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  [No.2065] 足らない 投稿者:小春   投稿日:2011/11/14(Mon) 21:37:08   107clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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 友人が鍬をもって土を耕していた。フリルたっぷりのエプロンがやたらに似合う。

「なにやってんの?」
「土を耕してる」
「見りゃわかるよ。なんで土耕してるのかって訊いてるんだ」
「よくぞ訊いてくれた。まずは、こいつを見てくれ」

 タブンネ色のエプロンで手を軽く拭った友人は、ポケットからボールを取り出した。ボールを土に向かって放り投げる。収容されているのは、小豆色の身体がぼこボコぼこと三つ並び、つぶらな黒ごまの目が三対のもぐら。幼稚園児でもかんたんに描けるポケモンナンバーワン、ないしはナンバーツー。
 下半身が永遠の謎、ダグトリオである。
 
 しかしながら、いま俺の目の前にいるこいつをトリオと呼んで良いのか、はなはだ疑問である。

「なんか足りなくね? 明らかに足らないよな」
「そうなんだよ。朝起きたら、足りなくなってたんだ。おどろきだよな」
「もっと驚けよ!」
「驚いてるって」

 ほけほけ笑う友人は放っておいて、ダグトリオを見る。足りない。なにかが決定的に足りない。いまの状態を強いて言うなら、ダグコンビ。ぼこボコぼこのうち、真ん中のボコが欠けている。

「ポケセン行けよ、ポケセン」
「行った。そしたら、畑をよく耕して肥料撒いてダグトリオを一晩放しておけば元通りに生えてくるて言われた」
「作物か? こいつは作物かなにかなのか?」
「いや、この時期になると多いらしくてサ。っと、おまえも耕せよ〜」

 ダグト……いや、ダグコンビがダグダグと上下して土を掘り起こしていく。不在の真ん中部分だけが、耕されずに残っている。

「ま、明日の朝になっても元に戻ってなかったら、もう一回ポケセン行ってみるよ」
「ほんとに大丈夫なのか、コレ」
「大丈夫だって。隣のおっさんのギギギアルなんて、真ん中の歯車どっか行っちゃったらしいからさぁ。元に戻ってたら、連絡するから見に来てよ」

 翌朝、友人のダグコンビはしっかりダグトリオになっていました。
 朝一番で俺ん家を訪れた友人はにっかりと笑って、トリオに戻ったもぐらを見せる。

「どうだ、戻っただろ」
「生えたのか?」
「生えたよ。裏のおっちゃんが拝んでいった」
「……ルジュランス行こうぜ、おっちゃん」

☆★☆★☆★

ふたつ同じようなのがくっついてるだけのポケモンって、きっとこういう事があると思う。
ダグトリオとかギアルギギアルギギギアルとかレアコイルとか。

一瞬、ドードリオで書こうと思ったのは内緒。


  [No.2067] 足りなかった。 投稿者:No.017   投稿日:2011/11/15(Tue) 18:28:25   37clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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クソワロタwwwww


トリオなポケモン
レアコイルといえば本棚にこんな小説がありましたよ。
http://masapoke.sakura.ne.jp/novels/romi/onlyone.txt


  [No.2069] なんとシュールな 投稿者:イサリ   投稿日:2011/11/15(Tue) 22:40:23   56clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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小春さん、こんにちはですー。

二匹だけで土を耕しているダグコンビを想像したら笑いが止まらなくなくなりました!w
そうか、ダグトリオとは植物の一種だったのか(違

はぐれディグダ もとい ピンのダグトリオが何処で何をしてたのかとか、
もしかしたら別の個体が何食わぬ顔で混じってんじゃないのかとか、
色々想像してたら収拾がつかなくなりました。

ダグトリオには ふしぎが いっぱい!


  [No.2070] 【書いてみた】足りない日 投稿者:レイニー   《URL》   投稿日:2011/11/16(Wed) 12:03:52   100clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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ダグトリオA「なぁ、今朝からBの姿が見あたらないけど、どこ行ったか知らないか?」
ダグトリオC「さぁな。どっか行っちまったんだろ。あいつ気まぐれなところあるしな」
ダグトリオA「んなこと言ったって、ご主人困ってるよ。あんなにオロオロしちゃって……」
ダグトリオC「まあまあ、そう言わず。ダグトリオにはピンになりたい時ってのがあるもんだ。お前にはまだわかんないだろうけど」
ダグトリオA「いやいやいや、どうしてお前に先輩風吹かされないといけないんだよ! お前と俺は進化したときから一緒だろ!」
ダグトリオC「これだからお前は……。いいか、お前がディグダからダグトリオに進化したのはな、ちょうどピンのダグトリオやってた俺とBがたまたまお前んとこに来たからっていう、ただそれだけの話なんだ」
ダグトリオA「……ええっ!? それどういうことだよ?」
ダグトリオC「つまり、お前がディグダだった頃、俺はもう既にピンのダグトリオだったんだよ」
ダグトリオA「……ちょっと待って。ピンのダグトリオって、それはつまりディグダじゃないのか?」
ダグトリオC「……これだからお前はお子ちゃまなんだよ。いいか、ピンのダグトリオが何たるかがわかってこそ、俺たちダグトリオは一人前になれるんだ。それまでは三匹で一人前のただのダグトリオさ」
ダグトリオA「……ええっと。つまりCは俺らと出会う前に、別の奴らとダグトリオやってたってこと?」
ダグトリオC「いいや、実際にダグトリオになったのはお前らとが初めてだ」
ダグトリオA「……へ? じゃあピンのダグトリオってのは? 結局何なの?」
ダグトリオC「まあ焦るなって。お前にもそのうちわかる時がくるようになるさ」
ダグトリオA「……はぁ。(別に焦ってるわけじゃないんだけどなぁ)」
ダグトリオC「いいか、ディグダとピンのダグトリオの違いはソウルなんだ! 生き様なんだ!」

(この後、ダグトリオCのディグダとピンのダグトリオの違いの話、数時間続く)

ダグトリオC「……おっ。そうこう言ってたらあいつ帰ってきたか。おかえりー」
ダグトリオB(?)「ただいまー」
ダグトリオA「ああ、帰ってきてくれて助かったよ。これでやっとCの話が終わ……ってお前、ダグトリオBじゃないな! 末尾に(?)ついてるし! 何者だ!」
ダグトリオD「ご、ごめんなさい……。ちょうどピンのダグトリオやってるのに飽きてきた頃で、どうしたものかとさまよってたら、空きがあるの見つけたのでつい……」
ダグトリオC「まあまあ。Aもそうカッカするなよ。Bだっていつ帰ってくるかわかんないし、ダグコンビでいるのもきついだろ、精神的に」
ダグトリオA「……まあ確かにどうも真ん中がいないと落ちつかないよな」
ダグトリオC「いいか、A。さっきも言ったように、ダグトリオがピンのダグトリオになるっていうのはよくある話だ。しかし、残されたダグコンビはどうだ。理論上ピンのダグトリオとダグコンビは同数になる。しかしお前、ダグコンビ見たことあるか?」
ダグトリオA「……ううん。多分ない気がする」
ダグトリオC「そうだろ。ダグトリオがダグコンビでいることは滅多にない。それはダグコンビという状態は、俺たちダグトリオにとってものすごく落ち着かない状態だからだ。だからダグコンビは仲間を捜し、一刻も早く落ち着きたくなる。そういうものなんだ」
ダグトリオA「そ、そうなのか……?」
ダグトリオC「そうだ、そしてこの時の心の持ち方の違いがディグダとピンのダグトリオの大きな差となってくるのだよ!」
ダグトリオA「はぁ……(話また戻ったよ……)」
ダグトリオC「ま、とにかく、この新入り君にとっても、俺たちにとっても、これは悪い話じゃないってことだ。そしてよくある話でもあるんだ」
ダグトリオD「よろしくお願いしまーす」
ダグトリオA「……なんか上手く丸め込まれた気もするけど、まあいいか。よろしく」


ダグトリオB「ただいまー。フワライドツヨシライブ最高だったぜ! ……ってええっ! ちょっとそいつ誰だよ!」
ダグトリオA&D&C「お前の席ねーから」
ダグトリオB「な、なんだってー!!」


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どうもこんにちは。

> はぐれディグダ もとい ピンのダグトリオが何処で何をしてたのかとか、
> もしかしたら別の個体が何食わぬ顔で混じってんじゃないのかとか、
> 色々想像してたら収拾がつかなくなりました。

小春さんの小説だけでも腹筋崩壊させていただいたのに、イサリさんの上記のコメント見ていたら収拾がつかなくなった深夜。その結果がこれだよ!(感謝)

おでんさん勝手にネタ使わせていただいてすみません。(事後報告)

……そういえば、台本形式で本格的に書いたのって初めてかもしれない。


【どうしてもいいのよ】
【むしろごめんなさい】


  [No.2073] うぉぅ!? 投稿者:小春   投稿日:2011/11/17(Thu) 00:11:38   46clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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マサラ図書館の鈴木ミカルゲ氏はこう言った。
「気に入った小説には拍手&感想を!一言でも作者さんは喜びますよ!」

……ミカルゲさん。喜ぶどころではありません。悶絶しております。

たしかに、生えてきた真ん中のボコがもともとのボコであるという保証はどこにもなかったです、不覚。
出かけている間に居場所をなくしたピンのダグトリオが三匹集まるとダグトリオ(集合体)になるわけですね、ハイ。つまり、こういうことか。


 足りなくはないか、とピンのダグトリオが言う。ならば、とピンのダグトリオが言う。よし、とピンのダグトリオが言う。

「集まろう」
「集まろう」
「集まろう」

 そういうことになった。