アレンはゴチミルと新たな手持ち、ミジュマルと共に301番道路を進んでいた。
「くぁ〜。やっぱこの辺の空気は新鮮で気持ちいいなぁ〜。」
そう言ってアレンはグッと伸びをした。
そして歩き始めてから1時間…。
「…ふう。流石にちょっと疲れたな。この辺で少し休憩するか。」
そう言ってアレンは地面に座り込んだ。そしてゴチミルとミジュマルをボールから出した。
「そう言えば…ミジュマル。君への自己紹介がまだだったな。僕はアレン。で、こいつが僕の相棒のゴチミル。」
アレンの視線を受け、ゴチミルはミジュマルに一礼した。ミジュマルもうれしそうに礼をした。
と、その時、一人のトレーナーが話しかけてきた。
「おい、そこのトレーナー。俺と勝負だ!」
あまりにも突然だったので、アレンは少し驚いた。が、すぐに返事をした。
「…ああ、いいぜ。」
「よし、決まりだな。いけ!オニスズメ!」
トレーナーはボールを投げた。ボールは華麗に宙を舞い、中からオニスズメが出てきた。
「相手はオニスズメか…。こっちはどうするか…。」
そう言ってアレンは自分の手持ちポケモンに目をやった。すると、ミジュマルがいかにも戦いたそうな眼差しで彼を見つめていた。
「…行ってみるか?ミジュマル。」
アレンのその言葉に、ミジュマルは力強くうなずいた。
「よし、いけ!ミジュマル!」
アレンにそう言われ、ミジュマルは意気揚々と前に出た。
「早速こっちからいかせてもらうぜ!ミジュマル、たいあたりだ!」
ミジュマルはオニスズメに思い切り体をぶつけた。オニスズメはミジュマルの攻撃を直撃でくらったため、勢いよく吹っ飛んだ。
しかし、まだ完全にはやられていなかった。
「頑張れ、オニスズメ!つばさでうつだ!」
オニスズメはものすごい勢いでミジュマルにアタックした。その衝撃でミジュマルは宙に弧を画くように吹っ飛んだ。
「ミジュマル!大丈夫か!」
ミジュマルはふらつきながらも立ちあがった。
「ミジュマル、まだいけるか…?」
ミジュマルはアレンのその問いかけに頷いた。
「…そうか。だが次に攻撃をくらったらまずいぞ…。」
アレンは少し焦った様子でそういった。
「次で決めるぞ、オニスズメ!つばめがえしだ!」
オニスズメは翼を広げ、さっきよりも速いスピードでミジュマルに向かってきた。
「つばめがえしは必ず命中する技…。くそっ、どうする?」
アレンが悩んでいる間にオニスズメはミジュマルにどんどん迫っていく。
「…いちかばちかだ!ミジュマル、シェルブレード!」
ミジュマルはお腹のホタチを手に取り、オニスズメに斬りかかった。と、同時にオニスズメのつばめがえしも命中した。
そして、倒れたのは…オニスズメの方だった。
「…勝った。勝ったぞミジュマル!」
アレンは勝利を大いに喜んだ。ミジュマルもうれしそうにアレンに駆け寄った。
トレーナーはオニスズメをボールに戻し、アレンに歩み寄り、こう言った。
「お前、なかなかやるな。いいバトルだったぜ。」
「ああ、こちらこそ。」
アレンとトレーナーは堅い握手を交わした。
「ところでお前、名前は何て言うんだ?俺はユウキ。」
「僕はアレン。」
「お前とは…またどこかで会いそうだな。」
「ああ。その時は、またバトルしようぜ。」
アレンはユウキに別れを告げ、301番道路を進んでいった。