マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.379] ヌケニン狩りをしてみた 投稿者:音色   投稿日:2011/05/03(Tue) 23:35:05   46clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 チョロネコヤマトの研修に来たはずなんだが。
 何が悲しゅうて夜の森で虫取りあみ握ってガキどもと虫ポケモン狩りをせにゃならんのだ。
 おいこらゴ―ス、鬼火消すな。真っ暗になるだろうが!


 ホウエンの土地は温かく、カイナシティとかいう港町は半袖でも動き回れる感じだった。ますますジャケットもってくるんじゃなかったと後悔。
 一応、こっちにチョロネコヤマトのホウエン支部とやらがあるはず・・なんだけど。・・誰も迎えに来てくれていない。
 困ったなー、地図も何も渡されてないんだけど・・。
 おいゴ―スども、鞄から今ちらっとはみ出たぞ。まだ出るんじゃねぇ。
 ・・ん?
 なんだ、あそこの妙にテンション高いおっさんは・・。げ、なんかこっちに突進してきた。
『アローハ―!ようこそホウエンへ!キミが新人君だね?うんうん、なかなかのイケメン君じゃない!チョロネコヤマトホウエン支部へようこそ!』
 何この似非外人は。アロハシャツ来て日焼けしてノリノリなんですけど。ちょっと引いた。イケメンってそれ男性を指す褒め言葉ですよね?
 ・・あ、名刺渡してきた。一応もらっとくか。えーと、チョロネコヤマトホウエン支部長・・え、支部長?これがロケット団が目指してる支部長?んなわけないか。
 ミナモト・・、下の名前の漢字読めねぇぇ!とりあえずシブチョ―って呼んどこう、うん。さっきからなんか言ってるけど全無視。
 とりあえず、シブチョ―、ホウエン支部どこにあるんでしょーか。


 あー、マジビビったー。背中バンバン叩くは制服を投げて寄越すは来てすぐに仕事命じるはなんなのあの人。シブチョ―か。
 コウモト先輩の話によると支部長わざわざ有給取って迎えに来てくれたらしい。そんなことしなくて良いですから。有給をもっと別なことに活用してください。目立ちまくりで恥ずかしかった・・。
 ・・コウモト先輩・・、つーのは、受付嬢さんで、主に荷物の受け取り及び配達員を振りわけをしてくれる人。超美人。他の配達員の先輩方は全員出払っていた。多分、先輩に頼まれたらどんな仕事でも嫌と言えないんだろうなー。
 荷物は社員寮が支部の後ろにあるのでおいてくるように言われたので行ってみた。うわボロッ。徒歩20秒という驚異的な近さの割には木造で築云十年みたいな建物だった。
 まぁ、ここもタダで住まわせてもらえるんだからいっか。無料より安いものは無し。
 カバンを部屋に投げるとボロボロとゴ―スがこぼれおちた。良いかお前ら、部屋から出るんじゃねーぞ。仮に出ても見つかるんじゃねーぞ。
 一応釘は刺してみるが・・無駄だろうなー。こいつら好奇心旺盛だから。子供かっつーの。いざとなれば清めの御札使って閉じ込めてやろ。
 チョロネコヤマトの制服は文字通り明るめの紫を基調とした動きやすい制服なので結構気に入っている。到着早々仕事か。まぁ、好きだからいいんだけど。
 自転車支給されるかなーとか思いながら部屋を出た。


 ・・自転車と同時に大量の荷物も支給された。うわーい、結構あるなこれ。
 ま、習うより慣れろだ。とりあえず配達配達。ア○ロ、いっきまーす。なんつって。
 

 あっちやらこっちやら道に迷ったり迷子になったりとしながらどうにかノルマをこなしていく。きっついなー。
 最後の一個・・もう夕方じゃん。しかもトウカの森?・・仕方ないなー、シダケタウンからカナズミトンネル突っ切るか。マッハ自転車飛ばして行こうよ〜っと。
 

 んで、ついた。くそ、めちゃくちゃ疲れた・・ていうか夜じゃん!あーあぁ、こりゃ帰ったら真夜中になるな・・。
 こんばんわー、チョロネコヤマトでーす!って、すごい勢いで虫取り少年があらわれた。はい、ここにサインかハンコお願いしまーす。
 ・・サインかハンコがないと渡せないんだよ、少年。そんな必死な勢いで奪いに来ないでくれるかな?うん、はいここ、サインね。はいありがとうございました―。
 配達員の目の前で箱を開け始めた。何が入ってんだ・・って、虫取り網。まぁ、うん、ありがち・・かな。
 ・・って、今度は奥からシブチョ―が出てきたっ!?そう言えば表の看板にミナモトって書いてあったような・・。
 え?なに?今夜は泊ってけ?はあ、しかし・・。え、晩御飯もある!?よっしゃ、タダ飯が食える。・・いえいえなんでもないです。じゃ、おじゃましまーす。
 
 で、ご飯ごちそうになって、家事の手伝いして、制服のポケットにゴ―スが潜り込んでいたのを発見してとっちめてた頃に、シブチョ―の息子・・虫取り少年が遊んでくれと言いだした。
 おい。いま何時だと思ってんだ、夜中だぞ、よ・な・か!良い子は寝なさい。お休み少年。・・おい、人の布団を引っぺがすんじゃない!
 ・・なに?父さんが約束してくれたのに遊んでくれない?で、私に遊ぶように行った?シブチョ―、昨日こっちに来たばっかりの部下になんて無茶振りを要求するんですか。
 何すんの。え?虫取り?夜から朝方にいっぱいいる・・なるほどね。え、近所の子も来ちゃってる!?つまり保護者をやれと。やれやれ・・。分かったわかった。付き合ってやるって。
 おいゴ―ス、どうせ起きてんだろ、いくぞ。鬼火でも使って明るくしてくれ。


 お古の虫取り網を貸してもらって、たくさん虫ポケを取った人の勝ちらしい。ちなみにこいつら10歳以下なので撮ったポケモンはリリースするそうだ。えらいね。ルールを守って遊びましょー。
 なになに?テッカニンを捕まえるとヒーロー扱いされる?へー、じゃあ挑戦してみるか。・・でもテッカニンなんてなかなかいないだろ・・。
 ・・あ、ツチニン発見・・って、光ってる!?進化!?よーし、テッカニンゲットのチャンス到来!
 ・・・。
 無理無理無理。進化した瞬間に体感速度マッハ2位のスピードで飛んで行きやがった。あんなん捕まえろとか無理です、はい。そりゃ捕まえたらヒーローだよ。
 ゴ―ス、お前までビビってどうする。・・そっか、風が吹いたら飛ばされるもんな。・・ん。
 あれなんだ。抜け殻?・・あぁ、ヌケニンか。あいつも一応、虫ポケだよな。しかたない。テッカニンはあきらめてヌケニン取りますか。
 網を振りかぶって・・ぼす。ゲットだぜ。・・逃げようともせんなこいつ。まぁいいや。とりあえず、この袋の中に入ってよ。・・あっさり入った。うーん、いいのか?
 ま、今は勝負優先だ。どうせリリースするんだしね。

 結果。まさかの一人勝ち。いや、ヌケニンしか取ってないんですが。袋いっぱいのヌケニン。これはこれで不気味だ。ガキどもは称賛の目で見てくれるけど・・うーん、微妙だ・・。
 とりあえず、ほいリリース。付き合ってくれてありがとなー。
 ・・あれ。帰らないのか?・・それともこいつら鈍いだけ?
 あ、ぞろぞろ帰りだした。よかったよかった。これ以上ゴーストタイプが増えたらたまらんからなー。


 次の日。
 シブチョ―が子供の相手をしてくれて助かったと豪快に笑いながらあっさりと仕事を渡してきやがった。休みよこせ。
 しかし新参者がそんなことぎゃーすか言えるわけでもなく。今日もホウエンをあっちこっち行ったり来たり。
 社員寮に帰るころには全身筋肉痛・・。死ぬ・・。
 ただいまーって、部屋を開けたら、あらびっくり。
 大量のゴ―ス。これは知ってる。
 窓の外にぞろぞろとヌケニン。え、何これどういう事。
 
 
 ゴ―スどもの通訳を通してヌケニンと会話した結果。こいつら、野生じゃないんだと。
 もともとはトレーナーの手持ちだったらしく・・進化したら、捨てられた。中には、ボールの準備を忘れていて、どこだか知らない場所にいた。そんな奴等。
 うーん。面倒見切れなくなってポケモンを逃がすトレーナーの話は知ってたけど・・。しかし、私にどうしろというんだ?そいつら見つけ出して一匹一匹とどけろってか?無茶言うな。
 お前らどうしたいんだよ?分からない?・・じゃあ、私にはどうにもできないさ。
 そう言ってやると、ヌケニン達はぞろぞろと外に出て行った。いくら南でも、夜は寒い。
 ・・おい、ゴ―スども、その目はなんだ。
 
 20分後。
「お前ら、中で寝ない?」
 こうして、あたらしい奴等が増えました。


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