マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.342] はじめての100連勝 投稿者:あつあつおでん   投稿日:2011/05/02(Mon) 22:41:08   56clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


「そんな理不尽な!」

 私は今、プラットホームで途方に暮れている。そりゃ、こんな地下鉄があったら誰だって途方に暮れるはずだ。

 事の発端は先週、友人が結婚式をやるから来てほしいと電話してきたのが始まりだ。私も奴も昔はバトルばっかりやっていたのに、奴が先に結婚するのは気に食わなかったが、行くことにした。

 式場はイッシュという地方のソウリュウシティらしい。なんでも新婦に縁ある土地だそうだ。私はカントー在住だが、せっかくなら観光もしようと、式の前日にライモンシティという街へ行った。

 問題はそこからだ。翌朝、始発で余裕を持って行こうとギアステーションにやってきた私は、ある駅員に尋ねた。

「すいません、ソウリュウシティ行きの列車はどの乗り場から乗れますか?」

「ソウリュウ行きですか?あそこはちょっと大変ですよ」

「大変?どういう意味ですか?」

「いやね、ソウリュウシティにはスーパーシングルトレインという列車で行くんだけど、その駅はここから15番目にあるんだ。で、1つの駅に行くために7人のトレーナーを倒さないといけない。しかも途中で負けたら1からやり直し。ソウリュウシティの駅は15番目にあるから、105連勝する必要があるんだよ」

 ここまで聞いた私の口は、やる気のない自動ドアのように開いていた。なんだこの適当さは。

「ちょっと待ってください。仮にも公共交通機関がこんなので大丈夫なんですか?」

「その点は大丈夫です。広告収入とイベント開催で結構潤ってますから」

 そうじゃない。私は経営の話をしたわけではない。



 とはいえ、ここから歩きだと間に合わない。何としても時間までに到着しなければ。私は急いでパソコンから3匹のポケモンを引き取り、始発に駆け込み乗車した。良い大人は真似するなよ、周りの目線が辛いからな。

 さて、いよいよ長旅の始まりだ。実を言うと、私はこの手の施設で100連勝などしたことない。いわゆる先制の爪大爆発3連続はトラウマだ。間に合うだろうか。

 まずは肩慣らしに21試合して、3つ目の駅に。何だかタイプが偏ってやがる。非常にやりやすい。まだまだ人は多いなか、おじいさんからポイントアップをもらった。世知辛いカントーでは考えられないことだ。

 そこからさらに21試合、6つ目の駅に到着。大分人が減ってきた。明らかにトレーナー達の目の色が違う。まあ、影分身やら先制の爪を惜しげもなく使われたらこうもなるよな。私も若い頃は……といっても、私は今でも若いはずだ。若いと思う。若いかもしれない。若いと思いたい。

 そして49試合目。サブウェイマスターなる者が出てきた。簡単に言えば車掌。それなりに強いのだろうが、他の乗客から使用ポケモンを聞いていたからそうでもなかった。こういうボスは、使うポケモンがばれているから辛いよな。

 約半分の7つ目の駅に到着し、ふと上を見上げると、時計はお昼を指していた。始発が5時だったから、はや7時間。さすがに足が辛い。タワーなんかと違って、足元の揺れがあるから、普段以上に疲れる。私は休憩がてら、立ち食いそば屋に立ち寄りきつねうどんを食べた。スープ美味すぎだろ、これ。うっかり友人への土産に冷凍したものを買ってしまった。

 気を取り直してバトル再開。21試合を腹ごなしにやって、ようやく70勝、10番目の駅に到着。何だかさっきより出るポケモンが弱い気がする。伝説のポケモンも出ない。ちなみに、この駅にいたのは私以外に1人だけだった。よほど暇なのだろうか、あるいは私と同じ目的か。いや、それはないな。

 あと35勝なのだが、ここからが大変だった。79試合目のマタドガスに手も足も出なくなって、交代しまくって眠るのPPを切らせた。88試合目のケッキングのギガインパクトは辛うじて外れ、逃げ切りに成功。93試合目はハピナスの小さくなるに悩まされたり、99試合目に至っては理不尽な麻痺を何度も経験した。しかし、遂に100試合目。

 相手の初手はボルトロス。こちらはシャワーズだから、ガブリアスに交代。そのままげきりんでノックアウト。

 続いてレジアイス。げきりんで7割ほど削ったが、冷凍ビームでダウン。2番手のヘラクロスのインファイトでとどめ。

 最後はトルネロス。ぼうふうを耐えるものの、まさかの混乱。しかし何とかストーンエッジが決まった。次の攻撃でやられたが、最後はシャワーズで締めた。

 ――初めての100連勝か、長かったなぁ。まさかこんな形で実現するとは。思えば……あれ、何でこんなに頑張ってたんだっけ?

 100連勝の余韻に浸る間もなくさらに5試合、何とかソウリュウシティの駅にたどり着いた。時間は午後5時半。実に半日もバトルをやっていたのか、もう足がガクガクだ。そんな中、暇そうなビジネスマンからサンという木の実を2つもらった。これ確か、かなり珍しい木の実だったような。

 プラットホームから地上に出た私を、暮れなずむ夕日が出迎えた。空気がうまい。風が心地よい。こういうものは、地下にはなかったよなあ。やっぱり地上が1番だ!私は大きく伸びをすると、手土産片手に式場へ歩きだした。




 翌日、激しい筋肉痛に悩まされたのは言うまでもない。



先日のチャット会の途中、冗談半分で始めたら、1回目でまさかの100連勝達成してしまったので(現在15周の105連勝)、書いてみました。バトルサブウェイのような延々バトルばかりの話を書くのは難しいです。連載中の話のテーマはバトルなのに……。やっつけ仕事の結果がこれだよ!ちなみに、サンの実は1個ずつしかもらえません。あしからず。


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