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  [No.481] 3日目 マイコの願い 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/31(Tue) 12:31:36   48clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

今日もマイコの通う大学は休みである。だから、いい機会だと考えた彼女は、ジラーチを連れて、いつものたまり場でもある劇場に足を運ぶことにした。
そして、マイコには、ここに行くのにある目的を持っていた。
それは……


「あ、おはよう、みんな!」
「「「おはよう、マイコ!」」」
「フフフフッ」
いつもマイコと事件を解決しているメンバーの前で、マイコが笑いをこらえきれない様子だった。ちょっと怪しい。
「どないしたん?そんなにおもろいことでもあったんか?」
「実は、みんなにプレゼントがあるんだ。渡そうと思って」
プレゼント、と聞いて黙っている人はいないように思われる。
「何を渡すん?教えてくれへん?」
「待って、今から出すから……あ、これこれ」
マイコが出したのは、昨日、ジラーチに頼まれて買ったクロスペンダント。もちろん、千年彗星の加護のオマケ付きである。
「これ、1個ずつね。身に着けておくと魔除けの効果があるとか言ってたから」
魔除けという言い方はあまり適当ではないが、邪悪を祓うという意味ではあながち、間違いではないかもしれない。
「あと、紹介したい仲間がいるの」
そう言ってマイコが呼んだのはジラーチ。ハマイエには昨日見せたが、全員揃っている前で見せたのは初めてだ。
そして、願い事ポケモンはみんなからジロジロと見られることになった。


「うわ、カワイイやんか!」
「こいつって珍しいポケモンちゃうん?」
「マイコ、こいつとどうやって出会ったん?」
ジラーチだけではなく、何故かマイコも質問攻めに遭っているような気がするが、気のせいだろうか、いや、きっとそうではないはずだ。
『僕が目覚めた時に初めて会った人がマイコなんだ』
「こいつしゃべれるん!?」
『しゃべっているように聞こえるだけだよ』
当然、ジラーチのテレパシー言語には、初めて対面した面々が驚くことになった。
人の言語を操るポケモンの方が、正直珍しい部類に入るためである。


そして、家に帰った1人と1匹。
『ねえ、マイコ』
「どうしたの?」
『マイコの友達の人って怖い人多いね』
「いや、怖いっていうか……口調だけだと思う。根っこは悪くないとは思うけど」
マイコの男の友人はみなカンサイの言葉を使う。この言葉、初めて聞いた人にはいくらかの威圧を与えるようで、そう感じるのはジラーチも例外ではなかった。
しかし、いくらか長い付き合いのマイコはもう大丈夫みたいだ。本質はみな、口調は良くないかもしれないが、正義感が強く、いくつも修羅場をくぐってきた。マイコもその一員のようで、彼らとは信頼で強く結ばれている。
『あの人達からさ、マイコはもともと俺らの追っかけやった、って話を聞いたけど……』
「……」
ただ、人の秘密をペラッと喋ってしまうのはいくら親しい仲だとはいえ、あまり気がいいものではなかった。そのため、マイコは、これは彼らの職業病なのだ、と割り切って考えることにした。
とここで、マイコが何か思いついたようで、ジラーチに話しかけた。
「あ、そうだ」
『何?マイコ、』
「願いが決まったの」
『どういう?』
「誕生日の日、晴れるように、っていう願い」
7月7日、予報では土砂降りの大雨らしい。マイコは天の川を誕生日に見たいらしいのだが、この状態では全くそれが望めそうもない。
だから、ジラーチに頼んだのだ。
『わかった。……こんな未来のことをお願いするなんて、マイコって変わってるね』
「そうかな?」
マイコには、どうやら、その手の自覚はないらしい。
そのことを聞いた願い事ポケモンは、空に向かって光を飛ばした。光は無事に吸い込まれていったが、目に見えた変化はなかった。
『これで多分大丈夫だと思うよ。まあ、その日になってみないと分からないけど』
とりあえず、七夕の夜空を楽しみにしながら床につくのであった。


4日目へと続く……


マコです。
今回はジラーチを連れての顔見せ編。
マイコちゃんの過去も垣間見えていますが……
次は大学にて。ここから話が若干シリアス目になりそうです。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


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