【005】水跡

☆ 10 ☆☆ 11 ☆☆☆ 5 合計47

(自由感想)
まるで普通のポケモンのようなスイクンが印象に残りました。 ガーディやケンタロスのようでいて、それでいて主人公の願いを断るスイクン。 少し寂しいと感じたけれど、人の力で綺麗になった里にスイクンが足跡を残すラストで、これでよかったんだなあと感じました。では、拙文失礼しました。
きとかげ


途中でスイクンが助けるのかなーと思っていたのですが、諭すという方法をとったのが印象的です。
re


水面…その手があったか! 描写に馴染みやすく、自分がスイクンに手を伸ばしている感覚になりました。


幻想を感じさせるスイクンとの出会いのシーンが印象的で、 そして、今の時代を考えさせてくれるような物語でした。
巳佑


私の好みどストライクでした。 スイクンとかルカリオとか好きなポケモンが出てるってのもあるかもしれないですが、それ以上にこの話の雰囲気が好きです。
中盤辺りの、スイクンそっちのけで水を飲むところの、水の描写がすごく好きです。「良いにおいがする水」であるとか「甘く陽の味」といった表現がいいなって思います。
スイクンの「――おのれの手で汚したものは、おのれの手で清めるがいい。」という姿勢もいいですね。いや当たり前といえば当たり前ですが。
最後の「スイクンの足跡」という文にやられた! と強く思いました。ここが一番好きです。
ただ、個人的におしいなと思った部分があります。終わりの方の「空の色を薄く映す清らかな泉に、のこった足跡がひとつふたつ。」という部分です。
ここの足跡が波紋とかだったら、最後の文がもっといきてきたのかなあと思いました。
単に波紋にしたらやや文章がおかしくなりますが。でも、ぎりぎりまで「足跡」という言葉を出さず、最後の最後で出していたらもっとインパクトがあったんじゃないかなと。
全体的に水に関する描写が素晴らしいです。あれこれ書きましたが、この話が一番好きです。
砂糖水


さらっと読みやすいですが、ちょっとボリュームが少ないかな? 個人的にもうちょっと読みたくなりました
もけはらまこと


他人頼みじゃなくて、最後にはやはり自分たちの過ちは自分たちでけりをつけるというストーリーはとてもよかったと思います。とはいえ、『ひとは強欲だから、それくらいはした方がいいだろう』はちょっと厳しい言葉なのでは? それだけきついことを言われた上に助けてくれなかったスイクンを敬うのは少し違和感があるかもしれません。また、最初は平然としていたルカリオが突然怒ったり(もしこれがスイクンの言葉に敵意を感じたからだとしたら、やはりスイクンを敬う理由が分からなくなる)、一番メインのシーンが少し伝わりにくかったような気がします。
点数としては高く無いですが、地はいい話じゃないかなと思います。
SB


最後に出てくるスイクンの足跡がグッときました。全体にスイクンの荘厳さを感じれる綺麗な作品だと思いました。
クロトカゲ


・キーワード  情景描写,物理的な足跡
・感想  全編を通し、メインで扱われているスイクンのような静謐な情景描写の光る作品だと感じました。読者を森の奥の泉に無意識のうちに引きずり込むような、静かな力強さを感じます。作品のテーマとも合致した情景描写は、文句の付け所がありません。  水面の波紋を「スイクンの足跡」と呼ぶなどテーマの消化も抜かりありませんが、スイクンとの邂逅〜その後の村という流れの間に、主人公の若者が水の浄化のために何をしたのか、という描写を挟む余地があったかも知れません。が、それを入れてしまうと蛇足になるような気もするので、微妙なところです。これは「私が同じテーマを用いて書く場合」のケースなので、あくまで参考程度に留めておいて下さい。
586


ストーリー的にはほぼ読めてしまったものの、伝説のポケモンの力には頼らず、自分達の手でという結論はやはりいいと思う。
課題は文章の表現力。泉の水を飲む場面、スイクンとの交流描写には目を見張るものがありましたが、それ以外はもっと工夫、推敲、見直しの余地が大いにあるかと思います。悪い意味で文章、進行ともに淡々としており、上記二場面との落差が激しく、見劣りしてしまっています。この点が非常に悔やまれます。まだ水がきれいだった頃の思い出の描写などが入っていれば、もっと主人公に感情移入できたかもしれません。文字数はいっぱい残っていますよ! やり玉(?)に上げてしまって申し訳ないけれど、同じストーリーでも描写を【020】レベルまで持って来れればついたと思います。まだまだ成長できる作品です。
文法的なことを言うと−(スラッシュ)の部分は―(ダッシュ)を使ったほうがよい。(私も昔間違えていました)
No.017


テーマが少々観念的のような気もするが、スイクンの足跡のくだりは良いと思う。 ただ、過程を詳細に描く必要まではなくとも、以下は少々省略しすぎの気がする。

>つらい日々を越えれば、もとのような水のにおいに包まれる村に戻った。
どんな努力をしたか、くらいを簡潔に書いてはどうだろうか。
また、下のとおり見直しが不足していると思われる箇所がそこかしこにある。次回はぜひ十分な推敲を。

気になった文章:

>清流は灰黒色にさかいまいて轟々とした流れにかわった。
「逆巻いて」?

>森のポケモンたちは黙り込み、木々のさわめきしか聞こえない。
「ざわめき」で。

>今度もルカリオは、心配そうな目で僕をみる。
他の分は「私」になっており、不統一のように思われる。

>ルカリオに導かれて森を進んでいた私の視界が、急に拓けた。
「開けた」では。

>空をそのままに写し込む。
「映し込む」では。

>私はまほろびながらも泉に駆け寄り、子供のように泉をのぞき込んだ。
「転(まろ)ぶ」では? この文脈ならば転(まろ)び寄る(転がるようにして近寄る)ではどうか。

>――ひとは強欲だから、それっくらいはした方がいいだろう。
伝説ポケモンの口調として、「っ」は威厳がないように感じる。

>寡黙なともにかける言葉はひとつしかみつからない。
>ともはほっとしたように私の手を離す。
>スイクンには、特別なちからがある。
>ただのポケモンだ。そんな不思議なちからを持っているはずがない。
>優雅に泉のうえを歩く。
>水のうえに立つスイクンと目があった。
複数回出ているので意識的にこう表記しているものと思われるが、 この文章の雰囲気なら、「友」「力」「上」と漢字のほうが良いのでは?

>私の心は、すでにあきらめが多い。
少々不自然に感じる。「あきらめの気持ちが勝っている」等の表現ではどうか?

ところで、人間の及ばない力を持ってはいても結局ポケモンである、というのを導き出すためとは言え、「撫でてくれといわんばかりの振る舞い」は少々やりすぎでは。直後のセリフと合わないように感じられる。(注:この部分はスイクン様信者の極めて個人的意見のため、あまり気にする必要なし(笑)

サトチ


とても良い余韻が残った作品。……最後のくだりと言い、ハイライトとも言える主人公とスイクンとのやり取りのシーンと言い、思わず「おっ!?」と声を上げさせられるような部分がそこここにあって、全体の印象は非常に良かったです。
…ただ、『スイクン』をテーマとした作品としては、非常に王道的な構成ですので…出来ればもう少し、細やかな情景描写や、丁寧な進展なんかが欲しかったですね…… 特に進展に関しては、ちょっと急ぎすぎたような感触が残りました。
『唐突に行動開始』→『次いで結果が来て即進展』――と言ったパターンが、幾つか目に付きましたので…それさえなければ、もう一つ評価が上がっていたかもです――
クーウィ


文体の整った良作。コンペ序盤のクオリティを下支えした。
二次創作にありがちな失敗は、設定におんぶだっこで記述が曖昧に、或いは省略されてしまうことである。ポケモンの名前を書けば十分だと勘違いしてしまうのだ。 本作ではスイクンの質感を手触りによって伝えており、その手抜きのない文章に好感を持った。
引っかかった点をふたつ。導入部で“現在”の清水の里について語り、続いて悪夢の時代に話が移るが、時間の推移を把握するのに手間取った。清水時代(過去)→悪夢の時代→清水時代(現在)の推移をもっと明確に段落分けして導入した方がよかっただろう。
次に森を行くパート。冒頭「雨」の単語が出てくるために、「木漏れ日」や「乾いた若草」に違和感を持った。スイクンのいる泉に日が差すために天気はよくなければならず、つまり「木漏れ日」は整合性がある。 よって冒頭の「雨に濡れた落ち葉」の「雨」が既に止んでいると明確にした方がいい。森の土は常に湿っているものなので、単に「湿った落ち葉」でもよかったかと思う。
渡辺タテタ







【004】 【005】 【006】