【017】サニーゴの死骸 作:鶏
☆=9 ☆☆=18 ☆☆☆=11 合計=78

☆(teko)
☆(久方小風夜)
☆(クロトカゲ)


>地平線に向けて突きだした崖は、まるで滑走路みたいだ。
>いつだって地平線は変わらない。
>不意に夕焼けが地平線の彼方に現れた。
>マイカは両手を後ろについて地平線を眺めている。
>海、空、太陽、地平線。
 地平線 → 水平線 かと思われます
>見た目は大して変わらないのに、中見ばかりが変わっていく。
 中見 → 中味 もしくは 中身
>大の字になった少女のヒロコと一緒に滑空していく。
 大の字になった少女のヒロコと → 大の字になった少女と もしくは 大の字になったヒロコと
>何も言えないままリュウは海面に浮かぶ。
 海面 は他の箇所は 水面 となってますので統一した方が良いかと思われます
>小さな波音と供に、マイカがやって来て呟いた。
>深いため息と供に気が抜けていく。
 供に → 共に もしくは 倶に
>突き当たりで周囲を見渡すと右の廊下に二人の姿があった。
 見渡すと → 見回すと
>その言葉に後押しされて、ぼくは再び駈け出す。
>ぼくは燈台に入って階段を駆け上がる。
 駈ける と 駆ける が統一されていません
>翼を降り上げ、風を叩くかのように振り下ろすと、高度は上がる。
 降り上げ → 振り上げ
(門森 輝)


・共感できないから面白くない
・まず海に飛び込むのは危ないと思う
・ヒズミは学校に行っているのかいないのか分からない
・文章は巧み
(音色)


*風を感じない
*>どうしようもなく正しいことだけれど
 とりあえず彼がそこに執着してる感じはわかった
 彼にとっちゃ諦めて大人になる線引き? のような
*自分のポケモンをそこまで信頼できるのがすげえ
 想像したらせなかいたい血だらけ
 服やぶける
 リュックサック? 肩壊す
*勉強だったら遠くに飛んでいけるのだと気づいてしまった
 決め付け方は執着?
*足場のない風の中に飛び出したときの下っ腹が寒くなるあの感じ冷たい海に飛び込んだときの心臓のちぢこまるような感じとかそれにむしろ焦がれるような感じわかるわかるけど書かれてない
 作者は飛び込んだことない?
*ヒズミが自分自身で気が付かなかったことに個人的にちょっとわだかまりがある
*ちゃんとショートストーリーだった!
(CoCo)


この作品読んでなんだかもやりとした感覚が残り、それは何だろうと感想書くためにいろいろ考え、人物相関図を書き。結果、この作品は一万字では足りないのだろうと悟りました。幼い頃の思い出から、三人がエリートコースに進み始めた頃の話や、努力してどんどん天の上の人になっていくヒロコの姿や。そういうもの積み重ねてからこの話にたどりつければ、きっと人物像にもっと深みが出てすっと入り込めたと思います。
だから作者の方には是非この物語の過去を書いていただきたい!幼いころヒロコがグライガーごっこを始めた辺りから、現在に至るまで、各話(もしくは各章)各人の視点で進んでいって、どんどん時間が経過して。で、ラストに『サニーゴの死骸』と。それで本を出してくださったりしたら個人的には完璧。即買います。むしろ買わせてください。
……というわけでひたすら妄想垂れ流しましたが、この字数だと四人の人物像がまだ足りないのかなと。例えばヒロコですが、努力をしていると書いても読者からはその努力は具体的に見えないので、ただただ上から目線だよなぁと思ってしまうのです。推薦で通ったのを黙ってた真意もあまり語られないので、二人を見下していたから奮い立たせるために黙っていたという解釈をしましたが、それだと本当に上から目線で二人のこと友達と思ってないよね。二人を見下すにしてもそこに至る過程がもう少しないと、努力をしてきたという事実は薄れ、ただ単に上から目線の天才と読者は感じてしまうかと。少なくとも私はそう感じました。
要するに彼らが辿ってきた過去の過程がいろいろと見たいなということです。こっそり期待しています(笑)
(レイニー)


率直な感想:モヤッと
青春の苦悩を書いたつもりだろうが、キャラとキャラの精神年齢があっていない。
高校受験なのだから中学生である。この頃というのは確かに受験の不安とか何度やっても点数が上がらないこととか偏差値とか悩むことはあるけれど、それよりもその先にあるキラキラした高校生活に期待する方が大きい。
この「子供の頃は良かった、戻りたいおおおおお」という振り返り方はどうみても20前後の人間の精神である。

この話とは違うけれど、人間が最も老けたと感じるのが20才だそうだ。
万能感に溢れた10代、何が出来て何が出来ないかまだ未定の年齢から一個あがり、だんだんと自分の未来が見えてくる年。そして成長が終わり、劣っていくだけの体。なので老けたと感じるのだ。
キャラクターは物語において重要なものであるはずだ。精神の発達段階を考えてキャラ作りして欲しい。

そろそろ飛ぶ、とか飛ばないとか。
仲間内であれば成績の違いで悩むかもしれないが、その先にあるのは離れるけれど輝かしい未来である。
それらにも絶望しているとは、中学生の年齢で感じるとは到底考えられない。というか感じていたら受験してない。
(きとら)

☆☆(西条流月)
☆☆(砂糖水)
☆☆(匿名)
☆☆(きとかげ)
☆☆(朱雀)
☆☆(匿名)
☆☆(穂風奏)
☆☆(リナ)
☆☆(逆行)
☆☆(小樽ミオ)
☆☆(ラクダ)

☆☆
分かりやすく書けそうなことを、回りくどく書いてしまった印象。
 煩雑で状況を把握し辛い。登場人物が多く、比例して台詞も多い。全員が一斉に喋り出した日には、どこが重要なワードなのか汲み取れない。  ヒロコの単独飛行は突然で、前後の描写をもう少し丁寧にしたい。(久しぶりのグライガーごっこの際に何かしら伏線があるとか。)病院のパートでは、テキストまでもがリュウたちのように息を上げていて読む側は付いていけない。 サニーゴの死骸というモチーフはよかったので、そこへの思い入れにもっと文字を費やして描き込んでほしい。
もうちょっと:☆☆
(渡邉健太)

☆☆
ひとり立ちする意味での飛翔と、ポケモンの力を借りての飛翔。その対比。
最初読んだ時は爽やかでイイ話だなぁと思ったのですが、よくよく読むとどこか違和感が。
多分、書き損ねている部分があったせいだと思います。
一つは、「ヒズミは一体、どの過去に繋ぎとめられていたのか?」ということです。
読む限りでは、勉強が出来なかったことと考えるのが妥当なのでしょう。幼馴染三人に、完全に置いていかれている自分への自己嫌悪なのかな、と。ですが、それは連続した時間の積み重ねであって、特定の出来事ではないので、繋ぎとめられるという表現がしっくり来ないのです。
もう一つ。最後のシーンはヒロコの言葉を受けて、ヒズミは飛び立つ、自分を成長させる決意をしたものだとお見受け致します。が、そうとはどこにも書いていない。そろそろ飛ぼうよ、というヒロコの言葉をヒズミは勘違いしてるんじゃないだろうかと疑う人がいてもおかしくないレベルじゃないでしょうか。
話の流れはあってもフォーカスすべきポイントはどこにあるのか分からない、そんなピンボケ写真を見ている感覚になりました。迷子になってます。
ただ、グライガーごっこというアイデアは好きです。
(乃響じゅん。)

☆☆
こういう主人公が覚醒(成長)する物語は読んでるこっちも何かパワーをもらえるようでいいですなあ。まさかモニターの前の俺らへも贈り物をしてくれるとはッ!wグライガーごっこで遠くへ飛ぶ=受験で合格し遠くへ行く、とかけてあったりして面白かったです。やっぱり自己を見つめるには外からの影響が大事なんですなあ。それがどんな形でもネ
(tac-ティス)

☆☆
若い頃のあんなことやこんなこと。そういうのがいっぱい詰め込まれていると感じます。そうした子どもの時分の気持ちは大人になっても案外変わらなかったりしますのよね。
グライガーごっこは飛ぶことや落ちることの象徴している点やサニーゴの死骸が実は成長の証であるという作中のドンデン返しは特筆すべきだと思いました。
自然の描写、ちょっとした言い回しなど他にも好きだと思わされる良い所がたくさんありました。もう少しポケモンの出番があればなおのこと良かったです。
(レイコ)

☆☆
・文章が多い。この段落この文章が何を伝えなければならないか、そしてそれは二回言う必要があることなのかを考えて。
・グライガーごっこはやってみたい
・でも真冬の海で保護者なしでやるのはどうかと思う
・中学生ってこんなこと考えないよなあ
・大学生ぐらいでいいんじゃないか主人公
(りえ)

☆☆
主人公の周りに対する劣等感を書いた作品でした。『送る』から『後ろ姿を見送る』へのテーマの使い方がとても上手だと思いました。
(銀波オルカ)

☆☆
タイトルと内容がもう1つ噛み合ってないような気がする。飛ぶことにからめてもよかったのでは。(サトチ)

☆☆☆(匿名)
☆☆☆(匿名)

☆☆☆1番良いです。ただそれだけです。(アポロ11)

☆☆☆
タイトルをぱっと見たときはサニーゴが死んじゃう話かと思いました。
全然違った…もっと深い、大人の階段登る話でした…。
私も受験という山場を越えようとしている身ですので、とても重く響きました。
(海星)

☆☆☆
全体を通して一番よく纏まっていて、構成もしっかりしていると感じました。印象深かったです。
(匿名)

☆☆☆
物騒なタイトルに一体どんなグロ小説が……などと思ってたら青春だったでござる。
何この魅惑的な遊び。自分が同じくらいの年齢だったら絶対まねしてグライガーごっこやったと思う。
やりてええええ、今の年じゃもう出来ないかもだけどやりたかった!! 鳥ポケ好きとしてはもうこれだけでやられた感がいっぱいだよ! あああああああ、私が使いたかったくらいだ、ちくしょう!!
ヒロコは度重なる受験勉強でついに気が狂ったか!? とか思ったが、きちんと計算の上でした。なんだよこの策士。
前回の作品もそうだったけど「お前はいつ飛び立つんだ?」というメッセージがね、前回以上にすごいね。
文章的なところはあまり言うことがなかったです。
【タグ】グライガーごっこ、人生の岐路
【お題解釈】友を送り出す
(No.017)

☆☆☆
きっと多くの方が私と同じような感想を持ったでしょうし、きっとこの作者さんは同じ褒め言葉を延々聞くことになってしまうのだろうなと思うと少し申し訳ないんですが、それでもあえて書かせてもらいます。
圧倒的な文章能力だと思いました。
(SB)

☆☆☆
幼いころの遊びを通じて、昔のことに執着したり、昔のことを懐かしんだり。等身大の中学生らしい登場人物の心の動きが非常にすんなりと物語を頭の中に入らせてくれます。
タイトルからは予想できなかった死骸の意味にも、すっきりとまとまった物語の美しさを感じました。
(リング)

☆☆☆
 待ってました! うひょおおおおお!
 なんかもう再読してもテンション上がるんでちょっと箇条書きっぽくなって申し訳ない。
 この言葉のチョイスが素敵です。特に一番キたのは
>>リュウはグレーのカーディガンを羽織っていて、片手には歴史学の参考書を持っていた。ぼくの片手にあるものは欠落感だけだ。
 この対比がもう震えるほどいいなと思います。綺麗。
 らしさが出てるなと思います。作者からの強いメッセージと、その熱意を感じたのがすごく良かった。
 こういう現実の悲壮さを題材に扱ったのがすごく好きなんですよね。
 文のテンポも良く、終始安定して読むことが出来ました。
 ただ、飛び込み方は危ないような気がしてなりません。あと海水が寒いんじゃなくて濡れた体で秋も終わる頃の外気に触れたほうが寒いのでは。
 それとグライガーごっこってどうなってるんですか? ピジョットとかの足に背中捕まれると肉がもげそうなんですが着衣でやってるの?
 いい作品だから読み込めるし、読み込めればわかるこの浮き。
(でりでり)

☆☆☆
グッと来た文【「この白い珊瑚は成長の証なんだ。人間で言えば乳歯みたいなものだよ。私もね、こういうことは勉強して分かったんだ。私もちゃんと成長してる。でも、ヒズミはまだまだ成長してないよね」だからさ。そろそろ、飛ぼうよ。】
 最初、タイトルでホラーものかなぁと心の準備をしていたのですが、紐を解いてみるとそこには素敵な青春があって、ドキドキしました! グライダーごっこのとてもスリルある描写がとても印象的で、そしてそのグライダーごっこを通して見えるそれぞれのキャラの心情もリアルな感じ(等身大というやつかな?)がして、胸が熱くなりましたです。
 それと……サニーゴの死骸、あのタイトルはヒズミが未来へと飛び立つことを示していたんですね……いや、ヒズミに限らずリュウやマイカ、ヒロコも飛びだって、また一つ大人になっていく。青春の物語を通して浮かんでくるサニーゴの死骸という言葉の意味に胸を打たれました。
(巳佑)

☆☆☆
 非常に読み応えのあった作品。今回エントリーされている作品群の中でも、読了後の余韻は一、二を争うレベルの良作です。
 良く練り上げられたストーリーに、同じく凝られた設定と背景。心理描写の切り込み具合やメッセージ性も申し分なく、全体的に完成度の高さが群を抜いて目立ちました。

 しかし一方、ここまで持ち上げておいてなんですが……最高評価を付けた作品の中では、総合評価は必ずしも芳しいものではありません。その理由をご説明しましょう。
 先ず第一に、文章があまりにも抽象的に過ぎます。描き出される対象や内容に対し、正直見合っているとは言い難いレベルの比喩表現の連続で、どうしても過剰装飾と言うか、不釣り合いな感触が否めない。
 挫折を経験した主人公が屈折した思いを抱いているのは分かりますが、その感情はあまりにも老成し過ぎている感があり、どうにもしっくり来ない。純粋な文学作品としてみれば非常に面白いのですが、青春の盛りにある年代を主人公に据えている事を考慮した場合、どうしても違和感を覚えざるを得ませんでした。
 内面の精神世界を描く際、抽象的な表現が大きな力を持っている事は分かります。……しかしそれでも、それに見合った場所と環境を用意した上で使用しなければ、奇妙に浮いてしまったり奇異な印象を伴ったりするのは、避けられないかと。
 読んでいて真っ先に連想したのは、(何故か)志賀直哉の『城崎にて』ですが、自分は基本的に、老成した心理状態というものは相応の環境があってこそのものと認識しており、普通に生活していた高校生ぐらいの主人公にこの様な心理的懊悩と精神世界を体現させるのは、ちょっと難しいのではないかと感じました。寧ろ思考としては二十を幾つか過ぎた成人のそれに近く、まだまだ前を見据えて歩んでいるであろうこの年代に於いては、将来の不安は覚えても過去を引きずるあまりに現在に廃退を見出す様な事態は、そうはないと思います。
 無論この作品の魅力を最大限に生かすには、この年代である事が必要だったのは論を待ちません。……しかしそれでも、文体になお一考の余地がある様に、自分は感じましたです。

 また、こちらは先に挙げた事に比べると些細な事ですが、冒頭で主人公が崖から飛び込む際に、両手を顔の前で交差させた所にも少し……
 高さは具体的に明記されていませんが、少なくとも崖と言うからには、相応のものがあるのでしょう。そんなところから飛び込む時、下手に水面に激突する際の表面積を広げてしまうと、着水時の衝撃は飛躍的に高まりますので、到底無傷ではいられないかと。穏便に運んでも両腕が顔面に激突して鼻を強打するでしょうし、最悪高さや状況によっては、腕を骨折する可能性も否めません。
 高所からの飛び込みは実際に危険が伴う行為ですので、地域コミュニティでもそうした事が起きないようそれなりの対策を取るでしょうし、その辺の考察には若干の甘さがあったかなと。まぁ、そんな所にまで一々突っ込む方が野暮かも知れませんけども(汗)

 見苦しい苦言を呈してばかりで恐縮ですが、実際には高い技量と素晴らしい余韻にひたすら圧倒されており、間違いなく作品としての完成度は高いものと認識しております。寧ろこの作品は、強いて二次創作の範囲に留めずとも、文学作品そのものとして見ても十分な価値を持っているものと愚考仕る次第。
 これを拝見出来ただけでも、十分に今回の企画に関わっただけの値打がありました。これからもご活躍を続けられる事を、心より願っております。
(クーウィ)


拙作です。中3の時に組んだプロットがお題に合致したので書きました。ちょっといじって作中の設定は高3です(裏話)。価値観によっては作中の人物に全く感情移入できない方もいるはずなので、評価が分かれるかもしれません。それでも、こうした想いは遅かれ早かれ若者が抱く感情ではないか。そう思っています。私の場合は中2くらいからしばらく思っていました。最近やっと解放されました☆ ちなみに寒中水泳は地元の子ども達がよくやる危険な遊びです。
(鶏)






【016】 【017】 【018】