオハザード用スーツを着用することが義務付けられています。この生物はほとんどが管理局に対して敵対的で、これまでに計5件の収容違反を起こしています。現在の収容手順はこれらの違反を受けて都度改訂を行ったものになります。

    一般市民からコラッタのように見える異常な生物について届け出があった場合は速やかに確保し、可能な限り詳細に入手経路を質問してください。これまでのケースでは未確認ですが、仮に野生のコラッタが異常特性を示しているという証言があった場合は、最悪の場合当該地域に棲息するすべてのコラッタを検疫する必要が生じます。これはこの生物に限らず、正常に見えるコラッタも含んだ措置です。


    Subject Details:
    案件#115064は、大手ショッピングモールサイトに不定期に出現する「オブライエンのペット・ショップ」という詳細不明のペット用品店と、そこで販売されているコラッタのように見える異常な生物からなる一連の案件です。

    条件は不明ですが、概ね一年の間に2回から3回のペースでそれぞれ一週間ほどの間、ショッピングモールサイトの検索結果に「オブライエンのペット・ショップ」という店舗が表示されるようになります。これは検索に使用したキーワードに依存しておらず、正常な検索結果の間に自身を挿入する形で出現します。リンクをクリックすると、「オブライエンのペット・ショップ」が開設した特設サイトへ移動します。

    移動先のサイトでは「キュートでクールでユーモラスな、エキゾチックでエキサイティングなニューエイジ・ペット」という触れ込みで、通常より青みの強い体色をしたコラッタのように見える生物の写真を展示し、税込価格2,000円で販売しています。この広告には異常性はなく、多くの利用者が興味を持たずにこの時点でページから退去します。写真に興味を持って購入手続きを進めると、決済にはクレジットカードのみが使用可能な旨のメッセージが表示されます。通常利用可能な銀行振込等の入金手段は、この販売店が開示している情報の不足により利用できません。

    クレジットカードによる決済を完了すると、一週間以内に決済を行った人間の元へ標準的なケージに入れられた青いコラッタのような生物が届けられます。この生物は一見した限りでは体色以外に通常のコラッタと差異が無いように見受けられますが、管理局があらゆる観点から調査を行った結果、次のような異常性を持っていることが分かりました:


    ・性別
    この生物は性別を区別できません。個体により差異はありますが、いずれも♂♀両方の特徴を持っているか、またはどちらも持っていません。

    ・視覚
    顔にある瞳は機能しておらず、代わりに尻尾に隠された「第三の瞳」と呼ぶべき器官で視覚情報を得ています。事実上単眼生物であるためか、通常のコラッタと比較して空間認識能力が著しく劣っています。

    ・聴覚/嗅覚
    視覚の機能を補うため、これらの機能が発達しています。管理局による観測の結果では、聴覚は通常のコラッタの三倍、嗅覚に至っては約十倍の鋭さを持っています。

    ・前歯
    コラッタの特徴である前歯にも異常が見られます。通常のコラッタとは異なり、前歯は超ジュラルミンによって構成されています。仮に欠損が発生しても、長くとも三時間以内には完全に元の形状に自己修復する機能を持ちます。

    ・鳴き声
    通常のコラッタとは異なり、この生物は「効きの悪くなった自転車のブレーキを引いた時のような音」と形容される非常に不快で耳障りな鳴き声を上げます。死亡した個体を解剖した結果からは、声帯部分に通常のコラッタとの差異は認められませんでした。

    ・血液
    血液の色は明るい青をしています。血液型は不明です。負傷した際は特に顕著ですが、流出するなどして血液が減少すると、通常の動物以上に動きが鈍くなります。そのためか、皮膚は通常のコラッタとは比較にならないほど強固であり、およそジュゴンのそれに匹敵する強度と耐熱性を持ちます。

    ・携帯獣としての性質
    この生物は外見こそコラッタに酷似していますが、携帯獣用に開発されたデバイスはこの生物を携帯獣として認識することができないか、または誤認識します。これまでのテスト結果では、全126台のデバイスのうち98台が認識不能と判定、4台がフリージオと判定、2台がそれぞれライボルトまたはトドグラーと判定、残り20台の判定結果は次の通りです:オオタチ・ドクケイル・コンパン・ポリゴンZ・アンノーン(Q)・バッフロン・ポッタイシ・バリヤード・アンノーン(T)・ニャオニクス(♀)・ハガネール・コフーライ・マグカルゴ・モジャンボ・シェイミ(ランドフォルム)・カラカラ・ハブネーク・バルキー・ニンフィア・ケイコウオ。なお、コラッタとして判定したデバイスは存在しませんでした。

    ・生殖
    これだけの差異が認められるにもかかわらず、生殖器を持つ個体の場合は異常性の無い♂♀両方のコラッタと繁殖活動を行うことができます。生まれてくるタマゴは、つがいとなるコラッタが♂♀どちらであっても(つまり、正常なコラッタとこの生物のどちらがタマゴを産んでも)、この生物とまったく同じ異常性を持った個体となります。


    通常のコラッタと問題なく繁殖活動が行えることから、この生物が仮に野に放たれるようなことがあれば、個体数は幾何級数的に増大していく恐れがあります。現在の案件対応方針は、この生物を頒布している「オブライエンのペット・ショップ」と名乗る個人または組織への接触と、この生物が野生に生息していないかの監視に重点が置かれています。

    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


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