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  [No.524] 第7話 お嬢様は逃亡中 前編 投稿者:魁炎   投稿日:2011/06/13(Mon) 18:14:52   43clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

シママをゲットしたアレンは、ダルクと案内の元、302番道路を越え、『リンガシティ』に到着した。

「この街にはポケモンジムもある。バッジを8個集めれば無条件でポケモンリーグに出場できるから、挑戦する価値ありだ。」

「へぇ〜。」

「しかしジムリーダーは強い。油断しない方がいいぞ。」

「そっかー・・・。ねぇダルク、どこかその辺にポケモンを鍛えられそうな場所ってない?」

「そうだな・・・。あそこにある『緑の横穴』とかはどうだ?」

そう言ってダルクは、街はずれにある洞窟を指差した。

「へぇ〜、なかなか良さそうなところだ。早速行こう!」

「ああ。」

その時、こちらに一人の少女が走ってきた。そして、アレンと正面衝突してしまった。

「うわっ!」

「きゃあっ!」

ぶつかった二人は、ほぼ同時に尻もちをついた。

「だ、大丈夫か!」

「あ、うん。僕は何とか・・・。そっちの女の子は大丈夫かな?」

「いたた・・・。」

「・・・どうやら、大丈夫そうだな。」

「・・・ご、ごめんなさい!私、急いでいたものですので・・・。」

「いや・・・いいよ別に。ところで、何をそんなに急いで・・・」

「いけない!もう追手が来てしまいます!お二人とも、失礼します!」

そう言って少女はその場を去った。

「何なんだ・・・?あの娘。追手がどうとか言っていたが・・・。」

「うーん・・・。」

アレンとダルクが考え込んでいると、突然黒服の男たちが走ってきた。

「くそっ・・・!見失ったか!」

「早く連れ戻さないと、旦那様に叱られてしまう!」

「あの・・・皆さん、どうかしたんですか?」

「ああ。実は、お嬢様がポケモントレーナーになると言って家出をしてしまったんだ。」

「旦那様はお嬢様を箱入り娘のごとく大切にしていたからな・・・。連れ戻すのに失敗したら、どんなに叱られることか・・・。」

「・・・で、そのお嬢様の外見特徴は何だ?」

「あ、ああ。黒に白縁のリボンを頭につけて、ゴスロリを着た・・・君と同じくらいの年の娘だ。」

黒服の男の一人は、そう言ってアレンを指差した。

「それって・・・さっきの子かな?」

「ああ、おそらくな。」

「君達・・・お嬢様を知ってるのか!?」

「あ、はい。さっき僕とぶつかったので・・・。」

「それでお嬢様はどちらに?」

「えっと・・・確かあっちの方です。」

「ありがとう!」

黒服の男のリーダー格の男はアレンたちにお礼を言い、その場を去った。

*         *         *

「はっ・・・はっ・・・。」

少女は走っている。しかし、ずっと走り続けてきたためか、息も絶え絶えだ。

「・・・っ!このままじゃ、追いつかれてしまいます・・・!」

「いたぞ!お嬢様だ!」

「・・・っ!」

少女は、ついに黒服の男達に追い付かれてしまった。

「お嬢様、いくらポケモントレーナーになることを反対されたからといって、家出などとは!」

「旦那様もすごく心配してます。どうかお屋敷にお戻りになってください!」

「残念ですが・・・そのお願いは聞けません。」

「くっ・・・ならば、力づくで連れ戻させていただきます!」

黒服の男のリーダー格の男は、ヤンヤンマ、サイホーン、グラエナを繰り出した。

「・・・私のポケモンが3匹であることを知っていて、3匹出したのですか?フェアプレイのおつもりですか?」

「いえ・・・しかし、ポケモントレーナーになりたがるお嬢様のことでしょう。卑怯なことを嫌うと思いましてね。ここはトリプルバトルで行かせてもらおうかと。」

「・・・いいでしょう。その勝負、乗らせていただきます!」


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