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注・人によっては不愉快な茶化しネタ・くだらない思いつきが含まれます。
「う、うーん……」
ポケモンブリーダーのヤスコは重い頭を振りながら、体を起こした。こんなところに覚えはないが、広い倉庫
の床に寝かされていたようだ。彼女はトレーナーの通り道に立っては何度も勝負を挑んで来るので、一部で「通
行止め」というあだ名で呼ばれている。
「ここはどこかしら」
そのすぐ横で、同じくポケモンブリーダーのコハルも目を覚ます。彼女もヤスコと似たようなことをしている
ので、コハルというか困るとか言われている。
「森の中じゃないとおちつかないなあ」
少し離れたところで、ポケモンブリーダーのユウリも目を覚ます。彼はしょっちゅう迷いの森の中をうろつい
ているので、最近街中にいると落ち着かないのだ。
その他次々と、床にゴロリと寝かされていた者達が目を覚まし始める。みんなして同じような顔に同じような
格好。ここにいる人間は全員、各地にいるポケモンブリーダーたちだった。
ギイイイイッ、とホラーゲームのような音を立てて、入り口の扉が開かれる。頭に二つのお団子をつけ、その
お団子の下から髪を垂らした、トレーナーらしき少女がツカツカとブリーダーたちに歩み寄っていった。
「まず最初に名乗りましょうか……そうですね、ブラック2なのでまっくろ2とでも名乗っておきましょう。こ
んな名前でプレイするプレイヤーは多分いないでしょうから」
どっかの児童文学で有名な外国の作家のような配慮をしながら、まっくろ2はゴルバットかどっかのチャンピ
オンみたいに両腕を広げる。
「ちょっとミルホッグ×6のさいみんじゅつで眠ってもらってこんなところに招待したのは他でもありません、
あなた達にはここで思うぞんぶん、わたしや彼らと戦っていただきたいのです」
両腕を広げたまっくろ2の後ろには、たくさんのトレーナーがいた。誰も彼もイルミーゼならぬヤリコミガチ
ーゼって感じの、ギラギラした目をしている。
「何度も勝負をしかけてくるあなたたちにはいろんな意見があります。「うざい」「面倒くさい」「レベル上げ
が楽」「助かる」etc……ですが、肯定、否定どちらの側も、各地に散っていると面倒だという意見は共通して
います。そこで、」
ビシイッ! とまっくろ2はポケモンブリーダーたちを指さした。ちなみにイッシュの舞台である外国で、人
を指差すのは失礼に当たるそうなので絶対にしてはいけない。
「こうして一か所に集まってもらって、思う存分あなた達と、あなた達と戦いたい人たちだけで戦ってもらおう
と計画を立てたのです」
ポケモンブリーダーたちは互いに顔を見合わせ、ざわざわとざわめき出した。同じブリーダー同士、どうする
? と相談しあっているようだ。
「当然何度も戦ってもらうことにはなりますが、あなた達のポケモンは戦闘ごとにしっかり回復させていただき
ますし、あなた達とあなた達のポケモンが疲れてきた場合はそこで終わらせてまた明日ここに集まるということ
で話がついています。もちろん謝礼は弾ませていただきますし、惜しみません。あなたたちも存分に、好きなだ
け勝負を挑むことができます。どうですか? ブリーダーの仕事には色々と、先立つものも必要でしょう?」
まっくろ2の発言に、一人のポケモンブリーダーが一歩を踏み出した。22番道路の川の近くに立っている、
ポケモンブリーダーのアグリだ。
「いま自分たちにできることをするだけです!」
投げたボールから、彼の相棒のバクーダ♂Lv41が飛び出してくる。
「きみたちにお願いがあります! そう、勝負です!」
同じように7番道路のミツテルが一歩踏み出し、手持ちのコアルヒー♂Lv31を投げたボールから出した。
「愛情こめて育てた自慢のポケモンたちよ!」
つられたように11番道路のアヤノがエモンガ♀Lv41を出した。
「そうこなくっちゃ、面白くないですよね。さあ、誰も損をしないバトル、始めっ!!」
まっくろ2の合図とともに、ポケモンブリーダーとヤリコミガチーゼのバトルの火蓋が切って落とされた。
くだらないネタですが、こんなくだらないものを書くために、わざわざ各地のポケモンブリーダーのセリフと
手持ちをメモった根性だけは認めてやってください。まっくろ2はブラック2にだけ存在するかもしれない謎キ
ャラなので、ハピナスとかラッキーを持ったブリーダーはいません。他にもブリーダーいるのに見落としてたらすいません。
タイトルとまっくろ2の名前の付け方は好きな某作家とその作品の日本版タイトルのオマージュです。