マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

  [No.487] 5日目前編 激突!強敵・チトセとミライ!〜あくどい女・チトセ〜 投稿者:マコ   投稿日:2011/06/02(Thu) 17:17:06   37clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

※残虐な描写もありますので、閲覧する方は少々お気を付けください。





大学での襲撃未遂事件の翌日も、普段通り授業は行われることになった。
何事もなかったかのように平然としている構内。
いつもと違うのは、マイコとともに、男の友人が2人来ているということだ。
ただ、彼らは学生ではないため、授業中にいると怪しい。そこで、校舎に入るまでついていき、食堂か図書館で時間を潰してもらうことにした。


授業は眠気との戦いでもある。しかし、ここで眠ってしまうと、期末考査で泣きを見ることは自明のことであったため、マイコは必死に耐えた。
そして、眠気に打ち勝ち、何とか授業を終えたマイコは、図書館で待っていたアキヤマ、キザキと合流し、そのまま図書館内へ入っていった。


マイコはそこにあった備え付けのパソコンのある席につき、ネットの情報を見た。
検索先は有名なインターネット百科事典サイトである。
そこに「千年流星会」と打ち込むと、情報が展開された。
そこには、こうあった。

千年流星会(せんねんりゅうせいかい)とは、幻と呼ばれるポケモン・ジラーチを捕まえるために暗躍していた組織のこと。
1000年前に活動し、数々の残虐極まりない行動を繰り返してきたが、ジラーチを守る思いを結集した民衆によって倒され、街中さらしの刑に処せられた。
これにより撲滅されたかに思えたが、現在蘇り、ジラーチを再び捕らえようとしている。
団員は3人で、現在はアンデッドとして、日本のどこかを彷徨う状態。

ヒットした上に、ここまで詳細な情報があるとはみんな思ってもみなかった。
「アンデッドって、ゾンビみたいなものなのかな?」
『ゾンビは体中腐っているけれど、アンデッドは人間とほぼ変わらないから、見た目としては全く違うよ』
「こいつらはどんなことをしてきたん?」
『自分達の主義に反する人達を何人も殺害してきたりとか、ポケモンを勝手に奪ったりとか。1000年前にも実はポケモンが来ていたけれど、その時は僕が来たことで次元が歪んで出てきたんだ』
「じゃあ、ジラーチが眠ったと同時に、ポケモン達も帰っていったってことなん?」
『そうだよ。でも今はそれとは全く関係なくポケモン達がいるから、向こうの世界の都合で来たって思われるよ。だから、僕が眠ってもポケモンは戻らずに、今までみたいな関係で繋がっているんだ』
「何かいろいろ分かった。ちょっと謎に触れた感じがする」
図書館での調べものによって、少しだけいろんなことの核心に触れた気がした。


そして、帰りのバスには3人だけではなく、もっとたくさんの学生が乗っていた。
40分くらいバスに揺られて、下車予定のバス停に着く。
そして、3人ともバスから降り、バスが発車アナウンスを告げた、その時だった。
「発車します、ご注意くださ……」

ドーーーン!!!!

バスが炎上したのだ!!すでに降りている人々は逃げまどっていた。
「誰かー!水技を使えるポケモンはいませんか!?」
乗客も確か乗っていたはずであるし、間違いなく運転手はいるはずだ。
「ポッタイシ!ハイドロポンプ!!」
「ヌマクローもハイドロポンプ!」
「フタチマルもハイドロポンプ!!」
マイコもアキヤマもキザキも、自分の持つ水タイプのポケモンを使い、燃え上がる火を消した。
しかし、中にいた人の生存はあまり望めそうもなかった。
「バスが自発的に爆発したんやろうか?整備不良とかで」
「いや、そんなことはないと思うけど。そんな車は多分公道を走れないだろうし。それより悪意を持った誰かがやった方が分かるかも」
「外から炎を放ったとか?そうやとしたら暗殺目的でやったとか」
3人が推測を立てていると、上空から声がした。
「この私、チトセ様がやったのよ!オーッホッホッホ!!!」
その女は見るからにケバイ化粧をしていた。


「あんた何の目的があってこんなことしたのよ!?」
マイコは怒り心頭だった。
「決まってるじゃない。ジラーチを奪うためよ!」
「やからって関係ない人巻き込むことないやろ!!」
アキヤマも激怒していた。
「願い事を叶える力を持つポケモンを捕まえるのに手段なんていらないのよ。邪魔な人間さえ片付けられればそれでいいの」
「少なくともお前みたいな悪い奴にジラーチはついていかんと思うけど」
キザキもかなり怒っていた。
「フン、あんた達とはとことん反りが合わなさそうね。いいわ、苦しみながら死ぬという残酷な目に遭わせてあげる。行きなさい、サメハダー、ホウオウ!」
チトセと名乗る今回の事件の黒幕は、ボールから虹色ポケモンと凶暴ポケモンを繰り出してきた。
「3人相手にするのは好きじゃないから、2人と勝負したいのよ。決めて頂戴」
「そんなこと言って、私達が話し合っている最中にさらに攻撃するつもりなんでしょ?」
「まさか。そんなことしないわよ。もしかして、私のことを疑ってるの?野蛮よね現代人は」
マイコはその言葉に腸が煮えくり返りそうになったが、ぐっと堪えていた。


話し合いを行った末に、マイコとアキヤマがチトセと戦うことになった。
「私はホウオウの相手をするから、アッキーはサメハダーの相手をお願い」
「分かったわ。お前がアイツにめっちゃ怒りを感じてんのは痛いほど見えた。あんまり我を忘れんように」
マイコはヌマクローを、アキヤマはジャノビーを繰り出し、対峙してみると、相手からは普通感じるはずのプレッシャーを全く感じられなかった。
これは一体どういうことなのか。しかし、その謎はすぐに分かることになる。
アキヤマが携帯の「ポケモン図鑑アプリ」を見て下した命令は、マイコには少し理解ができない内容だったのだ。
「ジャノビー、リーフブレード!」
「何で!?これは接触を伴う攻撃だよ!?」
「分かってるで」
「そんなことしたら、ジャノビーがサメ肌でダメージを喰らってしまうよ!?」
「マイコ、図鑑を見てみ。俺がこの指示を出した理由が分かるはずやから」
マイコは自分の携帯画面を見た。そこには明らかな事実があった。

メタモン  変身ポケモン
タイプ  ノーマル
身長  30センチ
体重  4キログラム
特性  柔軟……麻痺の状態異常を防ぐ

どんなものにも変身できる珍しいポケモン。
唯一の技である「変身」で、相手ポケモンの技やタイプをコピー可能である。
ただし、特性は変身後でも「柔軟」のままなので、気を付けること。
(※ゲームでは「変身」によって特性もコピーできますが、この話では特性はコピー不可という設定になっています)

ようやく、マイコにも先のアキヤマの指示の真意が分かったようだ。それと同時に、今目の前にしている相手もまさか、と思い、見てみると、先と同じデータが出ていた。
「そうなんだ。妙に威圧感ないなって思ってたとこなんだ」
彼女はその結果に納得できた。
「ホウオウ、聖なる炎!サメハダー、噛み砕く!!」
「嘘をつくな!お前のポケモンは両方ともメタモンやろ!?」
「どこからどう見てもホウオウとサメハダーじゃない!嘘ついてるのはあんた達」
「図鑑のデータは正確だったよ!?熱湯や水鉄砲のPPが1個ずつしか減ってないのがその証拠よ!!」
「接触攻撃のリーフブレードを繰り出してもサメ肌のダメージはなかったで!!」
「……何ですぐバレるのよ!?」
チトセの悪かった部分は、特性が特徴的なポケモンを使ってきたことだと言える。
そのため、ここまで堂々とばれてしまうことになったのだ。
その時である。ジャノビーとヌマクローが光りだした。最終進化である。
「えっ、まさか……!?」
「これは進化やな。タイミングがめっちゃええ」
ジャノビーは大きな、風格も兼ね備えたロイヤルポケモンのジャローダに、ヌマクローは腕が太く、ガシッとした沼魚ポケモンのラグラージへと進化したのだ。
「ジャローダ、リーフストーム!!」
「ラグラージ、ハイドロポンプ!!」
草の大嵐と巨大な鉄砲水が、偽物の虹色ポケモンと凶暴ポケモンを飲み込み、ダブルノックアウトするのに、そう時間はかからなかった。
ノックアウトされたポケモンは、変身が解け、ともにメタモンに戻っていた。
オリジナルのポケモンがコピーのポケモンに勝った瞬間だった。


しかし、悪の女幹部はどうも納得がいかないようで……
「よくも私に恥をかかせてくれたわね!!あんた達死になさい!!」
何と、2匹のメタモン(無論、先程戦っていない別個体だが)を出し、先まで戦っていた2人の足元まで伸ばしてきたのだ。
「どういうこと!?」
「早く逃げな……!?アカン、逃げられへん!!」
メタモンの方が動きが早く、2人を絡め取って動きを止めてしまったのだ……!!


後編へ続く……


マコです。
なんかピンチですが、戦いは続きます。
次回はもう一人の幹部・ミライが登場し、マイコ達を翻弄します。
勝負はどうなるのでしょうか?
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


- 関連一覧ツリー (★ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 削除キー