「まずは、白き真実と黒き理想・・・レシラムとゼクロムの伝説についてだ。」
「レシラムと・・・ゼクロム。」
「はるか昔、伝説のドラゴンポケモンのレシラムとゼクロムはそれぞれある双子のパートナーとなった。」
ダルクは淡々とした口調で語っていく。
「レシラムは真実を求める兄の、ゼクロムは理想を求める弟のパートナーになり、このランパ地方を発展させるのに貢献し、ランパ地方を滅ぼさんとするものと戦った。その双子の姿に民は心酔し、『黒白の英雄』と崇めた。」
「黒白の英雄!?」
「なんだ、知ってたのか。」
「いや・・・名前は聞いたことあったけど・・・七つの伝説の一つだとは知らなかったんだ。」
「そうか・・・。まあいい。話をつづけるぞ。」
ダルクは一呼吸置いて、再び伝説について語り始めた。
「しかし、ある日双子はそれぞれ求めるものの違いから仲たがいを起こし、決闘を始めるに至った。」
「・・・!」
「決闘は三日三晩続いた。疲れ果てた二匹のドラゴンポケモンは石となり、永い眠りについた。双子の兄弟は自らの過ちを反省し、いずこかへと旅立っていった・・・。」
「それで・・・その後はどうなったんだ?」
「いや・・・俺が知ってるのはここまでだ。だが・・・二人の英雄とパートナーのドラゴンは今でもランパ地方のどこかで祀られている。どこなのかは知らんが。」
「そっか・・・。」
「あと、これは噂なのだが・・・その双子の英雄の子孫がランパ地方のどこかに居るとのことだ。」
「伝説の英雄の子孫が!?」
「ああ。その噂から察するに、七つの伝説はただの昔話ではなさそうだということだな。」
「・・・ふうん。」
「よし、では次の話をするぞ。次は、ダークライについてだ。」
「ダークライ・・・。」
「大昔・・・と言っても、さっきのレシラムとゼクロムの話ほどではないが、ある村が盗賊団に襲われた。だが、その盗賊団が村の空き家で寝ていると、世にも恐ろしい悪夢を見たという。」
「悪夢・・・?」
「ああ。ダークライは悪夢を見せる力を持っている。もっともダークライ自身に悪気はなく、自分の身を守ったりするためにやっているが。」
「ふうん・・・。悪夢を見せるっていうから、どんな恐ろしい奴とか思ってたけど。」
「話をつづけるぞ。その後、盗賊団は村から逃げ出した。しかし、村人たちはダークライを恐れ、村の外れにある森の祠に封印した。」
「どうして?ダークライは村人を助けたんじゃないの?」
「話の中では、自分たちも悪夢を見るのが怖かったのではないかとされている。無論、ダークライにそんな気は一切なかった。だが、結局やつは封印されてしまったんだ・・・。」
「それで・・・その後は?」
「いや・・・話はここまでだ。すまない・・・。」
「謝る必要はないって!・・・で、次は?」
「ああ、次は・・・」
その時、ダルクに突然3匹のポケモンが襲いかかった。
「・・・っ!」
「だ、大丈夫か!?・・・このポケモン達は?」
「レパルダスにガラガラ、そしてへラクロスだ。しかしこいつら、野生にしては様子が変だな。・・・まさか!」
「そう!そのまさかさ!」
上からこえがしたかと思うと、木の上から3人の男が降りてきた。
その容姿は頭以外の全てを覆い隠した黒い全身タイツのような服装に灰色の手袋と靴を履いている。
「おい、ダルク。何なんだ、この悪趣味な連中は。」
「こいつらはデス・クロノス。俺は三日前、こいつらの襲撃を受けた。勝ったのはいいが、まさかまた現れるとはな。」
「さて・・・こんどこそ、我々についてきてもらうぞ。」
「ふっ・・・断る!」
「そうか・・・ならば我々にも考えがある。
すると、周囲の茂みから同じ服装の男女が10人ほど出てきた。
「ふふ・・・これならどうだ。」
「ふん。流石は悪の組織。卑怯な真似するな。ま、敵対する奴等なら、この方が戦いがいがあるがな!」
ダルクはそう言って、6個のモンスターボールを放り投げた。
★―――――★――――――★
追記:編集しました。今後、このようなことがあるかもしれません。ご了承ください。
以降、内容が描きかけの時は『編集中』と添えておきます。