山のように仕事をこなしまくりナベ先輩のポケモン達も顔を覚えてくれて部屋はゴーストポケモンでますます狭くなっていく今日この頃。
初の有給休暇が取れました。
シブチョ―・・許可してくれたときの顔が仏様に見えたよ・・。
で、一日部屋での―んびりしてやろうと思ったのに・・。
ゲンガ―、お前なにやってんの?部屋の真ん中で手芸用品広げて・・。ほら、とっとと片付ける。・・嫌そうだな、随分。
大体、お前は菓子作りが本業でしょうか。・・いや、本業ってわけじゃないか、趣味か。今度はそっち方面にも手を出し始めたのか?
・・ちなみに何作ってるの?綿がいっぱいだけど・・あ!これジャケットの中身のチルタリスの羽毛じゃん!
・・・。
ゴ―スども、一斉に私から目をそらしたな。そう言えばお前ら人のジャケットの中身・・全部抜きとって館に放置しとったんかい!
あーくそ、腹立ってきた。全員まとめて久々に掃除機で吸い取ってやろうか?
そういや当分お前ら洗濯してないな。ヌケニン達も結構よごれてるし・・。ヤミラミ・・は、洗った方がいいのか?いっつもトンネル抜けてこっち来るし。
幸い、ここの社員寮は風呂もついて洗濯機ありだ。たまには洗ってやるか。トリミングセンター?馬鹿言ってんじゃない、私の趣味は貯金なんだよ。
いや、あえて頼んでみるか?そして技術の違いを見てみるとか。・・プロと張り合っても仕方ないか。頼むといっても数多いしなー。
・・・。
しかし、せっかくの休みをゴーストポケモン共を洗って過ごすというのもなんか味気ないな。時は金なり。金を払って自由を取るか金を惜しんで時間を使うか・・。
うーぬ・・って、人が真剣に悩んでるのにゲンガ―なんだよ、さっきから服引っ張って。・・え、何?また何か手伝ってほしいの?
これはこれはまた・・器用だねぇ。綿でケーキ作りやがったこいつ。本物みたいじゃん。食べられませんってタグを付けないと誰かが間違えてかじるぞ、きっと。
けど、食えないものをつくるとは珍しいね。・・え?食べてもらう?誰に。ていうか、綿じゃ食えないって。
・・・また配達して欲しいのか!?
有給休暇だって言うのに、なんで制服着て段ボールもって自転車乗ってんだろう。人が良いよなー、我ながら。
結局、洗濯はやめにしてトリミングセンターに頼みました。ヌケニンだけね。ゴ―スどもは洗濯機に投げ込んだ後に清めの御札をはっといたのでしばらく回転地獄を味わってもらう。ジャケットの恨みじゃ。
ヤミラミどもに風呂を入れてやったら自分たちでまったりしだしたので好きにさせておいた。暴れないのならそれでよし。
ゲンガ―が教えた場所はあのカゲボウズ物件の向かい側。なんか、ここで台所かしてもらったらしい。
んで、そこにいるジュぺッタがケーキとか食べられないのに気づいてお詫び代わりに作ったそうだ。なるほどねぇ・・。確かにぬいぐるみは食べられないだろうな。
・・・人形ポケモンのカゲボウズは普通に物を食うのにジュぺッタは駄目なんだ。なんでだろう。ポケモンの不思議の一つだなー・・。
んなことは偉い学者様にでも考えてもらおうか。さて、配達だ。
ノックすると人の良さそうなお兄さんが出てきた。チョロネコヤマトでーす。ハンコかサインは・・いらないんですよ。
きょとんとしているお兄さんに、はいどうぞと箱を渡そうとしたら・・中身が勝手に出てきやがった。おいこら、誰が出ていいといった。
・・お兄さん腰を抜かしてます。そらそうだ。受け取ろうとしたら中から蓋を突き破ってゲンガ―が出てくればな。
すいませんこいつが来たいっていって連れてきたんですけど大丈夫ですか!?お兄さんを気にかけると差し伸べた手を掴んでちゃんと立ちあがってくれた。大丈夫っぽいな。
元凶のゲンガ―はとことこと慣れた足取りで部屋の奥へ。おい、こっちは無視かい。
とりあえずかくかくしかじかでお兄さんにわけを話す。かいつまんでめちゃくちゃ荒い話だったのに納得してくれた。よかったー。
奥をのぞくと、いるいる、ジュぺッタにゲンガ―が持ってきていたケーキを差し出している。しまった、一匹で良いから通訳連れてくるんだった。それなら何話してるかわかるのに。
お兄さんもちょっと嬉しそうに眺めてる。それじゃあ、またゲンガー取りに来ますねーとお兄さんにいって、部屋を出た。
トリミングセンターにカゲボウズ達が何匹か徘徊しているのを見た。隠れカゲボウズ洗いの名人待ちだろうか?
たまの休みだ。
「のんびりやるか」