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  [No.3759] Inv: 戦い 投稿者:マームル   投稿日:2015/06/03(Wed) 21:31:01   82clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
タグ:ハブネーク】 【ザングース

刃を爪で受け止めた。中々重いが、それだけだな。既に何度か受けたが爪に皹が入る事も無さそうだ。
刃が滑り、しゅるりと背後から俺を締め付けようとする糞蛇の喉に爪を向ける。
体を反らして爪は宙を割き、同時に戻る尻尾が俺の腕を軽く切りつけた。
切りつけられた腕を振り回して糞蛇にも爪で傷を与えた。が、同じく軽い。
一旦互いに距離を取って、俺は目を閉じた。蛇にらみだ。
俺に毒は効かないが、麻痺にはなってしまうからな。
しゅるしゅると俺が目を閉じた隙に糞蛇が迫って来る音が聞こえる。
目を閉じたまま、両腕に力を込めた。目を開けた瞬間、また蛇にらみをされては堪らない。常に睨んでいられる訳ではないが、読まれて睨まれたら溜まったものじゃない。
音が止まった。まだ、どちらも攻撃が届く位置じゃない。
少しタイミングをずらして目を開けた。目の前は黒い霧で覆われていた。
チッと舌打ちをしながら、姿勢を低くする。
確か、あいつらは熱でも周りを知る事が出来るんだよな。くそったれめ。
もくもくと、周りが見えなくなったまま、耳を澄ませた。
が、あいつも音を全く立てずに動く事は不可能だ。だからこそ、あいつが動く音は目を開いてからもしていない。来る瞬間は分かる。
集中すれば、奇襲を食らう事は無い。
霧が徐々に薄くなる。夕方の赤い太陽の光が徐々に煙の間を縫って俺に光を寄越してくる。だが、糞蛇が動いている気配は無い。
その時、煙が何かの風を感じて動いた。音はしていない。
どこだ? 周りを見回したがどこにも居ない。音もやはりしていない。
赤い光が暗くなった。上、か。
太い胴が上から落ちて来ていた。四足の姿勢からはすぐに爪を振るえない。
前に走った。間に合わず、どすり、と腰に糞蛇が落ちて来た。
みしみしと体に音が響く。前足で地面を蹴って、何とか巻き付かれる事だけは避けた。
が、糞蛇に背後を取られている。危険は去っていない。そして、それは好機でもある。
腰に圧し掛かられたが、麻痺にはなっていない。足にも力は問題なく込められる。
後ろから俺を呑み込もうと口を開ける様すら、何故か鮮明に感じられた。耳が良いからとかじゃない。体の全てが周りの事象の全てを余す事無く感じていた。
四足に力を込めて、後ろへと背中を下にして跳んだ。縦に回るその視界が、反応が遅れた糞蛇を捉えた。
そして、糞蛇が振り向く前に着地し、糞蛇の胴を両方の爪で切り裂いた。
ぶしゅぶしゅ、と血が俺にも降りかかる。糞蛇は痛みに悶えながら、しかし俺へと尻尾を伸ばし、同時に口を大きく開けて俺を呑み込もうとして来る。
だが、それは余りにも直線的だった。身を屈めて尻尾に爪を突き刺し、ただの空気を噛み砕いた口の下、喉へも爪を突き刺した。
びぐ、びぐと糞蛇は痙攣し始める。
力を失った奴の胴の重さが俺の腕に圧し掛かる。
蹴って両方の爪を引き抜くと、また血が噴き出した。顔にも掛かり、腕で拭う。
糞蛇はもう動く事も出来なかった。
さて、今日は皆で馳走だ。最後に脳天に爪を突き刺して、そのまま持ち帰る事にした。


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同じく。
前回の事。ハブネークは毒針覚えない。……。


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