「グオオオオオオオ……!」
ワルビアルの巨大な咆哮が地に響く。それに連動するかのように、倒れていたワルビル達が次々に消滅していく。
「き、消えた!?」
レッドが驚愕し、叫ぶ。
その時、3匹の頭に声が響いた。
(レッド! イエロー! ブルー! 聞こえるか!?)
「長老さん!?」
一体どこから話しているのかと、ブルーはきょろきょろと辺りを見回す。
(聞こえているな! これはテレパシーじゃ!)
「テレパシー!?」
イエローは長老の言葉に、危うく木から滑り落ちそうになった。
(今はそんなこと、どうでもいい! 大変なことが分かったんじゃ! おぬし達が倒したワルビルは、作り物じゃ!)
「作り物!?」
(ああ、それ故にいくらでも作り出すことが可能なのじゃ! そこにいるワルビアルも作り物じゃが、それ故に普通のとは段違いに強い! 覚悟してかかるのじゃ!)
そこまで言うと、長老の声は聞こえなくなった。
「ええ!? ちょっと! それだけ言われても困るんですけど!?」
ブルーが抗議するが、長老からの応答は無い。
「とにかく、倒しゃいいんだろ倒しゃあ!」
イエローは木から飛び上がり、「ミサイルばり」を乱射する。ワルビアルはそれを受けた……が、何も感じていないようにイエローの方を向いて、自らの周囲に尖った岩を無数に生み出し「ストーンエッジ」を放った。
「うわあああ!!」
イエローはそれをまともに受け、地面に激突し、気を失った。
「イエロー! くっ……!」
ブルーは、「ハイドロポンプ」を至近距離から放つ。 ワルビアルはそれを間一髪の所でよけた。
「あっ……!」
「グオオオオ!!」
ワルビアルの叫びが耳を付く。
レッドは恐怖に震えていたが、なにかを決意するような眼差しで、ワルビアルをぐっと睨んだ。
「オレは……ここで負ける訳にはいかねぇんだ! 負けて……たまるかあああ!!」
その叫びと共に、レッドのバッジが真紅に輝き、レッドの体が赤い炎に包まれる。
「うおおおおお!!」
レッドは風のように疾走し、飛び上がった。そして。
「フレアドライブ!!」
……そう叫びながら、ワルビアルに激突した。
ーー薄れてゆく意識の中でレッドが見た物は、発光しながら消えていくワルビアルと、駆け寄ってくるブルーの姿だったーー
……続く!