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  [No.677] 第1話「誕生! 奇跡の七色戦士! 後編」 投稿者:akuro   投稿日:2011/08/31(Wed) 11:36:35   33clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 ブースターとシャワーズがサンダースについていくと、森を抜け、小さな洞窟に出た。サンダースは迷わずそこに入っていく。

「何ここ? ボロいわね」

「ボロいとか言うな。オイラ達のひみつきちだぞ!」

「え、オイラ「達」?」

「ああ、オイラとお前らの♪」

「はい? いったいなんなのアンタ!? そもそも名前すら聞いてないわよ?」

「お前うるせーなぁ……人に名前を聞く時はまず自分からだろ」

「なんで急に正論言うのよ……まあいいわ、私は水季(みずき)よ」

「オレは火炎(かえん)だ」

「みずきにかえんか。オイラは」
「らいど、つれてきたのか?」

 サンダース……雷怒(らいど)が名乗ろうとしたとき、ちょうど洞窟の奥にたどりつき、そこにいたポケモン……キュウコンに言葉を遮られた。

「あ……長老、なんで遮るんだよ!」

「ほっほ♪ すまんのう♪」

「はあ……ほら、つれてきたぜ」

 そういってらいどはキュウコン……もとい長老のもとにかえんとみずきを押し出した。
 
「はじめましてじゃのう♪ かえんにみずき」

「え……? なんでわたし達の名前を?」

「わしはキュウコンじゃ。長老と呼んでくれ♪ さっきの会話を聞かせてもらったのじゃ♪」

「……で? オレ達に何の用なんだ?」

「ほう……話が早いの♪ では説明させてもらうとしよう」


「なあに、簡単なことじゃ♪ おぬし達3匹に、この世界を救ってほしいのじゃ♪」

「「……は?」」
 みずきとかえんの声がハモった。


 ーーそれから30分後……


「……で、らいどに頼んで私達をつれてきた……つまり、わたし達3匹に「戦隊ヒーロー」をやってほしいと?」

「そうじゃ♪ みずきは物分かりがいいのう♪ かえんはどうじゃ?」

「えーと、この荒れた世界に平和を取り戻すということですか?」

「2匹とも頭がいいのう♪ らいどなんて、納得するのにきっかり2時間かかったのにな♪」

 そう言いつつ長老はらいどの方を向く。

「う、うるせぇ! それよりみずき、かえん! やるのか!?」

 みずきとかえんは考える。


 ーーオレの故郷もグラエナ達に荒らされ、オレは必死に逃げてきた。唯一王と呼ばれているオレがこの世界を救えるなら!
 
 ーーわたしの暮らしていた海でもドククラゲが大量発生して、みんな苦しんでいる。わたしが少しでも役にたてるなら!

「やります! 長老さん!」
「長老さん、わたしやります」

「ほっほ♪ いい返事じゃのう♪」

「ちょ、オイ! 聞いたのはオイラだぞ!」

 らいどは焦りながらそう叫ぶ。

「あ……ゴメンな!」

「まあ、これからよろしくね」

「おう!」
 らいどはにかっと笑った。

「ほほ♪ 話は決まったの♪ じゃあ3匹とも、こっちに来なさい♪」



 ーー洞窟の更に奥

「これは……?」

 かえん達の前に現れたのは、真ん中に真珠のような白い石がうめこまれ、まわりが赤、青、黄、紫、黒、緑、水色に美しく輝く丸い石版だった。

「これは七色石。伝説の七色戦士に変身するための力が封じ込められているんじゃ」

「七色石……キレイ……!」

「おっと♪ みずき、みとれてる場合ではないぞ♪ 早く変身しなくてはのぅ♪」

 そう言って長老はいそいそと七色石に歩み寄ると、真ん中の白い石に前足をのせる。

「かえんは赤、らいどは黄色、みずきは青の所に前足をのせてくれ」

「はい!」
「りょーかいだぜ!」
「わかりました」

 3匹は言われた所に前足をのせた。


「……七色石よ、ここに七色戦士になりえる者がいる。どうかその力を認め、パワーストーンを生み出したまえ……」

 七色石が突然光った。

 そして3匹が前足を置いていた所から、3つの石が出てきた。

「よし♪ そのストーンで早速変身じゃ♪」

「えっ……どうするんですか? 長老」

「おっと♪ 変身のしかたはの、石を持ち、「七色チェンジ」と唱えるのじゃ!」

 かえんは火の玉のような形の真紅の石を握りしめた。

「七色チェンジ!」

 かえんの体が真紅の光に包まれる。

 光が止むと、かえんの姿が変わっていた。

 黄色だった首周りや尻尾の毛は赤くなり、背中には真紅のマント。 首の所には白地に赤でVマークが描かれたバッジ。


 長老はその姿を見て、嬉しそうに呟く。

「ブイレッドの誕生じゃの♪ ほっほ♪」


 ……続く!


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