ブースターのかえんは、パワーストーンの力で七色戦士の1人、赤い体のブイレッドになった。
「なんだよ……めちゃくちゃ格好いいじゃん! オイラもいくぜー! 七色チェーンジ!」
らいどがそう叫ぶ。
まばゆい黄色い光がらいどを包み、新たな姿へと変えてゆく。
光が止んだらいどの背中には、レッドのものよりシャープな作りで、先の方がギザギザになっている黄色のマントが揺れていた。首周りのギザギザは黄色くなり、白地に黄色でVが描かれたバッジは、レッドのものと色違いだ。
「うおおお! オイラかっけぇ! かえんがレッドなら、オイラはイエローだな!」
「まあそうなるだろうな」
「うおおお……! かえんもオイラもかっけええ!!」
「うるさいわね! らいども人のこと言えないじゃないの!」
「だってかっけぇじゃん! みずきも早く変身しろよ!」
「はいはい。七色チェンジ」
三匹目、みずきもそう呟く。
ほかのニ匹とは違う、やさしい青い光がみずきを包みこむ。
「……じゃあわたしはブルーなのね、まったく、子供みたい」
「それ言ったらダメだろ」
ブルーの格好はレッドやイエローと同じように体は全体的に青くなり、えりまきには青いVのバッジがついている。
背中のマントは少し幅が広く、先はまるで海を思わせるような波型に切られている。
「みずき、「子供みたい」は禁句じゃよ♪」
「長老さん……もう少し捻った名前にしてください」
「じゃあ「ブイエターナルクライシスアクアティックメランコリィ」なんてどうじゃ?」
「……ブイブルーでいいわ」
「そうか? まあ、これで七色戦隊「ブイブイズ」の3匹が誕生したのう♪」
「……長老さん、もしかして七色戦士って七匹いるんですか?」
かえんが長老に尋ねると、長老はニコニコと微笑み応えた。
「そうじゃよ♪ しかもみんなイーブイの進化系、つまりブイズじゃ♪」
「ブイズ……はっ! だから「ブイブイズ」なのか!? 長老!?」
今度はらいどが長老に詰め寄る。
「まあそういったところじゃの♪」
「……わたし、長老さんのセンスが分からなくなってきたわ……ブイブイズって……」
「ほっほ♪」
長老は穏やかな笑みを浮かべた。
その時突如、空を切り裂くような轟音が鳴り響き、激しい揺れがレッド達を襲った。
「きゃあ!? な、なに?」
「敵が来たんじゃの〜」
長老は涼しげな顔で言った。
「て、敵ぃ!?」
「そうじゃ♪ レッド、イエロー、ブルー! 外に出て、敵を蹴散らしてくるのじゃ〜!」
「はい!」
「いーっえっさー!」
「了解しました……ハァ」
そう長老に告げると、三匹は外へと駆け出していった。
「……頼んだぞ、ほっほ♪」
中編に続く!