【032】こちら側の半生 作:と

 ☆☆☆23 ☆☆6 ☆1 =82

(自由感想)
・ニックネーム「半生(はんなま)」
・これが優勝でいいよ。
りえ大統領

☆☆☆
 他の作品様なら「印象に残った一文」を勝手に取り上げさせてもらっていたのですが――この作品は作品全体が強烈に印象に残りましたw それはもう――次から次へと言葉にえぐられていくようなこの感覚は何ですか? あ、そうですそうです、「落語」にも近いです。なんかもうセンスの塊。あとはなんか――人の人生をまるまる経験してしまったような気持ちになりました。作者さん当てクイズならこの方が一番自信ありますw
リナ

☆☆☆
 テーマは……鏡だろうか。正直よくわからない。誤字脱字及び話の流れに不自然な点は見当たらなかった(5/14時点)。初めは「テーマが見当たらないニダ!!謝罪と賠償を(ry」と早とちりしたが、しっかり物語全体にちりばめられていた(気がした)。以上の点から☆☆☆とした。☆☆か☆☆☆にするかはかなり難しい作品と感じられた。これは評価と関係ないが、画面に映る「俺」にシンパシーを感じた。
あつあつおでん

☆☆☆
 グッと来た文【最強のポケモンの座はピッピのものとなった。】
 今回のコンテストの中ではエッセイ風(というのですかね?)で一番リアルな感じがしました……ポケモンで繰り広げられる『俺』さんの青春がバシバシと伝わってきました。私はどういうプレイしていたっけな……思い出しながら、読ませてもらいました……緑の頃は何も考えずに秘伝技を主力に教えてさせていたっけ、『いあいぎり』とか。(笑)内容は『俺』さんとピッピさんの運命的な出逢いが印象的でした。ピッピインパクト! と叫びたくなるぐらい。(ドキドキ)そして、ポケモンから離れていく人達から時代の流れを感じたり。私もこれから先、ポケモンとの付き合いが変わったりするのかなぁ……私自身はこれからも好きでいたいと思う今日この頃です。
巳佑

☆☆☆
 誰だこの私好みの毒男を書いたやつは……!いや思い出します、自分もたしかポケモンが好きで好きで、字も書けないころから絵本を描いて、いまやまったくの創作廃人で人生を棒に振りかけ。ところどころから、ポケモンをプレイしてさまざま影響されまくった思い出をあらためてスルメ焼きのように噛み締められました。ありがとうございました。指を振るうほど近づけるらしい夢を叶えるために頑張ります。ちくしょーこれだからポケモンは!
カレー屋さん

☆☆☆
 鏡というテーマで現実とゲームの自分を対比させたところやGB時代からのユーザーには共感せざるを得ないところが多く(自分もやったこともあるのでにやりとした)、実に面白かった。また、個人的に一番秀逸だと思ったのは最後の文の”指を振る。何も起こらない。エンディングはまだまだ、見えない。”の部分は、ゲームでは必ず何かしらが起こる技、指を振るは現実に何も起こしはしないけど、主人公の心には大きな影響を及ぼしたという、 作品全体がよく表れていていい
西条流月

☆☆☆
 面白かったです。これが6000文字しかないとは。もっとたくさんの文章を読んだ気分になりました。最初と最後のシーンは同じ場所なのに、その空間に漂うカラーが180度変わったように感じました。

☆☆☆
 エッセイ!静かに夢を諦めて、人生を下降していき、ある一点からふぅっと二次関数的に昇っていく、そんなイメージのお話でした。個人的に、夢のある人は太っていたとしても感じのいい顔をしてることが多いように思います。多分彼はそういうタイプの男でしょう。応援したくなりますね。頑張れ若者!これで6000字台と言うのが信じられないぐらい濃密な内容でした。ありがとうございます。
乃響じゅん。

☆☆☆
お題:鏡(ディスプレイの向こうの世界)
 とりあえず、批評をするために、真っ先に時系列を書きだしました(笑)主人公は現在大学2年と見た。若いじゃないか!この若さならまだ宇宙も目指せる!頑張れ!(爆)……と主人公にエールを送ったところで、そんな話はいいとして。鏡(ディスプレイ)の向こうの自分(ヒーロー)のピッピに憧れて宇宙を目指す。ポケモンというゲームと現実を鏡として対比させる。お題の使い方がいいなぁと思います。
レイニー

☆☆
 今回の企画の中で一番好きな作品かもしれません……! 私の好きな作家であるM見T彦が描くような残念な男と、どこか皮肉めいた一人称の文体が物語に面白みを与えていました。残念なことはお題の使われ方がいまいちだったことで、☆を3つにできなかったことでしょうかね……。


☆☆
 以前、「自分史ブーム」というのがあったけれど、とてもよく書けているので、全国のおじさまおばさまに手本として見せたい作品。 作中主体がイコール作者なのかは断定できないが、ともかくパーソナリティが分かりやすく、他人の人生ながら面白く読める。ポジティブなデブだからだろう。
 デブはそうでない人に比べて親しみやすさが増すような増さないようなことを、心理学の講義で聞いたような聞かなかったような(笑)。まあ、ともかくポジティブな性格は受け入れやすい。
 難点を挙げれば、“ブサイク”が具体的にどんな主観に基づいているのか、また“とりあえず”置いておいた“九九”はいったいどこへ行ったのかなど、“エンディングはまだまだ、見えない。”あたりだろうか。
 私は宇宙開発にはとんと疎いが、SF映画が大好きである。ぜひ宇宙へ行って、そのことを『こちら側の半生(後編)』として読ませてほしい。
渡邉健太

☆☆☆
 一読目:これは…俺もよく感じるよ。真っ暗になったDSにぶっさいくな自分が映るたびに考える。俺の心理を良くついている。ぐさぐさくるじゃないかどうしてくれる!と叫んだ、おもわず。とにかく文章のテンポが良い。笑える。しかし我が身を振り返ると笑えない。すさまじいなこれ。怖い。二読目:指を振るって確かに怖い。俺のキ―ス(ピッピではなくトゲチックだが)はハイドロカノンやシャドーダイブを披露してくれた。だから彼が破壊光線に感激したことに物凄く共感を覚える。良いじゃないか、ポケモンがきっかけで夢があるなんて。最高だと思う。彼を見ていると俺を見ているようで冷や汗が止まらなくなる作品だこれ。こわいよーでも面白いよー。三から八読目:なんか、読むたびにはははっとなる。笑いの意味は二重です。九から十読目:☆3つくれてやる。俺の負けだ。これおもしろいよ。
音色

☆☆☆
 うほぉぉぉぉ! こいつはすげぇ! こういうのがわたしが書きたいものです、すごい。
 一文目からこれはわたしの大好物だと確信しました。そしてそのまま最後まで飽きさせずに引き付けてくれました。
 この主人公の語りかたが見事で、リズムもあってどんどん読み進みます。
 ものすごい親近感が湧いて、友達にいるんじゃないかなこんなの。もうのめり込みました。素晴らしい。
 話のこのリアリティーが魅力的で、こういうのがたまらなく好きなんです。ありがとうございました。
 元気が出ました。これはふと疲れたときに読み返したい名作。
 わたしはこの35作の中で一番好きです。
でりでり

☆☆☆
<作品情報>
テーマ種別 →鏡
作品タグ →【観念的な鏡】【メタ構成】【ノスタルジー】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →大いにアリ。メタ構成の作風としては理想的。テーマの消化度合い →問題ない。鏡、というテーマが上手く生かされている。
<講評>
 初代からのプレイヤー、それも今に至るまで「ポケットモンスター」を続けているプレイヤーには、やかましいほどに琴線に響く作品と言えるでしょう。某氏(主催者)が推していただけのことはあります。私もいろいろと触れる部分がありました。そういった意味で、この話作りは成功していると言えるでしょう。第三世代辺りから入ったプレイヤーには若干厳しいものがあるかも知れませんが……。
 軽妙なライトノベル的文体が読者をスムーズに物語の世界へ引き込み、主人公の現在の境遇とゲームの中の世界を幾度となくシンクロさせる。ノスタルジーにだけに頼るのではなく、筆者の確かな技巧っぷりがそこかしこに見受けられる作品だと感じました。文句なしの最高評価です。こんな作品が書けるようになりたい! と思わせてくれる作品でした。
586

☆☆☆
 森見登美彦氏の作品を思い出す文体。ポケモンと共に歩んできた主人公の半生。それはこれを読む多くの諸子の人生とも重なるはずだ。ゲームの中でチャンピオンになるのは誰にでも出来ようが、現実世界で夢をずっと持ち続けるということは難しい。重圧に押しつぶされることもあるだろう。しかし「リアル」はまたゲームの中にはけしてありえない無限の可能性をも持つのだ。しみじみとしながらも、どこか爽快さを感じさせる余韻の一品。

サトチ

☆☆☆
 これには参った。 瑕を突きだそうにも全く出て来ない、この上なく厄介な良作。最初に読ませて頂いた時から呆れて溜息が漏れましたが、今こうして批評を書きながら拝見させて頂いても、全然ネタが浮かんで来ない。言葉の選択はウィットに富んでいて斑も無く、文体はリズムがしっかり管理されており、そのテンポは並ぶものも無く。
 これらは全て、この作者の語彙力や文章力、それに何より発想力が、この手の創作活動に於いて極めて非凡である事を、如実に示しているのでしょう。ここまで文句の付け難い作品は、市販の小説に於いてですら珍しい。
 ……無理矢理にこじつけたらそれこそ『負け』みたいな感触がありますので、もう此処は素直に諦めて黙ります(笑)殆ど、反則レベルだと感じましたね……! いやはやお見事!
クーウィ

☆☆☆
 本コンテストが点数制でなら最高得点がつく小説。案の定、ツイッターにこれいいよーって流したら複数のRTが返って来た。
 ハナダシティジムにリザードで挑み、スターミーにボロ負けした経験を持つ自分は、ピッピのはかいこうせんにハートを貫かれてしまった。ああ! なんだよこの小説ずっるいなぁ。初代をプレイした皆さんはここでホイホイされざるをえない。
 リアルな自分、カートリッジの中の自分。DSはそれを映し出す装置としての鏡だ。これも秀逸だと思う。ゲームボーイやDSって電源切るとさ、自分の顔映るよね。そしてふっと現実に引き戻される。リアルの自分に。リアルの自分はチャンピオンなんかじゃないし、一番でもない。よく負けるし、リセットもできない。
 この作品、リアルの自分は、DSの中の自分と比べると……ってところからはじまるのだけど、最終的にはリアルの自己を肯定する。ゲームに無い自分のシナリオを歩もうと。そうあるべきだし、そこを評価したい。私自身そうありたいと思う。
お題:鏡
タグ:一人称、リアル、初代、ピッピ、ゆびをふる、宇宙、個人的大賞
地方:リアル地方(笑)
死亡:なし
No.017







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