「うわあああ!」
レッドが驚き、
「おー!」
イエローがなぜか歓喜の声をあげ、
「えー……」
ブルーは若干冷めた声で呟く。
それもそのはず、3匹の目の前では大勢のワルビルが暴れていのだ。
その内の1匹と目が合うとそのワルビルが他の奴等に呼びかけ、ワルビル達が一斉にこちらへ目を向けた。 その目は血走っていて、レッドは先程のグラエナ達を思い浮かべた。
「こいつらを蹴散らせばいいんだな……イエロー、ブルー、行くぞ!」
レッドはそう叫ぶと、真紅のマントをはためかせワルビル達に向かって走っていく。
「うおっしゃー! いくぜぇ!」
「いちいちうるさいわね! まったく……」
イエローの叫びにブルーがすかさずつっこむと、2匹もレッドに続きワルビル達に向かっていった。
「グオオオオ!」
ワルビル達に飛びかかったレッドはその地の底から響くような唸り声に一瞬怯んだが、大きく息を吸い込み気を引き締め、自分に噛み付こうとしたワルビルに「かえんほうしゃ」を放つ。
その隙をついて地中から「あなをほる」を繰り出したワルビルをさっとかわし、尻尾にググっと力を入れ渾身の「アイアンテール」をお見舞いする。
その時レッドは気付いた。 なんだかいつもより力強い気がするのだ。 これが七色戦士の力だろう……これで「フレアドライブ」が出せればな、と一瞬思ったが今はそれどころではない。
レッドは4、5匹で襲い掛かってきたワルビル達を蹴散らす為、形だけでも……と覚えた「ニトロチャージ」でぶつかった。
同じ頃、他の2匹もいつもと違うことに気付いていた。
イエローは飛ぶように走ってワルビル達を翻弄し、木の枝に飛び乗ると「ミサイルばり」を連射する。 ワルビル達はそれを受け、倒れた。 しかしまだ沢山いるワルビルにイエローは舌打ちをしながら木から飛び降り、その急降下の勢いで「ずつき」をぶちかました。
ブルーはワルビルの攻撃をまともに食らっていたが、その体には傷1つ付いていない。 ブルーは体をかがめて「アクアリング」を発動し、とどめとばかりにワルビル達が繰り出した「すなじごく」をやり過ごして、「なみのり」で一気に吹っ飛ばした。
そうしてワルビル達をあらかた倒した時、先程と同じ振動と地響きが聞こえた。 3匹が聞こえた方を向くと、そこにはーー
イエローが口角を上げて呟く。
「……へっ、ボス登場……ってか?」
赤と黒の縞模様の体、大きく伸びた顎。 ワルビルと似ている目つきだが、威圧感はこちらの方が何倍もある。
ーーそこには通常の2倍はありそうな巨体の、ワルビアルが鎮座していた。
後編に続く!