今日も、 皆が、 誰も見ていないところで、
静かに、でも確実に
それを吐くのです
『最悪』
『消えて』
『死ねばいいのに』
思わず耳を塞ぎたくなるような言葉の数々。だがあえて塞がないのは、それらを戒めることが出来ないからだろう。自分は吐いたことがないと、どうして証明できようか。
こういう時、毒タイプを嫌えない。街中に生息し、ゴミを漁ったり汚い跡を残していくことで人間からは度々非難の的になる。
だけど。
掃除をすれば消えるそれと違って、人間が吐く毒はナイフのようだ。
一度飛んでいけば何かに突き刺さるまで速さは落ちない。
突き刺さって止まっても、傷はジクジクと痛む。すぐには治らない。
「……『めんえき』が、必要かな」
だが、人間の『ダストシュート』を防ぐ方法を、私は知らない。
誰も、知らない。