マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  •   [No.1231] #62403付帯資料1 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/30(Mon) 19:42:49     71clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Appendix 1:
    案件の本文を読み、些か違和感を覚えた局員も多いかと思われます。付帯資料では、本案件の実情について説明します。

    現実として、野生のスリーパーが無害な人間を襲うケースは確認されていません。もちろん、携帯獣を連れたトレーナーが先に攻撃を仕掛けるなど、明確な敵意を持っていると判断できる場合は除外しますが、その場合もスリーパーの行動は専ら防御的で、攻撃の意志を見せないことがほとんどです。管理局が行った検証では、スリーパーが自発的に攻撃を仕掛けてくるケースは確認できませんでした。

    スリーパーは方々で「夢を食う」という特徴が有るとされ、一部の資料では「人を襲って眠らせ、見ている夢を食べる」というような記載が見られます。これは事実ではありません。スリーパーの食性は草食寄りの雑食であり、主に野生の果実を採取して摂食しています。スリーパーが持つ催眠術を初めとする各種超能力は、ほとんどの場合防御的にしか使用されません。これは生物学的にも実証されています。

    何より、野生のスリーパーは「夢を食う」と呼ばれる行動――実際には眠っている人間に干渉して生命力を吸い取るという技能を、どのような形であっても自力では習得することができません。スリーパーがこの技能を習得するためには、一般的に「技マシン」と呼称される携帯獣向け汎用的技能習得装置を使用するか、技能を持つ人間から教授してもらうことが不可欠です。

    各種資料にある「人を襲う」「子供を狙う」という記述はいずれも不正確で、実情に即したものではありません。過去に子供を誘拐したという事例は一切確認されていません。類似した事例では、そのすべてが被害者の側からスリーパーに何らかの敵対行動を仕掛けたものであることが明らかになっています。しかしながらあまりに広範にこの記述が広まり、スリーパーに対する危機意識はもはや回復不可能なレベルにまで高まってしまっています。管理局ではこれまでに再三に渡り資料の記載を変更し、正しい情報を広めることを試みましたが、それらはいずれも失敗に終わっています。

    本件がもたらす本当の問題は、そうしたスリーパーの実像から外れた誤った認識が広範に共有されることで、スリーパーの生息数がここ数十年で激減していることにあります。管理局の把握が遅れたことにより、野生のスリーパーはその数を大きく減らしてしまいました。仮に何の対策も打たなければ、最終的に十年以内にスリーパーは絶滅し、二十年以内には波及効果により進化前の形態である「スリープ」もまた同様に絶滅するものと推測されています。

    非常に厄介なことに、野生のスリーパーには自らの意志に寄らず、睡眠中の人間に対して「スリーパーが襲い掛かってくる」という悪夢を見せてしまう習性があることが分かっています。本文で記載されている悪夢はこの習性によるものです。これは彼らが自然界を生き抜く中で、近くに居る敵性生物に恐怖心を与え自らを護るために身に付けた自衛行動の一種と考えられていますが、現代においてはスリーパーへの無用な敵対心を喚起し、結果として個体数を減らす結果に繋がっています。現在のところ、この悪夢を止める術は見つかっていません。

    管理局では局員に「スリーパーは危険である。決して個人で対処しようとしてはならない」という、受け取り方によっては虚偽の情報を提供しています。これは本案件に携わらないすべての局員に謝罪しなければならないことであると理解しています。しかしながら、「スリーパーは危険な携帯獣である」「スリーパーは子供を狙う」といった知識は所謂「常識」のレベルにまで浸透してしまっており、「スリーパーは保護すべき携帯獣である」という情報は多くの局員を混乱させるものと考えられています。本案件に携わることになった局員にはすべての情報を公開することを約束し、また管理局として虚偽の情報を提示していたことを深く謝罪します。

    スリーパーの保護に全力を挙げてください。彼らは不幸にして広まってしまった「常識」によってその命を奪われようとしています。管理局は正しい情報を把握し、その情報に基づいて行動を起こさなければならないのです。


    [2009-09-24 Update]
    先月中旬に発生した、クチバシティ在住の少女がスリーパーに襲撃された事件についての調査が終了しました。事前に推定された通り、事件を起こしたスリーパーは元々野生の個体ではなく、別のトレーナーによって育成されたものが不法に野に返されたことで凶暴化したものであるということが裏付けられました。対象のスリーパーは既に管理局にて保護し、専門チームによってカウンセリングを受ける予定となっています。

    残念ながら、この事件がスリーパーへの危機意識をさらに醸成する物になることは避けられません。管理局ではこれまで以上に本案件へ対応する人員を増やし、スリーパーの絶滅を防ぐための活動を続けていく予定です。


      [No.1230] #62403 「スリーパーに気を付けろ」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/30(Mon) 19:42:02     72clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #62403

    Subject Name:
    スリーパーに気を付けろ

    Registration Date:
    1989-10-11

    Precaution Level:
    Level 4


    Handling Instructions:
    管理局が開設している医療機関及び行政機関の窓口に「スリーパーに襲われる夢を見た」という直接の申し出があった場合は、直ちに捕獲のための特別チームを出動させてください。対象は一時的に保護入院の措置を執り、捕獲が完了した段階で退院してください。夢を見た際に強い心的外傷を負っている虞があるため、解放の際は併せて専用に調整した精神安定剤を処方してください。

    パソコン通信の各ホストで開かれているフォーラム、特に医療に関するフォーラムを継続的に監視し、スリーパーに関する悪夢を訴える利用者がいないかを確認してください。該当する利用者が見つかった場合、ホストに問い合わせを行い利用者へコンタクトを取ってください。コンタクトの際は身分を明かし、見た夢の内容は危険であること、身の安全を保証するために数日間指定の病院へ入院して欲しい旨を丁寧に伝えてください。

    野生のスリーパーを捕獲するための試みが続けられています。スリーパーを目撃した局員は決して直接アクションを起こさず、案件#62403の担当者に電話または社内メールで連絡を取ってください。スリーパーの持つ能力の性質上、捕獲に際しては特別な技術を持つ専用チームが出動する必要があります。スリーパーの捕獲後は、手順M-62403に沿って適切な処置が施されます。


    Subject Details:
    案件#62403は、携帯獣の「スリーパー」に襲撃される夢を見るという事象と、それに伴って現実でスリーパーと出会うという事案の2件からなる案件です。

    少なくとも1970年代後半頃から、夢の中に明朗な形でスリーパーが現れ、数日以内に実際に野生のスリーパーと接触するという事象が各地で報告されていました。案件管理局が把握している最古の例は、1969年にカントー地方クチバシティ在住の十四歳の少女が同様の夢を見た翌日にスリーパーと出会い、危うく誘拐されかけたところを別のポケモントレーナーによって救出されたというものです。以来地域を問わず、スリーパーが棲息しているすべての地域で同様の事象が発生しています。

    この事象の特徴的な点は、現実にスリーパーと接触する前に必ず夢を見るというものです。夢の内容は大まかな部分で一致しており、スリーパーが被害者の夢の中に突然現れ、被害者の夢を「食べて」しまうというものです。夢を食べられた被験者は強い恐怖心に襲われ、その後実際にスリーパーと接触するとほとんどの場合パニックに陥ります。現在のところ管理局が把握しているケースで実際に野生のスリーパーに襲われた事例は無く、いずれも何らかの形で救助が行われていますが、被害者は往々にして強い心的外傷を負います。

    昨今のパソコン通信の発達により、この事象が国内各地で発生していることが明らかになりました。医療機関への相談件数も増加の一途を辿っています。案件管理局では本件を重大案件として採り上げ、専門チームを組織して対策に乗り出しています。主な対策は夢を見た対象を保護することによる防御的措置、及び野生のスリーパーを捕獲することで本件の事象が起きることを防ぐ積極的措置の二つから成ります。

    取扱資料にもある通り、決してスリーパーに直接アクションを起こしてはなりません。野生のスリーパーを見つけた場合、速やかに援護要請を行ってください。最寄りの拠点から専門チームを派遣します。これは事前に夢を見た場合も同様です。繰り返しになりますが、何があろうと個人でアクションを起こさないでください。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムは公開されていません。管理局の判断により、付帯資料に付いては秘匿する方針が定められています。本件に携わるレベル1以上のセキュリティクリアランスを持つ職員にのみ、限定的にアクセスが許可されます。


      [No.1229] #112213 「Netscape Navigator 3.06」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/29(Sun) 20:21:59     72clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #112213

    Subject Name:
    Netscape Navigator 3.06

    Registration Date:
    2005-07-24

    Precaution Level:
    Level 3


    Handling Instructions:
    本案件で管理すべきWebブラウザは、少なくともインターネット上のサイトからダウンロードすることは極めて困難か、または不可能な状態を保てています。一般に頒布されたバージョンでないことに加え、最新のオペレーティングシステム上では正常に稼働しないことも、対象を抑え込むことに寄与しています。現在はファイル共有ネットワーク上でこのWebブラウザの配布が行われていないことを監視する体制作りが進められています。

    このWebブラウザを使用して得られた情報はポケモンセンターの統合監視室へ問い合わせて取得したデータと日々照会し、内容の一致/不一致を厳密に確認してください。これまでのところ、例外#112213のデータ群を除いたすべてのデータが常に最新の情報と一致していますが、万が一不一致が見られた場合は直ちに相違箇所を抽出し、様式F-112213-1に沿ってワークフローを回付してください。

    Webブラウザをリバースエンジニアリングした結果は、案件別サーバの成果物リポジトリに保管されています。かつてNetscape社に在籍していた開発者を通常よりも高額の報酬で雇用するオプションを適用したことで、プログラムの解析が想定よりも早いスピードで進められています。これまで判明している情報では、本案件で主要な管理対象になっているGopherプロトコルの実装について、公開された最終版と有意な差異が認められることが分かっています。さらなる検証が続けられる予定です。


    Subject Details:
    案件#112213は、かつて存在していたNetscape Communications Corporation(以下Netscape社)が開発したWebブラウザ「Netscape Navigator」の未公開バージョンと、そのバージョンでのみ接続が可能な異常なGopherサーバにかかる一連の案件です。

    2005年前半、既に配布されなくなった古いバージョンのソフトウェアを配布しているWebサイトのフォーラムに「Netscape Navigatorのバージョン3.06は存在しないはずではないか」という問題提起の書き込みがなされたのが本件の発端です。管理者はサイトがクラッキングされたと判断し、一時的にサイトを閉鎖しました。その後サイト管理者から案件管理局のイッシュ地方ヒウンシティ支部へ通報があり、管理者からヒアリングを行った結果重大な異常性が認められました。これにより、対象を案件として管理することが即日決定されました。

    本案件で管理する「Netscape Navigator」のバージョン3.06は、公式のバージョン履歴には存在しません。3.x系列の最終バージョンは3.04で、その後は4.x系列へ移行しています。4.x系列は2002年リリースのバージョン4.8が最終版となっています。このためこのバージョン3.06は非公式にビルドされたものである可能性を含んでいますが、ファイルに記録された署名はいずれもNetscape社公式のものと一致しています。Netscape社に在籍していた元開発者からのヒアリングでは、3.04のリリース以後に3.x系列のメンテナンスを行うチームや担当者は存在しなかったとのことです。

    このバージョンのNetscape Navigatorは、バージョン3.04までに搭載された機能をすべて搭載していますが、一見したところバージョン3.04から変更された箇所は無いように見受けられます。しかしながらこのバージョンは、GopherプロトコルによりローカルホストのGopherサーバへ接続を試みた際に、通常想定されないような異常な振る舞いを見せます。

    実際にローカルホストにてGopherサーバが稼働しているかによらず、Gopherプロトコルによるローカルホストへの接続が行われた場合、Netscape Navigatorは膨大な量(2014-05-21時点で763239件)のリスト(以下第一階層)を画面に表示させます。第一階層を辿ると、さらに別のリスト(以下第二階層)が表示されます。最終的にリストは第四階層まで展開され、それ以上リストが展開されることはありません。

    リストの構造は以下のようになっています。

     第一階層:ポケモン預かりシステムを構成するサーバ一覧(仮想サーバ単位)
     第二階層:サーバ毎に管理されているアカウント一覧
     第三階層:アカウント毎に管理されているボックス一覧
     第四階層:ボックス毎に管理されている携帯獣一覧

    アクセス可能なアカウント一覧及び携帯獣一覧については、正規の手順でアクセスした際の最新の状態と完全に一致することが判明しました。携帯獣は数値化されたパラメータ、分析された性格タイプや出会った経緯等のテキスト情報、所有しているアイテム、及び公式戦で参戦させるに当たり事前に届け出る必要がある標準使用技能など、通常のインタフェースで表示される情報をすべて参照可能です。これに加えて、現在のインタフェースでは参照できない未知の情報が多数列挙されています。これらの情報を解析する試みが続けられています。

    これまでのところ、ポケモン預かりシステムがGopherサーバを稼働させていた記録も、同システムがGopherプロトコルによる接続を受け付けていたという記録もありません(同システムはクローズドソースの独自プロトコルにより接続が行われる仕組みになっています)。HTTPによる携帯獣情報閲覧サービスは提供されていますが、パケットの解析結果から本件とのつながりは無いことが確認されています。

    Netscape Navigatorをインストールした端末をネットワークから切り離しても、依然として接続は可能です。Gopherプロトコルは仕様によりドキュメントの取得毎にコネクションが切断されますが、コネクションとコネクションの間でどのようなネットワークに関する設定変更が行われようと、未知のGopherサーバは一貫して結果を返しつづけます。これはWebブラウザから見た時、あくまでローカルホストのGopherサーバへアクセスしていることが理由と推定されます。

    本件で危惧すべきは、本来携帯獣情報の照会時に必須となるアカウント認証をスルーし、制約なしにあらゆるアカウントの保有する携帯獣の情報が参照可能なことです。重大な機微情報の流出につながる恐れがあり、かつ現時点でGopherサーバへの接続を阻止する術が無いことから、管理局では本Webブラウザが配布されないことを主な目的として活動を続けています。


    [2008-09-30 Update]
    未知のGopherサーバの調査中、実在するアカウントと一致しないアカウントが大量に登録されたサーバ群が発見されました。いくつかのアカウントはこれまでに発見されていない携帯獣の保有を示唆しています。これらのアカウント群は例外#112213と命名され、別途管理対象とされます。

    [2012-05-23 Update]
    ミニブログサービス「Twitter」にて、Mac OS(バージョンX以前の所謂「Classic」オペレーティングシステム)向けWebブラウザである「iCab」の未知のバージョン「2.9.12」について言及がありました。本案件と類似した異常性があることが示唆されていますが、GopherプロトコルではなくFTPプロトコルを用いていることの差異が見られます。FTPプロトコルの性質を鑑み、現在人員を増強しての「iCab 2.9.12」の捜索が続けられています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1228] #116368 「第38話」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/28(Sat) 21:02:39     61clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #116368

    Subject Name:
    第38話

    Registration Date:
    2006-11-17

    Precaution Level:
    Level 1


    Handling Instructions:
    映像そのものに強い異常性は見られませんが、視聴した結果予期せぬ健康被害をもたらす可能性がありますので、発見次第速やかに保全の上アクセス遮断の手続きを取る必要があります。動画投稿サイトへの削除申し立ては、様式F-116368-1に必要な事項を記入してワークフローを回付してください。週次の処理で一括して削除の請求を行います。削除に際しては、権利者からの申し立てというカバーストーリーが使われます。

    保全した動画ファイルは、異常性を持つ映像を収容するための専用サーバへ暗号化を施した上で保管します。研究目的で映像を使用する場合、様式F-116368-2に必要な事項を記入してワークフローを回付してください。承認が下り次第動画へのアクセスが認められます。映像の視聴に際しては、異常メディア閲覧用にカスタマイズと各種セーフティロックが施されたタブレット端末が一時的に支給されます。動画ファイルへの直接のアクセスは許可されません。

    これまでに取られたデータの統計から、新たな動画の出現ペースが短くなっていると予測されています。便乗した形での動画投稿も少なくありません。動画の性質上、クローラーによって一律に異常な動画を検出することが困難なため、本案件へ割り当てる人員を増員することを検討しています。


    Subject Details:
    案件#116368は、アニメ「ポケットモンスター」第1シーズンの第38話「でんのうせんしポリゴン」を元にした多数の出所不明の動画と、それに付随する一連の案件です。オリジナルの第38話には異常性が無いため、本案件の管理対象ではありません。

    2006年下半期頃から一部の動画共有サイト(主に「YouTube」)にて、「ポケモンアニメの欠番(「発禁」と表記されるパターンも複数確認されています)回を公開」といったキャプションが付いた動画が投稿されるようになりました。動画はいずれもオリジナルの第38話を元にしていると推定されますが、一部の動画はオリジナルの内容から完全にかけ離れたものになっています。具体的な内容については後述します。

    オリジナルの第38話は、作中で使用された過度の点滅表現によりおよそ700人に対して頭痛・吐き気等を伴う光過敏性発作を引き起こさせたことが大きく取り上げられ、問題とされました。このエピソードは事件後一切の再放送・ソフト化がなされておらず、現在のところ公式に視聴する方法はありません。

    これまで発見された動画はオリジナルで問題とされた過度の点滅表現を必ず含んでおり、意図せず視聴した場合はオリジナルと同等の程度で健康を害する恐れがあります。しかし現在のところ、映像を視聴したことによる影響はそれ以上確認できていません。視聴者は動画の内容を正しく、論理的に説明することができ、不快な内容であれば相応の不快感を訴えることができます。これは動画そのものに異常性や情報災害に繋がる要素が含まれていないことを示しています。つまり、映像としては総じて異常で時として不快な内容ですが、それ以上の危険性は持ち得ないと見なされています。

    本案件で注目すべきは、映像に対して行われている編集が、通常想定される個人あるいは小規模な団体では為し得ないほど突出して高度なものであることです。いかなる個人あるいは組織が、どのような意図を持ってこれらの映像を作成・頒布しているのかは分かっていません。現在の本案件への対応方針は、動画の作成元を突き止めることに焦点が当てられています。

    動画の投稿者を突き止めることは幾度か成功していますが、投稿者からのヒアリングでは「別の動画サイトから転載した」「ファイル共有ソフトでダウンロードして、面白かったので転載した」といった回答しか得られていない状況です。映像の制作者を追跡する試みは、これまでのところすべて失敗しています。

    これまでに管理局によって確認・保全された映像について、以下に抜粋しました:


    映像#116368-1(投稿日:2006-07-12/投稿時タイトル:「第38話 rev.3」):
    管理局が本案件について調査を開始した最初期に確認された動画です。大まかなストーリーの流れはオリジナルのエピソードに準じていますが、主人公の少年である「サトシ」と、このシーズンでヒロインを務めた少女「カスミ」(実在するカントー地方ハナダシティのジムリーダーをモデルとしています)に差異が見られます。サトシはこれまでのエピソードとは明らかに異なる服装をしており、カスミは未知の少女のキャラクターに置き換えられていました。カスミの代替キャラクターを演じているボイスアクターは不明です。

    [2013-11-12 Update]
    これまでカスミの代替とされてきた未知のキャラクターは、2013-10-17より放送が始まった第11シーズン「ポケットモンスター XY」に登場する「ユリーカ」(実在するカロス地方ミアレシティのジムリーダーの妹をモデルとしています)と、ボイスアクターも含めて完全に一致することが判明しました。動画が投稿された時点ではモデルとなったユリーカ氏は出生していませんでしたが、彼女の出生年に動画が投稿されていることは注目すべきファクターです。サトシの服装についても、このシーズンのデザインと一致することが分かっています。


    映像#116368-2(投稿日:2006-08-22/投稿時タイトル:「第38話 rev.Δ」):
    動画の前半部は、軽微な差異は見られますが概ねオリジナルのエピソードに準じていますが、コマーシャル映像を挟んだ後の後半部は本来の展開を明らかに逸脱しています。登場人物の一人「アキハバラ博士」が突如として鈍器を持ち出し、主人公たちが潜入しているサーバーコンピュータを片っ端から破壊し始めます。五分間の絶え間ない破壊活動の後、アキハバラ博士はポケットから拳銃を取り出し、自らの頭部を撃って自殺します。最終的に、本来登場するはずのピカチュウがおらず、ただモンスターボールが一つ転がっているスタッフロールが流れ、動画は終了します。アキハバラ博士の破壊活動に際して、サーバーコンピュータの爆発が画面の点滅によって表現されます。


    映像#116368-3(投稿日:2006-10-10/投稿時タイトル:「第38話 rev.♯」):
    タイトルの「♯」は「#(いげた)」ではなく、音楽記号の「シャープ」です。ストーリーの展開にオリジナルとの差異は見られませんが、すべてのキャラクターのボイスアクターが変更されています。変更後のボイスアクターについて調査を実施したところ、放送局及び制作会社がまったく異なる少女向けアニメのものに差し替えられていることが分かりました。キャラクターボイスは流暢で合成した形跡は見られず、管理局が目的を伏せて実施したブラインドテストでは、98%という明らかに異常な確率で「本人が演じている」との回答が得られました。ボイスアクターへのヒアリングでは、このエピソードへの出演は誰一人として認められませんでした。


    映像#116368-5(投稿日:2007-01-01/投稿時タイトル:「第38話 rev.X」):
    エピソードが全面的に差し替えられ、主人公一行はサーバーコンピュータ内に閉じ込められて約一年が経過しているという設定の元にストーリーが展開されます。サトシは「ポケモンマスター」なる、恐らくはゲームマスターや管理者的な存在について繰り返し言及し、自身がその立場を得ることでサーバーコンピュータからの脱出を目指します。このエピソードでは携帯獣が強大な力を持つ怪獣的存在として描かれ、しばしば主人公の近親者や同じく閉じ込められた人物の凄惨な死亡シーンが描かれます。主人公以外の登場人物は、第4シーズン(「ポケットモンスター アドバンスジェネレーション」)以降に登場するゲストキャラクターに酷似しています。


    映像#116368-21(投稿日:2007-03-08/投稿時タイトル:「第38話 rev.38」):
    映像はオリジナルのものと差異が見られませんが、主人公であるサトシのみ、すべての台詞が逆再生されています。映像を逆再生することで、サトシのみ台詞を正常に聞き取ることが可能です。逆再生された台詞はほぼすべてオリジナルに準じていましたが、一つだけ未知の台詞が含まれていました。台詞は「表現はいついかなる時も自由でなければならない」というものでした。この台詞が使われたエピソードは、これまでのところ確認できていません。


    映像#116368-39(投稿日:2007-06-17/投稿時タイトル:「第38話 rev.-1」):
    映像は前半部と後半部が二分割され、さらに「後半部後半→前半部前半→後半部前半→前半部後半」に順序が入れ替えられていました。登場人物はエピソードの順序が入れ替えられていることに戸惑い、終始具体的なアクションを起こせずに一方的にストーリーに翻弄されます。断絶したエピソードの合間合間にロシア語/キリル文字で書かれた過激なアジテーション的メッセージが60分の5秒間挿入されますが、この意図は不明です。視聴者はいずれもメッセージが挿入されたことに気付かず、静止画で確認しても意味を理解できませんでした。


    映像#116368-106(投稿日:2010-09-12/投稿時タイトル:「第38話 rev.65536」):
    明らかに管理局の局員と分かる人物(識別不能)が端末で映像を鑑賞しているという形で、オリジナルから左右反転及びネガポジ反転処理が施された映像が記録されています。セキュリティインシデントが発生した恐れがあるため、該当する拠点が一時閉鎖されました。この映像で流れた「左右反転及びネガポジ反転処理が施された映像」は現在までに発見されていません。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1227] #99711 「I’m Feeling Lucky」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/27(Fri) 19:49:33     61clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #99711

    Subject Name:
    I'm Feeling Lucky

    Registration Date:
    2001-08-07

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    該当するボタンが配置されているページを見つけたことをクローラーが連絡してきた場合、ページをサンプルとしてファイルに保存してから、サイトの管理者にページがウイルス感染している旨を伝えて削除を要請してください。三日以内に管理者が要請に従わない場合は、サーバの管理者へ同様の連絡を行いサイトを凍結させてください。いずれにせよ、ボタンが存在しているページへのアクセスを一刻も早く妨害する必要があります。

    ボタンを押したいという衝動を訴える者が現れた場合、速やかにGoogleのトップページを案内してください。Google Inc.と管理局の担当者による監視がなされているため、本ページに設置されたボタンは安全であることが保証されています。また、このボタンの押下は衝動の沈静化に大きく寄与し、ほとんどの場合1回の、それ以外の場合でも3回以内の押下で衝動が完全に消失することが確認されています。ボタンについての知識が十分にあれば、ボタンを視認しても速やかにページから離脱するか、またはウィンドウを閉じることでそれ以上の進行を食い止めることができることが分かっています。

    世界中のラッキーの生息数を観測する活動が行われています。ラッキーの増加そのものに対処する必要はありませんが、生息数は可能な限り正確に把握しておかなければなりません。ラッキーの生息数増加が通常と比べて異常なペースで確認された場合、クローラーに -detecthotspot オプションを付与して稼働させてください。このオプションはサーバ/クライアント共に非常に高い負荷が掛かるため、緊急を要する場合を除いては有効化しないでください。

    局で把握しているすべてのラッキーのコロニーは定期的に観察され、局員によって写真に収められます。写真は専用のサーバに保管され、対応に当たる局員が写真に不審な点、特にラッキーとは思われない生物が写り込んでいないかを確認します。不審な生物が確認された場合は局員が対象のラッキーを捕獲し、手順M-99711-1による検査を行ってください。検査の結果異常が認められた場合、手順M-99711-2による「回復」の上、最寄りの医療機関へ移送してください。


    Subject Details:
    案件#99711は、インターネット上の不特定多数のサイトに現れる「I'm Feeling Lucky」ボタンとそのボタンを押下したくなるという認識異常、及びボタンを押下することにより発生する症状からなる案件です。

    この事象はWebサイトに「I'm Feeling Lucky」とラベリングされたボタンが出現することにより開始されます。これまでのところ、ボタンが出現するサイトは何の法則にも則っていません。企業が開設したWebサイト、個人が開設したWebサイト、多数の人が利用する電子掲示板、SEO目的で作成された実態の無いスパムサイトなど、サイトの種類は問われません。出現方法もページに単純に埋め込まれるものから、投稿ボタンを装って配置されるものなどパターンは多彩です。多くの場合、元のWebページのレイアウトを極力破壊しない形で出現します。

    出現する「I'm Feeling Lucky」ボタンはごく単純なHTMLによって作成され、アクションは何も関連付けられていません。管理局が同様のHTMLを記述してページを作成しても、ボタンは何ら異常な特性を示しません。異常なボタンを挿入している母体を突き止めるための試みは現在も続けられています。

    本案件で扱う「I'm Feeling Lucky」ボタンについての知識が不足している場合、ボタンの存在を認識した者は「ボタンを押したい」という強い衝動に駆られます。対策の初期ではボタンを視認することがトリガになると考えられていましたが、視覚障害者がテキストブラウザを使用した際にも同様の認識がなされたため、視認するだけでなくボタンの存在を知ることが発動のための正確な条件であると考えられます。

    ボタンを押下した場合、画面上は何の変化も起きませんが、押下した人間には自分自身を携帯獣の「ラッキー」であると認識するという症状が起こります。明らかな種族的特徴や容貌の矛盾が発生するにもかかわらず、罹患者はその矛盾に気付くことができません。多くの場合、周囲に(実際の携帯獣及び同じ症状を呈している人間の双方の意味での)ラッキーが居ないことに強い孤独感を覚え、ラッキーが集まる場所を目指して徘徊を始めます。原理は不明ですが、多くの罹患者は自然とラッキーの集まるコロニーへと辿り着き、以後回復するか死亡するまでラッキーとして生活し続けます。観察の結果、周囲の「本物の」ラッキーは罹患者を同族とみなしていることが分かっています。

    過去の事例から、ラッキーとしての能力――身体能力や各種技能など――が覚醒したり、追加されたりするケースは一切見られません。自分自身をラッキーであると信じ込んでいることを除けば、罹患者は完全に正常な人間のままです。他者との会話も可能ですが、多くの場合共に認識異常を起こしているため、正常な会話は行えません。

    携帯獣としてのラッキーを知っている人間や携帯獣が罹患者と接触した場合、罹患者のことを同じく「ラッキー」であると認識するようになります。会話が可能なことや容姿の決定的な相違など無数の矛盾点があるにも関わらず、対象は罹患者をラッキーであると認識し決して疑いません。これはあくまで罹患者に対してのみ発生する現象で、後述する方法で回復された罹患者については、正常な人間であると認識できます。対象は罹患者がラッキーであった時のことを記憶していますが、記憶の内容は罹患者が通常の人間であったかのように置き換えられています。

    自分をラッキーであると認識している罹患者は、携帯獣としてのラッキーを知らない人間から「あなたは人間である」もしくは「あなたはラッキーではない」と口頭で指摘されることにより、瞬時に元の状態へ回復します。この時罹患者は一時的に混乱した様子を示し、しばし「自分はラッキーではない」と繰り返します。これは一時的なもので、長くとも2時間ほどで自然に治まります。以後は「I'm Feeling Lucky」ボタンを押下しない限り、症状は再発しません。

    症状からの回復のためには、ラッキーについての知識が無い人員が必須です。昨今のポケモンセンターや介護施設におけるラッキーの雇用増加は、ラッキーがこれまでより多くの人に認知されやすい土壌を形成する大きな一因となっており、人員の確保が困難になりつつあります。案件管理局では、ラッキーが生息していない地域から本案件に対応するための人員を確保するルートを積極的に形成することを奨励しています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1226] #93326 「そらをとぶピカチュウ」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/26(Thu) 21:00:43     64clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #93326

    Subject Name:
    そらをとぶピカチュウ

    Registration Date:
    1999-07-30

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    原因不明のピカチュウの消失についてポケモンセンター及び金融機関から申し出があった場合、報告元のサービスエンジニアまたはシステム担当者にインシデントが発生したサーバの情報を調査させてください。攻撃を受けたサーバはセキュリティ監査を実施し、必要に応じてハードウェアをリプレースします。通常のシステムでピカチュウが預けられた場合、可能な限り高いセキュリティ対策が施されたサーバへ自動転送される設定を組み込むようポケモンセンターへ通達しています。現在全世界のおよそ96%のポケモンセンターで設定が有効化され、本案件の未然防止に高い効果を上げています。金融機関からの申し出は、2012-10-18時点の直近10年間で1件もありません。

    案件に伴って出現したピカチュウは可能であれば捕獲し、通常のフィジカルチェックリストに沿って異常が無いかを精査してください。過去の捕獲事例より、多くの場合ピカチュウそのものにも何らかの異常性が認められます。捕獲及び精査の際は、対レベル2バイオハザード用スーツを着用することが義務付けられています。予期せぬネットワークへの接続が行われないようにするため、捕獲を実施する拠点では不要な無線ネットワークを稼働させないことを強く推奨します。これまでのところ有線接続によるネットワークへの参加は確認されていませんが、有線接続が可能な改変が施されたピカチュウの出現も可能性としては否定できません。

    調査・保全の過程で捕獲されたピカチュウは、異常性が無く正常と認められれば本来のトレーナーの元へ送り返します。その際は、ピカチュウを識別するための生体情報を確保し、専用のデータベースサーバに暗号化して保管してください。研究チームは取得した生体情報のうちトレーナーの個人情報に該当する部分を除いた全情報にアクセス可能ですが、アクセスの際には必ず監査証跡が記録されます。

    捕獲の際に取得した風船及び各種広告は、第三低異常性取得物保管庫のブロック8-Eにある引き出しへ他の取得物と区別して収容してください。


    Subject Details:
    案件#93326は、次の3件から成る一連の事象に掛かる案件です。

     1: 不定期に試みられる「ポケモン預かりシステム」及び「ポケモンバンクシステム」への不正アクセス
     2: 1に伴う携帯獣「ピカチュウ」の消失
     3: 2で消失したピカチュウの異常な形での再出現

    本案件への対応比重は、3のピカチュウの再出現に大きくリソースが割り当てられています。

    1998年下半期頃より、一般利用者向けの携帯獣管理システムである「ポケモン預かりシステム」及び、富裕層向けの携帯獣関連資産管理システムである「ポケモンバンクシステム」の双方に対して、断続的に不正なアクセスが試みられるようになりました。過去に「ポケモン預かりシステム」で計118体、「ポケモンバンクシステム」で計7体のピカチュウが消失しています。これに関しては管理局でも再現可能な通常のクラッキング手法が使われており、不正アクセスそのものは十分なセキュリティ対策を施すことでほぼ防ぐことが可能です。2000年代前半に各金融機関の相互協力により「ポケモンバンクシステム」が刷新され、それに伴うセキュリティの大幅な強化により外部からのアクセスが事実上不可能になったことで、攻撃者の標的は「ポケモン預かりシステム」に絞られていると見られています。

    消失したピカチュウは、これまでの観測で3日から7ヶ月のランダムな期間が経過した後に再出現します。今までに現れたピカチュウの特徴は様々ですが、大まかな部分である程度類似した特徴を持ちます。

    ほとんどの場合、ピカチュウは人目に付きやすい都市部、それも人口の集中しやすい大都市部に出現します。その際は様々な色の大量の風船が体に括り付けられ、あたかもアドバルーンや飛行船のように空を飛行している状態で現れます。出現後は、その都度著しく内容が変わるアジテーション的またはプロパガンダ的広告を様々な方法で宣伝しようとします。

    以下は過去に出現したピカチュウの一部抜粋です:


    1999-09-01 カントー地方セキチクシティに出現:
    風船を括り付けられたピカチュウが市の北部にあるサファリゾーンの入り口付近に出現し、空中から後述するメッセージが記載されたビラを大量にバラ撒いていました。ピカチュウはビラを配り終えると未知の方法で風船を括り付けたまま着地し、その後激しい閃光を10秒間放ちました。捕獲されたピカチュウは極度の緊張状態にあり、保護から4時間後に死亡が確認されました。本来のトレーナーには亡くなった状態で見つかったと報告しています。

    配布されたビラに書かれていたメッセージは下記の通りです。

    「休暇という服役は今終わった
     学校という娑婆へ出ていこう」

    その場に残されたビラ及び風船からは、特段の異常性は検知されませんでした。


    1999-10-24 ジョウト地方コガネシティに出現:
    コガネデパートの屋上にて、風船を括り付けられたピカチュウの姿が観測されました。ピカチュウは後述する垂れ幕を提げ、アドバルーンのように周囲を遊覧していました。出現から3時間後に突如としてすべての風船が破裂し、ピカチュウは無防備なまま地面に叩き付けられました。本来であれば即死は免れない高度からの落下でしたが、ピカチュウは地面に躓いて転んだ時のようなごく軽いかすり傷を負ったのみで、命に別状はありませんでした。管理局が確保した後の各種検査でも異常が見つからなかったため、ポケモンセンターに照会の上本来のトレーナーの元へ送還しました。以降、当該ピカチュウとトレーナーについて何ら異常は報告されておらず、現在もジョウト地方ヒワダタウンにて健在です。

    ピカチュウが提げていた垂れ幕に書かれていた内容は以下の通りです。

    「売り場に並ぶ肉を選ぶように
     あなたのパートナーを選ぼう」

    ピカチュウを保護した際、この垂れ幕は消失しており回収できませんでした。


    2000-03-16 カントー地方シオンタウンに出現:
    当時建設中だったラジオ塔近辺に突然出現し、周囲を旋回するように飛行しているところを発見されました。上空から写真が入ったビラを大量に配布し、ラジオ塔の建設に従事していた作業員が一時避難する騒ぎになりました。ビラを配り終えた後、ピカチュウは少しずつ風船を破裂させながら徐々に降下、最終的にラジオ塔入口付近に着地しました。その時点で既に現場監督からの通報を受けて管理局の局員が3名駆けつけており、着地したピカチュウの回収に当たりましたが、ピカチュウは既に死亡していました。

    配布していたビラには、死亡したポケモンの遺影をバックに以下の文言が印字されていました。

    「大切な思い出はプライスレス
     球コロ程の価値もありません」

    トレーナーIDは読み取りに失敗したため、本来のトレーナーは不明です。ピカチュウの検死を行ったところ、死因は器官に水を詰まらせたことによる溺死とほぼ特定されましたが、同時に脱水症状を起こしていたことも判明しました。加えて、切開した胃から通常の3倍近いエネルギーを持つ雷の石が摘出されています。この雷の石は研究のため、別の拠点にて保管されています。


    2002-05-05 シンオウ地方ミオシティに出現:
    市の北部に位置する図書館の上空で出現が確認されました。拡声器を用いて市の全域に大音量で後述するメッセージを流すという形でアピールが行われています。出現から2時間30分後に風船が未知の原理で高度を上げ、そのまま北東へ飛び去っていこうとしたところを管理局の局員が捕獲しました。捕獲されたピカチュウは外見こそ正常で目立った傷はありませんでしたが、脳を含むすべての内蔵が取り出され、代わりに綿が詰め込まれていました。体組織からIDが割り出され本来のトレーナーが特定されましたが、トレーナーは現在に至るまで行方不明のままです。

    ピカチュウが放送していたメッセージの抜粋は下記の通りです。

    「(前略)……伝承という名のプロパガンダを打倒し……伝統という名のバ(雑音・不明瞭)を撃滅し……神話という名のデマゴーグを粉砕しよう……私たちは新しい時代に生きている……(中略)」

    ほぼ同一のメッセージが、本件以前の出現でも確認されています。


    これら一連の出来事には、人間と携帯獣の相互不可侵と分離独立を強く主張する先鋭的なNGO団体「ピース・フォー・ピース(Piece for Peace)」が関与している可能性があります。同団体は2000年上半期に携帯獣の惨殺死体を使用した過激なアート的アピールを繰り返したことにより、各方面から多くの批難を集めました。案件管理局においても、これまでに起票された案件の一部で同団体が異常特性を持つオブジェクトや生命体を生産した疑いが払拭できておらず、そのため要注意団体として管理対象になっています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1225] #120602 「拡張される地図と現実」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/25(Wed) 21:03:56     61clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #120602

    Subject Name:
    拡張される地図と現実

    Registration Date:
    2008-03-21

    Precaution Level:
    Level 5


    Handling Instructions:
    可能な限り繰り返し、クレッフィを電子機器に近付けてはならないというメッセージを広く拡散してください。当該Webサービスの利用を停止させるためのGoogle Inc.との協議が現在も続けられていますが、それとは別にこれ以上の被害が出るのを防ぐための活動も併せて行われなければなりません。局員が本案件に掛かる事項を記載しているサイトを発見した場合、直ちに当該サイトの管理者へ記事の削除を申し入れてください。記事の削除に際しては、クレッフィの身体に重大な悪影響をもたらすというカバーストーリーが使用できます。

    実験、あるいは偶発的に本案件によって生成された写真を目撃した局員は、当該写真が指し示す地域に立ち入ることを制限されます。現時点で写真を視認する前の状態へロールバックするための方法は確立されていません。通常の道とそうでない道を判別することは極めて困難です。多くの「拡張」された道は周囲の風景に対して矛盾の無い形で出現し、視認しただけでは異常性を見いだすことができません。2005-02-07以前に作成された紙媒体の地図との比較は道が正常なものか異常なものかを判断するためのもっとも安全で確実な手法となります。これまでのところ、紙媒体の地図への「拡張」は確認されていません。

    写真に曝露したことで「拡張」された道を認識可能になった局員のみで構成されたチームで、一般的な手順に基づいて進入路を封鎖してください。進入を試みた一般市民は警告の上速やかに退去させ、指示に従わない場合は非致死性の武器を用いて制圧・拘留することが認められています。現在確認済みの拡張された道はいずれも封鎖されていますが、定期的に封鎖が意図せず解除されていないかを確認しなければなりません。過去に延べ24回、理由が不明な封鎖の解除が確認されています。


    Subject Details:
    案件#120602は、ある特定の条件を満たした状態で、Google Inc.の提供するWebサービス「Google Maps(グーグル マップ)」を利用した際に発生する事象と、それに付随する一連の案件です。現在のところ、条件を満たさない状態での事象の発生は観測されていません。

    条件は三つです。

     1: 近く(およそ3m以内)に携帯獣の「クレッフィ」がいる
     2: クレッフィがいる状態でGoogle Mapsが持つ機能の一つである「Google ストリートビュー」を利用する
     3: 特定の地域の写真を視認する。視認しない限り、条件は満たされない

    以上の条件を満たすと、該当する地域に本来存在しないはずの未知の道路が出現していることが確認できます。2014-07-28時点で確認している限り318箇所で地図が「拡張」されていますが、Google Inc.が保有するデータ量の膨大さのため、実際にどれだけの箇所で地図が「拡張」されるのかは判明していません。

    クレッフィを側に置いてGoogle ストリートビューを使用した際に「拡張」されて出現する特異な道は、Google ストリートビューの持つ機能によって通常通り経路を辿ることができます。拡張された道は入り口を除いて通常の領域とは交差せず、地理的に見て明らかに矛盾した結果を示します。通常の道を辿った場合行き止まりになると想定される箇所であっても、拡張された道はさらに先へ進むことが可能です。拡張された道を参照している間、クライアントとGoogleのサーバ間では通常想定される程度の非同期通信が行われていますが、その間Googleがクライアントに返しているパケットは、一貫して正常な道を撮影した写真のみです。

    一度でも拡張された地図を視認した場合、その後にクレッフィを遠ざけたり、セッションを初めからやり直したりしても、一貫して拡張された地図が表示されます。この効果は現在のところ永続的です。さらに、拡張された地図に基づくGoogle ストリートビューの画像が表示された状態で別の人間や携帯獣がそれを視認した場合も、同様の効果を発揮します。

    拡張された地図を認識した状態で、地図に現れた未知の道路が存在する地点を訪れると、「拡張された道」が実際にあることが分かります。拡張された道は通常の道と同様に進入でき、ある程度の距離(およそ200m以内)までであれば、正常な道へ帰還することもできます。拡張された道に進入しただけでは特段の身体的または精神的異常は発生しません。拡張された道を認識している(拡張された道を見ている・拡張された道へ進入している/進入しようとしている・拡張された道から戻ってきた)状態はその光景を目撃した他者の認識にも影響を及ぼし、以後目撃者も拡張された地図を認識した状態になります。上記の特徴と併せ、拡張された地図/拡張された道は自らの存在を非常に強い力で他者に伝播させる能力を持ちます。

    Google ストリートビューを使用する限りにおいては、拡張された道を安全に探索することが可能です。探索の結果、数々の未知の施設や建物、あるいは異常性があると思われる種々のオブジェクトが発見されています。以下はその抜粋です。


    カントー地方ハナダシティ南西部・17番異常道路:
    想定では雑木林が存在するはずの箇所が拡張され、舗装された道が存在しています。拡張された道を600mほど進むと、色あせた赤いホーロー看板が取り付けられた古い小屋を発見できます。劣化の度合いから見て、ホーロー看板は取り付けられて少なく見積もっても二十年以上が経過していると推定されますが、記載された電話番号は一般的な固定電話の番号ではなく、「050」から始まるIP電話用の番号になっています。このホーロー看板及び電話番号は、その異常性から別案件として扱われることが決定されました。

    カントー地方ニビシティ北西部・23番異常道路:
    路地裏から拡張された道を500mほど進み、交差点を右に曲がってさらに400mほど進むと、「有限会社未来志向研究所」というプレートの付いた中規模の研究施設が見つかります。この間、Google ストリートビューの写真には通常想定される程度の一般的な乗用車が写り込んでいますが、その大部分が既知の車種と一致しません。「有限会社未来志向研究所」という名称の企業は、これまでのところ実在が確認できていません。

    カントー地方アーシア島アーシア村中央部・52番異常道路:
    村の中央部に存在する食料品店の駐車場から、拡張された道が伸びています。Google ストリートビューによる探索では、進入からおよそ1,700mの地点で高層ビル群が立ち並ぶオフィス街へ到着します。オフィス街のビルにはいずれも明かりが灯っていますが、人影はまったく見当たりません。一部のビルは窓からオフィス内部の様子を観察できますが、確認されたすべてのオフィスで、個人用端末としてファミリーコンピュータ ディスクシステムを接続したCommodore 64が使用されていました。ハードウェアが実際に稼働しているビルもいくつか見受けられます。

    ホウエン地方トウカシティ北部・179番異常道路:
    拡張された道を2,000mほど進むと、トウカシティに極めて類似した未知の都市に到着します。未知の都市の構造はトウカシティとほぼ同様で、トウカシティジムと同様のジムも確認できます。地名に該当する箇所にはすべてモザイク処理が施されており、具体的な地名は不明です。市内の中央に位置するコンビニエンスストアの前で、胸部を鋭利な刃物で刺されて死亡しているポケモントレーナーが発見されました。ポケモントレーナーの特徴から、死亡しているのは2007年6月にシンオウ地方で消息を絶ったトレーナー「オオシマ ヨウジ(トレーナーID:22397/登録:カロス地方ミアレシティ/登録年:2006年)」氏と断定されました。遺体は腐敗の兆候を見せておらず、写真はトレーナーの死亡直後に撮影されたように見えます。

    この拡張された道を発見したのはオオシマ氏の母親に当たる人物で、Google Inc.に対して自身の子供が死亡している写真を掲載したと抗議の連絡が行われたことで、Google Inc.及び案件管理局が状況を知ることになったという経緯があります。Google Inc.の幹部と管理局局長がオオシマ氏の母親と接触し、例外的に本案件について当局が把握しているすべての情報を開示しました。その上で、拡張された道への進入を思いとどまるよう再三に渡り説得を試みましたが、最終的に母親は当局の申し出を拒絶しました。母親は数名の支援者とともに拡張された道へ進入し、オオシマ氏の遺体の回収に乗り出しました。その後、オオシマ氏の母親及び支援者の行方は分かっていません。写真はGoogle Inc.が管理するその他の異常性の無いGoogle ストリートビュー用写真とともに2014年に更新されましたが、遺体は依然として死亡直後の状態のまま何の変化も見せていません。オオシマ氏の母親や支援者の姿は見つかりませんでした。


    Google ストリートビューを使用しない拡張された道の探索は非常に危険です。これまでにのべ6名の局員が実地調査を行いましたが、いずれも未帰還のまま数年が経過しています。Google ストリートビューによって観測された未知の施設やオブジェクトへの物理的なアクセスはすべて失敗に終わっています。加えて、これまで各地域で届出がなされた原因不明の失踪事件について、本案件によるものと推定されるものが最低でも249件あると考えられています。

    本案件は伝播力が非常に強く、また完全な回復方法が確立されていないことから、警戒レベルは通常案件における最大の「5」が設定されました。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1224] #141018 「ワタッコカメラ No.7」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/24(Tue) 23:07:04     76clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #141018

    Subject Name:
    ワタッコカメラ No.7

    Registration Date:
    2014-08-28

    Precaution Level:
    Level 2


    Handling Instructions:
    日々送付されてくる写真にユニークなファイル名を付け、異常性を持つ画像ファイルを格納するための専用ファイルサーバに保管してください。写真の一般への公開は、既に「カメラが故障した」というカバーストーリーに基づいて停止されています。問い合わせがあった場合は、カバーストーリーに沿ってカメラが故障していると繰り返し伝えてください。異常性のある写真について言及することは許可されません。

    写真は管理局のチームによって解析され、合成などの編集を経て作成されたものではないことを確認します。これまでのところ写真はすべて未加工であり、またカメラや衛星に画像の編集・処理機能は搭載されていない裏付けが取れています。写真について何らかの発見があった場合、様式F-141018に基づいて申し出てください。写真が未知の情報災害をもたらす恐れがあるため、閲覧には汎用的な情報災害防止機構を備えた専用のタブレット端末を使用することになっています。

    本案件で扱う「カメラを装備したワタッコ」を発見した場合は、速やかに確保してください。単独での確保が難しい場合、直ちに管理局の保安チームへ応援を要請してください。


    Subject Details:
    案件#141018は、GPS機能付きカメラを搭載した一体のワタッコが日々送信してくる異常な写真とそれに付随する一連の案件です。異常な写真を送信してくるワタッコは1体のみで、それ以外のワタッコは何ら異常性の無い写真のみを撮影・送信し続けているため、本案件では取り扱いません。

    この案件は、2014-06-10にジョウト地方コガネシティで行われた「ワタッコの世界一周カメラ」という企画に端を発します。同企画はGPS機能付きの小型カメラを計10体のワタッコに装備させ、そのワタッコが風に乗って世界を一周する様を毎日14:00に自動的に撮影・送信されてくる写真によって追跡しようという目的で計画されました。2014-06-10にワタッコが飛び立って以降、現在もすべてのワタッコが日々写真を送信し続けています。写真は企画事務局が問題ないかをチェックした上で、公式ウェブサイトに日々掲載されることになっています。

    10体のワタッコのうち9体(カメラ番号1〜6番及び8〜10番)は、GPSの座標や写真の撮影時刻から勘案して一切の異常性と矛盾の無い正常な写真を送信していますが、残る1体(カメラ番号7番)はそれに当てはまりません。2014-08-23を境に正常な写真の送信が停止し、他の情報と矛盾する異常な写真を送信してくるようになりました。企画事務局は初期段階でカメラの故障を疑い、遠隔操作によるカメラの再起動を数度実施しましたが、異常な写真の送信が止まることはありませんでした。事態を重く見た事務局は内部で協議を行い、本案件を案件管理局へ持ち込むことを決定しました。

    以下は、2014-08-23以降にカメラ番号7番のワタッコ送信された異常な写真の抜粋です:


    2014-08-23 14:00:00に撮影された写真:
    ワタッコが送信してきた異常な写真の中でももっとも初期の写真になります。激しい爆撃を受けたように見受けられる、崩壊した都市が撮影された写真です。地理学的特徴からカントー地方タマムシシティの可能性が示唆されていますが、写真が撮影された際ワタッコはタマムシシティから少なくとも3,000km以上離れた地点を飛んでいたことが、GPS座標のログから明らかになっています。写真から確認できる限り、生きている人間はいないように思われます。暗雲の向こうに数体の影が確認されましたが、具体的な正体は不明です。搭載したカメラの故障が疑われ、企画局内部で公式サイトへの掲載の中止と速やかなカメラの再起動が決定されました。

    2014-08-24 14:00:00に撮影された写真:
    前日の夜間にカメラが再起動され、その後に撮影された写真です。三角形の窓が大量に取り付けられた六階建ての校舎がある恐らく小学校と推定される場所で、六本の腕を持つカイリキーと思われる存在と、五つの首を持つドードリオと思われる存在(うち一つには頭部が存在しません。一つには嘴が二つ存在します)が、目と鼻の無い数十名の子供(背丈はいずれも小学校低学年程度ですが、一名だけ3m近い身長を持つ個体が存在します)のような存在に取り囲まれています。カイリキーとドードリオは子供たちと親しげに遊んでいるように見えます。この時のワタッコのGPS座標は、カロス地方近辺の海上を指していました。写真はワタッコが通常空を飛ぶ高度からは考えられないほど近距離で撮影されています。事務局内部で案件管理局への持ち込みが提起されましたが、最終的にもう一度カメラの再起動が試みられることになりました。

    2014-08-25 14:00:00に撮影された写真:
    二度目の再起動後に撮影された写真です。確認できるだけで759体のモンジャラ(写真はそれ以上の数のモンジャラが存在していることを示唆しています)が、正確な場所は不明ですが都市に集結し、一つの建物に向かって押し寄せている様が撮影されています。都市や建物に荒廃した様子などは特に見られません。僅かに見える空は紅く染まっており、黒い太陽がくっきりと写真に写り込んでいます。太陽は通常の20倍程度大きく、また撮影時刻から見て著しく矛盾した位置に存在します。企画事務局にて、本件の案件管理局への持ち込みが全会一致で決定されました。

    2014-08-27 14:00:00に撮影された写真:
    案件管理局へこれまで撮影された写真と企画に関する資料一式が持ち込まれてから初めて撮影された写真です。視認できる限り終わりのない雪原に、十五体のナッシーが立っています。ナッシーは寒冷地帯では長く活動することのできない携帯獣として知られていますが、撮影された写真からはナッシーが衰弱している様子は見受けられません。これまでの写真と比較すれば異常性は低いものと考えられますが、ワタッコのGPS座標は雪原地帯とは明らかに異なる地域を指し示しており、矛盾した写真であることに変わりはありません。

    2014-08-30 14:00:00に撮影された写真:
    昼間に撮影されたにも関わらず、写真は非常に暗い闇の光景を映し出しています。一人の十代後半と思しき少女と、少女に付き従っているように見える四体の携帯獣の姿が見えます。携帯獣はタブンネ・コータス・エアームド・ラグラージと酷似したフォルムを持ちますが、いずれも確認されたことのない異常な体色です。タブンネは明るいエメラルドグリーン、コータスは暗い紫色、エアームドはファイアローに酷似した配色、ラグラージは本来の体色をグレースケールにしたものです。少女はこちらに対して背を向けており、具体的な特徴は不明です。

    2014-09-04 14:00:00に撮影された写真:
    写真は特段の異常性のないキキョウシティの風景を撮影しているように見えますが、マダツボミの塔が本来の高さの半分程度の高さしかありません。同日までにマダツボミの塔が改修されたという記録は存在しません。

    2014-09-09 14:00:00に撮影された写真:
    カントー地方トキワシティ北部にある「トキワの森」と推定される風景を撮影した写真です。写真には数体のピカチュウと思しき存在が写し出されていますが、同時に撮影された木々と比較して約四倍の背丈を持っています(およそ60mほどと推定されます)。ピカチュウは未知の電子機器を頭部に装備し、スタンロッドのような武器を手にしています。周囲に人間やその他の携帯獣の存在は確認できません。

    2014-09-11 14:00:00に撮影された写真:
    写真の撮影された時刻は14:00にも関わらず、周囲は2014-08-30の写真のように夜の闇に包まれています。高層ビルの屋上にて「Help us」と書かれたダンボールを掲げた二人の成人男性と思しき存在が写し出されています。男性の周囲をベトベターもしくはベトベトンに酷似した多数の謎の存在が包囲しており、脱出可能な経路はありません。謎の存在は外見こそベトベターもしくはベトベトンのそれと類似していますが、それぞれのフォルムは以下に示す携帯獣のものに類似しています:モンメン・リザード・ムウマージ・アズマオウ・スバメ・エレザード・ピジョンまたはピジョット(判別困難)・識別不能(計12体)。


    2014-10-10に、異常な写真を送信し続けていたワタッコが発見され、事務局員三名の手によって成功裡に保護されました。ワタッコは企画事務局によって精密検査を含む完全な検査を受けましたが、異常な点は何ら検知されませんでした。その後ワタッコは案件管理局へ引き渡され、異常性が無いかをあらゆる角度から検証されましたが、管理局でも異常性を見出すことはできないという結論に達しました。

    その後新たな機材が与えられ、ワタッコは再度世界一周の旅に出ました。しかしながら、使用する機材を完全に入れ替えたにもかかわらず、異常な写真の送信は依然として続いています。また、2014-10-10以前に異常な写真を送信していた機材を使用して管理局の局員が写真の撮影を行う実験も行われましたが、これまでのところ異常な写真の撮影には成功していません。

    ワタッコが撮影する写真にいかなる意味があるのか、加えて写真に登場する人物や携帯獣がいかなる存在なのかという点に付いての統一的な見解は未だ出されていません。ワタッコにも機材にも異常が無かったことが確認され、かつ機材が入れ替えられたにも関わらず、今なお異常な写真が撮影され続ける理由も不明です。その他のワタッコが送信する写真に一切の異常性が見られないことも、本案件について説明が付かない一因となっています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1223] #118174 「ウバメの森のジャンクション」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/23(Mon) 20:25:10     65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    Subject ID:
    #118174

    Subject Name:
    ウバメの森のジャンクション

    Registration Date:
    2007-06-14

    Precaution Level:
    Level 3(2013-05-20以前)→Level 0(2013-05-20以降)


    Handling Instructions:
    ジョウト地方南西部の「ウバメの森」に繋がる2箇所のゲート(コガネシティ側・ヒワダタウン側双方)で、無線通信が可能な電子機器の電源を切るよう通行者に伝えてください。必要に応じて、ウバメの森では電波に悪影響を受ける希少なポケモンが保護されているというカバーストーリーが利用できます。無線通信が行わなければ本案件は露見し得ないため、それ以上の対策は必要ありません。

    本案件による異常現象が確認された初期に一部の匿名掲示板やblogへ投稿された内容は、秘匿する必要がある情報を含んでいます。事象の確認後に「噂を再検証した」という名目で虚構記事の作成や掲示板への投稿を繰り返し行ったことで、ほぼすべての情報が確度の低いゴシップに過ぎないと見なされています。現在も新たな情報が投稿されないか監視を続けていますが、既に数年に渡って本案件への言及は無く、噂は沈静化したものと推測されます。

    複数回の実験から得られた結果から、ウバメの森内部からアクセスできるサイトは実際に当時のサイトへ接続されているものとほぼ断定されています。過度の介入は予期せぬ結果をもたらす可能性がありますので、実験を行う場合は少なくとも3名以上の高レベル責任者から承認を得る必要があります。その際、様式F-118174に沿った完全な実験計画を提出しなければなりません。

    [2013-05-20 Update]
    上記の取扱方は廃止されました。現在は過去に制定された手順を適切に実行しても、異常なサイト群へアクセスすることはもはやできなくなっています。案件#118174は既に無力化されており、これ以上の保全は必要ありません。


    Subject Details:
    案件#118174は、ウバメの森の内部で所定の手順を踏むことにより接続することができる、異常な性質を持つインターネットサイト群です。それらは合計で7件のサイトと252のページで構成され、1の動的なコンテンツを含みます。

    以下に示す手順を実行することにより、案件#118174を構成する特異なサイト群、及び本案件の中で特に注目すべきサイトである「特異点#118174」にアクセスすることができます:


    手順01:ネットワーク接続の確立
    ウバメの森の内部で、端末の無線通信を有効にします。この時、端末にはIEEE 802.11bまたは11gのいずれかの方式に対応した無線LANモジュールが組み込まれていなければなりません。手順が成功すると、名称が識別できない不明なアクセスポイントに接続されます。

    手順02:ポータルサイトへのアクセス
    Microsoft社のWebブラウザ「Internet Explorer」を使用し、ポータルサイト「goo」(www.goo.ne.jp)にアクセスしてください。WebブラウザとしてInternet Explorer以外(Mozilla Firefox等)を使用した場合、この後の手順で継続が不可能になるポイントがあります。また、「goo」以外のサイトにアクセスを試みた場合、瞬時にネットワーク接続が切断されます。この場合、手順01から改めて再実行する必要があります。

    手順03:キーワードの入力と中継サイト1への接続
    ポータルサイト「goo」が完全に読み込まれたのを確認してから、中央にある検索ボックスに「masatoのポケモン道場」と入力し、検索を実行してください。成功すると、キーワードと同名のサイトが検索結果のトップに表示されますので、通常通りアクセスしてください。この時、先述した以外のキーワードで検索を試みた場合、手順02の失敗時と同様に接続が終了します。手順01からやり直さなければならないのも同様です。

    手順04:中継サイト2から中継サイト6への接続
    手順03により「masatoのポケモン道場」への接続に成功した場合は、当該サイトのリンク集(「リンク集」と書かれたバナー画像が目印になります)へアクセスし、上から数えて14番目に存在するサイト「ゲームっ子の広場」にアクセスしてください。

    以下同様の手順で、次のようにサイトへのアクセスを繰り返してください:
    「ゲームっ子の広場」
    →「キツネスペース」(前ページのテキストアンカー「Link」から移動できるページにある上から数えて8番目のサイト)
    →「ダークエージェント」(前ページの画像アンカー「同盟サイト」から移動できるページにある上から数えて15番目のサイト)
    →「星屑の砂漠」(前ページの画像アンカー「Perfect Links」から移動できるページにある上から数えて2番目のサイト)
    →「スマブラ大辞典」(前ページのテキストアンカー「リンク集」から移動できるページにある上から数えて6番目のサイト)。

    手順05:特異点#118174への接続
    手順04で「スマブラ大辞典」まで到達した後、同ページ内の中段にあるテキストアンカー「チャット2(雑談・交流)」を選択してチャットページへ移動することで、特異点#118174への移動は完了します。この時WebブラウザとしてInternet Explorerを使用していない場合、「サポート外のブラウザです」というエラーページに遷移し、特異点#118174へは移動できません。


    手順02以降に接続可能なポータルサイト及び中継サイト1〜6から得られた情報から、これらのサイトはすべて「2001-04-15」時点のサイトに忠実であることが分かりました。ブラウザ上で実行できるスクリプトレットから取得された情報は、これらのサイトがオリジナルサイトの2001-04-15時点におけるデジタルコピーではなく、「実際の2001-04-15時点でのサイト」であることを裏付けるものでした。

    接続可能なサイトは極端に限られており、ポータルサイトはトップページ及び所定のキーワードによる検索結果以外の全ページが接続不能です。中継サイト1〜6は同一ディレクトリ内のページであれば完全な形で閲覧が可能ですが、中継サイト以外の外部サイトへのアクセスは例外なく失敗します。どちらのケースでもその時点でアクセスポイントとの通信が途絶し、手順を初めからやり直さなければなりません。

    最初に接続することになるポータルサイトに設置されたJavaScriptによるリアルタイム時計は、常に19:57:02からカウントが開始されます。これはいかなる時刻に実験を行っても常に一貫しています。

    以上から、何らかの特異な事象により、所定の手続きを経ることで2001-04-15 19:57:02におけるそれらのサイトを部分的に閲覧できているというのが、本案件に対する管理局の見解です。


    特異点#118174:
    特異点#118174は、特異なサイト群を調査する過程で唯一接続に成功した動的コンテンツであるオンラインチャットです。特異点#118174以外の動的なコンテンツ――電子掲示板・オンラインチャット・その他サーバサイドのプログラムで動作するすべての動的コンテンツ――へのアクセスは、あらゆるケースで即時の接続終了を招きます。例外的に特異点#118174のみが、オンラインチャットとしてのすべての機能が利用できます。

    接続先時間で20:32:17を迎えると、特異点#118174に「綺羅々★」というハンドルネームの利用者が入室してきます。こちらから一切アクションを起こさなかった場合、利用者「綺羅々★」は21:17:39までチャットに残り、その後「母親に呼ばれた」旨のメッセージを残して退出します。20:32:17から21:17:39までの間、「綺羅々★」以外の利用者は入室してきません。これは接続を試みたすべてのサイクルで一貫して繰り返されます。

    本案件において特異点#118174のみが例外的に接続可能な理由は判明していません。特異点#118174自体には何の異常性も無く、通常想定されるオンラインチャット以上の機能や性質は一切持ちません。


    [2007-08-12 Update]
    局員による特異点#118174における利用者「綺羅々★」へのコミュニケーション実験が提案されました。局員からコンタクトを取ることで、本案件に対する新たな情報を得ることを目的としています。実験の開始が承認されました。


    [2008-04-27 Update]
    これまでに利用者「綺羅々★」へのコミュニケーション実験が計63回行われましたが、成果ははかばかしくありません。利用者「綺羅々★」は局員を不審な人物、当該コミュニティの言葉で表現するならば「荒らし」と認識しており、適切なコミュニケーションが取れない状況が続いています。実験の一時中断が提案され、案件は現状保全フェーズへ移行させることが決定されました。


    [2012-11-04 Update]
    局員の一人(以下局員Aと表記)が本資料を閲覧し、利用者「綺羅々★」へのコミュニケーション実験を再開したいと申し出てきました。申し出によれば、局員Aはかつてこのサイトで「綺羅々★」と交流していたという背景があり、「綺羅々★」とのコミュニケーションを円滑に行える自信があるとのことです。本案件の性質をより正確に理解するための情報を得ることが期待できるため、実験の再開が承認されました。


    [2012-12-15 Update]
    局員Aによる実験計画が提出されました。実験計画は承認されました。実験は2012-12-20に実施される予定です。


    [2012-12-22 Update]
    2010-12-20に特異点#118174で行われた第64回目の実験セッションにて、局員Aによって事前の計画を大幅に逸脱した会話が行われました(事案118174-1)。事案118174-1によって生じた現在の時間軸に至るまでの最終的な影響の度合いは未だ明確になっていません。事案118174-1を受け、管理局では特異点#118174を含む案件#118174に関するあらゆる実験を無期限に禁止することを決定しました。局員Aは直ちに権限を剥奪され、懲戒解雇処分を受けました。


    [2013-04-13 Update]
    別案件に関する資料を整理していた局員が、2001-05-19に発生したバスの転落事故を報じた新聞記事について、2012-10-02時点に許可を得て取得した記事のコピーと記述が相違していることを報告しました(事案136577-1)。当該事故は修学旅行中の中学生を乗せたバスが崖から転落したというもので、当時多くのマスメディアで取り上げられています。

    局員が取得したコピーでは12名の死者が出ていると報じられていましたが、元の新聞記事は11名の死者が出たことを伝えています。死者はいずれもすべて修学旅行中の生徒です。


    [2013-04-25 Update]
    事案136577-1における死者数の相違について、事案118174-1との関連性が提起されました。調査のための準備が進められています。


    [2013-05-08 Update]
    事案136577-1に関する調査の過程で特異点#118174への特例アクセスが試みられましたが、手順01における不明なアクセスポイントへの接続が確立できず、アクセスは失敗に終わりました。その後数十回に渡って接続の確立が試みられましたが、すべての試行で失敗に終わっています。

    調査委員会は、2012-12-21から2013-05-08の間のいずれかのタイミングで案件#117184がその性質を変化させ、結果として事実上無力化されたという仮説を提起しました。関係する局員は、大半がこの仮説を支持しています。


    Supplementary Items:
    本案件に付帯するアイテムはありません。


      [No.1222] Subject Notes. 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/03/23(Mon) 20:20:55     77clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

    前スレッド:http://masapoke.sakura.ne.jp/lesson2/wforum.cgi?no=3632&mode=allread

    元のスレッドが長くなってきましたので、こちらで継続することにしました。
    引き続きお楽しみいただければと思います。


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