まだまだ暑いヒウンシティに、少しずつ秋が近づいてきた
どこか遠くで雷が鳴る音がするため、そのうち雨が降るかもしれない
僕の名前は、その雷から名づけられたらしい。
雷の綱と書いてイズナ。それが僕の名前だ。
ルルーメイさんが帰ってすぐに、無理を頼んでお願いした
特訓を終えて、お気に入りのフロストヨーグルトアイスを口に入れた
―Pi Pi Pi ♪
「……はい。お電話ありがとうございます。
捕獲屋Jack Pot です。……依頼ですか?」
リラさんが受話器を取った。メモを取りながら、今出れそうな人を
思案しつつ、相手からの情報を詳しく聞き取って行く
「……迷子のポケモンの保護ですか……メノクラゲ?
……一回り小さく、うち一匹が色違いと……。」
「……アズキ兄さん、メノクラゲって?」
「アジア圏のクラゲポケモンだよ。水タイプと毒タイプね。
この間の、ホウエンを直撃した台風の影響かもしれんな。」
「荒波で仲間とはぐれたってこと?」
「正確には、親のドククラゲとだな……色違いか
早めに行った方がいいな……リラ!今回は俺が行くよ。」
「……………。
わかりました。すぐに向かわせます。怪我は
ジョーイさんの指示に従って手当をして下さい。」
電話で指示を出す一方で、アズキ兄さんは
クルマユのぼたんをボールに戻して、ケンホロウ(♀)のひなぎくを出した。
彼女を窓から外に出すと、応対を終えたリラさんが
兄さんにメモを渡した。
「急な仕事だからね。気をつけなよ。」
「わかってるよ。じゃあ。」
それだけ言って、兄さんはそのまま、窓から外に出ると
セイガイハシティへと、ひなぎくと共に向かって行った。
またどこか遠くで、雷が鳴った。
*あとがき*
お仕事受注編です。秋が近づいて来ましたね。
最近は雷がひどかったり突然強い雨が降って来たりなため
洗濯物がなかなか乾かないのがイラつきます。
雷と聞いて、一番最初に思い浮かぶポケモンは
やっぱりサンダーです。今度サンダーがメインの
小説でも書こうかな……。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【批評してもいいのよ】