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  [No.407] 木の実泥棒と虫除けスプレー 投稿者:スズメ   投稿日:2011/05/05(Thu) 23:56:51   51clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

木の実泥棒と虫除けスプレー




   そいつは、学校の花壇にいた。

   体長、約0,6m  この種族にしては小振り。
  体色はこげ茶を薄くしたような茶色。 
  狸のような尻尾には縞模様がある。
  そして、長い耳。 警戒心強いはずのそいつは、人が多くいる学校の
  敷地内の花壇に植えてある木の実を食べていた。 
  木になっているものは、木に登ってとったらしく、枝が折れている。
  地面に埋まっていたものも穿り出されたみたいだ。
  こいつは、たぶん、最近うわさになっているポケモンだ。
  
  通称、木の実泥棒。


   発見したのは、ついさっき。
  もうそろそろモモンの実がとりごろかと思って、見に来た際に見つけた。
  収穫しようとしていたモモンの実は、無残にも食い荒らされて残骸が転がっている。
  この種を植えたら、もう一度はえてくるのかな?
  踏み荒らされた花壇は足跡が目立つ。 
  今この瞬間も、みはりポケモンの足に踏まれた土たちが圧縮されている。
  あんなに踏み荒らしたら、また耕すのが大変そうだ。
  
   それにしても、真後ろで観察されているにもかかわらず、この食いっぷり。
  他の人や、友人が植えた木の実達にも被害が拡大中。
  どうも、甘いものが好きらしい。
  甘い木の実だけを狙ってムシャムシャ・・・
  甘いものが好きな性格ってどの性格だったかな?
  ようき? むじゃき? ・・・まあいっか。
  
   と、考え事なんかをしている間に花壇はボロボロ。
  甘い木の実だけじゃなくて、他の味の木の実まで姿を消し、苦い木の実だけが生き残っている。

   これは、とめるべきなのかな?
  ・・・とめるべきか。
  でも、どうやって?

   かばんのなかをあさってみる。
  僕、ポケモンを連れていないからなあ。
  なにか役に立ちそうなものは・・・けむり玉は?
  だめだ。 けむり玉なんか入っていないよ。
  あ、虫除けスプレーを発見!! 
  虫に効くぐらいならポケモンにも効くだろうし、使えるよね?


   そーっと、そーっと、茶色のポケモンに近づいていく。
  食べるのに夢中なのか、近づいても反応はなし。
  こいつ・・・本当に、野生のポケモン?
  誰かの手持ちじゃないのかな。
  もぞもぞ動くたびに揺れる尻尾を避けて、そーっと、そーっと・・・あ。

  「ヂュヂュゥ?!」

  「あ、ごめん。 よけきれなかったよ。」

   次からは気をつけるからって・・・聞いていないみたいだ。
  尻尾を踏まれたせいで怒ったのか、尻尾で立ち上がって威嚇をしてきた。
  いいや、そのままかけちゃえば良いんだ。
  
  あ! 野生の オタチが とびかかってきた!

   スプレー発射!!

  効果はばつぐんだ! オタチは 目を回して ぶっ倒れた!!

   「・・・どうしよう。」

   目のまえには、泡を吹いて倒れているオタチが一匹。
  倒すつもりではあったものの、泡を吹いて倒れるとは思わなかった。
  ・・・って、なんか痙攣している。
  そういえば・・・虫除けスプレーって、ポケモン自身にかけてよかったっけ?
  まずいかもしれない。

   とにかく、先生に診てもらおう。
  オタチを抱えて保健室に「う、重い・・」

   体重、およそ六キロ。 
  僕は三キロのダンベルは両手を使わないと持てない。

   どうする、引きずっていくわけにも行かないし、相手は野生のポケモン。
  いきなり起きたら、起きたら・・・どうなるんだろう?
  とにかく、えーっと。
  台車を借りるには場所が分からないし、野生のポケモンだから、ボールにも入れれないし・・・
  野生? そうだ、こいつって野生だよね?

   再びかばんの中をあさってみる。 
  かばんの中身は、相変わらずごちゃごちゃと、いろんなものが詰め込まれていた。
  分類用のポケットもあるにはあるんだけれど、整理するのが面倒なので一緒くたに入っている。
  整理はしなきゃと思うけれど、めんどくさいから、また明日。
  ようやく発見。 モンスターボール×1
  かばんと、中身一式を支給されたときに貰ったやつ。 売らなくて良かった。


   目を回しているオタチに、ポイっとな。

   ポンっと、光と共にオタチが吸い込まれた。
  まったく、モンスターボールはどういう仕組みになっているのかが気になるよ。
  一応、初ゲット!・・・じゃない。
  早く職員室に行かないと。



 


  「あーつかれた。」
  
   ポケモンに虫除けスプレーを吹きかけるなんて?! と、すごい剣幕で怒られた。
  どうも、虫除けスプレーの中には、あまり良くない成分が詰まっているみたいだ。
  だから、ポケモンがよってこないのか。 なっとく。

   シャクシャクと音がする・・・。

   振り向いた先には、オタチ。
  こいつ、いつの間にか僕のポケモンに決定されちゃったんだよな。
  いったん捕獲したなら、責任を持って世話をしろって。
  先生によれば、こいつも元々人に飼われていたやつが逃がされて、野生化したポケモンだろうって。
  だから警戒心が薄くて、学校に忍び込んでいたのかもしれないけれど。

   シャクシャクシャク・・・って
ここは、僕の部屋・・・学校の寮に住んでいる、というか住まわせてもらっている。
  そして、僕はおやつ代わりに甘い木の実を育てている。 ここ大事。
  プランターを見てみるまでもない。


  「こら、プランターの木の実まで食べるな!! ご飯やるから、ステイ!」

   オタチが、ぴくっと動きを止めてこちらを向いた。
  ステイって、犬と同じ言い方で分かるのかな?
  いや、犬でも訓練しないと分からないはず。

   なに?といいたげに、こちらを見つめるオタチ。

  「・・・ステイ」

   ピヨンっと、長い耳が反応した。 そして、こちらに寄ってきた。
  茶色の毛皮は、意外とふわふわで、ウサギみたいだ。
  
  「ステイ」

   今度は、なに? と繰り返すように顔を近づけてきた。

   定着してしまった。
  「まて」 という意味ではなく、名前として。

  「あー、もういいやステイ、ご飯やるから少しまってろ。」

   本日、木の実泥棒改め、ステイを捕まえました。

   というか、僕はポケモンを育てたことなんてないんだ。
  いや、あったらあったで問題なんだけれど。
  理由? いろいろあったんだってば、それよりも。

   だれか、ポケモンの育て方を教えてください・・・


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