八月某日
ジリジリと太陽が照りつける中、ブイズ達一家……いや、ブイズ達一家(一匹を覗く)と言った方が正しいだろうか。
とにかく、一家が集まった。
どこの大富豪の屋敷だ、と、言いたくなるような立派な屋敷――
ジョウト地方コガネシティにそびえ立つ立派な屋敷――
しかし、皆里帰りに来た訳ではない。ましてや、夏の思い出を作りに来た訳でもない。
最年少のイーブイとてそんなことぐらいわかっている。もちろん、最年長のシャワーズも、だ。
だから皆、葬式のように黙りこくり、一言も話そうとしない。
お喋りのエーフィだって、紅茶を頼んだだけで、それっきり何も言わない。
と、その時。
長男であるブラッキーが重い口を開いた。
「これより、ブイズ一家親族会議を始める!」