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「…」
ユエは上を見ていた。腕を組んでいるポーズを取っている。相手から見れば豊かな胸が強調されていることがよく分かるだろう。まあ見慣れた光景だから別に困ることはないのだが。
相手はユエを見下していた。初めての光景に、どうやら戸惑っているらしい。落ち着きが無い。今まで見ていた物がいきなり小さく見える。冷蔵庫、テーブル、椅子、ご飯皿、テレビ、ベッド、などなど。
「どうしてこうなったのかしらね」
喜ぶべき、なのかもしれない。だが今の状況は簡単に喜べなかった。
昨夜、『電気消すわよ』と言って彼がベッドに潜り込んだのを確認して電気を消した。そのまま一度も起きずに規定時間になって目覚ましで目を覚ました。
そしてふと横を見て…
マグマラシが、バクフーンになっていた。
その時まだ本人は気付いてなかったようで、幸せそうにいびきをかいていた。マグマラシの時なら可愛い仕草の一つとして写真でも撮っていたところだが、今度はそうはいかない。
ユエのベッドはもちろんシングルサイズだ。マグマラシは丁度ユエの隣で丸くなる体勢になる。
だがバクフーンになるとそれはかなり難しくなる。ユエの身長は百六十ちょっと。バクフーンは平均で百七十。シングルベッドの高さはいいとして、幅は…
案の定、今朝もう少しで相手の長い鋭い爪がパジャマを引き裂くような場所まで来ていた。一瞬夢かと思ったが、ふと頬を抓ってみて夢じゃないことを確信した後は、相手が驚いて炎を吐かないようにそっと起こして状況を確認させて―
今に至る。
「参ったわねえ…看板息子がこんなにでかくなっちゃあ」
ガーン、という効果音が聞こえた気がした。バクフーンが半べそをかいている。ユエがため息をついた。
「冗談、冗談よ。メンタル面弱くなったんじゃないの」
ぽんぽんと頭を叩いてやれば、バクフーンがユエに寄りかかってきた。もふもふが顔に当たって苦しい。そして炎タイプだからか熱い。
「はいはい、さっさと食事してカフェに行くわよ。…カクライさんのメラルバ、大丈夫かしら」
数時間後。
変貌したバクフーンを見てメラルバが目を輝かせ、夏休み後半で宿題に追われていた学生達が一時中断の写メ大会になり、非番で来ていたサクライとヒメヤがそれぞれ、『寝てる間か…溜まってんじゃねえのか』『警部、それはセクハラと見られても仕方が無い発言です』という会話が交わされたという…
――――――――――
そろそろ進化させた方がいいかなと思った結果がこれだよ!
サクライさんとヒメヤさん。名前を出すのは初めてかと思われます。奇妙な一日でゼクロムとレシラム注文してた二人です。職業は警部、刑事。サクライさんは四十半ば。ヒメヤさんは二十代後半。
前者は駄目男なイメージがありますが、やることはきちんとやります。ヒメヤさんは下睫が特徴のイケメン。
こんな感じでよろしくお願いします。…やっと出せた
テレポート 14/20
真っ白なブラウス、真っ赤なロングスカート。
全身を包む淡い光。対照的な黒髪がまた光を際立たせる。
「ふ、ふ、ふ。もう誰にも会わないと思ってたのに、こんなところでがっちゃんこされる前のバクダンボールに会っちゃうなんて。おもしろすぎるよ」
こんな不思議な事、なかなかないよ。淡く光るその人は、なんか楽しそうだった。
俺の目の前には爆発前の、紅白まんじゅうさんがいた。
「反攻して、脱線して、ここに来たのに、どうして君がいるのかな?」
いや、いるのかな?と言われましても。
この場合、俺の言葉は通じるんだろうか。人とポケモン、がっちゃんこの場合は。分からん。
「ふ、ふ、ふ。まぁ、いいよ。最後の最後に、話し相手がおんなじバクダンボールなんて。傑作だよ。よくできてるよ」
しゃがみこまれた。俺はどうすればいいのか分からない。
テレポートした場所が、コガネのラジオ塔の隅っこなのか、と見当がつくだけで。
「君を巻き込みたくはないんだ。私がどかん、したら、君もどかん、じゃすまないよ。多分、どかんとする前に、木端微塵だよ」
それはさすがにご遠慮したい。ごろごろごろ、紅白まんじゅうさんの周りを一周してみる。
「私ね、さっき、生まれて初めてたくさんしゃべったんだ。ジャージちゃんって言うんだけどね、その子のおかげでここに脱線したんだけど」
ホウセンカそっくり、を自称するお嬢さんは、おんなじ爆発物にたいして短いお話をする。
簡単な仕組みで、どかんと一発。人をたくさん巻き込めるように作られた、怖い怖い、恐ろしい才能。でも、使い捨ての才能。
「リサイクル不可能、ってあたりが素晴らしいよね。威力を大きくして、自分も吹っ飛んで、証拠隠滅。作った方は安全安心。拍手喝采だね」
本来のポケモンは、自分の体力の全てを使って爆発する。まさに『じばく』で『だいばくはつ』。
でもそれは、あくまでも衝撃とかエネルギーを周囲に放出するだけで、自分は、そりゃ激しく傷つくけど、生きてはいるわけで。
入れ物を吹き飛ばす、自分の体が壊れることをお構いなしで爆発すれば、威力なんて、それじゃない。
「さて、私の最後のお話はこれでおしまい。なんか、聞いてもらってほっとしたよ。やっぱりおんなじバクダンボールだからかな?」
ふ、ふ、ふ。笑って、すっと立ち上がる。
「それじゃあ、バイバイだよ。ちゃんと遠くに離れるんだよ。いいかい?わかった?」
まんまるな体だと、肯定と否定はどう表せばいいのか、よく分からんけども。
とりあえず、くるりと背を向けた紅白まんじゅうさんを見て。
俺は、テレポートした。
つづけっきんぐ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談 ビリリダマ、爆発、ホウセンカ、紅白まんじゅうさん。
これだけそろってるんだから書かないわけにいかない。
【大好きですホウセンカ】
【はーくーしゅ!はーく(殴】
> なんか上がっとるーっ!!(素
なんかあげてみたー。ども、音色です。
> どうも、ご無沙汰しております。586です。会社で携帯から読ませていただきました!
586様ご機嫌麗しゅう、お勤め中にチェックしていただいて光栄至極!
> 携帯からは書けないので寮に戻ってきてから書いてますが、読めば読むほど小ネタの仕込みっぷりが素敵で笑わせていただきました。鈴木三郎さんとか完全に忘れてたよ!
> 作品のチョイスが全体的にマニアックなのがツボでした。ああ、こんな作品も書いたなぁと感慨にふけることしきり。。。
俺が特に好きな作品を詰め込みましたw
大丈夫!まだテレポートのPPは残っているのですw
> 最後にちらっと出てくるチルチルちゃんも含めて、とても面白かったです。
> 久々にうちも何か書きたいですが、仕事が超絶大ピンチ+夏コミ前で身動きが取れませぬぐぬぬ。ネタが結構あるだけに歯がゆいことこの上なしです(´・ω・`)
喜んでいただけなら何より!
586様の夏コミ本が気になって欲しくてでも行けなくて、首吊りたい。
> 疲れた体によく効く素敵な内容でした。どうもありがとうございます! 明日……というか今日も頑張ろうと思います!(目覚ましをセットしながら
がんばってください!
よし、586様をさらに癒すことができるようなお話を・・・書ける・・かなぁ・・。
がむばりますっ!では
なんか上がっとるーっ!!(素
どうも、ご無沙汰しております。586です。会社で携帯から読ませていただきました!
携帯からは書けないので寮に戻ってきてから書いてますが、読めば読むほど小ネタの仕込みっぷりが素敵で笑わせていただきました。鈴木三郎さんとか完全に忘れてたよ!
作品のチョイスが全体的にマニアックなのがツボでした。ああ、こんな作品も書いたなぁと感慨にふけることしきり。。。
最後にちらっと出てくるチルチルちゃんも含めて、とても面白かったです。
久々にうちも何か書きたいですが、仕事が超絶大ピンチ+夏コミ前で身動きが取れませぬぐぬぬ。ネタが結構あるだけに歯がゆいことこの上なしです(´・ω・`)
疲れた体によく効く素敵な内容でした。どうもありがとうございます! 明日……というか今日も頑張ろうと思います!(目覚ましをセットしながら
以上、よろしくお願いいたします(´ω`)
テレポート 20/20
目の前が真っ暗になるとかどんだけ死亡フラグですかー!?ヤダヤダ、俺はまだ死にたくない死ぬ気もない当分生きてやるだからなチクショ―!
くそ、『殴りに行けるアイドル握手会』に行ってないのに何故タブンネにぶっ飛ばされねばならんのだ!ていうか、俺手とかねぇや。ちっ、せっかくの握手会が・・!
んで、ここはどこですか。草むらではないないらしい・・ロケット団並に空のお星さまレベルで飛んでったのか俺は。
「まったく、今日は一体どうかしている!」
って、どこだと思ったらここ診療所だよ!なに部屋の真ん中に俺いるの!・・ま、なんか机に向って怒ってるお医者さん気づいてないっぽいからいいや・・。
・・とりあえずゴロゴロと転がってベットの下に潜り込んでみる。
「鍵に釣り針にハンドルにレコードにピストル洗濯バサミ・・挙句ストローだと!私を馬鹿にしているのかはたまた政府の陰謀か!」
鍵に釣り針にハンドル・・待て、この道具の羅列はどっかで見たこと聞いたことがあるようなないような。
「一体何がどうなったらアンノーンがモノに見えるなどという訳の分からない症状が発症するのだ!ついこの間は隣町の医者が『アンノーンのYが手鏡に見える』などと言ってきた!」
・・アンノーン・・だと・・。
待て待て待てぇ!聞いたことどころか思い当たる節しかねぇぇ!
「なに?あぁ、そろそろ往診の時間か・・ん、おいワシのハンドバックが開かないぞ!どうなっとるんだこれは!」
あああぁそれはハンドバックじゃないアンノーンの『V』だよお医者さん!だぁぁ駄目だぁ!ここにいたらそのうち俺もあの病もどきにかかっちまうような気がするぅぅ!
どうにかここから脱出を・・どうしようどうすりゃいいんだ・・!
・・・。
俺、そういやテレポート使えるじゃん。
テレポート 19/20
んでさ、テレポートってイメージ的に自分が知っている場所に行けるもんだと思ったら大間違いなわけね。
何で電車の中なんだろう。これ無賃乗車になったりしないかな。ポケモン(現時点で一応俺はビリリダマなわけだし)が金の事なんか気にしてもしょうがないか。
地下鉄じゃないっぽい。うん、外の景色が見えるので廃人専用地下鉄ではないな。たぶん。
ちなみにビリリダマな俺が出現した場所は恐らく電車の中だと判断した理由は至極簡単。テレポートした先がいわゆる電車とかの椅子の上だったからだ。
「あれ、貴方いつからそこにいました?」
声をかけられ正面を向くとそこには一匹のディグダが座っていた。・・もちろん、椅子から突き抜けてる恰好で。
「細かいことは気にしないでください」
適当にごまかす。やべーよ!ここ合席だなんて思わなかったよ!
「はぁ・・まぁ構いませんけどね」
よっしゃ助かったー!
「でもここはダグトリオ専用車両なのにどうやって乗ってきたんですか?」
・・ダグトリオ専用車両とな?
っていうことは、目の前にいるのはディグダではなくピンのダグトリオということか?
「あの、もしかしてあなたのお父さんは鈴木三郎と」
「どうして知っているんですか!?」
間違いない。目の前にいるのは最初がヨーゼフだったかヨーデルだったか忘れてしまったが略称よっちゃんであることに間違いない!
「あの、ちなみにビリリダマ専用車両はどこでしょうか?」
「ほかの種族はちょっと・・それ以前にビリリダマに専用車両があったかどうか・・」
ないのか。ちょっとショック。
「おや、あれはダグトリオか?」
向こうの席からそんなセリフが聞こえた。と、いうことはもうすぐ雪国に到着するはずである。
そんなわけでよっちゃんに挨拶をして俺はテレポートをすることにした。
テレポート 18/20
なんだこれ。今度は一体どこにテレポートしたんだ俺は。
『アンチそらをとぶの会』と書かれた看板の目の前に出現したけど、これは一体どうすればいいんだ。
・・何か向こうでぎゃんぎゃん騒いでるけど。
「ほかに意見のある人!」
「はい!」
「はい!」
「はい!」
「はい!」
「よし……それじゃそこのイトマル!」
「やっぱり、まずはトレーナーの上にでっかい網とか仕掛けておけば大丈夫な気がします!」
「なるほど…それ採用!」
・・・。いや、ダメな様な気がするが。
まぁ、やってる本人たちが充実していそうだからいいか。次に行こう、次。
テレポート 17/20
「おい聞いたか!一ヶ月後には世界が消滅するんだとさ」
「まっさかぁ、あんたあのテレビの受け売り信じてるのぉ!?」
今度はやたらと物騒な世界に来ちまったなぁおい!アンチそらをとぶの次は世界滅亡のカウントダウンか!
走り去って行った高校生くらい少年少女のあとをゴロゴロと追ってみる。児童公園、と書かれた場所まで転がると、なんかポケモンがいた。
・・ネイティオだ。
あいつなにやってんだ。突っ立ってぼけらっとして。
興味本位でそちらに向かって転がる。自慢じゃないがだいぶこの『ごろごろ移動』に慣れた。地味に痛いんだけどね、小石とか踏むと。
「あのー・・こんちわ」
ポケモン同士なら会話が成立するとさっきのダグトリオエクスプレスで確認したばっかりなので、たぶん大丈夫・・だとおもうんだけど・・。
無反応。まー予想していたけどねー・・。
・・ていうか、こいつさ・・。
泣いてね?いや、絶対泣いてる。右目だけ泣くという不思議かつ奇妙な泣き方をしている。
えっと右だが左だがどっちだったか忘れたがどっちかで未来を見てもう片方で過去を見るという大変ややこしい視界なもんだから目が疲れたんだろうか。
んなわけないか。
とりあえず、こいつが何を見ているか俺がわかるわけないし見たくない訳で。たしかこのお話が始動するのは滅亡カウントダウン三日前のはずだから。
行くか。
テレポート 16/20
ささささささささささささささむい。ここここここここごえじぬ。ていうかしししししぬ。ゆゆゆゆゆき!ゆきふってるぅぅ!
ここれが本当の冷蔵庫の中というやつかかかかか。まずい、ふふふふるえがとととまらんんん。
テレポートだ!いますぐここから離脱するんだだだだだ!
雪が降る聖夜の中、ニコラウスとヴィクソンが飛び立つのが見えた・・ような気もした。
テレポート 15/20
ミスったぁぁ!空中に出現するとかないわ――!落ちる――!ギャ――!
いかん!下の方にポケモンいるしぃぃ!あれだよ、ビリリダマの図鑑説明には衝撃を与えたらもれなく大爆発が起こるみたいなことが書いてあった気がする!
そこの誰か逃げてー!逃げても俺が無事じゃないだろうけど―!
ばふーん
落ちた先は堅いようなもふもふでした。
「あり?」
ごろごろと鈍ーく弾かれて何が起こったのかよくわからん。
ひょいっと、突っ込んだ草むらからそっちを見たら、くるんともふもふこっとんガード。
なぁるほど。
俺をはじいたのはチルチルちゃんらしい。
助かったなぁ、と一安心。
さてさて、今度こそしくじらねぇようにテレポートすっか。
つづけみすとりー
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談 つづけにポケモンが関係なくなってきた。
【586さんのコミケ発売お祝いを兼ねまして】
【テレポートのPPはまだ残っている】
【拍手くれたら嬉しいな】
「うおおぉぉぉ!」
草むらに突っこむ→野生のポケモンとバトル!そう、ゲームとなんら変わらないレベル上げの常識である。
残念ながら俺は廃人ではなくただのライトユーザーなので個体値とか努力値の知識は皆無です。仮にあっても自分の個体値なんて知るかぁぁ!
しかしここで問題が発生!
俺は攻撃技を持っていないのだ!
・・なんら堂々と宣言できることじゃないが、どうやって経験値を稼いでレベルを上げろというのだ。わるあがきか、PPを使いきれというのか。
だがな、甘く見るんじゃない。
俺の使える技
『テレポート PP 20 じゅうでん PP 20
あまごい PP 5 いやなおと PP 40』
なんでやたらとPPが多いんだよぉぉ!こんな使わねぇのにぃぃ!
ゲームで会ったらまさに積み状態。しかしこれは現実(冷蔵庫の先の)なのだ。リアルファイトなのだ。やっぱり俺には薔薇色のトレーナーとしての未来が欲しかった。
あ やせいの タブンネが あらわれた! ▼
出た!「たくさん経験値をくれる優しいポケモン」(ゲームの中でどっかのポケセンでそんなことをほざくモブキャラがいた。それ優しいって言わないから)
ゲームではいわゆる「タブンネ狩り」の被害者ではある。(ちなみに俺は『まよいの森』で三色小猿を狩っていると何故かタブンネ狩り状態になった。意図してタブンネを狙ってないのに)
と、とにかくPPを使いきって『わるあがき』を出せる状態にならないと・・!
タブンネの すてみタックル! ▼
なんだとぉぉ―――!ってことは少なくともレベル50以上ってこt
めのまえが まっくらになった! ▼
つづ・・・けるのか?
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談 野生以外がやられた場合はどうなるの
【拍手(略】
もふ地獄(いや好きな人にとっては天国だろうが正直すげぇ息苦しい)が終って気がついた。
しかしまぁ、ポケモントレーナー薔薇色ライフの夢が断たれたと言え、もふパラと言えば人間→狐ポケモンという別の意味のポケモンライフが待っていることである。これはある意味でも貴重じゃん!?
ポケダン世界でない以上、人間がポケモンになれるチャンスなんてやっぱ滅多にない(はずだ)。
ところで、俺キツネになった割にはさっきからごろごろとのた打ち回っているんだが。なんというか、手も無い、足も無い。ついで言うと尻尾も無い。もふもふな毛皮も無い。
なんかつるつるしてる。
従って移動は転がった方が早い。
おめでとう! は ビリリダマに へんかした! ▼
目の前に現れたウィンドウが文字を写しだした。
・・いやいや、全然おめでとうじゃないし。名前のところ空白だし!扱いがひでぇ。しかも進化じゃなくんて変化かよ。あってるけど。
しかし何故ビリリダマ。狐のきの字どころかタイプすらあってない。ていうかもふもふどころか動物ですらねぇぇ!
何故にアイテムと間違えて戦闘に突入するようなポケモンなのだ。どうせ爆発するなら進化形の方がはったりがきくじゃないか。
ぼん、と尻尾の生えたウィンドウが消えた。水色とフツーのゾロアが共同で化けていたらしい・・妙なもんに化けんな。
横で長老が爆笑している。あんたがやったんだろうがぁぁ!
「ふふふ、すまんのう。お主、でこぼこが多かったからのう。丁寧に研磨してやったらそうなってしまったんじゃ」
悪びれもせずにさらっと長老が言う。納得。研磨じゃしょうがない。
「あの、俺変身とかイリュージョンって使え」
「ビリリダマが何を言う」
やっぱ無理ですか。
「じゃあ俺化かしマスターには」
「慣れるわけなかろう」
この人(狐)なんで俺を研磨なんかしちゃったの。もふパラじゃねーよただのつるパラじゃねーか。自分で言って自分がハゲみたいだ。自爆!
しかし なにも おこらない ▼
「ええええ」
「あ、お主の使える技を教えてなかったのう」
そう、長老が言って紙切れを見せた。
『ビリリダマの おぼえている わざ
テレポート じゅうでん あまごい いやなおと』
さりげなく右上に『Lv,1』の表示まである。
・・・あの、これで一体どうしろと。
つづけんたろす
―――――――――――――――――――――――――――――――――
余談 さてどーしませう
【続いて欲しい?ならば拍手だ】
【もう先の展開が分かるよねタブンネ】
扉を開けたらそこは、普通の路地裏だった。
ちっ。これで俺の家のリビングじゃないのか。握っているのは変わらずにカフェの扉。決してうちの冷蔵庫ではない。
・・裸足で歩きたくないのだが、そこはしょうがない。日陰のコンクリートが冷たい・・ちっちゃい石踏んだ。地味に痛い。
マスターに頼んだら靴貸してくれるかなぁ。・・んなわけないか。ていうか店出てすぐ振り返ったらどれだけ即効アウトだよ。
さすがにそれでいきなり霊界に連れていかれたくない。・・ていうか、俺何も悪いことしてないよ。本当。もしかして一時タワーオブヘブンでヒトモシ倒しまくったからそれでとか。いやいや、あくまでゲームの話です。
倒しまくってた理由が『色違いのヒトモシ欲しぃぃ!』だからなぁ。途中で飽きたけど。
ところで、路地に出たは良いんですがどこに行けばいいんですか。右ですか左ですか。
・・仮にどっちかに言って大通りに出たとしよう!その時の俺の格好はどうだ!部屋着だぞ!しかも裸足だぞ!
おまけにあこがれのポケモンワールドとは言え、逆を言えば俺は住所不明国籍不明(当たり前だ、この世界の住人じゃないんだから)の不法侵入者として扱われませんか?可能性大。
こちらの世界のジュンサーさんがどの程度のモノなのか、アニメ見る限りじゃ優秀なのかそうでないのか(大変失礼だが)よくわからん。
いやしかし、もしも『コマンド』に出てきてしまう超絶美人警察のレンリさん(俺の認識上)いたらどうしようか。ここがイッシュ地方ライモンシティではないという可能性は捨てきれません一応。
いやだって大通りといえばまずは華やかなライモンシティでしょう。・・あ、でもシンオウ地方かもしれないなぁ。妙にがっかり。
まぁいいや。
どうにかなるでしょう多分。
以下俺の都合の良い妄想。
仮に、仮にだ。住所不明国籍不明の不法侵入者と認識されたとしよう!しかし家族もいないしまともに考えればトレーナーカードらしき身分証明書も無い。
となったら、どうなる?そう!こちらの世界での身分証明書っぽいモノをつくってもらえるかもしれないわけだ!こうなったら偽名を名乗ってしまおう。そしてポケモントレーナーとしての人生を歩んでしまうのも一興だ。
いやだって、別に問題ないよね?俺のいた現実世界(いやここも現実と言えばそうだけど)でも時間が進んでいたら俺は失踪と言う形になるだろうが、俺が悪いんじゃない。全てはこの世界に繋がった冷蔵庫が悪い。うんうん。
有名な博士達の誰かに巡り合えたりしたらいいじゃない。最初のポケモン何にしよー。いまからちょっとわくわくが止まらないぜちくしょー!パーティ構成とかも考えたいしな。
こうして俺のバラ色の未来が目の前に広がろうとしていた・・・!
ずごしゃ、っとなんか踏んだ。つんのめって前に倒れた。
「いってぇぇ!?」
なんだよ何踏んだんだ?ずっこけた元凶を見ようと、倒れたまま体を回転させて後ろを見た。
あ。
これって、あれですか。振り返った判定に入るんですか?
「……振り返ってはいけませんと言ったのに、振り返ってしまいましたね」
判定に入りました―――!
やっちまった・・グッバイ、俺のバラ色の未来。マスターの声が響く。
「ちょ、ちょい待ってください!」
「ダメです」
「たんま!」
「だめです」
「いや、だって俺、なんもしてないじゃないですか!」
戻りの洞窟行ってないし別に人生に悲観しているわけじゃないしそんな運が悪すぎる人間じゃないしていうかポケモンもってないしトレーナーですらないしついでを言っちゃえばこの世界の人間でもないんどぅえしゅ。
最後噛んだ。
ヤバいやばいやばいやばいリアルな意味でマスターが怖いぃぃしかし良い男である。って、俺は本当に何処をみとるんだ!
だって体格いいし、脚も長いし・・マスター足あるし。え、足あるしぃ!?
「・・あんた誰です?」
「ワシの尻尾を踏んでおいて言う事がそれかぃ?」
尻尾ぉ・・、と言いかけたら、溢れるマスターの背後から金色の尻尾が1本2本・・ってちょっとまったぁぁ!
「ここはもふパラじゃないはずだぁぁあ!」
「ほぅ?お主、その言葉を知っておるのか?ならば話は早いのぅ、もふもふの刑じゃぁぁ!」
「うそーーーん!?」
こうして俺はマスターの忠告を守らなかったばっかりに、長老にもふパラに連行されることとなった。
ちょ、ま、苦しい!ガチな意味でい・・息が・・・がくっ。
つづけいこうお
―――――――――――――――――――――――――――――――
余談 もふりーんもふらーんもふろーん
【カオス万歳】
【さぁ、続きを書いて欲しいんなら遠慮なく拍手を(略】
目の前には残念ながら現実の珈琲。俺はブラック等ではなく砂糖もミルクもぶち込む甘党である。
どこにあるのかなー、と考えかけた瞬間にすっと音も無く砂糖壷とミルクが差し出された。
「どうぞ、御好きなようにお使いください」
爽やかな笑みのマスター。・・リアルな意味では、格好良いが確かにこの格好はなかなか恐ろしいものが何処かにある。
・・が、今の俺には不気味の不の字の前に現状の「げ」を受け入れる準備ができていないんですが。
とかいいながら手は容赦なくコーヒーにガンガン砂糖を入れかきまわしどんどんミルクを入れる。・・あれ、マスターの視線がどこか不安なものになっているような。
もしやようやく俺がこの世界の住人ではなくうっかり開いた時空の歪みに巻き込まれたただの凡人であるという事に気付いたとか。
「お客様、その、大変申し上げにくいのですが」
申し上げにくい雰囲気でごめんなさいぃぃ。
「ミルクの入れ過ぎで珈琲がカップから溢れておりますよ?」
「え」
手元を見ると確かに真っ白なミルクがブラックコーヒーを見事に薄めて・・薄めるどこか漂白剤ばりに強制的に真っ白になっている。ていうかコップどころか下のソーサーからもあふれカウンターまでミルク色に。
ええと、これは舐めつくしてでも飲めというフラグか何かですか。違うか。
「新しいものをおつぎいたしましょう」
マスターはひとつも動じずさっとミルク溢れる珈琲(元)を回収し代わりのカップに新しいものを注ぎ、目の前に置いてくれた。なんか申し訳ない。
今度こそ普通に飲もうと手元を見ながら砂糖を入れ、ミルクを入れる。うん、溢れない、溢れてない。
ひとくち。
「あ、うまい」
「お口にあったのであればなにより」
よかった、なんかほっとする。
・・うん、ホッとしている場合じゃないだが。
「ええと、すいません」
「はい、なんでございましょう?」
冷蔵庫を開けたらここに来ちゃったんですけどどうやって帰ったらいいでしょう、なんて聞けるほど俺は図太くないし度胸も無い。
ていうか、そんなこと聞かれたら普通の人は困るだろう。
・・・あぁ、マスターが普通の人ではないってことは知ってるんだけども。『これから隕石が落ちてきて地球が滅びます』と言っても『そうですか』と受け答えしてくれそうな空気はあるけども。
さすがに冷蔵庫への帰り方は知らないと思う。
「最近、面白いことありました?」
いやいや一体何を聞いとるんだ俺は。
「そうですねぇ、この間、常連のお方のお仕事がようやく一段落ついたそうですよ。なんでも、追い続けてきた犯人を捕えることができたそうですから」
へーそいつはよかったですねー。適当な相槌。
「刑事さんか何かですか?」
「それに近いものだそうです。『時空を飛び越えた甲斐があった』とおっしゃっていましたよ」
うん、どっかで聞いたことがあるかもしれない。ていうか、知ってるそれ。
「もしかして部下の人たちって始終『Wii』の宣伝してたりして」
「おや、よくお分かりになりましたね」
そりゃプレイヤーですもの―あははー、なんて言えるか畜生。ポケダンは数回クリアしたからな。
そういえば、俺から見たらまさにここは夢の世界なわけだ。
「ところで他のお客さんが見当たらないような気がしますが」
「平日のこの時間帯は皆様、あまりこちらには来られないのですよ」
ちっ。ゴーストポケモンがみられると思ったのに。すっかりこの展開に慣れつつある俺。いやー、人間の適応能力ってすごいね。
「あのところで」
「はい」
「金持ってないんですけど」
「サービスですから」
原作に忠実設定最高。よかった。しかし、俺、裸足なんだけど、よれよれの部屋着なんだけど。どうしよう。
「それじゃあ、ごちそうさまでした。おいしかったです」
ああぁぁどうやって帰ればいいんだろう。知るか。どうにかなる。
「あぁ、御客様、お帰りになられる前に、一言だけ忠告を」
フラグか。フラグなのか。これはきっとフラグだ。
「お帰りになる際は、……決して後ろを振り返ってはいけませんよ」
それはどこまでですか、マスター。冷蔵庫の扉はどこにあるんだ。マスターの親切に対して会釈をする。
カフェの扉をあけた。
つづけたぐり
――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談 さて、どうしよう。どうしよう。
【御好きにどうぞ】
【続きがみたけりゃ拍手く(殴】←これお決まりにしよう(笑
レクイエムだった。
・・え。
ええ。
えええええええ。
「すいません間違えました」
「お客様、何をお間違えになりましたか?」
目の前にはヨノワールのコスプレ(?)をした店主が立っている。
うん、間違いない。紅い文字でドアノブにかかっている看板はかの有名な『cafe requiem』のものだ。
・・。なして俺はこんなところにいるのだ?
だって俺は、冷蔵庫のドアを開けたはずなんだぞ?
さっきまでの行動を振りかえろう。
俺は自分の部屋でベッドでゴロゴロしながらDSでブラックをだらだらとプレイしていたはずだ。
「ちょ、急所ないだろ!」とか「暴風当たりすぎなんだよはずれろぉぉ!」とか叫びつつ、のどが渇いたなーと一旦閉じてリビングの冷蔵庫にお茶を取りに行ったんだ。
そして冷蔵庫の扉に手をかけた。
開けた。
・・だからどうして俺はこんなカフェに入ることになったのかまったく意味が分からないんだが。
大体格好が部屋着だよ。Tシャツに半ズボンだよ。おまけに財布なんか持ってるはずがないよ。
もちろん、裸足。だって、部屋のなかを靴で歩きまわるってここはアメリカではない。日本だ、俺の住んでるところは!
だもんで、パニック。どうしようマジでどうしよう。
いつの間にかカウンターに座ってるし目の前にはサービスで出された珈琲もあるし。
これはあれか。
飲めってか。
・・・飲めってことだよなぁ。
「あ、私のことはマスターとお呼びください」
ならばマスター。頼むから疑問に思ってくれ。
こんなわけのわからない人間を速いところ投げ出してくれ。
つづけ
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余談 何処かで見たことあるノリだと気付いた貴方はうふふですよ。
【久方様、ごめんなさいお借ります】
【続いて欲しかったら拍手ちょうだ(殴】←冗談です