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  [No.211] プロローグ とある老婆の語り 投稿者:紀成   投稿日:2011/03/01(Tue) 16:41:14   32clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

これはね、私が今は亡きお母さんから十歳の時にもらった物なの。
お母さんもお母さんから、そのお母さんもお母さんから…って、代々受け継がれてきたのよ。もう千年近く経っているわ。
綺麗でしょう?でもそれだけじゃないの。これを付けているとね、辛い時でも楽になれる。哀しい時も楽しくなるの。
それでね、これにはある伝説があるの。昔、ここを治めていた王様の娘がすごく綺麗な人で、何人もの男の人が結婚を申し込んだんだって。でもあまりにも綺麗だったから、結婚には遠かったらしいの。
で、ある時そのお姫様が寝ていると声がしたの。今までに聞いたことの無い、深い声。男の人みたいだったの。
その人は、君をお嫁さんにしたいって言ったらしいわ。わけがあって姿を見せることは出来ないんだけど、もしなってくれたら必ず幸せにするって。そしてこの家が後まで安泰になるようにするって。
そのお姫様はそれに答えた。そして、書置きを残してその家を去った。もちろん、王様もお妃様も必死になって探したんだけど、見つけられなかった。
それでね、一年経ったある夜のこと。
眠っていた二人がふと目を覚まして、窓の方を見ると、青白い光が揺れていたんですって。驚いてガラスを開けたら、その光がお妃様の手の中へ入って、一つの時計に変わったらしいの。
青いダイヤモンドがついた、銀の時計。二人は娘が送ってきたんだと思い、それを家宝にしたそうよ。

それから、その家は代々続く大金持ちの家になったらしいわ。

リンネ。きっと貴方にもこれを持つ資格がある。私にもし何かあったら、私の部屋のドレッサーの一番小さな引き出しを開けて。
そして、これを持っていて。お願いよ。

いつか、これを託せるような人が現れるまで。


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