過去ログ [ 0004 ]

過去ログ:
ワード検索:
条件: 表示:  

  [No.2105] ドータクンの寝顔 投稿者:イケズキ  投稿日:2011/12/07(Wed) 20:23:55   69clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 
 俺はポケモントレーナー。午前のトレーニングを終えて今は昼ごはんの時間だ。
 「食べるのが大好き」な俺のエンペルトは、この時を待ってましたとばかりにポケモンフードの前まで駆けて来てガツガツと食事中だ。「暴れるのが好き」なドンファンは、まだまだ運動したりないらしく、ヌオーに向かってとっしんを繰り返していた。「打たれ強い」ヌオーはそれを軽く受け止めている。
 「こらっ、ドンファンのお皿元に戻しなさい!」
 「イタズラが好き」なサーナイトが、こっそりと念力でポケモンフードの乗った皿を俺のバッグの影に隠そうとしていた。サーナイトは少しむくれてみせると、それでも素直に皿を元に戻した。
 「あぁあぁ、グレイシア……」
 グレイシアの周りには、皿からこぼれたポケモンフードが散乱していた。「物音に敏感」なコイツは、大きな音を聞くと激しく驚いてしまうのだ。さっきの自分の怒鳴り声が原因ではあるが、いい加減音に慣れてほしいものだ。
 
 そんなこんなのやり取りをしている中、唯一大人しく佇んでいるポケモンがいた。ドータクンだ。プカプカと地面から2.3センチ浮きながらじっとしている。
 「お前はいつでも冷静で、手がかからなくてありがたいよ……他の奴らときたらいつだって、落ち着きないもんなぁ」
 そう言って俺は後ろからドータクンのそばにより、背中(?)をそっと撫でた。ひんやりすべすべの肌(?)ではあるが、俺は確かにそこに生き物としての温もりを感じた気がした。
 「さっ、それじゃお前もいっしょに昼ごはん食べようか」
 俺はそっと声をかけた。
 しかし、ドータクンは動かない。
 「ん? どうした? お前もあんなトレーニングして腹減っただろ? 早く食べに行こう」
 俺はさらに言った。
 が、それでもドータクンは動かない。

 ――クスクスクス……

 後ろから笑い声がした。見ると俺のポケモン達が皆そろって笑っている。何か俺は嫌な予感がして、ドータクンの顔(?)を見てみた。
 ……いつもは赤い目(?)の部分が白濁している。

 
 日の光に照らされて、「昼寝をよくする」ドータクンの気持ちよさそうな寝顔が輝いていた。


―――――――――――――――――――――――――――――

こんなもんでいかがっすかーてこさーん! (30分クオリティっすがwwww


  [No.2104] 勘違いって怖い。 投稿者:No.017  投稿日:2011/12/07(Wed) 19:34:45   76clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

普通に塀の外って読んで、
改稿版かな? と思って勘違いして見たらこれだよwwwwww

あの……これ、ベストカバー裏のネタ候補にしていいっすか?


  [No.2103] 堀の外 投稿者:久方小風夜  投稿日:2011/12/07(Wed) 01:36:04   139clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
タグ:※全力でギャグ】 【×塀_○堀】 【続きはイケズキさんに任せた】 【|ω・)

 アクアラングの泡がのぼっていく。
 濁った水の中から、水面は見えない。

 幼馴染の親友と一緒に、水を蹴って水面へ顔を出す。
 僕たちの見えるのは曇った空と、町を囲む頑丈な石壁。

 灰色の空に、茶色の小鳩の群れが飛んでいくのが見えた。
 壁に囲われた空を、端から端まで飛んでいったのを見て、安堵する。
 時たま、ここまで落ちてくるポケモンがいる。
 残念ながら、彼らはほぼ助からない。ここには彼らの餌となるものも、石壁を登る手がかりも、足を休める止まり木さえもないからだ。


 この町が水の底に沈んだのは、僕たちが生まれるずっと前だったという。


 なぜ沈んだのか、その理由はもう誰も知らない。
 親友のおじいさんであるポケモン博士の話では、隣の海の神が怒って海流が変わったとか、南の地方の海の神が海を広げようとしたせいだとか、そんな説もあるとか。
 確かに、この町は雨が多い。雨が多いから、この堀も干上がらない。
 だからと言って、そんな遠くの海の神か何かの気まぐれ何かで、僕たちの町が水の底になっていいのか。それはあまりにも不条理じゃないか。


 僕たちの町はいつからか、『堀の中の町』と呼ばれるようになった。
 町を囲むあまりにも高い石壁が、まるで城の周りを囲む堀のようだからという理由らしい。
 家すら完全に沈む水から顔を出しても、石壁は未だ空に向かって聳え立っている。
 時折隣町の住人が物資を投げ入れてくれる他は、この町に近寄る人はいない。
 万が一堀の中に落ちたが最後、外に出ることはほぼかなわないからだ。


 親友はいつも、目を輝かせて同じ話をする。
 ずっと昔、この町に現れたポケモントレーナーだ。
 彼は堀の中に落ちた人間を、大きな飛ぶポケモンと一緒に救いあげた。

 その姿を見たのは、僕と親友だけだ。
 町の人たちは、水面から顔を出すことすら極力避けようとする。
 どうしてもこの水没した町から、離れようとしない。それがなぜなのかは、僕もわからないけれども。

 生まれた頃からそれが当たり前だった僕も、町から出る気は全くなかった。
 だけどその人は、僕たちに向かって言った。


 ポケモンと一緒なら、こんな堀の壁、簡単に乗り越えられる。
 ここから出て、広い世界を見てみないか。


 生まれた時からアクアラングを背負って、水の中で生きてきた。

 堀の中で産まれ、堀の中で生き、堀の中で死ぬ。
 それが半ば当たり前だと思ってた僕たちにとって、彼の言葉は衝撃だった。
 
 この堀の外には、僕たちには全くわからない、別の世界があるんだ。
 僕たちの力だけじゃどうしようもないかもしれないけれども。

 ポケモンが一緒なら。


「俺はいつか、絶対、」

 水没した町の上で、親友が言った。

「この堀を超えて、広い世界へ旅立ってやる」


 灰色の空から雫が落ちた。
 僕たち以外誰もいない水面に、波紋が広がった。




++++++++++


※どう見てもギャグです


イケズキさんとボイスチャットで朗読会していた時

久方「次は何読みましょうか?」
イケズキさん「じゃあ……『堀の外』で」
久方「……???」
イケズキさん「?」
久方「……それはまさか『塀の外』のことですか」
イケズキさん「はっ! あれ『塀』ですか! 『堀』じゃなくって!」

そんなノリで産まれた『水没都市マサラタウン』。
イケズキさんがいつまで経っても書いてくれないから勢いで書いた。反省はしていない。


【続きはイケズキさんに任せた】


  [No.1872] まさかそういう展開だとは 投稿者:マコ  投稿日:2011/09/17(Sat) 05:10:22   65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

音色さん、レスありがとうございます。
性別不明のビリリダマの一人称が「俺」って何故?とか思っていたら、成る程、そういう真実があるとは。びっくりです。

オプション云々は、パッと「こうなったら面白そうかな」って思い、そうしました。
ですから、早くレベル5にならないと、自分で攻撃できないのです。
タイプ一致技を使えるのは、本当にずっと先のようです。

頑張れ、ビリリダマ。頑張れ、音色さん!


  [No.1870] 俺というキャラクターそのものがなんか違う 投稿者:音色  投稿日:2011/09/16(Fri) 22:19:32   61clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

なんか【書いてみた】ついとるー!

どうも、ビリリダマな音色です。
ていうか、もしやマコ様気づいておられなかった?

ビリリダマって、俺ですよ?つまり音色ですよ?名前がないことはないですよ一応。ただ面倒くさいからだしてないだけで(略

・・しかしよくよく考えればビリリダマ=俺と言う図式を正確に何処にも書いてねぇじゃん俺!うーん誤解をまき散らすわけだすんませぇぇぇん!


まーいつの間にかマコ様ランドともコラボれたみたいだし長老は是が非でも俺に攻撃技を与えようとしないらしい

俺がレベルアップ音を奏でられる日はあるのか!(多分ない

【でも俺と言うキャラがなんか違いすぎるような気もしないでもないような気もしない・・・つまりどっちだ】


  [No.1869] 【書いてみました】飛んで来てみたら(後編) 投稿者:マコ  投稿日:2011/09/16(Fri) 22:05:14   59clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

派手に雷ぶっ放して悪党を沈めて(というが、俺は雨乞いをしただけだ)少し経ってから、会話することになった。
けど、人間にポケモンの言葉なんぞ通じねえから、話っつってもどうすんだ?


とか思っていたら、女が何かピンクの獏みたいなポケモン、ムシャーナを出していた。
「テレパシーで通訳できるみたいだから、話せるよ、多分ね」
じゃあ、折角だから、俺がこうなった経緯を話して、悩み相談でもしてみようか。


〈俺は名前のないビリリダマなんだ。元はお前らと同じ人間だった。けどある日、ある怪しい喫茶店に迷いこんで、そこから帰る途中に長老とかいうキュウコンにもふもふされて、こうなったんだ!〉
「訊きにくいこと、訊いていいかな?」
女が質問してきたから、取り敢えず聞いてみる。
「もふもふってどんな感じなの?」
〈それかぁ。それは……出来るなら、二度とされたくねえ。気持ち悪い。地獄だな〉
「もし俺らが食らったらどうなんねん?」
〈物好きだな。多分、まともにロコンかゾロア辺りになるんじゃねえのか。俺が特殊なだけで〉
「……お前は人間に戻れるん?」
〈そんな話は聞いたことねえ。多分、無理だ〉
こいつら食い気味に訊いてくるな。
すげえ、カンサイの人(女は違うけど)。


そして、暫く話した後、俺は切り出した。
〈皆、俺の悩みを聞いてほしい〉
「どんなもの?」
「俺らでよかったら聞くで」
〈どうすれば俺は強くなれる?〉
『……』
あ、皆黙りこんだ。


しばらく時間が止まった感じになったけど、男の一人が口を開いた。
「簡単やろ。戦って、相手を倒せばええやんか」
〈そうなればいいんだけど、のっぴきならない事情があるんだよ。これ見てみろ〉
俺は紙を投げた。長老からもらったやつを。
「……ええ!?」
「ホンマかこれ?」
「悲惨やなぁ……」
それは俺の技リストだ。
嫌な音、テレポート、雨乞い、充電。
「……お前、どうやって攻撃すんねん」
「悪あがきとかかな?」
〈85ターン耐えられるか!〉
そんなことは無理だ。
どんなに強い、伝説的存在の奴でも無理だ。
〈だから、俺に攻撃技を教えてほしい。何でもいいから!〉
「10万ボルトがいい?それとも、雨乞いがあるから雷?」
おお、どっちも嬉しい!
「命中に重きを置くなら10万ボルト、雨乞いを活かしたいなら雷がオススメやな」
〈雷がいい!〉
「じゃあ、雷の技マシンを当てようか……」
黄色いディスク型の機械を俺に当てようとした女だったけど……、

バチッ!!


「嘘っ!?」
「何で拒絶されんねん!」

何故か弾かれて、雷を覚えられない。
その時、俺の頭の中に声が聞こえた。
《甘いぞ、ビリリダマよ。お主は技マシンを使えぬ。》
長老!!何てことしてくれる!
〈じゃあ、他人の補助しか出来ねえのかよ!?〉
《その場合、経験値はほっとんど貰えないがな。》
〈うぎゃあああ〉
7人が憐れんでる……。


〈ごめんな、何か迷惑掛けっぱなしで……〉
「い、いいよいいよ。何も悪くないし」
「せやで。お前に責任はないやろ」
そして、さよならの時になって、女が何かを俺に渡す。
これは……ヒメリの実?
〈貴重だろ?いいのか?〉
「トモダチのしるし。これを見て食べて、私達を思い出してね」
「お前、色々あるやろうけど、負けんな!」
「強くなったお前とまた再会したいわ」
久し振りの優しさに心が温まった。
俺は嬉しさと共に、テレポートをした。




マコです。
これにて完結です。
しかし、長老は悪いですね。
研磨して、更に変なオプションをつけるとは。
音色さん、ありがとうございました。
【コラボ万歳】


  [No.1865] 【書いてみました】飛んで来てみたら(前編) 投稿者:マコ  投稿日:2011/09/16(Fri) 03:50:32   67clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

俺はビリリダマ。元・人間。訳あってポケモン世界に迷いこんで、もふもふという名の研磨をされ、テレポートで色んな世界をさ迷っている。


で、飛んで来たのはいいんだが……。


何で俺は黒ずくめの奴に抱かれてんだ!
仕方がねえからじたばたと暴れてやった。
「フン、ただのボール風情が、暴れたって一緒だ!」
効いてねえっ!まあ俺はじたばたなんて覚えてねえし、ビリリダマはじたばた覚えねえからな。
じゃあ、今度はテレポート……。



出来ねえ!!
何で出来……あ、そこには棺桶の……デスカーン。
こいつ、黒い眼差し使って来やがった。逃げられねえのか……。


俺が諦めかけた、その時だった。


救世主、否、救世主達は、突如として来やがった。


正直、俺の周りには、わんさかと黒ずくめの奴、つまりロケット団がいた訳だ。
だが、突如として現れた6人の男と1人の女は、ポケモンに上手く指示して、悪党をバタバタ倒していく。
つえぇな、こいつら。
特に女が。弱点とか見抜く知識が半端ない。


つうか、俺を抱いてる奴もヤバイって顏してやがるし、そろそろ悪党全滅、か?
けど、その悪党は意外なことしやがった。

ポーン

ってえええっ!
俺投げられた!
やべえっ、逃げて逃げて救世主さん、俺に当たったらマジで死ぬから!

「ビリリダマ投げたやん!」
「アカン、どうすりゃええねん!」
カンサイ弁で言われても!俺も無理!
つうか、このまま人殺しとかになったら俺どうなるのまさか刑務所とか処分場とか
「ら、ラグラージ!」
あ、女が動いて沼魚が出てきた。
ってぶつかる!

ゴト……。


「……え?」
「爆発……せえへんやんか」
俺……地面に衝突したはずなのに爆発してねえ。何で……。


……あ。思い出した。ラグラージ。
確かこいつ、隠れ特性持ってて、それが「湿り気」だった気が。
「ともかく、これで人質ならぬポケ質いないから、思い切って攻撃できる!」
女がそうやって宣言していた。こいつだけ言葉の感じが違うのか。


俺は助けてもらったから、恩返しをしたくなった。


空に向かって叫んだら、雨雲来た。つうか呼んだ。
そうしたら、とにかく雨降った。雨乞いだからな。

まあ、雨降るのはここら辺だけだがな。

救世主は最後の仕上げとばかりに、電気のポケモンばかり出している。あ、指示出る。
「ライボルト、」
「デンチュラ、」
「レントラー、」
「デンリュウ、」
「サンダース、」
「ジバコイル、」
『雷!!』


6本分の太い稲光が煌めいたから、俺らは勝った、はずだよな。




後編へ続く。



マコです。
まず、音色さん、さ迷うビリリダマを勝手に使ってすみません。
私の話の世界に迷いこませてみました。
後、折角だから、と、テレポート以外の技使わせてみました。
雨乞いからの必中雷コンボで相手を打ち破りました。
攻撃技がなくても、協力すれば、何とかなるようです。
それでは、また後編で!


【何か色々すみません】
【コラボを恐れないで】


  [No.1755] ミドリのジャローダに彼女が出来たようです。 投稿者:紀成  投稿日:2011/08/16(Tue) 10:54:51   83clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

最近、仕事があまりはかどらない。パソコンは使えるが、愛用の机が使えないことが多くなっているからだ。冷房の効いた部屋で、ガラステーブルで慣れない体勢で仕事をする。当然、腰も痛くなる。
理由は分かっている。ジャローダのせいだ。
自分の机を陣取って、せっせと手紙を書いているのだ。尻尾を器用に使い、ガラスペンでインクをつけ、可愛らしい便箋に文字を書いていく。はっきり言って何を書いているのかさっぱり分からないが、ポケモン同士では通じるのだろう。
そして、その書いている横顔がとても嬉しそうなことに、本人は気付いているのだろうか。ツタージャ時代からクールで通してきた彼の性格が、ここで崩れるとは。
主人であるミドリはおろか、本人すら予測できていなかったのかもしれない。

そう。ジャローダに、彼女が出来たのだ。

一ヶ月ほど前。期末試験が終わった日、ミドリは家に戻らずに直接ヒウンシティへ向かった。十三時発のホウエン、ミナモシティ行きの客船に乗るためだ。毎月連載している雑誌のコラムに、ホウエン地方のコンテストを紹介することになっていたのだ。
船に揺られて三日。ミナモシティに着いたその足でミドリはコンテスト会場に向かった。ノーマル、スーパー、ハイパー、マスター。全てのランクと、五つの部門がそろった巨大な会場だ。
会場内はコーディネーター達が沢山いた。連れているポケモンはどれも毛並みがそろっていて、艶もいい。片隅にはポロック製作の機械もある。
その中に、ミドリは一際輝く毛並みを持ったミロカロスを連れた女性を見つけた。女性自身も美しい。
「あの、お時間よろしいですか」
女性が振り向いた。ミドリは名刺を取り出す。彼女は驚いた顔になった。
「まあ!記者さんなの?」
「こんな子供に…とお思いかもしれませんが、全力で記事を書かせていただきます。取材よろしいですか」
彼女が笑った。
「ええ。お願いするわ。どんなことも聞いて」
「ありがとうございます。では…」
彼女の名前はミレイ。キナギタウン出身の二十八歳。連れているミロカロスは幼い頃、ヒンバスの時に怪我をしていた物を助けてそのまま手持ちになったという。
「最初はどうしていいか分からなかったの。バトル向きでも、コンテスト向きでもないでしょ。でもね、ある時本で見たのよ。すごく珍しいポケモンだって」
進化方法は、しぶいポロックを沢山あげること。美しさを磨いて進化するらしい。かなり特殊な進化方法だ。
「しぶい味の木の実を集めるのに一ヶ月。レベルの高いポロックを作るのに二ヶ月。進化させるのに三ヶ月」
「大変ですね…」
「でも今ではバトル、コンテスト共に活躍できる、大切な相棒よ!」
ミロカロスが嬉しそうに鳴いた。大きい。どのくらいあるだろう。これじゃうちのジャローダよりでかい…
「貴方はどんなポケモンを連れてるの?もしよければ、見せてくれないかしら」
私はボールを二つ取り出した。海の側で、しかも冷房が効いてるから、彼も水蒸気になることはないだろう。
「ジャローダ!フリージオ!」
ギャラリーが大きくどよめいた。当たり前といえば、当たり前。イッシュのポケモンはここでは見られない。
ジャローダは相変わらずツンとすまし顔。フリージオは周りの熱気で今にも水蒸気になってしまいそうだ。
しかしこうして比べて見るとミロカロスはでかい。ジャローダの二倍近くある。うちのジャローダは♂なんだけどなあ…
ふと、ミロカロスがミレイの後ろに隠れてしまった。彼女がどいても、すぐにまた隠れてしまう。
「どうしたの、ミロカロス」
私とジャローダは顔を見合わせた。もしかして…もしかすると…
ジャローダは何処から取り出したのか、バラの花を差し出した。だけどミロカロスは出てこない。尻尾を器用に使って受け取るだけだ。
「…」
私はこんな人間臭い姿を見せるポケモンを、初めて見た。


まあ、それから二日の滞在期間の間にめでたく二匹は恋人同士になって、今は遠距離恋愛中。年の差って感じじゃないけど、体格差…?カップルの誕生となったのでした。
ちなみにユエさんに話したら、『うちのバクフーンもそういうお相手がいてもいいかもね』って。
その言葉を聞いたバクフーンが食べていたユキノオーカキ氷を噴き出しかけたのは、また別の話。

――――――――
何かシリーズ化した。そして音色さんありがとうございます。さて何をいただけるのか…
楽しみにしております!さて次は誰のポケモンにしようかなー


  [No.1754] 成長した火山にお祝いを 投稿者:音色  投稿日:2011/08/15(Mon) 23:56:07   81clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「これはこれは・・・」

 いつものようにメラルバを預けにきた黒服の男性は、贔屓にしているカフェの看板息子の急成長にさすがに戸惑いを隠せなかった。

「朝起きたら、進化してたのよ」

 店主の言葉に苦笑する。アイテムを利用する進化ならともかく、己の経験によって姿を変える種族であるならばあり得る話だ。
 カウンターに寄りかかるようにしてこちらを見ているバクフ―ンも、どこか気まずそうな顔をしている。

「ふふふ、とても立派になられましたね。私としても、彼の成長は喜ばしい限りですよ」
「よかったわねー、そう言ってもらえて」

 よろしいですか、と前置きをして大きくなった火山の首元をそっと撫でてやる。マグマラシの時にもメラルバと一緒にたまに近寄って来たときに、よくこうしてやった。
 やはりくすぐったいのが、目を細めて嬉しそうな顔になる。

「では、いつものようにお願いしますね」

 まだ少し眠りの中にいるメラルバをそっと彼に預ける。
 マグマラシ時代の時は、少しずつ成長するメラルバを抱っこするだけで精一杯だったのに、今では頼もしく彼女を受け止めてくれた。


 ぱちり、と目を覚ましたメラルバはいつも嗅ぎ慣れた匂いが少し変わっていることに首をかしげた。
 くんくん、と抱っこしてくれている相手がどうもいつもより、大きい。
『ほえぇ?』
『ん、起きたか?』
 見上げたそれは、見慣れたマグマラシではない。しかし、変わらない彼であるという事が匂いで分かる。
 大きく、温かくなった彼に、メラルバは一気に鼻をこすりつけて甘え始めた。


「さて、何がよろしいでしょうかねぇ」
 その頃、カクライはショッピングモールにいた。
 バクフ―ンに・・彼に気に入ってもらえるものはなんだろうか。
「ふふふ、他者に何かを送るという事は、久しぶりですね」
 心なしか、彼の口元は緩んでいた。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談  つづくよ、たぶん
バクフ―ンもふもふしに行きたい。うちのメラルバぎゅぎゅっとしてください。

【進化おめでと―!】


  [No.1753] そこは金色の大地 投稿者:音色  投稿日:2011/08/15(Mon) 23:31:42   120clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 テレポート 13/20

 ごろりとやってきた場所は、なんかすごく静かだった。
 鮮やかに広がる田畑は金色で、豊作の秋がその場を支配する。
 なんつーか、えらく平和な場所に来てしまった。いやー、今までは586様ワールドばかりをさまよってたわけだからこういう呑気な場所だと落ち着く。
 ・・いや、落ち着きたいんだけど。

 どうもここも穏やかな空気とは裏腹な気がする。

 ごろごろごろり、転がっていくと何やらお祭り準備ムードをぶつかる。
 雨降大社、と書かれた場所にうっかり出てしまった。中から声が聞こえる。

 
 燃えよ、燃えよ、大地よ燃えよ
 燃えよ、燃えよ、大地よ燃えよ

 見よ、暗き空 現れし火を
 火よ我が命に答えよ

 燃え上がれ火 燃え上がれ火 燃え上がれ炎よ
 燃え上がれ火 燃え上がれ火 燃え上がれ我が炎
 我が眼前に広がるは紅き地平

 燃えよ、燃えよ、大地よ燃えよ
 恐れよ人の子 我が炎
 燃えよ、燃えよ、野の火よ燃えよ
 放たれし火 金色の大地に燃えよ


 少し細いがまぁ窓越しに聞こえるから良いんじゃね、と適当な事を思っていたらなにやらダメ出しをされている。
 妖怪九十九は人を食って云々、のあたりで納得する。なるほど、どうやらかの有名なツッキ―のお話らしい。
 しばらくマシンガントークで怒られるツッキ―に多少同情。しかしどこかで何かを間違うと俺が喰われかけるかもしれない。ビリリダマだけど。
 お話の展開的にそりゃないか。
 長居してもあれかな、と思って転がり出す。後ろからはっきりとした声で雨の歌が聞こえた。


 降らせ、降らせ、天よりの水
 降らせ、降らせ、天よりの水

 見よ、空覆う暗き雲を
 雲よ我が命に答えよ

 降らせ雨を 降らせ雨を 消え去れ炎よ
 降らせ雨を 降らせ雨を 消え去れ悪しき火
 我が眼前に広がるは豊かな田

 降らせ、降らせ、大地を濡らせ
 恐れよ妖 我が力
 降らせ、降らせ、野の火を流せ
 降らせ雨を 金色の大地を濡らせ


 歌はまるである種の呪詛でもある。
 毎年毎年歌い続けば、それだけ強くなるような気もする。
 部外者が勝手なこと言ってんじゃねーよ、一人突っ込んで転がっていく。


 あり、と気がつけばどうも不思議な時間になっていた。
 先ほどまでは確かに昼だった。太陽は天辺近くにあり当分夜は来ないとばかりに思っていれば。

 夕日だった。なんか、時間がおかしい。勢いよく風が吹いた。

 ばったりと、ダ―テングにあった。
 ただ普通のとちょっと違ってる感じで。威風堂々、というか、そりゃまぁ立派だった。蓄えた白髭がよく似合っている。
 まるで風と一緒にそいつが現れて、なんというか、不思議と怖くなかった。
 
「この辺では見ない者だな」

 狐の眷族ではないだろう、ぽつりと天狗は言った。
 あぁ、そういえば、あの話のなかには居場所を奪われた山の神様が登場したなぁ。ふと思い出す。

「この景色が好きか?」
「へ、えぇ、まぁ、好きです」

 突然聞かれて思わず適当な言葉を返す。風が波打つ金の穂、夕闇が僅かに橙色を残して田を染め抜いていく。

「そうか」

 友の狐もこの景色が二番目に好きだと言っていた。
 ほんの気まぐれで、間違いだらけで迷い込んだ俺に話しかける天狗は、少し寂しそうだった。
 神としての名を呼ばれることが、この先に、おそらく二度とないだろうと先刻その妖孤と語ったばかりなんだろうと、思い立つ。

「俺は、忘れませんよ!」
「?」

 テレポート間際に、どうにか思い出した山の神の名前を呼ぶ。
 どんな表情したのか、見れば良かったと後悔したけど、まぁ、いいか。



 部外者、読者、そこにいちゃいけない舞台裏。
 ごろごろしながら俺は今日も迷子です。


 つづけむっそ
――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談  やっちまいました。野の火とのコラボ。いやなんかもうごめんなさい。白髭さん大好きです。


【コミケお疲れさまでした!という思いを込めて】
【もうお約束だ、拍手を(略】


  [No.1752] ユエのマグマラシが進化したようです。 投稿者:紀成  投稿日:2011/08/15(Mon) 20:46:36   91clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「…」
ユエは上を見ていた。腕を組んでいるポーズを取っている。相手から見れば豊かな胸が強調されていることがよく分かるだろう。まあ見慣れた光景だから別に困ることはないのだが。
相手はユエを見下していた。初めての光景に、どうやら戸惑っているらしい。落ち着きが無い。今まで見ていた物がいきなり小さく見える。冷蔵庫、テーブル、椅子、ご飯皿、テレビ、ベッド、などなど。
「どうしてこうなったのかしらね」
喜ぶべき、なのかもしれない。だが今の状況は簡単に喜べなかった。
昨夜、『電気消すわよ』と言って彼がベッドに潜り込んだのを確認して電気を消した。そのまま一度も起きずに規定時間になって目覚ましで目を覚ました。
そしてふと横を見て…

マグマラシが、バクフーンになっていた。

その時まだ本人は気付いてなかったようで、幸せそうにいびきをかいていた。マグマラシの時なら可愛い仕草の一つとして写真でも撮っていたところだが、今度はそうはいかない。
ユエのベッドはもちろんシングルサイズだ。マグマラシは丁度ユエの隣で丸くなる体勢になる。
だがバクフーンになるとそれはかなり難しくなる。ユエの身長は百六十ちょっと。バクフーンは平均で百七十。シングルベッドの高さはいいとして、幅は…
案の定、今朝もう少しで相手の長い鋭い爪がパジャマを引き裂くような場所まで来ていた。一瞬夢かと思ったが、ふと頬を抓ってみて夢じゃないことを確信した後は、相手が驚いて炎を吐かないようにそっと起こして状況を確認させて―
今に至る。

「参ったわねえ…看板息子がこんなにでかくなっちゃあ」
ガーン、という効果音が聞こえた気がした。バクフーンが半べそをかいている。ユエがため息をついた。
「冗談、冗談よ。メンタル面弱くなったんじゃないの」
ぽんぽんと頭を叩いてやれば、バクフーンがユエに寄りかかってきた。もふもふが顔に当たって苦しい。そして炎タイプだからか熱い。
「はいはい、さっさと食事してカフェに行くわよ。…カクライさんのメラルバ、大丈夫かしら」


数時間後。
変貌したバクフーンを見てメラルバが目を輝かせ、夏休み後半で宿題に追われていた学生達が一時中断の写メ大会になり、非番で来ていたサクライとヒメヤがそれぞれ、『寝てる間か…溜まってんじゃねえのか』『警部、それはセクハラと見られても仕方が無い発言です』という会話が交わされたという…

――――――――――
そろそろ進化させた方がいいかなと思った結果がこれだよ!
サクライさんとヒメヤさん。名前を出すのは初めてかと思われます。奇妙な一日でゼクロムとレシラム注文してた二人です。職業は警部、刑事。サクライさんは四十半ば。ヒメヤさんは二十代後半。
前者は駄目男なイメージがありますが、やることはきちんとやります。ヒメヤさんは下睫が特徴のイケメン。
こんな感じでよろしくお願いします。…やっと出せた


  [No.1740] ホウセンカボムwith不発ボール 投稿者:音色  投稿日:2011/08/11(Thu) 22:40:34   102clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 テレポート 14/20

 真っ白なブラウス、真っ赤なロングスカート。
 全身を包む淡い光。対照的な黒髪がまた光を際立たせる。

「ふ、ふ、ふ。もう誰にも会わないと思ってたのに、こんなところでがっちゃんこされる前のバクダンボールに会っちゃうなんて。おもしろすぎるよ」

 こんな不思議な事、なかなかないよ。淡く光るその人は、なんか楽しそうだった。
 俺の目の前には爆発前の、紅白まんじゅうさんがいた。

「反攻して、脱線して、ここに来たのに、どうして君がいるのかな?」

 いや、いるのかな?と言われましても。
 この場合、俺の言葉は通じるんだろうか。人とポケモン、がっちゃんこの場合は。分からん。

「ふ、ふ、ふ。まぁ、いいよ。最後の最後に、話し相手がおんなじバクダンボールなんて。傑作だよ。よくできてるよ」

 しゃがみこまれた。俺はどうすればいいのか分からない。
 テレポートした場所が、コガネのラジオ塔の隅っこなのか、と見当がつくだけで。

「君を巻き込みたくはないんだ。私がどかん、したら、君もどかん、じゃすまないよ。多分、どかんとする前に、木端微塵だよ」

 それはさすがにご遠慮したい。ごろごろごろ、紅白まんじゅうさんの周りを一周してみる。

「私ね、さっき、生まれて初めてたくさんしゃべったんだ。ジャージちゃんって言うんだけどね、その子のおかげでここに脱線したんだけど」

 ホウセンカそっくり、を自称するお嬢さんは、おんなじ爆発物にたいして短いお話をする。
 簡単な仕組みで、どかんと一発。人をたくさん巻き込めるように作られた、怖い怖い、恐ろしい才能。でも、使い捨ての才能。

「リサイクル不可能、ってあたりが素晴らしいよね。威力を大きくして、自分も吹っ飛んで、証拠隠滅。作った方は安全安心。拍手喝采だね」

 本来のポケモンは、自分の体力の全てを使って爆発する。まさに『じばく』で『だいばくはつ』。
 でもそれは、あくまでも衝撃とかエネルギーを周囲に放出するだけで、自分は、そりゃ激しく傷つくけど、生きてはいるわけで。
 入れ物を吹き飛ばす、自分の体が壊れることをお構いなしで爆発すれば、威力なんて、それじゃない。

「さて、私の最後のお話はこれでおしまい。なんか、聞いてもらってほっとしたよ。やっぱりおんなじバクダンボールだからかな?」

 ふ、ふ、ふ。笑って、すっと立ち上がる。

「それじゃあ、バイバイだよ。ちゃんと遠くに離れるんだよ。いいかい?わかった?」

 まんまるな体だと、肯定と否定はどう表せばいいのか、よく分からんけども。
 とりあえず、くるりと背を向けた紅白まんじゅうさんを見て。
 俺は、テレポートした。


 つづけっきんぐ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談  ビリリダマ、爆発、ホウセンカ、紅白まんじゅうさん。
これだけそろってるんだから書かないわけにいかない。

【大好きですホウセンカ】
【はーくーしゅ!はーく(殴】


  [No.1739] (_・_・_)←ビリリダマじゃなくてマルマインっぽい 投稿者:音色  投稿日:2011/08/11(Thu) 21:21:36   65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

> なんか上がっとるーっ!!(素

 なんかあげてみたー。ども、音色です。

> どうも、ご無沙汰しております。586です。会社で携帯から読ませていただきました!

 586様ご機嫌麗しゅう、お勤め中にチェックしていただいて光栄至極!

> 携帯からは書けないので寮に戻ってきてから書いてますが、読めば読むほど小ネタの仕込みっぷりが素敵で笑わせていただきました。鈴木三郎さんとか完全に忘れてたよ!
> 作品のチョイスが全体的にマニアックなのがツボでした。ああ、こんな作品も書いたなぁと感慨にふけることしきり。。。

 俺が特に好きな作品を詰め込みましたw
 大丈夫!まだテレポートのPPは残っているのですw

> 最後にちらっと出てくるチルチルちゃんも含めて、とても面白かったです。
> 久々にうちも何か書きたいですが、仕事が超絶大ピンチ+夏コミ前で身動きが取れませぬぐぬぬ。ネタが結構あるだけに歯がゆいことこの上なしです(´・ω・`)

 喜んでいただけなら何より!
 586様の夏コミ本が気になって欲しくてでも行けなくて、首吊りたい。

> 疲れた体によく効く素敵な内容でした。どうもありがとうございます! 明日……というか今日も頑張ろうと思います!(目覚ましをセットしながら

 がんばってください!
 よし、586様をさらに癒すことができるようなお話を・・・書ける・・かなぁ・・。

 がむばりますっ!では


| 1 | 2 | 3 | 4 |


- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 削除キー