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  [No.553] 第8話 お嬢様は逃亡中 後編 投稿者:魁炎   投稿日:2011/06/28(Tue) 05:59:37   46clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「いきます!ポカブ!コアルヒー!バチュル!」

少女はモンスターボールから、ポカブ、コアルヒー、バチュルを繰り出した。

「手加減は致しません!ポカブ、ヤンヤンマにひのこ!」

ポカブは、鼻からひのこをヤンヤンマに向けて発射した。むしタイプであるヤンヤンマはほのおタイプの攻撃で大ダメージを受けた。

「なかなかやりますね・・・。しかし、そう上手くは行きません!サイホーン、バチュルにロックブラスト!」

黒服の男のサイホーンがバチュルに向け、ロックブラストを放った。バチュルは立て続けにダメージを受け、瀕死寸前の状態となった。

「バ、バチュル!・・・あのサイホーンは厄介ですね。私の三匹のポケモン全てに効果抜群のダメージを与えますし、早急に倒さなければ・・・。コアルヒー、サイホーンにみずでっぽう!」

コアルヒーはサイホーンにみずでっぽうを放った。いわ・じめんタイプであるサイホーンは水タイプの技になすすべなく一撃で倒されてしまった。

「ふう・・・これで一番の不安要素が無くなりました。」

「なかなかやりますね・・・。しかし、油断は禁物です、お嬢様。グラエナ、バチュルにかみつく!」

グラエナはバチュルにかみつく攻撃をした。瀕死寸前であったバチュルは今の攻撃で倒されてしまった。

「バチュル!」

「これで2VS2ですね・・・。ここからが本当の勝負です。」

「・・・望むところです。」

*          *          *

一方、アレンとダルクは『緑の横穴』にてポケモン修行をしていた。

「それにしても、さっきのは何だったんだろうね。」

「・・・何のことだ?」

「ほら、さっき会った女の子と黒服の人たちだよ。」

「ああ、あれか。・・・しかしあの娘、どこかで見たような気がするんだが。」

「その子・・・テレビに出てくるような有名人なの?」

「いや、テレビで見たとかじゃなく、実際に逢ったことがあるような気がするのだが・・・。」

「・・・?」

*          *          *

少女と黒服の男とのポケモンバトルは今だ続いていた。

「コアルヒー、つばめがえし!」

「ヤンヤンマ、ソニックブーム!」

コアルヒーはヤンヤンマのソニックブームをくらいつつも、つばめがえしを見事にヒットさせた。その威力でヤンヤンマが倒れると同時に、今までのダメージがたたったのか、コアルヒーも倒れた。

「とうとう1VS1ですね。」

「私とお嬢様の一騎打ちというわけですね。進化している分、私の方が有利でしょうな。」

「・・・いいえ?わかりませんよ?ここまでのバトルで、二匹ともかなりダメージを負っています。逆転の兆しは十分にあります。」

「ふふ・・・どうでしょうかね。一気に決めますよ!グラエナ、かみくだく!」

「ポカブ、ニトロチャージ!」

グラエナとポカブの攻撃が同時にぶつかり、辺りに土煙がまった。

そして、土煙が晴れた中に立っていたのは・・・ポカブだった。

「か・・・勝ちました!」

「く・・・流石はお嬢様だ。しかし、このことを旦那様にどう説明すれば・・・。」

「・・・しばらくは捜索しているフリをしたらどうですか?そうすれば、私も貴方達も少しはお得だと思いますが。」

「し、しかし・・・。」

「正直、私も貴方達が酷い目に逢うのは我慢なりません。しかし、ポケモントレーナーをしての旅も続けたい。ならば、それがいいと思うのですが・・・。」

「お嬢様の思いもわかりますが・・・しかし、我々はお嬢様と接触した以上、このことを旦那様に報告しなければならないのです。お許しください。」

「・・・わかりました。では、その際、この手紙をお父様にお渡しください。」

そういって少女は、手紙を男に差し出した。

「了解いたしました。では。」

そう言って黒服の男達は去って行った。

「・・・ふう。これで暫くは、平穏な旅ができます。」


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