バトルチャレンジにて俺と地蔵っぽいの(バトルシートを確認したところ、名前は喜田敏光というらしい)の勝負が始まる。
最初のポケモンは俺がゴウカザル四90/90。相手はペラップ60/60でベンチにラルトス60/60。そしてサイドは互いに三枚。
俺の手札は少なくともいいとは言えないが、いつでも挽回の効く範囲だ。
さすがにペラップじゃあ1キルは起きないだろうし、それに警戒する必要もないだろう。
「俺のターン。ペラップに闘エネルギーをつけて、ワザ、仲間を呼ぶを発動。その効果でデッキからラルトス(60/60)をベンチに出す」
ラルトスのような超ポケモンがいるにも関わらず闘エネルギーがあるということはエルレイドがいるってことか……。
「俺のターン、ドロー!」
引いたカードはゴウカザル四LV.X。だが、互いに最初のターンはレベルアップは出来ない。
「サポーターカード発動。アカギの策略! 自分のデッキからサポーターと基本エネルギーと名前に『ギンガ団の発明』とつくトレーナーをそれぞれ一枚ずつ選んで相手に見せてから手札に加える」
自分のデッキを一枚ずつ確認していき、目当てのカードを探す。
「俺が選ぶのはアカギの策略と炎エネルギーと、ギンガ団の発明G-101 エナジーゲインや!」
サーチしたカードを喜田に見せつける。喜田は了承したと首を縦に振る。
「手札のガブリアスC(80/80)をベンチに出す。そしてゴウカザル四に炎エネルギーをつけて、ポケモンの道具のエナジーゲインをゴウカザル四につける」
エナジーゲインはSPポケモン専用の道具で、これがついたポケモンは必要なワザエネルギーが無色エネルギー一つ分減る。実質エネルギーカードをつけているようなもので、ワザエネルギーが多いSPポケモンには必須のカードだ。
ちなみにSPポケモンとは昔のジムリーダーのなになにみたいなポケモンであり、全てたねポケモンとして扱われる。SPポケモンはポケモンの名前の後に四だのGLだのCだのGだのついているのが特徴。
「ゴウカザル四で攻撃。爆裂弾! このワザは相手のポケモン二匹に20ダメージを与える。俺が選ぶのはベンチのラルトス二匹や!」
ベンチのラルトス二匹のHPが40/60に。目の前のペラップを殴らない理由は、展開ポケモンとしてはぺラップは弱い部類で害が少なく、俺のキーカードで瞬殺出来ると踏んだからだ。
「俺の番だ!」
喜田が勢いよくドローする。喜田が座っているパイプ椅子が少しボロいせいで、ギィィと耳を突くような音が聞こえる。
「闘エネルギーをラルトスにつけ、サポーター発動。ミズキの検索」
ミズキの検索は自分の手札を一枚デッキに戻し、デッキから好きなポケモンを手札に加える効果をもつ。
「俺はエルレイドを手札に加える!」
やはりエルレイドがデッキに入っていたか。
「グッズの不思議なアメを使って、闘エネルギーのついたラルトスをエルレイドに進化させる」
不思議なアメは自分の進化していないポケモンを、1進化及び二進化ポケモンに進化させるカード。
その効果によって、ポケモンを出した番にも進化できるし、通常はラルトス、キルリア、エルレイドと順番を経ていかないといけない進化も今のようにラルトスからエルレイド110/130へ、いわゆる飛び進化ができる。
「そしてペラップで仲間を呼ぶ。デッキからまた新たなラルトス(60/60)をベンチに出す」
これで相手のベンチはエルレイドとラルトス二匹が並ぶことになる。
「俺のターン!」
引いたカードはアグノム70/70。
「手札のアグノムをベンチに出す。そしてこの瞬間にアグノムのポケパワー発動や! タイムウォーク! タイムウォークの効果によって俺はサイドを確認し、その中のポケモンのカードを相手に見せてから手札に加えてよい。俺はレントラーGLを手札に加える。そして手札一枚をウラにしてサイドに戻す!」
戻したカードは雷エネルギー。エネルギーに関しては困っていないので、このカードを戻すのは当然とも言える。
「レントラーGL(80/80)をベンチに出し、更にゴウカザル四をレベルアップさせる!」
ゴウカザル四LV.X110/110が現れたことで場は整った、ペースはこちら側に確実に傾いている。押すなら今だ!
「ゴウカザル四LV.Xのポケパワーを発動。威嚇の雄叫び! 相手のバトルポケモンとベンチポケモンを入れ換える。入れ換えるポケモンは相手が選ぶ」
「ならペラップとダメージのないラルトスを入れ換える」
やはりそう来たか。このままだと攻撃してもHPが10届かない!
「手札のアカギの策略を発動! その効果によってアカギの策略と炎エネルギー、そしてギンガ団の発明G-105 ポケターンを手札に加える」
再び消費した手札をリカバリーする。これによって手札は六枚。
「炎エネルギーをゴウカザル四LV.Xにつけて攻撃」
レベルアップした今ゴウカザルが使える技は三種類。そのうち一つが先のターンに使った爆裂弾。そして飛び膝蹴りと炎の渦。
飛び膝蹴りは相手に50ダメージを与えるワザだが、それではHP60/60のラルトスを倒せない。だったら、リスクはあるが……。
「炎の渦! このワザのリスクとしてゴウカザルについているエネルギーを二つトラッシュする。せやけど100ダメージや!」
ゴウカザルの炎エネルギーを二枚トラッシュに置くが、相手も気絶したラルトス0/60をトラッシュする。これでサイドを一枚引く。
先手は打てた! 流れは掴めたはずだ。喜田はエルレイド110/130をバトル場に繰り出した。
「俺の番。ドローだ!」
喜田の手札は僅か二枚。手札も試合運びも俺が押している。
「手札からエネルギー付け替えを使う」
「エネルギー付け替え!?」
「その効果によってペラップについている闘エネルギーをエルレイドに付け替える」
喜田はベンチのペラップについていた闘エネルギーをエルレイドつけなおす。これでエルレイドには闘エネルギーが二つついていることになる。
「手札からサポーター発動、デンジの哲学。デンジの哲学は自分の手札が六枚になるようドローするカード。そして今の俺の手札は0。よって六枚ドロー!」
大幅に手札補強を図ったか。どう攻めてくるんだ。
「ベンチのラルトスをキルリア(60/80)に進化させ、エルレイドに超エネルギーをつける。更にエルレイドにポケモンの道具、達人の帯もつけさせてもらう」
達人の帯はつけたポケモンのHPを20上げるだけでなくワザで与えるダメージも20増える。が、達人の帯をつけたポケモンが気絶した場合に相手がとるサイドは二枚となるカード。メリットとデメリットが混ざった強力カードだ。
エルレイドのHPが20上昇し、130/150。もう倒すの難しくなる。
「エルレイドでゴウカザル四LV.Xを攻撃。サイコカッター! このとき、ウラになっている自分のサイドを好きなだけ選び、オモテにしてよい。その場合、オモテにした枚数かける20ダメージを追加する! 俺はサイドを二枚オモテにする!」
「なっ!」
サイコカッターの元の威力は60。それが達人の帯で20、サイドを二枚オモテにしたことによって40ダメージ追加されてゴウカザル四LV.Xが受けるダメージは120。ゴウカザルのHP110/110を上回るダメージだ。一撃でゴウカザル四LV.Xが気絶だなんて。
「俺もサイドを引かしてもらう」
相手の場には強力なエルレイドが残っているのが極めて厄介だ。しかしこいつを倒さなければ勝つことは出来ない。
俺の二番手はレントラーGL80/80。しかしこのままではエルレイドを突破できそうにない。どうしたものか。
「俺のターン!」
引いたカードは四枚目のアカギの策略。トラッシュに既に二枚あり、先のターンにあらかじめ一枚を手札に加えていたので、これで手札に二枚アカギの策略が入ったことになる。
「アカギの策略を発動。その効果で雷エネルギー、クロツグの貢献、ギンガ団の発明G-109 SPレーダーを手札に加え、俺は手札からSPレーダーを発動だ!」
SPレーダーは手札を一枚デッキに戻すことで、SPポケモンをデッキから一枚手札に加えれる強力なサーチカードだ。
「俺はレントラーGL LV.Xを手札に加える。そしてレントラーに雷エネルギー、エナジーゲインをつけ、レントラーをレベルアップ! そしてこの瞬間にレントラーGL LV.X(110/110)のポケパワーを発動させる! 輝く眼差し!」
「なにっ!?」
「このポケパワーによって、相手のポケモンを入れ換える。エルレイドとキルリアを入れ換えてもらうで!」
喜田がベンチのカードの入れ換えを行う。目の前のエルレイドが倒せないのなら相手のベンチを潰すまでだ。
「レントラーで攻撃。フラッシュインパクト! 相手に60ダメージ! だがこのワザの効果によって、自分のポケモン一匹も30ダメージ受ける」
フラッシュインパクトの威力は60。目の前のHPが残り60のキルリアは撃破できたが、ワザの効果でベンチのアグノムにも30ダメージだ。これでアグノムの残りHPは40/70。
喜田は気絶したキルリアをトラッシュし、再びエルレイドをバトル場に出す。
「俺はサイドを一枚引いてターンエンドだ」
取って取られての繰り返しの、気の抜けない戦いが続く。
啓史「今回のキーカードはエルレイド!
サイコカッターでダメージを調整。
相手を一撃で押しきれ!」
エルレイドLv.55 HP130 闘 (DP3)
闘無 ソニックブレード
相手の残りHPが「50」になるように、相手にダメージカウンターをのせる。のせた場合、相手を相手のベンチポケモンと入れ替える。入れ替えるベンチポケモンは相手プレイヤーが選ぶ。
超無無 サイコカッター 60+
のぞむなら、ウラになっている自分のサイドを好きなだけ選び、オモテにしてよい。その場合、オモテにした枚数×20ダメージを追加。(オモテにしたサイドは、そのカードをとるまでオモテのまま。)
弱点 超+30 抵抗力 ― にげる 2