「っは〜、やっと着いた〜。」
アレンは301番道路を越え、『スガワタウン』に到着した。スガワタウンは自然に満ち溢れ、南には浜辺もある、ランパ地方屈指の観光スポットである。
「さて、まずはゴチミル達を休ませるためにポケモンセンターに向かうとするか。」
* * *
「お待たせしました。お預かりしたポケモンは皆元気になりましたよ。」
「ありがとうございます。」
アレンはジョーイからポケモンを受け取り、ポケモンセンターをあとにした。
* * *
「さて・・・これからどうするか・・・。」
アレンは何となくまわりを見渡した。すると、一人の少年が木陰で寝ているのを発見した。年齢はおそらく17歳くらいだろう。
アレンはその少年に何かを感じたのか、そこへ歩み寄って行った。そしてしゃがみこみ、少年の顔をじっと覗き込んだ。
「この人・・・もしかして・・・。」
すると、少年が目を覚まし、急に起き上がった。その所為でアレンは顎に思い切り頭突きをくらった。
「ふぼっ!」
「す、すまない!大丈夫か!?」
「あ、ああ。なんとか・・・。」
アレンは改めて少年の顔を見つめた。アレンはこの少年に見覚えがあったのだ。
「・・・?どうした?俺の顔に何かついてるのか?」
「いや・・・。どっかで会ったような気がするんだけど・・・。」
「そうか・・・。」
その少年は考え込むように腕組をした。
「・・・俺はお前に会った記憶はないんだが・・・。」
「そっか・・・。一応聞くけど・・・君の名前は?僕はアレン。アレン・デュナスだ。」
「俺はダルク。ダルク・レイジェル。ポケモントレーナーだ。と、いっても、少し前に旅を始めたばかりだがな。」
「ダルク・レイジェル・・・。」
アレンは暫くの間考え込んでいた。そして、
「・・・!!ダルク!もしかして、ランパ地方に伝わる『七つの伝説』を先祖代々伝え続けている、レイジェル家第13代当主の!?」
「ああ。もっとも、当主と言っても代行だけどな。だが、さっきも言ったように俺はお前とは会ったことはないぞ?」
「テレビで見たんだよ。君がインタビュー受けてるところを!」
「そうか・・・。それでか。あれを見ていたとはな。」
少年――――ダルクは少し恥ずかしそうに頭をかいた。
「ところでお前・・・七つの伝説の内容については知ってるのか?知らなければ教えてやるが・・・。」
「うーん・・・。一つだけなら聞いたことがあるんだけど・・・。自分の気に入ったトレーナーのパートナーとなり、勝利をもたらすポケモン、ビクティ二の事。」
「そうか・・・。」
ダルクは再び腕組をして、南にある浜辺の方を見た。
「残りの六つは知らないんだな?」
「うん、全く知らない。ビクティニの伝説のほかに後六つあるってことだけ。」
「そうか。では、話すとするか・・・。少し長くなるかもしれんが、構わないか?」
「全然いいよ。僕どうせ今暇だし。」
ダルクは軽くうなずくと、一呼吸置いて、話し始めた。
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後書き:本編シナリオでは七つの伝説の内、三つを画いていきたいと思います。他の四つは番外編として他のキャラの視点から書いていきます。