【033】Shall We Dance? 作:クーウィ

 ☆9 ☆☆15 ☆☆☆6 =57



 メリッサの物語、という視点がいいですね。

☆☆
 ◇早朝の光の中、彼らは踊った。
 予備知識無しでももちろん楽しめると思います。しかしこの作品は、ゲームをプレイしてその中でメリッサという女性に出会ったことのある読者にとって、とても響く話だと感じました。天真爛漫でユーモアに溢れている印象のメリッサですが、淡々と綴られたやや硬めの文章が彼女の人生をずっしり重みあるものに映していると思います。
リナ

☆☆
 テーマは鏡と思われる。誤字脱字誤用及び話の流れに不自然な点は見当たらなかった(5/20時点)。しかし、テーマの鏡がメリッサや老人の長い身の上話に紛れて、やや取って付けられたような感じだった。以上の点から☆☆とした。これは評価と関係ないが、作者を特定できた気がする。
あつあつおでん

☆☆
 グッと来た文【「Shall We Dance?」と言うその問い掛けに対し、彼女は間を置かず反応すると、自らも精一杯に気品を湛えた笑みで応えて、挨拶と共に片手を差し出し、相手と共に舞台に上がる。】
 今回の作品の中では個人的に一番、まるで映画館に行ったかのような感じがして……素晴らしいヒューマンドラマでした。(ドキドキ)最初は誰のことだろうかと首を傾げていましたが……「あぁ! おば……じゃなくて、メリッサさんか!」と納得しましたです。ゲームで出逢ったときの彼女とはまるで違う……ジムリーダーの過去話とその成長に引き込まれました。ダンスシーンも情熱や優雅さがとても伝わってきました。(ドキドキ)そしてメリッサと老紳士との触れ合いに胸がジーンとなりました。最後のメリッサとのダンスでは次の世代に繋げるといった感じもしました。
巳佑

☆☆☆
 異国からの旅人がそこに根付くまでを上手く書いていたし、これ以上ないほどうまくまとめられていた文句なしの☆三つ
西条流月

☆☆
 何をどう言ったらいいものかわかりませんが、圧倒的な筆力、鏡の使い方。流石です。なにより師匠、女性も書けるじゃないですか……。
カレー屋さん

☆☆☆
 お題:鏡(自らの心を映すダンス)メリッサさんの過去を描いたストーリーにぐっときます。芸術は表現者の心を映す鏡、そしてそれによって相手の心の鏡を晴らしていくという、このお題の使い方はすごく好みです。ただ、お題にたどりつくまでが長いかなと感じてしまうのがちょっとネックかも。あと、伝統舞踊を学びたいなら、ジョウトの方がいいのでは……という無粋なツッコミはやっぱりやめときます(爆)ジョウト地方が同じ国だとは一言も触れられてませんしね!
レイニー


 設定や用語、世界観の説明に多くを費やしていたように思います。巧い表現もありますが、全体的に装飾過多で、読み進めるリズムが狂い、それが物語に少しばかりのマイナスな印象を与えていました。それらが冗長であると感じてしまった一因になるでしょうか。少し直せば素晴らしい作品になりそうなので惜しい作品であると思いました。具体的には描写や文体をもっと簡明にし、短編で書くのであれば必要な設定以外は思い切って削ると、すっきりまとまった良い短編になるのではないでしょうか。


☆☆
 メリッサの話ですね。ダンスとはいかなるものか、その心得を分かりやすく、しかも深く書き込めているように思います。興味はあるけど知識のない私にとっては、結構「ほう」と思わされることも多く、楽しかったです。キャラにスポットを当てたスピンオフと言うのは好きだったりします。この話は、それだけでズルいぐらいに私のテンションを上げてくれました。ちょっとラストが冗長かなぁ、という気がします。「共にステップを踏んでいるうちに〜」以降の文章は、95%ほどカットしてくれた方が読みやすいと思います。分かってることをくどくど言われてるような、説教を聞かされているようで。
乃響じゅん。

☆☆
一読目:すさまじい文章力である。これまさか師匠が書いたのでは!?と疑うが、師匠ならば特徴的な三点リーダがあるはずだがこれはないし、何より師匠本人が出してないって言ってるしな。それにメリッサさんの話だし。ところで内容的にこれ無理にポケモンに絡めなくてもいいような気もするんですけど気のせいですか?
二読目:ポケモンじゃなくてもいいんじゃねこれ、って思ったけどやっぱり一応ポケモンだよなぁ。あと俺がしらないだけなんだけどメリッサさんてフラメンコなの?アニメ知らないし作者様脳内設定だったら申し訳ないんだけども。どっちにしろ、格好の良いジェントルメンも名前を出せ。
三から八読目:…異国ってことは、メリッサさんって外国人だったのか…?(え)
九から十読目:☆2つ。なんか、長すぎる気もしないでもない。ちょっと疲れてくるんだよね、これ。それに今思ったがこれ、メリッサさんの話とは限らねぇよなぁ…。
音色

☆☆
 こぉれはすごい。感服致しました。
 トップクラスで圧倒的な描写力にまるで頭が上がりません。頭が地中に埋まりました。
 無駄がなくキレがあり、最初から最後まで引き付ける力、お見事です。
 じゃあなんで☆☆なのか。
 この作品は爆発力に欠けて、「面白い」作品というより「すごい」作品で終わってしまったかなということです。
 つまり話の盛り上がりが弱いなあと思いました。
 頭が上がらないんですが、こればっかりは堪忍してください。でも☆☆☆に最も近い作品です。
でりでり


<作品情報>
テーマ種別 →鏡?
作品タグ →【テーマ不明】【一般文芸】【表現寄り】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →ほとんど感じられない。一部に固有名詞が登場するのみ。主人公がジムリーダーで、その過去の話というのは何とか理解できたが……
テーマの消化度合い →冒頭に「鏡」が登場しているが、作品のテーマとして生かされているとは言えない。それ以後も言及されていない。
<講評>
 率直に言って非常に評価に困る作品でした。それも、あまりいい意味ではありません。順を追って説明します。 一番最初、予備知識無しでこの作品を読んだ際、「この作品は『ポケットモンスター』の二次創作なのか?」という疑問を抱きました。一部に固有名詞が登場している以外は、ほとんど言及されていません。わずかに登場した固有名詞も、置き換えようと思えば簡単に置き換えられるレベルのものです。これは非常に困りました。いろいろと調べてみて、ジムリーダーの過去の話という設定に気付くことはできましたが、初見では首を傾げたと記載しておきます。
 もう一つ、今回「タマゴ」もしくは「鏡」というお題を元にして作品を書く、という縛りがあるのですが……この作品がどちらを採用したのか、読んだだけでは判断することができませんでした。私の読解力不足と言われればそれまでですし、読み取れない私自身不甲斐ないものを感じていますが、やはりお題を読み取れなかったのは事実です。冒頭に「鏡」を見るシーンがあるので、どちらかというと「鏡」ではないか? と判断しています。 二次創作、及びテーマの消化という二つの観点で疑問が生じてしまった本作については、残念ながら厳しい評価を下さざるを得ません。参考までに、これら二つの前提条件を取り払って純粋に一つの作品として見た場合、派手さはありませんが手堅くまとめられた文芸作品という印象で、決して悪いものではありません。今回は不本意な結果となってしまいましたが、これをもって筆者の技量を否定するものではなく、あくまで今回のコンテストの前提条件を満たしていると思えなかったためによるもの、と受け止めてくだされば幸いです。今後の更なるご活躍に期待しております。
586

☆☆
 ポケモンという題材での2次創作界には珍しい、重いテーマを重厚なタッチで描いている。どちらかというとエキセントリックな描かれ方をすることの多い1人のジムリーダーの来歴を上手くからめ、その内面までも描きあげているのは見事。実に個性的な作品。
サトチ


 文章としては十分なレベルに達しているのだが、いかんせんポケモン小説としての成分が無さすぎた。語られているのがダンスの知識と人間関係のことだけ。ポケモンという単語だけが申し訳程度に出てくるのみでポケモンジャンルでやる必要性を感じなかった。ダイヤモンドパールをプレイしたことがあればヨスガシティジムリーダーメリッサのことだとわかるのだが……。キャラの過去話は二次創作としてはもちろんありなのだが、出す場を間違えた気がしてならない。説明文が多く、元ネタわからない人は退屈するだけだろう。
お題:鏡
タグ:三人称、メリッサ、ダンス、公式キャラ過去話、ヨスガシティ
地方:シンオウ
死亡:あり
No.017

☆☆
 片言の日本語で書かれた、読みにくいテキスト。サルトルのジュネ評を思い出させる。誰かの発した言葉を拾い集めては、どうやらこういう意味らしいという程度に並べたら、本作のようになるのではないだろうか。それが詩編ならばいいが、小説では困る。たくさんの言葉を知ってはいるが、それを使いこなす力量がないとテキストは言っている。
 簡単に言えることをダラダラと長ったらしく書いて、結局何が言いたかったのかが分かり辛い。それも出来事の表層的な部分を羅列しているだけなので、核心が見えない。
 どうやらジェントルマンは“様々な苦労をしつつ親子二人して生計を立て”てきたらしいが、その過程の困難さは“苦労をしつつ”だけでさらりと過ぎる。苦労の欠片も感じられない。 この調子で一万字を書くのはさぞ大変だったろうが、それに付き合って読むのも同様に苦痛を伴う。
 心の交流や、ダンスの魅力は分かった。ペアー・ダンスによって得られる超越的な経験は素晴らしい。ならばそこに注力して、その魅力が際立つ構成にすればよかった。こちらの心に残った疲労感は、感動を凌駕して余りある。
渡邉健太

☆(作者の為、参加点のみ)
 自作品。
 もう一方のお題に則り、今までの殻を破ろうと敢えて専門外の領域に踏み込んでみたが、見事に撃沈。 今まで書いた短編の中でも、ワーストの部類に入る出来。
 ナンテコッタイ……(爆)兎に角、『ストーリーが破錠している』。その一言。削り方が不味かったとか言うより、もともとの文章設計が甘過ぎたと言うべきだろう。 まさに目も当てられないレベル。……泣きたくなってきた。
 逃げるのもそろそろ飽きたし、次は雪辱を誓いたいもの。
クーウィ







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