【007】しんぴのまもり 作:おりんご

 ☆13 ☆☆11 ☆☆☆6 =53


(自由感想)
・台詞が多すぎる。人は気持ちをこのようにいちいち言葉にはしません。気持ちの描写をしてください。物事の描写も甘い。
・お母さんの存在が都合よすぎる
・話はいいのだが全体的に文章力がない。テンプレちっくである。
りえ大統領

☆☆
 テーマはタマゴと思われる。誤字脱字及び話の流れに不自然な点は見当たらなかった(5/11時点)。ただ、テーマであるタマゴがハハコモリの死によって、やや陰りがちだったと感じられた。また、物語に直接関係するわけではないが、「しんぴのまもり」は状態異常を治すのではなく「状態異常になるのを事前に防ぐ」技。状態異常を治すのは「いやしのすず」や「アロマセラピー」である。この辺りをもう少し勉強してもらいたい。
あつあつおでん

☆☆☆
 感動しました。女の子と、クーちゃんことハハコモりのお互いの優しさに、ナミダが…!

☆☆☆
 主人公が人として、成長するシーンをよく書けていたが、クーちゃんと主人公が心を通い合わせる過程や母親がクーちゃんを逃がすのを進める理由など、描写が物足りないと感じる部分もあった。クーちゃんへの思い入れや周りと自分と違いはなかったと悟る場面は上手く書けていただけに惜しいと感じた。
西条流月

☆☆☆
 グッと来た文【「……しんぴのまもり=c…?」 クーちゃんは、私のこれを状態異常だと考えたのかもしれない。その優しさが泣きたいくらい嬉しくて、声にならない声になって、心の中に何かが染み渡った。】
 クーちゃんの優しさに涙腺が熱くなりました。元トレーナーの少年のことを恨んでいる様子もなく、また、あの時の『しんぴのまもり』は彼女に笑顔を見せて欲しいという想いが込められているのかな……と思うと胸が……。そして、クーちゃんの残してくれたタマゴが持つ意味にも胸を打たれました。まさか『クーちゃん』という名前が元トレーナーの少年の呼ばれ名だったとは……!あのハハコモリのクーちゃんは色々なものを残してくれたんですね……元トレーナーの少年と彼女を繋げてくれたのもハハコモリのクーちゃんが残してくれた一つのキセキだと個人的には思っています。
巳佑


 お題:タマゴ(物理的、育て屋)
 途中までの展開が重たくて、ハッピーエンドではあるのに、素直にそれが感じられないのが、ちょっと辛いところ。ハハコモリの手袋の意味を知らなかった育て屋さんとか、わざわざガキ大将に呼ばせなくてもよかったんじゃないかとか、クーちゃんの偶然は結構ご都合主義じゃないかとか、結構思うところはありました。
レイニー


・ボックスに預けるのがかわいそうという価値観に全く共感出来ないのです。ボックスとは、通信システムを利用して預かってくれる、育て屋に似たシステムを持つものだと考えているので。「ゲームのポケモンの世界はポケモンに対してむごいことをしている」みたいな、過保護な考え方がどうしても好きになれない。
・母親にも信じられていない主人公……不憫です……。
・クーちゃんの弱り方、「カビが生えたかのように」などの表現は凄くよかったです。
・あと、一回目読んだ時ハハコモリをココロモリと勘違いして読んで「虫……?」と首を傾げたのはナイショです。←
乃響じゅん。

☆☆
 キャラクターの作り方が巧いと思いました。短いお話の中でも一人一人が個性を持っていました。ですがそれだけに、女の子以外のキャラクターがどのような感情の変化で優しくなっていったのか、あまり描かれていなかったので残念でした。もうちょっとだけ掘り下げればもっといい作品になると思います。字数制限ぎりぎりなので仕方ないのかもしれませんが、本当に惜しいです。



押し付けだけじゃない登場人物たちの考え方が大人ですね。


 最初の方での少年の描写では、読者にとっては非常に感情移入がしにくい。そのため、後の方で少年を見直すに至る過程が唐突に感じる。もう一工夫か、さらなる描きこみが欲しいところ。気になった文章。>学校へ行くといつものようにクーちゃんについて質問をしてくるクラスの子たちが、私の方を見ながら何かを話しているのだ。文脈がおかしく感じられる。「以前は直接質問など話かけてきて、人気者として扱われていた」のが、この日はそうではなく、「直接話しかけて来ず、仲間はずれにしている」という流れだと思うのだが、そうであれば、例えば以下のような流れではどうか。例:「いつもならクーちゃんについての質問などを話しかけてきていたクラスの子たちが、今日は全く私に近づこうとせず、互いに何かひそひそ話をしているのだ。」
サトチ


 ああ、良い話だなと思います。なによりもオチが綺麗でした。話の構成は良かったです。 ただキャラクターに魅力的要素がまるでありませんでした。キャラクターの行動ぶれすぎて性格がわからない。かろうじて主人公が鬼女かメンヘラ辺りなのは読めました。以下ツッコミ。
>私は大声で泣いた。泣きたかったけれど、泣けなかった。
 どっちやねーん!(どんがらがっしゃん 心で泣いて涙腺緩まず? これで判断しろは無理というよりは面倒です。
>ギシリッと硝子の破片を踏み潰したような音が少年の足元から響いた。はっとしてハハコモリのそばのモンスターボールを見ると、ぺしゃんこにつぶれていた。
 脆すぎる。モンスターボールってアニメやコミックスを見る限り、しょっちゅう地面におちるものだと思ってるんですが、この程度で割れるのは販売元の品質管理が最悪です。割れるなら割れると一言欲しい。>>こんな汚いガーメイルとクーちゃんの価値を同じにしてほしくない。
 ええええええ! 能力糞とか言われたハハコモリ引き取るヨイコだと思ったのに他人のポケモン汚いとか言うのはヨクナイコ。キャラクターがぶれます。 さらにそのあと罰だのなんだのと、この子結構酷いこと言ったりするんですよね。なんかもう将来結構怖い女の子になりそうで不安。もはや良い子とは言い難い。ここで鬼女かメンヘラと認定しました。
>クーちゃんは、私の足の後ろに隠れ、顔だけ出してお母さんをじっと見ている。
 ハハコモリの高さは1、2m。そしてこの子の背丈が年齢的にそんなに高いとは思えません。『足の後ろ』ではなく『後ろ』が正解では? 続きましてお母さんがポケモン飼うことに反対してるのに、
>でも、いろんな乗り物に乗るだろうからポケモンにはつらいと思うの。
 っていきなり気を使いだすところが謎でした。せめてお母さん主張一貫するべき。
>私がそう言うと、ぎこちなくガキ大将は笑った。
 いつの間に和解したのでしょうか。わたしにはまるで読み取れません。むしろ険悪になったんじゃなかったの。
 やはりいくらか唐突だった箇所があったと思えます。そしてキャラクターの心をもっと大事にしてあげてください。
でりでり

☆☆
 今回も複数あった、一万字作品。
 その中では、間違いなく最もレベルの高かった一作だと思います。唐突に一緒に暮らす事になった、少女とハハコモリの優しく暖かな交流。
 代償として訪れた冬の時代と、その先にやってきた突然の別れ。喪失を経て主人公は自分の過ちを悟り、最終的にはもう一度身の丈に合ったスタートを切り直す。
 ……かなりパートが多いにもかかわらず、限られた字数の中にそれらを全て収め切っており、しかもストーリー的には全く小揺るぎもせずに、綺麗な形で完結させています。
 これは素晴らしい・・・! 目を引く心理描写も結構見受けられましたし、それを情景描写とかけ合わせる技法も、比較的しっかりしていました。しかしながら、問題と思われる点もちらほら。先ず、序盤に使われている『感心して笑いながら』と言う語句は、残念ながら幾度か読み返してみたにも拘らず、かかって来る単語がどれであるのか、結局分からず仕舞いでした。 ……自分の読解力不足やも知れませんが、現時点ではこれは不適切であると認識しております。次に、全体的に登場人物の反応や心の変遷が、バタバタしているような感触を受けました。 簡単に移り変わってしまうし、それに至る経過の描写が非常に物足りなかった。
 ……パートが多いのは読み手としては嬉しいのですが、ここは幾つか削ってでも、個々のパートの充実に力を入れても良かったような気がします。(とは言っても、先ず自分がこれを実践出来て無いんですけどね・・・  汗)後最後に、これは他の審査員の方もご指摘なさっておられると思いますが・・・タイトルがちょっと(汗)
 あのシーン自体は自分も大好きなのですが、流石にあれだけのアピールで物語全体を纏めるのは、かなり無理がある気が致します。致命的な欠陥では無いですが、タイトルは作品そのものを体現する重要なパートですので、物語かタイトルのどっちかに、もう少し歩み寄りが欲しかった。あと少し。 まさにほんの少しで、もう一ランク評価が上がっていた好作品。それだけに、全体の仕上がりがちょっと荒いように感じたのは残念です。
クーウィ


 情景の見えない作品。大黒の前で台詞と手振り身振りだけの演劇を想像してみてほしい。だいたいそんな感じのテキストではないだろうか。
 作中主体の心情とそれに応じた台詞は悪くないし、また短パン小僧とガキ大将のキャラクターがしっかり立っていて、味のある助演俳優までいる訳だ。あとは大道具を組み立てて、それをテキストに起こしてみればいい。
 実家のどこで母親と話しているのか。育て屋の建物はどんな雰囲気で、クーちゃんの容態に対して他のポケモンはどんな様子なのか。学校にはどのぐらいの級友がいて、どんな校舎で、石を投げられた通学路はどんな道なのか。みんなが石を拾って投げるくらいだから、整備されていないだろうし、それは山道なのか、田畑に囲まれた道なのか。そしてそれらの自然によって心情描写を強化できないか。 まだまだ書くべきことはたくさんあると思うが、いかがだろう。
渡邉健太

☆☆
 ポケモンというゲームスタイルは昆虫採集をモチーフにしており、虫ポケモンを扱ったことも影響したのだろう。読んでいて小学校の夏休みのような懐かしさを感じた。クーちゃんが死んでしまった時の主人公の反応がこの年の子らしいなと思った。大人の冷めた反応に反発したり、ケンカしたり、泣いたり、怒ったり。こういうことを経験して大きくなっていくんだよなぁ……と。
 我々がリアルに接する虫というのは命の一サイクルが短い。短い期間に体験する死と再生といった題材が虫ポケモンを使うことによってうまく織り込まれていると思う。 指摘点としては、男の子の名前がクーちゃんだったくだりの説明が分かりずらかった点。無理やり感があったというか。もう少しフォローが必要だろう。 それとタイトルのセレクトがよくなかった気がする。「しんぴのまもり」自体は物語の一場面として出てくるだけで、ここで描いた主題とは密接な関係が無いからである(シーンそのものはいいと思うのだが)。「クーちゃんと私」とか「クーちゃんのいた夏」とかの題名にしたほうがよかったと思う。
 虫というあたり、家族で旅行に行くあたりから私は勝手に夏をイメージしていたんだけど、小説内を見渡す限りにおいてそれといった描写は無い(見逃してたらごめん)。クーちゃんを拾ったのが一学期の終わり頃で、死んじゃったのが、夏休みの終わりごろという気がしていたんだけど実際はどうだったんだろう。文章内に季節の情報を盛り込めるとさらにドラマチックになる気がした。
お題:タマゴ
タグ:一人称、ハハコモリ、育て屋、ノスタルジー
地方:不明
死亡:あり
No.017

☆☆
<作品情報>
テーマ種別 →タマゴ
作品タグ →【物理的なタマゴ】【生と死】【子供のリアリティ】【タイトルに疑問】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →十分満たしている。
テーマの消化度合い →「タマゴ」が作中で重要な位置づけにあることが分かる。問題ない。
<講評>
 話の構成としては決して悪くはありません。幼い子供と生死を扱った作品、という見方ができるかと思います。主人公の子供っぽさというか幼さというか、そういったところが逆にリアリティを持たせています。話の流れも、母親に強く反対される下りや、苛めっ子のシーンなど、定番どころは押さえているという印象です。そしてごくごく個人的に、クラスメートに対して「男子」「女子」の区分けを行っているのがいかにも「それっぽい」と感じました。ありますよね、こういうの。
 全体としては悪くないのですが、如何せん引っかかるのはタイトルと内容のかみ合わなさです。作中で「しんぴのまもり」が使われているシーンは確かにあるのですが、作品全体を通して「タイトルに持ってくることができるか?」と言われると疑問符を付けざるを得ません。使われているシーンも、主人公の記憶に残っているという描写はありますが、強くプッシュされているとは読み取れませんでした。タイトルは作品の「顔」ともいえる部分なので、この引っかかりはやはり大きかったです。今後の更なる活躍に期待しております。
586


一読目:長いと思えば初の1万字作品だった。しかし、どうも後半からが面白くない。前半の流れは良いんだけど後半から読んでいて「は?」となる展開があった。それがなんのかは流し読みだったので俺の読解力の無さが原因かなぁ?
二読目:じっくりいろいろ読み返して分かった。もやもやの原因はお母さんに怒られるら辺からだ。「ひとのせいにするのはやめなさい!」の後にガキ大将が声をかける、そこまでは良い。問題はそこからあとだ。卵をもらって元クーちゃんの親である少年トレーナーの説得の仕方が気に食わないんだ。いきなり卵から出て来いよ、という言い方は百歩譲っても(個人的には何故そこでいきなり卵に例えるんだ、という気もする)友達の話にぶっ飛ぶくだりがどうもすっきりしないのだ。(あくまでも個人的にです)前半がすごくスムーズに言っていたのに後半残りが少なくなってきたからちょっと無理やりまとめてみました、見たいな感じがする。おまけにこの少年トレーナーとガキ大将は何か接点があるのか?そこも謎だし。まさかと思うが少年トレーナー=ガキ大将じゃないだろうな。おまけに何故少年トレーナーの名前が『クーちゃん』?育て屋がいった『クーちゃん』とはハハコモリのことではなく少年の愛称であったと分かるには難しすぎるシーンだし、おまけにあくまでなんとかちゃんとしか言ってないのになんでそんなことが分かるんだ。おまけに少年トレーナーは「クーちゃんって誰だよ」とまで言っている。自分の愛称ならばどうして自分の愛称を知っているのかと突っかかるのでは?もやもや部分が分かって自分的にはすっきりした。
三から八読目:やはり読めば読むほど前半うまいのに後半の奴でおじゃんになってる感がある。九から十読目:最後に気になったこと。しんぴのまもりってオレンジじゃなくて青のイメージがあるんだけどどうだろう?まぁ、その点も踏まえて最終的に☆一つとさせていただきます。後半の運びを直したらもっといい感じになると思うんだけどなー。
音色

☆(作者の為、参加点のみ)
 自己反省。ベタな話すぎるわりには、描写が少ない。文字数に囚われてるのにセリフは省きたくなかったから、ひどいことになった。
おりんご







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