215番道路を行きつ戻りつする時、誰の瞼の上にも雨の滴がつきささる。 雨音が耳を打ち、全ての生き物はその冷たさを肌で感じ取る。 ところがヌケニンには視覚も聴覚も感覚もなかったので、それらの感触を、生の実感として身に受けることが出来なかった。 しかし、魂の波長は感じ取ることが出来たので、雨の恵みを受ける者達が、どのような幸せを享受しているのか、ということはよく知っていた。 雨乞いをするポケモン達が、どれだけ素敵な音楽を生み出せるのかを、ヌケニンは誰よりもよく知り抜いているのだ。